JP2006151839A - α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2006151839A
JP2006151839A JP2004341949A JP2004341949A JP2006151839A JP 2006151839 A JP2006151839 A JP 2006151839A JP 2004341949 A JP2004341949 A JP 2004341949A JP 2004341949 A JP2004341949 A JP 2004341949A JP 2006151839 A JP2006151839 A JP 2006151839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
represented
acid derivative
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004341949A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Shibazaki
正勝 柴崎
Motomu Kanai
求 金井
Takeshi Mita
剛 美多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2004341949A priority Critical patent/JP2006151839A/ja
Publication of JP2006151839A publication Critical patent/JP2006151839A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法の提供。
【解決手段】 一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式IIIで表される配位子及びM(OR(Mは金属であり、Rは例えばアルキル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される触媒活性サイト源の存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法により、上記課題を解決する。
【化1】
Figure 2006151839

【選択図】 なし

Description

本発明は、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法に関する。特に、本発明は、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、不斉触媒を用いてエナンチオ選択性を有する方法に関する。
α,β-不飽和カルボン酸誘導体へシアニドを共役付加する方法は、有機化学において最も有用な反応の一つである。これで得られるβ−シアノ付加体は、還元条件下でγ−アミノ酪酸(GABA類似体)、加水分解による1,2-ジカルボン酸、及びクルチウス転位によるβ−アミノ酸へと変換することができる。特に、触媒的にエナンチオ選択性を発現するこの反応は、医薬におけるキラルビルディングブロックを形成するのに非常に重要である。
Jacobsenらは、シアニドの触媒的エナンチオ選択的共役付加について報告している(非特許文献1)。この方法は、キラルなサレン(salen)−Al錯体を触媒として用いて、β−脂肪族置換α,β-不飽和イミドからエナンチオ選択性を有する付加体を得ている。
G.M. Sammis & E.N. Jacobsen, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442-4443。
しかしながら、Jacobsenらの方法は、β−アリール又はβ−ビニル置換基を有する反応対象物では、反応が進まないという問題を有する。
そこで、本発明の目的は、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することにある。
特に、本発明は、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することにある。
本発明者らは、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
<1> 一般式I(式中、Rは*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、Rはピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式II(式中、R及びRは、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法。
Figure 2006151839
<2> 上記<1>において、Rがピロール誘導体であるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、配位子が一般式III’(式中、A〜Aはすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
Figure 2006151839
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドM(ORであるのがよい、また、金属アルコキシドM(ORのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、Rは、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
<7> 上記一般式I(式中、Rは*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、Rはピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの上記一般式II(式中、R及びRは、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、
上記一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及び
(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する、上記触媒。
<8> 上記<7>において、Rがピロール誘導体であるのがよい。
<9> 上記<7>又は<8>において、配位子が上記一般式III’(式中、A〜Aはすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<10> 上記<7>〜<9>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<11> 上記<7>〜<10>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドM(ORであるのがよい、また、金属アルコキシドM(ORのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、Rは、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<12> 式V−aで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−a(式中、RはH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、Rは、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
Figure 2006151839
<13> 式V−bで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
Figure 2006151839
<14> 式V−cで表されるtrans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法であり、
a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;
を有する上記方法。
Figure 2006151839
<17> 上記<14>〜<16>のいずれかにおいて、配位子が上記一般式III’(式中、A〜Aはすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<18> 上記<14>〜<17>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<19> 上記<14>〜<18>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドM(ORであるのがよい、また、金属アルコキシドM(ORのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、Rは、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<20> 上記<14>〜<19>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
本発明により、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することができる。
特に、本発明により、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供する。
本方法は、上記一般式IIIで表される配位子、及びM(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する。
上記一般式Iにおいて、Rは*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、Rはピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である。特に、本方法は、Rとして置換又は無置換の芳香族基を用いることができる。また、Rはピロール誘導体であるのが好ましい。
得られる、上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体において、R及びRは、一般式Iと同じ定義を有するのがよい。
上記一般式IIIで表される配位子において、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である。
特に、一般式IIIで表される化合物は、上記一般式III’で表される化合物であるのがよい。即ち、Rが、フッ素、塩素、及び臭素からなる群から選ばれる基であるのがよく、特に上記一般式III’において、A及びAがフッ素で置換されるのがよい。
本発明の方法において、上記一般式IIIで表される配位子の他に、M(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る反応を行う。
ここで、Mは、チタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属、好ましくはガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムである。
は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、好ましくは炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるのがよく、より好ましくはエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基であるのがよい。
なお、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である。
金属アルコキシド又は金属アミドのうち、金属アルコキシドであるのが好ましい。
金属アルコキシド又は金属アミドの量は、配位子の量に依存する。即ち、(金属アルコキシド又は金属アミドの量):(配位子の量)は、1:1〜1:3(モル比)であるのがよく、より好ましくは1:2(モル比)近傍であるのがよい。
シアノ源は、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
シアノ源の量は、金属アルコキシド又は金属アミドの量、若しくは配位子の量に依存する。具体的には、シアノ源の量は、金属アルコキシドの8倍以上(モル比)、好ましくは10倍以上(モル比)であるのがよい。
本発明の方法は、原料として用いるα,β-不飽和カルボン酸誘導体、金属アルコキシド又は金属アミド、配位子、及びそれらの量などに依存するが、一般的に、次のような反応条件下で行うのがよい。
即ち、反応温度は、室温以下、好ましくは−40℃〜室温、好ましくは−20℃程度で行うのがよい。
反応時間は、上記の種々の条件に依存するが、一般的に、10時間〜数日間で行うのがよい。
反応に用いる溶媒として、トルエン、CHClなどの低極性溶媒、プロピオニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を挙げることができるが、これらに限定されない。反応速度を上げる観点、高エナンチオ選択性を発現する観点などから、プロピオニトリル、アセトニトリル、THF、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を用いるのが好ましい。
また、本発明は、上述の、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法に用いる触媒を提供する。
本発明の触媒は、in vitroで調製される。即ち、本発明の触媒は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの上記一般式IIで表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、上記一般式IIIで表される配位子及び M(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する。
なお、一般式I〜IIIで表される、種々の記号などは、上述と同じ定義を有する。
本発明の触媒において、配位子とM(OR又はM(NRとの量は、(金属アルコキシド又は金属アミドの量):(配位子の量)が1:1〜1:3(モル比)であるのがよく、より好ましくは1:2(モル比)近傍であるのがよい。
さらに、本願は、上述の方法及び触媒により得られるβ−シアノカルボン酸誘導体を用いて、種々の有用な化合物を調製する方法を提供することができる。
例えば、式V−aで表される化合物の製造方法を提供することができる。
この方法は、a)式I−a(式中、RはH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、Rは、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、上記一般式IIIで表される配位子及びM(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−aにおいて、RがClである場合、抗てんかん薬として有用である。
Figure 2006151839
式II−aから式IV−aへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−aから式V−aへの工程は、公知の還元条件下、例えばラネーニッケル触媒下、水素と反応させることにより、得ることができる。
また、本発明は、式V−bで表される化合物の製造方法を提供することができる。
即ち、この方法は、a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びM(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−bで表される化合物は、抗てんかん薬として有用である。
Figure 2006151839
式II−bから式IV−bへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−bから式V−bへの工程は、公知の還元条件下、例えばSammis, G.M., Jacobsen, E.N., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442に記載される条件下で、得ることができる。
さらに、本発明は、式V−cで表される化合物、trans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法を提供することができる。
即ち、この方法は、a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びM(OR又はM(NRで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;を有する。
式V−cで表される化合物、trans-シクロペンタンジカルボン酸は、医薬におけるキラルビルディングブロックとして有用である。
Figure 2006151839
式II−cから式IV−cへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−cから式V−cへの工程は、例えば、90℃で12M HClと反応させることにより、得ることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<(2S)-4-メチル-2-(2-オキソ-2-ピロール-1-イル-エチル)-ペンタンニトリルの合成>
Figure 2006151839
上記一般式III’においてA及びAがFである配位子(以下、「diF配位子」と略記する)(13.8mg、0.030mmol)のTHF(0.3ml)溶液に、Gd(OPr)(0.2MTHF溶液、75μl、0.015mmol)を0℃で加えた。この混合物を45℃で1時間攪拌し、その後、溶媒を室温で蒸発させた。得られた触媒前駆体を減圧(<5mmHg)下で1.5時間乾燥した後、上記式に示す反応対象物である不飽和カルボン酸誘導体(53.1mg、0.30mmol)のプロピオニトリル溶液(500μl)を室温で加え、その後−20℃に冷却した。20分後、TMSCN(20μl、0.15mmol)を加え、さらにその10分後、HCN(4Mプロピオニトリル溶液、150μl、0.60mmol)を加え、反応を開始した。42時間後、H2Oを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)、白色結晶の題記の化合物を収率89%で得た。生成物の光学収率をHPLC分析(ダイセル・キラルセルOD−H、2-プロパノール:ヘキサン=1:20)により測定した。その結果、97%eeであった。
(実施例2〜9)
反応対象物として表1の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表1上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例2〜9(表1中、「Entry」の番号1〜8に対応する)を行った。なお、表1中、「Gd(OPr)(5mol%)」の「5mol%」及び「1or2(10mol%)」の「10mol%」は、実施例1と同条件であった。
表1から、実施例7〜9(「Entry」の番号6〜8に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
Figure 2006151839
(実施例10〜19)
反応対象物として表2上部の式に示す化合物を用い、且つ反応条件を表2上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例10〜19(表2中、「Entry」の番号1〜10に対応する)を行った。表2から、実施例11〜13及び実施例17〜19(「Entry」の番号2〜4及び8〜10に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
Figure 2006151839
(実施例20〜28)
反応対象物として表3の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表3上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例20〜28(表3中、「Entry」の番号1〜9に対応する)を行った。なお、実施例25(表3中、「Entry」の番号6に対応する)は、実施例1と同じである。
表3から、すべての実施例において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
Figure 2006151839

Claims (14)

  1. 一般式I(式中、Rは*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、Rはピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式II(式中、R及びRは、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
    一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法。
    Figure 2006151839
  2. がピロール誘導体である請求項1記載の方法。
  3. 前記配位子が一般式III’(式中、A〜Aはすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物である請求項1又は2記載の方法。
    Figure 2006151839
  4. 前記Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドM(ORであり、Mがガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるであり、Rは炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 一般式I(式中、Rは*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、Rはピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの一般式II(式中、R及びRは、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、
    一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及び
    (OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する、上記触媒。
    Figure 2006151839
  8. がピロール誘導体である請求項7記載の触媒。
  9. 前記配位子が一般式III’(式中、A〜Aはすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物である請求項7又は8記載の触媒。
    Figure 2006151839
  10. 前記Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれる請求項7〜9のいずれか1項記載の触媒。
  11. 前記金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドM(ORであり、Mがガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるであり、Rが炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれる請求項7〜10のいずれか1項記載の触媒。
  12. 式V−aで表される化合物の製造方法であり、
    a)式I−a(式中、RはH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、Rは、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
    一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
    b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
    c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;
    を有する上記方法。
    Figure 2006151839
  13. 式V−bで表される化合物の製造方法であり、
    a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
    一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
    b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
    c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;
    を有する上記方法。
    Figure 2006151839
  14. 式V−cで表されるtrans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法であり、
    a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
    一般式III(式中、Rは0〜4個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、Rは0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びM(OR又はM(NR(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、Rは、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
    b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
    c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;
    を有する上記方法。
    Figure 2006151839

JP2004341949A 2004-11-26 2004-11-26 α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒 Pending JP2006151839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004341949A JP2006151839A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004341949A JP2006151839A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006151839A true JP2006151839A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36630556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004341949A Pending JP2006151839A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006151839A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044803A1 (ja) * 2007-10-04 2009-04-09 Tokyo University Of Science Educational Foundation Administrative Organization 不斉触媒マイケル反応生成物の製造方法
WO2011145352A1 (ja) * 2010-05-20 2011-11-24 三井化学株式会社 チタン含有触媒、及び光学活性シアノ化合物を製造する方法
WO2017009753A1 (en) 2015-07-13 2017-01-19 Piramal Enterprises Limited An improved process for the preparation of baclofen and its intermediate

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003212887A (ja) * 2002-01-24 2003-07-30 Univ Tokyo 配位子及びそれを用いた不斉触媒
JP2004123624A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Sankyo Co Ltd 光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法
JP2005247715A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Univ Of Tokyo 配位子の合成方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003212887A (ja) * 2002-01-24 2003-07-30 Univ Tokyo 配位子及びそれを用いた不斉触媒
JP2004123624A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Sankyo Co Ltd 光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法
JP2005247715A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Univ Of Tokyo 配位子の合成方法

Non-Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010060577, Journal of the American Chemical Society, 2003, 125(15), p.4442−4443 *
JPN6010060578, Journal of Organic Chemistry, 2003, 68(25), p.9541−9553 *
JPN6010060579, Tetrahedron Letters, 1993, 34(47), p.7529−7532 *
JPN6010060580, Synthesis, 1990, (1), p.59−62 *
JPN6010060581, Archiv der Pharmazie, 1988, 321(12), p.935−941 *
JPN6010060582, Journal of the American Chemical Society, 2004, 126(32), p.9928−9929 *
JPN6010060583, Kagaku Kogyo, 2004, 55(8), p.590−596 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044803A1 (ja) * 2007-10-04 2009-04-09 Tokyo University Of Science Educational Foundation Administrative Organization 不斉触媒マイケル反応生成物の製造方法
WO2011145352A1 (ja) * 2010-05-20 2011-11-24 三井化学株式会社 チタン含有触媒、及び光学活性シアノ化合物を製造する方法
JP5722887B2 (ja) * 2010-05-20 2015-05-27 三井化学株式会社 チタン含有触媒、及び光学活性シアノ化合物を製造する方法
WO2017009753A1 (en) 2015-07-13 2017-01-19 Piramal Enterprises Limited An improved process for the preparation of baclofen and its intermediate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101130818B1 (ko) 이작용성 비스 신코나 알칼로이드 티오우레아 유기 키랄 촉매 화합물을 이용한 아즈락톤으로부터의 키랄 아미노산 제조방법
JP5271503B2 (ja) 有機ホウ素化合物の製造方法
US7863443B2 (en) Phosphoramidite ligand and production method of allylic amine using the same
JP2006151839A (ja) α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒
US8729303B2 (en) 2,2′,6,6′-tetrasubstituted aminophosphine ligand and its synthesis method
US7754898B2 (en) Method of enantioselective nucleophilic addition reaction of enamide to imine and synthesis method of α-amino-γ-keto acid ester
JP2011068587A (ja) 新規アミノアルコール誘導体塩、アミノアルコール誘導体塩構造を有する不斉有機分子触媒及び該不斉有機分子触媒を用いた光学活性化合物の製造方法
JP5569938B2 (ja) ピロリジン誘導体及びその製造方法
JP5408662B2 (ja) ジスルホン酸化合物の製法、不斉マンニッヒ触媒、β−アミノカルボニル誘導体の製法及び新規なジスルホン酸塩
JP4918257B2 (ja) 不斉還元方法
CN113754604B (zh) 一类含氮手性配体及其在硫醚的不对称氧化反应中的应用
US6054065A (en) Chiral ligand and method for preparing cyanohydrins from aldehydes
JP4529419B2 (ja) 光学活性含フッ素化合物類、及びこれらの製造方法
JP5263732B2 (ja) 光学活性1,2−ジアミン化合物の製造方法及び光学活性触媒
JP2013142071A (ja) ピロリジニル−スピロオキシインドール誘導体及びその製造方法
JP2011105608A (ja) 光学活性シアノヒドリン類の製造方法
CN113754605B (zh) 一种含氮配体及其制备方法和应用
US6921832B2 (en) Optically active fluorine-containing compounds and processes for their production
JP5303311B2 (ja) 光学活性含フッ素アルキニル化生成物の製造方法
JP5501701B2 (ja) イミンの不斉シアノ化方法
JP2010188267A (ja) 光学活性フェニルビスイミダゾリン−遷移金属錯体触媒
JP5246903B2 (ja) β−アミノカルボニル化合物の製法
JP5971804B2 (ja) ビスオキサゾリジン配位子およびそれを用いた触媒
JP5722887B2 (ja) チタン含有触媒、及び光学活性シアノ化合物を製造する方法
WO2009068284A2 (en) Process for the stereoselective reduction of ketoimines catalysed by trichlorosilane

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308