JP2006151839A - α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒 - Google Patents
α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法の提供。
【解決手段】 一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y(Mは金属であり、R3は例えばアルキル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される触媒活性サイト源の存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法により、上記課題を解決する。
【化1】
【選択図】 なし
【解決手段】 一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y(Mは金属であり、R3は例えばアルキル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される触媒活性サイト源の存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法により、上記課題を解決する。
【化1】
【選択図】 なし
Description
本発明は、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法に関する。特に、本発明は、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、不斉触媒を用いてエナンチオ選択性を有する方法に関する。
α,β-不飽和カルボン酸誘導体へシアニドを共役付加する方法は、有機化学において最も有用な反応の一つである。これで得られるβ−シアノ付加体は、還元条件下でγ−アミノ酪酸(GABA類似体)、加水分解による1,2-ジカルボン酸、及びクルチウス転位によるβ−アミノ酸へと変換することができる。特に、触媒的にエナンチオ選択性を発現するこの反応は、医薬におけるキラルビルディングブロックを形成するのに非常に重要である。
Jacobsenらは、シアニドの触媒的エナンチオ選択的共役付加について報告している(非特許文献1)。この方法は、キラルなサレン(salen)−Al錯体を触媒として用いて、β−脂肪族置換α,β-不飽和イミドからエナンチオ選択性を有する付加体を得ている。
G.M. Sammis & E.N. Jacobsen, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442-4443。
Jacobsenらは、シアニドの触媒的エナンチオ選択的共役付加について報告している(非特許文献1)。この方法は、キラルなサレン(salen)−Al錯体を触媒として用いて、β−脂肪族置換α,β-不飽和イミドからエナンチオ選択性を有する付加体を得ている。
G.M. Sammis & E.N. Jacobsen, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442-4443。
しかしながら、Jacobsenらの方法は、β−アリール又はβ−ビニル置換基を有する反応対象物では、反応が進まないという問題を有する。
そこで、本発明の目的は、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することにある。
特に、本発明は、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することにある。
特に、本発明は、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することにある。
本発明者らは、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
<1> 一般式I(式中、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式II(式中、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法。
<1> 一般式I(式中、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式II(式中、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法。
<2> 上記<1>において、R2がピロール誘導体であるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、配位子が一般式III’(式中、A1〜A4はすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、配位子が一般式III’(式中、A1〜A4はすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであるのがよい、また、金属アルコキシドMx(OR3)yのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、R3は、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであるのがよい、また、金属アルコキシドMx(OR3)yのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、R3は、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
<7> 上記一般式I(式中、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの上記一般式II(式中、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、
上記一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及び
Mx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する、上記触媒。
上記一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及び
Mx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する、上記触媒。
<8> 上記<7>において、R2がピロール誘導体であるのがよい。
<9> 上記<7>又は<8>において、配位子が上記一般式III’(式中、A1〜A4はすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<10> 上記<7>〜<9>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<9> 上記<7>又は<8>において、配位子が上記一般式III’(式中、A1〜A4はすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<10> 上記<7>〜<9>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<11> 上記<7>〜<10>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであるのがよい、また、金属アルコキシドMx(OR3)yのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、R3は、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<12> 式V−aで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−a(式中、R7はH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、R7は、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
a)式I−a(式中、R7はH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、R7は、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
<13> 式V−bで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
<14> 式V−cで表されるtrans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法であり、
a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;
を有する上記方法。
a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;
を有する上記方法。
<17> 上記<14>〜<16>のいずれかにおいて、配位子が上記一般式III’(式中、A1〜A4はすべてが水素であるか、又はいずれか1つ〜4つがフッ素、塩素又は臭素で置換される)で表される化合物であるのがよい。
<18> 上記<14>〜<17>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<19> 上記<14>〜<18>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであるのがよい、また、金属アルコキシドMx(OR3)yのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、R3は、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<20> 上記<14>〜<19>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
<18> 上記<14>〜<17>のいずれかにおいて、Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムであるのがよい。
<19> 上記<14>〜<18>のいずれかにおいて、金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであるのがよい、また、金属アルコキシドMx(OR3)yのMが、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよい。さらに、R3は、炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれるのがよく、特に、エチル、イソプロピル、n-プロピル、又はn-ブチル基であるのがよい。
<20> 上記<14>〜<19>のいずれかにおいて、シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
本発明により、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することができる。
特に、本発明により、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することができる。
特に、本発明により、反応対象物であるα,β-不飽和カルボン酸誘導体が多種にわたっても反応を進めることができる、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からエナンチオ選択性を有するβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供する。
本方法は、上記一般式IIIで表される配位子、及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する。
本願は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法を提供する。
本方法は、上記一般式IIIで表される配位子、及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する。
上記一般式Iにおいて、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である。特に、本方法は、R1として置換又は無置換の芳香族基を用いることができる。また、R2はピロール誘導体であるのが好ましい。
得られる、上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体において、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有するのがよい。
得られる、上記一般式IIで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体において、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有するのがよい。
上記一般式IIIで表される配位子において、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である。
特に、一般式IIIで表される化合物は、上記一般式III’で表される化合物であるのがよい。即ち、R4が、フッ素、塩素、及び臭素からなる群から選ばれる基であるのがよく、特に上記一般式III’において、A2及びA3がフッ素で置換されるのがよい。
特に、一般式IIIで表される化合物は、上記一般式III’で表される化合物であるのがよい。即ち、R4が、フッ素、塩素、及び臭素からなる群から選ばれる基であるのがよく、特に上記一般式III’において、A2及びA3がフッ素で置換されるのがよい。
本発明の方法において、上記一般式IIIで表される配位子の他に、Mx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る反応を行う。
ここで、Mは、チタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属、好ましくはガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムである。
R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、好ましくは炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるのがよく、より好ましくはエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基であるのがよい。
なお、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である。
金属アルコキシド又は金属アミドのうち、金属アルコキシドであるのが好ましい。
ここで、Mは、チタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属、好ましくはガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるのがよく、より好ましくはガドリウムである。
R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、好ましくは炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であるのがよく、より好ましくはエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基であるのがよい。
なお、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である。
金属アルコキシド又は金属アミドのうち、金属アルコキシドであるのが好ましい。
金属アルコキシド又は金属アミドの量は、配位子の量に依存する。即ち、(金属アルコキシド又は金属アミドの量):(配位子の量)は、1:1〜1:3(モル比)であるのがよく、より好ましくは1:2(モル比)近傍であるのがよい。
シアノ源は、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)であるのがよい。
シアノ源の量は、金属アルコキシド又は金属アミドの量、若しくは配位子の量に依存する。具体的には、シアノ源の量は、金属アルコキシドの8倍以上(モル比)、好ましくは10倍以上(モル比)であるのがよい。
シアノ源の量は、金属アルコキシド又は金属アミドの量、若しくは配位子の量に依存する。具体的には、シアノ源の量は、金属アルコキシドの8倍以上(モル比)、好ましくは10倍以上(モル比)であるのがよい。
本発明の方法は、原料として用いるα,β-不飽和カルボン酸誘導体、金属アルコキシド又は金属アミド、配位子、及びそれらの量などに依存するが、一般的に、次のような反応条件下で行うのがよい。
即ち、反応温度は、室温以下、好ましくは−40℃〜室温、好ましくは−20℃程度で行うのがよい。
反応時間は、上記の種々の条件に依存するが、一般的に、10時間〜数日間で行うのがよい。
反応に用いる溶媒として、トルエン、CH2Cl2などの低極性溶媒、プロピオニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を挙げることができるが、これらに限定されない。反応速度を上げる観点、高エナンチオ選択性を発現する観点などから、プロピオニトリル、アセトニトリル、THF、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を用いるのが好ましい。
即ち、反応温度は、室温以下、好ましくは−40℃〜室温、好ましくは−20℃程度で行うのがよい。
反応時間は、上記の種々の条件に依存するが、一般的に、10時間〜数日間で行うのがよい。
反応に用いる溶媒として、トルエン、CH2Cl2などの低極性溶媒、プロピオニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を挙げることができるが、これらに限定されない。反応速度を上げる観点、高エナンチオ選択性を発現する観点などから、プロピオニトリル、アセトニトリル、THF、ジメトキシエタン、エーテルなどの配位性溶媒を用いるのが好ましい。
また、本発明は、上述の、α,β-不飽和カルボン酸誘導体からβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法に用いる触媒を提供する。
本発明の触媒は、in vitroで調製される。即ち、本発明の触媒は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの上記一般式IIで表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、上記一般式IIIで表される配位子及び Mx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する。
なお、一般式I〜IIIで表される、種々の記号などは、上述と同じ定義を有する。
本発明の触媒は、in vitroで調製される。即ち、本発明の触媒は、上記一般式Iで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの上記一般式IIで表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、上記一般式IIIで表される配位子及び Mx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する。
なお、一般式I〜IIIで表される、種々の記号などは、上述と同じ定義を有する。
本発明の触媒において、配位子とMx(OR3)y又はMx(NR3)yとの量は、(金属アルコキシド又は金属アミドの量):(配位子の量)が1:1〜1:3(モル比)であるのがよく、より好ましくは1:2(モル比)近傍であるのがよい。
さらに、本願は、上述の方法及び触媒により得られるβ−シアノカルボン酸誘導体を用いて、種々の有用な化合物を調製する方法を提供することができる。
例えば、式V−aで表される化合物の製造方法を提供することができる。
この方法は、a)式I−a(式中、R7はH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、R7は、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、上記一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−aにおいて、R7がClである場合、抗てんかん薬として有用である。
例えば、式V−aで表される化合物の製造方法を提供することができる。
この方法は、a)式I−a(式中、R7はH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、R7は、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、上記一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−aにおいて、R7がClである場合、抗てんかん薬として有用である。
式II−aから式IV−aへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−aから式V−aへの工程は、公知の還元条件下、例えばラネーニッケル触媒下、水素と反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−aから式V−aへの工程は、公知の還元条件下、例えばラネーニッケル触媒下、水素と反応させることにより、得ることができる。
また、本発明は、式V−bで表される化合物の製造方法を提供することができる。
即ち、この方法は、a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−bで表される化合物は、抗てんかん薬として有用である。
即ち、この方法は、a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;を有する。
なお、式V−bで表される化合物は、抗てんかん薬として有用である。
式II−bから式IV−bへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−bから式V−bへの工程は、公知の還元条件下、例えばSammis, G.M., Jacobsen, E.N., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442に記載される条件下で、得ることができる。
また、式IV−bから式V−bへの工程は、公知の還元条件下、例えばSammis, G.M., Jacobsen, E.N., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442に記載される条件下で、得ることができる。
さらに、本発明は、式V−cで表される化合物、trans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法を提供することができる。
即ち、この方法は、a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;を有する。
式V−cで表される化合物、trans-シクロペンタンジカルボン酸は、医薬におけるキラルビルディングブロックとして有用である。
即ち、この方法は、a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、一般式IIIで表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)yで表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;を有する。
式V−cで表される化合物、trans-シクロペンタンジカルボン酸は、医薬におけるキラルビルディングブロックとして有用である。
式II−cから式IV−cへの工程は、公知の加水分解条件下、例えばTHF溶媒中、室温において、60分、1M NaOHの存在下で反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−cから式V−cへの工程は、例えば、90℃で12M HClと反応させることにより、得ることができる。
また、式IV−cから式V−cへの工程は、例えば、90℃で12M HClと反応させることにより、得ることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<(2S)-4-メチル-2-(2-オキソ-2-ピロール-1-イル-エチル)-ペンタンニトリルの合成>
上記一般式III’においてA2及びA3がFである配位子(以下、「diF配位子」と略記する)(13.8mg、0.030mmol)のTHF(0.3ml)溶液に、Gd(OiPr)3(0.2MTHF溶液、75μl、0.015mmol)を0℃で加えた。この混合物を45℃で1時間攪拌し、その後、溶媒を室温で蒸発させた。得られた触媒前駆体を減圧(<5mmHg)下で1.5時間乾燥した後、上記式に示す反応対象物である不飽和カルボン酸誘導体(53.1mg、0.30mmol)のプロピオニトリル溶液(500μl)を室温で加え、その後−20℃に冷却した。20分後、TMSCN(20μl、0.15mmol)を加え、さらにその10分後、HCN(4Mプロピオニトリル溶液、150μl、0.60mmol)を加え、反応を開始した。42時間後、H2Oを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)、白色結晶の題記の化合物を収率89%で得た。生成物の光学収率をHPLC分析(ダイセル・キラルセルOD−H、2-プロパノール:ヘキサン=1:20)により測定した。その結果、97%eeであった。
(実施例2〜9)
反応対象物として表1の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表1上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例2〜9(表1中、「Entry」の番号1〜8に対応する)を行った。なお、表1中、「Gd(OiPr)3(5mol%)」の「5mol%」及び「1or2(10mol%)」の「10mol%」は、実施例1と同条件であった。
表1から、実施例7〜9(「Entry」の番号6〜8に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
反応対象物として表1の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表1上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例2〜9(表1中、「Entry」の番号1〜8に対応する)を行った。なお、表1中、「Gd(OiPr)3(5mol%)」の「5mol%」及び「1or2(10mol%)」の「10mol%」は、実施例1と同条件であった。
表1から、実施例7〜9(「Entry」の番号6〜8に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
(実施例10〜19)
反応対象物として表2上部の式に示す化合物を用い、且つ反応条件を表2上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例10〜19(表2中、「Entry」の番号1〜10に対応する)を行った。表2から、実施例11〜13及び実施例17〜19(「Entry」の番号2〜4及び8〜10に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
反応対象物として表2上部の式に示す化合物を用い、且つ反応条件を表2上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例10〜19(表2中、「Entry」の番号1〜10に対応する)を行った。表2から、実施例11〜13及び実施例17〜19(「Entry」の番号2〜4及び8〜10に対応する)において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
(実施例20〜28)
反応対象物として表3の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表3上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例20〜28(表3中、「Entry」の番号1〜9に対応する)を行った。なお、実施例25(表3中、「Entry」の番号6に対応する)は、実施例1と同じである。
表3から、すべての実施例において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
反応対象物として表3の「Substrate」に記載されている化合物を用い、且つ反応条件を表3上部の反応式に示す条件を用いて、実施例1とほぼ同様の方法により、実施例20〜28(表3中、「Entry」の番号1〜9に対応する)を行った。なお、実施例25(表3中、「Entry」の番号6に対応する)は、実施例1と同じである。
表3から、すべての実施例において、高いエナンチオ選択性を有する反応生成物が得られたことがわかる。
Claims (14)
- 一般式I(式中、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から一般式II(式中、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する方法であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る工程を有する、上記方法。
- R2がピロール誘導体である請求項1記載の方法。
- 前記Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 前記金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであり、Mがガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるであり、R3は炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 前記シアノ源が、HCN及び/又はトリメチルシリルシアニド(以下、単に「TMSCN」と略記する場合がある)である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 一般式I(式中、R1は*印と結合して環を形成してもよい基であって、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、置換又は無置換の芳香族基であり、R2はピロール誘導体、アルコキシル基、イミダゾール誘導体又はアミノ基である)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体からの一般式II(式中、R1及びR2は、一般式Iと同じ定義を有する)で表されるエナンチオ選択性β−シアノカルボン酸誘導体調製用触媒であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及び
Mx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドを有する、上記触媒。
- R2がピロール誘導体である請求項7記載の触媒。
- 前記Mは、ガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれる請求項7〜9のいずれか1項記載の触媒。
- 前記金属アルコキシド又は金属アミドが金属アルコキシドMx(OR3)yであり、Mがガドリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、及びエルビウムからなる群から選ばれるであり、R3が炭素数が2〜4個である直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から選ばれる請求項7〜10のいずれか1項記載の触媒。
- 式V−aで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−a(式中、R7はH又はClである)で表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−a(式中、R7は、式I−aと同じ定義を有する)で表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−aで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−aで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−aで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
- 式V−bで表される化合物の製造方法であり、
a)式I−bで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−bで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−bで表されるβ−シアノカルボン酸を還元することにより式V−bで表される化合物を得る工程;
を有する上記方法。
- 式V−cで表されるtrans-シクロペンタンジカルボン酸の製造方法であり、
a)式I−cで表されるα,β-不飽和カルボン酸誘導体から式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を調製する工程であって、
一般式III(式中、R4は0〜4個の置換基であり、R5は0〜5個の置換基であり、R6は0〜5個の置換基であり、XはP又はAsであり、nは1〜3の整数である)で表される配位子及びMx(OR3)y又はMx(NR3)y(Mはチタン、ジルコニウム、イッテルビウム、アルミニウム、ガリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウムからなる群から選ばれる金属であり、R3は、炭素数が2〜6である、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルキル基、置換又は無置換の直鎖状又は分岐鎖状又は環状のアルケニル基、置換又は無置換の芳香族基又はトリアルキルシリル基であり、x及びyは前記金属Mにより化学量論的に定まる整数である)で表される金属アルコキシド又は金属アミドの存在下、前記α,β-不飽和カルボン酸誘導体をシアノ源と反応させて、前記β−シアノカルボン酸誘導体を得る上記工程;
b)式II−cで表されるβ−シアノカルボン酸誘導体を加水分解することにより式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を得る工程;
c)式IV−cで表されるβ−シアノカルボン酸を塩酸で処理することにより式V−cでtrans-シクロペンタンジカルボン酸を得る工程;
を有する上記方法。
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