JP2006149285A - 乳化状レトルトソース類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】澱粉及び油脂を含有する乳化状の液状部に卵白が略均一に分散されてなり、前記卵白含有量が前記澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.001〜0.2質量部である乳化状レトルトソース類。
【選択図】 なし
Description
つまり、本発明は、
(1) 澱粉及び油脂を含有する乳化状の液状部に卵白が略均一に分散されてなり、前記卵白含有量が前記澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.001〜0.2質量部である乳化状レトルトソース類、
(2) 前記澱粉含有量が、液状部に対して1%以上である(1)記載の乳化状レトルトソース類、
(3) 前記澱粉として少なくとも化工澱粉を含有する(1)又は(2)記載の乳化状レトルトソース類、
(4) レトルトソース類がホワイトソースである(1)乃至(3)のいずれかに記載の乳化状レトルトソース類、
である。
これら澱粉の中でも、少なくとも澱粉の一部として化工澱粉を用いると、適度なとろみ、口腔内に瞬時に拡がる流動性及びなめらかさを合わせ持つ好ましい性状のレトルトソース類が得られ易く好ましい。澱粉の合計含有量に対する化工澱粉の割合は、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上である。なお、澱粉の合計含有量に対する化工澱粉の割合が高すぎても、相対的に小麦粉等のソース類に風味を付与する澱粉の割合が少なくなってしまうので、澱粉の合計含有量に対する化工澱粉の割合は、好ましくは90%以下である。
油脂含有量は、適度なとろみ、口腔内に瞬時に拡がる流動性及びなめらかさを合わせ持つ好ましい性状のソース類を得る点から、具材を除く液状部に対して好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上である。また、油脂含有量は、多すぎてもソース類の風味のバランスが崩れてしまうので、具材を除く液状部に対して好ましくは30%以下である。なお、合成クリーム、乳化油脂等のように前記油脂を予め乳化材等で乳化処理したものを用いた場合は、この乳化物に配合した油脂も前記油脂含有量に含まれる。
このように卵白を澱粉に対して特定量含有させることにより、後述の試験例に示すように、レトルト処理により、口腔内にべたついたりする後味の悪い性状となってしまうことなく、適度なとろみ、口腔内に瞬時に拡がる流動性及びなめらかさを合わせ持つレトルトソース類が得られる。
これに対して、卵白含有量が前記範囲より少ない場合は、適度なとろみに欠けて口腔内にべたついて拡がり難い性状となってしまい本発明の効果が得られず、卵白含有量が前記範囲より多い場合は、口腔内にべたついて拡がり難くなるばかりか、レトルト処理により卵白の熱変性物が生じてざらついてなめらかさに欠ける性状となり本発明の効果が得られない。
また、必要に応じて、野菜や肉類等の具材を適宜選択して用いることができる。
すなわち、まず、澱粉、油脂、澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.001〜0.2質量部、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.1質量部の卵白、調味料及び清水等のソース類原料を用意する。次に、これらを攪拌装置付きニーダーに投入し、攪拌しながら90℃まで混合加熱をしてソース類を製する。続いて、製したソース類を耐熱性合成樹脂あるいはアルミ箔等の金属と耐熱性合成樹脂のラミネート等からなる耐熱性パウチ等の耐熱性容器に充填密封後、常法によりレトルト処理して、乳化状レトルトソース類を製する。
攪拌装置付きのニーダーに清水49kgを投入し、攪拌しながら牛乳30kg、小麦粉3kg、化工澱粉(架橋エステル化澱粉:ナショナルスターチアンドケミカル(株)製、商品名「コルフロ67」)2kg、生卵白(卵白固形分11.6%)1kg、上白糖1kg、グルタミン酸ナトリウム1kg、食塩0.8kg、キサンタンガム0.2kg、大豆サラダ油6kgを加えて混合加熱した。90℃に達温後加熱を停止し、生クリーム6kgを加えて仕上げ攪拌し、ホワイトソース100kgを得た。なお、加熱による水分の蒸発分は水分を加えて補正した。続いて、得られたホワイトソースをそれぞれ130gずつ耐熱性アルミパウチ(120mm×150mm)に充填密封して、熱水式レトルト中で120℃で20分間レトルト殺菌した後、冷却してレトルトホワイトソースを製した。製したレトルトホワイトソースの澱粉含有量は5%、油脂含有量は6%であり、卵白含有量は澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.02質量部である。
また、製したレトルトホワイトソースを常温に30日間保管した後、60℃に温めてから開封して食したところ、ホワイトソースとしての適度なとろみ、口腔内に瞬時に拡がる流動性及びなめらかさを合わせ持つ好ましいものであった。
小麦粉0.7kg、バター0.7kgを攪拌装置付きのニーダーに投入し、攪拌しながら120℃で加熱焙焼して小麦粉ルウを調製した。次に、この小麦粉ルウに、大豆サラダ油4kg、牛乳20kg、生卵白(卵白固形分11.6%)0.1kg、清水71.7kg、上白糖1kg、グルタミン酸ナトリウム1kg、食塩0.5kg、化工澱粉(架橋エステル化澱粉:ナショナルスターチアンドケミカル(株)製、商品名「コルフロ67」)0.3kgを加えて混合加熱し、90℃に達温後加熱を停止して、クリームスープ100kgを得た。なお、加熱による水分の蒸発分は水分を加えて補正した。続いて、得られたクリームスープをそれぞれ130gずつ耐熱性アルミパウチ(120mm×150mm)に充填密封して、熱水式レトルト中で120℃で20分間レトルト殺菌した後、冷却してレトルトクリームスープを製した。製したレトルトクリームスープの澱粉含有量は1%、油脂含有量は4.7%であり、卵白含有量は澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.01質量部である。
また、製したレトルトクリームスープを常温に30日間保管した後、60℃に温めてから開封して食したところ、クリームスープとしての適度なとろみ、口腔内に瞬時に拡がる流動性及びなめらかさを合わせ持つ好ましいものであった。
実施例1において、生卵白(卵白固形分11.6%)の配合量を調節し、ソース中の卵白固形分含有量が表1に記載された量となるようにした他は、実施例1と同じ配合と製法で8種類のレトルトホワイトソースを製した。なお、生卵白の配合量を調節した際の減少分又は増加分は清水の配合量で補正した。
次に、製した8種類のレトルトホワイトソースを常温に30日間保管した後、60℃に温めてから開封して食し、ソースのとろみ、流動性及びなめらかさを評価した。
<とろみの評価>
A:ホワイトソースとしての適度なとろみがある。
B:ホワイトソースとしての適度なとろみにやや欠けるが問題ない程度である。
C:ホワイトソースとしての適度なとろみにやや欠ける。
D:ホワイトソースとしての適度なとろみに欠ける。
<流動性の評価>
A:口腔内に瞬時に拡がる好ましい流動性を有する。
B:口腔内に瞬時に拡がる好ましい流動性にやや欠けるが問題ない程度である。
C:口腔内にややべたついて拡がり難い。
D:口腔内にべたついて拡がり難い。
<なめらかさの評価>
A:好ましいなめらかさを有する。
B:やや好ましいなめらかさに欠けるが問題のない程度である。
C:ややざらついてなめらかさに欠ける。
D:ざらついてなめらかさに欠ける。
これに対して、卵白含有量が前記範囲より少ないレトルトホワイトソース、すなわち、卵白を含有させていないレトルトホワイトソース及び卵白含有量が澱粉1質量部に対して固形分換算で0.0001質量部であるレトルトホワイトソースは、ホワイトソースとしての適度なとろみに欠けて口腔内にべたついて拡がり難い性状であることが理解できる。一方、卵白含有量が前記範囲より多いレトルトホワイトソース、すなわち、卵白含有量が澱粉1質量部に対して固形分換算で0.3質量部であるレトルトホワイトソースは、口腔内にべたついて拡がり難くざらついてなめらかさに欠けることが理解できる。
Claims (4)
- 澱粉及び油脂を含有する乳化状の液状部に卵白が略均一に分散されてなり、前記卵白含有量が前記澱粉1質量部に対して卵白固形分換算で0.001〜0.2質量部であることを特徴とする乳化状レトルトソース類。
- 前記澱粉含有量が、液状部に対して1%以上である請求項1記載の乳化状レトルトソース類。
- 前記澱粉として少なくとも化工澱粉を含有する請求項1又は2記載の乳化状レトルトソース類。
- レトルトソース類がホワイトソースである請求項1乃至3のいずれかに記載の乳化状レトルトソース類。
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