JP2006148592A - Cofdm変調信号受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】復調部へのアナログ・ベースバンド信号レベル及び各受信機内のミキサへの入力レベルを常に最適にして受信信号の情報品質を常に良好に保持すること。
【解決手段】復調部60でデジタル復調される際に検出される相互変調妨害レベルをAGC制御信号として、Hi−BAND段、RF段、IF段の各段でアナログ検波信号によってAGC制御を行うゲイン可変RFアンプ25、ゲイン可変RFアンプ4、アッテネータ17にフィードバックする。これにより、相互変調妨害レベルが低くなるようにアナログ・ベースバンド信号の復調部60への入力所定値と各段のミキサへの入力レベルを変化させるAGC制御を加えることができ、受信感度と受信機内での歪低減を両立し、受信信号の情報品質を常に良好に保持することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、COFDM変調信号受信機に係り、特に受信したCOFDM変調信号を変換して得たアナログ・ベースバンド信号の復調部への入力レベルを所定値に保持するAGC(Automatic Gain Control)に関する。
従来のCOFDM変調信号受信機の例として、COFDMで最も早くから国際標準化されたDABの移動体受信機について説明する。図3は、自動車等の移動体にも搭載されている既存(旧社会主義圏を除く欧州、カナダ、オーストラリアにて本放送開始済み)のCOFDM変調方式放送であるDAB(“ETS300401”)の受信機のチューナー部の構成を示したブロック図である(例えば特許文献1参照)。この例はCOFDM変調方式を使用したデジタル音声ラジオの分類に属するが、チューナー部としては従来のアマチュア無線機やアナログのNTSC/PAL/SECAM方式のテレビ、FM、AMラジオと大きく変わることは無く、アンテナで受波した希望信号のC/Nをなるべく失わずに増幅し、後段の信号処理部となる復調部へ送出することを目的にすることには変わりはない。
図3にて、まず、RF入力端子45から図示されないアンテナエレメントに誘起した電力を取り込み、デュプレクサ1により、既存のDABで使用されているL−Band(1452から1492MHz)、Band3(175〜240or250MHz)の二つのバンドを抽出し、各々L−Bandゲイン可変RFアンプ25、コンバイナ2へ送出する。また、この時、アンテナ用DCサプライ端子35からはローパスフィルタ37を介してDC電流がアンテナエレメントに供給されている。
L−Bandゲイン可変RFアンプ25へ送られた信号はここで増幅された後、L−Bandミキサー26にて、L−Band用PLLブロック30により制御されたL−Band用局部発振器27からの出力と混合され、Band3の周波数帯のRF信号となり、さらにコンバイナ2を経由して第1のトラッキングフィルタ3へ送出される。一方、L−Bandミキサー26からの出力信号はAGCブロック31にて包絡線検波され、そのDC化された信号がL−Bandゲイン可変RFアンプ25のゲインをコントロールし、Band3の周波数帯のRF信号の入力レベルが最適になるように制御するAGCループが形成されている。
コンバイナ2へ送出されたBand3のRF信号は、第1のトラッキングフィルタ3 (多くは単同調型が用いられている)に送出されて帯域制限を受けてからBand3ゲイン可変アンプ4で増幅された後、第2のトラッキングフィルタ5で再度帯域制限を受けて第1のミキサー6へ送出される。
第2のトラッキングフィルタ5で帯域制限されたRF信号は、PLLブロック10、ローパスフィルタ15、RF段局部発振器7、バッファアンプ9により生成されたDC信号と第1のミキサー6にて混合された後、第1のIF信号となって第1のIFアンプ12に送出される。また、RF段局部発振器7の発振周波数を制御するために生成されたDC信号は、RF段の第1のトラッキングフィルタ3、第2のトラッキングフィルタ5へも印加され、通過帯域の中心周波数を制御するために兼用される。
第1のIF周波数にダウンコンバートされた信号は、第1のIFアンプ12にて増幅された後、第1のIFバンドパスフィルタ(固定型)13によりRF段での処理に比して狭帯域な帯域制限を受ける。帯域制限を受けた第1のIF周波数信号は、再度第2のIFアンプ14にて増幅されてからアッテネータ16を通過後、第2のミキサー17へ送出される。
一方、第1のミキサー6でダウンコンバートされた信号はRF段AGCブロック11で抽出され、ここで包絡線検波を施されてDC化された信号に成り、その信号がゲイン可変RFアンプ4に印加されることでAGCループを築き、RF信号のゲインが調整される。
更に、第2のミキサー17では、入力されるRF信号と、水晶20と局部発振器32の組み合わせより発生する固定の周波数信号とが混合され、一定の周波数分のダウンコンバートが行われて、第2のIF信号に変換され、第2のIF段AGCブロック18、RSSIブロック19及び第2のIFアンプ22に入力される。IF信号はIF段AGCブロック18で抽出されて包絡線検波を施されることによりDC化された信号と成り、その信号がアッテネータ16に印加されることで、もう一つのAGCループを築き、第2のIF信号のゲインが調整される。
第2のIFアンプ22へ送出された信号は増幅された後、次段の第2のIFバンドパスフィルタ(固定型)23で最後の狭帯域制限を受け、第2のIFアンプ24にて図示されない復調部の入力レンジに適した信号レベルまで増幅され、これが受信機のアナログ・ベースバンド信号として、IF出力端子40から復調部へ送出される。
一方、第2のミキサー17から送出された第2のIF信号は、RSSI(受信信号強度検出器)ブロック19にも印加され、時定数の小さな包絡線検波を施された後、ローパスフィルタ41によって高周波成分が除去され、それがバッファアンプ21を経由して後続の復調部がシンクロナイゼーション初期(バースト信号に対するタイミング同期)の段階で必要とするRSSI信号として、RSSI出力端子42から出力される。
尚、外部システムコントローラとの通信端子は、例えばI2C(アイスクエアラー)バスではPLLブロック10のN値の制御やPLLのロックを認識するための3端子(DATA36、CLOCK37、LOCK38)が有り、また、後続の復調部からの微細な周波数チューニングを行うための、AFC端子39が設けられている。
特開平11−46154号公報 (第5−6頁、第1図)
しかしながら、上記した従来のCOFDM変調信号受信機におけるHi−Band、RF段、第1のIF段に設けられている各AGC制御ループでは、AGCブロック31、11、18によりアナログ検波(包絡線検波)したレベルによってのみAGC制御が行われ、それによりCOFDM変調信号のトータル電力の制御がなされているため、マルチキャリア同士の相互変調妨害が受信モジュールの内部の非線形性によって生じていても、復調部には端子40から決まったレベルのトータルの信号しか入力されず、復調部の初段であるADCブロックへの入力レベルが必ずしも歪成分の発生に対して最適に保持されることがなく、状況によっては受信信号の情報品質の指標であるBER(Bit Error Rate)が悪化するという問題がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、復調部へのアナログ・ベースバンド信号レベルを常に最適にして受信信号の情報品質を常に良好に保持することができるCOFDM変調信号受信機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、希望チャネルのCOFDM変調波を受信してアナログ・ベースバンド信号として復調部に入力する際に、Hi−BAND段、RF段、IF段の各段のアナログ検波信号によって制御されるAGCループを前記各段に備えることにより、復調部に入力される前記アナログ・ベースバンド信号レベルを所定値に保持するCOFDM変調信号受信機であって、前記アナログ・ベースバンド信号レベルを前記復調部でデジタル復調する際に相互変調妨害レベルを検出する検出手段と、前記検出された相互変調妨害レベルを前記各段のAGCループにAGC制御信号としてフィードバックして前記アナログ・ベースバンド信号の前記復調部への前記入力所定値を可変するフィードバック手段とを具備することを特徴とする。
このように本発明のCOFDM変調信号受信機では、Hi−BAND段、RF段、IF段の各段のアナログ検波信号によって各段のAGC制御を行うに加えて、復調部でデジタル復調する際に相互変調妨害レベルを検出し、これを各段のAGC制御ループにAGC制御信号としてフィードバックすることにより、相互変調妨害レベルが低くなるようにアナログ・ベースバンド信号の復調部への入力所定値を変化させるAGC制御を行うことによって、復調部へのアナログ・ベースバンド信号レベルを常に最適にして受信信号の情報品質を常に良好に保持することができる。
本発明によれば、Hi−BAND段、RF段、IF段の各段のアナログ検波信号によって各段のAGC制御を行うに加えて、復調部でデジタル復調する際に検出される相互変調妨害レベルを各段のAGC制御ループにAGC制御信号としてフィードバックすることにより、復調部へのアナログ・ベースバンド信号レベルを常に最適にして受信信号の情報品質の指標であるBERの装置劣化を大幅に軽減でき、これにより受信信号の情報品質を常に良好に保持することができる。
復調部へのアナログ・ベースバンド信号レベルを常に最適にして受信信号の情報品質を常に良好に保持する目的を、BAND段、RF段、IF段に各段のアナログ検波信号によって各段のAGC制御を行うに加えて、復調部でデジタル復調する際にマルチキャリアの存在しない周波数における相互変調妨害レベルを検出し、これを各段のAGC制御ループにAGC制御信号としてフィードバックすることにより、相互変調妨害レベルが低くなるようにアナログ・ベースバンド信号の復調部への入力所定値を変化させるAGC制御を行うことによって実現した。
図1は、本発明の一実施の形態に係るCOFDM変調信号受信機の構成例を示したブロック図である。但し、従来例と同様の部分には同一符号を付して説明する。COFDM変調信号受信機は、ダイプレクサ(分配器)1、コンバイナ2、第1のトラッキング・フィルタ3、ゲイン可変RFアンプ4、第2のトラッキング・フィルタ5、第1のミキサー6、RF段局部発振器7、第1のバッファ8、第2のバッファ9、第2のPLLブロック10、RF段AGCブロック11、第1のIFアンプ12、第1のIFの固定バンドパス・フィルタ13、第1のIFアンプ14、第1のローパスフィルタ15、アッテネータ16、第2のミキサー17、IF段AGCブロック18、RSSIブロック19、水晶20、第3のバッファ21、第2のIFアンプ22、第2のIFの固定バンドパス・フィルタ23、第2のIFアンプ24、L−Bandゲイン可変RFアンプ25、L−Bandミキサー26、L−Band局部発振器27、第2のローパスフィルタ28、第3のローパスフィルタ29、第1のPLLブロック30、L−BandAGCブロック31、IF局部発振器32、第1のバンドパスフィルタ33、基準局部発振器34、アンテナ電源端子35、DATA36、CLOCK37、LOCK38、AFC制御端子39、IF出力端子40、第4のローパスフィルタ41、RSSI出力端子42、RF入力端子45、復調部60を有して構成され、特に、復調部60から中心周波数のDFT処理での検出値の出力(例えばDAC出力)がL−Bandゲイン可変RFアンプ25、ゲイン可変RFアンプ4、アッテネータ16に供給されるAGCループが設けられている点が従来と異なるところである。また、各段のAGC制御は受信感度、言い換えれば高C/N維持の観点より、後段より順に、時定数をもって効くように構成されると共に、各段のAGCループ内の増幅器 (25,4,16)は、各段の信号レベルをアナログ検波(包絡線検波)された信号と、復調部60からのDFT処理後にDACから出力された信号との2信号からの制御を可能とするために、増幅素子としては例えばデュアルゲートFET等により構成されている。
次に本実施の形態の動作について説明する。まず、RF入力端子45から図示されないアンテナエレメントに誘起した電力を取り込み、デュプレクサ1により、既存のDABで使用されているL−Band(1452から1492MHz)、Band3(175〜240or250MHz)の二つのバンドを抽出し、各々L−Bandゲイン可変RFアンプ25、コンバイナ2へ送出される。また、この時、アンテナ用DCサプライ端子35からはローパスフィルタ37を介してDC電流がアンテナエレメントに供給されている。
L−Bandゲイン可変RFアンプ25へ送られた信号はここで増幅された後、L−Bandミキサー26にて、L−Band用PLLブロック30により制御されたL−Band用局部発振器27からの出力と混合され、Band3の周波数帯のRF信号となり、さらにコンバイナ2を経由して第1のトラッキングフィルタ3へ送出される。一方、L−Bandミキサー26からの出力信号はAGCブロック31にて包絡線検波され、そのDC化された信号がL−Bandゲイン可変RFアンプ25の一方の制御端子に入力されている。これと同時に、L−Bandゲイン可変RFアンプ25の他方の制御端子には復調部60からのDFT処理での検出値出力80が入力されている。したがって、L−Bandゲイン可変RFアンプ25は、入力されるBand3の周波数帯のRF信号のゲインを包絡線検波信号及びDFT処理検出値80により決定される値にしてL−Bandミキサー26に出力する。
コンバイナ2へ送出されたBand3のRF信号は、第1のトラッキングフィルタ3 (多くは単同調型が用いられている)に送出されて帯域制限を受けてからBand3ゲイン可変アンプ4で増幅された後、第2のトラッキングフィルタ5で再度帯域制限を受けて第1のミキサー6へ送出される。
第2のトラッキングフィルタ5で帯域制限されたRF信号は、PLLブロック10、ローパスフィルタ15、RF段局部発振器7、バッファアンプ9により生成されたDC信号に発振周波数を制御されたRF段局部発振器7の出力信号と第1のミキサー6にて混合された後、第1のIF信号となって第1のIFアンプ12に送出される。また、RF段局部発振器7の発振周波数を制御するために生成されたDC信号は、RF段の第1のトラッキングフィルタ3、第2のトラッキングフィルタ5へも印加されて通過帯域の中心周波数を制御するために兼用される。
第1のミキサー6により第1のIF周波数にダウンコンバートされた信号は、第1のIFアンプ12にて増幅された後、第1のIFの固定バンドパス・フィルタ13によりRF段での処理に比して狭帯域な帯域制限を受ける。帯域制限を受けた第1のIF周波数信号は、再度第2のIFアンプ14にて増幅されてからアッテネータ16を通過後、第2のミキサー17へ送出される。
一方、第1のミキサー6でダウンコンバートされた信号はRF段AGCブロック11で抽出され、ここで包絡線検波を施されてDC化された信号に成り、その信号がゲイン可変RFアンプ4の一方の制御端子に入力されると共に、他方の制御端子には復調部60から
のDFT処理での検出値出力80が入力されている。したがって、ゲイン可変RFアンプ4は、入力されるRF信号のゲインを包絡線検波信号及びDFT処理検出値80により決定される値にして第1のミキサー6に出力する。
のDFT処理での検出値出力80が入力されている。したがって、ゲイン可変RFアンプ4は、入力されるRF信号のゲインを包絡線検波信号及びDFT処理検出値80により決定される値にして第1のミキサー6に出力する。
更に、第2のミキサー17では、入力されるRF信号と水晶20と局部発振器32の組み合わせより発生する固定の周波数信号とが混合されることにより、一定の周波数分のダウンコンバートが行われて第2のIF信号に変換される。この第2のIF信号はIF段AGCブロック18、RSSIブロック19及び第2のIFアンプ22に入力される。第2のIF信号はIF段AGCブロック18で抽出されて包絡線検波を施されることによりDC化された信号と成り、その信号がアッテネータ16の一方の制御端子に印加されると共に、他方の制御端子には復調部60からのDFT処理での検出値出力80が入力される。したがって、アッテネータ16は入力される第1のIF信号のゲインを包絡線検波信号及びDFT処理検出値80により決定される値に減衰して第2のミキサー17に出力する。
第2のIFアンプ22へ送出された信号は増幅された後、次段の第2のIFの固定バンドパス・フィルタ23で最後の狭帯域制限を受け、第2のIFアンプ24にて復調部60の入力レンジに適した信号レベルまで増幅され、それが受信機のアナログ・ベースバンド信号としてIF出力端子40から復調部60へ送出される。
一方、第2のミキサー17から送出された第2のIF信号は、RSSIブロック19にも印加され、時定数の小さな包絡線検波を施された後、ローパスフィルタ41により高周波成分が除去され、それがバッファアンプ21を経由して、後続の復調部60がシンクロナイゼーション初期の段階で必要とするRSSI信号としてRSSI出力端子42から復調部60に出力される。
復調部60では、IF出力端子40から送出されるマルチキャリアの第2のIF信号をADコンバーターにてデジタル信号に変換した後、IQ復調(直行成分の復調)、FFT(時間軸−周波数展開)といった一連のOFDM波の復調が行われ、その際のFETポイント数はDFT(離散フーリエ変換処理)を行うこと依り、2N (Nは整数)である。復調部60ではOFDM変調波のマルチキャリアの本数以上で且つ2N となるポイント数でFFT処理を行っている。この復調部60でのDFT処理後のセンター周波数のDFTポイントにおける相互変調歪妨害(IMD)レベルが上記したDFT処理検出値80として、L−Bandゲイン可変RFアンプ25、ゲイン可変RFアンプ4、アッテネータ16にフィードバクされることになる。なお、復調部60からのフィードバック系による各AGCループへの制御の効き方は、IF段、RF段、Hi−BAND段の各AGCループの順番になるように図示されない時定数回路にて調整されているものとする。
この復調部60からの各AGCループへのフィードバック系により、IF出力端子40から送出されるアナログ・ベースバンド信号レベルを復調部60初段のAD変換部(図示せず)でのダイナミックレンジに対して常に最適になるように制御でき、一方、相互変調歪妨害が増加しないようにしてBERの悪化を防止することができる。なお、従来は受信電波の状況によらずアナログ・ベースバンド信号レベルがADコンバーターのダイナミックレンジに対して一定になるように各AGCループが働いていたが、本実施の形態では各AGCループによる制御電圧目標であるアナログ・ベースバンド信号レベルを、復調部60からの各AGCループへのフィードバック系により上記した相互変調歪妨害が増加しないように可変する構成を付加したということである。
図2はCOFDM変調された信号の周波数軸上の波形及び、3次、5次が成分としてはメインとなる上記した相互変調歪妨害の成分を示した図である。Δf=0のDFTポイントは本来変調信号成分は無いが、等周波数間隔で並んだ各マルチキャリアは受信機内の非線形性により相互変調妨害に因る歪成分を発生する。また変調帯域外の上下Δfステップのポイントにも同成分が発生する。図中のkはマルチキャリア数の1/2であり、例えばDABのモードIではk=768となる(※DVB、IEEE802.11.aといった規格、またはその中の送信MODEによって異なる)。fspはマルチキャリア周波数ステップでありCOFDM変調では各マルチキャリアのボーレートの逆数とされる、例えばDABのモードIではfsp=1[kHz]となる(※DVB、IEEE802.11.aといった規格、またはその中の送信MODEによって異なる)。
また、本実施の形態の拡張性としてDFTポイント数は2のN乗であり、このポイント数は必ず、2×kを上回るように設定されているので、Δf=fsp×k以上の上下の周波数帯にもDFT算出ポイントが存在し、このポイントの検出レベルは相互変調歪のみならずACS(隣接チャンネル漏洩電力)の和を検出していることになる。この算出値も更に使って復調部60からのデジタルAGC制御電圧を生成すれば、隣接チャンネルにDU比の悪い非希望波信号が存在するときなど、より信号品質に忠実なAGC制御を実現することが可能である。
尚、外部システムコントローラとの通信端子は、PLLブロック10のN値の制御やPLLのロックを認識するためのバス(この場合I2Cバス:DATA36、CLOCK37、LOCK38)が有り、また、後続の復調部60からの微細な周波数チューニングを行うための、AFC端子39が設けられている。
本実施の形態によれば、復調部60からDFT処理検出値(相互変調歪妨害レベルに対応)80をHi−BAND段、RF段、IF段の各AGCループを構成するL−Bandゲイン可変RFアンプ25、ゲイン可変RFアンプ4、アッテネータ16にフィードバックするループを通して相互変調歪成分のレベルによるAGC制御を加えることにより、復調部60の初段となるAD変換部でのダイナミックレンジに対するアナログ・ベースバンド信号の入力レベルと各段のミキサへの入力レベルを常に最適に保つことができ、それ故、受信信号の情報品質の指標であるBERの装置劣化を大幅に軽減することができる。
また、復調部60での復調時に必ず処理されるΔf=0(中心周波数)でのDFTポイントの検出レベルを上記AGC制御に利用することにより、復調部60のハード構成に新たに付加する部品ブロックを必要としないため、装置の小形化を損なったり、コストアップ抑制を損なうことなく上記効果を得ることができる。
また、逐次ボーレート以上の周波数でレベル検出を行うため、レイリーフェージングを浴びる移動体受信にも対応する追従性が期待できる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
1……ダイプレクサ(分配器)、2……コンバイナ、3……第1のトラッキング・フィルタ、4……ゲイン可変RFアンプ、5……第2のトラッキング・フィルタ、6……第1のミキサー、7……RF段局部発振器、8……第1のバッファ、9……第2のバッファ、10……第2のPLLブロック、11……RF段AGCブロック、12……第1のIFの第1IFアンプ、13……第1のIFの固定バンドパス・フィルタ、14……第2のIFの第2IFアンプ、15……第1のローパスフィルタ、16……アッテネータ、17……第2のミキサー、18……IF段AGCブロック、19……RSSIブロック、20……水晶、21……第3のバッファ、22……第2のIFの第1IFアンプ、23……第2のIFの固定バンドパス・フィルタ、24……第2のIFの第2IFアンプ、25……L−Bandゲイン可変RFアンプ、26……L−Bandミキサー、27……L−Band局部発振器、28……第2のローパスフィルタ、29……第3のローパスフィルタ、30……第1のPLLブロック、31……L−BandAGCブロック、32……IF局部発振器、33……第1のバンドパスフィルタ、34……基準局部発振器、35……アンテナ電源端子、36……DATA、37……CLOCK、38……LOCK、39……AFC制御端子、40……IF出力端子、41……第4のローパスフィルタ、42……RSSI出力端子、45……RF入力端子、60……復調部。
Claims (6)
- 希望チャネルのCOFDM変調波を受信してアナログ・ベースバンド信号として復調部に入力する際に、Hi−BAND段、RF段、IF段の各段のアナログ検波信号によって制御されるAGCループを前記各段に備えることにより、前記復調部に入力される前記アナログ・ベースバンド信号レベルを所定値に保持するCOFDM変調信号受信機であって、
前記アナログ・ベースバンド信号レベルを前記復調部でデジタル復調する際に相互変調妨害レベルを検出する検出手段と、
前記検出された相互変調妨害レベルを前記各段のAGCループにAGC制御信号としてフィードバックして前記アナログ・ベースバンド信号の前記復調部への前記入力所定値を可変するフィードバック手段と、
を具備することを特徴とするCOFDM変調信号受信機。 - 前記検出手段は、前記復調部における離散フーリエ変換(DFT)処理後のセンター周波数のDFTポイントにおける相互変調妨害レベルを検出することを特徴とする請求項1記載のCOFDM変調信号受信機。
- 前記フィードバック手段は、前記各段のAGCループを構成する可変ゲイン増幅部のゲインを調整するべく、前記AGC制御信号を前記可変ゲイン増幅部に印加することを特徴とする請求項1記載のCOFDM変調信号受信機。
- 前記可変ゲイン増幅部の増幅素子としてデュアルゲートFETを用いることを特徴とする請求項3記載のCOFDM変調信号受信機。
- 前記フィードバック手段による前記AGC制御信号を時定数回路を通して前記各段のAGCループへ印加して、前記各段のAGCループへの前記AGC制御信号の効き方に時差を設けることを特徴とする請求項4記載のCOFDM変調信号受信機。
- 前記フィードバック手段は、前記復調部における相互変調歪成分が増加しないように前記AGC制御信号を前記各段のAGCループにフィードバックすることを特徴とする請求項1記載のCOFDM変調信号受信機。
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