JP2006142840A - インクジェット記録装置及び予備吐出制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び予備吐出制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】確実にノズルの回復ができるとともに、回復動作によるインクの消費量を抑制することができるインクジェット記録装置及び予備吐出制御方法を提供する。
【解決手段】印字ヘッド50内のノズル51Aにより、前の画像100ではタイミングTaで打滴点102に打滴が行われ、次の画像110ではタイミングTcで打滴点112に打滴が行われる。Taから現在Tbまでの非稼動時間T1とTbからTcまでの非稼動予定時間T2の合計が予備吐出基準時間を超える場合には予備吐出が行われる。過去分の非稼動時間だけでなく非稼動予定時間を算出し、これらを合計して予備吐出を行うか否かを判断するので、画像の途中で吐出異常や不吐出の発生を防止できる。予備吐出基準時間を2つ備え、一方は吐出異常発生までの時間とし、もう一方は不吐出発生までの時間とする。それぞれを基準として予備吐出を行うので吐出異常だけでなく不吐出も防止できる。
【選択図】 図9

Description

本発明はインクジェット記録装置及び予備吐出制御方法に係り、特に記録ヘッドの回復動作制御技術に関する。
近年、デジタルスチルカメラにより撮影された画像などを印刷記録する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)が普及している。インクジェット記録装置はヘッドに複数の記録素子を備え、この記録素子からインクの液滴を記録媒体に吐出しながら記録ヘッドを走査し、記録紙上に画像を1ライン分記録すると記録媒体を1ライン分搬送し、この工程を繰り返すことにより記録紙上に画像を形成するものである。
インクジェットプリンターには、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うものや、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるものがある。ラインヘッドを用いたものでは、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。ラインヘッドを用いたプリンターでは短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となり、また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になる。また、記録媒体だけが移動するのでシリアルヘッドを用いたプリンターに比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットプリンターに用いられるインクには大気に触れるとインク溶媒(例えば、水性インクの場合は主として水)が蒸発してしまう性質を持っており、時間が経過するに従い次第にインクの粘度が高くなり、やがてはインクが固まってしまう。したがって、長時間インクが吐出されないノズルでは、まず、ノズル開口付近のインク(インクが空気と接する面)が高粘度となり、徐々にノズル内部のインクが高粘度化してしまう。
上述したインクの高粘度化が起こると、長時間インクが吐出されないノズルからはインクが吐出されにくくなり、更に、時間が経過すると所定の圧力を加えても当該ノズルからインクが吐出されなくなるといった問題がある。
このような問題を解決するために、一定期間ごとに予備吐出(パージ、つば吐き、空吐出、ダミー吐出)を行い、ノズル内の増粘インクを外部に吐出させたり、ポンプ等の吸引手段を用いて固まったインクを吸引したりする回復動作を行っている。
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置及び回復処理方法並びに回復処理プログラムを記憶した記憶媒体では、同一内容のプリントでは使用するノズルが確定するので、プリント中に回復動作を行わなくてもよく、同一内容の複数枚プリントの場合には記録中に回復動作行わないように制御される。一方、プリント内容が異なる場合には、各ノズルの放置時間を記録して基準以下の場合には、そのノズルは回復動作を行わないように制御される。このように制御することで、予備吐出の回数を減らし、インクの消費量を低減させている。
特開平11−192729号公報
しかしながら、吐出不良や不吐出を防ぐために頻繁に回復動作が行われると、インクの消費量が増大するだけでなく、実技プリントの生産性が落ちてしまうことがある。また、回復動作を行う回復手段には、ブレードなどの消耗部品が含まれているために、これらの消耗部品のメンテナンスが必要になる。
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置及び回復処理方法並びに回復処理プログラムを記憶した記憶媒体では、同一内容のプリントであっても、一度に大量のプリントを行う場合には、プリントに使用しないノズルは長時間使用されず、該ノズル内のインクが完全に固化してしまい(非常に高い粘度になる/ノズル開口部から深部まで増粘する)、予備吐出だけでは該ノズルを回復できないことがあり得る。また、長尺プリントを考えた場合に、プリントの前に放置時間をチェックすると、プリント中にインクの増粘が発生して吐出不良となるまでの基準時間を超えてしまうことがあり得る。
したがって、ノズルの吐出不良や不吐出が発生し、プリント結果には、被記録媒体の搬送方向にスジムラが発生してしまうことがある。上述した問題点は、特に、ラインヘッドを用いたシングルパスでは顕著になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、確実にノズルの回復ができるとともに、回復動作によるインクの消費量を抑制することができるインクジェット記録装置及び予備吐出制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、前回ノズルを稼動させてから現在までの非稼動時間(過去分)と現在から次回ノズルを稼動させるまでの非稼動予定時間との合計時間が基準時間を超えると予備吐出が実行されるように制御される。したがって、印字途中でノズルに吐出異常が発生することを防止できる。
ノズルの稼動には印字時におけるインクの吐出の他に、予備吐出やノズル吸引等の回復動作が含まれていてもよい。
当該ノズルの稼動、予備吐出、吸引などにより当該ノズルからインクが排出(吐出)されると非稼動時間計測値がリセット(初期化)され、リセット時から新たに次の非稼動時間が計測される。
非稼動時間には、画像間のインターバル時間や余白部の時間が含まれていてもよい。
予備吐出を行うか否かを判断するタイミングは、各画像の印字開始時でもよいし、各ロット(プリントジョブ)の印字開始時でもよい。また、ロットごとに判断する場合に、長時間ロットでは、ロット内の画像ごとや任意のタイミングなどで判断するように制御してもよい。
記録ヘッドは、被記録媒体搬送方向に略直交する方向において、印字対象となる被記録媒体の印字可能領域の全域にわたってインク吐出口(ノズル開口)が配置されているフルライン型の印字ヘッドでもよいし、ライン型の印字ヘッドが複数に分割された分割型ヘッドでもよい。更に、短尺の印字ヘッドを印字媒体搬送方向に略直交する方向に移動しながらインク滴を吐出させるシャトルスキャン型印字ヘッドでもよい。ライン型ヘッドとシャトルスキャン型ヘッドとの複合型でもよい。
予備吐出(パージ、つば吐き、空吐出、ダミー吐出)は、印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータが動作してもノズルからインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータの動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータを動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出するために行われるノズル内のインク吐出であり、電源投入時(リセット時)や所定の期間ごとに行ってもよいし、打滴結果を検出して必要に応じて行ってもよい。
基準時間はノズルごとに設定されてもよいし、複数のノズルごとに設定されてもよい。また、記録ヘッド全体に対して設定されてもよい。更に、複数の記録ヘッドが備えられている場合には、記録ヘッドごとに設定されてもよいし、全ヘッドに対して設定されてもよい。
なお、本明細書において「印字」という用語は、文字の形成のみならず、文字を含む広い意味での画像を形成する概念を表すものとする。
また、前記目的を達成するために請求項2に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、次の画像で稼動予定があるノズルでは前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行され、次の画像で稼動予定がないノズルでは前記非稼動予定時間として所定の時間が設定され、前記非稼動時間と前記所定の時間との合計が第2の基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、稼動予定のあるノズルは第1の基準時間、稼動予定のないノズルは第2の基準時間に基づいて予備吐出を行うか否かが判断される。ノズルが稼動されるか、稼動されないかに応じて予備吐出の必要性を判断でき、予備吐出で消費されるインクを低減化可能である。
第1の基準時間が第2の基準時間より小さくなるような2つの基準時間を用いると、稼動予定のないノズルは稼動予定のあるノズルと比較して予備吐出の回数を減らすことができる。
第1の基準時間及び第2の基準時間は、ノズルごとに設定されてもよいし、複数のノズルごとに設定されてもよい。また、記録ヘッド全体に対して設定されてもよい。更に、複数の記録ヘッドが備えられている場合には、記録ヘッドごとに設定されてもよいし、全ヘッドに対して設定されてもよい。
稼動予定のないノズルでは非稼動予定時間を算出できないので、非稼動予定時間に代わり所定の時間(値)が設定される。所定の時間は0でもよいし、所定の演算により求められた値を設定してもよい。所定の時間を求める態様は、過去の非稼動時間の平均値でもよいし、過去の履歴から非稼動時間を予測した予測値でもよい。また、所定の時間を0とすると、非稼働時間のみに基づいて予備吐出を行うか否かが判断される。
また、前記目的を達成するために請求項3に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、次の画像で稼動されるノズルでは、前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行され、次の画像で稼動されないノズルでは、前記非稼動時間と現在から次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が第2の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、次の画像で稼動されるノズルでは、前回のノズル稼動からの非稼動時間とノズル稼動までの予定時間との合計が第1の基準時間を超えた場合に予備吐出が実行され、次の画像で稼動されないノズルでは、前記非稼動時間と次の画像の後端部印字終了までの時間との合計が第2の基準時間を超えると予備吐出が実行されるように制御されるので、プリント内容によるノズルの稼動、非稼動に応じて予備吐出の必要性が判断され、更に、ノズルの稼動、非稼動に応じて複数の基準時間を持ち、これらによって予備吐出を行うか否かが制御される。したがって、予備吐出の回数を抑えることができるとともに、予備吐出によって消費されるインクを低減させることができる。
請求項4に示すように請求項2又は3に記載の発明において、前記予備吐出制御手段は、同一内容の画像の複数印字において、稼動されるノズルでは1枚目の画像の印字を実行する際に前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行され、稼動されないノズルでは各画像の印字を実行する際に前記非稼動時間と前記次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が前記第2の基準時間を次の画像印字中に超える場合には、該当するノズルの予備吐出が実行されるように制御することを特徴としている。
即ち、印字中に頻繁に予備吐出を行うことがなくなるので、生産性を落とさずに好ましい画像を印字することができるだけでなく、予備吐出によるインクの消費量を抑えることもできる。
また、請求項5に示すように請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記基準時間及び前記第1の基準時間は、前記ノズルから吐出されるインクの吐出異常が発生するまでの時間であることを特徴としている。
吐出異常には、本来吐出されるインク量と異なる量のインクが吐出される吐出量異常や本来吐出される方向と異なる方向にインクが吐出される吐出方向異常などがある。また、スプラッシュの発生なども吐出異常に含まれる。これらの吐出異常が起こると印字結果の品質低下が起こり得る。
吐出異常か否かの判断基準は、インクの吐出及び吐出方向のバラツキを考慮して判断される。
また、請求項6に示すように請求項2乃至5のうち何れか1項に記載の発明において、前記第2の基準時間は、所定の駆動により前記ノズルからインクが吐出されない不吐出が発生するまでの時間であることを特徴としている。
不吐出とは、インクに所定の圧力を与えても該インクを吐出させることができない状態でもよいし、インクに圧力を与える駆動源(アクチュエータ)が出力しうる最大圧力をインクに与えても該インクを吐出させることができない状態でもよい。
不吐出となったノズルは予備吐出では回復させることができないので、ポンプによる吸引などの回復動作が施される。不吐出となるまでに、即ち、予備吐出によりノズルを回復させることができるうちに予備吐出を行う必要がある。
また、請求項7に示すように請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の発明において、前記基準時間及び前記第1の基準時間、前記第2の基準時間は、インクの種類及び前記記録ヘッドの使用環境条件のうち少なくとも何れか一方に応じて決められることを特徴としている。
インクの種類には染料系インクや顔料系インクなどがあり、インクの種類によって成分が異なり、増粘し始めるまでの時間や増粘の進行速度が異なる。また、使用温度、湿度などの使用環境条件により増粘し始めるまでの時間や増粘の進行速度が異なる。
増粘し始める時間が早くなる場合や、増粘の進行が速くなる場合には、基準時間及び第1の基準時間、第2の基準時間を、通常より短く設定するとよい。
また、本発明は前記目的を達成する方法発明を提供する。即ち、請求項8に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制御方法であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、前記計測工程において計測された前記非稼動時間と前記算出工程において算出された前記非稼動予定時間との合計が基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、を含むことを特徴としている。
好ましくは、次の稼動予定があるノズルと次の稼動予定がないノズルとを識別する識別工程を備え、次の稼動予定があるノズルでは、前記予備吐出工程において前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行され、次の稼動予定がないノズルでは、前記予備吐出工程において前記非稼動時間と次の画像の後端部を印字するまでの時間との合計が第2の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御される態様である。
前記第1の基準時間と第2の基準時間との関係は、第1の基準時間<第2の基準時間となる。
また、前記目的を達成するために請求項9に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制御方法であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、次の画像で稼動予定があるノズルでは前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超える場合に、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行され、一方、次の画像で稼動予定がないノズルでは前記非稼動予定時間として所定の時間が設定され、前記非稼動時間と前記所定の時間との合計が第2の基準時間を超える場合に、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、を含むことを特徴としている。
即ち、次回稼働予定のないノズルにも予備吐出の基準を設けたので、好ましいタイミングで予備吐出を行うことができる。
また、前記目的を達成するために請求項10に係る発明は、インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制御方法であって、前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、次の画像で稼動されるノズルでは、前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行され、一方、次の画像で稼動されないノズルでは、前記非稼動時間と現在から次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が第2の基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、を含むことを特徴としている。
即ち、次回稼働予定のないノズルも確実に予備吐出される。
本発明によれば、前回ノズルが稼動されてから現在までの非稼動時間と、現在から次にノズルが稼動されるまでの非稼動予定時間と、の合計から予備吐出を行うか否かが判断されるように制御されるので、印字途中に稼動するノズルが吐出不良となることがない。
また、予備吐出を行う基準時間に2つのパラメータを備え、次の画像で稼動されるノズルと次の画像で稼動されないノズルとにより該基準時間を使い分けることができる。したがって、予備吐出の回数を減らすことができ、予備吐出によるインクの消費量を低減させ得る。従来の技術では、本発明の第1の基準(吐出異常)に対して予備吐出を制御していたので、インク消費量が低減できなかった。
同一内容の複数枚印字では、稼動されるノズルと稼動されないノズルが決まるので、稼動されるノズルでは1枚目の印字を実行する際に予備吐出を行うか否かが判断され、稼動されないノズルでは、印字ごとに予備吐出を行うか否かが判断される。したがって、予備吐出の回数を削減でき、吐出異常及び不吐出を回避できる。
2つの基準時間のうち一方は吐出異常(インクは吐出されるが正常吐出ではない状態)が起こり得るまでの時間とし、もう一方は不吐出(通常の制御ではノズルからインクを吐出させることができない状態)となるまでの時間とする態様が好ましい。
インクの種類、インク色、使用環境(温度、湿度、気圧等)ごとに最適化されるように予備吐出を行う基準時間が決められることが好ましい。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図8中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが(図3乃至図5)、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。吐出検出の詳細については後述する。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙16)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るラインを印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
図3(a) に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51A、51B、51A、…、のように、記録紙16の搬送速度に応じてノズル51A及びノズル51Bを異なるタイミングで駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るラインの印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。
なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、図1に示した例では、印字検出部24が印字面側に設けられており、ラインセンサの近傍に配置された冷陰極管などの光源(不図示)によって印字面を照明し、その反射光をラインセンサで読み取る構成になっているが、本発明の実施に際しては他の構成でもよい。
本インクジェット記録装置10は、各ノズルの管理情報が記録されるノズル管理メモリ92を備えている。ノズル管理メモリ92に記録されるノズル管理情報には、各ノズルの稼働時間及び非稼働時間(各ノズルの稼動実績)や、メモリ74或いは画像バッファメモリ82に記録されている画像データ(画像情報)からシステムコントローラ72、プリント制御部80を介して得られる各ノズルの稼動予定時間及び非稼動予定時間、各ノズルの予備吐出を実行する基準時間などが含まれている。
また、これらの情報に加えて、各ノズルのローカリティ情報などの様々な情報をノズル管理メモリに記録可能に構成してもよい。
プリント制御部80内の予備吐出制御部94では、ノズル管理メモリ92に記録されているノズル情報に基づいて各ノズルの状態を把握し、予備吐出などのノズルメンテナンスが必要であると判断すれば、ヘッドドライバ84及びメンテナンス部96に所定の指示信号を送出する。
上述したメンテナンス動作の実行判断には、装置内、特に印字ヘッド50付近の温度及び湿度が関係する。印字ヘッド50付近の温度が高くなると非稼動ノズル内のインクの増粘やメニスカス近傍のインクの乾燥が促進される。また、湿度が低くなるとメニスカス近傍のインクの乾燥が促進される。本インクジェット記録装置10では、装置内の各部の温度及び湿度を測定する温度・湿度検出部98を備え、温度・湿度検出部98により得られる温度及び湿度情報がプリント制御部80に送出される。
プリント制御部80(予備吐出制御部94)では、このようにして得られた温度情報及び湿度情報に基づいて予備吐出の基準時間を変更するなどの制御が行われる。
〔予備吐出制御〕
一般に、インクジェット記録装置では、ノズル51の吐出不良や不吐出を防止するために定期的に予備吐出が行われる。定期的に予備吐出を行うことでノズル51からは正常にインク滴が吐出され、所定の印字品質を確保することができる。しかし、頻繁に予備吐出を行うと、実技プリントの生産性が落ちるばかりか、無駄なインクを消費することになる。
かかる問題を解決するために、インクジェット記録装置10では好ましいタイミングで予備吐出を行うように制御される。
図8には、インクジェット記録装置10における予備吐出基準時間を示している。インクジェット記録装置10には予備吐出基準時間に2つのパラメータを備えている。2つのパラメータのうち一方は、ノズル51内のインクが吐出されてからスプラッシュが発生し始めたり、インク滴の飛翔方向(吐出方向)異常やインク滴サイズ(吐出量)異常が起こり始めたりする吐出異常までの時間Tng1であり、もう一方は、図4に示したアクチュエータ58の駆動によってインクに加えられる圧力ではノズル51からインクを吐出することができない不吐出になるまでの時間Tng2である。
ここで、吐出異常及び不吐出の判断基準の一例を以下に示す。
目標位置(本来打滴される位置)中心に対して実際に打滴された打滴点の中心が、打滴ピッチの1.5倍以下の距離にある場合を正常打滴とし、この基準から外れた場合には吐出異常と判断される。
また、複数の打滴が本来の打滴サイズの2倍以上の範囲に広がって着弾している場合には吐出異常と判断され、ノズル51から全く吐出されない状態は不吐出と判断される。なお、上述した吐出異常及び不吐出の判断基準は、一例であり、他の判断基準を適用することができる。
上述したTng1及びTng2は、インクの種類(インクの粘性)、インクのロット、印字ヘッド50の使用環境(温度、湿度、気圧)、環境履歴に依存するので、これらのパラメータについて変数を持ち、必要に応じて変更できるように構成する態様が好ましい。
例えば、インクの種類によってインク自体の持つ粘性が異なる場合には、粘度の高いインクではTng1及びTng2が小さい値に設定される。インクカートリッジにインク情報(インクの粘性)を記録した無線タグやバーコードを備え、インクカートリッジを交換する際に無線タグやバーコードに記録されたインク情報を読み込むように構成し、読み込まれたインク情報から、図7に示したシステムコントローラ72によりTng1及びTng2を設定することが可能である。
また、温度が高くなるとインクの増粘の進行が速くなり、湿度が低くなるとメニスカス面が乾燥し易くなる傾向がある。図7に示す温度・湿度検出部98からの温度、湿度を読み込むことができるように構成し、温度や湿度に応じてTng1及びTng2を設定することが可能である。
更に、過去に設定されたTng1及びTng2を記憶しておき、所定のタイミングでこれらの平均値を求め、該平均値に基づいてTng1及びTng2の設定変更を行うことも可能である。
また、アクチュエータ58にピエゾなどの圧電素子を用いた場合には、インクが増粘し不吐出となる前に、アクチュエータ58から圧力室52内のインクに微振動を与えることにより圧力室52内のインクが攪拌され、メニスカス面(ノズル51吐出孔におけるインクと大気との境界面)の粘度の上昇を遅らせることができる。
図8に示したTu1及びTu2はインクの微振動によりTng1及びTng2を遅延させることができる時間である。
微振動を与えるタイミングは、Tng1を超える前でもよいし、Tng1を超えTng2を超える前でもよい。また、予備吐出制御とは独立したタイミングで微振動を与えてもよい。また、インクに微振動を与える際の駆動波形は、台形波形や矩形波などとする態様が好ましい。更に、微振動制御によりノズルからインク漏れが起こらないように制御する必要がある。
即ち、圧力室52内のインクに微振動を与えると、吐出異常までの時間はTng1とTu1との合計時間になり、不吐出までの時間はTng2とTu2との合計時間になる。Tu1及びTu2は、使用するインクの種類やインクロット、温度、湿度、気圧等の使用環境、環境履歴に依存する。
一方、サーマルタイプのアクチュエータを用いた場合には、上述したインクに微振動を与える制御は難しいために、インク増粘に対してはほとんどの場合予備吐出が行われる。
図9には、インクジェット記録装置10の予備吐出制御のタイミングを示している。前の画像100の印字において、タイミングTaでは、印字ヘッド50内の任意のノズル51Aから前回画像100上の打滴点102の打滴が行われている。
画像100の印字が終了し、次の画像110の印字開始までの予備吐出判断タイミングTbでは、ノズル51Aの予備吐出を行うか否かを判断するタイミングであり、ノズル51Aの非稼動時間T1(前回ノズル51Aから打滴が行われたタイミングTaからTbまで時間)が計測(記憶)されるとともに、Tbから次の画像110においてノズル51Aから打滴される次の打滴点112のタイミングTcまでの非稼動予定時間T2が算出される。なお、非稼動時間T1には、例えば、2枚前の画像でノズル51Aが稼動され、1枚前の画像でノズル51Aが稼動されなければ、2枚前のノズル51Aの稼動からの経過時間となる。T1及びT2には画像間の待ち時間(余白部を含む)が含まれている。
非稼動時間T1はシステムコントローラ72及びプリント制御部80により求められる。非稼動時間T1や非稼働予定時間T2を一時記憶するために用いられるメモリ(記憶手段)には、図7に示したノズル管理メモリ92が適用される。
また、入力された印字データから各ノズルの画像上の打滴位置が求められ、記録紙の搬送速度から打滴タイミングが求められ、非稼働予定時間T2が求められる。
図9のタイミングTbにおいて計測されたノズル51Aの非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間が、図8に示した予備吐出時間Tng1を超える場合には、図9タイミングTbにおいて、予備吐出が実行される。
図10には、次の画像110において、ノズル51Aを稼動させない(ノズル51Aから打滴されない)場合の態様を示している。
次の画像110において、ノズル51Aが稼動されない場合には、Tbから次画像110の後端部114の印字タイミングTdまでの時間T21が算出される。非稼動時間T1(図9で説明したT1と同じ定義)と、Tbから次の画像110の後端部114の印字のタイミングTdまでの時間T21と、の合計時間が図8に示したTng2を超える場合には、図9のタイミングTbにおいて予備吐出が実行される。
また、次の画像110でノズル51Aが稼動されない場合において、次の画像110の印字でノズル51Aを使わず、非稼動時間T1と次の画像110の後端部114を印字するまでの時間T21との合計時間がTng2を超えない場合には、図11に示すように、非稼動時間T1の計測(記憶)が継続される。更に次の画像120の印字でノズル51Aを稼動させる(打滴点122に打滴をする)場合に、非稼動時間T1と非稼動予定時間T2が求められる。
予備吐出を行う際には、通常の吐出(ノーマルプリント)より吐出圧が高くなるように設定することが好ましい。吐出圧を高くすることで、増粘したインクを効率的に吐出することができる。
図12は、インクジェット記録装置10の予備吐出制御(通常予備吐出制御)の流れを示したフローチャートである。
印字が開始されると(ステップS10)、ステップS12に進み、次の画像でノズル51Aを使用(稼動)されるか否かが識別される。次の画像でノズル51Aが使用されない場合には(NO判定)、次のノズル稼動時間を画像後端部印字までの時間として設定し、画像後端部印字までの時間T21が算出され(ステップS14)、ノズル51Aの非稼動時間T1と画像後端部印字までの時間T21との合計時間が予備吐出基準時間Tng2を超えるか否かが判断される(ステップS16)。
ステップS16において、非稼動時間T1と画像後端部印字までの時間T21との合計時間が図8に示したTng2を超えない場合には(NO判定)、印字(画像形成)が実行され(図12のステップS26)、非稼動時間T1と画像後端部印字までの時間T21との合計時間が予備吐出基準時間Tng2を超える場合には(YES判定)、予備吐出が実行される(ステップS24)。
ステップS24において予備吐出が実行されると非稼動時間T1がリセット(初期化)され(T1=0に設定される)、ステップS26に進み印字が実行される。
ステップS26において所定の印字工程が実行されるとステップS28に進み、予備吐出制御が終了される。なお、前記印字工程において当該ノズルが稼動されると、T1はリセットされる。
一方、ステップS12において、次の画像でノズル51Aを使用する場合には(YES判定)、次にノズル51Aを使用するまでの時間(非稼動予定時間)T2が算出され(ステップS20)、ノズル51Aの非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間が、図8に示したTng1を超えるか否かが判断される(図12のステップS22)。
ステップS22において、ノズル51Aの非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間がTng1を超えない場合には(NO判定)、印字が実行され(ステップS26)、ノズル51Aの非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間がTng1を超える場合には(YES判定)ステップS24に進み、予備吐出が実行される。
本実施形態では、タイミングTbが次の画像印字前である態様を例示したが、ロットごとの印字開始前でもよい。また、印字時間が長時間となるロット(大量印字等)では、ロット内の適当なタイミングで、予備吐出を行うか否かを判断してもよい。
以上の説明のように、各ノズル単位でT1、T2、T21の値を、図7に示したプリント制御部80で管理し、ノズル管理メモリ92に記憶させ、予備吐出制御部94においてTng1とTng2との比較演算を行ない、予備吐出を制御する。したがって、ヘッドの全ノズル分のデータ管理を行なう。
次に、図13を用いて、同一内容の画像を複数枚印字する際の予備吐出制御を説明する。なお、図13中、図12と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
同一画像を複数枚印字する場合には、稼動させるノズルと稼動させないノズルとが決まるので、稼動されるノズルでは、図8に示したTng1を基準に予備吐出を行い、稼動されないノズルでは、次の画像終了までに図8に示したTng2を超える場合に予備吐出が行われ、ノズルの完全不吐出を防ぐ。同一画像の複数枚印字では、印字の長さ、枚数によっては予備吐出を行わないこともある。
印字が開始されると(ステップS100)、ステップS102に進み、図9に示した非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間が算出されるとともに、同一画像の複数枚印字であるか否かが判断される。
同一画像の複数枚印字でない場合には(NO判定)、図12に示した通常予備吐出制御が実行され(ステップS110)、ステップS110の制御が終了すると、ステップS144に進み、当該予備吐出制御は終了される。
また、ステップS102において、同一画像の複数枚印字であると判断された場合には(YES判定)、ステップS120に進み、図9に示した非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間が算出され、次の画像で該合計時間が、図8に示したTng1を超えるか否かが判断される。
図13のステップS120において、次の画像で該合計時間がTng1を超えないと判断されるとステップS128に進み、印字中に非稼働時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間が、図8に示したTng2を超えるか否かが判断される。
ステップS128において、該合計時間がTng2を超えない場合には(NO判定)、印字が実行され(ステップS140)、ステップS142に進み、所定の枚数(N枚)の印字が終了したか否かが判断される。N枚の印字が終了しない場合には(NO判定)、ステップS128に進み、N枚の印字が終了した場合には(YES判定)、当該予備吐出制御は終了される(ステップS144)。
一方、ステップS128において、該合計時間がTng2を超える場合には(YES判定)、該当ノズルの予備吐出が実行され(ステップS130)、非稼動時間T1がリセットされた後(ステップS132)、ステップS140に進む。
ステップS120において、次の画像で該合計時間がTng1を超えると判断されるとステップS122に進み、該当するノズルが稼動させるノズル(使用ノズル)であるか否かが判断される。ステップS122において、該当するノズルが稼動させるノズルでない場合には(NO判定)、ステップS128に進み、該当するノズルが稼動させるノズルである場合には(YES判定)、該当ノズルの予備吐出が実行され(ステップS124)、T1がリセットされ(ステップS126)、ステップS128に進む。
長尺印字などにおいて、稼動させるノズルが2枚目以降に吐出異常となることがないように、制御される態様が好ましい。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、予備吐出を実行するか否かの判断基準時間として、吐出異常が発生するまでの時間Tng1と不吐出が発生するまでの時間Tng2とを備え、これらの判断基準時間に基づいて予備吐出を行うように制御される。即ち、予備吐出を行うまでの時間パラメータを2つ持つので、吐出異常と不吐出とを防ぐことができ、かつ、インクの消費量を抑えることができる。
また、ノズルごとに前回稼動されてからの非稼動時間T1と、次に稼動されるまでの非稼動予定時間T2が算出され、非稼動時間T1と非稼動予定時間T2との合計時間がTng1を超える場合には、予備吐出が実行される。次の画像で稼動されないノズルでは、当該画像の後端部印字までの時間T21が算出され、非稼動時間T1と画像後端部印字までの時間T21との合計時間がTng2を超える場合には予備吐出が実行される。
印字前に、次の印字内で予備吐出限界時間(予備吐出を行わなくても正常吐出ができる時間)を超えるかについて判断するので、印字中に吐出異常となることを防止できるとともに、稼動されないノズルが不吐出となることも防止できる。
以上は、非稼動時間T1、非稼動予定時間T2及び画像後端部印字までの時間T21を各ノズル単位で制御する例である。
一方、複数のノズルを1個のブロックとして取り扱うような制御でもよい。例えば、1色あたり10000個のノズルを有するラインヘッドを100個のブロックに分割して、1ブロックあたり100個のノズルをまとめて予備吐出を制御する。
この場合、非稼動時間T1は着目するブロック内のノズルの中で、前画像で最初に駆動した時刻を基準にカウントアップされる。非稼動予定時間T2は、次の画像で着目するブロック内の全ノズルの中で、最後に駆動されるまでの予定時間が入力される。また、次の画像で着目するブロック内の全ノズルの吐出予定がない場合は、次の画像後端部印字までの時間T21となる。
このように、T1、T2及びT21をブロック単位で最も厳しい条件に設定することで印字不良 (液滴サイズ不良、飛翔方向不良)を回避して、且つ、制御系やメモリの負荷も低減可能である。更に、印字ヘッド全体に対してT1、T2及びT21を最も厳しい条件に設定し、予備吐出の制御を行ってもよい。
本実施形態では、印字(画像)ごとに予備吐出を行うか否かを判断する制御を例示したが、複数印字ごとに予備吐出を行うか否かを判断するように制御してもよい。
本実施形態では、フルライン型の印字ヘッドを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、シャトルスキャン方式の印字ヘッドにも適用可能である。従来、シャトルスキャン方式の印字ヘッドでは、一定時間ごとに、強制的に全ノズルから予備吐出を行っているが、次のスキャン開始前に予備吐出基準時間を超えるか否かを判断して、該当するノズルからのみ選択的に予備吐出を行うように制御することができ得る。
また、本実施形態では、インク滴の吐出に圧電素子を用いたピエゾ方式を例示したが、本発明は、圧力室内にエネルギー発生体を備え、このエネルギー発生体により圧力室内のインクを加熱し発生したバブルによりインクを吐出させるサーマル型インクジェット記録装置にも適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a) の要部拡大図 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図3(a) 中の4−4線に沿う断面図 図3(a) に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給部の構成を示した概要図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の予備吐出制御における予備吐出基準時間を説明する図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の予備吐出制御における各タイミングを説明する図 稼動されないノズルの予備吐出制御のタイミングを説明する図 複数枚印字における予備吐出制御のタイミングを説明する図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の予備吐出制御の流れを示すフローチャート 同一内容の複数枚印字における予備吐出制御の流れを示すフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51,51A…ノズル、58…アクチュエータ、72…システムコントローラ、74…メモリ、90…プログラム格納部、100…前の画像、110,120…次の画像、T1…非稼動時間、T2…非稼動予定時間、T21…画像後端部印字までの時間、Tng1…吐出異常までの時間、Tng2…不吐出までの時間

Claims (10)

  1. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、
    前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、
    次の画像で稼動予定があるノズルでは前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行され、次の画像で稼動予定がないノズルでは前記非稼動予定時間として所定の時間が設定され、前記非稼動時間と前記所定の時間との合計が第2の基準時間を超える場合には、前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算手段と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出手段と、
    次の画像で稼動されるノズルでは、前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行され、次の画像で稼動されないノズルでは、前記非稼動時間と現在から次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が第2の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行されるように制御を行う予備吐出制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記予備吐出制御手段は、同一内容の画像の複数印字において、稼動されるノズルでは1枚目の画像の印字を実行する際に前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると前記ノズルの予備吐出が実行され、稼動されないノズルでは各画像の印字を実行する際に前記非稼動時間と前記次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が前記第2の基準時間を次の画像印字中に超える場合には、該当するノズルの予備吐出が実行されるように制御することを特徴とする請求項2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記基準時間及び前記第1の基準時間は、前記ノズルから吐出されるインクの吐出異常が発生するまでの時間であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第2の基準時間は、所定の駆動により前記ノズルからインクが吐出されない不吐出が発生するまでの時間であることを特徴とする請求項2乃至5のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記基準時間及び前記第1の基準時間、前記第2の基準時間は、インクの種類及び前記記録ヘッドの使用環境条件のうち少なくとも何れか一方に応じて決められることを特徴と
    する請求項1乃至6のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制御方法であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、
    前記計測工程において計測された前記非稼動時間と前記算出工程において算出された前記非稼動予定時間との合計が基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、
    を含むことを特徴とする予備吐出制御方法。
  9. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制御方法であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、
    次の画像で稼動予定があるノズルでは前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超える場合に、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行され、一方、次の画像で稼動予定がないノズルでは前記非稼動予定時間として所定の時間が設定され、前記非稼動時間と前記所定の時間との合計が第2の基準時間を超える場合に、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、
    を含むことを特徴とする予備吐出制御方法。
  10. インク滴を吐出させるノズルが設けられた記録ヘッドを用いて、被記録媒体上 にインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット記録装置における予備吐出制 御方法であって、
    前記ノズルの非稼働時間を演算する演算工程と、
    前記ノズルの次回稼動までの非稼動予定時間を算出する算出工程と、
    次の画像で稼動されるノズルでは、前記非稼動時間と前記非稼動予定時間との合計が第1の基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行され、一方、次の画像で稼動されないノズルでは、前記非稼動時間と現在から次の画像の後端部を印字し終えるまでの時間との合計が第2の基準時間を超えると、予備吐出制御を行う予備吐出制御手段により前記ノズルの予備吐出が実行される予備吐出工程と、
    を含むことを特徴とする予備吐出制御方法。
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