JP2006142836A - 模造面取りガラスアップリケ - Google Patents

Abstract

【課題】装飾を目的として、透明な材料（例えば、ガラス又はプラスチック）の層上の平坦な表面に接着するのに適した表面アップリケ（１０）を提供すること。
【解決手段】該アップリケは透明で且つ目視可能な混在物の無い高分子材料の層（１２）を含み、該層の前面（１６）は装飾的な表面模様（例えば、リップルガラス、鎚打ちガラス、モスガラス、フレミッシュガラス、グルーチップ(glue,chip)ガラス、又はバロックガラスの表面模様）を有する平坦な中央部（１８）、及び模様つきの表面部を囲む面取り表面部（２０）を含む。
【選択図】図１

Description

本発明は、概して、ガラスシート（例えば、窓、鏡等のガラスシート）に付着させて装飾的な外観を与えるのに適したアップリケに関し、特に、付着させたときに面取りされたカットガラス片の外観を有するアップリケに関する。

面取り縁部を有することのできる様々な外周形状及び/又は装飾的な表面模様のカットガラス片を様々な装飾のために使用することは十分に公知である。そのようなカットガラス片は、他の同様なガラス片又は平坦なガラス片と共に鉛又は黄銅のケイムを使用して装飾的なパネルに組立てられ、窓、ドアの鏡又はテーブルに用いられてきた。表面模様をガラス片上に形成し、ガラス片を切断して成形し、鉛のケイムを使用して形状を組み立てるために必要な工程は費用高であり、相当の熟練と時間を要する。従って、そのようなパネルは概して非常に高価である。

米国特許第5,098,760号及び米国特許第4,619,850号は、上記のタイプの装飾型パネルの外観を概ね有するパネルを形成するための様々な方法を記載している。それらの方法は、ガラスのアップリケをガラスパネルの表面に付着させ、それにより上記の方法で形成するより安価に装飾的なガラスパネルを形成するものであり、装飾的なガラスパネルを既存の平面ガラスパネルから形成することを可能にする。しかしながら、これらの方法は、ガラスのアップリケの形成を必要とし、パネルを形成する人は、幾分困難な方法でガラスのアップリケ加工をしなければならない。

本発明は、装飾的な表面部を備えた面取りカットガラス片の外観を模したアップリケを提供する。該アップリケは透明なパネルの表面に付着され、それにより上述の方法で形成するより安価に装飾的なパネルを形成することができ、且つ、殆どの人々が簡単に行える単純な方法で、既存の平面ガラス又は高分子パネルから装飾的なパネルを形成することを可能にする。

本発明に従って、装飾を目的として透明な材料の層上の平坦な表面に付着させるのに適し、高分子材料の層から成るアップリケを提供する。高分子材料の層は透明で目視可能な混在物を含まず、平坦な後面及び対向する前面を有する。前面は、その後面と概して平行な、装飾的な表面模様を有する中央部と、前面の模様のついた表面部を囲み且つその模様付き表面部からその後面へと延びる面取り表面部とを含む。

アップリケ上の模様のついた表面は、模様のついたガラス上でよく見られる任意の表面模様にすることができる。それらの模様は、いわゆるリップルガラス、鎚打ちガラス、モスガラス、フレミッシュガラス、グルーチップ(glue chip)ガラス、及びバロックガラスに見られる表面模様を含むことができるが、それらに限定されない。

アップリケを製造することができる高分子材料は、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、酢酪酸セルロース、メチルメタクリレート、及びポリスチレンを含む。

アップリケは、付着の際にアップリケとパネルの間に塗布される液状接着剤を用いてパネルに付着させることができ、アップリケを付着させたときに接着剤が見えないように、アップリケを付着させる接着剤が混在物を含まないことを確実にすることが好ましい。一方、アップリケは、アップリケの後面に沿って且つ後面を完全に覆う感圧接着剤の層をさらに含むことができる。

アップリケの高分子材料の層がカットガラス片を模するように、層はその前面と後面との間に少なくとも０．０２３インチ（０．０５８ｃｍ）の厚み、好ましくは０．０７６インチ（０．１９ｃｍ）の厚みを有するべきであり、アップリケの面取り表面部は、模様を付けた表面部に対して約１４０度から１７８度の範囲の角度で配置されるべきである。

ここで図を参照する。図面中、類似の参照符号はいくつかの図における類似の部分を示す。図面には本発明に従うアップリケが示され、それは全体として参照符号１０で示されている。

図１及び図２に最も良く見られるように、アップリケ１０は透明で目視可能な混在物のない高分子材料の層１２を含む。層１２は平坦な後面１４及び対向する前面１６を含む。該前面１６は、後面１４と概して平行であり且つ装飾的な表面模様を有する平坦な中央部１８と、前面の模様付き表面部１８を囲み且つ該模様付き表面部１８から後面１４へと延びる面取り表面部２０とを含む。

図示したように、前面１６の中央部１８上の表面模様はいわゆるグルーチップガラスの表面模様と同一である。グルーチップガラスの表面模様は、砂磨きしておいたガラス表面に動物の膠を塗布し、次いで膠を熱し、乾かして、ガラス表面から膠片をはく離させ、それにより概ねシダのような表面パターン又は模様を作り出すことにより形成される。

しかしながら、グルーチップガラスの模様の代わりに、中央部１８上の模様は、模様付きのガラスによく見られる多くの表面模様の任意のものにすることもできる。そのような模様は、波形又は虫食いの輪郭又は模様の凸部(high spots)及び凹部(low spots)をガラスの表面に有する、いわゆるリップルガラス、鎚で叩いて付けた円形のへこみをガラスの表面に沿って有する鎚打ちガラス（ハンマーガラス）、細かい砂利状の表面の輪郭又は模様を有するモスガラス、幅広の凸部及び幅広の凹部をガラスの表面に沿って有するフレミッシュガラス、荒々しく渦巻きを施した表面の輪郭又は模様を有するバロックガラス上の表面模様を含む。

板状ガラスに付着させたときに面取りカットガラスの外観を有するように、高分子材料の層１２は混在物が無く、光学的に透明であるべきであり、１．３５〜１．６５の屈折率を有するべきである。高分子材料の層１２を製造するために好適な材料として、例えば、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、酢酪酸セルロース、メチルメタクリレート及びポリスチレンが含まれる。

図示したように、アップリケ１０は、また、その後面１４に沿って後面１４を完全に覆う、感圧接着剤の層２２も含む。感圧接着剤の層２２は目視可能な混在物を含まないようにすべきであり、商品名ＳＣＷ−１００転写接着剤、スコッチブランドの６６６二重コートテープ及びスコッチブランドのＶＨＢ転写接着剤として識別されるアクリレートタイプの感圧接着剤の一つにすることができる。上記商品は全てミネソタ州のセントポールのミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)により製造されている。また、紫外線硬化アクリレート感圧接着剤も有用であろう。後面１４に対向する、感圧接着剤の層２２の側面は、従来のはく離ライナーによって保護することができ、該ライナーは、基板又はパネルにアップリケ１０を付着させる直前に剥がされる。

アップリケ１０は菱形形状の外周２５により図示されているが、アップリケ１０は装飾的効果をもたらすために望まれる任意の形（例えば、正方形、円形、八角形、矩形、自由形等）の外周を備えて作成することができる。アップリケ１０がカットガラス片の外観をもたらすために、アップリケ１０はその後面１４とその前面１６の中央の模様を付けた表面部１８との間に少なくとも０．０２３インチ、好ましくは０．０７６インチの厚みを有するべきである。アップリケ１０の面取りした表面部２０は、模様を付けた表面部１８に対して約１４０度から１７８度の範囲、好ましくは約１７０度の角度２３にて配置され、且つアップリケ１０の外周２５に垂直な約０．２５インチ（０．６３ｃｍ）から０．５インチ（１．２７ｃｍ）の範囲の幅を有するべきである。

アップリケ１０は、単にリリースライナー２４を剥がし、パネル２６の清掃した表面に感圧接着剤の層２２を圧迫することにより、ガラス又な高分子材料（図４参照）の透明パネル２６に付着させることができる。アップリケ１０がパネル２６の表面上で短時間で再配置可能にしてそれによりアップリケ１０を正確に位置づけるアップリケ１０の接着方法は、最初にパネル２６に水、ポリプロピルアルコール及び液体洗剤を約４０：２０：１の割合で混合した混合物を付着させることである。液体洗剤は、液体皿洗い洗剤のような洗剤である（例えば、オハイオ州シンサナティーのプロクター アンド ギャンブル社(Procter ＆ Gamble)が製造する液体洗剤「Joy」（商標））。該液体混合物は、アップリケ１０を所望の位置に正確に位置づけるまでアップリケ１０を容易にガラスパネルの表面上で滑らすことを可能にする。液体は一晩程度の時間が経過すると蒸発し、その後アップリケ１０は永久的にガラスに接着する。この方法はさらに、アップリケ１０がガラスに付着される際に閉じこめられた空気のような目に見える欠陥を減らす。

アップリケ１０は幾つかの方法の内の一つにより製造し得る。そのような一つの方法は、最初にカットガラス片を、複製したい形状で形成し伝統的なガラス加工方法で形成された望ましい表面模様をカットガラス片の前面の中央部上に施すことである。該カットガラス片には、最初に、その前面を導電性にするために無電解銀でめっきし、次に電気めっき法によりニッケルの厚いコーティング（例えば０．０６インチの厚さ）をさらに塗布する。カットガラス片を金属コーティングから分離または引き離すと、それは、カットガラス片の表面に相当し且つカットガラス片の表面模様の鏡像である表面模様を有する鋳型になる。該鋳型は、液体高分子材料を使用する射出成形法における鋳型の一部として使用するのに適するが、又はダイとして用いることもできる。ダイは、加熱した（例えば華氏約３７０度）高分子材料（例えばビニール）の固体層に圧迫され、次いで圧力下で冷却して、カットガラス片の前面を高分子材料で複製し、その後、高分子材料の外周を適当な形状に切断する。アップリケを製造するための別の方法は、模様付きの中央部１８に望ましい表面模様の写真を撮り、表面部１８として平坦な表面を有する鋳型を除いて、アップリケの外周及び前面として望ましい形状を有する鋳型を機械で加工し、光化学型彫工程を用いてアップリケの模様付き表面部１８に対応するダイの表面上に望ましい表面模様の鏡像を形成し、次いで該鋳型を、液体高分子材料を使用した射出成形法において使用するか又は高分子材料の固体層が熱及び圧力のもとで圧迫されるダイとして使用し、アップリケ１０を成形することである。

図４は、本発明に従うアップリケ１０をパネル２６上で模造ケイム３０と組合せて使用して鉛枠をつけた窓又は鉛枠をつけた鏡の外観を模することを図示している。模造ケイム３０は、１９９５年４月２５日に出願された本件出願人の米国特許出願第08/428,564号、代理人事件整理番号第50861ＵＳＡ１Ａ号に記載された模造の黄銅又は鉛のケイムのタイプの一つにすることができる。あるいは又、現在市場で入手可能な模造ケイムのタイプの一つにすることができる。それらの模造ケイムは一般に、一定の長さに切断され、且つ模造ケイム上に塗布される感圧接着剤の層によりパネルの表面に付着される条片（例えば鉛または黄銅または蒸着高分子材料の条片）を含む。

以上、本発明を一つの具体例及びその具体例のいくつかの可能な変形を参照して説明してきた。当業者にとって、記載した具体例において多くの点を本発明の範囲から逸脱せずに変更することができることは明らかである。それゆえ、本発明の範囲は本出願に記載された構造に限定されることなく、請求の範囲の文言により説明される構造及びその均等物によって解釈されるべきである。

本発明に従うアップリケの前面図である。 図１のアップリケの縁部図である。 図１の線３−３にほぼ沿って切った断面図である。 装飾的効果をもたらすためにパネルに付着された図１のアップリケ及び模造ケイムの部分図である。

符号の説明

１０…アップリケ、
１２…高分子材料の層、
１６…前面、
１８…模様付き表面部、
２０…面取りした表面部、
２５…外周。

Claims (14)

1. 装飾を目的として透明な材料の層の平坦な表面に接着するのに適したアップリケであって、上記アップリケが硬質の高分子材料の一層のみを含み、該硬質の高分子材料の層が透明で且つ目視可能な混在物を含まず、平坦な裏面およびそれとは反対側の前面を有し、該前面が、該裏面と概ね平行で且つリップル模様、虫食い模様、鎚打ち模様、モス模様、フレミッシュ模様、グルーチップ模様、及びバロック模様から成る模様付きのガラスに典型的に見られる表面模様のグループから選ばれた装飾的な表面模様を有する中央部を含み、上記前面が、また、上記模様付き表面部分を取り囲み且つ上記模様付き表面部分から上記裏面に延びる傾斜のついた表面部を有する上記アップリケ。
2. 上記高分子材料が、１．３５〜１．６５の屈折率を有し、且つ可塑化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、酢酸セルロースブチレート、メチルメタクリレート及びポリスチレンから成るグループから選ばれる請求項１に記載のアップリケ。
3. 上記裏面に沿い且つ上記裏面を完全に被覆する感圧接着剤の層をさらに含み、該感圧接着剤の層が目視可能な混在物を含まない請求項１に記載のアップリケ。
4. 上記シートが上記前面と上記裏面との間に少なくとも０．０２３インチの厚みを有する請求項１に記載のアップリケ。
5. 上記シートが上記前面と上記裏面との間に約０．０７６インチの厚みを有し、且つ上記傾斜のついた表面部が上記模様付きの表面部に対して約１７０度の角度で配置された請求項１に記載のアップリケ。
6. 第１及び第２の主表面を有する透明な材料のシートと；硬質の高分子材料の一つの層のみを含むアップリケとの組合せにおいて、該硬質の高分子材料の層が透明で、目視可能な混在物を含まず、平坦な裏面及び反対側の前面を有し、上記前面が、上記裏面に対しほぼ並行でかつリップル模様、虫食い模様、鎚打ち模様、モス模様、フレミッシュ模様、グルーチップ模様及びバロック模様から成る模様つきのガラス上によく見られる表面模様のグループから選ばれた装飾的な表面模様を有する中央部を含み、上記前面が、上記模様つき表面部を取り囲み且つ上記模様つき表面部から上記裏面に延びる傾斜のついた表面部；および上記透明材料層の上記第一表面に前記アップリケの上記裏面を接着する感圧接着剤の層を含み、該接着剤の層が上記裏面に沿って且つ該裏面を完全に覆い、目視可能な混在物を含まないものである、シートとアップリケの組合せ。
7. 上記シートがガラスである請求項６に記載の組合せ。
8. 上記シートが窓の一部である請求項６に記載の組合せ。
9. 上記シートが、上記第２表面上に反射材料のコーティングを有する請求項７に記載の組合せ。
10. 上記シートが高分子材料である請求項６に記載の組合せ。
11. 上記高分子材料が、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、酢酸セルロースブチレート、メチルメタクリレート及びポリスチレンから成るグループから選ばれる請求項６に記載の組み合わせ。
12. 装飾を目的として透明材料層の平坦な表面に接着させるのに適したアップリケ形成方法であって、
    模写したい形状のカットガラス片を形成するステップであって、伝統的なガラス加工方法を使用して望ましい表面模様をガラス片の前面の中央部上に設けるステップ、
    該カットガラス片の前面を無電解銀でめっきして該前面を導電性にし、さらに前面を電気めっき法によりニッケルの厚いコーティングで覆うステップ、
    該カットガラス片を金属のコーティングから分離するステップ、及び
    該金属コーティングを、カットガラス片の前面の形状に対応し且つカットガラス片の表面模様の鏡像である表面模様を有する鋳型として使用して、高分子材料の層上に、カットガラス片の前面の形状に対応する前面を形成するステップを含む上記アップリケ形成方法。
13. 上記金属コーティングの使用ステップが、金属コーティングを射出成形法における鋳型の一部として使用することを含む請求項１２に記載の方法。
14. 上記金属コーティングの使用ステップが、金属コーティングをダイとして使用し、加熱した高分子材料の固体層に該ダイを圧迫し、次いで高分子材料の該固体層を加圧下で冷却してカットガラス片の前面を複製すること、及びカットガラス片の外周に一致するように高分子材料の層の外周をトリミングすることを含む、請求項１２に記載の方法。
    

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