JP2006142803A - 積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表裏2層の表面層と、表面層の間に配置された中間層との三層からなる積層フィルムであって、中間層に(A)メタロセン触媒を用いて重合された、MFRが1〜30g/10分、融解ピーク温度(Tm)が120〜165℃、40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分量が2.0重量%以下の結晶性ポリプロピレンを用い、表面層に(B)メタロセン触媒を用いて重合されたMFRが0.1〜20g/10分、密度が0.860〜0.925g/cm3のエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体。
【選択図】なし
Description
しかしながら、直鎖状低密度ポリエチレンのフィルムは、低温ヒートシール性に優れる一方で剛性が低いという問題も有しており、包装材料として使用する場合には薄肉化に限界があった。
アンカーコート剤を用いる方法は、異なる樹脂製フィルム同士を積層するための優れた方法であるが、接着剤を希釈するために有機溶剤を使用するため、作業環境が悪化し易く、また積層されたフィルムに有機溶剤が残留し易いなどの問題があった。また、フィルム成形の他に別途積層工程を必要とするため結果として積層フィルムの製造コストが上昇してしまう問題点もある。
(A)ポリプロピレン系樹脂:メタロセン触媒を用いて重合された下記特性(A1)〜(A3)を有する結晶性ポリプロピレン
(A1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜30g/10分
(A2)融解ピーク温度(Tm)が120〜165℃
(A3)40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分量が2.0重量%以下
(B)エチレン系樹脂:メタロセン触媒を用いて重合された下記特性(B1)〜(B2)を有するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体
(B1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜20g/10分
(B2)密度が0.860〜0.925g/cm3
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)
本発明の積層フィルムの中間層に用いる(A)ポリプロピレン系樹脂は、メタロセン触媒で重合され、かつ下記(A1)〜(A3)の特性を有する結晶性ポリプロピレンである。結晶性ポリプロピレン、重合法、及びそれが有する特性について順次に説明する。
好ましく用いられるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体である。コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。また、α−オレフィンとしては、1種または2種以上の組み合わせでもよい。
装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
本発明で用いるプロピレン系樹脂の重合に用いるメタロセン触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。
これらの内、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋したメタロセン化合物が好ましい。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜30g/10分、好ましくは2〜20g/10分である。MFRが1g/10分未満では、押出負荷が上がり、成形性が劣るようになり、30g/10分を超えるとフィルムの厚みがばらつき易い。ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量など適宜調節する方法がとられる。
なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)は、120〜165℃、好ましくは120〜145℃である。Tmが120℃未満であると、剛性が不足しがちになり、165℃を超えると、表層に用いる直鎖状低密度ポリエチレンとの層間強度が不足しがちになり好ましくない。
Tmは、α−オレフィン含量やその種類およびプロピレン構成単位のレジオ規則性などの影響を受けうる。α−オレフィンがエチレンの場合には、その含有量は0〜5重量%程度であり、α−オレフィンが1−ブテンの場合には、その含有量は0〜15重量%程度である。Tmの調節は、共重合させるα−オレフィンの種類と量を制御することにより適宜調整することができる。
なお、Tmの測定は、セイコー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させた後に1分間保持し、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度(Tm)で評価する。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂の40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分は、2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下である。40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分が2.0重量%を超えると、直鎖状低密度ポリエチレンとの層間強度が不足しがちになり好ましくない。40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分を調節する方法としては、α−オレフィンの共重合量を制御する、また共重合性を制御する方法がある。
ここで、40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分は、TREF法による40℃での抽出量として求める値である。
なお、TREF(温度上昇溶離分別)とは、不活性担体の存在下に一定高温下でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、該不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次に、温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(積分溶出曲線)により、ポリマーの組成分布を測定する方法である。温度上昇溶離分別(TREF)の測定の詳細については、Journal of Applied Polymer Science第26巻 第4217〜4231頁(1981年)に記載されており、本発明においてもこれに従って行う。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の付加的任意成分を添加してもよい。例えば、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光造白剤等を挙げることができるが、これらに限定されることは無い。
また、発明の効果を損なわない範囲で、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等を混合することもできる。
前記付加成分の市販されているものの例としては、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体としては、日本ポリエチレン(株)製カーネルシリーズやノバテックLLシリーズが、オレフィン系エラストマーとしては、三井化学(株)製タフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、JSR(株)製EPシリーズやEBMシリーズが例示できる。また、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体としては、日本ポリプロ(株)製ノバテックPPシリーズやニューコンシリーズなどが例示できる。
(1)エチレン系樹脂(B)
本発明の積層フィルムに用いる(B)エチレン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとのエチレン・α−オレフィン共重合体からなり、下記(B1)〜(B2)、必要に応じて(B3)の特性を有する共重合体である。エチレン系樹脂、重合法、及びそれが有する特性について順次に説明する。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の重合に用いるメタロセン触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.1〜20g/10分、好ましくは1〜16g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、押出負荷が上がり成形性が劣り、20g/10分を超えるとフィルムの厚みがばらつき易い。MFRはエチレン系重合体の分子量の尺度として用いられ、重合に際して水素など分子量調整剤、β水素引き抜きの速度制御などにより適宜調整することが可能である。
ここで、MFRの測定は、JIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.860〜0.925g/cm3であり、好ましくは0.880〜0.920g/cm3である。密度が0.860g/cm3未満ではフィルムがべたつき易くなり、0.925g/cm3を超えるとポリプロピレン系樹脂層との層間強度が不足し易くなる。
なお、密度は、JIS−K6922−2:1997付属書の低密度ポリエチレンの場合に準拠して測定する(23℃)。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は、特に制限はないが、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%である。α−オレフィンの含有量が少な過ぎると低温ヒートシール性が得られず、多すぎる場合は、耐ブロッキング性が損なわれる。
ここでα−オレフィン含有量は、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。
装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体中には、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の付加的任意成分を添加してもよい。例えば、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光造白剤等を挙げることができるが、これらに限定されることは無い。
また、発明の効果を損なわない範囲で、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、オレフィン系エラストマー等を混合することもできる。
本発明の積層フィルムは、上記(A)ポリプロピレン系樹脂からなる層を中間層とし、(B)エチレン系樹脂からなる層を両表面層として積層フィルムとしたものである。単層では、エチレン系樹脂の直鎖状低密度ポリエチレンのヒートシール性を保持したまま剛性を向上することができない。
積層フィルムの層構成としては、中間層のポリプロピレン系樹脂層の両表面にエチレン系樹脂の直鎖状低密度ポリエチレンを積層した二種三層若しくは一方の表面に本発明の直鎖状低密度ポリエチレンをもう一方の表面に別の種類の本発明の直鎖状低密度ポリエチレンもしくは本発明以外のポリエチレン系樹脂を積層した三種三層の積層フィルムであってもよい。本発明の積層フィルムにおいては、(A)ポリプロピレン系樹脂からなる層と(B)エチレン系樹脂からなる層が接していることが重要である。
また、本発明の積層フィルムの中間層の厚みは、全厚みの10〜90%であり、好ましくは30〜80%である。中間層の厚みが全厚みの10%未満では剛性の改良効果が少なく、90%を超えるとヒートシール強度が低下する可能性がある。
さらに、本発明の積層フィルムは、延伸フィルムであっても未延伸フィルムであってもよいが、シーラント用途として用いる場合は実質的に未延伸なフィルムが好ましい。
なお、本発明の積層フィルムは、空冷インフレーション法以外の方法をとることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、印刷性、ラミネート適性、金属蒸着特性の付与や帯電防止剤などのフィルム表面への移行性を促進する目的で、通常工業的に採用されている方法によってコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理も可能である。
さらに、本発明の積層フィルムは、その他のフィルム、例えばポリプロピレン2軸延伸フィルム、未延伸および延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルムやアルミニウム箔等と、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法等の方法で製造される複合フィルムの少なくとも一層としても好適に使用できる。
本発明の積層フィルムを用いた包装材料の具体例としては、前記複合フィルムに加工した上で袋状、筒状に加工し、内容物を入れ、封入する方法が挙げられる。より具体的には前記複合フィルムをヒートシール、インパルスシール、溶断シール、超音波シール、接着剤等の公知の方法を用いてピロー袋、三方シール袋、スタンディングパウチ、スパウトパウチ等に代表される公知の包装体に加工して用いることが出来る。
また、複合フィルムのいずれかの層に印刷を施すことも意匠性を持たせる目的で一般的に行われることであり、本発明の積層フィルムを用いた場合でも同様である。
さらに、包装体に封入されるものに特に制限は無い。様々な用途で固形物、半固形物、液状物をヒートシール、インパルスシール、溶断シール、超音波シール、接着剤等の公知の方法で封入するのが一般的である。封入後必要に応じて加熱殺菌処理等を施しても良く、開封後の再封入性を付与する目的でチャック加工などが施されることもある。
1.測定方法
(1)MFR(単位:g/10min):エチレン系樹脂は、JIS−K6922−2:1997付属書に準拠し190℃、21.18N荷重で測定し、ポリプロピレン系樹脂は、JIS K−7210−1995に準拠し、230℃、荷重21.18N荷重で測定した。
(2)密度:エチレン系樹脂は、JIS−K6922−2:1997付属書の低密度ポリエチレンの場合に準拠して測定した。
(3)融解ピーク温度:示差走査型熱量計(セイコー社製DSC)を用い、サンプル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度Tmを測定した。
(4)40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分量:試料を140℃でオルソジクロロベンゼンに溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるオルソジクロロベンゼンを1ml/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で40℃のオルソジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
カラムサイズ:4.3mmφ×150mm
カラム充填材:100μm表面不活性処理ガラスビーズ
溶媒:オルソジクロルベンゼン
試料濃度:5mg/ml
試料注入量:0.2ml
溶媒流速:1ml/分
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製MIRAN 1A
測定波長:3.42μm
(5)ヤング率(単位:MPa):下記の条件にて、フィルムの流れ方向(MD)および直交方向(TD)各々について測定し、フィルム剛性の尺度とした。引張弾性率の計算方法は、JIS K−7127−1989に準拠した。
サンプル長さ:150mm
サンプル幅:15mm
チャック間距離:100mm
クロスヘッド速度:1mm/min
(6)ヒートシール温度(単位:℃):5mm×200mmのヒートシールバーを用い、得られたフィルムのコロナ未処理面同士を各設定温度において、圧力2kg/cm2、時間1秒のヒートシール条件下で溶融押出しした方向(MD)に垂直になるようにシールした試料から15mm幅のサンプルを切り取り、引張試験器を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、1000gの強度となる温度を求めた。
(7)ヒートシール強度(単位:g/15mm):5mm×200mmのヒートシールバーを用い、得られたフィルムのコロナ未処理面同士を160℃において、圧力2kg/cm2、時間2秒のヒートシール条件下で溶融押出しした方向(MD)に垂直になるようにシールした試料から15mm幅のサンプルを切り取り、引張試験器を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、その強度を求めた。
(8)カール:フィルムサンプルを20センチ四方に切り取り、平板の上に載せ、次の基準で判断した。
○:フィルムの端部若しくは中央部が平板から浮かない、若しくは殆ど浮かない
×:フィルムの端部若しくは中央部が平板から大きく浮く、若しくはフィルムを平板上に広げるために手で押える必要がある。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)
LL1(メタロセン触媒により重合されたエチレン−1ヘキセン共重合体):日本ポリエチレン(株)製カーネルKF273(MFR2.4g/10分、密度0.913g/cm3)
(2)ポリプロピレン系樹脂
PP1(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製WFX4T(融解ピーク温度Tm:124.3℃、MFR:7.2g/10分、オルトジクロルベンゼン可溶分:40℃で0.7wt%)。
PP2(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製WXK1195(融解ピーク温度Tm:134.7℃、MFR:6.2g/10分、オルトジクロルベンゼン可溶分:40℃で0.3wt%)
PP3(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製WMB3(融解ピーク温度Tm:141.7℃、MFR:8.3g/10分、オルトジクロルベンゼン可溶分:40℃で0.2wt%)99重量部と高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製HJ490)1重量部のブレンド混合物
PP4(チーグラー触媒で重合したプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製FG4(融解ピーク温度Tm:141.7℃、MFR:6.9g/10分、オルトジクロルベンゼン可溶分:40℃で7.0wt%)
(3)その他の成分
MB1:(アンチブロッキング剤、滑剤マスターバッチ)日本ポリエチレン(株)製カーネルKMB243
中間層用樹脂として、PP1をプラコー社製20mmφ、35mmφ、20mmφ三種三層Tダイ成形機の35mmφ押出機(中間層用)に投入し、両表面層(表面層1及び表面層2)用樹脂としてLL1 93重量%とMB1 7重量%からなる樹脂混合物を20mmφ押出機2基に投入し、押出温度220℃で幅300mmのTダイから溶融押出し、40℃に調整された直径300mmのチルロールに巻き付けながら冷却固化し、毎分10mの速度で厚さ60μmのキャストフィルムを表面層1:中間層:表面層2の厚み比率が1:4:1となるように製造した。引き続きフィルムのエアナイフ面に成形直後のJIS K6768による濡れ張力が42mN/mとなるようにコロナ処理を施し、このコロナ処理面を表面層1、反対面を表面層2とし、フィルムの物性を測定した。表1にフィルムの評価結果を示す。
実施例1の中間層用樹脂において、PP1をPP2に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、その物性を測定した。表1にフィルムの評価結果を示す。
実施例1の中間層用樹脂において、PP1をPP3に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、その物性を測定した。表1にフィルムの評価結果を示す。
実施例1の中間層用樹脂において、PP1をLL1に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、その物性を測定した。表1にフィルムの評価結果を示す。中間層にポリプロピレン系樹脂を用いなかったため剛性が低下した。
実施例1の成形条件において、成形速度を毎分5mに、フィルム厚みを180μmに代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、ヒートシール強度を評価した。表2にフィルムの評価結果を示す。
実施例4の中間層用樹脂において、PP1をPP2に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、ヒートシール強度を評価した。表2にフィルムの評価結果を示す。
実施例4の中間層用樹脂において、PP1をPP3に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、ヒートシール強度を評価した。表2にフィルムの評価結果を示す。
実施例4の中間層用樹脂において、PP1をPP4に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、ヒートシール強度を評価した。表2にフィルムの評価結果を示す。メタロセン触媒製以外のポリプロピレン系樹脂を用いたため、層間剥離が発生し、実施例に比べヒートシール強度が低下した。
実施例4において、表層を一層のみにした以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得、ヒートシール強度を評価した。表2にフィルムの評価結果を示す。フィルムがカールし、取扱にくかった。
Claims (4)
- 表裏2層の表面層と、表面層の間に配置された中間層との三層からなる積層フィルムであって、中間層に下記(A)ポリプロピレン系樹脂を用い、表面層に下記(B)エチレン系樹脂を用いることを特徴とする積層フィルム。
(A)ポリプロピレン系樹脂:メタロセン触媒を用いて重合された下記特性(A1)〜(A3)を有する結晶性ポリプロピレン
(A1)メルトフローレート(MFR:230℃、21.18N荷重)が1〜30g/10分
(A2)融解ピーク温度(Tm)が120〜165℃
(A3)40℃のオルソジクロルベンゼン可溶分量が2.0重量%以下
(B)エチレン系樹脂:メタロセン触媒を用いて重合された下記特性(B1)〜(B2)を有するエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体
(B1)メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1〜20g/10分
(B2)密度が0.860〜0.925g/cm3 - (A)ポリプロピレン系樹脂がTm120〜145℃のプロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
- 積層フィルム全体の厚みが10〜500μmであり、かつ中間層の厚みが全体の10〜90%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 積層フィルムが実質的に無延伸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
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