JP2006135612A - 送信装置及び歪み補償方法 - Google Patents

送信装置及び歪み補償方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006135612A
JP2006135612A JP2004321855A JP2004321855A JP2006135612A JP 2006135612 A JP2006135612 A JP 2006135612A JP 2004321855 A JP2004321855 A JP 2004321855A JP 2004321855 A JP2004321855 A JP 2004321855A JP 2006135612 A JP2006135612 A JP 2006135612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
distortion
component signal
amplitude
distortion compensation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004321855A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Chinda
祐輔 珍田
Hiroshi Itahara
弘 板原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004321855A priority Critical patent/JP2006135612A/ja
Publication of JP2006135612A publication Critical patent/JP2006135612A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Abstract

【課題】高電力効率且つ低歪みで使用することができる送信装置及び歪み補償方法を提供する。
【解決手段】EER方式の電力増幅器15の歪み特性の逆特性を持ち、信号変換部10から出力される振幅成分信号A及び位相成分信号θ,θに対する歪み補償処理を行う歪み補償部16を備えるとともに、この歪み補償部16の持つルックアップテーブル1601の歪み逆特性を表す数値(振幅成分A_PDと位相成分(α,β))を電力増幅器15の出力のフィードバック信号に基づいて更新する手段を備える。これにより、高電力効率であるEER方式の電力増幅器15の出力の歪みを低く抑えることができる。すなわち、高電力効率且つ低歪みで送信することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、EER方式(Envelope Elimination and Restoration)方式を採用した送信用の電力増幅器を備えた送信装置及び電力増幅器において発生する歪みを補償する歪み補償方法に関する。
従来、ディジタル変調方式の携帯電話に用いられる送信用の電力増幅器は、高ダイナミックレンジの信号を低歪みで増幅する線形性と、装置の消費電力を低減するための高い電力効率が求められる。
電力効率を大幅に向上できる可能性のある電力増幅方式の1つに上述したEER方式がある。このEER方式の増幅器では、送信信号の同相成分信号(I信号),直交成分信号(Q信号)を振幅(AM:Amplitude Modulation)成分信号と位相(PM:Phase Modulation)成分信号に変換して増幅することにより、高効率に電力を増幅することが可能である。
図15は、EER方式の増幅器の動作原理図である。この図において、入力I信号,Q信号を信号変換部10で振幅成分(AM)信号と位相成分(PM)信号に変換する。そして、位相成分信号については、D/A(Digital/Analog)変換器11及び12でアナログ信号に変換した後に、直交変調部14において、搬送波cos(ωt)、sin(ωt)を乗算し、各乗算結果を加算して直交変調を行う。ここでωは搬送波の各周波数を、tは時間を表す。直交変調後信号を電力増幅器15で増幅し、振幅成分信号をD/A変換器13でアナログ信号に変換した後、そのアナログの振幅成分信号で電力増幅器15のドレイン・バイアス電圧を変調して振幅成分信号を再挿入する。これにより、電力増幅器15から振幅成分信号と位相成分信号とが再結合した信号が出力される。この処理を適切に行うことで電力増幅器15の電力効率を高く維持したまま目的の信号を電力増幅することが可能となる。
ところで、EER方式の増幅器は電力増幅効率が良い反面、高電力増幅時に歪みが発生するという問題点がある。すなわち、電力増幅器15には入力振幅に依存したAM/AM特性(振幅歪み)とAM/PM特性(位相歪み)という歪みが生じ、この歪みのため増幅器出力は非線形のものとなってしまう。
従来、送信信号の振幅成分信号と位相成分信号の夫々に対して、ディジタル方式による歪み補償を可能にした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、直交座標系を極座標系に変換した後、振幅と位相角度の歪み補償量を別々に算出して歪み補償を行っている。
非線形歪みをディジタル信号処理により線形補償するのが、ディジタル歪み補償技術と呼ばれる。
特開2000−92145号公報
しかしながら、従来のディジタル方式の歪み補償方法は、EER方式の電力増幅器を想定した歪み補償ではない為、EER方式の電力増幅器においては歪み問題は未だ解決に至ってない。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、EER方式の電力増幅器を用い高電力効率且つ低歪みで使用することができる送信装置及び歪み補償方法を提供することを目的とする。
まず歪み補償プリディストーション法の原理について簡単に説明する。図12は、歪み補償した場合の送信装置の概略構成と各部の入出力波形図である。図13は、歪み補償しない場合の送信装置の概略構成と各部の入出力波形図である。また、図14は、歪み補償した場合と歪み補償しない場合の周波数スペクトラムを示す。
図13に示すように、歪み補償が無い場合は、電力増幅器15には、入力振幅に依存したAM/AM特性(振幅歪み)、AM/PM特性(位相歪み)という歪みが生じる。この歪みのために出力波形は非線形のものとなってしまう。これに対して、図12に示すように、歪み補償した場合は、予め電力増幅器15における歪み特性と逆の歪み特性を歪み補償部16に設定しておく。歪み補償部16で補償した信号を電力増幅器15に入力すると、歪み特性が相殺され、線形増幅されることになる。予め歪みの逆特性を与えておくことから、この方法はプリディストーション法(前歪み補償方法)と呼ばれる。この際、重要なのは歪みの逆特性を如何にして精度良く求めるかである。図14の周波数スペクトラムに示すように、歪み補償を行わないと歪み特性により帯域(通信に用いる帯域(図14中では3.84MHz))外に電力が漏洩してしまうが、歪み補償を行うことで帯域外に漏洩する電力が抑えられるのが分かる。このように、送信装置の回路内に、EER方式の電力増幅器15における歪み特性と逆の歪み特性を持つ歪み補償部16を設けることで、電力増幅器15を低歪みで使用することが可能となる。
本発明の目的は、上記内容を踏まえて下記構成及び方法により達成される。
(1) EER方式の電力増幅器と、送信信号の同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に変換する信号変換手段と、前記電力増幅器の歪み特性と逆の歪み特性を持ち、該歪み逆特性を用いて前記信号変換手段からの振幅成分信号と位相成分信号に歪み補償処理を行う歪み補償手段と、前記歪み補償手段で歪み補償処理された前記信号変換手段からの位相成分信号を直交変調して前記電力増幅器に入力し、さらに前記歪み補償手段で歪み補償処理された前記信号変換手段からの振幅成分信号の電圧値に応じて増幅する手段と、を備える。
(2) 上記(1)に記載の送信装置において、前記電力増幅器の出力をフィードバック信号として取得し、それを直交検波して同相成分信号と直交成分信号を取り出す復調手段と、前記復調手段で取り出された同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に逆変換する信号逆変換手段と、前記信号変換手段からの振幅成分信号及び位相成分信号と前記信号逆変換手段からの振幅成分信号及び位相成分信号とを比較して夫々における誤差を算出する誤差算出手段と、前記誤差算出手段にて算出された振幅及び位相夫々における誤差が最小になる歪み補償係数を算出して前記歪み補償手段の歪み逆特性に反映させる歪み補償係数算出手段と、を備える。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の送信装置において、前記歪み補償手段から出力される歪み補償された振幅成分信号の振幅を制限する振幅制限手段を備える。
(4) 上記(1)又は(2)に記載の送信装置において、前記信号変換手段に入力される送信信号の振幅を制限する振幅制限手段を備える。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の送信装置において、前記信号変換手段から出力される振幅成分信号及び位相成分信号夫々に対して帯域制限を行うフィルタ手段を備える。
(6) 上記(5)に記載の送信装置において、前記フィルタ手段通過後の前記信号変換手段からの出力信号と前記信号逆変換手段からの出力信号との間で生ずる誤差を改善する補正手段を備える。
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の送信装置において、前記歪み補償手段が持つ歪み逆特性の初期値を設定するためのトレーニング信号を発生するトレーニング信号発生手段と、前記トレーニング信号発生手段から出力されるトレーニング信号を前記信号変換手段の出力信号に替わって前記歪み補償手段へ入力するスイッチ手段と、を備える。
(8) 上記(2)乃至(7)のいずれかに記載の送信装置において、前記フィードバック信号を減衰させる可変減衰手段と、前記可変減衰手段の減衰率を制御する減衰率制御手段と、を備える。
(9) 移動体通信システムの移動局装置において、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備える。
(10) 移動体通信システムの基地局装置において、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備える。
(11) 無線通信装置において、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備える。
(12) EER方式の電力増幅器を備えた送信装置の歪み補償方法において、送信信号の同相成分信号及び直交成分信号を振幅成分信号及び位相成分信号に変換し、前記電力増幅器の歪み特性と逆の歪み特性を用いて歪み補償処理を行う歪み補償工程を備える。
(13) 上記(12)に記載の歪み補償方法において、前記電力増幅器の出力をフィードバック信号として取得し、それを直交検波して同相成分信号と直交成分信号を取り出す復調工程と、前記復調工程で取り出された同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に逆変換する信号逆変換工程と、送信信号を変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号と前記信号逆変換工程で得られた振幅成分信号及び位相成分信号とを比較して夫々における誤差を算出する誤差算出工程と、前記誤差算出工程にて算出された振幅及び位相夫々における誤差が最小になる歪み補償係数を算出して前記歪み補償工程の歪み逆特性に反映させる歪み補償係数算出工程と、を備える
(14) 上記(12)又は(13)に記載の歪み補償方法において、前記歪み補償工程で得られた歪み補償された振幅成分信号の振幅を制限する振幅制限工程を備える。
(15) 上記(12)又は(13)に記載の歪み補償方法において、極座標系に変換する以前の送信信号の振幅を制限する振幅制限工程を備える。
(16) 上記(12)乃至(15)のいずれかに記載の歪み補償方法において、送信信号の同相成分信号及び直交成分信号を変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号夫々に対して帯域制限を行う帯域制限工程を備える。
(17) 上記(16)に記載の歪み補償方法において、前記帯域制限工程によって帯域制限された信号と前記信号逆変換工程で得られた信号との間で生ずる誤差を改善する補正工程を備える。
(18) 上記(12)乃至(17)のいずれかに記載の歪み補償方法において、前記歪み補償工程で用いられる歪み逆特性の初期値を設定するためのトレーニング信号を発生するトレーニング信号発生工程と、前記トレーニング信号発生工程で発生されたトレーニング信号を、送信信号の同相成分信号及び直交成分信号に変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号に替わって前記歪み補償工程へ入力する信号切替工程と、を備える。
(19) 上記(13)乃至(18)のいずれかに記載の歪み補償方法において、前記フィードバック信号を減衰させる可変減衰工程と、前記可変減衰工程における減衰率を制御する減衰率制御工程と、を備える。
上記(1)に記載の送信装置によれば、電力増幅器の歪み特性の逆特性を持ち、信号変換手段から出力される振幅成分信号及び位相成分信号に対する歪み補償処理を行うので、EER方式の電力増幅器を低歪みで使用することが可能となる。
上記(2)に記載の送信装置によれば、歪み補償手段の持つ歪み逆特性を、電力増幅器の出力より得られたフィードバック信号に基づいて増幅器を線形補償するので、常に最良の状態で電力増幅器の出力の歪みを低く抑えることができる。
上記(3)に記載の送信装置によれば、歪み補償手段から出力される歪み補償された振幅成分信号の振幅を制限するので、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって
電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(4)に記載の送信装置によれば、信号変換手段に入力される送信信号の振幅を制限するので、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(5)に記載の送信装置によれば、信号変換手段から出力される振幅成分信号及び位相成分信号夫々に対して帯域制限を行うので、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(6)に記載の送信装置によれば、フィルタ手段通過後の信号変換手段からの出力信号と信号逆変換手段からの出力信号との間で生ずる誤差を改善するので、誤差算出を精度良く行い、安定した補償係数を算出することが可能となる。
上記(7)に記載の送信装置によれば、歪み補償手段が持つ歪み逆特性の初期値を設定するためのトレーニング信号を発生するので、短時間で最良の歪み逆特性を算出することができる。
上記(8)に記載の送信装置によれば、フィードバック信号のレベルを調整するので、送信電力が変わっても常に最良な歪み逆特性を算出することができる。
上記(9)に記載の移動局装置によれば、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備えるので、高電力効率且つ低歪みで送信を行うことができる。
上記(10)に記載の基地局装置によれば、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備えるので、高電力効率且つ低歪みで送信を行うことができる。
上記(11)に記載の無線通信装置によれば、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置を備えるので、高電力効率且つ低歪みで送信を行うことができる。
上記(12)に記載の歪み補償方法によれば、EER方式の電力増幅器を低歪みで使用することが可能となる。
上記(13)に記載の歪み補償方法によれば、高電力効率である電力増幅器の出力の歪みを最良の状態で低く抑えることができる。
上記(14)に記載の歪み補償方法によれば、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(15)に記載の歪み補償方法によれば、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(16)に記載の歪み補償方法によれば、電力増幅器の信号処理帯域を超える信号入力によって電力増幅器を駆動できなくなる虞を無くすことができる。
上記(17)に記載の歪み補償方法によれば、誤差算出を精度良く行い、安定した補償係数を算出することが可能となる。
上記(18)に記載の歪み補償方法によれば、歪み逆特性を短時間で最良のものにすることができる。
上記(19)に記載の歪み補償方法によれば、送信電力が変わっても歪み逆特性を常に最良なものにすることができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図である。この図において、本実施の形態の送信装置は、信号変換部10と、D/A(ディジタル/アナログ)変換器11〜13と、直交変調部14と、電力増幅器15と、歪み補償部16と、LPF(ローパスフィルタ)17及び25と、アップコンバータ18と、局部発振器19と、BPF(バンドパスフィルタ)20及び23と、アンテナ21と、方向性結合器22と、ダウンコンバータ24と、直交復調部26と、A/D(アナログ/ディジタル)変換器27及び28と、信号逆変換部29と、誤差算出部30及び31と、補償係数算出部32と、メモリ33と、遅延回路34〜36とを備えている。
信号変換部10は、入力信号の同相成分I信号と直交成分Q信号(Iin,Qin)を振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θに変換する。図2に示すように、信号変換部10に入力される信号(Iin,Qin)はIQ平面にマッピングされる。これを極座標で表すと式(1)のように表すことができる。
Iin+j・Qin=(Iin +Qin )1/2・exp(j・θ)
=(Iin +Qin )1/2・(cosθ+j・sinθ)
=(Iin +Qin )1/2・(Iin/(Iin +Qin )1/2+j・(Qin/(Iin +Qin )1/2))
・・・式(1)
このとき、A,θ,θを式(2)のようにしておくと、式(1)は式(3)のように表すことができる。
A=(Iin +Qin )1/2
θ=Iin/A
θ=Qin/A
・・・式(2)
Iin+j・Qin=A・(θ+j・θ)
・・・式(3)
図1に戻り、信号変換部10では、式(2)で算出した“A”を振幅成分信号、“θ,θ”を位相成分信号として出力する。歪み補償部16は、電力増幅器15の歪み特性の逆特性を保存するルックアップテーブル(図4の構成図を参照)1601を有しており、このルックアップテーブル1601を参照して信号変換部10からの振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θに対する歪み補償処理を行う。ここで、電力増幅器15の非線形歪みである振幅歪み、位相歪みは共に入力振幅Aに依存している。図4に示すようにルックアップテーブル1601には、入力振幅信号Aの入力電圧Pに対する歪み逆特性が、振幅成分信号A_PDと位相成分信号(α,β)に分けて保存される。図3に位相歪みの一例を示す。
入力電圧Pに対する位相歪みの回転量をφ[rad]とすると、その歪み特性はexp(j・φ)、逆特性はexp(−j・φ)と表される。α,βは、それぞれこの逆特性の実部、虚部を表している。これを式で表すと式(4)のように表せる。
exp(−j・φ)=cosφ−j・sinφ
=α+j・β
・・・式(4)
図4において、歪み補償部16は、振幅成分信号については、ルックアップテーブル1601の入力振幅Aの電圧値Pに応じた部分を参照してA_PD信号を出力する。位相成分信号については、入力振幅Aの電圧値Pに応じた(α,β)を参照し、該当する(α,β)を用いて、式(5)の計算により歪み補償したθI_PD信号及びθQ_PD信号を求めて出力する。
θI_PD=α・θ−β・θ
θQ_PD=α・θ+β・θ
・・・式(5)
図1に戻り、D/A変換器11〜13は、歪み補償部16からのA_PD信号、θI_PD信号、θQ_PD信号のディジタル信号を、それぞれアナログ信号に変換する。θI_PDアナログ信号、θQ_PDアナログ信号は直交変調部14に入力される。直交変調部14は、入力されたθI_PDアナログ信号、θQ_PDアナログ信号夫々に基準搬送波とこの基準搬送波を90度移相した信号を乗算し、さらにそれぞれの結果を加算することにより直交変調を行う。ローパスフィルタ17は、直交変調部14からの直交変調信号の高周波を制限する。アップコンバータ18は、ローパスフィルタ17で高周波が制限された直交変調部14からの直交変調信号と局部発振器19からの局部発振信号とを混合することで周波数変換する。バンドパスィルタ20は、アップコンバータ18からの周波数変換信号(すなわち変調信号)を帯域制限する。
電力増幅器15は、EER方式で電力増幅するものであり、バンドパスフィルタ20で帯域制限されたアップコンバータ18からの周波数変換信号を電力増幅してアンテナ21より空中へ放射する。方向性結合器22は、電力増幅器15で電力増幅された周波数変換信号をフィードバック系に分配する。なお、方向性結合器22に替わって分配器を用いても構わない。方向性結合器22でフードバック系に分配された周波数変換信号は、電力増幅器15の歪み特性を解析するためのフィードバック信号として使用される。
なお、フィードバック信号は電力増幅器15の出力そのものであるのでレベルの高い信号である。このため、フィードバック系の各部で扱い易いように方向性結合器22とバンドパスフィルタ23との間に図示せぬ減衰器が設けられている。
バンドパスフィルタ23はフィードバック信号を帯域制限する。ダウンコンバータ24は、バンドパスフィルタ23で帯域制限されたフィードバック信号と局部発振器19からの局部発振信号とを混合し、アップコンバータ18に入力される信号の周波数と同じ周波数に周波数変換する。以下、周波数変換して得られる信号をフィードバック周波数変換信号と呼ぶ。ローパスフィルタ25は、ダウンコンバータ24からのフィードバック周波数変換信号の高周波を制限する。
直交復調部26は、ローパスフィルタ25で高周波が制限されたフィードバック周波数変換信号に対して直交検波を行うことで、同相成分信号I_F、直交成分信号Q_Fを取り出す。アナログ/ディジタル変換器27及び28は、直交復調部26からのアナログ信号をディジタル信号に変換する。なお、ここでのI_F、Q_Fは直交座標系で表された信号である。信号逆変換部29は、直交座標系で表された信号I_F、Q_Fを、再び振幅成分信号(A_F)、位相成分信号(θI_F,θQ_F)に逆変換する。処理動作は信号変換部10と同様である。
誤差算出部30及び31は、送信しようとする信号(すなわち歪みが無い信号)の振幅A(P)、位相(θ,θ)と信号逆変換部29の出力信号A_F、(θI_F,θQ_F)とを比較する。そのときの誤差をe_A(P)、e_P(P)とすると、式(6)で表すことができる。ここで、Pは振幅信号の電圧値である。遅延回路34〜36は、誤差算出部30及び31における比較処理において、信号変換部10の出力信号(すなわち送信しようとする信号)に対するフィードバック信号の遅延を無くすために信号変換部10の出力信号を遅延させる。なお、遅延させるのではなくメモリを設けてそれに溜め込むようにしても構わない。
e_A(P)=A_F(P)−A(P)
e_P(P)=(θI_F(P)+j・θQ_F(P))−(θ(P)+j・θ(P))
・・・式(6)
補償係数算出部32は、誤差e_A(P)、e_P(P)が最小になるように振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)を算出する。歪み補償係数を算出する方法は、最小二乗法(LMS)、指数重み付き逐次最小二乗法(RLS)などがある(例えば、特開平9−69733号公報参照)。本実施の形態では最小二乗法を採用しており、この最小二乗法に基づいて説明する。
最小二乗法により、誤差が最小になるよう、振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)を決定する(式(7))。そして、振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)が今回新たに決定する補償係数であり、振幅歪み補償係数h_An−1(P)、位相歪み補償係数h_Pn−1(P)が前回の補償係数の値である。u(P)は補償係数を掛けない(すなわち歪み補償を行わない補償係数が「1」)ときの入力を増幅した出力の値であり、式(8)、式(9)のように表される(は共役複素数を表す)。また、μは最小二乗法のステップサイズパラメータであり、振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)が収束するためには入力振幅に応じて適切なμの値を設定しなければならない。
h_A(P)=h_An−1(P)+μ・e_A(P)・A(P)
h_P(P)=h_Pn−1(P)+μ・e_P(P)・u(P)
・・・式(7)
u(P)=h_P n−1(P)・Y(P)
・・・式(8)
Y(P)=θI_PD(P)+j・θQ_PD(P)
・・・式(9)
補償係数算出部32で算出された振幅歪み補償係数h_A(P)及び位相歪み補償係数h_P(P)は一時的にメモリ33に格納される。
歪み補償部16のルックアップテーブル1601では、上述したように入力振幅の入力電圧Pに対する歪み逆特性を、振幅成分信号A_PD信号と位相成分信号(α,β)に分けて保存している(図4参照)。歪み逆特性を求めることは誤差e_A(P)、e_P(P)を最小にする入力信号を求めることと同じであるので、ルックアップテーブル1601の振幅成分信号A_PD信号、位相成分信号(α,β)は、式(10)、式(11)より求めることができる。ここでは、nはルックアップテーブル1601の更新回数を表す。
_PDn=h_A(P)・A(P)
・・・式(10)
α+j・β=h_P(P)・(θI,n(P)+j・θQ,n(P))
・・・式(11)
ルックアップテーブル1601を繰り返し更新することで歪みの逆特性を求めることができる。
次に、上記構成の送信装置の動作について説明する。信号変換部10に送信信号(Iin,Qin)が入力されると、その同相成分I信号と直交成分Q信号が振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θに変換される。そして、これらの信号が歪み補償部16に入力され、電力増幅器15の歪み特性の逆特性を示すルックアップテーブル1601が参照されて、振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θに対する歪み補償処理が行われる。
すなわち、歪み補償部16において、図4に示すように、振幅成分信号については、ルックアップテーブル1601の入力振幅Aの電圧値Pに応じた部分が参照されてA_PD信号が出力され、位相成分信号については、ルックアップテーブル1601の入力振幅Aの電圧値Pに応じた(α,β)が参照されて、上述した式(5)の計算により位相補償が行われて、歪み補償された位相信号(θI_PD,θQ_PD)が出力される。
歪み補償されたA_PD信号、θI_PD信号、θQ_PD信号は、D/A変換器11〜13にてアナログ信号に変換される。そして、アナログ変換されたθI_PDアナログ信号とθQ_PDアナログ信号が直交変調部14に入力されて、基準搬送波とこの基準搬送波を90度移相した信号が乗算される。そしてさらに夫々の乗算結果が加算されることによる直交変調が行われる。そして、直交変調信号がローパスフィルタ17によってその高周波が制限された状態でアップコンバータ18に入力される。アップコンバータ18では、ローパスフィルタ17で高周波が制限された直交変調信号と局部発振器19からの局部発振信号とが混合されて周波数変換信号が出力される。出力された周波数変換信号はバンドパスフィルタ20で帯域制限された後電力増幅器15に入力される。
電力増幅器15に入力された周波数変換信号は、電力増幅器15にて電力増幅されてアンテナ21より空中へ放射される。このとき電力増幅器15はEER方式による電力増幅を行うが、電力増幅器15に入力される周波数変換信号は電力増幅器15の歪み特性の逆特性となるように補償されているので、電力増幅器15からは歪みの少ない周波数変換信号が出力される。勿論、電力増幅器15はEER方式による電力増幅を行うので高効率の送信が行われる。
電力増幅器15から周波数変換信号が出力されると、方向性結合器22によって分配され、フィードバック信号としてバンドパスフィルタ23で帯域制限された後にダウンコンバータ24に入力される。この際、アップコンバータ18に入力される信号の周波数と同じ周波数に周波数変換される。ダウンコンバータ24からのフィードバック周波数変換信号はローパスフィルタ25で高周波が制限されて直交復調部26に入力される。
直交復調部26にフィードバック周波数変換信号が入力されると、直交検波が行われて同相成分信号I_Fと直交成分信号Q_Fが取り出される。そして、取り出された同相成分信号I_Fと直交成分信号Q_FがA/D変換器27及び28でディジタル信号に変換された後、信号逆変換部29に入力されて、直交座標系で表された信号I_F、Q_Fが再び振幅成分信号A_F、位相成分信号QI_F及びQQ_Fに逆変換される。この逆変換により得られた振幅成分信号A_Fは誤差算出部30に入力されて、送信しようとする信号(すなわち歪みが無い信号)の振幅A(P)と比較され、そのときの誤差e_A(P)が補償係数算出部32に入力される。
一方、逆変換により得られた位相成分信号QI_F及びQQ_Fは誤差算出部31入力されて、送信しようとする信号(すなわち歪みが無い信号)の位相θ及びθと比較され、そのときの誤差e_P(P)が補償係数算出部32に入力される。
補償係数算出部32では、誤差e_A(P)、e_P(P)が最小になる振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)が算出される。そして、算出された振幅歪み補償係数h_A(P)、位相歪み補償係数h_P(P)が一時的にメモリ33に格納される。振幅歪み補償係数h_A(P)と位相歪み補償係数h_P(P)は常時更新されることになるが、メモリ33に新たな振幅歪み補償係数h_A(P)と位相歪み補償係数h_P(P)が格納される毎にメモリ33から読み出されて歪み補償部16に入力される。歪み補償部16では、メモリ33から振幅歪み補償係数h_A(P)と位相歪み補償係数h_P(P)が入力される毎にそれらをルックアップテーブル1601に反映する。ルックアップテーブル1601が繰り返し更新されることで歪みの逆特性が求まる。
このように本実施の形態の送信装置によれば、電力増幅器15の歪み特性の逆特性を持ち、信号変換部10から出力される振幅成分信号A及び位相成分信号θ,θに対する歪み補償処理を行う歪み補償部16を備えるとともに、この歪み補償部16の持つルックアップテーブル1601の歪み逆特性を表す数値(振幅成分信号A_PDと位相成分信号(α,β))を電力増幅器15の出力のフィードバック信号に基づいて更新する手段を備えるので、常に最良の状態で電力増幅器15の出力の歪みを低く抑えることができる。すなわち、高電力効率のEER方式の電力増幅器15を低歪みで使用することが可能となる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において前述した図1と同一のものについては同じ符号を付けてその説明を省略する。
図5において、本実施の形態の送信装置は、信号変換部10の直後にローパスフィルタ37〜39を有し、さらに歪み補償部16の振幅成分信号A_PD出力側に振幅制限部40を有するものである。ローパスフィルタ37〜39は、信号変換部10で変換された振幅成分信号Aと位相成分信号θ、θに対して帯域制限を行う。この場合、振幅成分信号A、位相成分信号θ、θに変換した信号のスペクトルは全帯域に拡がっているため、このままでは電力増幅器15を駆動できない虞がある。そこで、ローパスフィルタ37〜39を用いて帯域制限を行うようにした。なお、D/A変換器11〜13におけるD/A変換のためにも必要である。
振幅制限部40は、電力増幅器15に入力される信号の振れ幅を抑える。すなわち、電力増幅器15のドレイン電圧には制限があるので、電力増幅器15の信号処理帯域を確保するために電力増幅器15に入力される信号の振れ幅を抑える。ここで図6は、振幅制限部40の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、振幅制限部40は、リミッタ部401と上下限値算出部402とを備えて構成される。上下限値算出部402は、振幅を制限するための上限値と下限値を算出する。この場合、入力信号A_PDの実効値から−xdBを下限値、+ydBを上限値とする。リミッタ部401は、下限値以下の信号を下限値に、上限値以上の信号を上限値に張り付かせる処理を行う。
このように本実施の形態の送信装置によれば、信号変換部10からの振幅成分信号A、位相成分信号θ、θの各信号の帯域を制限するローパスフィルタ37〜39を備えるとともに、電力増幅器15に入力される信号の振れ幅を抑えるための振幅制限部40を備えるので、信号変換部10からの信号レベルによって電力増幅器15を駆動できなる虞が一切無くなる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において前述した図1及び図5と同一のものについては同じ符号を付けてその説明を省略する。
図7において、本実施の形態の送信装置は、信号変換部10からの振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θがローパスフィルタ37〜39を通過することで、その通過後の出力信号A’,θ’,θ’とフィードバック系の信号逆変換部29の出力信号A_F,θI_F,θQ_Fとの間で生ずる誤差を改善するための補正値算出部43及び補正部44を備えるとともに、補正値とフィードバック信号の遅延を合わせるための遅延回路41及び42を備えている。
すなわち、A’,θ’,θ’は信号変換部10の出力信号にローパスフィルタ37〜39を通した信号であるのに対し、フィードバック系の信号逆変換部29の出力信号A_F,θI_F,θQ_Fはローパスフィルタを通していない信号である。このため、フィルタ通過分の誤差が必ず生じてしまう((θI_F,θQ_F)は必ず半径1の円上の点になるが、(θ’,θ’)はローパスフィルタを通していないためそうならない)。そこで、この分の誤差を改善するため信号逆変換部29の出力信号に対して補正部44で補正を行う。
補正部44は、歪み補償部16の出力位相信号(θI_PD,θQ_PD)を用いて、信号逆変換部29の出力信号A_F,θI_F,θQ_Fの補正を行う。本実施の形態では、遅延回路41及び42を用いて補正値とフィードバック信号の遅延(ディジタル/アナログ、増幅器等で発生)を合わせるようにしている。なお、遅延回路の他にメモリを用意して、このメモリに信号を貯め込む構成でも良い。
補正値算出部43は、(θI_PD +θQ_PD )1/2の計算を行い、補正部44では式(12)の計算を行う。
_F’=A_F/(θI_PD +θQ_PD )1/2
θI_F’=AI_F・(θI_PD +θQ_PD )1/2
θQ_F’=AQ_F・(θI_PD +θQ_PD )1/2
・・・式(12)
このように本実施の形態の送信装置によれば、信号変換部10からの振幅成分信号Aと位相成分信号θ,θのローパスフィルタ37〜39通過後の出力信号A’,θ’,θ’と、フィードバック系の信号逆変換部29の出力信号A_F,θI_F,θQ_Fとの間で生ずる誤差を改善する補正値算出部43及び補正部44を備えるので、誤差算出を精度良く行い、安定した補償係数を算出することが可能となる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において前述した図1、図5及び図7と同一のものについては同じ符号を付けてその説明を省略する。
図8において、本実施の形態の送信装置は、上述した実施の形態3の送信装置における振幅制限部40と同じ機能を持つ振幅制限部45を信号変換部10の前段に設けたものであり、振幅制限部45の誤差が後段の回路に入らない分、実施の形態3の送信装置より誤差を少なくできる。
このように本実施の形態の送信装置によれば、信号変換部10の前段にて、電力増幅器15に入力される信号の振れ幅を抑える振幅制限部45を備えるので、振幅制限部45の誤差が後段の回路に入らない分、実施の形態3の送信装置より誤差を少なくできる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において前述した図1及び図7と同一のものについては同じ符号を付けてその説明を省略する。
図9において、本実施の形態の送信装置は、ルックアップテーブル1601の初期値を作成するトレーニング信号発生部46と、信号変換部10に代ってトレーニング信号発生部46を本装置の回路に接続するスイッチ部47〜49を備えるものであり、トレーニング信号発生部46を本装置の回路に接続することで、トレーニングシーケンスにより歪み補償部16のルックアップテーブル1601の初期値が作成される。ルックアップテーブル1601の初期値が作成された後は、上述した実施の形態1から実施の形態4の各送信装置と同様に、送信している実信号のフィードバックによりルックアップテーブル1601が随時更される。トレーニングシーケンスは、最初にルックアップテーブルを作成するためのシーケンスである。
ここで、トレーニング信号としては、図10に示すように、時間と共に振幅が増幅する鋸歯状波が好適であり、他に正弦波や矩形波でも良い。また、このときの位相(θ’,θ’)も既知のもの(例えば、(θ’,θ’)=(1,0)など)を使用する。
このように本実施の形態の送信装置によれば、ルックアップテーブル1601を作成するための初期値を与えるトレーニング信号発生部46を備えるので、ルックアップテーブル1601を短時間で最良の値にすることができる。
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、この図において前述した図1及び図7と同一のものについては同じ符号を付けてその説明を省略する。
図11において、本実施の形態の送信装置は、方向性結合器22で分配されたフィードバック信号を減衰させてバンドパスフィルタ23に入力する可変減衰器50と、この可変減衰器50の減衰率を制御するゲイン制御部51とを追加したものである。上述した実施の形態1から実施の形態5の各送信装置では、フィードバック信号をフィードバック系の各部で扱い易いように、方向性結合器22とバンドパスフィルタ23との間に減衰器(図示略)を設けているが、固定した値であるので、送信電力調整を行った場合にその都度フィードバック信号のレベルが変わることになる。本実施の形態では可変減衰器50とそれを制御するゲイン制御部51を設けて、送信電力が変わっても常に一定したレベルのフィードバック信号が得られるようにしている。
このように本実施の形態の送信装置によれば、フィードバック信号のレベルを調整する可変減衰器50とそれを制御するゲイン制御部51を備えているので、送信電力が変わっても常に誤差算出を精度良く行い、安定した補償係数を算出することが可能となる。
なお、上記各実施の形態の送信装置は、移動体通信システムの移動局装置(携帯電話等)や基地局装置、あるいはディジタル放送の無線通信装置などに用いて好適である。
本発明は、高電力効率のEER方式の電力増幅器を低歪みで使用することができるといった効果を有し、移動体通信システムの移動局装置、基地局装置の他、ディジタル放送の無線通信装置などへの適用が可能である。
本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図 入力信号(Iin,Qin)のIQ平面へのマッピングを示す図 位相歪みの一例を示す図 図1の歪み補償部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図 図5の振幅制限部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態5に係る送信装置の構成を示すブロック図 図9のトレーニング信号発生部の出力信号波形を示す図 本発明の実施の形態6に係る送信装置の構成を示すブロック図 歪み補償した場合の送信装置の概略構成と各部の入出力波形図 歪み補償しない場合の送信装置の概略構成と各部の入出力波形図 歪み補償した場合と歪み補償しない場合の周波数スペクトラムを示す図 EER方式の増幅器の動作原理図
符号の説明
10 信号変換部
11〜13 D/A変換器
14 直交変調部
15 電力増幅器
16 歪み補償部
17、25、37〜39 ローパスフィルタ
18 アップコンバータ
19 局部発振器
20、23 バンドパスフィルタ
21 アンテナ
22 方向性結合器
24 ダウンコンバータ
26 直交復調部
27、28 A/D変換器
29 信号逆変換部
30、31 誤差算出部
32 補償係数算出部
33 メモリ
34〜36、41、42 遅延回路
40、45 振幅制限部
43 補正値算出部
44 補正部
46 トレーニング信号発生部
47、48、49 スイッチ部
50 可変減衰器
51 ゲイン制御部
401 リミッタ部
402 上下限値算出部
1601 ルックアップテーブル

Claims (19)

  1. EER方式の電力増幅器と、
    送信信号の同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に変換する信号変換手段と、
    前記電力増幅器の歪み特性と逆の歪み特性を持ち、該歪み逆特性を用いて前記信号変換手段からの振幅成分信号と位相成分信号に歪み補償処理を行う歪み補償手段と、
    前記歪み補償手段で歪み補償処理された前記信号変換手段からの位相成分信号を直交変調して前記電力増幅器に入力し、さらに前記歪み補償手段で歪み補償処理された前記信号変換手段からの振幅成分信号の電圧値に応じて増幅する手段と、
    を備える送信装置。
  2. 前記電力増幅器の出力をフィードバック信号として取得し、それを直交検波して同相成分信号と直交成分信号を取り出す復調手段と、
    前記復調手段で取り出された同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に逆変換する信号逆変換手段と、
    前記信号変換手段からの振幅成分信号及び位相成分信号と前記信号逆変換手段からの振幅成分信号及び位相成分信号とを比較して夫々における誤差を算出する誤差算出手段と、
    前記誤差算出手段にて算出された振幅及び位相夫々における誤差が最小になる歪み補償係数を算出して前記歪み補償手段の歪み逆特性に反映させる歪み補償係数算出手段と、
    を備える請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記歪み補償手段から出力される歪み補償された振幅成分信号の振幅を制限する振幅制限手段を備える請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記信号変換手段に入力される送信信号の振幅を制限する振幅制限手段を備える請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  5. 前記信号変換手段から出力される振幅成分信号及び位相成分信号夫々に対して帯域制限を行うフィルタ手段を備える請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送信装置。
  6. 前記フィルタ手段通過後の前記信号変換手段からの出力信号と前記信号逆変換手段からの出力信号との間で生ずる誤差を改善する補正手段を備える請求項5に記載の送信装置。
  7. 前記歪み補償手段が持つ歪み逆特性の初期値を設定するためのトレーニング信号を発生するトレーニング信号発生手段と、
    前記トレーニング信号発生手段から出力されるトレーニング信号を前記信号変換手段の出力信号に替わって前記歪み補償手段へ入力するスイッチ手段と、
    を備える請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の送信装置。
  8. 前記フィードバック信号を減衰させる可変減衰手段と、
    前記可変減衰手段の減衰率を制御する減衰率制御手段と、
    を備える請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の送信装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の送信装置を備える移動局装置。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の送信装置を備える基地局装置。
  11. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の送信装置を備える無線通信装置。
  12. EERの電力増幅器を備えた送信装置の歪み補償方法において、
    送信信号の同相成分信号及び直交成分信号を振幅成分信号及び位相成分信号に変換し、前記電力増幅器の歪み特性と逆の歪み特性を用いて歪み補償処理を行う歪み補償工程を備える歪み補償方法。
  13. 前記電力増幅器の出力をフィードバック信号として取得し、それを直交検波して同相成分信号と直交成分信号を取り出す復調工程と、
    前記復調工程で取り出された同相成分信号と直交成分信号を振幅成分信号と位相成分信号に逆変換する信号逆変換工程と、
    送信信号を変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号と前記信号逆変換工程で得られた振幅成分信号及び位相成分信号とを比較して夫々における誤差を算出する誤差算出工程と、
    前記誤差算出工程にて算出された振幅及び位相夫々における誤差が最小になる歪み補償係数を算出して前記歪み補償工程の歪み逆特性に反映させる歪み補償係数算出工程と、
    を備える請求項12に記載の歪み補償方法。
  14. 前記歪み補償工程で得られた歪み補償された振幅成分信号の振幅を制限する振幅制限工程を備える請求項12又は請求項13に記載の歪み補償方法。
  15. 極座標系に変換する以前の送信信号の振幅を制限する振幅制限工程を備える請求項12又は請求項13に記載の歪み補償方法。
  16. 送信信号の同相成分信号及び直交成分信号を変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号夫々に対して帯域制限を行う帯域制限工程を備える請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の歪み補償方法。
  17. 前記帯域制限工程によって帯域制限された信号と前記信号逆変換工程で得られた信号との間で生ずる誤差を改善する補正工程を備える請求項16に記載の歪み補償方法。
  18. 前記歪み補償工程で用いられる歪み逆特性の初期値を設定するためのトレーニング信号を発生するトレーニング信号発生工程と、
    前記トレーニング信号発生工程で発生されたトレーニング信号を、送信信号の同相成分信号及び直交成分信号を変換して得られた振幅成分信号及び位相成分信号に替わって前記歪み補償工程へ入力する信号切替工程と、
    を備える請求項12乃至請求項17のいずれかに記載の歪み補償方法。
  19. 前記フィードバック信号を減衰させる可変減衰工程と、
    前記可変減衰工程における減衰率を制御する減衰率制御工程と、
    を備える請求項13乃至請求項18のいずれかに記載の歪み補償方法。
JP2004321855A 2004-11-05 2004-11-05 送信装置及び歪み補償方法 Withdrawn JP2006135612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321855A JP2006135612A (ja) 2004-11-05 2004-11-05 送信装置及び歪み補償方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321855A JP2006135612A (ja) 2004-11-05 2004-11-05 送信装置及び歪み補償方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006135612A true JP2006135612A (ja) 2006-05-25

Family

ID=36728755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004321855A Withdrawn JP2006135612A (ja) 2004-11-05 2004-11-05 送信装置及び歪み補償方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006135612A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008219377A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Mitsubishi Electric Corp 送信装置
JP2009290283A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 増幅回路
JP2010524343A (ja) * 2007-04-03 2010-07-15 クゥアルコム・インコーポレイテッド 無線通信向けの圧伸される送信経路
JP2014526863A (ja) * 2011-09-22 2014-10-06 ダリ システムズ カンパニー リミテッド マルチチャネル広帯域通信システムにおいてデジタルプリディストーションの帯域幅を増大するシステム及び方法
US10218392B2 (en) 2013-02-26 2019-02-26 Dali Systems Co. Ltd. Wide bandwidth digital predistortion system with reduced sampling rate

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008219377A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Mitsubishi Electric Corp 送信装置
JP2010524343A (ja) * 2007-04-03 2010-07-15 クゥアルコム・インコーポレイテッド 無線通信向けの圧伸される送信経路
US8089854B2 (en) 2007-04-03 2012-01-03 Qualcomm, Incorporated Companded transmit path for wireless communication
JP2009290283A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 増幅回路
JP2014526863A (ja) * 2011-09-22 2014-10-06 ダリ システムズ カンパニー リミテッド マルチチャネル広帯域通信システムにおいてデジタルプリディストーションの帯域幅を増大するシステム及び方法
US10256853B2 (en) 2011-09-22 2019-04-09 Dali Systems Co. Ltd. System and method for increasing bandwidth for digital predistortion in multi-channel wideband communication systems
US10749553B2 (en) 2011-09-22 2020-08-18 Dali Systems Co. Ltd System and method for increasing bandwidth for digital predistortion in multi-channel wideband communication systems
US11245429B2 (en) 2011-09-22 2022-02-08 Dali Systems Co. Ltd. System and method for increasing bandwidth for digital predistortion in multi-channel wideband communication systems
US10218392B2 (en) 2013-02-26 2019-02-26 Dali Systems Co. Ltd. Wide bandwidth digital predistortion system with reduced sampling rate
US10727879B2 (en) 2013-02-26 2020-07-28 Dali Systems Co. Ltd. Wide bandwidth digital predistortion system with reduced sampling rate
US11095326B2 (en) 2013-02-26 2021-08-17 Dali Systems Co. Ltd. Wide bandwidth digital predistortion system with reduced sampling rate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3570898B2 (ja) プレディストーション回路
JP3805221B2 (ja) 歪み補償装置
JP3910167B2 (ja) 増幅回路
WO2000074232A1 (fr) Amplificateur de compensation de distorsion du type predistorsion
JP2012531095A (ja) 無線通信のための高効率送信機
JP2005151543A (ja) 増幅回路
JP2000201099A (ja) プリディスト―ション装置及びその方法
US10382073B2 (en) Analog RF pre-distorter and non-linear splitter
JP2004312344A (ja) 歪補償装置
JPH11154880A (ja) 信号補正方法及び装置、歪補償装置、歪補償データ作成装置及び送信機
JP4211019B2 (ja) 無線装置及びその送信波の歪補償方法
Lohtia et al. An adaptive digital technique for compensating for analog quadrature modulator/demodulator impairments
JP2006253749A (ja) 歪み補償装置及びその方法
EP1251667B1 (en) Predistortion for use with amplifiers which have hyperbolic tangent distortion
JP2006135612A (ja) 送信装置及び歪み補償方法
JP2004165900A (ja) 通信装置
US6751268B1 (en) Bandpass predistorting expansion method and apparatus for digital radio transmission
JP5589887B2 (ja) 増幅回路、送信機及び増幅回路制御方法
JP4478563B2 (ja) 送信信号の形成方法
JP4597100B2 (ja) 高周波電力増幅器用非線形補償回路
KR100251385B1 (ko) 전력증폭기의 선형화장치 및 방법
JP2005117436A (ja) 送信機
JP2004080770A (ja) 電力増幅方法、電力増幅器、通信機器
KR100445326B1 (ko) 디지털 신호처리장치(dsp)를 이용한 전력증폭기의선형화장치
KR100498344B1 (ko) 전력 증폭기의 선형화 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071016

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071113

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071120

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090430