JP2006134515A - 光ディスクのar値測定装置及びar値測定方法並びに光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】AR値を用いて光ディスクのLPPを高精度に検査する。
【解決手段】光ディスクのグルーブトラックに検査用データを記録し、再生信号のプッシュプル信号70に含まれるLPP成分のAR値を算出する。第3番目のLPP300の重畳波形ではなく、第1番目のLPP100の重畳波形のピーク最大値とピーク最小値とからAR値を算出する。算出されたAR値を規格値と比較し、規格値以上であれば第3番目のLPPについてのARも規格値を満たすものとみなす。
【選択図】図1

Description

本発明は光ディスクの検査装置、特にAR値の測定に関する。
従来より、DVD−RやDVD−RW等、情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにランドプリピット(LPP)が形成された光ディスクにおいては、そのAR(Aperture Ratio)値が所定の規格を満たしていることが要求されている。ここに、AR値は、再生信号のラジアル方向のプッシュプル信号に含まれるLPP信号(図6参照:LPP信号自体は図中のしきい値成分で抽出され得る)を所定期間にわたって複数回繰り返しサンプリングして得られた重畳波形をオシロスコープ等で観測し、図7に示されるようにそのピーク値の最大値maxと最小値minを測定し、その比AR=min/maxとして定義される。AR値は15%以上が要求され、3ビットのLPPのうちの第3番目のLPPがセクタアドレスに対応するLPPであることから、第3番目のLPPに対応するLPP信号の最大値と最小値を測定してAR値を算出している。
以下、下記の特許文献1に開示された従来のAR値測定装置について説明する。なお、プッシュプル信号を生成する構成自体は本発明と共通するので、本発明の説明の都合上、詳しく説明する。
図8には、従来のAR測定装置が示されている。AR値測定装置には、検査対象の光ディスク1に対して情報を書き込み、及び読み出しを行うことができる記録再生ヘッド2が備えられている。記録再生ヘッド2には、記録面を有する追記又は書換可能な光ディスク1に対して情報データの記録を行う記録ビーム光発生装置、光ディスク1から記録情報(情報データを含む)の読み取りを行う読取ビーム光発生装置及び4分割光検出器が搭載されている。読取ビーム光発生装置は、スピンドルモータ9によって回転駆動される光ディスク1に読取ビーム光を照射し、その記録面上に情報読取スポットを形成させる。4分割光検出器20は、光ディスク1の情報記録トラック(グルーブトラック)の接線に沿った方向と、記録トラックの接線に直交する方向とによって4分割された受光面を有する光電変換素子からなる。その光電変換素子は、情報読取スポットによる光ディスク1からの反射光を4つの受光面各々によって受光し、夫々を個別に電気信号に変換したものを受光信号Ra〜Rdとして出力する。
サーボ制御装置4は、これら受光信号Ra〜Rdに基づいてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号及びスライダ駆動信号を各々生成する。フォーカスエラー信号は、記録再生ヘッド2に搭載されているフォーカシングアクチュエータに供給される。フォーカシングアクチュエータは、フォーカスエラー信号に基づいて情報読取スポットの焦点を調整する。トラッキングエラー信号は、記録再生ヘッド2に搭載されているトラッキングアクチュエータに供給される。トラッキングアクチュエータは、トラッキングエラー信号に基づいて情報読取スポットの形成位置をディスク半径方向にて調整する。スライダ駆動信号はスライダ10に供給される。スライダ10はスライダ駆動信号に応じた速度で記録再生ヘッド2をディスク半径方向に移送させる。
また、上記受光信号Ra〜Rdは加算器21〜23及び減算器24を有するヘッドアンプ25に供給される。加算器21は受光信号Ra,Rdを加算し、加算器22は受光信号Rb,Rcを加算する。すなわち、加算器21は4分割光検出器20の受光面20a及び20dによって各々受光されて得られた受光信号Ra及びRd同士を加算して加算受光信号Ra+dを出力する。また、加算器22は4分割光検出器20の受光面20b及び20c各々によって受光されて得られた受光信号Rb及びRc同士を加算して加算受光信号Rb+cを出力する。
加算器23は加算器21,22の各出力信号Ra+d,Rb+cを加算する。加算器23の出力信号は読取信号、すなわちRF信号であり、情報データ再生回路30に供給される。情報データ再生回路30は、その読取信号を2値化した後、復調処理、誤り訂正処理、及び各種情報復号処理を順次実施することにより、光ディスク1に記録されていた情報データ(映像データ、音声データ、コンピュータデータ)の再生を行い、これを出力する。
減算器24は加算器21の出力信号Ra+dから加算器22の出力信号Rb+cを減算する。減算器24の出力信号は上記のグルーブトラックのウォブリングによる周波数を示す信号となり、スピンドルモータ9のスピンドルサーボ装置26に供給される。スピンドルサーボ装置26は減算器24の出力信号から得られる周波数が予め定められた回転速度に対応した周波数になるようにスピンドルモータ9を回転駆動する。
プリピット検出回路5は、加算器21,22の各出力信号に基づいて、光ディスク1のランドトラック上に形成されているランドプリピット(LPP)を検出してプリピット検出信号PPDを記録処理回路7に供給する。記録処理回路7は、プリピット検出信号PPDに基づいて、現時点において記録再生ヘッド2が記録を行っている位置、すなわち、グルーブトラック上の位置を認識し、この記録位置から所望の記録位置へと記録再生ヘッド2をトラックジャンプせしめるべき制御信号をサーボ制御装置4に供給する。更に、記録処理回路7は、記録すべき情報データ(検査用の情報データ)に対して所望の記録変調処理を施して記録変調データ信号を生成し、これを上記記録再生ヘッド2に供給する。記録再生ヘッド2に搭載されている記録ビーム光発生装置は、かかる記録変調データ信号に応じた記録ビーム光を発生し、これを光ディスク1上のグルーブトラック上に照射する。この際、かかる記録ビームが照射されたグルーブトラック上の領域に熱が伝わりその領域に、情報ピットが形成されて行く。
プリピット検出回路5は、図9に示されるように、加算器21の出力信号Ra+dを増幅する増幅器31と、加算器22の出力信号Rb+cを増幅する増幅器32と、増幅器31の出力信号から増幅器32の出力信号を減算してラジアルプッシュプル信号(グルーブウォブル信号)PPとして出力する減算器33と、減算器33の出力プッシュプル信号PPを閾値THにて2値化して上記のプリピット検出信号PPDを生成する2値化回路34とからなる。増幅器31の利得G1と増幅器32の利得G2とは、G1=G2に設定される。減算器33から出力されるプッシュプル信号PPはオシロスコープ61に供給される。オシロスコープ61はプッシュプル信号PPをサンプリングして例えば、プッシュプル信号PP中のLPPに対応した部分を表示するものである。オシロスコープ61にはパーソナルコンピュータ(パソコン)62が接続されている。パソコン62はオシロスコープ61の内部メモリ(例えば、後述のサンプルメモリ93)に記憶されたプッシュプル信号PPのレベルデータを用いて閾値THを算出する。パソコン62は、CPU65及び内部メモリ66を含んでいる。パソコン62の出力ポートにはD/A変換器63が接続されている。D/A変換器63はパソコン62によって算出されたスライスレベルをアナログ信号に変換する。D/A変換器63の出力信号は上記の2値化回路34に2値化のための閾値信号として供給される。2値化回路34から出力された信号(プリピット検出信号PPD)はエラーレート検出回路に供給され、そこでその供給された信号に応じたエラーレートが検出される。
オシロスコープ61は、A/D変換器と、制御回路と、サンプルメモリと、表示メモリと、X及びYドライバと、表示パネルと、操作部と、インターフェースとを備えている。A/D変換器は入力アナログ信号をディジタル信号に変換する。制御回路はA/D変換器によって得られたディジタル信号のサンプルデータをサンプルメモリに順次書き込むと共にサンプルメモリから表示すべきデータを読み出して表示メモリに書き込んで展開する。X及びYドライバは表示メモリに書き込まれたデータに応じて表示パネルを駆動して表示パネルに入力アナログ信号の波形を表示させる。
ARの測定では、減算器33から出力されたプッシュプル信号PPはオシロスコープ61に供給され、オシロスコープ61ではプッシュプル信号PPがA/D変換器によって高周波数のクロックに応じてサンプリングされ、制御回路がそのサンプリングデータをメモリに順次記憶させる。制御回路はA/D変換器から供給されるサンプリングデータのうちの所定値以上のピーク値を検出する。そのピーク値を検出すると、それをトリガとして所定期間に亘ってサンプリングデータがメモリに記憶される。このピーク値は第1番目のLPPである同期用LPPに対応する。メモリへの所定期間に亘る書き込みが複数回繰り返される。制御回路はメモリに記憶させたデータを読み出して表示メモリに供給して表示パネルに波形表示させる。その読み出しタイミングは操作部からの指令に応じて設定され、これにより検査対象の3番目のLPP成分を含むプッシュプル信号PPの重複波形、すなわちAR波形が表示される。この表示においては時間軸が調整されてプッシュプル信号PPのピーク値位置が表示中心線(時間軸中心線)になるようにされる。
パソコン62は、オシロスコープ61の制御回路にインターフェースを介して指令することによりサンプルメモリに記憶されたサンプルデータを読み出して取り込むことができる。パソコン62のCPU65は、ピーク値の最大値max及び最小値minを検出し、その比を算出してAR値を算出する。
特開2002−251727号公報
このように、従来のAR測定装置においては、第1番目のLPPである同期用LPPを検出し、これをトリガとして第3番目のLPPのmax及びminを検出する構成であるため、トリガのタイミングがAR値の検出精度に影響を与えることになり、トリガのタイミングがずれると正確なAR値を算出することが困難となる問題がある。
すなわち、検査用データを情報記録トラックであるグルーブトラックに記録する場合、同期用LPPに同期して同期情報(データ長には存在しない最長の14T)を形成するが、この同期情報の極性がマーク(すなわち、記録パワーのレーザ光を照射して記録膜にピットを形成する)である場合にはこのマーク形成によりLPPが影響を受け、プッシュプル信号に含まれるLPP成分の振幅が減少する。このようにLPP成分の振幅が14T同期情報の影響を受けて変動するため、同期用LPPの検出をもってトリガとした場合にトリガのかかるタイミングに時間的ずれが生じ、AR値の算出対象である第3番目のLPPの最小値の測定にずれが生じて正確なAR値を算出することができなくなる。例えば、同期情報の極性がマークの場合とスペースの場合におけるトリガタイミングを考察すると、同期情報の極性がスペースの場合には同期用LPPの振幅は大きく(同期情報がスペース(ピット非形成)であるためその影響を受けない)、同期情報の極性がマークの場合には同期用LPPの振幅は小さいため、所定のしきい値でトリガをかけるものとすると、同期情報の極性がマークの場合にはスペースの場合に比べてトリガのかかるタイミングが遅れることになる。すると、サンプリングタイミングもその分だけ時間的に遅れることになるから、第3番目のLPPの重畳波形の最小値は本来の値よりも低くなり、結果的にAR値が本来の値よりも小さく算出されてしまう。このことは、本来であれば規格値(15%)を満たす光ディスクを規格外と誤判定する事態が生じ得ることを意味する。
本発明の目的は、従来以上にAR値を高精度に検出し、もって光ディスクの誤判定を防止できる装置及び方法を提供することにある。
本発明は、情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにLPPが形成された光ディスクのAR値測定装置であって、前記LPPのうちの同期用LPPに同期して前記グルーブトラックに同期情報を記録する手段と、前記グルーブトラックに光を照射しその反射光からプッシュプル信号を生成する手段と、前記プッシュプル信号のうち、前記同期用LPP近傍の信号を複数回繰り返しサンプリングして重畳波形を生成する手段と、前記重畳波形の最大ピーク値と最小ピーク値との比をAR値として算出する手段とを有する。ここに、前記同期情報にはその極性がマークである同期情報とスペースである同期情報が含まれる。すなわち、同期情報の全ての極性がスペースあるいはマークではないように設定される。
また、本発明は、情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにLPPが形成された光ディスクのAR値測定方法であって、複数のLPPのうちの第1番目のLPPである同期用LPPに同期して前記グルーブトラックに、その極性がマークである同期情報とスペースである同期情報を記録するステップと、前記グルーブトラックに光を照射しその反射光からラジアルプッシュプル信号を生成するステップと、前記ラジアルプッシュプル信号のうち、前記同期用LPP近傍の信号を複数回繰り返しサンプリングして重畳波形を生成するステップと、前記重畳波形の最大ピーク値と最小ピーク値との比をAR値として算出するステップと、前記AR値が所定のしきい値以上であるか否かを判定し、しきい値以上である場合に前記複数のLPPのうちの第3番目のLPPに対応するAR値もしきい値以上であると判定するステップとを有する。
本発明では、従来のように第3番目のLPPを対象としてAR値を算出するのではなく、第1番目のLPP、つまり同期用LPPを対象としてAR値を算出する。同期用LPPを対象とすることで、サンプリングタイミングのずれによるAR値の誤算出が防止される。また、同期用LPPに隣接するグルーブトラックには同期情報が形成され、当該同期情報にはその極性がマーク(ピット形成)となる同期情報が常に含まれることから、同期用LPPのAR値は第3番目のLPPのAR値以下となり、第1番目のLPPのAR値を評価することで第3番目のLPPのAR値も評価することができる。すなわち、同期用LPPのARがしきい値以上であれば、たとえ第3番目のLPPのAR値を直接算出しなくてもそれがしきい値以上であると判定できる。
また、本発明は、情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにLPPが形成された光ディスクであって、前記LPPのうちの同期用LPPに同期して前記グルーブトラックに同期情報が記録されるものであって、前記同期情報の極性はマーク及びスペースがともに含まれており、前記同期用LPPに対応するAR値が10%以上、あるいは15%以上を満たすことを特徴とする。
上記のとおり、同期用LPPのAR値は第3番目のLPPのAR値以下となり、同期用LPPのAR値を評価することで第3番目のLPPのAR値も評価することができる。したがって、同期用LPPが10%以上、あるいは15%以上を満たす光ディスクは、LPPが問題なく形成されている光ディスクであり、データの記録あるいは再生を高精度に実行できる光ディスクである。
本発明によれば、従来以上に高精度にAR値を評価することができるので、光ディスクのLPPが正常か否か(規格の範囲内か否か)を確実に検査することができる。また、データの記録再生を確実に実行できる光ディスクを提供できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る光ディスクのAR値測定装置の全体構成は図8及び図9に示された従来のAR値測定装置と略同一であるので、本実施形態においてそのまま援用する。従来装置と異なる点は、AR値の測定対象が従来のように第3番目のLPPではなく第1番目、すなわち同期用LPPである点である。より詳しくは、従来においては、第1番目のLPPである同期用LPPを検出するとこれをトリガとして第3番目のLPPを複数回サンプリングしてその重畳波形(AR波形)をオシロスコープ61で作成しているが、本実施形態では第1番目のLPPである同期用LPPを検出し、この同期用LPP近傍を複数回サンプリングしてその重複波形(AR波形)をオシロスコープ61で作成する。パソコン62は、第3番目のLPPのAR波形における最大値及び最小値を検出するのではなく、第1番目のLPPのAR波形における最大値及び最小値を検出する。
図1には、本実施形態におけるAR値測定の概念が模式的に示されている。減算器33からのプッシュプル信号(ラジアルプッシュプル信号)PP70には、上記のとおり3つのLPP信号100、200、300が含まれている。第1番目のLPP信号100(図では、所定期間にわたって繰り返しサンプリングして重畳した重畳波形(AR波形)として示されている)は同期用LPP信号であり、データを記録する際にはこの同期用LPP信号に同期して14Tの同期情報をグルーブトラックに記録する。すなわち、グルーブトラックに記録されるデータは予め情報単位である同期フレームごとに分割され、26個の同期フレームで1セクタが構成され、16セクタで1ECCブロックが構成される。そして、各々の同期フレームの先頭に同期フレーム毎の同期を取るための同期情報(SYNC)が挿入される。同期情報としては、確実にフレーム同期がとれるようにデータ変調部分に出現する最長の11Tよりも十分長い14Tが用いられる。そして、DVD−R等の規格では、14Tの同期情報としてはマーク、スペースのいずれかの極性を選択することができる。
ここで、仮に同期情報の極性が全てスペースであるものとすると、同期用LPP100の隣接トラックはスペース、すなわちピットが形成されないことからLPPは影響を受けず、PP信号70に含まれるLPP信号100の振幅も大きい。ところが、一般に同期情報の極性はDSV(Digital Sum Value)値が最小となるように選択してDC成分を抑制するため、あるいはROPCを確実に実行するために複数回に1回は必ずその極性がマークとなるように選択されるため、同期情報はスペースのみならずマークが含まれることとなる。同期情報の極性がマークになると、同期用LPPに隣接するトラックにはマーク、すなわちピットが形成されることから、LPP自体がその熱的影響を受けるとともに再生時にピットの反射率低下の影響を受け、PP信号70に含まれるLPP信号100の振幅が小さくなる。
また、第3番目のLPP信号300に着目すると、この第3番目のLPPに隣接するグルーブトラックには同期情報以外の3T〜11Tのデータが記録されることとなり、その極性もマークあるいはスペースのいずれかであって、所定期間にわたる重畳波形における最大値はグルーブにスペースが位置する場合、最小値はグルーブにマークが位置する場合に対応するものである。AR値は、AR=min(最小ピーク値)/max(最大ピーク値)で定義されるから、グルーブにマークが存在する場合にAR値は小さくなり、そのときにAR値が15%以上あれば規格を満足することになる。
一方、上記のとおり、同期用LPPに隣接するグルーブには14Tの同期情報が形成され、複数回に1回はその極性がマークとなるように選択されるから、同期用LPP信号100の最小ピーク値は常に確保されることになる。同期用LPP信号100の最大ピーク値と最小ピーク値をそれぞれmax(1)、min(1)、第3番目のLPP信号300の最大ピーク値と最小ピーク値をそれぞれmax(3)、min(3)とすると、一般に以下の関係が成り立つ。
max(1)≒max(3)
min(1)≦min(3)
ここに、min(1)≦min(3)であるのは、同期用LPPには一定の頻度で最長の14Tのマークが必ず存在するためLPPへの影響が最大限に大きい(振幅減少幅が最も大きい)からである。
したがって、同期用LPP信号100のAR値であるAR(1)と第3番目のLPP信号300のAR値であるAR(3)との大小関係は、一般に
AR(1)≦AR(3)
となるので、AR(1)が規格である15%以上を満たすならば、常にAR(3)も15%以上を満たすことになる。本実施形態では、このような原理に鑑み、図1に示されるように、第3番目のLPP信号300ではなく、第1番目のLPP信号である同期用LPP信号100をオシロスコープ61で作成し、そのAR値をパソコン62で算出して規格を満たすか否かを判定する。
図2には、8倍速でグルーブトラックに検査用データを記録し、そのデータを再生してプッシュプル信号を作成し、このプッシュプル信号に含まれる第1番目のLPPである同期用LPP近傍を所定期間にわたって繰り返しサンプリングして得られるオシロスコープ61上の重畳波形(AR波形)が示されている。なお、図7に示されるAR波形とはその正負が反転しているが、AR値測定には何ら影響しないことはいうまでもない。図において、ピーク値の最大値は同期情報の極性がスペースの場合に対応し、最小値は同期情報の極性がマークの場合に対応する。また、図3には、8倍速でグルーブトラックに検査用データを記録し、そのデータを再生してプッシュプル信号を作成し、このプッシュプル信号に含まれる第3番目のLPP近傍を所定期間にわたって繰り返しサンプリングして得られるオシロスコープ61上の重畳波形(AR波形)が示されている。第1番目のLPPである同期用LPPを検出してトリガをかけることで第3番目のLPPをサンプリングするが、トリガタイミングがずれるとピークの最小値もずれるため、重畳波形における最小値は本来の値よりも低下してしまう。ところが、本実施形態では、同期用LPPを対象としてAR値を算出するため、このようなトリガタイミングのずれの影響を受けることなく、常に正確にAR値を算出することができ、AR(1)とAR(3)との上記の関係に基づいてAR(3)を直接算出することなく、AR(3)が規格値を満たすか否かを判定することが可能である。
図4には、オシロスコープ61で作成された同期用LPP信号100(重畳波形)からAR値を算出する処理が模式的に示されている。所定のしきいレベルで同期用LPPを検出し、同期用LPPを含むようにサンプリングする。サンプリングを複数回繰り返して同期用LPP信号100(重畳波形)が得られる。波形がボトムレベルから立ち上がるタイミング(図中X点)と波形がボトムレベルに立ち下がるタイミング(図中Y点)を結ぶ線(図中破線)を想定し、ピーク値の最小値(図中W点)Aと最大値Bをそれぞれ測定する。より詳細には、以下のとおりである。すなわち、プッシュプル信号はオシロスコープ61に供給され、オシロスコープ61のA/D変換器によりサンプリングされてメモリに順次記憶される。サンプリングデータのうち、所定値以上の正のピーク値を検出し、それをトリガとして所定期間(同期用LPPのみを含むに十分な期間)にわたってサンプリングデータをメモリに格納することで、同期用LPP近傍のサンプリングデータがメモリに格納される。このメモリへの格納が複数回だけ繰り返される。オシロスコープ61の制御回路は、メモリに格納されたデータを読み出して表示メモリに供給し、表示パネルに波形表示させる。パソコン62は、オシロスコープ61のメモリに格納されたサンプリングデータを読み出し、ピーク値の最大値及び最小値を抽出してAR=min/maxを算出する。
図5には、本実施形態の全体処理フローチャートが示されている。まず、検査用光ディスクを装着し、その情報記録トラックであるグルーブトラックに検査用データを記録する(S101)。この際、同期用LPPを検出してこれに同期するように14Tの同期情報を記録する。同期情報の極性設定アルゴリズムは任意であるが、例えばROPCを所定の時間間隔で実行できるように、マークとスペースが交互に配置されるように同期情報の極性を設定する。ROPCは、公知の如く記録パワーのレーザ光を照射してピットを形成する場合の反射光レベルを検出し、この反射光レベルが所定値に一致するように記録パワーを動的に調整するものである。ROPCを確実に実行するためには最長の14Tの同期情報の形成タイミングで実行するのが都合よく、同期情報の極性が交互にマークとスペースとなるように設定すれば、同期情報の2回に1回は常にROPCを実行することが可能となり、きめの細かいパワー調整ができる。
検査用データを記録した後、当該データを再生してそのプッシュプル信号を生成し(S102)、プッシュプル信号に含まれる第1番目のLPPである同期用LPPを抽出する(S103)。抽出された同期用LPP(及びその近傍の信号)はオシロスコープ61のメモリに格納される。次に、所定回数だけ繰り返し実行したか否かを判定し(S104)、未だ所定回数に達していない場合には同期用LPPの抽出を繰り返す。所定回数だけ抽出処理を繰り返した後、メモリから読み出して重畳波形として表示する(S105)。なお、重畳波形表示はユーザの便宜を考慮したものであり、AR値算出のためには必ずしも必須ではなく、表示ステップを省略してもよい。
重畳波形を表示した後、パソコン62はオシロスコープ61のメモリからデータを読み出し、同期用LPPの重畳波形からそのピークの最大値及び最小値を検出し、AR値を演算する(S106)。パソコン62のメモリには予めARの規格値(15%)が記憶されており、得られたAR値をこの規格値と大小比較する(S107)。ARが規格値以上であれば、セクタアドレスを示す第3番目のLPPのARも規格値以上であることを意味するから、検査用光ディスクのLPPは正常に形成されていると判定する(S108)。一方、ARが規格値より小さい場合には、セクタアドレスを示す第3番目のLPPのARも規格値に達しないおそれが高いことから、検査用光ディスクのLPPは異常であると判定する(S109)。
このように、本実施形態では、第1番目のLPPである同期用LPPを検査対象としてAR値を算出し、そのAR値が規格を満たすか否かにより光ディスクを検査するため、第3番目のLPPをサンプリングするためのトリガタイミングのずれの影響を受けることなく、高精度に光ディスクを検査することができる。
なお、本実施形態では、同期用LPPのARを規格値(15%)と大小比較したが、AR(1)≦AR(3)であることに鑑み、規格値を15%から微小量だけ下方に変更してもよい。光ディスクのデータ領域では、最大でも11Tのマークが記録され、同期情報は14Tであるから、その比は11/14=0.79であり、これを用いるとAR(3)における規格値15%は、15%×0.79=11.85%となる。したがって、AR(1)が満たすべき条件は、AR(1)≧11.85%となる。AR(3)の満たすべき条件として他の値、例えばAR(3)≧12%とすると(ダブルレイヤー構造の光ディスク等)、上記比率を用いてAR(1)≧9.48%が望ましい条件となる。これらのことから、一般にAR(1)≧10%程度の条件を満たせば、当該光ディスクのLPPは正常であると判定することができる。光ディスクが満たすべき条件をまとめると、AR(1)≧10%であり、あるいはAR(1)≧15%となる。光ディスクの種類に応じてAR(1)が満たすべき条件を変化させてもよい。シングルレイヤーではAR(1)≧15%、ダブルレイヤーではAR(1)≧10%等である。本実施形態では、AR(3)を検出することなくAR(1)のみで光ディスクを検査することが可能であるから、仮にAR(3)も検出し、AR(1)が10%以上であるがAR(3)が12%に満たない場合でも、AR(3)の誤検出であるとして当該光ディスクを正常と判定できる。言い換えれば、AR(1)≧10%であり、かつ、AR(3)<12%の光ディスクはデータの記録及び再生を問題なく実行できる光ディスクとする。AR(1)≧15%であり、かつ、AR(3)<15%の光ディスクも同様である。
また、本実施形態では、同期用LPPのARを算出して規格値と比較しているが、上記のとおり、同期用LPPのARと第3番目のLPPのARをともに算出し、これらをともに用いて光ディスクのLPPを検査してもよい。すなわち、AR(1)及びAR(3)を算出した後、まず従来と同様にAR(3)を規格値と大小比較する。そして、AR(3)≧規格値であれば当該光ディスクは正常と判定して検査を終了する。一方、AR(3)<規格値である場合には、その時点で異常と判定するのではなく、さらにAR(1)と規格値を大小比較する。AR(1)≧規格値であれば当該光ディスクは正常と判定する。既述したとおり、トリガタイミングのずれにより第3番目のLPPのピーク最小値は本来の値よりも小さく測定されることがあり、このためAR(3)も本来の値よりも小さく誤算出され得るが、この場合にAR(1)と規格値を大小比較し、AR(1)が規格を満たすのであれば正常と判定することで、AR(3)の誤算出を補償することができる。言い換えれば、AR(3)及びAR(1)がともに規格値より小さい場合に、当該光ディスクのLPPは異常と判定することができる。
また、本実施形態では、所定のアルゴリズムで14Tの同期情報の極性を設定しているが、要するに、同期情報の極性が全てマークあるいは全てスペースではなく、マークとスペースが適当な頻度で存在していれば足りるので、その極性をランダムに設定することも可能である。
実施形態のAR算出の概念説明図である。 オシロスコープに表示される同期用LPPの重畳波形説明図である。 オシロスコープに表示される第3番目のLPPの重畳波形説明図である。 同期用LPP信号(重畳波形)からのAR値算出説明図である。 実施形態のAR値算出処理フローチャートである。 ラジアルプッシュプル信号とLPP信号との関係を示す図である。 LPPの重畳波形説明図である。 従来装置の構成図である。 従来装置のプリピット検出回路の構成図である。
符号の説明
70 プッシュプル信号(ラジアルプッシュプル信号)、100 第1番目のLPP信号(重畳波形)、200 第2番目のLPP信号(重畳波形)、300 第3番目のLPP信号(重畳波形)。

Claims (4)

  1. 情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにランドプリピットが形成された光ディスクのAR値測定装置であって、
    前記ランドプリピットのうちの同期用ランドプリピットに同期して前記グルーブトラックに同期情報を記録する手段と、
    前記グルーブトラックに光を照射しその反射光からプッシュプル信号を生成する手段と、
    前記プッシュプル信号のうち、前記同期用ランドプリピット近傍の信号を複数回繰り返しサンプリングして重畳波形を生成する手段と、
    前記重畳波形の最大ピーク値と最小ピーク値との比をAR値として算出する手段と、
    を有し、前記同期情報にはその極性がマークである同期情報及びスペースである同期情報が含まれることを特徴とするAR値測定装置。
  2. 情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにランドプリピットが形成された光ディスクのAR値測定方法であって、
    複数のランドプリピットのうちの第1番目のランドプリピットである同期用ランドプリピットに同期して前記グルーブトラックに、その極性がマークである同期情報とスペースである同期情報を記録するステップと、
    前記グルーブトラックに光を照射しその反射光からラジアルプッシュプル信号を生成するステップと、
    前記ラジアルプッシュプル信号のうち、前記同期用ランドプリピット近傍の信号を複数回繰り返しサンプリングして重畳波形を生成するステップと、
    前記重畳波形の最大ピーク値と最小ピーク値との比をAR値として算出するステップと、
    前記AR値が所定のしきい値以上であるか否かを判定し、しきい値以上である場合に前記複数のランドプリピットのうちの第3番目のランドプリピットに対応するAR値もしきい値以上であると判定するステップと、
    を有することを特徴とする光ディスクのAR値測定方法。
  3. 情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにランドプリピットが形成された光ディスクであって、
    前記ランドプリピットのうちの同期用ランドプリピットに同期して前記グルーブトラックに同期情報が記録されるものであって、前記同期情報の極性はマーク及びスペースがともに含まれており、前記同期用ランドプリピットに対応するAR値が15%以上を満たすことを特徴とする光ディスク。
  4. 情報記録トラックであるグルーブトラックに隣接するランドにランドプリピットが形成された光ディスクであって、
    前記ランドプリピットのうちの同期用ランドプリピットに同期して前記グルーブトラックに同期情報が記録されるものであって、前記同期情報の極性はマーク及びスペースがともに含まれており、前記同期用ランドプリピットに対応するAR値が10%以上を満たすことを特徴とする光ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008090619A1 (ja) * 2007-01-25 2008-07-31 Pioneer Corporation ピット信号測定装置及び方法、情報記録媒体、並びに回転制御方法

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