JP2006132411A - ベーンロータの製造方法及び製造装置 - Google Patents

ベーンロータの製造方法及び製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006132411A
JP2006132411A JP2004321144A JP2004321144A JP2006132411A JP 2006132411 A JP2006132411 A JP 2006132411A JP 2004321144 A JP2004321144 A JP 2004321144A JP 2004321144 A JP2004321144 A JP 2004321144A JP 2006132411 A JP2006132411 A JP 2006132411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vane rotor
chuck
boss portion
vane
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004321144A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4329675B2 (ja
Inventor
Katsushi Horie
桂志 堀江
Kazuo Ogasawara
一夫 小笠原
Nobuhiro Hatada
悦宏 畑田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004321144A priority Critical patent/JP4329675B2/ja
Priority to MXPA05011672 priority patent/MXPA05011672A/es
Priority to CNB2005101186973A priority patent/CN100460632C/zh
Publication of JP2006132411A publication Critical patent/JP2006132411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4329675B2 publication Critical patent/JP4329675B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】切削加工のためベーンロータをチャックする際、ベーンロータの変形を抑制すること。
【解決手段】ベーンロータ9のボス部9dの中央を貫通する中央孔を切削加工にて形成する切削工程を有し、当該切削工程時に、先端部51a,51bが二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪51,52,53によってベーンロータ9をチャックする。その際、チャック爪51,52,53の二股に形成された先端部51a,51bのチャック位置が、立ち上がり開始位置によって規定される複数のベーン部9a,9b,9cを避けて、ボス部9dの外周面上に設定される。ベーン部9a,9b,9cの変形を抑制しつつ、ベーンロータ9をチャックすることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整機構に用いられるベーンロータを製造する製造方法及び製造装置に関する。
ベーンロータを用いたバルブタイミング調整機構として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に示されるバルブタイミング調整機構は、ベーンロータ及び、そのベーンロータを回動可能かつ液密に収容する収容室を有するシューハウジングとを備え、ベーンロータのベーンによって区画される進角油圧室と遅角油圧室との油圧によって、シューハウジングに対してベーンロータを相対的に回動させる。
このようなバルブタイミング調整機構を、内燃機関の駆動軸であるクランクシャフトから、吸気バルブ及び/又は排気バルブを開閉駆動するカムシャフトへの駆動力の伝達系に挿入することによって、吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉タイミングを運転条件に応じて適切に変更することができる。
ここで、特許文献1では、油圧室からの作動油の漏れを低減するとともに、組み付けを容易にするために、シューハウジングの周壁と側壁の一方とを一体的に、アルミダイカストによって形成する。このとき、このアルミダイカストによって形成したシューハウジングの素形材に対して、素形材の周壁の外壁面を基準として、素形材の一方の側壁の内径壁面を切削加工し、さらに、素形材の周壁の外壁面あるいは切削後の素形材の一方の側壁の内径壁面を基準として、素形材の周壁の内周面あるいは素形材の他方の側壁側の開口端面を切削加工する。このようにして、油圧室間のシール性や部材間の摺動磨耗に影響する、収容室の内壁、開口端面等のシューハウジングの被加工面の加工精度を向上させている。
特開平11−117717号公報
シューハウジング及びベーンロータを備えるバルブタイミング調整機構において、油圧室間のシール不良等を防止するためには、シューハウジングを高精度に加工することに加えて、その収容室内に収容されるベーンロータも同様に高精度に加工することが必要である。
ここで、ベーンロータは、ボス部と、そのボス部の外周面から立上って半径方向に伸びるように、ボス部と一体に形成された複数のベーン部とを有する。ボス部には、クランクシャフトとカムシャフトとのいずれかに固定されるための孔がボス部の中央に切削加工によって形成される。例えば、その孔にボルトを挿通して、カムシャフトの一端にねじ込むことによって、ベーンロータとカムシャフトとが固定される。
上述した切削加工は、ベーンロータをチャック装置の複数のチャック爪によってチャックした状態で行なわれる。このため、中央孔の切削加工中、ベーンロータはチャック爪からの押圧力を受けるので、その押圧力によって変形してしまう可能性が生じる。ベーンロータが変形した場合には、油圧室間のシールが不十分となったり、ベーンロータやシューハウジングが偏磨耗する等の不具合が生じる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、切削加工のためベーンロータをチャックする際、ベーンロータの変形を抑制することが可能なベーンロータの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載のベーンロータの製造方法は、ベーンロータの柱形状のボス部の中央を貫通する中央孔を切削加工にて形成する切削工程を有し、
当該切削工程時に、先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪によってベーンロータをチャックするとともに、それらのチャック爪の二股に形成された先端部のチャック位置が、立ち上がり開始位置によって規定される複数のベーン部を避けて、ボス部の外周面上に設定されることを特徴とする。
ベーン部は、ベーンロータが収容されるハウジング内に形成された圧力室を区画するもので、柱形状のボス部の外周面から立上って半径方向に伸びるように、ボス部と一体に形成される。このようなベーンロータを複数のチャック爪によってチャックする際に、そのチャック位置が、例えばベーン部の立ち上がり開始位置に懸かると、ベーンロータをチャックするためのチャック爪からの押圧力によって、ベーン部が傾いたり、捻られるように、変形する場合がある。このようなベーン部の変形が発生すると、ハウジング内の圧力室を区画する際のシール性が不十分となってしまう。
そのため、請求項1に記載の製造方法では、立ち上がり開始位置によって規定される複数のベーン部を避けて、ボス部の外周面上にチャック位置を設定する。これにより、上述したようなベーン部の変形を抑制することができる。
請求項2に記載したベーンロータの製造方法では、先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪が、ベーンロータに対して、当接・離間するように直線的に移動するものであって、その二股に形成された先端部のチャック位置は、当該チャック位置からチャック爪の移動方向に沿った方向が、ボス部における中央孔の周囲の筒状部分の厚さ範囲に収まるように設定されることを特徴とする。
これにより、チャック爪(二股に形成された先端部)からの押圧力が作用する方向には、切削加工によって形成される中央穴ではなく、その周囲の筒状部分が存在することになる。これにより、チャック爪からの押圧力を受けるボス部において、押圧力による変形に抗する強度を高めることができる。
請求項3に記載したベーンロータの製造方法では、チャック爪の二股に形成された先端部はR形状を有し、当該R形状の部位がベーンロータに当接してチャックすることを特徴とする。チャック爪の先端部によってベーンロータをチャックする際には、その先端部がボス部に接触した後にも、ボス部に対して所定の押圧力を作用させるために、さらにチャック爪が移動される。このとき、チャック爪の先端部とボス部外周面との間の摩擦抵抗が大きいと、チャック爪の先端部がボス部外周面に引っ掛かって、ボス部を変形させる可能性がある。請求項3に記載の製造方法では、チャック爪の先端部とボス部外周面との摩擦抵抗を低減するためにチャック爪の先端部をR形状としたので、チャック爪の先端部がボス部外周面上を滑り易くなり、チャック爪によるチャック時にボス部の変形を抑制することができる。
請求項4〜請求項6は、上述したベーンロータの製造方法によってベーンロータを製造するための製造装置に関するものであり、その作用・効果は、上述した通りであるので、説明を省略する。
以下、本発明によるベーンロータの製造方法及び製造装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
まず、本実施形態による製造方法が適用されるベーンロータを用いたバルブタイミング調整機構について図1および図2に基づいて説明する。図1及び図2は、互いに直交する平面を断面とするバルブタイミング調整機構の断面図である。
図1に示すタイミングギア1はギア列を有し、このギア列と噛み合うタイミングベルトを介して図示しないエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。従動軸としてのカムシャフト2は、タイミングギア1から駆動力を伝達され、図示しない吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方を開閉駆動する。カムシャフト2は、以下に説明するバルブタイミング調整機構によってタイミングギア1に対し所定の位相差を持って回動可能である。タイミングギア1およびカムシャフト2は図1に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
タイミングギア1およびシューハウジング3は駆動側回転体としてハウジング部材を構成し、ボルト20により同軸上に固定されている。シューハウジング3は周壁4と一方の側壁としてのフロントプレート5とが一体に形成されている。なお、タイミングギア1は、ハウジング部材の他方の側壁を構成している。
図2に示すように、シューハウジング3は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー3a、3b、3cを有している。シュー3a、3b、3cの周方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン部材としてのベーン9a、9b、9cを収容する収容室としての扇状空間部40が形成されており、シュー3a、3b、3cの内周面は、断面円弧状に形成されている。すなわち、図2に示すように、ベーンロータ9は周方向にほぼ等間隔にベーン9a、9b、9cを有し、これらのベーン9a、9b、9cが上述した扇状空間部内に回動可能に収容される。
図1に示すように、ベーンロータ9およびブッシュ6は、ボルト21によりカムシャフト2に一体に固定されて、従動側回転体を構成している。ベーンロータ9と一体に固定されるブッシュ6は、フロントプレート5の内周壁に相対回動可能に嵌合している。また、ベーンロータ9の外周壁とシューハウジング3の内周壁との間には微小クリアランスが設けられており、ベーンロータ9はシューハウジング3と相対回動可能である。ベーン9a、9b、9cの外周壁、およびベーンロータ9のボス部9dの外周壁にはそれぞればね17で付勢されたシール部材16が嵌合されており、各油圧室間の作動油の漏れを防止している。
シュー3aとベーン9aとの間に遅角油圧室10が形成され、シュー3bとベーン9bとの間に遅角油圧室11が形成され、シュー3cとベーン9cとの間に遅角油圧室12が形成されている。また、シュー3aとベーン9bとの間に進角油圧室13が形成され、シュー3bとベーン9cとの間に進角油圧室14が形成され、シュー3cとベーン9aとの間に進角油圧室15が形成されている。
以上の構成により、カムシャフト2およびベーンロータ9はタイミングギア1およびシューハウジング3に対して同軸に相対回動可能である。
図1及び図2に示すように、ガイドリング19は、収容孔23を形成するベーン9aの内壁に圧入保持され、このガイドリング19にストッパピストン7が挿入されている。従って、ストッパピストン7はカムシャフト2の軸方向に摺動可能にベーン9aに収容され、かつスプリング8によりフロントプレート5側に付勢されている。ストッパピストン7はスプリング8の付勢力によりフロントプレート5に形成されたストッパ穴22に嵌合可能である。タイミングギア1に形成された連通路24はフランジ部7aよりも右側の収容孔23に連通するとともに大気解放されているので、ストッパピストン7の移動が妨げられない。
フランジ部7aの左側の油圧室37は、図示しない油路を介して遅角油圧室10と連通している。遅角油圧室10に作動油が供給されると、スプリング8の付勢力に抗してストッパピストン7はストッパ穴22から抜け出す。また、ストッパピストン7の先端部に形成された油圧室38は、図2に示す油路39を介して進角油圧室15と連通している。従って、進角油圧室15に作動油が供給されると、スプリング8の付勢力に抗してストッパピストン7はストッパ穴22から抜け出す。
ストッパピストン7の位置とストッパ穴22の位置とは、クランクシャフトに対してカムシャフト2が最遅角位置にあるとき、つまりシューハウジング3に対してベーンロータ9が最遅角位置にあるときにストッパピストン7がストッパ穴22に嵌合するように設定されている。ストッパピストン7とストッパ穴22とはロック機構を構成している。
図1および図2に示すようにベーンロータ9のボス部9dには、ブッシュ6との当接部において油路29が設けられており、カムシャフト2との当接部において油路33が設けられている。油路29および33はそれぞれ円弧状に形成されている。油路29は、油路25、27を介して図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路29は、油路30、31、32により遅角油圧室10、11、12と連通しており、図示しない油路を介して油圧室37と連通している。
油路33は、油路26、油路28を介して図示しない駆動手段としての油圧源またはドレインと連通している。さらに油路33は、油路34、35、36により進角油圧室13、14、15と連通しており、進角油圧室15、油路39を介して油圧室38と連通している。
次に、上述した構成を有するバルブタイミング調整機構の作動について説明する。エンジンの通常運転時には、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に供給する作動油の油圧によりストッパピストン7はストッパ穴22から抜け出しているので、シューハウジング3に対しベーンロータ9は相対回動自在である。従って、各油圧室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差を調整できる。
エンジンが停止すると、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に作動油が供給されなくなるので、ベーンロータ9はシューハウジング3に対し図2に示す最遅角位置で停止する。油圧室37、38にも作動油が供給されないので、ストッパピストン7はスプリング8の付勢力によりストッパ穴22に嵌合する。
エンジンが再始動しても、遅角油圧室10、11、12、進角油圧室13、14、15に作動油が供給されるまではストッパピストン7はストッパ穴22に嵌合したままであり、クランクシャフトに対しカムシャフト2は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、フロントプレート5にベーンロータ9がロックされるので、シューハウジング3とベーンロータ9とがカムの変動トルクにより衝突することを防止できる。
次に、バルブタイミング調整機構に用いられるベーンロータ9の製造方法及び製造装置について説明する。なお、シューハウジング3は、例えば特開平11−117717号公報に記載されているような公知の製造方法によって製造されるので、特に説明しない。
図1及び図2に示すように、ベーンロータ9は、略円筒形状のボス部9dと、その外周面上から立上って半径方向に伸びるように、ボス部9dと一体に形成された複数のベーン9a,9b、9cとを有する。このベーンロータ9は、例えばアルミダイカストによって、ベーン9a、9b、9c及びボス部9dに相当する形状を有する素形材を形成し、この素形材に対して、油路やボルト孔等を形成するための切削加工などを施すことによって製造される。なお、ベーンロータ9の金属素材としてアルミの他に、例えば鉄等を用いることも可能である。
素形材を切削加工する際には、ベーンロータ9をチャックして固定する。図3及び図4を用いて、ベーンロータ9をチャックするためのチャック装置50について説明する。
図3及び図4に示すように、チャック装置50は、ベーンロータ9の周囲にほぼ等間隔に配置される3個のチャック爪51,52,53を有する。各々のチャック爪51,52,53の先端には、二股に分かれた2個の突起部51a、51bが形成されている。これらの突起部51a,51bがベーンロータ9のボス部9bに当接して、その外表面を押圧することによって、ベーンロータ9が強固に保持される。なお、各々のチャック爪51,52,53は、例えばクロムモリブデン鋼などによって構成することができ、耐磨耗性を向上するため浸炭焼入を施こすことが好ましい。
チャック装置50は、各チャック爪51,52,53を、ベーンロータ9dに対して当接・離間させるために、各チャック爪51,52,53ごとの駆動部を備えている。この駆動部について、図4を用いて説明する。なお、図4は、理解を容易にするために、ワークとしてボス部9dのみを示し、かつチャック爪としてチャック爪51のみを示している。
チャック爪51は、可動部54に固定されている。この可動部54は、モータ等の駆動源を内蔵しており、その駆動源による駆動力を用いて、レール55上を直線的に移動する。ただし、可動部54を移動させるための駆動源は、可動部54の外部に設けられても良い。また、チャック装置50は、ベーンロータ9を仮固定する台座56を備えている。
ベーンロータ9をチャック装置50にチャックさせる際には、各チャック爪51,52,53がベーンロータ9と離間する離間位置に後退されて、台座56上にベーンロータ9が仮固定される。ベーンロータ9の仮固定後、各チャック爪51,52,53の先端に形成された突起部51a、51bは、駆動部によって、ベーンロータ9のボス部9dに当接するように移動される。その後も、駆動部は、各チャック爪51,52,53が所定の押圧力をボス部9dに作用させるように駆動力を発生する。
このようにして、ベーンロータ9がチャック装置50にチャックされると、エンドミル60(切削加工機)によって、ボルト孔や油路、さらには、ブッシュ6を受ける座刳り面が切削加工によってボス部9dに形成される。
ここで、ボルト孔や座刳り面等の加工精度は、各油圧室のシール性に大きな影響を与えるので、エンドミル60による切削加工中、チャック装置50はベーンロータ9を一定の位置に保持しておく必要がある。そのため、ベーンロータ9は、チャック装置50にチャックされるとき、各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bから相当の押圧力を受けることになる。
本実施形態は、ベーンロータ9が各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bから押圧力を受けながら、ベーンロータ9の変形を抑制することを可能とするものである。そのために、まず、各チャック爪51,52,53の先端に形成された突起部51a,51bのチャック位置を図5に示すように、ベーン9a、9b、9cの立ち上がり開始位置よりもボス部9dの外周面側に設定した。つまり、チャック位置は、立ち上がり開始位置によって規定されるベーン9a、9b、9cを避けて、ボス部9dの外周面上に位置するように設定されるのである。
なお、図2に示すように、ベーン9a,9b、9cの立ち上がり開始位置近傍に油路30〜32,34〜36が形成される場合には、その油路形成位置も避けるようにボス部9の周方向又は軸方向にずらして、チャック位置を設定する。
チャック爪51,52,53の先端に形成された突起部51a,51bによるチャック位置が、ベーン9a,9b,9cの立ち上がり位置に懸かると、突起部51a、51bからの押圧力がベーン9Aa,9b、9cの根元の一部や片側のみに不均一に作用する可能性が生じる。その結果、ベーン9a,9b、9cは、傾いたり、捻られるように、僅かではあるが変形する場合がある。このようなベーン9a,9b,9cの変形が発生すると、圧力室間で作動油のリークが発生する等、ベーン9a,9b,9cによるシール性が不十分となってしまう。
そのため、ベーンロータ9のチャック時にベーン9a,9b,9cの変形を抑制すべく、上述したように、各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bによるチャック位置を、ベーン9a,9b,9cを避けて、ボス部9dの外周面上に設定したのである。
また、その突起部51a,51bによるチャック位置は、図6に示すように、各チャック爪51,52,53の移動方向に沿って、そのチャック位置から伸びる仮想の延長線を引いた場合に、その延長線が、ボス部9dの中央に形成されるボルト孔の周囲の円筒部分の厚さ範囲に極力収まるように設定される。
これにより、各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bからの押圧力が作用する方向には、切削加工によって形成されるボルト孔ではなく、その周囲の円筒部分が存在することになる。これにより、突起部51a,51bからの押圧力を受けるボス部9dにおいて、押圧力による変形に抗する強度を高めることができる。
上述した関係を全てのチャック位置に関して成立させるには、図6に示すように、各チャック爪51,52,53の突起部51a,51b間の距離、すなわちチャック爪51,52,53の幅を、ボス部9dの中央に形成される孔の半径R1の2倍以上に設定すれば良い。ただし、隣り合うチャック爪51,52,53の間にベーン9a,9b、9cが位置するので、ボス部9dの内径R1と外径R2との差が大きいほど、ベーン9a,9b,9cを避けながら、すべてのチャック位置について、上述した関係を満足させることが容易となる。
なお、チャック位置からの延長線が円筒部分の厚さ範囲に収まるとの関係は、すべてのチャック位置について成立しなくても良い。3個のチャック爪51,52,53の先端にそれぞれ2個づつ形成された、計6個の突起部による6箇所のチャック位置のうち、少なくとも一部について上述した関係が成立すれば、それだけ、ボス部9dの変形の抑制につながるためである。
さらに、ボス部9dの変形を抑制するために、各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bは、図7に示すように、ボス部9dに接触する接触面がR形状を持つように形成されている。
チャック爪51,52,53の突起部51a,51bによってベーンロータ9のボス部9dをチャックする際には、その突起部51a,51bがボス部9dの外周面に接触した後も、ボス部9dに対して所定の押圧力を作用させるために、さらにチャック爪51,52,53を移動させるための駆動力が加えられる。このとき、チャック爪51,52,53の突起部51a、51bとボス部9dの外周面との間の摩擦抵抗が大きいと、チャック爪51,52,53の突起部51a,51bがボス部9dの外周面に引っ掛かって、過度の応力が集中し、ボス部9dを変形させる可能性がある。
そこで、チャック爪51,52,53の突起部51a,51bとボス部9dの外周面との摩擦抵抗を低減するために、チャック爪51,52,53の突起部51a,51bの接触面の形状をR形状とした。このため、チャック爪51,52,53の突起部51a,51bがボス部9dの外周面上を滑り易くなり、チャック爪51,52,53によるチャック時にボス部9dの変形を抑制することができる。
以上、本発明による好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々、変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態においては、3個のチャック爪51,52,53を用いてワークであるベーンロータ9をチャックする例について説明したが、チャック爪の個数は4個以上であっても良い。
また、上述した実施形態では、ベーンロータ9が3個のベーン9a,9b,9cを備えるものであったが、ベーンの数は2個であっても良いし、4個以上であっても良い。
また、上述した実施形態では、隣り合うベーン9a,9b,9c間に、それぞれチャック爪51,52,53を配置させたが、例えば、2個の突起部の長さを長くすることにより、それら突起部間の空間にベーンが収まるように、一部もしくは全部のチャック爪を配置しても良い。
また、上述した実施形態では、ボス部9dの中央に、ボルト21を挿通するための孔を形成し、ボルト21をカムシャフト2の先端にねじ込むことによって、ベーンロータ9とカムシャフト2とを固定した。しかしながら、例えば特開2002−295209号公報に開示される如く、ベーンロータのボス部にカムシャフトを挿通可能な孔を形成し、その孔に挿通されたカムシャフト先端にナットを締結することによって、カムシャフトとベーンロータとを固定しても良い。
また、上述した実施形態では、シューハウジング3がクランクシャフトとともに回転し、ベーンロータ9がカムシャフト2とともに回転するものであった。しかしながら、ベーンロータがクランクシャフトとともに回転し、シューハウジングがカムシャフトとともに回転するように構成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、ボス部は中央部に孔を有する略円筒状を有していたが、その外形形状は円形に限らず多角形であっても良い。
ベーンロータを用いるバルブタイミング調整機構の断面図である。 図1における断面と直交する平面を断面とする、バルブタイミング調整機構の断面図である。 チャック装置のチャック爪と、ワークであるベーンロータとの位置関係を示す説明図である。 チャック装置の構成及び作動を説明するための説明図である。 各チャック爪の先端に形成された突起部が、ベーンを避けて、ボス部の外周面をチャックする際のチャック位置を説明するための説明図である。 チャック位置からチャック爪の移動方向に沿った方向が、ボス部における中央孔の周囲の筒状部分の厚さ範囲に収まるようにチャック位置を設定する際の、各チャック爪の突起部のチャック位置を示す説明図である。 各チャック爪51,52,53の突起部51a,51bの形状を示す説明図である。
符号の説明
9 ベーンロータ
9a,9b,9c ベーン
9d ボス部
50 チャック装置
51,52,53 チャック爪
51a,51b 突起部
60 エンドミル

Claims (6)

  1. 内燃機関の駆動軸から、当該内燃機関の吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸の回転に対して前記従動軸の回転に位相差を生じさせるバルブタイミング調整機構に用いられるベーンロータを製造する製造方法であって、
    前記ベーンロータは、柱形状のボス部と、当該ボス部の外周面から立上って半径方向に伸びるように、前記ボス部と一体に形成された複数のベーン部とを有し、
    前記柱形状のボス部の中央を貫通する中央孔を切削加工にて形成する切削工程を有し、
    当該切削工程時に、先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪によって、前記ベーンロータをチャックするとともに、それらのチャック爪の二股に形成された先端部のチャック位置が、立ち上がり開始位置によって規定される前記複数のベーン部を避けて、前記ボス部の外周面上に設定されることを特徴とするベーンロータの製造方法。
  2. 先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪は、前記ベーンロータに対して、当接・離間するように直線的に移動するものであって、前記二股に形成された先端部のチャック位置は、当該チャック位置から前記チャック爪の移動方向に沿った方向が、前記ボス部における中央孔の周囲の筒状部分の厚さ範囲に収まるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のベーンロータの製造方法。
  3. 前記チャック爪の二股に形成された先端部はR形状を有し、当該R形状の部位が前記ベーンロータに当接してチャックすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーンロータの製造方法。
  4. 内燃機関の駆動軸から、当該内燃機関の吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆動軸の回転に対して前記従動軸の回転に位相差を生じさせるバルブタイミング調整機構に用いられるベーンロータを製造する製造装置であって、
    前記ベーンロータは、柱形状のボス部と、当該ボス部の外周面から立上って半径方向に伸びるように、前記ボス部と一体に形成された複数のベーン部とを有し、
    先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪を有し、それらのチャック爪の二股に形成された先端部のチャック位置が、立ち上がり開始位置によって規定される前記複数のベーン部を避けて、前記ボス部の外周面上に設定されるチャック装置と、
    前記チャック装置によって前記ベーンロータがチャックされた状態において、前記柱形状のボス部の中央を貫通する中央孔を切削加工にて形成する切削加工装置とを備えることを特徴とするベーンロータの製造装置。
  5. 先端部が二股に形成された少なくとも3個以上のチャック爪は、前記ベーンロータに対して、当接・離間するように直線的に移動するものであって、前記二股に形成された先端部のチャック位置は、当該チャック位置から前記チャック爪の移動方向に沿った方向が、前記ボス部における中央孔の周囲の筒状部分の厚さ範囲に収まるように設定されることを特徴とする請求項4に記載のベーンロータの製造装置。
  6. 前記チャック爪の二股に形成された先端部はR形状を有し、当該R形状の部位が前記ベーンロータに当接してチャックすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のベーンロータの製造装置。
JP2004321144A 2004-11-04 2004-11-04 ベーンロータの製造方法及び製造装置 Expired - Fee Related JP4329675B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321144A JP4329675B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 ベーンロータの製造方法及び製造装置
MXPA05011672 MXPA05011672A (es) 2004-11-04 2005-10-28 Metodo de manufactura de rotor de alabe y aparato de manufactura del mismo.
CNB2005101186973A CN100460632C (zh) 2004-11-04 2005-11-04 制造叶片转子的方法及装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321144A JP4329675B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 ベーンロータの製造方法及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006132411A true JP2006132411A (ja) 2006-05-25
JP4329675B2 JP4329675B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=36726188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004321144A Expired - Fee Related JP4329675B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 ベーンロータの製造方法及び製造装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4329675B2 (ja)
CN (1) CN100460632C (ja)
MX (1) MXPA05011672A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8028667B2 (en) 2008-02-08 2011-10-04 Denso Corporation Valve timing adjusting apparatus

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104440161B (zh) * 2014-11-13 2017-02-22 沈阳黎明航空发动机(集团)有限责任公司 一种消除叶片因加工应力产生变形的方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2302391B (en) * 1995-06-14 1999-08-18 Nippon Denso Co Control apparatus for varying the rotational or angular phase between two rotational shafts
JP2000002105A (ja) * 1995-06-14 2000-01-07 Denso Corp 内燃機関用バルブタイミング調整装置。
JP3033582B2 (ja) * 1995-06-14 2000-04-17 株式会社デンソー 内燃機関用バルブタイミング調整装置。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8028667B2 (en) 2008-02-08 2011-10-04 Denso Corporation Valve timing adjusting apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
CN1769649A (zh) 2006-05-10
JP4329675B2 (ja) 2009-09-09
CN100460632C (zh) 2009-02-11
MXPA05011672A (es) 2008-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020139330A1 (en) Valve timing control device
JP4379730B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP6368008B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4247624B2 (ja) バルブタイミング調整装置
US20020040697A1 (en) Valve timing adjusting device having stopper piston
JP5835261B2 (ja) バルブタイミング調整装置の製造装置及び製造方法
JP6259130B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4329675B2 (ja) ベーンロータの製造方法及び製造装置
US7895980B2 (en) Valve timing adjusting device
JP4005068B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及びその組立方法
JP2014152671A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4238486B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP4217977B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP6312568B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US6012419A (en) Rotational phase adjusting apparatus having seat for drill-machining
WO2019088250A1 (ja) バルブタイミング調整装置
JPH11311109A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP4304219B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及びその組立方法
JP2005171956A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2004300930A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2011214563A (ja) バルブタイミング調整装置
WO2017047255A1 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP5532338B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP4083788B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置用ハウジング
JP3196694B2 (ja) 内燃機関用バルブタイミング調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090421

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4329675

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140626

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees