JP2006125797A - 空調制御方法および空調制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒ガスを圧縮する圧縮機を備えたヒートポンプ型の空調機において、サイクルCOPの低下を招くことなく、また電気ヒータのような余分な電力を用いることなく、室内温度を低下させずに除湿を行うことが可能な空調制御方法および空調制御システムを提供する。
【解決手段】暖房時には圧縮機3−1の回転数を被空調空間の負荷状況に基づいて連続比例制御する。冷房時には圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を被空調空間の負荷状況に基づいて時間比例制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】暖房時には圧縮機3−1の回転数を被空調空間の負荷状況に基づいて連続比例制御する。冷房時には圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を被空調空間の負荷状況に基づいて時間比例制御する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機を備え、冷房時には室内機を蒸発器として働かせ、暖房時には室内機を凝縮器として働かせるヒートポンプ型の空調機を用いた空調制御方法および空調制御システムに関するものである。
我が国は高温多湿であり、通常の冷房期(関東:梅雨明け〜9月中旬)に加え、梅雨時にも冷房機器が使用される場合がある。しかし、快適性の観点から考えると、単純に温度(顕熱負荷)のみではなく、湿度(潜熱負荷)に起因する不快感が大きく、冷房使用の目的の一つとして除湿(潜熱負荷除去)が挙げられる。
通常、冷房機器としては、冷媒を用いた蒸気圧縮式ヒートポンプ型の空調機(エアコン)が一般的である。このエアコンは、周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとする蒸発器と、蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮機により圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻す凝縮器とを備え、冷房時には室内機を蒸発器として働かせ、暖房時には室内機を凝縮器として働かせる。
しかし、エアコンは、基本的には潜熱負荷除去(除湿)のみを行うことはできず、同時に顕熱負荷除去も行い、室内温度の低下により、逆に不快感を大きくしてしまうことがある。そこで、室内温度を下げることなく除湿を行うための様々な除湿方式が提案され、実施されている。この除湿方式は、電気ヒータ方式、微風冷房方式、サイクルドライ方式の3つに大別される。
電気ヒータ方式は、吹き出し部に電気ヒータを設け、蒸発器で冷却・除湿した空気を再加熱し、室内へ供給する。
微風冷房方式は、蒸発器を通過する空気を冷房時よりも減少させることで吹き出し口からの空気の速度を低下させると共に、蒸発器における蒸発温度(以下、蒸発器温度と言う)を低下させ、冷凍サイクルとしては高負荷時と類似する状況で除湿を図る。
サイクルドライ方式では、室内機内の熱交換器を2分割し、空気の流れの上流に蒸発器機能、下流に凝縮器機能を持たせる。室内空気は蒸発器機能部において、冷却・除湿された後、凝縮器機能部にて加熱(再加熱)され、室内に戻る(特許文献1,2参照)。
微風冷房方式は、蒸発器を通過する空気を冷房時よりも減少させることで吹き出し口からの空気の速度を低下させると共に、蒸発器における蒸発温度(以下、蒸発器温度と言う)を低下させ、冷凍サイクルとしては高負荷時と類似する状況で除湿を図る。
サイクルドライ方式では、室内機内の熱交換器を2分割し、空気の流れの上流に蒸発器機能、下流に凝縮器機能を持たせる。室内空気は蒸発器機能部において、冷却・除湿された後、凝縮器機能部にて加熱(再加熱)され、室内に戻る(特許文献1,2参照)。
しかしながら、従来の除湿方式では、
(1)電気ヒータ方式では、蒸発器温度が低くなるため、十分な除湿効果があり、快適性が高く、冷凍サイクル単体のCOP(成績係数(圧縮機が費やす電力と蒸発器で奪う熱量の比):以下、サイクルCOPと言う)も高いが、電気ヒータで消費される電力分のエネルギーロスが生じる。
(2)微風冷房方式では、空調負荷としては小さいので消費電力そのものは少ないが、冷房能力で確実な除湿量を確保するために蒸発器温度を下げるので、圧縮機の吸込/吐出圧力差が大きくなり、サイクルCOPが低くなる。
(3)サイクルドライ方式では、エネルギーロスは小さいが、機器構成や制御方法が複雑であり、高コストとなる。また、低負荷時に除湿量が不足したり、サイクルCOPが低い等の問題もある。
(1)電気ヒータ方式では、蒸発器温度が低くなるため、十分な除湿効果があり、快適性が高く、冷凍サイクル単体のCOP(成績係数(圧縮機が費やす電力と蒸発器で奪う熱量の比):以下、サイクルCOPと言う)も高いが、電気ヒータで消費される電力分のエネルギーロスが生じる。
(2)微風冷房方式では、空調負荷としては小さいので消費電力そのものは少ないが、冷房能力で確実な除湿量を確保するために蒸発器温度を下げるので、圧縮機の吸込/吐出圧力差が大きくなり、サイクルCOPが低くなる。
(3)サイクルドライ方式では、エネルギーロスは小さいが、機器構成や制御方法が複雑であり、高コストとなる。また、低負荷時に除湿量が不足したり、サイクルCOPが低い等の問題もある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、サイクルCOPの低下を招くことなく、また電気ヒータのような余分な電力を用いることなく、室内温度を低下させずに除湿を行うことが可能な空調制御方法および空調制御システムを提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとする蒸発器と、この蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機により圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻す凝縮器とを備え、冷房時には室内機を蒸発器として働かせ、暖房時には室内機を凝縮器として働かせる空調制御方法において、室内機からの空気の吹き出し口を被空調空間の外周部(ペリメータゾーン)に設け、室内機への空気の吸い込み口を被空調空間の内周部(インテリアゾーン)に設け、暖房時には圧縮機の回転数を被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御し、冷房時には圧縮機のオン/オフの時間比率を被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御するようにしたものである。なお、本発明は、空調制御装置としても実現することができる。
この発明によれば、暖房時には圧縮機の回転数が被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御(連続比例制御)され、冷房時には圧縮機のオン/オフの時間比率が被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御(時間比例制御)される。すなわち、この発明において、圧縮機は、冷房時、その回転数が連続比例制御されるのではなく、そのオン/オフが時間比例制御される。これにより、冷房時の圧縮機の回転数を例えば定格回転数とすれば、圧縮機の回転数自体は低下しないので、圧縮機の吸込/吐出圧力差は大きな状態を維持し、特に低負荷時において、蒸発器温度を圧縮機の回転数を連続比例制御する場合と比べて低くすることができる。このため、高負荷時、低負荷時に拘わらず、室内機を通過する空気は低温・低湿度の空気となる。
この低温・低湿度の空気は吹き出し口から被空調空間のペリメータゾーンに吹き出される。ペリメータゾーンには外壁や窓があるため、外部負荷(熱・漏入空気)が最も大きく、この外部負荷によって吹き出し口から吹き出された空気(低温・低湿度の空気)が加熱され、室内温度相当となる。これにより、インテリアゾーンに滞在する居住者に、室内温度の低下を招くことなく、顕熱のみならず、潜熱も除去された空調空気が提供されることになる。また、圧縮機のオン/オフを時間比例制御することにより、圧縮機での消費電力が少なくなり(圧縮機の回転数を連続比例制御する場合とほゞ同等)、サイクルCOPは高い状態を維持する。
なお、本発明において、冷房時における圧縮機のオン時の回転数は、例えば定格回転数など所定の回転数に固定するようにしてもよいが、外部負荷に応じてその回転数を変更するようにしてもよい。例えば、外気温度が高くなった場合、圧縮機のオン時の回転数を高くすることにより、蒸発器温度を低くし、吹き出し口から吹き出されるペリメータゾーンへの空気の温度を下げ、室内温度の上昇を防ぐようにする。また、外気温度が低くなった場合、圧縮機のオン時の回転数を低くすることにより、蒸発器温度を高くし、吹き出し口から吹き出されるペリメータゾーンへの空気の温度を上げ、室内温度の低下を防ぐようにする。
本発明によれば、冷房時には圧縮機のオン/オフを時間比例制御するようにしたので、サイクルCOPの低下を招くことなく、また電気ヒータのような余分な電力を用いることなく、室内温度を低下させずに除湿を行うことが可能となる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施に用いる空調制御システムの一例の概略を示すシステム構成図である。同図において、1はビルなどの室内(被空調空間)、2は室内1に対して設けられた室内機、3は室内機2と対として用いられる室外機である。
室内1には、その内周部(インテリアゾーン)Z1に室内機2への空気の吸い込み口5が設けられ、その外周部(ペリメータゾーン)Z2に室内機2からの空気の吹き出し口6が設けられている。室内機2には、吸い込み口5から吸い込まれ、吹き出し口6から吹き出される空気の流通路に、熱交換器2−1が設けられている。室外機3は、回転数を変化させることが可能な圧縮機3−1と、熱交換器3−2と、冷媒の流路を切り替える切替弁3−3とを備えている。室外機3に対しては、圧縮機3−1の動作や切替弁3−3の動作を制御する制御装置4が設けられている。
図1は冷房時における切替弁3−3の切替状態を示している。この場合、室内機2は蒸発器として働き、室外機3は凝縮器として働く。すなわち、室内機2における熱交換器2−1は、室外機3からの冷媒液の供給を受け、周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとする。室外機3における圧縮機3−1は、熱交換器(蒸発器)2−1からの冷媒ガスを圧縮し、熱交換器(凝縮器)3−2へ送る。熱交換器3−2は、圧縮機3−1により圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻し、室内機2の熱交換器2−1へ送る。これにより、室内機2において、吸い込み口5から吸い込まれた空気が冷却され、吹き出し口6から吹き出され、室内1の冷房が行われる。
図2に暖房時における切替弁3−3の切替状態を示す。この場合、室内機2は凝縮器として働き、室外機3は蒸発器として働く。すなわち、室外機3における熱交換器3−2は、室内機2からの冷媒液の供給を受け、周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとし、圧縮機3−1へ送る。圧縮機3−1は、熱交換器(蒸発器)3−2からの冷媒ガスを圧縮し、室内機2の熱交換器(凝縮器)2−1へ送る。熱交換器2−1は、圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻し、室外機3の熱交換器3−2へ送る。これにより、室内機2において、吸い込み口5から吸い込まれた空気が加熱され、吹き出し口6から吹き出され、室内1の暖房が行われる。
図3に制御装置4のハード構成の概略を示す。同図において、4−1はCPU、4−2はRAM、4−3はROM、4−4〜4−8はインターフェイス(I/F、I/O)、4−9はハードディスクなどの記憶装置である。CPU4−1は、インターフェイス4−4を介して与えられる冷房/暖房の指示、インターフェース4−5を介して与えられる室内温度の設定値(設定温度)tsp、インターフェース4−6を介して与えられる室内温度の実測値(実測温度)tpvを得て、RAM4−2にアクセスしながら、ROM4−3や記憶装置4−9に格納されたプログラムに従って動作する。記憶装置4−9には、本実施の形態特有のプログラムとして、圧縮機制御プログラムが格納されている。この圧縮機制御プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録された状態で提供され、この記録媒体から読み出されて記憶装置4−9にインストールされている。
以下、図4に示すフローチャートに従って、圧縮機制御プログラムによって制御装置4のCPU4−1が実行する処理動作について説明する。
〔暖房時〕
CPU4−1は、インターフェース4−4を介して暖房指示が入力されると(ステップ401の「暖房」)、インターフェース4−7を介して切替弁3−3へ指令を送り、切替弁3−3を暖房時の切替状態(図2)とする(ステップ402)。また、インターフェース4−8を介して圧縮機3−1へ指令を送り、圧縮機3−1の回転数を実測温度tpvと設定温度tspとの差に応じた値とする(ステップ403)。
CPU4−1は、インターフェース4−4を介して暖房指示が入力されると(ステップ401の「暖房」)、インターフェース4−7を介して切替弁3−3へ指令を送り、切替弁3−3を暖房時の切替状態(図2)とする(ステップ402)。また、インターフェース4−8を介して圧縮機3−1へ指令を送り、圧縮機3−1の回転数を実測温度tpvと設定温度tspとの差に応じた値とする(ステップ403)。
すなわち、CPU4−1は、室内1の暖房を行う場合、実測温度tpvと設定温度tspとの差に比例して、圧縮機3−1の回転数を連続的に変化させる。この実測温度tpvと設定温度tspとの差に比例した圧縮機3−1の連続的な回転数の制御を連続比例制御と呼ぶ。
この連続比例制御では、実測温度tpvと設定温度tspとの差が大きい場合、すなわち高負荷時には圧縮機3−1の回転数が高回転とされ、実測温度tpvと設定温度tspとの差が小さい場合、すなわち低負荷時には圧縮機3−1の回転数が低回転とされ、高負荷時の能力確保と低負荷時の省エネルギーとが図られる。
なお、暖房時には潜熱負荷を除去する必要がないため、すなわち顕熱負荷の除去のみとなるため、後述するように圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を制御するのではなく、圧縮機3−1の回転数を制御するようにしている。
〔冷房時〕
CPU4−1は、インターフェース4−4を介して冷房指示が出されると(ステップ401の「冷房」)、インターフェース4−7を介して切替弁3−3へ指令を送り、切替弁3−3を冷房時の切替状態(図1)とする(ステップ404)。また、インターフェース4−8を介して圧縮機3−1へ指令を送り、圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を実測温度tpvと設定温度tspとの差に応じた値とする(ステップ403)。
CPU4−1は、インターフェース4−4を介して冷房指示が出されると(ステップ401の「冷房」)、インターフェース4−7を介して切替弁3−3へ指令を送り、切替弁3−3を冷房時の切替状態(図1)とする(ステップ404)。また、インターフェース4−8を介して圧縮機3−1へ指令を送り、圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を実測温度tpvと設定温度tspとの差に応じた値とする(ステップ403)。
すなわち、CPU4−1は、室内1の冷房を行う場合、実測温度tpvと設定温度tspとの差に比例して、圧縮機3−1のオン/オフの時間比率を変化させる。この時の圧縮機3−1のオン時の回転数は定格回転数とする。すなわち、図5に示すように、周期T中のオン時間Tonとオフ時間Toff との比(デューティ比)を実測温度tpvと設定温度tspとの差に比例して制御する。この実測温度tpvと設定温度tspとの差に比例した圧縮機3−1のオン/オフの時間比率の制御を時間比例制御と呼ぶ。
この時間比例制御では、実測温度tpvと設定温度tspとの差が大きい場合、すなわち高負荷時には定格回転数で回転する圧縮機3−1の運転時間が長くされ、実測温度tpvと設定温度tspとの差が小さい場合、すなわち低負荷時には定格回転数で回転する圧縮機3−1の運転時間が短くされ、高負荷時の能力確保と低負荷時の省エネルギーとが図られる。
この時間比例制御では、圧縮機3−1の回転数自体は低下しないので、圧縮機3−1の吸込/吐出圧力差は大きな状態を維持し、特に低負荷時において、室内機2における蒸発器温度を圧縮機3−1の回転数を連続比例制御する場合と比べて低くすることができる。このため、高負荷時、低負荷時に拘わらず、室内機2を通過する空気は低温・低湿度の空気となる。
この低温・低湿度の空気は吹き出し口6から室内1のペリメータゾーンZ2に吹き出される。ペリメータゾーンZ2には外壁や窓があるため、外部負荷(熱・漏入空気)が最も大きく、この外部負荷によって吹き出し口6から吹き出された空気(低温・低湿度の空気)が加熱され、室内温度相当となる。これにより、インテリアゾーンZ1に滞在する居住者に、室内温度の低下を招くことなく、顕熱のみならず、潜熱も除去された空調空気が提供されることになる。また、圧縮機3−1のオン/オフを時間比例制御することにより、圧縮機3−1での消費電力が少なくなり(圧縮機3−1の回転数を連続比例制御する場合とほゞ同等)、サイクルCOPは高い状態を維持する。
〔冷房時に圧縮機の回転数を連続比例制御した場合の問題〕
冷房時に暖房時と同様に圧縮機3−1の回転数を連続比例制御することが考えられる。しかし、冷房時に圧縮機3−1の回転数を連続比例制御すると、低負荷時に室内機2における蒸発器温度が上昇する。すなわち、起動時などの高負荷時には圧縮機3−1が高回転で回転するため、蒸発器温度も低下し、顕熱とともに潜熱負荷も除去できるので、十分な除湿量を確保できるが、熱負荷の低下に伴い、定常運転状態(低負荷)となると、圧縮機3−1の回転数も低下し、室内機2における蒸発器温度が上昇する。
冷房時に暖房時と同様に圧縮機3−1の回転数を連続比例制御することが考えられる。しかし、冷房時に圧縮機3−1の回転数を連続比例制御すると、低負荷時に室内機2における蒸発器温度が上昇する。すなわち、起動時などの高負荷時には圧縮機3−1が高回転で回転するため、蒸発器温度も低下し、顕熱とともに潜熱負荷も除去できるので、十分な除湿量を確保できるが、熱負荷の低下に伴い、定常運転状態(低負荷)となると、圧縮機3−1の回転数も低下し、室内機2における蒸発器温度が上昇する。
このため、冷房能力の大部分が顕熱負荷を除去するために使用され、潜熱負荷の除去量が低下し、室内機2において十分な除湿が行われず、居住者に不快感を与えてしまう。これを解決するために、設定温度tspを下げると、今度は、除湿は行われるが、室内温度が下がり過ぎてしまうことになる。室内温度が下がると、室内外の温度差が大きくなり、壁などを通じての熱伝導の増加および自然換気量が増大し、より空調負荷が増加し、冷房時の消費エネルギーの増大を招いてしまう。
これに対して、本実施の形態では、冷房時には圧縮機3−1のオン/オフを時間比例制御するようにしているので、熱負荷の低下に伴い、定常運転状態(低負荷)となっても、圧縮機3−1の回転数が低下せず、室内機2における蒸発器温度の上昇を避けることができ、室内機2において十分な除湿を行うことができるようになる。また、室内機2において低温・低湿度とされた空気は吹き出し口6から室内1のペリメータゾーンZ2に吹き出され、外部負荷によって加熱されるので、電気ヒータなどによって加熱する必要がなく、加熱のために余分な電力を用いる必要がない。また、圧縮機3−1での消費電力は、圧縮機3−1の回転数を連続比例制御する場合とほゞ同等であり、暖房時と同様、サイクルCOPを最適した状態で運転することが可能となり、運転効率が向上する。このようにして、本実施の形態では、効率よく冷房運転しながから、室内温度を低下させずに除湿を行うことができ、結果として省エネルギーを図ることができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、冷房時における圧縮機3−1のオン時の回転数を定格回転数としたが、必ずしも定格回転数としなくてもよい。例えば、最大回転数としたりしてもよく、他の任意の回転数に固定するようにしてもよい。また、外部負荷に応じて圧縮機3−1のオン時の回転数を変更するようにしてもよい。例えば、外気温度が高くなった場合、圧縮機3−1のオン時の回転数を高くすることにより、室内機2における蒸発器温度を低くし、吹き出し口6から吹き出されるペリメータゾーンZ2への空気の温度を下げ、室内温度の上昇を防ぐようにする。また、外気温度が低くなった場合、圧縮機3−1のオン時の回転数を低くすることにより、室内機2における蒸発器温度を高くし、吹き出し口から吹き出されるペリメータゾーンZ2の空気の温度を上げ、室内温度の低下を防ぐようにする。
また、上述した実施の形態では、冷房時には、その全ての期間において、圧縮機3−1のオン/オフが時間比例制御されるが、例えば起動時(立ち上げ時)のみ圧縮機3−1の回転数を連続比例制御するようにしてもよい。このようにすることによって、立ち上げ時の騒音を低減することが可能となる。
また、冷房負荷に応じて、連続比例制御と時間比例制御とを切り替えるようにしてもよい。この場合、切り替えのタイミングは、設定温度tspと実測温度tpvとの差、冷房制御出力量100%の連続時間、PID等の制御量変化などによって判別するなどすればよい。これにより、顕熱負荷を速やかに除去し、快適性を向上させることが可能となる。
また、カーテンなどの日射遮蔽物を窓面に設置するようにしてもよい。この場合、ペリメータゾーンへ侵入する外部負荷の内、日射や輻射による負荷が日射遮蔽物により熱に変換され、この熱によりペリメータゾーンに吹き出された低温・低湿空気が再加熱される。日射遮蔽物がない場合は、輻射などの負荷は床面にて熱に変換され、自然対流によって室内空気に熱移動した後に空調空気の再加熱に用いられるが、この場合、日射遮蔽物によって直接、吹き出し空気が接するため、熱移動効率が向上する。
また、室内機風量を大風量としてもよい。この場合、蒸発器温度が上昇し、除湿量が低下するが、室内循環回数が増すため、室内における湿度むらが解消され、快適性の向上につながる。
また、高気密高断熱住宅で適用すると、熱容量が大きく、湿度流入量が小さいため、時間比例制御の制御性が向上する。この場合、窓面における空調負荷の割合が相対的に大きくなるため、吹き出し口を窓の位置に併せて設置するようにする。
また、高気密高断熱住宅で適用すると、熱容量が大きく、湿度流入量が小さいため、時間比例制御の制御性が向上する。この場合、窓面における空調負荷の割合が相対的に大きくなるため、吹き出し口を窓の位置に併せて設置するようにする。
1…室内、2…室外機、2−1…熱交換器、3…室外機、3−1…圧縮機、3−2…熱交換器、3−3…切替弁、4…制御装置、4−1…CPU、4−2…RAM、4−3…ROM、4−4〜4−8…インターフェイス(I/F、I/O)、4−9…記憶装置、5…吸い込み口、6…吹き出し口、Z1…内周部(インテリアゾーン)、Z2…外周部(ペリメータゾーン)。
Claims (4)
- 周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとする蒸発器と、この蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機により圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻す凝縮器とを備え、冷房時には室内機を前記蒸発器として働かせ、暖房時には室内機を前記凝縮器として働かせる空調制御方法において、
前記室内機からの空気の吹き出し口を被空調空間の外周部に設け、
前記室内機への空気の吸い込み口を前記被空調空間の内周部に設け、
暖房時には前記圧縮機の回転数を前記被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御し、
冷房時には前記圧縮機のオン/オフの時間比率を前記被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御する
ことを特徴とする空調制御方法。 - 請求項1に記載された空調制御方法において、
前記冷房時における前記圧縮機のオン時の回転数を外部負荷に応じて変更するようにした
ことを特徴とする空調制御方法。 - 周囲から熱を奪って冷媒液を蒸発させ冷媒ガスとする蒸発器と、この蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機により圧縮された冷媒ガスから熱を放出させて冷媒液に戻す凝縮器と、前記圧縮機を制御する制御装置とを備え、冷房時には室内機を前記蒸発器として働かせ、暖房時には室内機を前記凝縮器として働かせる空調制御システムにおいて、
被空調空間の外周部に設けられた前記室内機からの空気の吹き出し口と、
前記被空調空間の内周部に設けられた前記室内機への空気の吸い込み口とを備え、
前記制御装置は、
暖房時には前記圧縮機の回転数を前記被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御する手段と、
冷房時には前記圧縮機のオン/オフの時間比率を前記被空調空間の負荷状況に基づいて比例制御する手段と
を有することを特徴とする空調制御システム。 - 請求項3に記載された空調制御装置において、
前記冷房時における前記圧縮機のオン時の回転数を外部負荷に応じて変更する手段を備えたことを特徴とする空調制御システム。
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Cited By (5)
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JP2013079785A (ja) * | 2011-10-05 | 2013-05-02 | Mitsubishi Electric Corp | 空気調和システム |
JP5458108B2 (ja) * | 2009-11-17 | 2014-04-02 | 株式会社環境マネジメント研究所 | 省エネルギ管理装置 |
CN110221635A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-09-10 | 合肥市正捷智能科技有限公司 | 一种环境测控方法及环境测控装置 |
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2004
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