JP2006125396A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟でしなやかに作動し、しかも作動量および伸縮率を増大できるアクチュエータを提供する。
【解決手段】間隔を隔てて同軸的に配置された径の異なる筒状部材(1a、1b、1c)と、内側の筒状部材の外壁と外側の筒状部材の内壁とを互いに連結する伸縮可能なアクチュエータ部(2)とにより、複数の単位アクチュエータが同軸的に配置された構造を有し、アクチュエータ部(2)に駆動エネルギーを供給する手段が設けられたアクチュエータ。
【選択図】図5
【解決手段】間隔を隔てて同軸的に配置された径の異なる筒状部材(1a、1b、1c)と、内側の筒状部材の外壁と外側の筒状部材の内壁とを互いに連結する伸縮可能なアクチュエータ部(2)とにより、複数の単位アクチュエータが同軸的に配置された構造を有し、アクチュエータ部(2)に駆動エネルギーを供給する手段が設けられたアクチュエータ。
【選択図】図5
Description
本発明は共役性高分子を用いたリチウムイオン二次電池などのポリマー電池、太陽電池、ディスプレイ、光変調素子、メモリー媒体などに用いられるエレクトロクロミック素子、有機トランジスタ、センサーなどに用いられる機能素子、および医療機器、各種ロボット、介護介助機器、力学的なフィードバックが可能なデータグローブなどに用いられるアクチュエータに関する。
共役性高分子などの半導体性または導電性の高分子は成形性に優れており、容易に薄膜にできる。このため、半導体性または導電性の高分子薄膜とポリマー電解質などイオン伝導性の高分子薄膜とを組み合わせて、エレクトロクロミック素子など種々の機能素子への応用が期待されている。たとえばエレクトロクロミック素子はイオン伝導性の高分子薄膜から半導体性または導電性の高分子薄膜へのキャリアーの注入による色変化を利用する。また、固体電解質を通してイオンが注入されたときに電気化学的な反応によって分子容が変化する高分子薄膜を用いてアクチュエータとして用いることもできる。
このような機能素子は、半導体性または導電性の高分子薄膜とイオン伝導性の高分子薄膜との界面をキャリアーが通過することによって機能を発現するので、両者の界面は大面積で密着していることが重要である。
しかし、2種の高分子薄膜を積層した構造では界面の面積を大きくすることは難しく、応答速度や出力を向上させることが困難である。しかも多くの場合、界面には大きな電界や応力がかかるため、劣化や剥離が起こりやすく、耐久性が低下する原因となっている。
また、上述したような共役性高分子薄膜や高分子ゲルなどを利用したアクチュエータは、柔らかく軽量で柔軟な作動が可能である。そのため義肢に用いる人工筋肉、または医用機器や介護用ロボットに用いられるアクチュエータとしての応用が期待されている。ただし、高分子薄膜を用いたアクチュエータは伸縮率および作動量が小さい。たとえば共役性高分子であるポリアニリンを電解質溶液中で駆動させるアクチュエータは、生体の筋肉と比較して1桁程度大きい駆動力が得られるが、伸縮率は3〜4%程度であり生体の筋肉が示す30%程度の伸縮率に対し1桁程度小さい。このため、さらに伸縮率および作動量を拡大することが要求され、代表的にはバイモルフ構造が採用されている。
しかし、バイモルフ構造のアクチュエータは屈曲動作するため使用形態が限定される。また、アクチュエータを構成する薄膜に曲げトルクがかかるため、実効的な出力を向上させることが困難である。なお、作動量を大きくするために単純に複数のアクチュエータを伸縮方向に沿って直列に連結したり積層しても、伸縮率を増大することはできない。
本発明の目的は、界面面積が充分大きく、界面の耐久性が高い素子構造を有し、エレクトロクロミック素子やアクチュエータとして良好に用いることができる機能素子を提供することにある。また、本発明の他の目的は、柔軟でしなやかに作動し、しかも作動量および伸縮率を増大できるアクチュエータを提供することにある。
本発明のアクチュエータは、間隔を隔てて同軸的に配置された径の異なる筒状部材と、内側の前記筒状部材の外壁と外側の前記筒状部材の内壁とを互いに連結する伸縮可能なアクチュエータ部と、前記アクチュエータ部に駆動エネルギーを供給する手段とを具備したことを特徴とする。
このアクチュエータは、内側の筒状部材、外側の筒状部材およびこれらを連結するアクチュエータ部を単位アクチュエータとして、複数の単位アクチュエータを同軸的に配置することが好ましい。
このアクチュエータは、アクチュエータ部の伸縮方向に沿って動作するので、アクチュエータ部の配置によって様々な形態で使用することができる。また、複数の単位アクチュエータを同軸的に配置した場合には、作動量を大きくすることができる。
本発明によれば、界面面積が充分大きく、界面の耐久性が高い素子構造を有し、エレクトロクロミック素子やアクチュエータとして良好に用いることができる機能素子を提供することができる。また、柔軟でしなやかに作動し、しかも作動量および伸縮率を増大できるアクチュエータを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の機能素子は、半導体性または導電性の第1の有機高分子鎖とイオン伝導性の第2の有機高分子鎖を含有する。
半導体性または導電性の有機高分子としては、電気的に不活性な高分子鎖の主鎖中にまたは側鎖としてペンダント状に、光電荷発生性またはキャリアー輸送性の分子構造が結合したものが挙げられる。電気的に不活性な高分子鎖は、ポリエチレン鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリアミド鎖、ポリイミド鎖などである。光電荷発生性またはキャリアー輸送性の分子構造としては、以下に示すようなものが挙げられる。たとえば、フタロシアニン系誘導体、ナフタロシアニン系誘導体、アゾ化合物系誘導体、ペリレン系誘導体、インジゴ系誘導体、キナクリドン系誘導体、多環キノン系誘導体(アントラキノンなど)、シアニン系誘導体、フラーレン類誘導体、含窒素環式化合物誘導体(インドール、カルバゾール、オキサゾール、インドオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾールなど)、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、スチルベン誘導体、キノン化合物誘導体(アントラキノン、ジフェノキノンなど)、多環芳香族化合物誘導体(アントラセン、ビレン、フェナントレン、コロネンなど)である。
また、共役性高分子を用いてもよい。共役性高分子としては、芳香族系共役性高分子(ポリパラフェニレンなど)、脂肪族系共役性高分子(ポリアセチレンなど)、複素環式共役性高分子(ポリピロール、ポリチオフェンなど)、含ヘテロ原子共役性高分子(ポリアニリン、ポリフェニレンサルファイドなど)が挙げられる。また、これらの共役性高分子の構成単位が交互に結合した構造を有する複合型共役性高分子、具体的にはポリ(フェニレンビニレン)、ポリ(アリーレンビニレン)などを用いてもよい。さらに、ポリシラン、ジシラニレンなどのオリゴシランと電子系構造とが交互に連鎖したポリマー(ジシラニレンアリレンポリマー、(ジシラニレン)エテニレンポリマー、(ジシラニレン)エチニレンポリマーなど)、リン系または窒素系の無機高分子、高分子鎖に芳香族系配位子が配位して積層したポリマー(フタロシアナートポリシロキサンなど)を用いてもよい。
イオン伝導性の有機高分子としては、ポリエーテル(ポリエチレンオキサイド(PEO)など)、ポリエステル、ポリアミン、ポリイミン、ポリスルフィド、側鎖にオリゴエーテル鎖を有するくし型ポリエーテル誘導体、高分子電解質型イオン伝導体が挙げられる。
本発明の機能素子においては、半導体性または導電性の第1の有機高分子鎖(有機高分子鎖Aという)が凝集して形成される第1相(A相という)と、イオン伝導性の第2の有機高分子鎖(有機高分子鎖Bという)が凝集して形成される第2相(B相という)とが、三次元共連続ミクロ相分離構造を形成し、両相が界面において化学的に結合した多成分多相系の高分子成形体を用いる。B相にはリチウム塩やアンモニウム塩などの有機塩や無機塩、またはイオン交換樹脂などの高分子塩が混合されている。
良好な三次元共連続ミクロ相分離構造を形成するためには、高分子鎖A(またはモノマー、オリゴマーなどの前駆体)と高分子鎖B(またはモノマー、オリゴマーなどの前駆体)とが互いに非相溶であることが好ましい。また、A相とB相との界面における化学的な結合は、共有結合であることが好ましい。したがって、2種の高分子鎖Aおよび高分子鎖BからなるA−B型ジブロック共重合体またはA−B−A型もしくはB−A−B型トリブロック共重合体を用いることが好ましい。ブロック共重合体を構成する各ブロックの分子量は1万以上であることが好ましい。なお、場合によっては、スター型の共重合体やグラフト型の共重合体を用いてもよい。
上記のようなブロック共重合体を合成するには、予め高分子Aおよび高分子Bを合成した後、末端の官能基どうしを反応させてもよいし、末端に官能基を導入した高分子Bの存在下で高分子Aのモノマーをリビング重合など適当な方法で重合させてもよい。たとえば、末端にアミノフェニルオキシ基を有するポリエチレンオキシドの存在下でアニリンを酸化重合させることにより、トリブロック共重合体またはジブロック共重合体を合成することができる。また、たとえば相互に非相溶な一方の高分子と他方の高分子の前駆体オリゴマーとを混合して相分離構造を形成した後、加熱、光照射または触媒添加により反応させて最終的なブロック共重合体を合成してもよい。この際、合成されるブロック共重合体のガラス転移温度以下の温度で反応させるなど、反応条件を適当に選択することにより、相分離構造を破壊することなくブロック共重合体を合成することができる。
上記のようなブロック共重合体を適当な溶媒に溶解して塗布溶液を調製し、適当な基板上に塗布して乾燥することにより、三次元共連続ミクロ相分離構造の高分子成形体(薄膜)を作製することができる。また、ブロック共重合体を溶融し、これを適当な基板に塗布して成形した後に冷却して成形体を作製してもよい。
上記のようなブロック共重合体を用いて形成される相分離構造は、単なる混合物からの相分離構造とは異なり、多くの場合数nm〜数十nmオーダーの単位胞を有する非常に規則的な微細構造を示す。たとえば、OBDD構造と称される、結晶構造に似た非常に規則的な三次元共連続ミクロ相分離構造が形成される。OBDD構造のほかにも、ラメラカテノイド構造、T−サーフェス構造、ディスオーダード構造などの種々の構造が形成される。三次元網目状の相分離構造が形成されると、各相の開口部の平均径は一般に10〜100nm程度の範囲となる。開口部の平均径はブロック共重合体の分子量や高分子鎖の組み合わせによって変化する。開口部の平均径は、100nm以下、さらに50nm以下、さらに20nm以下であることが好ましい。
三次元共連続ミクロ相分離構造においては、A相およびB相がそれぞれ三次元網目構造を形成し、これらの三次元網目構造が相互に絡み合っている。しかも、各相はそれぞれ連続しているため、各々の相分離ドメインはすべて接続されていると考えることができる。このような相分離構造では、A相とB相との界面の面積(各相の単位体積当たりの界面面積)が数m2/g、場合によっては1000m2/g程度と非常に大きくなる。なお、界面の面積は10m2/g以上であることが好ましい。単なる混合物からの相分離構造では、このような大きな界面面積を得ることは困難である。このように本発明の機能素子を構成する高分子成形体では、界面の面積が非常に大きいA相とB相との間でキャリアー(電子、ホールまたはイオン)の交換が非常にスムーズに進行するため、応答速度や出力を向上させるのに有利になる。
また、上記の相分離構造では、それぞれの高分子鎖がA相とB相の界面を貫通した状態で凝集し、A相とB相とは化学的結合によって完全に接合されているので、高分子鎖が断裂しない限り界面の剥離は起こらない。したがって、界面に大きな電界や応力がかかっても、耐久性の低下を抑制できる。
相分離構造を安定化するために、高分子材料に架橋剤を添加したり、高分子鎖に架橋性基を導入し、相分離構造形成後に高分子材料を相互に三次元的に架橋してもよい。このように架橋させることにより、高分子成形体の熱的または機械的な強度をさらに向上できる。
本発明の機能素子において、高分子成形体の各相に電力を供給する手段としては、A相およびB相のそれぞれに接続された電極を用いる。電極材料としては、無機または有機の導体または半導体を用いることができる。電極の形状は特には限定されず、平板状、薄膜状、多孔質膜状、棒状、繊維状、網目状、点状のいずれでもよい。この場合、A相およびB相に対する電極材料の親和性の差を利用することによって、いずれか一方の相のみに電極のコンタクトをとることができる。たとえば電極材料がA相とは親和性が高いがB相とは親和性が低い場合、電極上にブロック共重合体を塗布するか溶融させた後に相分離させる過程で、電極表面にA相が選択的に凝集するので、A相のみと接続した電極を形成することができる。また、電極にA相またはB相のいずれかに対する親和性を持たせるためには、電極表面にその相と同じ高分子鎖からなるホモポリマーを成膜すればよい。また、現実的な素子構造では、電極とA相の間に他の半導体性または導電性の層が形成されていてもよいし、電極とB相との間に他のイオン導電性の層が挿入されていてもよい。
このように電極がA相およびB相のそれぞれに接続され、しかも上述したように相分離構造の内部ではA相およびB相がそれぞれ三次元網目構造を形成し、各相はそれぞれ連続している。このため、本発明の機能素子の電気的な接続状態は、高分子薄膜Aと高分子薄膜Bとの積層構造を有する従来の素子と等価である。
本発明の機能素子は、たとえばエレクトロクロミック素子として用いることができる。具体的には、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性高分子鎖Aとポリエチレングリコールなどのイオン伝導性高分子鎖Bとからなるブロック共重合体を用いて三次元共連続ミクロ相分離構造を有する高分子薄膜を形成し、A相およびB相のそれぞれに接続する電極を形成したエレクトロクロミック素子を作製することができる。このようなエレクトロクロミック素子では、電極から電力を供給し、イオン伝導性のB相を通してA相にキャリアーを注入することにより、導電性のA相に色変化を生じさせることができる。このエレクトロクロミック素子は、応答速度が速く、高分子薄膜の膜厚を厚くすれば充分な光学密度を得ることもできる。
図1に本発明に係るエレクトロクロミック素子の一例を示す。図1において、ガラス基板101に形成された透明電極102上にブロック共重合体の溶液を塗布し、乾燥することにより相分離膜103が形成されている。この相分離膜103上に電解質層104を介して対極105が形成されている。電解質層104は電解質溶液を含浸させた固体電解質でもよいし、電解質溶液を充填してもよい。
ここで、対極105側に別種のポリマー種から構成された相分離膜を設け、対極105側においてもエレクトロクロミック現象を同時に起こさせてもよい。
なお、機能素子の性能を向上させるために、A相またはB相のいずれかにドーパントなどの添加剤を偏在させるようにしてもよい。このような素子を作製するには、ブロック共重合体の塗布溶液にA相またはB相のいずれか一方に特異的に親和性の良好なドーパントを混合し、相分離過程で一方の相のみにドーパントを偏在させることもできる。また、ドーパントをブロック共重合体を構成する一方の高分子鎖に化学的に結合させてもよい。
また、三次元共連続ミクロ相分離構造においては、A相とB相との界面において高分子鎖Aと高分子鎖Bとの結合点がシート状に配列して形成される。したがって、両高分子鎖の結合点に機能性分子を導入すると、A相とB相との界面に機能性分子からなる分子レベルの超薄膜を形成することができる。たとえば機能性分子としてエレクトロクロミック性を示す分子を用いれば、非常に高効率で高速応答性のエレクトロクロミック素子を形成することができる。
同様にして、A相とB相との界面に非常に薄い絶縁層を形成することもできる。たとえばオリゴ(ジ−t−ブトキシシロキサン)をA相とB相との界面にシート状に凝集させ、好ましくは酸触媒を作用させながら加熱すると、t−ブトキシ基の脱離および生成したシラノール基の脱水縮合反応が起こり、シリコン酸化膜が生成する。こうして界面に形成される絶縁層は非常に薄くすることができ、しかも原理的に欠陥が生じない。したがって、電解コンデンサーなどを形成する場合に非常に有用である。
次に、本発明のアクチュエータは、電気化学的な反応によって分子容が変化する有機高分子鎖からなる相と固体電解質からなる相とが共連続構造を形成した高分子成形体を用いる。
電気化学的な反応によって分子容が変化する有機高分子としては、ポリアニリンやポリピロールなどの共役性高分子からなる導電性の高分子が挙げられる。
固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド(PEO)などのイオン伝導性の高分子や、電解質溶液を含浸したポリマーゲルが挙げられる。
このアクチュエータを構成する高分子成形体としては、上述した機能素子と同様にブロック共重合体を用いた三次元共連続ミクロ相分離構造を有するものを用いてもよい。ただし、アクチュエータに用いられる高分子成形体に関しては、必ずしも2種の高分子相の界面が化学的結合によって接合されている必要はない。たとえば、ポリアニリンやポリピロールの三次元綱目状の成形体を形成し、その開口部に固体電解質や電解質溶液を含浸したポリマーゲルを充填したものでもよい。具体的には、アクリロニトリル多孔質ゲルに電解質塩のプロピレンカーボネート溶液を含浸したものを用いることができる。
アクチュエータを構成する高分子成形体の各相に電力を供給する手段としては、上述した機能素子と同様に、導電性高分子相および固体電解質相のそれぞれに接続された電極を用いる。
導電性高分子相に接続される電極としては、電気化学的に安定な材質からなるものを用いる。具体的には、貴金属(白金、金)やカーボンを用いることが好ましい。カーボン電極の形態は、フィルム、繊維、クロスのいずれでもよい。なお、導電性高分子が高い導電性を示す場合には、特に電極を設けなくてもよい。
固体電解質相に接続される電極は、電解質との界面における接触面積が大きいものが好ましい。たとえば、白金黒や多孔質カーボン電極が挙げられる。多孔質カーボン電極としては、表面積が1000〜2000cm2/g程度のものを用いることが好ましい。
このアクチュエータにおいても、高分子成形体の導電性高分子相と固体電解質相との界面の面積が非常に大きいため、固体電解質相と導電性高分子相との間で電解質の交換が非常にスムーズに進行するため、応答速度を向上させるのに有利になる。
このアクチュエータの構造は、単独の高分子成形体を有するものでもよいし、いわゆるバイモルフ構造を有するものでもよい。本発明に係るアクチュエータの例を図2および図3に示す。
図2のアクチュエータは、相分離膜201の一端部において、片面に白金電極202を接続し、他方の面に固体電解質膜204が表面に形成されたカーボン電極203を接続したものである。図3のアクチュエータは、電解質層205を2枚の相分離膜201で挟み、2枚の相分離膜201にそれぞれ白金電極202を接続した、いわゆるバイモルフ型のものである。図2および図3のいずれのアクチュエータも、封止フィルムで封止してもよい。
次に、本発明に係る新規な構造を有するアクチュエータについて説明する。このアクチュエータは、間隔を隔てて同軸的に配置された径の異なる筒状部材と、内側の筒状部材の外壁と外側の筒状部材の内壁とを互いに連結する伸縮可能なアクチュエータ部とを有する。
図4(A)、(B)、(C)に、このアクチュエータの基本的な構造を示す。(A)は斜視図、(B)は(A)を破断した図、(C)は端面から見た図である。図4に示すように、径の異なる1対の筒状部材1a、1bを間隔を隔てて同軸的に配置し、両者の間隙に内側の筒状部材1aの一端側(図では右側)外壁と外側の筒状部材1bの他端側(図では左側)内壁とを連結するように伸縮可能なアクチュエータ部2を設けている。
このアクチュエータは、たとえば電解質溶液中に浸漬して使用される。アクチュエータ部は共役性高分子などの導電性高分子からなり、電気化学的な反応に伴う電解質イオンの侵入による膨潤によって動作する。この場合、アクチュエータ部2へ駆動エネルギーを供給するには、アクチュエータ部2へ通電できるようにした状態でアクチュエータ全体を電解質溶液に浸漬するとともに、対極を電解質溶液に浸漬して、電源から電力を供給する。アクチュエータ部2への通電は、たとえばアクチュエータ部2を導電性接着層で筒状部材に接着し、電源からのリード線を導電性接着層に接続することにより可能である。そして、アクチュエータ部2、2の伸縮に応じて、外側の筒状部材1bは内側の筒状部材1aに対して図の右側または左側へスライドする。
なお、図4においては、筒状部材は円筒状のものを2個用い、アクチュエータ部は線状で対称的な位置に2個配置しているが、これらの形状、個数、配置は所望の使用形態に応じて自由に選択できる。
本発明のアクチュエータにおいて作動量および伸縮率を増大するには、図4に示すような内側の筒状部材、外側の筒状部材およびこれらを連結するアクチュエータ部を単位アクチュエータとして、複数の単位アクチュエータを同軸的に配置することが好ましい。
図5(A)および(B)に、このようなアクチュエータの例を示す。図5に示すように、長さがβで径の異なる筒状部材1a、1b、1c、1dを間隔を隔てて同軸的に配置し、内側の筒状部材の一端側(図では右側)外壁と外側の筒状部材の他端側(図では左側)内壁とを連結するように伸縮可能なアクチュエータ部2を設けている。それぞれのアクチュエータ部がαだけ収縮したとすると、筒状部材1bは筒状部材1aと相対的にαだけスライドし、筒状部材1cは筒状部材1bと相対的にαだけスライドし、筒状部材1dは筒状部材1cと相対的にαだけスライドする。このように複数の単位アクチュエータが協奏的に作動する結果、全体の作動量は積算されて3αとなる。しかも、伸縮率は筒状部材の長さβに対する作動量の割合であるので、作動量の増大とともに伸縮率も増大する。このような効果は、単にアクチュエータを直列に連結した場合には得られない。すなわち、直列に連結したものでは作動量を大きくすることは可能だが、初期状態の長さも長くなっているため、伸縮率を増大させることはできない。本発明のアクチュエータにおいて、伸縮率を効果的に増大させるためには、単位アクチュエータの数が多いほど好ましい。
なお、上記においてはアクチュエータ部が収縮する場合の動作について説明したが、アクチュエータ部が伸張する場合には作動方向が逆方向になるだけで、上記と同様に作動量および伸縮率を増大させる効果が得られる。また、本発明のアクチュエータは以下に示すように種々の変形例が考えられる。
図6(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータは、内側の筒状部材1aと外側の筒状部材1bとを連結するために、2種のアクチュエータ部2、3を用いている。アクチュエータ部2は内側の筒状部材1aの右側外壁と外側の筒状部材1bの左側内壁とを連結している。アクチュエータ部3は内側の筒状部材1aの左側外壁と外側の筒状部材1bの右側内壁とを連結している。そして、これらのアクチュエータ部2、3を、一方が収縮し他方が伸長するように作動させる。たとえば、アクチュエータ部2を収縮させ、アクチュエータ部3を伸長させると、図6(B)に示すように外側の筒状部材1bは内側の筒状部材1aに対して相対的に右側へスライドする(順作動)。また、アクチュエータ部2を伸長させ、アクチュエータ部3を収縮させると、図6(C)に示すように外側の筒状部材1bは内側の筒状部材1aはに対して相対的に左側へスライドする(逆作動)。
このアクチュエータでは、順作動時および逆作動時の作動量および出力を同等にすることができる。ここで、図5のアクチュエータでは、アクチュエータ部が収縮するときよりも、アクチュエータ部が伸長するときに得られる作動量および出力が小さくなる可能性がある。これは、アクチュエータ部は可撓性を有するため、伸長時に負荷がかかった場合に座屈する可能性があるからである。これに対して、図6のアクチュエータでは、順作動時でも逆作動時でも、収縮したアクチュエータ部が負荷の一部を負担するため座屈が起こりにくい。
図7(A)、(B)に示すアクチュエータは、アクチュエータ部と同様に伸縮可能な材料で形成した、径の異なる筒状部材4a、4bを間隔を隔てて同軸的に配置し、内側の筒状部材4aの一端側外壁と外側の筒状部材4bの他端側内壁とを連結するように伸縮可能なアクチュエータ部2、2を設けている。そして、アクチュエータ部2が収縮したときに、アクチュエータ部を兼ねる筒状部材4a、4bが伸長するように作動させる。このアクチュエータは、筒状部材が伸長しないものと比較して、作動量および伸縮率を増大させることができる。
図8(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータは、アクチュエータ部2を筒状部材1a、1bの中心軸に対して角度をつけて配置したものである。(A)は全体の斜視図、(B)は内側の筒状部材1aに対するアクチュエータ部2の配置を示す図である。このアクチュエータでは、(C)に示すように、アクチュエータ部2の伸縮に伴い、筒状部材が軸方向にスライドするとともに軸を中心として回転運動する(捩れる)。
図9に示すアクチュエータは、アクチュエータ部2を筒状部材1a、1b、1cの周方向に沿って配置したものである。このアクチュエータでは、たとえばアクチュエータ部2が収縮すると、筒状部材が軸を中心として矢印方向に回転運動する。
次に、本発明のアクチュエータを構成する筒状部材およびアクチュエータ部の材質および形状、ならびにその他に電解質溶液などについて説明する。
筒状部材の材質は、可撓性を有するが縦方向の剛性が充分大きく、特に圧縮応力が加わったときに座屈変形しないものが好ましい。具体的には、ポリイミド、ポリアミド(たとえば各種ナイロン、アラミド樹脂)、ポリエーテル(たとえばポリオキシメチレン)、ポリエステル(たとえばポリエチレンフタレート)、ビニル樹脂(たとえばポリ塩化ビニル)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂(たとえばPTFE)、イオン交換樹脂などが好ましい。また、筒状部材はアクチュエータ部および他方の筒状部材と擦れ合うため、表面の摩擦抵抗が小さいものが好ましい。この観点から、筒状部材の材質としては、ナイロン、フッ素樹脂のように自己潤滑性のあるものが好ましい。固体潤滑剤(たとえば二硫化タングステン、二硫化モリブデン)を混合した樹脂や、表面にフッ素樹脂や各種の潤滑剤をコーティングした樹脂を用いてもよい。筒状部材はこれらの樹脂を単独で用いて形成してもよいし、複数の樹脂を混合したりアロイ化して形成してもよい。一般に筒状部材にはこれらの樹脂からなるパイプが用いられるが、いくつかの樹脂フィルムを積層し、筒状に成形したものを用いてもよい。樹脂とガラス繊維やカーボン繊維との複合体でもよい。上述したような樹脂の繊維で編んだ織物や不織布を用いてもよい。
筒状部材の形状は、図4〜図9に示したように、一般に円筒に近い形状が用いられるが特に限定されない。ただし、アクチュエータの円滑な作動を確保するために、断面形状が一定であるのが望ましい。また、最も内側に位置する筒状部材は必ずしも中空の筒である必要はなく、中実の棒状でもよい。
筒状部材は、縦応力に対する剛性を高めて座屈を防ぐために、一般的には周面に切れ目のない完全な筒状であることが好ましい。ただし、たとえば図10の各種の例に示すように、完全に閉じていない断面形状を有するものでもよい。
また、アクチュエータ部や他の筒状部材との接触による摩擦抵抗を軽減するために、筒状部材の表面にグルーブやエンボス(微小突起群)を形成して接触面積が小さくなるようにしてもよい。特に筒状部材の長軸方向に沿ってグルーブを形成すると、筒状部材が座屈しにくくなるため好ましい。アクチュエータ部を電解液に浸漬するタイプのアクチュエータでは、グルーブやエンボスを形成した筒状部材を用いると、アクチュエータ部周辺の電解液の液回りが改善される点でも有利になる。電解質の液回りを改善するためには、筒状部材に多数のスリットを形成したり、多孔質の筒状部材を用いてもよい。
また、図11に示すように、筒状部材1aにリブ6を設け、隣接する2つのリブ6、6の間にアクチュエータ部2を設置することによって、アクチュエータ部2と筒状部材1a、1bとの摺動抵抗を軽減することができる。図11に示すような筒状部材はたとえば光造形法によって製造することができる。また、特開平7−60843に開示されている複合光造形法により、所定の樹脂を用いて筒状部材を光造形法によって形成すると同時に、アクチュエータ部も光造形法によって併せて形成することもできる。
アクチュエータ部の材料としては、形状記憶樹脂、ケモメカニカルゲル、または共役性高分子(たとえばポリアニリン)を用いることができる。
形状記憶樹脂を用いたアクチュエータ部では、形状記憶樹脂の成形体に、超弾性金属材料や電熱素子たとえばカーボンからなる加熱用ヒーターもしくは冷却用ペルチェ素子を設置して駆動エネルギーを供給する。電熱素子は、アクチュエータ部として機能する成形体の変形を妨げず、かつ成形体に良好に熱伝導するように設置することが好ましい。
ケモメカニカルゲルとしては、電気応答型ケモメカニカルゲル、たとえばポリビニルアルコールとポリアクリル酸ナトリウムの共重合体ゲル、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ゲル、アクリロニトルゲル、アクリルアミドゲル、またはイオン交換樹脂(パーフルオロスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸など)が挙げられる。これらの電気応答型ケモメカニカルゲルの成形体の表面または表層部に、ゲルの変形を妨げにくいように白金薄膜、金薄膜または導電性ポリマー薄膜からなる駆動用電極を設置して駆動エネルギーを供給する。また、ケモメカニカルゲルとして、熱応答性ケモメカニカルゲル、たとえばポリ−N−イソプロピルアクリルアミドとポリアクリルアミドのIPN型ゲルや、ポリビニルメチルエーテルゲルを用いることもできる。熱応答性ケモメカニカルゲルに対しては、超弾性金属材料や電熱素子たとえばカーボンからなる加熱用ヒーターもしくは冷却用ペルチェ素子を設置して駆動エネルギーを供給する。その他、pHの変化によって変形するゲル、たとえばポリサイラミンゲルも用いることができる。
共役性高分子としては、ドープされたポリピロールやポリチオフェンなどの複素環式共役性高分子、ポリアニリンなどの含ヘテロ原子共役性高分子が挙げられる。共役性高分子を用いたアクチュエータ部では共役性高分子の成形体に好ましくは導電性材料を設置して電解質溶液中に浸漬するとともに、対極を電解質溶液に浸漬し、電源から電力を供給する。アクチュエータ部を構成する共役性高分子が電気化学的に酸化されると内部にホールが生成する。この結果、電気的中性を補償するため、電解質溶液から陰イオンがアクチュエータ部へ侵入する。そして、陰イオンの侵入による膨潤が主たる原因となってアクチュエータ部の体積が膨張する。こうした共役性高分子からなるアクチュエータ部は、他のケモメカニカルゲルなどを用いたものと比較して作動速度が速い点で好ましい。
電解質溶液は水溶液でも有機溶媒の溶液でもよい。有機溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、モノグリム、アセトン、4−メチル−2−ペンタノン、アセチルアセトン、アセトニリル、プロピオニトル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ニトロメタン、ジクロロメタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、酢酸、1、2−ジクロロエタン、ベンゾニトリルなどが挙げられる。
アクチュエータ部としてポリアニリンを用いる場合、電解質溶液として一般的にHCl,HBr,HClO4,H2SO4,HBF4,ベンゼンスルホン酸などの酸の水溶液を用いる。
電解質溶液に界面活性剤を添加すると、アクチュエータ部への電解質溶液の浸透性や液回りが改善される。界面活性剤を添加した電解質溶液は、アクチュエータの摺動部に浸透し、潤滑剤として摺動抵抗を軽減する作用も示す。界面活性剤としては電解質や電解反応によって変質せず、共役性高分子の電解反応を阻害しないものがよく、たとえばフッ素系の界面活性剤などが用いられる。また、アクチュエータを構成する筒状部材などの表面も電解質溶液との親和性が高いことが好ましい。たとえば、電解質溶液として水溶液を用いる場合、筒状部材を構成する樹脂の表面をプラズマ放電処理、グロー放電処理、オゾン酸化処理などによって親水化することが好ましい。また、筒状部材の表面にポリビニルアルコールなどの親水性物質を塗布したり、化学的に結合させてもよい。
電解質溶液の代わりに、多孔質高分子に電解質溶液を含浸させてゲル状にしたものを用いてもよい。多孔質高分子としては、たとえばポリアクリトニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。電解質溶液の代わりに、固体電解質を用いてもよい。固体電解質を用いれば、全固体のアクチュエータとすることができる。このようなアクチュエータでは、固体電解質がアクチュエータ部と密着して設置されるため、固体電解質は可撓性および伸縮性を有するものであることが好ましい。こうした固体電解質としては、ポリエーテル骨格を有する化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、ポリエステル骨格を有する化合物(ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトンなど)、ポリアミン骨格を有する化合物(ポリエチレンイミンなど)、ポリスルフィド骨格を有する化合物(ポリアルキレンスルフィドなど)が挙げられる。
共役性高分子の成形体は多くの場合充分な導電性を有するため、こうした成形体からなるアクチュエータ部の一部に電力供給用のリード線などを設置するだけで駆動用電源から駆動電流を供給することができる。ただし、より確実に導電性を与えるためには、アクチュエータ部の表面または内部に、金属(金、白金など)、カーボン、導電性ポリマーなどを、アクチュエータ部の変形を妨げないように薄膜、繊維、メッシュなどの形態で設置することが好ましい。また、アクチュエータ部を構成する成形体中に金属やカーボンからなる導電性微粒子を分散させてもよい。また、アクチュエータ部の配線を簡便にするために、筒状部材を導電性にするとともに筒状部材とアクチュエータ部との接着部を導電性にして、それぞれのアクチュエータ部を直列に接続することが好ましい。
アクチュエータ部の形状は、線状(繊維状)、フィルム状(短冊状)、筒状のいずれでもよい。筒状のアクチュエータ部はフィルムを筒状に巻いたものでもよいし、繊維を編んだものでもよい。
本発明に係るアクチュエータを作製するには、たとえば内側の筒状部材の一端部に接着剤(好ましくは導電性接着剤)を用いて短冊状または繊維状のアクチュエータ部の一端部を接着し、これを外側の筒状部材の内部に挿入し、外側の筒状部材の他端部に接着剤(好ましくは導電性接着剤)を用いて短冊状または繊維状のアクチュエータ部の他端部を接着する方法を用いることができる。
本発明に係るアクチュエータは、たとえば図12に示す装置を用い、図13に示すようにして作製することもできる。図12に示す装置は、アクチュエータを構成する最も内側の筒状部材1aを回転可能に保持する芯棒51と、スライド可能に保持され筒状部材1aに各種の塗布液を吹き付けるノズル52とを有する。
塗布液としては、それぞれ筒状部材およびアクチュエータ部を構成する樹脂を溶液、融液、分散液または微粉末などの塗布可能な状態にしたものを用意する。また、接着剤の塗布液と、後に除去される犠牲層の塗布液を用意する。まず、筒状部材1aを回転させながら、接着剤11の塗布液および犠牲層15の塗布液を塗布した後、加熱乾燥、加熱融着などの後処理を行う。次に、アクチュエータ部2の塗布液を塗布した後、後処理を行う。同様に、接着剤11の塗布液および犠牲層15の塗布液の塗布および後処理、ならびに筒状部材1bの塗布液の塗布および後処理を行う。これらの工程を所望の回数だけ繰り返す。この状態を図13(A)の断面図および図13(A)の端面図に示す。次いで、湿式または乾式のエッチングによって犠牲層15の部分を除去する。この状態を図13(C)の断面図および図13(D)の端面図に示す。その後、リード線の接続などを行い、アクチュエータを完成させる。ただし、筒状部材とアクチュエータ部とが剥離しやすい場合には、必ずしも犠牲層を設ける必要はない。
なお、塗布液を塗布するには、上記のようにノズルから吹き付ける方法に限らず、ディップコーティング法、刷毛塗り法、ドクターブレード法を用いてもよい。特に、ディップコーティング法では使用できる筒状部材の形状の自由度が大きく、径の小さいアクチュエータを作製するのにも有利である。また、中空の筒状部材の内部空間にさらにアクチュエータ部および筒状部材を形成することもできる。
本発明のアクチュエータは、歪みセンサーなどの各種センサーを取り付けることによって位置制御することができる。たとえば、内側および外側の筒状部材の一部を導電性にしてキャパシタを形成し、これらの筒状部材が相対的にスライドする際に生ずる静電容量の変化をモニターしてもよい。また、たとえばアクチュエータ部がポリアニリンなどの電解伸縮を利用するものである場合、外部応力が作用するとアクチュエータ部に誘起電流が流れるので、この誘起電流をモニターすることにより外部応力を測定できる。
以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1
両末端にアミノフェニルオキシ基を有する重量平均分子量約10000のポリエチレンオキシド(PEO)の存在下で、アニリンを酸化重合することにより、ポリアニリン(塩基性エメラルディン)−PEO−ポリアニリン(塩基性エメラルディン)トリブロック共重合体を得た。このトリブロック共重合体の重量平均分子量は約18000であった。
両末端にアミノフェニルオキシ基を有する重量平均分子量約10000のポリエチレンオキシド(PEO)の存在下で、アニリンを酸化重合することにより、ポリアニリン(塩基性エメラルディン)−PEO−ポリアニリン(塩基性エメラルディン)トリブロック共重合体を得た。このトリブロック共重合体の重量平均分子量は約18000であった。
また、片末端にアミノフェニルオキシ基を有する重量平均分子量約10000のポリエチレンオキシド(PEO)の存在下で、アニリンを酸化重合することにより、ポリアニリン(塩基性エメラルディン)−PEOのジブロック共重合体を得た。このジブロック共重合体の重量平均分子量は約22000であった。
比較のために、ポリアニリン(塩基性エメラルディン)単独重合体を用意した。
上記のトリブロック共重合体をトルエンに溶解し、基板上に塗布して乾燥した後、基板から剥離して膜厚30μmの膜を得た。TEM観察したところ、この膜はOBDD型の共連続相分離構造を形成していた。電極として、白金電極、および表面積1300m2/gのカーボン電極の表面をPEOで被覆したものを用意した。図2に示すように、相分離膜201の一端部において、片面に白金電極202を取り付け、他方の面にPEO膜204側を接触させてカーボン電極203を取り付けた。相分離膜201を1M/LのHBF4水溶液中に1時間浸漬した後、一晩室温で風乾してアクチュエータを作製した。
また、トリブロック共重合体の代わりにジブロック共重合体を用い、上記と同様にしてアクチュエータを作製した。
比較のために、トリブロック共重合体の代わりにポリアニリン単独重合体を用い、上記と同様にしてアクチュエータを作製した。
それぞれのアクチュエータを1.5Vの直流電圧で駆動し、最大伸縮に要する時間を測定した。その結果、トリブロック共重合体およびジブロック共重合体の相分離膜を用いたアクチュエータでは約0.1秒で最大伸縮に達した。一方、ポリアニリン単独重合体の膜を用いたアクチュエータは最大伸縮に要する時間が約3秒で非常に駆動が遅く、繰り返し特性も劣っていた。
実施例2
実施例1で用いたのと同じ膜厚30μmのトリブロック共重合体の相分離膜を2枚用意した。また、膜厚50μmの架橋ポリビニルアルコール膜を用意し、これを1M/Lの塩酸水溶液を含浸した。図3に示すように、架橋ポリビニルアルコール膜からなる電解質層205を2枚の相分離膜201で挟み、2枚の相分離膜201にそれぞれ白金電極202を取り付けてバイモルフ型アクチュエータを作製した。
実施例1で用いたのと同じ膜厚30μmのトリブロック共重合体の相分離膜を2枚用意した。また、膜厚50μmの架橋ポリビニルアルコール膜を用意し、これを1M/Lの塩酸水溶液を含浸した。図3に示すように、架橋ポリビニルアルコール膜からなる電解質層205を2枚の相分離膜201で挟み、2枚の相分離膜201にそれぞれ白金電極202を取り付けてバイモルフ型アクチュエータを作製した。
また、トリブロック共重合体の代わりにジブロック共重合体を用い、上記と同様にしてバイモルフ型アクチュエータを作製した。
比較のために、トリブロック共重合体の代わりにポリアニリン単独重合体を用い、上記と同様にしてバイモルフ型アクチュエータを作製した。
それぞれのアクチュエータを1.5Vの直流電圧で駆動し、最大伸縮に要する時間を測定した。その結果、トリブロック共重合体の相分離膜を用いたアクチュエータでは約0.2秒、ジブロック共重合体の相分離膜を用いたアクチュエータでは約0.1秒でそれぞれ最大伸縮に達した。一方、ポリアニリン単独重合体の膜を用いたアクチュエータは最大伸縮に要する時間が約3秒で非常に駆動が遅く、繰り返し特性も劣っていた。
実施例3
重量平均分子量約10万のポリアニリン(塩基性エメラルディン)とポリメチルメタクリレートのN−メチルピロリジノン(NMP)混合溶液を基板に塗布して乾燥した後、剥離してキャストフィルムを得た。このフィルムをトルエンで洗浄してポリメチルメタクリレートを溶出させ、多孔質ポリアニリンフィルムを得た。TEM観察から細孔の平均径は約0.2μmで大部分の細孔が連続細孔であった。このキャストフィルムをポリビニルアルコールの塩酸溶液に浸漬した後、風燥して膜厚30μmのポリアニリン−ポリビニルアルコール複合膜を作製した。
重量平均分子量約10万のポリアニリン(塩基性エメラルディン)とポリメチルメタクリレートのN−メチルピロリジノン(NMP)混合溶液を基板に塗布して乾燥した後、剥離してキャストフィルムを得た。このフィルムをトルエンで洗浄してポリメチルメタクリレートを溶出させ、多孔質ポリアニリンフィルムを得た。TEM観察から細孔の平均径は約0.2μmで大部分の細孔が連続細孔であった。このキャストフィルムをポリビニルアルコールの塩酸溶液に浸漬した後、風燥して膜厚30μmのポリアニリン−ポリビニルアルコール複合膜を作製した。
この複合膜を用いて図3と同様な構造を有するバイモルフ型アクチュエータを作製した。このアクチュエータを1.5Vの直流電圧で駆動したところ、最大伸縮に要する時間は約0.5秒であった。
実施例4
以下のようにして図1に示すエレクトロクロミック素子を作製した。ITOからなる透明電極102が形成されたガラス基板101上に、実施例1で用いたのと同じトリブロック共重合体のトルエン溶液をスピンコーティングして、膜厚1μmの相分離膜103を形成した。この相分離膜103上に、厚さ50μmのスペーサーを介してカーボン電極105を設置した。そして、相分離膜103とカーボン電極105との間隙に1M/Lの塩酸水溶液を充填して電解質層104とした。
以下のようにして図1に示すエレクトロクロミック素子を作製した。ITOからなる透明電極102が形成されたガラス基板101上に、実施例1で用いたのと同じトリブロック共重合体のトルエン溶液をスピンコーティングして、膜厚1μmの相分離膜103を形成した。この相分離膜103上に、厚さ50μmのスペーサーを介してカーボン電極105を設置した。そして、相分離膜103とカーボン電極105との間隙に1M/Lの塩酸水溶液を充填して電解質層104とした。
また、トリブロック共重合体の代わりにジブロック共重合体を用い、上記と同様にしてエレクトロクロミック素子を作製した。
比較のために、トリブロック共重合体の代わりにポリアニリン単独重合体を用い、上記と同様にしてエレクトロクロミック素子を作製した。
これらのエレクトロクロミック素子の応答速度を測定した。その結果、ポリアニリン単独重合体を用いた素子の応答速度と比較して、トリブロック共重合体を用いた素子では約12倍、ジブロック共重合体を用いた素子では約9倍の応答速度が得られた。
次に、電解質層104として塩酸水溶液の代わりに塩酸含浸ポリビニルアルコールを充填した以外は上記と同様にして3種のエレクトロクロミック素子を作製した。
これらのエレクトロクロミック素子の応答速度を測定した。その結果、ポリアニリン単独重合体を用いた素子の応答速度と比較して、トリブロック共重合体を用いた素子では約8倍、ジブロック共重合体を用いた素子では約11倍の応答速度が得られた。
実施例5
13.3mLのアリニンと1.33mol/mLの塩酸150mLとの混合溶液を−5℃に保ち、この溶液に過硫酸アンモニウム15.33gを溶解した水溶液26.7mLを1時間かけて滴下し、一晩撹拌した。沈殿をろ別し、1Mの塩酸水溶液でろ液が無色になるまで洗浄し、さらに純水で充分洗浄した。得られた固体を1Mのアンモニア水に投入してよく撹拌した。再び沈殿をろ別し、アンモニア水で数回洗浄し、さらに水洗した。真空乾燥して4.5gの塩基性エメラルディンの粉末を得た。
13.3mLのアリニンと1.33mol/mLの塩酸150mLとの混合溶液を−5℃に保ち、この溶液に過硫酸アンモニウム15.33gを溶解した水溶液26.7mLを1時間かけて滴下し、一晩撹拌した。沈殿をろ別し、1Mの塩酸水溶液でろ液が無色になるまで洗浄し、さらに純水で充分洗浄した。得られた固体を1Mのアンモニア水に投入してよく撹拌した。再び沈殿をろ別し、アンモニア水で数回洗浄し、さらに水洗した。真空乾燥して4.5gの塩基性エメラルディンの粉末を得た。
乳鉢にNMPを入れ、塩基性エメラルディンの粉末を少しずつ加えながらよく撹拌して8wt%の割合に溶かした。この溶液を水平に置いたスライドガラス板上に均一な厚さに塗布し、50℃で乾燥して厚さ約35μmの薄膜を得た。この薄膜を130℃に加熱しながら一軸延伸して約3倍に引き伸ばした。得られたエメラルディン薄膜を長さ6cm、幅3mmの短冊状に切り出しアクチュエータ部2として用いた。一方、径の異なるナイロンパイプからなる筒状部材1a、1b、1c、1dを用意した。
これらを用いて以下のようにしてアクチュエータを作製した。図14(A)に示すように、内側の筒状部材の上端部外壁に導電性接着層11を塗布し、その4個所に短冊状のアクチュエータ部2の上端部を接着した。これを外側の筒状部材に挿入し、外側の筒状部材の下端部内壁に導電性接着層11を塗布し、その4個所で短冊状のアクチュエータ部2の下端部を接着した。これらの作業を繰り返して、図14(B)および(C)に示すようなアクチュエータを作製した。
次に、図14(D)に示すように、得られたアクチュエータ10の導電性接着層にリード線を接続し、1MのHBF4水溶液からなる電解質溶液31にアクチュエータを直立するように浸漬した。また、この電解質溶液31にPtからなる対極21を浸漬した。そして、アクチュエータ部2および対極21をリード線を介して直流電源に接続した。
このアクチュエータのアクチュエータ部に電圧を印加して収縮させたところ、作動量は最大で5.2mm、伸縮率は8.7%であった。比較のために、長さ6cm、幅3mmの短冊形エメラルディンフィルムからなるアクチュエータ部単体を同様の条件で作動させたところ、作動量は最大で1.7mm、伸縮率は2.8%であった。このように本発明のアクチュエータでは、アクチュエータ部単体と比較して、作動量および伸縮率ともに約3倍に増大した。
また、図14のアクチュエータを半径5cmの円周上に沿わしてしならせた状態で上記と同一条件で作動させたところ、伸縮率は7.8%となった。
次に、図14のアクチュエータを厚さ10μmのラバーバッグ(図示せず)で包み、その内部に上記と同一の電解質溶液を充填した。このアクチュエータを上記と同一条件で作動させたところ、伸縮率は8.5%であった。
なお、電解質溶液にフッ素系界面活性剤(3M社製、Fluorad FC−430)を0.1%添加してアクチュエータを作動させたところ、伸縮速度が1.5倍に増大した。しかも、伸長動作および収縮動作を繰り返した際のヒステリシスが小さくなった。これは、界面活性剤を加えたことにより、筒状部材どうしおよび筒状部材とアクチュエータ部との摺動抵抗が低減したためであると思われる。フッ素系界面活性剤 としてFluorad FC−95, Fluorad FC−98,Fluorad FC−134,Fluorad FC−170C(いずれも3M社製)を用いた場合にも上記と同様の結果が得られた。
また、電解質溶液をそれぞれHCl、HBr、HClO4、H2SO4、ベンゼンスルホン酸の水溶液に変更しても、上記と同様の作動量および伸縮率の増大効果が得られた。
実施例6
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を長さ6cm、幅1.5mmの短冊状に切り出したものをアクチュエータ部として用い、実施例5と同様な方法で図15(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータを作製した。本実施例では、内側の筒状部材の上端外壁と外側の筒状部材の下端内壁とを連結するアクチュエータ部2と、内側の筒状部材の下端外壁と外側の筒状部材の上端内壁とを連結するアクチュエータ部3とを周方向に沿って交互に配置している。そして、これらのアクチュエータ部2、3を、一方が収縮し他方が伸長するように作動させる。
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を長さ6cm、幅1.5mmの短冊状に切り出したものをアクチュエータ部として用い、実施例5と同様な方法で図15(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータを作製した。本実施例では、内側の筒状部材の上端外壁と外側の筒状部材の下端内壁とを連結するアクチュエータ部2と、内側の筒状部材の下端外壁と外側の筒状部材の上端内壁とを連結するアクチュエータ部3とを周方向に沿って交互に配置している。そして、これらのアクチュエータ部2、3を、一方が収縮し他方が伸長するように作動させる。
実施例5(図14(D))と同様に、得られたアクチュエータを直立させた状態で電解質溶液中に浸漬し、対極を浸漬して直流電源に接続した。
このアクチュエータをアクチュエータ部2が収縮し、アクチュエータ部3が伸長するように作動させたところ、作動量は最大で5.3mm、伸縮率は8.8%となり、アクチュエータ部単体と比較して作動量および伸縮率ともに約3倍に増大した。一方、このアクチュエータをアクチュエータ部2が伸長し、アクチュエータ部3が収縮するように作動させたところ、作動方向が上記と逆になっただけで上記と同様な作動量および伸縮率が得られた。なお、実施例5のアクチュエータでは、アクチュエータ部が伸長するように作動させたときの作動量は、アクチュエータ部が収縮するように作動させたときの作動量の約65%であった。以上のことから、本実施例のアクチュエータは作動方向が正逆いずれの場合でのほぼ同一の作動量および伸縮率が得られる点で好ましいことがわかる。
また、図15のアクチュエータを半径5cmの円周上に沿わしてしならせた状態で上記と同一条件で作動させたところ、伸縮率は7.8%となった。
次に、図15のアクチュエータを厚さ10μmのラバーバッグで包み、その内部に電解質溶液を充填した。このアクチュエータを上記と同一条件で作動させたところ、伸縮率は7.9%となった。
なお、電解質溶液にフッ素系界面活性剤(3M社製、Fluorad FC−430)を0.5%添加してアクチュエータを作動させたところ、伸縮速度が1.6倍に増大した。しかも、伸長動作および収縮動作を繰り返した際のヒステリシスが小さくなった。
実施例7
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を長さ6cmの筒状に巻いたものをアクチュエータ部2として用い、実施例5と同様な方法で図16(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータを作製した。実施例5(図14(D))と同様に、得られたアクチュエータを直立させた状態で電解質溶液中に浸漬し、対極を浸漬して直流電源に接続した。
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を長さ6cmの筒状に巻いたものをアクチュエータ部2として用い、実施例5と同様な方法で図16(A)、(B)、(C)に示すアクチュエータを作製した。実施例5(図14(D))と同様に、得られたアクチュエータを直立させた状態で電解質溶液中に浸漬し、対極を浸漬して直流電源に接続した。
このアクチュエータをアクチュエータ部が収縮するように作動させたところ、伸縮率は9.1%となり、アクチュエータ部単体と比較して約3倍に増大した。
また、図16のアクチュエータを半径5cmの円周上に沿わしてしならせた状態で同様に駆動させたところ、伸長率は8.5%となった。
次に、図16のアクチュエータを厚さ10μmのラバーバッグで包み、その内部に電解質溶液を充填した。このアクチュエータを上記と同一条件で作動させたところ、伸縮率は8.1%となった。
さらに、10個の筒状部材を用い、これらを上記と同様な筒状のアクチュエータ部で連結したアクチュエータ(単位アクチュエータの個数=9個)を作製した。このアクチュエータを直立させた状態で電解質溶液中に浸漬し、対極を浸漬して直流電源に接続し、アクチュエータ部が収縮するように作動させたところ、作動量および伸縮率ともにアクチュエータ部単体と比較して約9倍に増大した。また、このアクチュエータを厚さ10μmのラバーバッグで包み、その内部に電解質溶液を充填して上記と同一条件で作動させたところ、作動量および伸縮率ともにアクチュエータ部単体と比較して約8倍に増大した。
実施例8
実施例7で用いた円筒状のアクチュエータ部の代わりに、図17(A)〜(D)に示す形状のアクチュエータ部2を用いてアクチュエータを作製した。
実施例7で用いた円筒状のアクチュエータ部の代わりに、図17(A)〜(D)に示す形状のアクチュエータ部2を用いてアクチュエータを作製した。
図17(A)のアクチュエータ部は、エメラルディン薄膜を長さ6cmの筒状に巻いて切り込みを入れたものである。
図17(B)のアクチュエータ部は、エメラルディン薄膜を幅1mmに切り出したものを目の粗いメッシュの筒状に編み上げたものである。
図17(C)のアクチュエータ部は、エメラルディン薄膜を長さ6cm、幅0.2mmの繊維とし、複数の繊維を上下に延ばして筒状にまとめ、端部を導電性ペースト11で固めたものである。
図17(D)のアクチュエータ部は、エメラルディン薄膜を幅0.2mmの繊維として編んだクロスを筒状に巻いて、端部を導電性ペースト11で固めたものである。
実施例5(図14(D))と同様に、得られたそれぞれのアクチュエータを直立させた状態で電解質溶液中に浸漬し、対極を浸漬して直流電源に接続した。これらのアクチュエータをアクチュエータ部が収縮するように作動させたところ、アクチュエータ部単体と比較して作動量および伸縮率ともに約3倍に増大した。
また、図17(A)のアクチュエータ部を用いたアクチュエータでは、伸縮率は9.3%となり実施例7よりも若干改善された。しかも、実施例7と比較して伸縮速度が速くなった。これは筒状のアクチュエータ部に切り込みを入れたことにより、円周方向の収縮が逃げてアクチュエータ部による内接する筒状部材の締め付けが緩和されアクチュエータ部と筒状部材の摺動抵抗が軽減されたことと、電解質溶液のしみ込みが改善されたことによると思われる。図17(B)〜(D)のアクチュエータ部を用いたアクチュエータでも、アクチュエータ部の可撓性の向上と電解質溶液のしみ込みの改善により同様の効果が得られた。たとえばず17(C)のアクチュエータでは、伸長速度は実施例7のものと比較して1.2倍となった。
また、いずれのアクチュエータでも、半径5cmの円周上に沿わしてしならせた状態での作動、および厚さ10μmのラバーフィルムで包み内部に電解質溶液を充填した状態での作動で、アクチュエータ部単体よりもの約3倍の伸縮率を示した。
実施例9
本実施例では、導電性の高いアクチュエータ部を用いてアクチュエータを作製した。
本実施例では、導電性の高いアクチュエータ部を用いてアクチュエータを作製した。
実施例5で合成したポリアニリンの溶液をカーボンメッシュに含浸した後、50℃で乾燥し、130℃で加熱しながら一軸延伸して約3倍に引き伸ばした。これをアクチュエータ部として用い、実施例5と同様にアクチュエータを作製して作動させたところ、同様の作動量を得るのに要する駆動電圧が10%減少した。これは、カーボンメッシュによってポリアニリンフィルムの導電性が向上し、抵抗による電圧降下が緩和されたためと思われる。また、カーボンメッシュはカーボン繊維を斜め格子状に組んだものであるため、ポリアニリンの伸縮を妨げることがなかった。なお、カーボン繊維をコイル状に組んだものを用いた場合にも同様の効果が得られた。
次に、実施例5で合成したポリアニリンの溶液を用いて厚さ20μmのフィルムを作製し、図18に示すように厚さ15nmの金を蒸着してジグザグ状の導電パターン12を形成した後、さらにポリアニリン溶液を塗布し、厚さ40μmのフィルムとした。このフィルムを130℃で加熱しながら一軸延伸し、約3倍に引き伸ばした。これをアクチュエータ部2として実施例1と同様にしてアクチュエータを作製して作動させたところ、同様の作動量を得るのに要する駆動電圧が10%減少した。金の導体パターン12によってポリアニリンフィルムの導電性が向上し、抵抗による電圧降下が緩和されたためと思われる。また金電極をジグザグ型に蒸着したため、ポリアニリンフィルムの伸縮を妨げることがなかった。
実施例1で作製したポリアニリン薄膜を筒状に巻いて成形した。図19(A)または(B)に示すように、筒状のポリアニリン薄膜の表面に、酸水溶液を含浸させた架橋ポリエチレンオキサイドからなる固体電解質膜13を螺旋状またはジグザグ状に形成した。さらに、固体電解質膜13上に金を蒸着して導体パターン12を形成してアクチュエータ部2とした。これらのアクチュエータ部を用いてそれぞれアクチュエータを作製して作動させたところ良好に作動した。固体電解質膜13および金の導体パターン12を上述したような螺旋状またはジグザグ状に形成したため、ポリアニリンフィルムの伸縮を妨げることがなかった。
実施例10
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を幅3mm、長さ1cmの短冊状に切り出し、アクチュエータ部2として用いた。図9に示すように、アクチュエータ部2を筒状部材1a、1b、1cの周方向に沿って配置してアクチュエータを作製した。
実施例5で作製したエメラルディン薄膜を幅3mm、長さ1cmの短冊状に切り出し、アクチュエータ部2として用いた。図9に示すように、アクチュエータ部2を筒状部材1a、1b、1cの周方向に沿って配置してアクチュエータを作製した。
このアクチュエータを作動させたところ、外側の筒状部材1cは内側の筒状部材に対して12.5度回転した。この回転角は、筒状部材1a、1bとこれらを連結するアクチュエータ部2からなる単位アクチュエータの回転角の約2倍であった。
電解質溶液にフッ素系界面活性剤(3M社製、Fluorad FC−430)を0.1%添加してアクチュエータを作動させたところ、伸縮速度が1.5倍に増大し、伸長動作および収縮動作を繰り返した際のヒステリシスが小さくなった。
実施例11
ピロールおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合水溶液を用いて電解重合し、電極上にポリピロール膜を形成した。電極から膜厚30μmのポリピロール膜を剥離した。このポリピロール膜をアクチュエータ部として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製した。このアクチュエータを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの電解質溶液中で作動させたところ、アクチュエータ部単体と比較して約3倍の伸縮率が得られた。
ピロールおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合水溶液を用いて電解重合し、電極上にポリピロール膜を形成した。電極から膜厚30μmのポリピロール膜を剥離した。このポリピロール膜をアクチュエータ部として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製した。このアクチュエータを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの電解質溶液中で作動させたところ、アクチュエータ部単体と比較して約3倍の伸縮率が得られた。
電解質溶液にフッ素系界面活性剤(3M社製、Fluorad FC−430)を0.1%添加してアクチュエータを作動させたところ、伸縮速度が1.5倍に増大し、伸長動作および収縮動作を繰り返した際のヒステリシスが小さくなった。
実施例12
ポリピロールを10%含有したポリアニリン薄膜をアクチュエータ部として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製して作動させたところ、伸縮スピードが10%増大した。
ポリピロールを10%含有したポリアニリン薄膜をアクチュエータ部として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製して作動させたところ、伸縮スピードが10%増大した。
実施例13
2−ヒドロキシエチルメタクリレート97重量部、エチレングリコールジメタクリレート2重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.5重量部をよく混合し、脱気して窒素置換した後、15cmの距離を隔てて80W/cmの高圧水銀ランプから3分30秒間紫外線を照射して硬化させることにより、親水性ポリマーである架橋ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を合成した。この架橋ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を筒状に成形して筒状部材として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製した。このアクチュエータを作動させたところ、筒状部材の電解質溶液に対する濡れ性が優れているため、作動が滑らかであった。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート97重量部、エチレングリコールジメタクリレート2重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.5重量部をよく混合し、脱気して窒素置換した後、15cmの距離を隔てて80W/cmの高圧水銀ランプから3分30秒間紫外線を照射して硬化させることにより、親水性ポリマーである架橋ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を合成した。この架橋ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を筒状に成形して筒状部材として用い、実施例5と同様にしてアクチュエータを作製した。このアクチュエータを作動させたところ、筒状部材の電解質溶液に対する濡れ性が優れているため、作動が滑らかであった。
実施例14
図12に示した装置を用いた回転塗布法により、図13に示すようにしてアクチュエータを作製した。アクチュエータの各部を形成する塗布液として以下に示す溶液を調製した。
図12に示した装置を用いた回転塗布法により、図13に示すようにしてアクチュエータを作製した。アクチュエータの各部を形成する塗布液として以下に示す溶液を調製した。
筒状部材:ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液
アクチュエータ部:塩基性エメラルディンのN−メチルピロリドン溶液
犠牲層:ポリビニルピロリドン水溶液
接着層:エポキシ系接着剤
図12の芯棒51として塩化ビニル樹脂製の円筒中実ロッドを用いた。芯棒を回転させながら、順次溶液を塗布した。塗布中に赤外線ランプを用いて加熱し、塗布液の乾燥を促進した。60℃で加熱乾燥し、接着剤を完全に硬化させた。40℃の温水槽に浸漬し、必要に応じて超音波洗浄を用いて犠牲層を除去した。アクチュエータ部に駆動用のリード線を接続してアクチュエータを作製した。
アクチュエータ部:塩基性エメラルディンのN−メチルピロリドン溶液
犠牲層:ポリビニルピロリドン水溶液
接着層:エポキシ系接着剤
図12の芯棒51として塩化ビニル樹脂製の円筒中実ロッドを用いた。芯棒を回転させながら、順次溶液を塗布した。塗布中に赤外線ランプを用いて加熱し、塗布液の乾燥を促進した。60℃で加熱乾燥し、接着剤を完全に硬化させた。40℃の温水槽に浸漬し、必要に応じて超音波洗浄を用いて犠牲層を除去した。アクチュエータ部に駆動用のリード線を接続してアクチュエータを作製した。
得られたアクチュエータを界面活性剤(3M社製、商品名Fluorad FC−430)を0.1%加えた1MのHClO4水溶液に浸漬して駆動したところ、良好に伸縮作動した。
実施例15
ディップコーティング法によりアクチュエータを作製した。なお、用いた塗布液は実施例14と同じであり、塗布液を塗布した状態は図13とほぼ同様である。まず、アクチュエータの各部を形成する塗布液を用意した。
ディップコーティング法によりアクチュエータを作製した。なお、用いた塗布液は実施例14と同じであり、塗布液を塗布した状態は図13とほぼ同様である。まず、アクチュエータの各部を形成する塗布液を用意した。
筒状部材:ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液(a液)
アクチュエータ部:塩基性エメラルディンのN−メチルピロリドン溶液(b液)
犠牲層:ポリビニルピロリドン水溶液(c液)
接着層:エポキシ系接着剤(d液)
最も内側の筒状部材として塩化ビニル樹脂製の円筒中実ロッドを用いた。塩化樹脂ロッドの一端を支持し、接着層を形成する部分のみd液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、接着層を形成した。塩化樹脂ロッドの他端を支持し、犠牲層を形成する部分のみc液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、犠牲層を形成した。塩化樹脂ロッドをb液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、アクチュエータ部を形成した。塩化樹脂ロッドの他端を支持し、接着層を形成する部分のみd液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、接着層を形成した。塩化樹脂ロッドの一端を支持し、犠牲層を形成する部分のみc液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、犠牲層を形成した。塩化樹脂ロッドをa液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、外側の筒状部材を形成した。このようにして、1対の筒状部材とこれらを連結するアクチュエータ部とを有する単位アクチュエータを形成した。
アクチュエータ部:塩基性エメラルディンのN−メチルピロリドン溶液(b液)
犠牲層:ポリビニルピロリドン水溶液(c液)
接着層:エポキシ系接着剤(d液)
最も内側の筒状部材として塩化ビニル樹脂製の円筒中実ロッドを用いた。塩化樹脂ロッドの一端を支持し、接着層を形成する部分のみd液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、接着層を形成した。塩化樹脂ロッドの他端を支持し、犠牲層を形成する部分のみc液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、犠牲層を形成した。塩化樹脂ロッドをb液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、アクチュエータ部を形成した。塩化樹脂ロッドの他端を支持し、接着層を形成する部分のみd液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、接着層を形成した。塩化樹脂ロッドの一端を支持し、犠牲層を形成する部分のみc液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、犠牲層を形成した。塩化樹脂ロッドをa液に浸漬した後、引き上げて乾燥し、外側の筒状部材を形成した。このようにして、1対の筒状部材とこれらを連結するアクチュエータ部とを有する単位アクチュエータを形成した。
さらに、上記の操作を3回繰り返した。端面に付着した余分な塗布液を除去した。60℃で加熱乾燥し、接着剤を完全に硬化させた。40℃の温水槽に浸漬し、必要に応じて超音波洗浄を用いて犠牲層を除去した。アクチュエータ部に駆動用のリード線を接続してアクチュエータを作製した。作製したアクチュエータを界面活性剤(商品名Fluorad FC−430:3M社製)を0.1%加えた1MのHClO4水溶液に浸漬し駆動したところ、良好に伸縮作動した。
この方法では、最も内側の筒状部材として細い樹脂フィラメントを用い、直径2〜3mmの細いアクチュエータを形成するのに非常に有効である。
なお、上記のようにディップコーティングした後、130℃に加熱して軸方向に約3倍に延伸してアクチュエータを作製し、このアクチュエータを作動させたところ、伸縮率が1.5倍になった。
次に、筒状部材を形成するためのa液として、エポキシシラン、メタクリロキシシラン、アルコキシチタン、メタクリレートモノマーおよび過酸化物重合触媒を混合して反応させた粘性溶液(J.Non−Crystal.Solids,63(1984)283−293参照)を用い、a液塗布後、120℃で加熱して塗布液を硬化させた以外は上記と同様にしてアクチュエータを作製した。作製したアクチュエータは筒状部材の親水性が高く、電解質溶液との濡れ性に優れていた。
また、筒状部材を形成するためのa液および接着層を形成するためのd液にカーボンブラックを混合した以外は上記と同様にしてアクチュエータを作製した。得られたアクチュエータでは、筒状部材および接着層が導電性のカーボンブラックを含有しているため、すべての筒状部材およびアクチュエータ部が電気的に直列に接続されている。したがって、筒状部材またはアクチュエータ部いずれかの1個所に駆動電力供給用のリード線を接続するだけの簡単な配線で作動させることができた。
実施例16
塗布液が塗布される最初の筒状部材として、塩化ビニル製の円筒中空ロッドを用いた以外は実施例15と同様にディップコーティング法によりアクチュエータを作製した。図20に示すように、このアクチュエータは、最初の筒状部材1xの外面に筒状部材1a、1b、1cとこれらを連結するアクチュエータ部2が形成され、内面にも同様に筒状部材1a’、1b’、1c’とこれらを連結するアクチュエータ部2が形成されている。このように、円筒中空ロッドを用いてディップコーティング法によりアクチュエータを作製すれば、単位アクチュエータを容易に積層することができる。
塗布液が塗布される最初の筒状部材として、塩化ビニル製の円筒中空ロッドを用いた以外は実施例15と同様にディップコーティング法によりアクチュエータを作製した。図20に示すように、このアクチュエータは、最初の筒状部材1xの外面に筒状部材1a、1b、1cとこれらを連結するアクチュエータ部2が形成され、内面にも同様に筒状部材1a’、1b’、1c’とこれらを連結するアクチュエータ部2が形成されている。このように、円筒中空ロッドを用いてディップコーティング法によりアクチュエータを作製すれば、単位アクチュエータを容易に積層することができる。
実施例17
実施例15および16のようにディップコーティング法を採用した場合には、塗布液が塗布される最初の筒状部材として各種の形状のものを用いてアクチュエータを作製することができる。
実施例15および16のようにディップコーティング法を採用した場合には、塗布液が塗布される最初の筒状部材として各種の形状のものを用いてアクチュエータを作製することができる。
たとえば、最も内側の筒状部材1aとして図21に示すような各種の形状を有する塩化ビニル製の中実ロッドを用い、実施例15と同様にしてアクチュエータを作製して作動させたところ良好に作動した。また、これらのアクチュエータは圧縮応力に対する強度が向上した。
同様に、最初の筒状部材1xとして図22に示すような各種の形状を有する塩化ビニル製の中空ロッドを用い、実施例16と同様にしてアクチュエータを作製して作動させたところ良好に作動した。これらのアクチュエータも圧縮応力に対する強度が向上した。
また、ディップコーティング法を採用した場合、複数の筒状部材を枠体に固定して同時にディップコーティングすることもできる。そして、枠から切り離した後に、犠牲層の除去、配線の形成を行い、アクチュエータを作製することができる。
1a、1b、1c、1d、1x、4a、4b…筒状部材、2、3…アクチュエータ部、6…リブ、10…アクチュエータ、11…接着層、12…導体パターン、13…固体電解質、21…対極、31…電解質溶液、51…芯棒、52…ノズル、101…ガラス基板、102…透明電極、103…相分離膜、104…電解質層、105…対極、201…相分離膜、202…白金電極、203…カーボン電極、204…固体電解質膜、205…電解質層。
Claims (2)
- 間隔を隔てて同軸的に配置された径の異なる筒状部材と、内側の前記筒状部材の外壁と外側の前記筒状部材の内壁とを互いに連結する伸縮可能なアクチュエータ部と、前記アクチュエータ部に駆動エネルギーを供給する手段とを具備したことを特徴とするアクチュエータ。
- 内側の筒状部材、外側の筒状部材およびこれらを連結するアクチュエータ部を単位アクチュエータとして、複数の前記単位アクチュエータを同軸的に配置したことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
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