JP2006117663A - ガン治療用の当帰抽出物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガンの予防及び/又は治療に有用な成分の提供。
【解決手段】当帰(Angelicae sinensis)のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらから分離・純化された活性成分、例えば、n-ブチリデンフタリドを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガン治療に用いられる当帰(Angelicae sinensis)のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、又はヘキサン抽出物の新用途、及びそれらの純化された活性成分に関する。
ガンは、細胞内に遺伝的変化が累積し、増殖の潜在能力が与えられ、不正常の細胞増殖が発生した結果により起こるものである。ガンの治療としては、主に外科手術、化学治療、放射性照射治療、更に最近では、免疫治療などにより行なわれているが、更に新しい治療法と防止法などの出現が期待されている。
当帰は、主な伝統的漢方薬の一つとして最もよく用いられるものであり、その伝統的用途としては、増血、肝臓の機能の調整、血圧降下作用、殺菌、特に経痛時の鎮痛、コレステロールの降下に実用されている(Chinese Herbs, Shanghai Science and Technology Publication, Inc. 上海, 中国, 第5巻, 第893頁, 1999年を参照)。
中国特許CN1053747号公報には、当帰(Angelicae sinensis (Oliv.) Diels , ASD)とASDP 及びASDEを有効成分とした佐薬が製造され、遺伝子工学的なB型肝炎のワクチンの免疫性佐薬として用いられることが掲示されている。又、CN1109356号公報によると、当帰(Angelicae sinensis (Oliv.) Diels, ASD)から抽出された有効成分のラクトン(ASDE)は、免疫性佐薬として使用され、免疫性を増強し、毒性の低下を助けるという。熊沢氏らは、当帰の熱水抽出物から免疫激発性を有するポリサッカライドを分離し、Ehrlich腹水細胞を生じたマウスの生存期間を延長する抗癌活性を有する佐薬として使用できることを報告している(Y、Kumazawa, et al., Immunology, 第47巻, 第75頁, 1982年を参照)。しかしながら、上記の当帰から分離したポリサッカライドによるガンの治療に関する記述は、その免疫激発的活性によるものであり、その機作については十分な佐証が無い。
中国特許CN1053747号公報 中国特許CN1109356号公報 Chinese Herbs, Shanghai Science and Technology Publication, Inc. 上海, 中国, 第5巻, 第893頁, 1999年 Y、Kumazawa, et al., Immunology, 第47巻, 第75頁, 1982年
本発明は、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はこれらより分離・純化された成分、例えば、n-ブチリデンフタリド(n-butylidenephthalide, BPと略称す)など、ガン細胞のテロメラーゼ(Telomerase)活性を阻害し、更にその細胞のアポトーシス(Apoptosis)を誘発し、悪性新生物(malignant neoplasm, 狭義の悪性腫瘍)の治療に用いられるものを提供する。そこで、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらより分離・純化された成分、例えば、n-ブチリデンフタリドは、ガン治療用の製剤に用いられ、その細胞サイクルの調整とテロメラーゼ阻害活性を通して、化学療法の薬剤と配合することにより使用される。
本発明の目的の一つは、ガン細胞の増殖とガン組織中の移動を阻害する方法を提供するものである。
本発明の又の目的は、ガン細胞のテロメラーゼ活性を阻害する方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、ガン細胞のアポトーシスを誘発する方法を提供するものである。
本発明のもう一つの目的は、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらより分離・純化された成分、例えば、n-ブチリデンフタリドなどのガン治療用の製剤、及び該製剤の細胞サイクルの調整とテロメラーゼ活性を通して、化学療法の薬剤と配合し、佐薬として使用する用途を提供するものである。
本発明は、当帰の有機溶剤抽出物とその純化成分、例えば、n-ブチリデンフタリド(BP)など、ガン細胞のテロメラーゼ活性を阻害し、更にその細胞のアポトーシスを誘発するものを提供するものである。これら成分は、ガン細胞の増殖を抑制し、ガン治療に用いることができる。
当帰抽出物の調製
古くから当帰は、血の道や婦人病に用いられてきた。通常、これには繖形花科に属する当帰(Angelicae sinensis (Oliv.) Diels)の乾根が使用されている。当帰(Angelicae sinensis , 以下ASとも称す)は、この領域ではその熟練した技術が重視されている。ASの抽出、分離及び/又は各活性成分の純化には多くの技術が知られている。この領域において、当帰の有機溶剤抽出物は、如何なる標準的な方法により得ることが可能である。本発明によると、ASはアセトン、クロロホルム又はヘキサンより抽出される。本発明の形態の一つによると、ASの根茎の乾燥粉末をアセトン溶剤で抽出することで、アセトン抽出物(以下、AS−Aとも称す)を得る。このAS−Aを更にクロロホルムで抽出することでクロロホルム抽出物(以下、AS−Cとも称す)を得る、AS−Aをヘキサンで抽出することによりヘキサン抽出物(以下、AS−Hとも称す)を得ることができる。
活性成分の純化
ASの活性成分をASの有機溶剤抽出物から分離及び/又は純化する方法は、この領域における周知の任意な技術により行なうことができる。この活性成分は、ASの任意な形態、特に根茎から純化することが可能である。純化の際には、多くの異なる技法、例えば、濾過、選択的沈澱法、有機溶剤による抽出、水性溶剤による抽出、カラム クロマトグラフィ、高速液相クロマトグラフィ(HPLC)などが利用される。本発明によると、若干の活性成分をASの有機溶剤抽出物から純化することができ、例えば、リグスチリド(ligustilide)とn-ブチリデンフタリド(n-butylidenephthalide)が挙げられ、後者は腫瘍細胞のアポトーシスを誘発することができる。本発明の別の形態によると、BPのE-とZ-型幾何異性体は、カラム クロマトグラフィにより分離され、更にHPLCとNMRにより特徴づけることが可能となる。
ガン治療のメカニズム
真核性染色体のエクストレミチズ(extremities)であるテロメラーゼは、ゲノムの完全性を保持するのに重要な酵素であり、細胞のエージングと不死性の決め手と見なされている(N. W. Kim, M. A. Piatyszek, K. R. Prowse, C. B. Harley, M. D. West, P. L. C. Ho, G. M. Coviello, W. E. Wright, S. L. Weinrich, J. W. Shay, Science, 266, 2011-2015 (1994)参照)。テロメアの長さとその減少の比率は、器官と個体により異なる。ネズミと人において、テロメアの長さに大きな染色体内の変化が存在し、単一の染色体におけるテロメアの錯乱は、不正常な染色体の分離を引き起こすという(L. L. Sandell, V. A. Zakian, Cell, 75, 729-739 (1993)参照)。それ故、テロメアの長さの変化を調整と維持することは、ガンの生長上重要な役割を果すものと結論することができる。細胞は明らかにテロメアの危険な短縮と異常な延長の両者に対する保護系を有する。テロメアの長さの調整因子の一つとしてテロメラーゼが挙げられる(G. B. Morin, Cell, 59, 521-529 (1989)参照)。そこで、テロメラーゼ活性を選択的に抑制する成分又は物質があれば、腫瘍細胞の生長を抑制することが可能であり、更に腫瘍細胞のアポトーシスを誘発するものと考えられる。
細胞のアポトーシスは、ガン治療法の別なメカニズムと考えられ、細胞生物学研究における最も新しい分野とみなされている。
細胞のアポトーシスのプログラムの活性化は、細胞内と細胞外の両者の刺激からくる異なるシグナルにより調節される。事実上、最近では、多く(全部かも知れないが)のガンの化学治療による腫瘍細胞を消滅することを目的とする薬剤は、細胞のアポトーシスのメカニズムから着手していることが証拠付けられている。細胞のアポトーシスにかかわる新薬は、腫瘍の高増殖率に対して最も効果を有するものと期待されている。そこでガン治療に用いられる多くの薬剤が候補にあがっている(Ricardo Pe´rez-Toma´s*, Beatriz Montaner, Esther Llagostera, Vanessa Soto-Cerrato. Biochemical Pharmacology, 66, 1447-1452 (2003)参照)。
細胞のアポトーシスは、通常、細胞(核染色質の縮合、アポトーシス小体の形成)及びDNA断片が大断片(300と50 kbp)に変り、更にオリゴヌクレオソームサイズの断片(200 bpの倍量)に変る形態学的変化の終点による分析を用いて調べられ、アガロース ゲル電気泳動におけるDNAバンドのラダー(ladder)により示される。上記終点の観察が細胞のアポトーシスの指標となるが、このような分析では、アポトーシス細胞の比率(%)を定量することは不可能である。このような目的で、本発明においてはTUNEL分析法を用い、分析の際に蛍光性ビオチンニル化ヌクレオチドを固定した細胞中のDNA断片の末端に加える方法を採用している(Jacques Piettea,* Ce´dric Volantia, Annelies Vantieghemb, Jean-Yves Yvette Habrakena, Patrizia Agostinis. Biochemical Pharmacology, 66, 1651-1659(2003)参照)。
薬剤により誘発された細胞のアポトーシスに対する受容体とミトコンドリア経路の相対的貢献度に関しては、爭論の対象となってきた。これは、細胞毒性の試薬自身の種類の問題であり、用剤量とカイネチック又はそれら細胞タイプ間の異なることに依存するものであり、Fas/FasL経路のシグナルに依存して細胞タイプに影響を与える。
細胞のアポトーシス経路は、異なるサイト通して引き起こされ、例えば、形質膜に関しては、シグナル(受容体経路、Fas/FasL/カスパーゼ8/カスパーゼ3経路)を介しての死亡受容体による方法、ミトコンドリア(ミトコンドリア経路、Bax/AIF/カスパーゼ9/カスパーゼ3経路)と細胞周期の調節(p53, Rb腫瘍サプレッサー, p16とp21サイクリン キナーゼ阻害剤及びサイクリン/cdk細胞周期チェック ポイント)が挙げられる(Simone Fulda, Matroulea, Klaus-Micheal Debatin. Cancer Letter, 197, 131-135 (2003)参照)。
当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物又はヘキサン抽出物及びその活性成分が抗アンギナ(angina)、抗凝集反応及び心血管系に何んらかの活性を有することは、すでに文献で報告されている。
本発明の発明者らは予想外にも当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物又はヘキサン抽出物及びそれらから純化して得られた活性成分、例えば、n-ブチリデンフタリドが抗ガン活性を有することを発見し、本発明を完成するに至った。
本発明によると、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物又はヘキサン抽出物、及びそれらから純化して得られた活性成分のn-ブチリデンフタリドを用いて、いくつかのガン細胞系の生長に対してその抗ガン性を調べたところ、ガン細胞に対する細胞障害性を有すること、ガン細胞のテロメラーゼ活性を抑制すること(実施例7)、ガン細胞の増殖を抑圧すること(実施例2)及びガン細胞のアポトーシスを誘発すること(実施例3と4)等が明らかにされた。この他、動物実験によってもガンの生長を有効に抑圧することが示された(実施例5と6)。これにより、本発明はガンの治療に有効であり、特にヒトの悪性多型神経膠芽腫瘍(グリオブラストーマ)、大腸・直腸癌、白血病、神経芽細胞腫瘍、肝臓癌、乳癌、卵巣癌と肺癌等のガンの治療に用いることができる。
製薬学的成分
本発明により当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物又はヘキサン抽出物、及びそれらから純化して得られた活性成分とその誘導体は、通常の経路、例えば、経口、腸管外、腹腔内(ip)、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、肺、真皮転移、口腔、鼻腔、舌下、目、直腸、膣又はその他の経路により投与することができるが、これらに限定されるものではない。用剤量又は投与頻度などは、有効な治療が期待できれば、特に限定されず、本発明の用途に使用することができる。好ましくは経口投与であり、通常、薬剤や食品に用いられる周知の経口方法が使用される。
治療学的な投薬を目的とする場合、本発明の当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物又はヘキサン抽出物、及びそれらから純化して得られた活性成分とその誘導体は、その投薬経路に伴ない錠剤、ピル剤、カプセル剤、顆粒剤、ゲル剤、粉末剤、無菌非経腸溶液又は懸濁液、計量的エアロゾル又はスプレー溶液、坐剤などの形態で用いられる。
本発明の製薬学的成分を製造する場合、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれら抽出物から純化して得られた活性成分又はその誘導体は、通常の製薬学的技術により薬学的に許容されるキャリアーと混合して調製され、該キャリアーは、投薬しようとする薬剤の形態に伴ない幅広い範囲で、この業界で周知の最適なキャリアーを選択して使用する。これら製薬学的に許容されるキャリアーの一部分の記載は「The Handbook of Pharmaceutical Excipients」(American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Society of Great Britain刊行)に見出すことができる。例えば、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、溶液又は懸濁液としては、下記の成分を含むことができる:製薬学的に許容される賦形剤又はキャリアー、これらの物質は無毒、不活性な固体又は半固体、稀釈剤、密封剤、ゲル基材又は任意の配合佐剤などである。該溶液と懸濁液は例えば、注射用水、食塩水溶液、ポリエチレン グリコール、グリセリン、プロピレン グリコール、又はその他の合成溶剤などの佐剤、例えば、アルブミン血清など溶解度を高めるための蛋白質、例えば、ベンジル アルコール又はメチル パラベンなどの抗菌剤、例えば、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤、及び食塩やデキストロースなどの張度調整剤を含むことができる。該溶剤又は懸濁溶液は、アンプル、使い捨ての注射器又は多剤用バイアル瓶などガラス製又はプラスチック製容器に密封して使用される。
本発明により、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、又はヘキサン抽出物、及びそれらから純化して得られた活性成分とその誘導体は、化学療法薬剤の佐薬として、例えば、アクチノマイシン、アドリアマイシン、Ara-C、ブレオマイシン、カルムスチン、シスプラチン、シクロホスファミド、ダウノマイシン、ミトマイシン、タクソール、ヒンブラスチンに提供される。
本発明により、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、又はヘキサン抽出物、及びそれらから純化して得られた活性成分とその誘導体は、該領域に用いられる任意な周知の技術により、任意な食物の成分と調合して用いることができる。
以下の実施例は本発明を更に詳しく説明するものであり、本発明を限定するものではない。
材料と方法
当帰の抽出物と成分の調製
実験に使用される当帰(Angelicae sinensis (Oliv.) Diels )は、台湾台北市Chung-Yuan株式会社により提供され、Han-Ching Lin教授の鑑定を経たものである。この証拠物件の漢方試料は、***立国防医学センターの薬学部に保管されている。当帰の根茎の乾燥粉末(12 kg)をアセトン(24 L/回)で3回抽出してアセトン抽出物(以下、AS-Aとも称す)を得る。次に、AS-Aをクロロホルムで3回(24 L/回)抽出し、減圧下で濃縮してクロロホルム抽出物(31.67 g)を得る、以下、AS-Cとも称する(アセトン抽出物100gから得る) AS-A をヘキサンで抽出することによりヘキサン抽出物を得る(以下、AS-Hとも称する)。n-ブチリデンフタリド(BP)は、Lancaster Synthesis(株) (Newgate, Morecambe, UK)から購入し、そのまま直接に用いた。BPのE型とZ型異性体は、カラムクロマトグラフで分離し、HPLCとNMRを用いて確認した。これら物質をDMSOに溶解し、25℃で1時間振とうしながらインキュベーションした後、イン ビトロ実験に供する迄4℃で貯蔵した。
イン ビトロでの細胞増殖分析
ヒト臍帯管内皮細胞(HUVECsと略称)をCascade Biologics, Inc.(株)(USA)から購入し、10%の牛胎児血清(FBS、Gibco BRL製品)と低血清生長補剤(LSGS、Cascade Biologics, Inc. USA提供)を追加した培地Medium 200(Cascade Biologics, Inc. USA提供)中に保持する。ヒト皮層繊維芽細胞(HDFsと略称)をCascade Biologics, Inc.(USA)から購入し、10%のFBSと低血清生長補剤(LSGS、Cascade Biologics, Inc. USA提供)を追加した培地のMedium 106(Cascade Biologics, Inc. USA)中に保持する。次に、ヒト大腸腺癌細胞系HT-29をATCC (Manassas, VA. USA)から購入し、10% FBSと100 ng/mlのペニシリンと100 ng/mlのストレプトマイシン(Life Technologies, Inc., Grand Island, NY, USA)を追加したDubecco'sの修正したイーグル培地(DMEM、Gibco)中に保持する。ロッグ生長(G1)中の細胞増殖を分析するために、細胞を60〜80%の密度まで培養する。100 mlの細胞懸濁物をFalcon 96穴プレートに分散し、その密度は培地のMedium 200 (HUVECsとして)中6 × 103細胞数/穴、又、培地のMedium 106 (HDFsとして)中9 × 103細胞数/穴、及び培地の10%FBSを追加したDMEM (HT-29として)中5 × 103細胞数/穴とする。該細胞をインキユベーター(加湿大気中、37℃, 5%CO2)中、24時間プレーインキュベーションする。10 mlの異なる濃度の毒物をプレートの培地中に加え、更に48時間インキュベーションを続け細胞を培養する。10 mlの細胞計量キット-8 (CCK-8、DOJINDO)溶液を加え、インキュベーター中更に1〜4時間インキュベーションを行なって、細胞を培養する。吸光度は波長450 nmで、マイクロプレート リーダーを用い、対照には600 nm又はそれ以上の波長を使用して測定する。
HUVECsからRNAの抽出
培養した基質細胞から修正したグアニジウム イソチオシアネート法(Trizol、 Invitrogen)を用いて総RNAを分離する。
均質化
該細胞に1 mlのトリゾール試薬を直径3.5 cmの6穴プレートに加え、直接溶胞し、次にピペットを用いて該細胞の溶胞産物数回通す。
相分離
上記の均質化した試料を15〜30℃で5分間インキュベーションし、核たん白質複合物を完全に解離させる。その後、1 mlのトリゾール試剤当り0.2 mlのクロロホルム (Riedel-de-haen)を加え、試料のチューブをしっかりと蓋する。上記のチューブを手で15秒はげしく振とうした後、15〜30℃で2〜3分間インキュベーションする。該試料を12,000x g過ぎない程度で15分間、2〜8℃下で遠心分離し、混合液を下層の赤色層、中間層のフェノールークロロホルム相と上層の無色水溶液相に分離した。RNAは水溶液相にのみ存在する。
RNA沈澱:
新しいチューブに上記の水溶液相を移し、イソプロピル アルコールを混合することによりRNAを水溶液相から沈澱させる。1mlのトリゾール試薬当り0.5 mlのイソプロピル アルコールを均一化させるために冒頭に加える。試料は15〜30℃で10分間インキュベーションした後、12,000x g以下、2〜8℃で10分間遠心分離する。
RNA洗浄:
上澄み液を除き、RNAペレットを75%のエタノールで1回洗う。1 mlのトリゾール試薬当り、少なくとも1 mlの75%エタノールを均一化させるために冒頭に加える、試料を旋回させながら混合した後、7,500 x g以下、2〜8℃で5分間遠心分離する。
RNAの再溶解:
上澄み液を除いた後、RNAペレットを乾燥する。このRNAをRNase-freeの水に溶解した後、55〜60℃下で10分間インキュベーションする。RNAは-70℃で貯蔵する。
細胞系
イン ビトロで当帰の抽出物、リグスチリド、n-ブチリデンフタリドとその誘導体を用いて、ヒト腫瘍細胞系(MCF-7, CL1-5, HT-29, Caco-2)、ヒト臍帯管内皮細胞(HUVECs)、ヒト皮層繊維芽細胞(HDF)についての感応性を調べた。DBTRG-05MG、BCM、HL-60とJ5細胞系を、10%の牛胎児血清と100 ng/mlのペニシリン及び100 ng/mlのストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地中、37℃、5%CO2の加湿大気下で培養した。G5T/VGH、RG2、N18、SVECとBalb/3T3細胞を、10%の牛胎児血清と100 ng/mlのペニシリン及び100 ng/mlのストレプトマイシンを含むDMEM培地中、5%CO2、37℃下で培養した。各試験の前にPCRスクリーン法を用いてマイコプラズマ感染した培養細胞を除去した。
実施例1:細胞の細胞毒性の分析
異なる濃度の当帰の抽出物又はそれらから純化して得られた活性成分を用いて処理した細胞の生存能力に対する効果を修正したMTT分析法により3回重複して評価した。簡単に言えば、細胞(5×103)を100 mlの生長培地を含む96穴プレートでインキュベーションした。細胞を24時間付着させた後、100 mlの薬草抽出物又は活性成分を溶かした培地を用いて処理した。DMSO = 0.02% (v/v)を含んだものを対照とし、 24、 48及び72時間インキュベーションした後、50 mlの新鮮な培地で薬物を含む培地と取り替え、プレートの各穴にある細胞を50 mlの400 μg/ml MTTで6〜8時間インキュベーションした。その後、培地とMTTを除き、各穴と対照群に100 mlのDMSOを加え、可溶性成分を溶解する。550における溶液の吸光度をMRX Microtiter Plate Luminometer (DYNEX, USA)を用いて測定した。無処理の細胞の吸光度を100%と考え、GBM細胞の5×103指数の生長細胞を異なる濃度の抽出物又は活性成分で24、48又は72時間処理し、その生長率に対する効果を評価した。各試験物質の細胞毒性をIC50値で決定し、この値は50%の抑制率を示す薬物の濃度を示すものである。本研究における実験は、すべて3回重複し、その結果を示したものである。
A549、AT12:ヒト肺腺癌細胞系
(AT12とA549は タキソール耐性サブクローン)
J5:ヒト肝癌細胞系
HCT15:ヒト大腸腺癌細胞系
HT-29:ヒト大腸腺癌細胞系
CL1-5:ヒト肺腺癌
DBTRG-05MG:ヒト多形性神経膠芽細胞腫瘍細胞系
G5T/VGH:ヒト多形性神経膠芽細胞腫瘍細胞系
N18:神経芽細胞腫瘍
BCM:ヒト乳癌
HL-60:ヒト骨髄球白血病細胞
RG2:鼠悪性神経膠腫瘍
SVEC:SV40形質転換マウスリンパ節内皮細胞
Balb/3T3:マウス繊維芽細胞
多くのヒト腫瘍細胞系(表1と2を参照)と正常細胞(HUVECとHDF)を比較した場合、前者におけるn-ブチリデンフタリド(BP)と当帰の抽出物(AS-A, AS-C, AS-H)は、通常低いIC50値を与えた。特に、BPはヒト脳腫瘍細胞に対し強い毒性効果を示した。又、BPは二つの抗タキソールヒト肺腺癌細胞とヒト肝癌細胞及び二つのヒト大腸腺癌細胞に対しても毒性を示した。
脳腫瘍細胞系におけるAS-C とBP のIC50は、それぞれ35〜60 mg/mlと1.4〜10 mg/mlであり、正常細胞系(HDF)における該値は、85〜300 mg/ml ( p < 0.0001)である。
正常細胞において、管内皮細胞(IC50 = 44.2 ± 0.1 mg/ml )は繊維芽腫瘍細胞(IC50 = 85.1 mg/ml)に比べて、AS-C (p < 0.05)に対して更に感応性を示した。
カルムスチン(BCNU)とタクソールの抑制効果についても比較試験を行なった。その結果、GBM腫瘍はカルムスチン(IC50 > 100 mg/ml)に対して感応しないが、 DBTRG-05MGとG5T/VGH GBM細胞はタクソール(IC50 = 61.0 ± 3.3 mg/mlとIC50 < 0.1 mg/mlそれぞれを示し)に対して感応することが判った。タクソールは、管内皮細胞において、AS-CとBPに比べ、非常に高い毒性(IC50 < 0.1 mg/ml)を誘発する。
AS-C又はBPで処理した後のGBM細胞(DBTRG-05MG)は、72時間の観察期間の異なる時点において培地から離れて浮動した。このGBM細胞の培地中の浮動は、時間と用剤量の増加と共に増加する傾向を示した(BPの場合、その観察は3時間後に行なわれた)。
AS-C又はBP処理後のGBM細胞の浮動現象は、腫瘍細胞の形態変化に役立つものである。
実施例2:GBM細胞のG 0 /G 1 相におけるAS-CとBPの細胞周期阻止の増強
脳腫瘍細胞系のDBTRG-05MGとG5T/VGHを稀釈剤と生長培地で培養した。各試験と対照群にDMSOを加え、濃度を0.02%(v/v)以下にした。AS-CとBP処理においては、それぞれ70 mg/mlのAS-Cと400 μMのBPを加えた。これらは、すべて48時間培養した。DNAをプロピジウム ヨーダイド(PI)を用い細胞周期の分布を分析した。簡単に言えば、2 × 106の付着細胞はトリプシンの作用により分離された。この分離細胞と浮動死細胞とを遠心分離し、10 mlの冷たい1 × PBS (Life Technologies(株)製品)で2回洗浄した。上層液をアスピレートで除き、細胞を0.8 mlの1 × PBSに再懸濁した後、200 μl の PI溶液(50 μg/ml PI + 0.05 mg/ml RNase A、シグマ ケミカル(株)製品)を加え、この細胞を4℃で一夜冷蔵した。この細胞を光腺から保護した状態で室温下少なくとも2時間、DNA分析する前にインキュベーションする。染色後、FACScan (Becton Dickinson Immunocytometry Systems, San Jose, CA, USA)とCell Quest分析ソフトを用いて測定・定量したところ、総細胞は20,000であった。G0/G1相はM1 (×2)にゲート イン、G2/M相はM2 (×2)にゲート イン、総細胞はM3にゲート イン、S相はM3 - (M1(×2)+ M2(×2))にゲート イン、Sub G1相(apoptosis細胞)はM4ゲート インする。
細胞周期の分析結果、GBM細胞において、70 μg/mlのAS-Cと400 mMのBPは共にG0/G1相(> 90%)の細胞周期の累積を増強することが示された。図1aと1bには、AS-CとBP処理12〜48時間後、S相の減少と同時にG0/G1相の阻止を顕著に増加することが示された(p < 0.05, p < 0.005)。
実施例3:AS-CとBP がGBM細胞のアポトーシスに対する誘発
In Situ Cell Death Detection Kit, POD (Roche, ドイツ)を用いて細胞のアポトーシスの状態を分析した。DNAクロマチンの形態的性状の変化を利用して定量した。その工程は説明書の指示通りに行なった。簡単に言えば、細胞を培養皿で培養し、AS-C (70 μg/ml)とBP (5〜800 μg/ml)でそれぞれ処理した72時間後に分析した。AS-CとBP処理群の懸濁細胞を集めた。対照群においては、付着と浮動細胞を集めた。その後、その細胞を食塩水を塗布したスライド上、室温下で15分間、3.7%のホルムアルデヒドを用いて固定し、1× PBSで一回洗浄し、3%過酸化水素を用い内因性のペルオキシダーゼ活性を減少した後、冷たい透過性溶液(0.1% トリトンX-100 + 0.1% クエン酸ナトリウム)中でインキュベーションした。この細胞は、再度1× PBSで洗浄し、末端デオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼ(TdT)-メジエートdUTPニック ラベル(TUNEL)反応混合物中、37℃下で60分間インキュベーションした。次に、細胞を1 × PBSで洗浄し、プロピジュウム ヨーダイド(PI)でカンター染色して、細胞を計算する。細胞のアポトーシスを定量するため、蛍光顕微鏡(ニコン、川崎、日本)で結果を観察した。
無処理の細胞と比較した場合、ほとんど全部のAS-CとBP処理群のGBM細胞は細胞のアポトーシスを呈していた。AS-C処理した細胞のアポトーシスは、蛍光顕微鏡(400倍)下で、In Situ TUNEL染色とプロピジュウム ヨーダイド 細胞カンター染色し、光視野において観測された。同様に、GBM細胞でのBP誘発細胞のアポトーシスは、TUNEL法でプロピジュウム ヨーダイドをカンター染色に用いて分析した。GBM細胞をBP(5〜800 mM)で48時間処理した後、分析を行なった。その結果を図2に示す。無処理の細胞(対照)に比べ、BP処理群のGBM細胞は非常に高い細胞のアポトーシス率を呈した。
実施例4:AS-CとBPが多重経路の活性化による細胞のアポトーシス対する誘発
細胞のアポトーシス分子のウェスタンブロット分析
AS-C (70 μg/ml)を用いてDBTRG-05MG細胞(ヒトGBM細胞)を0, 6, 12, 24と48時間処理した。別の実験においてBP (400 μM)を使用し、DBTRG-05MG細胞を0, 1.5, 3, 6, 12, 24と48時間処理した。該細胞ペレットを溶菌緩衝液(10 nMトリス-塩酸, pH 7.5, 1 mM EGTA, 0.5% CHAPS, 10% (v/v)グリセロール, 5 mM b-2-メルカプトエタノールと0.1 mMフェニルメチルスルホニル フルオライド)に再懸濁し、アイス上で30分間保持した後、4℃下、13000x rpmで20分間遠心分離を行なった。細胞溶菌産物全体のタンパク質濃度について、BCAタンパク質分析キット(Pierce, Rockford, IL)を用い説明書の指示通り操作して測定した。該細胞溶菌産物(20 μg/レーン)は、10〜12% SDS-PAGE (Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて電気泳動分析をした。タンパク質はボリビニリデンフルオライド(PVDF)膜(Amersham Lifesciences, Piscataway, NJ)に転移した。該膜を室温下5%のスキム ミルクをブロッキング剤として用い1時間マスクした後、Fas (FL-335)、Fas-L (C-178)、カスパーゼ3 (H-277)、カスパーゼ8 (H-134)、カスパーゼ9 (H-170)、Bax (B-9)、p16 (F-12)、p21 (F-5)、 p53 (DO-1、 1/100稀釈) (Santa Cruz Biotechnology Inc., CA, USA)、 ホスホ-p53 (Ser15、 1/2000稀釈)とホスホ-Rb (Ser795、 1/2000稀釈) (Cell signaling Technology, MA, USA)などの各抗体と共に室温下で2時間インキュベーションした。
該膜と抗鼠、抗兎、抗やぎの各IgG二次抗体(1/1000稀釈、 Santa Cruz Biotechnology Inc., CA, USA)と西洋ワサビペルオキシダーゼとの結合体と共に、室温下で1時間インキュベーションし、次にECL Plusケミルミネッセンス システム(Amersham, Arlington Heights, IL)を用いて目測することにより、抗体識別の検出を行なった。システム対照用のSDS-PAGEゲル、各テスト用試料はすべて二組そろえ、同量のタンパク質を含ませ、対照のゲルはクマシーブルーで染色した。他のゲルはウェスタン ブロット分析に使用した。バンドの強度は、GS-800カリブレート イメージング デンシトメーター(Quantity One 4.03ソフトウェアー、 Bio-Rad社)を用い、デンシトメトリ法により分析した。その結果、AS-CはGBM細胞(1〜159層)のFasの発現を著しく増大するが、Fas-Lの発現には影響しないことが示された。更に、死亡の受容体誘発細胞のアポトーシスにかかわるカスパーゼ8の活性化をモニターした。その結果、AS-C処理後6時間の時点においてプロカスパーゼ8の量が僅か増加し、活性化したカスパーゼ8の量は大幅に増加することが明らかとなった(図3aを参照)。
p53とRbタンパク質の加燐酸反応をモニターしたが、AS-Cで処理した6時間後、加燐酸化されたp53タンパク質の増加することが示された。又、総p53タンパク質の量も6時間後同じく増加したが、その後徐々に減少した。しかしながら、加燐酸化されたRbタンパク質は6時間目に減少することがみられ、AS-C処理12時間後には検出できなかった。この結果は、AS-Cが細胞周期のチェック ポイント機関のトリガーである可能性を示す。AS-C処理したGBM細胞におけるp16、p21とBaxの量も測定され、AS-C処理後、この3種のタンパク質はすべて増加することが示された(図3bを参照)。
最後に、プロカスパーゼ9とプロカスパーゼ3の活性を測定した。AS-C処理後6時間にプロカスパーゼ9とプロカスパーゼ3と共に強く活性化されることが示された(図3cを参照)。
BPの場合、BP 400mMはGBM細胞におけるFasの発現が大幅に増加され(1.5時間後の5.2倍から48時間後の27.9倍)、Fas Ligandの発現を抑える結果を示した(図3dを参照)。
又、BPがカスパーゼ8の活性を強め、48時間後に137.9倍増加し、同時にプロカスパーゼ8が減少することが観察された(図3dを参照)。
BPが誘発した細胞のアポトーシスにおけるミトコンドリア経路の役割についての研究により、BPの誘発したBaxとAIFの発現は、48時間後それぞれ16倍と2.4倍の増加を示し、48時間後、活性化カスパーゼ9は25.8倍を示し、同時にプロカスパーゼ9は低下することが示された(図3eを参照)。プロカスパーゼ3の低下と共にカスパーゼ3も同時に増加することが観察された。
BPが誘発した細胞のアポトーシスにおける細胞周期経路の役割についての研究により、48時間後、BPがp53、p21とp16の発現をそれそれ1.4、2.3と3.1倍増加された。又、p53の加燐酸化を1.5時間後に5.2倍、48時間後に9.8倍増大させることが示されたが、Rbの加燐酸化は48時間後に0.2倍低下するのが示された(図3fを参照)。この研究において、内部対照としてβ-アクチンを用いた。図3gにおいて、BPがcdk2、cdk4、cdk6サイクリンD1とサイクリンEを低下させることが見られた。
結論として、本発明において、BPストレスにより誘発される細胞のアポトーシスシグナル形質導入経路のこう概的モデルを理論立てした、これは死亡の受容体、ミトコンドリアと細胞周期経路で成り立っているものである。
実施例5:動物実験
動物実験には、RG2細胞(鼠GBM)とDBTRG-05MG細胞(ヒトGBM)を用い、AS-CとBPの抗腫瘍活性をモニターした。雄鼠F344(230-260 g)と雄Foxn1 nu/nu鼠(10〜12週)をNational Laboratory Animal Center (台北、台湾)から分譲した。すべての実験過程は慈済大学(花蓮、台湾)の動物センター研究室の標準作業手順に従って行なった。実験動物は病原菌フリーの条件下で標準食餌を用いて飼育した。DBTRG-05MG細胞(ヒトGBM)とRG2細胞(鼠GBM)は、それぞれ裸鼠の異種移植と鼠の同種移植から準備した。
AS-C処理群について
試験例1 皮下GBM腫瘍を生じた鼠の残存率と腫瘍サイズに与えるAS-Cの皮下注射投与の効果
同系のF344鼠を2群に分け(6匹/群)、その背中に1×106 RG2細胞を皮下に移植する。腫瘍細胞を移植後、3、6と9日目に、腫瘍を植え付けた場所からやや離れたところ(>2 cm)に皮下注射によりAS-C (500 mg/kg/day) (処理群)、又はベヒクル(50 mg/mlプロピレン グリコールと100 mg/mlトウィン80とを蒸留水に含ましたもの、Standard Chem. & Pharm社、台南、台湾) (参照群)を投与する。カリパーを用いて腫瘍のサイズを測定し、その容積をL × H × W × 0.52により算出した。腫瘍の容積が25 cm3以上になった日を試験動物の最後の日として、その生存日数を計算する。
その結果、対照群に比べ、AS-C処理群は、腫瘍の成長に対し非常に著しい抑制効果を示した(p < 0.05) (図4を参照)。第26日目の対照群の平均腫瘍サイズは20.7 ± 1.5 cm3であり、処理群は11.5 ± 0.7 cm3 であった。処理群の鼠の生存日数は、対照群に比べて著しく延長された(それぞれ40 ± 2.7日対30 ± 2.1日, p < 0.0001) (図5を参照)。
AS-C用剤量500 mg/kgの皮下注射では、試験動物の体重や枢要器官の組織学的検査により何んら薬物に関連する毒性が観察されなかった。
試験例2 皮下ヒトGBM腫瘍を生じた鼠の腫瘍サイズに対するAS-C皮下注射投与と腹膜内注射投与の比較効果
2群の裸鼠(6匹/群)を準備し、ベヒクル(s.c.)と5 × 106個のDBTRG-05MG細胞を植入し、その5日後にAS-C (i.p. 500 mg/kg/day)、AS-C (s.c. 500 mg/kg/day)、又はベヒクル(s.c.)を投与した。腫瘍のサイズはカリパーを用いて測定し、そのL × H × W × 0.52により腫瘍の容積を算出した。腫瘍の容積が1000 mm3以上になった日を最後の日として、試験動物の最終生存日数を求めた。
その結果、無処理群に比べ、AS-C i.p. (500 mg/kg)とAS-C s.c. (500 mg/kg)処理群は、腫瘍の成長に対し著しい抑制効果を示した(p < 0.005)。平均腫瘍サイズは、38日目で対照群が849.9 ± 150.1 mm3、AS-C i.p. (500 mg/kg)処理群が295.5 ± 25.3 mm3、AS-C s.c. (500 mg/kg)処理群が155.1 ± 56.4 mm3であった。図7にその結果を示す。
試験例3 in situ GBM腫瘍(頭蓋内 同種GBM)を生じた鼠の腫瘍サイズに対するAS-C皮下注射投与の効果
RG2細胞を用い、in situ 腫瘍に対するAS-Cの細胞毒性効果を測定した。
同系の鼠を2群に分け(6匹/群)、i.c. (striatum)と5 × 104個のRG2細胞を植入し、腫瘍細胞を植え込み後、第4、5、6、7、8日目にAS-C (500 mg/kg/day)又はベヒクルs.c.処理を行なった。腫瘍の容量を測定し、3-TユニットMRI (General Electric, Wisconsin, USA)とエコープランナー イメージング カパビリテイ(Signa LX 3.8, General Electric, Wisconsin, USA) (慈済病院提供、花蓮、台湾)を用いて計量した。簡単に言えば、鼠を抱水クロラール(400 mg/ml, 1 ml/100g)で麻酔し、下記の条件下でMRIスキャンニングした:ファスト スピン エコー、重複時間6000 msecによるエコープランナー取得順序、エコー時間102 msec、マトリックス イメージは256×256、視野は5×5 cm、イン-プレーン解析80 mm。各鼠から19.5秒おきに6.5分間の間、1.5 mm厚さのスライスを20枚調製し試験に提供した。
無処理群に比べ、処理群の腫瘍容積は、MRIイメージ資料より著しい低下が観察された(p < 0.05) (図6を参照)。平均腫瘍容積は、対照群で第14日目と第16日目でそれぞれ70 ± 4.8 mm3と126.4 ± 11.1 mm3を示し、それに対して、AS-C処理群はそれぞれ46.2 ± 3.6 mm3と99.5 ± 9.5 mm3を示した。
試験例4 異種移植ヒトGBM腫瘍を生じた鼠における腫瘍サイズに対するAS-C皮下注射投与の細胞毒性
本試験において、腫瘍は外科手術による除去は良くないという大きさになる迄放置し成長させた。
上記の通り、裸鼠の背中にDBTRG-05 MG細胞(5 × 106)をs.c.植入し、腫瘍を生じた鼠は、その腫瘍容積が= 250mm3になった時、初めてAS-C (500 mg/kg)又はベヒクル(s.c.)単剤を用いて処理した。AS-C処理後第10日目にH&E組織染色を用いて腫瘍内の毒性を測定した。光学顕微鏡(50倍と400倍)を用いて組織切片を観察、撮影した。
組織学的分析写真によると、腫瘍細胞マス内では、核分解がAS-C処理により誘発され、シトソール空洞と腫瘍細胞の死亡が観察された。それに対し、対照群の腫瘍は充分に成長し、腫瘍マス内においては、上記のAS-C処理群の毒性効果は発見されなかった。
BP処理群について
試験例1 F344雄鼠の頭蓋内における同種のGBM腫瘍に対するBPの効果
鼠を2群に分け(6匹/群)、i.c. (striatum)と5 × 104 RG2細胞を植入し、腫瘍細胞を植え付け後、第4、5、6、7と8日目に、ランダムにBP (300 mg/kg/day)とベヒクルs.c.を横腹の後方部分に5回投与した。腫瘍容積を測定し、MRIを用いて算出した。MRIは、3-Tユニット(General Electric, Wisconsin, USA)とエコープランナー イメージング カパビリテイ(Signa LX 3.8, General Electric, Wisconsin, USA)を用いて行なった。簡単に言えば、鼠は、抱水クロラール(400 mg/ml, 1 ml/100g)で麻酔し、下記の条件下でMRIスキャンニングを施した:ファスト スピン エコー、重複時間は6000 msecによるエコープランナー取得順序、エコー時間102 msec、マトリックス イメージは256×256、視野は5×5 cm、イン-プレーン解析は80 mm。各鼠から19.5秒おきに6.5分間の間、1.5 mm厚さのスライスを20枚調製した。最後に、全腫瘍サイズ(mm3)を測定し、各群について計算した。
その結果は、無処理群に比べ、BP処理群の腫瘍容積は著しく低下していることが、上記の通りにMRIスキャンニングとエコープランナーを用いた計算により明らかとなった(p < 0.05)(図8を参照)。
図8の各カラムは平均値± SE (* p < 0.05、 ** p < 0.001)を示す。腫瘍容積の平均値は、それぞれ第14日目と第16日目で、対照群が69.9 ± 4.81 mm3と126.43 ± 11.07 mm3を示し、BP 処理群は、46.6 ± 1.8 mm3と91.68 ± 8.3 mm3であった。対照群に比べ、BP処理群において、MRIイメージ資料により腫瘍容積は小さいことが示された。
試験例2 裸鼠におけるs.c. 異種移植ヒトGBM腫瘍の成長抑制と生存率に対するBPの効果
6群の試験動物(Foxn1裸鼠、6匹/群)に1×106 DBTRG-05MG細胞を皮下注射で植え付み、腫瘍細胞植入して、インキュベーションした後、第4、5、6、7と8日目に、ランダムにBP s.c. (70, 150, 300, 500, 800 mg/kg/day)、又はベヒクルs.c.を遠く離れた場所(>2 cm)に5回投与した。腫瘍のサイズは2日置きに測量して腫瘍の容積を算出した。腫瘍が1000 mm3を過えた時点を最後の日とした。残存している試験動物は、3ヶ月にわたり腫瘍の成長をモニターした。生存期間は200日まで延長した。
この結果、無処理群に比べ、BP処理群は著しく腫瘍成長を抑制することが示された(図9を参照、300 mg/kg群はp < 0.005)。又、腫瘍成長の抑制は用剤量に依存することが明らかにされた。
図10は生存率のログ-ランク(Mantel-Cox)の比較についてプロットしたものであり、裸鼠の異種移植皮下ヒトGBMにおいて、BP処理した場合、生存率が200日まで延長することが示された。
実施例7 ヒト悪性腫瘍細胞のテロメラーゼ活性に与えるAS-Cの効果
文献に記載の修正したテロメア重複増大プロトコール(TRAP)分析法を用いて、テロメラーゼの活性を測定した。細胞ペレットを200 μlのアイスで冷却した溶菌緩衝液(10 mMトリス-塩酸、pH 7.5, 1 mM EGTA, 0.5% CHAPS, 10% [v/v]グリセロール, 5 mM b-2-メルカプトエタノールと0.1 mMフェニルメチルスルホニル フルオライド)に溶解し、アイス上で30分間インキュベーションした後、4℃、13,000 x gで20分間遠心分離を行なった。BCAタンパク質分析キット(Pierce, IL, USA)を用いて、上澄み抽出液のタンパク質を定量した。TRAP分析法は、TRAPezeテロメラーゼ検出キット(Intergen Co., Purchase, NY, USA)を用い、該社のプロトコル通りに実施した。簡単に述べると、0.5 μgのタンパク質を含んだ抽出物に、50 μlの下記組成分よりなる反応混合物(0.1 μgの基質オリゴヌクレオチド(TS)プライマ(5?-AATCCGTCGAGCAGAGTT-3?), 0.1 μgのTSK1 テンプレート(内部対照群)、0.1 μgのリバースオリゴヌクレオチド プライマ(RP)、2単位の宝Taq DNA ポリメラーゼ(宝酒造(株)、日本)、20 mMトリス-塩酸、pH 8.3、1.5 mM二塩化マグネシウム、63 mM 塩化ポタシウム、0.005% (v/v)トウィーン20、1 mM EGTA、各デオキシヌクレオチド 3燐酸塩(dNTPs) 50 μM、1.25 μCi (γ32P) ATP、3000 Ci/mmol (PerkinElmer Life Science, Boston, MA, USA))を加え、94℃で2.5分間インキュベーションした後、ポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)をDNA熱サイクラー装置(GeneAmp PCR System 2400, PerkinElmer Co., Norwalk, CT, USA)を用いて、94℃で30秒間、59℃で30秒間、72℃で90秒間、30サイクルの複製を施こした。該TRAP生成物を54 mM トリス-塩酸、pH 8.0、54 mM 硼酸と1.2 mM EDTAを含む緩衝液中、12.5%(v/v)非変性ポリアクリルアミド ゲル電気泳動(PAGE)に付した。該ゲルを濾紙上1時間乾燥した後、X-フイルム(Bio-Max MR, コダック ロッチェスター, NY, USA)に80℃で6時間、増幅スクリーンと共に露出した。TRAP分析によるDNAラダーの生成物のシグナル強度をBio-Profil Biolight イメージング分析ソフトV2000.01 (Vulber Lourmat, フランス)により定量・比較した。
統計
データは、平均値± SD又はSEで示される。スチューデントt-テスト(Student's t-test)によりその統計学的有意性(Statistical significance)分析を行なった。p <0.05で有意性ありと見なした。ロッグーランク(Mantel-Cox)テストを用いて生存率を比較した。Kaplan-Meier分析法により半数生存時間を推定した。
以上により本発明を説明し、開示したが、この分野に従事するものにとっては、更に色々と修正した、改良することは充分可能であるが、本発明の精神とスコープに違反しない限り、これらも本発明の特許請求の範囲に属し、本発明は上記の説明に限定されるものではない。
図1aは、細胞サイクルの分析結果を示し、GBM細胞(DBTRG-05M)において、70 mg/mlのAS-C(当帰のクロロホルム抽出物)の処理によるG0/G1相の細胞サイクルの累積を高め (> 90%)、S相における同時低下を示すものである(*p < 0.05)。 G5T/VGHにおける結果は、大体同じく、図面には示されていない。 図1bは、細胞サイクルの分析結果を示し、GBM細胞(DBTRG-05M)(*p < 0.05)において、400mMのBPの処理によるG0/G1相(> 90%) の細胞サイクルの累積を高め 、S相における同時低下を示すものである(**p < 0.005)。 図2は、プロピジウム ヨーダイドを対向染色として用い、TUNEL法による、誘発GBM腫瘍細胞(DBTRG-05MG)のアポトーシスに対するBP(n-ブチリデンフタリド)の5〜800 mMの効果を評価した結果を示すものである(*p < 0.05, ** p < 0.005, *** p < 0.0005)。 図3aは、70 mg/mlのAS-Cにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図3bは、70 mg/mlのAS-Cにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図3cは、70 mg/mlのAS-Cにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図3dは、400 mMのBPにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図3eは、400 mMのBPにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図3fは、400 mMのBPにより誘発された細胞のアポトーシスの過程を分析した結果(DBTRG-05MG細胞系を使用)を示すものである。 図4は、マウスに発生した皮下GBM腫瘍(RG-2)(p < 0.05)の腫瘍サイズにおける、AS-C処理(500mg/kg)の抑制効果を示すものである。 図5は、DBTRG-05MGを用いた、対照群(p < 0.0001)と比較したAS-C処理マイス (500 mg/kg投与)における残存率に対する顕著な延命効果を示すものである。 図6は、ラットにおけるGBM腫瘍(RG2)の容量の生長に対するAS-C処理(500 mg/kg)の抑制効果を示すものである。 図7は、DBTRG-05MG細胞系を用いたマイスの異種移植腫瘍の生長に対するAS-C処理(腹膜内又は皮下投与500 mg/kg)による抑制効果を示すものである(p < 0.005)。 図8は、マウスのGBM腫瘍の容量に対するBP処理(300 mg/kg)の抑制効果を、エコープランナー イメージング能力を用いたMRIイメージングにより計算した効果を示すものである(* p < 0.05, ** p < 0.001)。 図9は、DBTRG-05MG細胞系を用いた、マイスの異種移植腫瘍の生長に対する異なるBP (70〜800 mg/kg)投与による抑制効果を示すものである(p < 0.005)。 図10は、ヌード マウスの異種移植腫瘍(皮下投与、DBTRG-05MG)における生存期間の延長に対するBP処理 (70〜800 mg/kg)の効果を示すものである(p < 0.001)。

Claims (14)

  1. 腫瘍組織におけるガン細胞の増殖と移行を抑制する方法において、有効量の当帰(Angelicae sinensis)のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらの抽出物から分離・純化された活性成分を投与することを特徴とする腫瘍組織におけるガン細胞の増殖と移行を抑制する方法。
  2. ガン細胞のテロメラーゼ活性を抑制する方法において、有効量の当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらの抽出物から分離・純化された活性成分を投与することを特徴とするガン細胞のテロメラーゼ活性を抑制する方法。
  3. ガン細胞のアポトーシスを誘発する方法において、有効量の当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらの抽出物から分離・純化された活性成分を投与することを特徴とするガン細胞のアポトーシスを誘発する方法。
  4. ガンの予防及び/又は治療方法において、有効量の当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらの抽出物より分離・純化された活性成分を用いて調製した薬剤を投与することを特徴とするガンの予防及び/又は治療方法。
  5. ガンの治療方法において、当帰のアセトン抽出物、クロロホルム抽出物、ヘキサン抽出物、又はそれらの抽出物から分離、純化された活性成分を佐薬として、他の一種又は一種以上の化学療法薬剤と共にその活性を利用し、細胞周期を調節し、テロメラーゼを抑制することを特徴とするガンの治療方法。
  6. 前記当帰の抽出物から分離・純化された活性成分は、n-ブチリデンフタリドを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ガンの治療方法において、有効量のn-ブチリデンフタリドを投与することを特徴とするガンの治療方法。
  8. ガンの治療方法において、n-ブチリデンフタリドを佐薬として、更に他の一種又は一種以上の化学療法薬剤と共に、その活性を利用し、細胞周期を調節し、テロメラーゼを抑制することを特徴とするガンの治療方法。
  9. 前記ガンは、ヒトの悪性多形神経膠芽腫瘍、大腸・直腸ガン、白血病、神経芽細胞腫瘍、肝臓癌、乳癌、卵巣癌又は肺癌であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ガンは、ヒトの悪性多形神経膠芽腫瘍、大腸・直腸ガン、白血病、神経芽細胞腫瘍、肝臓癌、乳癌、卵巣癌又は肺癌であることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  11. 前記当帰の抽出物、又は当帰の抽出物から分離・純化された活性成分は、経口、腸管外、静脈内(iv)、腹腔内(ip)、筋肉内(im)、皮下(sc)、肺、真皮転移、口腔、鼻腔、舌下、目、直腸、膣又はその他の経路により投与することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記当帰の抽出物、又は当帰の抽出物から分離・純化された活性成分は、経口、腸管外、又は静脈内経路により投与することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. n-ブチリデンフタリドは、経口、腸管外、静脈内(iv)、腹腔内(ip)、筋肉内(im)、皮下(sc)、肺、真皮転移、口腔、鼻腔、舌下、目、直腸、膣又はその他の経路により投与することを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  14. n-ブチリデンフタリドは、経口、腸管外、又は静脈内経路により投与することを特徴とする請求項13に記載の方法。
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