JP2006117221A - Rack and pinion type power steering apparatus - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ラック軸を摺動支持するラックブッシュと、該ラックブッシュの取付構造に特徴のあるラック・ピニオン式パワーステアリング装置に関する。 The present invention relates to a rack bush for slidingly supporting a rack shaft, and a rack and pinion type power steering device characterized by a mounting structure of the rack bush.
ラック・ピニオン式ステアリング装置において、ラック軸支持部であるラックハウジングへの該ラック軸の摺動支持がラック軸の一方端近傍であるギアハウジング部と、他方端近傍等のハウジング部においてなされるものがよく知られており、これら支持部におけるラック軸の摺動支持は合成樹脂やゴム等からなるラックブッシュを介してなされている。
そして、一方端近傍であるギアハウジング位置におけるラックブッシュによるラック軸の支持は、ラック軸のラック歯とピニオンとの噛合位置であることからそのブッシュと該ブッシュの取付けには格別の構造的な配慮がなされている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。また、通常これら摺動支時部におけるラックブッシュは、いずれもギアハウジングやラックハウジング等に対して位置決め固定される構造とされている(例えば、特許文献3参照)。
Since the rack shaft is supported by the rack bush at the gear housing position near one end, the rack shaft rack teeth and the pinion are engaged with each other. (For example, refer to
上述の特許文献1に記載のギアハウジング部04におけるラック軸01の支持は、図9(a)(b)に図示されるように合成樹脂やゴム等の弾性部材からなる一つのラックブッシュ05によりなされており、このブッシュ05によるラック軸01の支持は、ラック軸01のラック歯02とピニオン03との噛合い部の背面側を支持して該面をピニオン03に向って押圧するようにしている。そして、このラックブッシュ05は、その装着状態における軸方向への移動阻止手段として、ブッシュ05の外周部に複数の突起06を備え、これらの突起06がギアハウジング部04の内周の凹部や段部に係合する構造を備えている。
As shown in FIGS. 9A and 9B, the
また、上述の特許文献2に記載のギアハウジング部(ラックハウジング)04におけるラック軸01の支持は、図10(a)ないし(c)に図示されるように合成樹脂等の弾性部材からなる円筒状のラックブッシュ05によりなされており、このブッシュ05は円筒状のその断面の一部が該円筒の内面側へと膨出された一対の押圧突起06を備えており、この突起06はブッシュ05の軸方向全域に亘って延びるが、ブッシュ05の円周方向においてはその片側半分に寄って配置される構造とされている。
Further, the
ラックブッシュ05は、その円筒の一方の端面がギアハウジング部04内周の段差部041に当接されて軸方向の位置決めがなされ該ハウジング部04の大径部042に圧入され、一対の押圧突起06がラック軸01のラック歯02の背面側に当接することでラック軸01をピニオン03方向に、すなわちラック歯02とピニオン03との噛合部方向に押圧して、ラック歯02とピニオン03のがたつきのない噛合いを確保して、ピニオン03の回転トルクのラック軸01への伝達が円滑になされるようにしている。
The
そして、上述の特許文献3には、図11に図示されるように、ピニオン側の第1のラックブッシュ05は、その係止フランジ051がステアリングハウジング04の周溝04aに嵌入され、位置決め突起が該周溝04a内周面に設けられた凹部に嵌合されて該ハウジング04に対して軸方向および回転方向への移動が阻止されるように位置決めされている。
In the above-mentioned
また、反ピニオン側の第2のラックブッシュ06は、その抜け止め突部061がステアリングハウジングの一部である端末部材07の周溝07aに嵌入され、位置決め突起が該周溝07a内周面に設けられた位置決め凹部に嵌合されて該端末部材07に対して軸方向および回転方向への移動が阻止されるように位置決めされる構造が記載され、このラック軸02を支持する2つのブッシュ05,06はいずれも、ハウジング04,07に対して軸方向および回転方向への移動が阻止されるように位置決め固定されている。
Further, the
ところで、特許文献1に記載のラックブッシュ(弾性部材)は、その外周部の突起がギアハウジング内周(内面)に形成された凹部又は段部に係合してブッシュの移動を阻止する構造を備えるものであるが、ラックブッシュの構造からしてそのギアハウジング内周部への挿入に際し該ブッシュの大きな変形を伴なうものであり、このためにブッシュは柔らかい材料からなるものでなければ挿入できない。そして、ブッシュの挿入を容易ならしめるために該ブッシュにスリットを設けることが考えられるが、この場合にはブッシュが外れ易くなる。
By the way, the rack bush (elastic member) described in
また、特許文献2に記載のラックブッシュ(弾性部材)は、装着時に軸方向から容易に圧入できるものであるが、回転方向における回り止めを兼ねる位置決め手段がないことから、ラックブッシュの圧入における回転方向での正確な位置決めは困難であり、また圧入による装着後も時間の経過と共に回転方向における位置ズレを起し易いので、ラック軸のラック歯とピニオンの適正な噛合いが保てず歯打ち音の発生を効果的に抑えることができない。
The rack bush (elastic member) described in
一方、特許文献3に記載の2つのラックブッシュのように、ともにハウジングに対して位置決め固定されるものは、該ブッシュの位置決め固定のための凹凸部等からなる係合部の加工を該ブッシュとハウジングの双方に施す必要があり、このような加工は手間のかかるものであり、またブッシュの該ハウジングへの嵌装においても凹凸部等からなる係合部の位置合わせが必要となり面倒であるから、該位置決め固定のための凹凸部等からなる係合部は省略できるものであれば、省略したいところでもある。
On the other hand, like the two rack bushes described in
このような状況の中で、ラック軸のラック歯とピニオンとの噛合い部であるギアハウジング位置におけるラックブッシュによる該ラック軸の摺動支持において、該ラックブッシュの構造と該ブッシュによる支持構造に注目した改良を施すことで、ラック軸の揺動によるがたつきを効果的に抑制して、ラック軸のラック歯とピニオンとの噛合いの適正化をなし、これにより該噛合い部から発生する歯打ち音の効果的な抑制が図られた上述のラック・ピニオン式パワーステアリング装置の提供が望まれ、また、ラックブッシュのハウジングへの嵌装における位置決め固定のための凹凸部等からなる係合部の省略に視点をおいたラック軸支持構造を備える該ラック・ピニオン式パワーステアリング装置の提供が望まれる。 In such a situation, in the sliding support of the rack shaft by the rack bush at the gear housing position where the rack tooth of the rack shaft meshes with the pinion, the structure of the rack bush and the support structure by the bush By making noticeable improvements, it is possible to effectively suppress rattling caused by swinging of the rack shaft and to optimize the meshing between the rack teeth of the rack shaft and the pinion, thereby generating from the meshing portion. It is desired to provide the above-described rack and pinion type power steering device that effectively suppresses the rattling noise, and includes a concavo-convex portion for positioning and fixing in the mounting of the rack bush to the housing. It is desired to provide the rack and pinion type power steering apparatus having a rack shaft support structure with a viewpoint of omitting joint portions.
本発明は、上述した課題を解決するためのラック・ピニオン式パワーステアリング装置の改良構造に関し、とりわけ、ラック歯とピニオンの噛合部におけるがたつき防止にその改良の視点がおかれた前記ステアリング装置の改良構造の提供に関し、ラック軸を合成樹脂等からなるブッシュを介してギアハウジングに摺動可能に支持するラック・ピニオン式パワーステアリング装置において、前記ブッシュは、外周部にギアハウジング内面部の係合凹部に係合する凸部を備え、係止部材により固定されることを特徴とする。 The present invention relates to an improved structure of a rack and pinion type power steering apparatus for solving the above-described problems, and in particular, the steering apparatus in which the viewpoint of the improvement is set to prevent rattling at a meshing portion between rack teeth and a pinion. In the rack and pinion type power steering apparatus in which the rack shaft is slidably supported on the gear housing via a bush made of a synthetic resin or the like, the bush is connected to the inner surface of the gear housing on the outer periphery. A convex portion that engages with the concavity is provided, and is fixed by a locking member.
また、前記ブッシュは内面に2つの半径の異なる円弧を有し、半径の小さな円弧は180°以内とすることを特徴とする。
さらに、前記ブッシュは内面に2つの半径の異なる円弧を有し、一方の円弧はラック軸の撓み時に接触する面であり、他方はラック軸の撓み時にも接触しない面とすることを特徴とする。
また、ラック軸を合成樹脂等からなるブッシュ等を介してギアハウジングに摺動可能に支持するラック・ピニオン式パワーステアリング装置のラック軸の支持構造において、低負荷時は2点(9,14)で支持され、高負荷時は3点(9,14,8)で支持されることを特徴とする。
さらに、前記ブッシュは、一方ブッシュがラック軸を一つの曲面である周面で支持し、他方ブッシュがラック軸を3つの凸面部で支持することを特徴とする。
The bush has two arcs with different radii on the inner surface, and an arc with a small radius is within 180 °.
Further, the bush has two arcs with different radii on the inner surface, and one arc is a surface that contacts when the rack shaft is bent, and the other is a surface that does not contact when the rack shaft is bent. .
Also, in the rack shaft support structure of the rack and pinion type power steering apparatus that supports the rack shaft slidably on the gear housing via a bush made of synthetic resin or the like, two points (9, 14) at low load It is characterized by being supported at three points (9, 14, 8) at high load.
Further, the bush is characterized in that one bush supports the rack shaft by a peripheral surface which is a curved surface, and the other bush supports the rack shaft by three convex surface portions.
本発明の請求項1に係る発明は、上記ラック・ピニオン式パワーステアリング装置において、前記ブッシュは、外周部にギアハウジング内面部の係合凹部に係合する凸部を備え、係止部材により固定されるから、ブッシュのギアハウジング内面部への装着は、ブッシュ外周部の係合凸部がギアハウジング内周部の係合凹部に係合することでなされ、ブッシュのハウジングに対する位置決めが容易かつ確実になされ、その組込み性が良く、また、装着状態においてはブッシュのギアハウジングに対する相対回転が確実に阻止される。
The invention according to
本発明の請求項2に係る発明は、前記請求項1の発明のラック・ピニオン式パワーステアリング装置において、前記ブッシュは内面に2つの半径の異なる円弧を有し、半径の小さな円弧は180°以内とされるから、ラック軸の移動におけるブッシュ内面との不必要な干渉を避けることができ、該ラック軸の円滑な移動を図りつつ適切な摺動支持が達成される。
The invention according to
本発明の請求項3に係る発明は、前記請求項1の発明のラック・ピニオン式パワーステアリング装置において、前記ブッシュは内面に2つの半径の異なる円弧を有し、一方の円弧はラック軸の撓み時に接触する面であり、他方はラック軸の撓み時にも接触しない面とされるから、ラック軸の円滑な移動の確保を図りつつラック軸にかかる負荷に適応する安定したラック軸の支持を可能とする。 According to a third aspect of the present invention, in the rack and pinion type power steering apparatus according to the first aspect of the present invention, the bush has two arcs with different radii on the inner surface, and one arc is a deflection of the rack shaft. The surface that contacts sometimes, and the other surface that does not contact even when the rack shaft is bent, so that the rack shaft can be supported stably while adapting to the load on the rack shaft while ensuring smooth movement of the rack shaft. And
本発明の請求項4に係る発明は、ラック軸を合成樹脂等からなるブッシュ等を介してギアハウジングに摺動可能に支持するラック・ピニオン式パワーステアリング装置のラック軸の支持構造において、低負荷時は2点(9,14)支持され、高負荷時は3点(9,14,8)で支持されるから、ラック軸にかかる負荷に適応して無理のないラック軸の安定した支持が可能となり、ラック軸のガタツキが抑制されてラック歯とピニオンとの円滑な噛合いが達成され、該歯車の噛合いによる打音の発生が抑制される。また、ラック歯とピニオンの耐久性が向上する。 According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a rack shaft supporting structure for a rack and pinion type power steering device in which a rack shaft is slidably supported on a gear housing via a bush made of synthetic resin or the like. Since it is supported at two points (9, 14) at times, and at three points (9, 14, 8) at high loads, it can support the load on the rack shaft and provide stable support for the rack shaft. It becomes possible, and rattling of the rack shaft is suppressed, smooth engagement between the rack teeth and the pinion is achieved, and generation of hitting sound due to the engagement of the gears is suppressed. Further, the durability of the rack teeth and the pinion is improved.
本発明の請求項5に係る発明は、前記請求項4の発明のラック軸の支持構造において、前記ブッシュは、一方ブッシュがラック軸を一つの曲面である周面で支持し、他方ブッシュがラック軸を3つの凸面部で支持するから、他方ブッシュの3つの凸面部によるラック軸の摺動支持は、該ラック軸の摺動摩擦抵抗を減じ、しかもラック軸外周部の3つの凸面部による全方向からの均等支持は、該ブッシュの回転方向における位置ズレ発生によっても格別変わることがないので、前記一方ブッシュにおいて回り止めのための位置決めがなされるならば、前記他方ブッシュの回り止めのための位置決めはなされなくともラック軸の前記ブッシュによる安定した支持状態の確保が可能となる。 According to a fifth aspect of the present invention, in the rack shaft support structure according to the fourth aspect of the present invention, in the bush, one bush supports the rack shaft on a circumferential surface that is one curved surface, and the other bush is the rack. Since the shaft is supported by the three convex surface portions, the sliding support of the rack shaft by the three convex surface portions of the bush reduces the sliding frictional resistance of the rack shaft and is omnidirectional by the three convex surface portions of the rack shaft outer peripheral portion. The equal support from the position of the bush does not change even when the bush is rotated in the rotational direction. Therefore, if the one bushing is positioned to prevent rotation, the other bushing is positioned to prevent rotation. Even if it is not made, it becomes possible to ensure a stable support state by the bush of the rack shaft.
したがって、3つの凸面部によりラック軸を支持する他方ブッシュは、該ブッシュの回り止めを積極的に阻止する手段は備えず、該ブッシュと、該ブッシュが嵌装される被嵌装部材における該ブッシュの回り止めのための凹凸部等からなる係合部の形成が不要となり、該係合部のための加工を施す必要性が排除され、その分コストの削減を図ることができる。また、ブッシュの被嵌装部材への嵌装に際し、ブッシュと該ブッシュの被嵌装部材に該ブッシュの位置決めのための凹凸部等が形成されないので、ブッシュの嵌装は該ブッシュの位置や向きを格別意識する必要性がないのできわめて容易である。 Therefore, the other bush that supports the rack shaft by the three convex portions does not include means for positively preventing the bush from being rotated, and the bush and the bush in the fitted member to which the bush is fitted. Therefore, it is not necessary to form an engaging portion composed of an uneven portion or the like for preventing rotation, eliminating the need for processing for the engaging portion, and reducing the cost accordingly. Further, when the bush is fitted to the fitting member, the bush and the fitting member of the bush are not formed with uneven portions for positioning the bush. It is very easy because there is no need to pay special attention to
以下、図1ないし図8に図示された本発明の実施例について説明する。 Hereinafter, an embodiment of the present invention illustrated in FIGS. 1 to 8 will be described.
図1には、本発明のラック・ピニオン式パワーステアリング装置1の略全体図がその一部が断面とされて図示されている。
図1,2を参照して前記パワーステアリング装置1は、図示されない操舵ハンドルやステアリング軸を具備し、補助操舵力付与のための電動モータMを備え、またラック軸2と、該ラック軸2にハンドル操舵力を入力するピニオン3(図2参照)と、該ピニオン3が噛合うラック軸2の歯21と、ラック軸2両端のボールジョイント4,4を介して連結されラック軸2の動作を図示されない操舵車輪に伝達するタイロッド5,5と、ラック軸2の周囲を収納包囲するラックハウジング6と、前記ピニオン3とラック歯21の噛合い部を収納するラックハウジング6の一部であるギアハウジング61等を備えている。
FIG. 1 shows a schematic overall view of a rack and pinion type
1 and 2, the
電動モータMはギアハウジング61の延長ハウジング62に一体的に取付けられており、その補助操舵力は該ハウジング62内において図示されないウォームギア機構を介してピニオン3を備える操舵力出力軸31(図2参照)に伝達され、操舵力出力軸31のピニオン3とラック歯21の噛合い介してラック軸2がラックハウジング6内でその軸方向において所定のストロークで進退動可能とされる。このため、ラック歯21は所定長さを有する歯部21aとして形成される。ラック軸2のこの歯部21aはラック軸2の円形である断面形状の側面の一部が前記所定の長さに亘り切り欠かれて歯が形成された部分である(図2参照)。
The electric motor M is integrally attached to the
ラック軸2のラックハウジング6内における前記所定ストロークの軸方向進退動は、すなわち、図1の図示におけるラック軸2の左右方向への進退動は、ラック軸2の両端のボールジョイント4,4を介して連結されたタイロッド5,5に伝達され、さらにタイロッド5,5の動きは操舵のための図示されない操舵車輪に伝達されて車両の方向変換が行われる。
The forward / backward movement of the
ラック軸2を収納包囲するラックハウジング6は、ラック軸2の両端部近傍を包囲する図1に図示の右方端側の前記ギアハウジング61と、左方端側の左方ハウジング65と、ギアハウジング61の左方から延出する筒状ハウジング63と前記左方ハウジング65の右方から延出する筒状ハウジング66間を接続する中空管ハウジング67とからなり、この中空管ハウジング67がギアハウジング61の左方筒状ハウジング63の内周部63aにその右方端外周部67aが圧入保持され、また左方端外周部67bが左方ハウジング65の筒状ハウジング66の右方側内周部66aに圧入保持されて、これによりラック軸2のそのベローズ7,7により覆われる両端部を除き該ラック軸2を全面的に収納包囲する。
The
ラック軸2は、既述のようにラック軸2の支持部であるラックハウジング6内においてその軸方向、すなわち、図示左右方向において所定のストロークをもって進退動可能に支持されるが、ラックハウジング6におけるラック軸2の支持は、本実施例においてはその一方の該ラック軸2右方端寄りのギアハウジング61の位置と、他方のラック軸2左方端寄りの左方ハウジング65の位置と、さらに、後述されるラック歯21とピニオン3の噛合い部のラック歯21背部の押圧装置14の押当部14b(図2参照)の3個所においてなされている。
As described above, the
ラック軸2のラックハウジング6による一方の支持は、つまり、図1の図示においてラック軸2の右方端寄りとなるギアハウジング61の位置におけるラック軸2の支持は、ギアハウジング61の右方から延出する筒状ハウジング64、すなわち、ラック軸2の外周部2aを同軸的に包囲するように筒状に所定長さで延びるハウジング64に後述される合成樹脂等からなるラックブッシュ8を介して摺動可能に支持されることでなされている。
One support of the
また、ラック軸2のラックハウジング6による他方の支持は、つまり、図1の図示におけるラック軸2の左方端寄りとなる左方ハウジング65の位置におけるラック軸2の支持は、左方ハウジング65の左方ラック軸2の端部寄りの内周部65aに形成された環状凹部65bに嵌入された摺動リング部材9である摺動ブッシュ90を介して支持されることでなされている。
Further, the other support of the
ラック軸2の一方および他方の支持部であるギアハウジング61の位置と左方ハウジング65の位置は、共にラック軸2の両端を構成する部分であり、したがって、これらラック軸2の支持部はタイロッド5,5への連結部であるボールジョイント部4,4に隣接する。このために該部分にはボールジョイント部4,4をその保護のために覆うベローズ7,7が装着され、ラック軸2の前記一方の支持部においては、ギアハウジング61の右方から延出する筒状ハウジング64の右方端側の外周部64bに設けられた環状凹部64cが該ベローズ7の装着に供される構造部とされ、また、ラック軸2の他方の支持部においては、左方ハウジング65の左方端側の外周部65cが該ベローズ7の装着に供される構造部とされる。
Both the position of the
ギアハウジング61の位置におけるベローズ7の装着は筒状ハウジング64の外周部64bの環状凹部64cにおいてなされ、べローズ7の一端開口部7aが該環状凹部64cに嵌合されてベローズ7の開口部7aの外側からベローズバンド10により締付けカシメられると共に、ベローズ7の他端開口部7bがタイロッド5の外周部5aに嵌合されてタイロッドクリップ11により締付けられることでなされる。
The
また、左方ハウジング65の位置におけるベローズ7の装着は該ハウジング65の外周部65cにおいてなされ、ベローズ7の一端開口部7aが該ハウジング65の外周部65cに嵌合されてベローズバンド10で締付けカシメられると共に、ベローズ7の他端開口部7bがタイロッド5の外周部5aに嵌合されてタイロッドクリップ11により締付けられることでなされる。
The
そして、ラック軸2はその左右の両端のボールジョイント部4,4に隣接する位置にそれぞれ所定幅の合成樹脂やゴム等からなる環状のストッパラバー12,12を備えており、このストッパラバー12,12はラック軸2の左右両端のやや細めに加工された部分23に圧入固定されている。
The
ストッパラバー12,12は、ラック軸2の図1の図示左右方向への進退動のストロークにおける左方への移動の移動端においては、ギアハウジング61の右方延出筒状ハウジング64の内周部64aに嵌入される後述のストッパピース13端に、また、右方への移動の移動端においては左方ハウジング65の左方端65dにそれぞれ当接して、ラック軸2の左右方向への移動を阻止し、これによりラックハウジング6に対するラック軸2の左右方向への進退動におけるストロークを決定している。
The stopper rubbers 12, 12 are arranged at the inner periphery of the right-extending
パワーステアリング装置1は概ね上述した構造を具備するものであり、ラック軸2のラックハウジング6における支持構造についてもその概要については述べたところであるが、ここで、さらにラック軸2の一方の支持部、すなわち、ギアハウジング61の位置におけるラック軸2の支持構造について図2等を参照して詳しく説明する。
The
図2に図示されるように、ラック軸2の一方の支持部であるギアハウジング61の図示左方(図1においては図示右方)から延出する筒状ハウジング64による支持部が拡大図示されている。ギアハウジング61の筒状ハウジング64は、ギアハウジング61におけるラック歯21とピニオン3との噛合い部の収容空間からラック軸2の軸方向において図2の図示左方側に延出する筒状をなすハウジング64であり、ラック軸2はこの筒状ハウジング64の内部においてその軸方向、すなわち図示左右方向に進退動可能とされている。
As shown in FIG. 2, the support portion by the
ギアハウジング61のラック歯21とピニオン3との噛合い部の収容空間は、ラック軸2のラック歯21とこれに噛合うピニオン3のための空間を備え、また、ラック歯21とピニオン3の噛合い部のラック歯21の反対側、すなわちラック歯21の背面側24に該歯21の噛合いによる圧力に抗して該背面側24をピニオン3側へ向けて押圧するための押圧力を与える実質的にラック軸2の一つの支持部を構成する押圧装置14のための収容空間も備えている。
The accommodation space of the meshing portion between the
ラック歯2の背面側24を押圧する押圧装置14は、ギアハウジング61のラック軸2の軸方向と直交する方向に延出するボス部61aに形成されるシリンダ61bと、該シリンダ61b内を摺動可能に移動しラック軸2のラック歯21の背面側24に当接する平坦な押当部14bをその先端に備えるラックガイド14aと、このラックガイド14aの背部(図示上部)に配置されるバネ14cと、シリンダ61bの上部開口部61cにねじ込まれることで該シリンダ61bの上部開口部61cを密封封鎖すると共にラックガイド14aの背部の前記バネ14cを押圧するキャップ14dとからなり、キャップ14dのねじ込み量の調整によりバネ14cによるラックガイド14aの押圧力が調整される。
The
ギアハウジング61の筒状ハウジング64は、その延出端方向においてその外径の大きな拡径部64dとされており、その端部外周部64bには既述のベローズ7の装着に供されるための環状凹部64cが設けられている。筒状ハウジング64の内周部64aは、前記ラック歯21とピニオン3の噛合い部収容空間側がやや内径の小さな孔部64eとされ、この内径の小さな孔部64eから第1の段部64fを形成して内径が拡大する第1の拡大孔部64gと、この拡大孔部64gから第2の段部64hを形成して内径が拡大する第2の拡大孔部64iと、さらにこの拡大孔部64iから第3の段部64jを形成して拡大する第3の拡大孔部64kとを備えている。
The
筒状ハウジング64の内周部64aの内径の小さな孔部64eは、ラック軸2のラック歯21と、ラック歯21の形成されない軸部22が支障なく移動可能とされるに充分な内径を備えればよく、断面円形の直線として所定長さ延びる孔であり、また、この小さな孔部64eに続く第1の拡大孔部64gは、後述されるラックブッシュ8が嵌入される孔部であり、その内周部64g1には嵌入されるブッシュ8のための回り止めと位置決めを兼ねる係合凹部64g2(図2(b)参照)が設けられている。
The
筒状ハウジング64の第1拡大孔部64gの内周部64g1の前記係合凹部64g2は、実質的に更なる拡大内径部である前記第2の拡大孔部64iと該第1の拡大孔部64gとの境界の段部64hが軸方向に直接切込まれて形成された溝であり、これにより後に詳しく説明されるラックブッシュ8は、その外周部8bの係合凸部8aが該係合凹部64g2に位置合わされてその軸方向に押込まれることで、前記第2の拡大孔部64i側から第1の拡大孔部64g内に挿入可能とされる。
The engagement concave portion 64g2 of the inner peripheral portion 64g1 of the first
そして、第2の拡大孔部64iは、ストッパピース13が嵌入される孔部であり、その内周部に後述されるストッパピース13の外周部13a(図5参照)が圧入されることで前記第1の拡大孔部64gに嵌入されたラックブッシュ8の軸方向への移動を阻止する。
また、第2の拡大孔部64iに続く第3の拡大孔部64kは、ラック軸2の外周部2aを該ラック軸2が高負荷を受けて撓んでも接触することのない充分な間隔を保持して包囲し、さらにその端部開口近傍の外周部64bには既述のベローズ7の装着に供される環状の凹部64cが形成されている。
And the 2nd expansion hole part 64i is a hole part by which the
The third
ラック軸2は、既述のように筒状ハウジング64の内部をその軸方向、すなわち、図示左右方向で進退動可能に移動し、このために前記第1の拡大孔部64gにラックブッシュ8が嵌入されて、該ブッシュ8を介してラック軸2は筒状ハウジング64に前記進退動可能に支持される。
As described above, the
ラックブッシュ8は合成樹脂やゴム等からなり、図4(a)(b)に図示されるように所定幅のリング状の外形形状をなしその幅は均一であり、リングはその外周部8bが真円で、その外径は筒状ハウジング64の第1の拡大孔部64gの内周部64g1(図2(b)参照)と略同径とされ、リングの外周部8bには該ブッシュ8の嵌入時の筒状ハウジング64に対する位置決めのための係合凸部8aが設けられている。
The
この係合凸部8aは、筒状ハウジング64の第1の拡大孔部64gの内周部64g1に設けられた係合凹部64g2との嵌入によりブッシュ8の筒状ハウジング64に対する位置決めをなすものであり、また、リング外周部8bのこの係合凸部8aが設けられる部分以外の部分は全周に亘り該リングの幅方向に延びる互いに平行な多数の山形の係合凸部8aより高さの低い凹凸部8cが設けられている。
This engagement
ラックブッシュ8の内周部8dは、その正面視において半径の異なる2つの円の円弧による環状周面部分の周面8e,8fが該内周部8dの周上において互いに連続した円に類似する環状周面とされ、したがって、ブッシュ8を形作るリングは外形が真円であるからその肉厚が半径の大きな円弧による周面8f対応部は薄く、半径の小さな円弧による周面8e対応部は肉厚となっている。ブッシュ8の内周部8dの環状周面によるラック軸2の支持は、ラック軸2にかかる負荷が無負荷もしくは低負荷でラック軸2が撓みのない状態もしくは撓みが僅かである状態においては実質的になされず、ラック軸2にかかる負荷が高負荷でラック軸2が撓む時には半径の小さな円弧による周面8eにおいて、すなわち、実質的にリングの肉厚部8gにおいてなされる。
The inner
そして、ラック軸2における前記半径の小さな円弧による周面8eに対応する前記支持部は、ラック歯21の形成側と反対のラック歯21の背面側である。
ラックブッシュ8の内周部8dの半径の大きな円弧による周面8fは、ラック軸2のラック歯21の形成側に対応するがこの周面8fはラック歯21とは接触せず、ラックブッシュ8の装着における該ブッシュ8のラック軸2に対するこのような位置取りは上述の筒状ハウジング64の内周部64a、より詳しくは第1の拡大孔部64gの係合凹部64g2に係合する係合凸部8aによる位置決めにより容易に達成されるものである。
And the said support part corresponding to the surrounding
The
ラックブッシュ8の内周部8dの実質的なラック軸支持部である半径の小さな円弧による周面8eは、該ブッシュ内周部8dにおける周面上の180°以内の角度θに対応する長さの周面範囲とされ、この長さの範囲内の周面によりラック軸2のラック歯21背面側を支持するようになされており、これにより必要以上のラック軸2とラックブッシュ8との接触を避けることでラック軸2の動作のための移動の円滑性を阻害しないようにしている。
A
そして、ラック軸2を支持する半径の小さな前記円弧による周面8eは、既述のように無負荷もしくは低負荷状態におけるラック軸2の撓みがない状態もしくは撓みが僅かである状態においてはラック軸2と直接接触せず互いに干渉しないようになされ、高負荷状態におけるラック軸2の撓みが大きな状態においては該周面8eにより該ラック軸2を支持するようになされている。
また、ラック軸2の実質的な支持面である半径の小さな円弧による周面8eで肉厚とされ強度の高いラックブッシュ8の該肉厚部8g外周部8bの周方向略中央に上述のブッシュ8の位置決め係合凸部8aが設けられている。
The
Further, the above-mentioned bush is formed at the substantially central portion in the circumferential direction of the outer
第1の拡大孔部64gに嵌入されるラックブッシュ8の軸方向移動は、第2の拡大孔部64iに圧入されるストッパピース13により阻止されるが、ストッパピース13は、鋼材等の材料からなり、図5に図示される所定の肉厚と所定の幅をもつリング部材であり、その外周部13aは第2の拡大孔部64iに圧入されることから該孔部64iと略同径でありブッシュ8の外径より大きく、該外周部13aは、環状の平坦面13a1とされている。
Although the axial movement of the
リング部材であるストッパピース13の内周部13bは該内周部13bの主体をなす軸方向一方端寄り、すなわち、該ピース13の圧入時にラックブッシュ8側寄りとなる小さな内径部13b1と、軸方向他方端寄り、すなわち、反ブッシュ8側寄りとなる大きな内径部13b2とを有している。そして、ストッパピース13の内周部13bの小さな内径部13b1は、ラック軸2の許容範囲内における撓みを許容し、許容範囲を越える撓みを抑制する作用をなす。
The inner
これに対して、大きな内径部13b2はリング部材であるストッパピース13がストッパとして必要とされる圧接摩擦力保持のための所定幅を有することから、ラック軸2の撓みが許容範囲内の比較的小さなものであっても小さな内径部13b1がそのリング全幅に亘り設けられるものであると仮定すると(図5の図示点線部参照)、その外方端部13b11に撓んだラック軸2が当接することになる(図3も参照)。
On the other hand, the large inner diameter portion 13b2 has a predetermined width for holding the pressure contact friction force required for the
したがって、このような不都合を回避するために、その外方端(図示左方側端)の内周部13bが拡径され大きな内径部13b2とされたものであり、その意味ではこの内径部13b2はラック軸2の撓みにおける逃げ部とされたものである。そして、このような構造のストッパピース13は、既述したように上述のラックブッシュ8の移動阻止のために第2の拡大孔部64iの内周部64i1に圧入され、このために該ピース13の外周部13aの前記平坦面13a1は丁寧に仕上げられ、その両側縁部には比較的大きな面取り加工13a2が施されている。
Therefore, in order to avoid such inconvenience, the inner
そして、ラック軸2の他方の支持部、すなわち、左方ハウジング65による既述の摺動リング部材9によるラック軸2の摺動支持(図1参照)は、該リング部材9である図7に図示される摺動ブッシュ90によりなされ、このブッシュ90は、ブッシュ8同様、合成樹脂やゴム等からなり、所定幅のリング状の外形形状をなしその幅は均一であり、該リングには図7(c)に図示されるように該リングの周方向に対して所定の角度をもって該リングを切断するスリットSが設けられている。
The other support portion of the
ブッシュ90の外周部90aは基本的には真円で平らな周面とされるが、その周方向3個所の等間隔位置には、すなわち、周方向の120°間隔位置をもって所定長さ周方向で延長し平坦部90bと該平坦部90b周方向延長における中央の円弧状断面の突状部90cからなる変形部90dを備えている。この変形部90dにおける前記突状部90cの高さはその頂部が該ブッシュ90の外周部90aの周上に略一致する高さとされるが、この突状部90cを挟む平坦部90bは平坦化される分ブッシュ90の厚みが薄くなるが、実質的には後述されるブッシュ90内周の凸面部90hが該変形部90dに対応するからその肉厚に左程の変化はない。
The outer
そして、3個所の変形部90dは、後述されるブッシュ90内周における3つの凸面部90hによるラック軸2の支持を適度な弾性効果をもってなすことに寄与し、また、前記スリットSの存在と相俟って該ブッシュ90の後述される左方ハウジング65の環状凹溝65bへの嵌合における比較的軽い弾性圧接力下での据わりの良いブッシュ90の確保において寄与するところである。
The three
ブッシュ90の外周部90aの幅方向両側には比較的大きな面取り90eが施され、この面取り90eに続くブッシュ両側部90fは平らな面とされる。ブッシュ90の内周部90gは基本的には真円であるが、該内周部90gには3つの凸面部90hが形成され、これら凸面部90hは互いに前記内周部90gの周方向において等間隔位置、すなわち、互いに120°の間隔位置をもって形成され、これら凸面部90hの周方向形成位置は、前記ブッシュ外周部90aの周方向で互いに等間隔で形成された3つの変形部90dの丁度内周側対応位置に形成されるものである。
A relatively
3つの凸面部90hは、いずれもリング状ブッシュ90の周方向に直交して該ブッシュ90の全幅に亘る長さを有して該ブッシュ内周部90g周面を横断するように互いに平行に延びており、これら凸面部90hは、その横断面視でブッシュ内周の円弧の一部を切る弦の如き形状を呈し、該凸面部90hは略平坦面とされる上面を備え、これら平坦面である上面の周方向中央90iはラック軸2の支持のための後述される左方ハウジング65への嵌装において、ラック軸2の軸心を中心とする同一円周上に位置し、かつこれら平坦面の上面はそれぞれ該ラック軸2の延長方向と平行とされ、この平坦面である上面の周方向中央90iによる支持部分でラック歯21を備えないラック軸2の外周部が当接支持されて、ラック軸2は前記ブッシュ90により摺動支持される。
All of the three
ブッシュ90は、図1も参照して、既述のように左方ハウジング65に嵌装されるが、このために該ハウジング65の左方端寄りの内周部65aには、図8に拡大図示されるように、ブッシュ90の収容嵌装のための環状凹部65bが形成され、この環状凹部65bは、該ハウジング内周部65a長手方向で所定長さ延長し、かつ該ハウジング65径方向で所定深さ、すなわち、左方ハウジング65の径方向肉厚の略中央近傍にまで達して延長するブッシュ90の収容嵌装の適合構造を備えるが、該環状凹部65bの環状内周面65b1と該凹部65bの両側部65b2は単純な平らな面とされている。
The
左方ハウジング65の内周部65aの環状凹部65bに収納嵌装されるブッシュ90は、該環状凹部65bに対して強く圧入されることなく、スリットSによる軽い弾性圧接力が付与される程度の嵌装状態とされ、該嵌装状態のブッシュ90は、該ブッシュ90の基本的には平らな外周部90aとされ、また平らな両側部90fとされる面が、左方ハウジング65の前記環状凹部65bの平らな環状内周面65b1と該凹部両側部65b2にて接触保持されるのみであるから、該ブッシュ90の前記嵌装状態における回り止め手段は積極的には備えていない。
The
左方ハウジング65に上述の状態で嵌装されたブッシュ90によるラック軸2の摺動支持は、該支持部におけるラック歯21のないラック軸2の外周部が、該ブッシュ内周部90gの3つの凸面部90hにより支持されることでなされ、3つの凸面部90hのそれぞれの平坦な上面中央90iが前記ラック軸2の外周部に比較的軽い弾性圧接力を有して当接することで、該ラック軸2を前記ブッシュ90により摺動支持する。
In the sliding support of the
なお、ブッシュ90の外形形状や該ブッシュ90を収納嵌装するハウジング65の環状凹部65b等の形状については、上述の形状に限定されるものでなく、適宜適切な選択が可能であり、また、凸面部90hの形状についても、上述のようにその横断面視略平坦面を呈するものに限定される理由はない。
The outer shape of the
ラック軸2の上述したブッシュ等による支持、つまり、ブッシュ8,90(9)と押圧装置14による支持は、ラック軸2に負荷がかからず該軸2が撓みのない無負荷の状態もしくは低負荷で該軸2の撓みが僅かである状態(たとえば、図2参照)においては、ラックブッシュ8の内周部8dの半径の小さな円弧による周面8eがラック軸2のラック歯21の背面側に直接接触しない。したがって、この状態においてはラック軸2は、既述の摺動リング部材9であるブッシュ90による他方の支持部である図1における図示左方端寄りの支持と押圧装置14により押当部14bの該図示右方寄り位置の2箇所において実質的に支持される。
The support of the
そして、操舵操作に基づき、また、走行中の図示されない車輪側からの反力による負荷がラック軸2にかかり、この負荷が比較的大きくなり、つまり高負荷となりラック軸2の撓みが大きくなると前記ラックブッシュ8の内周部8dの周面8eに接触し、該ラック軸2の負荷は該周面8eで受け止められる。したがって、この状態においてはラック軸2は、該ブッシュ8の前記周面8eと、既述の他方支持部の摺動リング部材9であるブッシュ90と、押圧装置14による押当部14bとの3箇所において支持される。
Then, based on the steering operation, a load caused by a reaction force from a wheel (not shown) during traveling is applied to the
本実施例は上述した構成であるから、以下のような作用効果を奏する。 Since the present embodiment has the above-described configuration, the following operational effects can be obtained.
ラックブッシュ8は、その内周部8dが半径の異なる2つの円弧による環状周面部分が互いに連続して形成される円類似の環状周面とされ、該環状周面が半径の小さな円弧による周面8eと半径の大きな円弧による周面8fからなり、負荷のかかるラック軸2を該内周部8dの環状周面上における180°以内とされる角度θの範囲の長さを占める前記半径の小さな円弧による周面8eのみで摺動支持するから、ラック軸2へのブッシュ8の不必要な干渉が避けられ、ラック軸2の円滑な移動の確保を図りつつ適切な摺動支持が達成される。
The
また、半径の小さな円弧による周面8eにおけるラック軸2の支持は、ラック軸2にかかる負荷が無負荷もしくは低負荷であれば、既述の他方の支持部である摺動リング部材9すなわち、ブッシュ90による支持と押圧装置14による押当部14bの2個所において、また高負荷であれば、これら支持部にさらに該周面8eが加えられた3個所においてなされるので、ラック軸2は、該軸2にかかる負荷に適応して無理のない安定した状態で支持され、ラック歯とピニオンとの円滑な噛合いが確保され、該歯車の噛合いによる打音の発生が抑制され、該歯車の耐久性が向上する。
Further, the
ラックブッシュ8は、合成樹脂やゴム等の弾性体からなりその外周部8bに係合凸部8aが設けられ、該ブッシュ8の嵌入装着時に該凸部8aがギアハウジング61の筒状ハウジング64内周部64a、より具体的には第1の拡大孔部64gの内周部64g1の係合凹部64g2に嵌合するから、ラックブッシュ8の装着に際しての該ブッシュ8の回転方向における位置決めが容易であり、しかもラックブッシュ8の装着を正確に行うことができる。
The
また、長期の使用においてもラックブッシュ8は回転方向の位置ズレを起すことがないので、ブッシュ8の変形や磨耗による耐久性の低下を防ぐことができ、ラック歯21とピニオン3のがたつきのない適正な噛合い状態が長期に亘り維持されるので、結果としてラック軸2とピニオン3の耐久性が向上する。
Further, since the
また、ギアハウジング61の筒状ハウジング64の前記係合凹部64g2はその側縁が第2段部64hにおいて開口する溝部とされるから、ラックブッシュ8の該筒状ハウジング64への嵌入装着は、該ブッシュ8の外周部8bの係合凸部8aが筒状ハウジング64の内周部64a(より具体的には64g1)の係合凹部64g2に位置合わせされて軸方向から押込むことで容易に行うことができる。さらに、ラックブッシュ8の外周部8bの係合凸部8aは、該ブッシュ8の肉厚部8gに設けられるのでその強度は比較的高く、該係合凸部8aによるブッシュ8の位置決めは正確でしかも安定している。
Further, since the engaging recess 64g2 of the
ラックブッシュ8の外周部8bの周面の略全面には山形の凹凸部8cが設けられており、この凹凸部8cは比較的変形し易いので該ブッシュ8の筒状ハウジング64の前記内周部64g1への嵌入装着は容易であり、また、ラック軸2のラックブッシュ8による支持は、ラック軸2にかかる衝撃的な負荷荷重を和らげる効果を奏する。
A mountain-shaped
本発明の上述の実施例におけるラックブッシュ8は、その外周部8bが係合凸部8aの設けられた部分を除いて全面に亘り山形の凹凸部8cが設けられた面とされたが、図6に図示されるようにラックブッシュ8の外周部8bにこのような山形の凹凸部8cを設けない態様も採用可能であり、この態様においてはラックブッシュ8によるラック軸2の支持の安定度が高い。
The
また、上述の反ピニオン側の摺動リング9であるブッシュ90によるラック軸2の支持は、所謂3点支持ブッシュ90によるラック軸2の支持であるから、ラック軸2の支持における該ラック軸2外周部の3つの凸面部90hとの接触による摺動接触面積の縮小による摺動摩擦抵抗力の軽減が図られ、また、該ブッシュ90は、格別の回り止め手段を持たないが、該ブッシュ90の回転方向への位置ズレの発生があってもラック軸2の外周部の該ブッシュ凸面部90hによる均等支持には変化はないから、ラック軸2にかかる負荷の高低に拘わらずラック軸2のバランスの良い安定した摺動支持を実現することができる。
Further, since the
さらに、前記ブッシュ90は、左方ハウジング65の内周部65aに設けられた環状凹部65bに強く圧入されることなく、スリットによる軽い弾性圧接力で不必要な動きが抑えられる程度の適度の圧力による嵌入度をもって嵌装されるものであり、環状凹部65bおよびブッシュ90には格別の該ブッシュ90位置決めのための凹凸部等が形成されるものではないから、該ブッシュ90の環状凹部65bへの嵌装は、ブッシュ90の向きや位置に格別の配慮をなす必要がないのできわめて容易であり、また、ブッシュ90の回り止め手段は必要ないから、このための左方ハウジング65および該ブッシュ90における加工が不要であり、その分コストの削減を図ることができる。
Further, the
1・・・パワーステアリング装置、2・・・ラック軸、21・・・ラック歯、3・・・ピニオン、4・・・ボールジョイント、5・・・タイロッド、6・・・ラックハウジング、61・・・ギアハウジング、61a・・・ボス部、63・・・左方筒状ハウジング、64・・・右方筒状ハウジング、64a・・・内周部、64b・・・外周部、64c・・・環状凹部、64d・・・拡径部、64e・・・小さな孔部、64f・・・第1の段部、64g・・・第1の拡大孔部、64g2・・・係合凹部、64h・・・第2の段部、64i・・・第2の拡大孔部、64j・・・第3の段部、64k・・・第3の拡大孔部、65・・・左方ハウジング、65b・・・環状凹部、66・・・筒状ハウジング、67・・・中空管ハウジング、67a・・・右方端外周部、67b・・・左方端外周部、7・・・ベローズ、8・・・ラックブッシュ、8a・・・係合凸部、8b・・・ブッシュ外周部、8c・・・山形の凹凸部、8d・・・ブッシュ内周部、8e・・・半径の小さな円弧による周面、8f・・・半径の大きな円弧による周面、8g・・・リングの肉厚部、9・・・摺動リング部材、90・・・ブッシュ、90h・・・凸面部、10・・・ベローズバンド、11・・・タイロッドクリップ、12・・・ストッパラバー、13・・・ストッパピース、14・・・押圧装置、14a・・・ラックガイド、14b・・・押当部、14c・・・バネ、14d・・・キャップ、M・・・電動モータ。
DESCRIPTION OF
Claims (5)
5. The rack and pinion type according to claim 4, wherein one of the bushes supports the rack shaft with a circumferential surface that is one curved surface, and the other bush supports the rack shaft with three convex surface portions. Power steering device.
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