JP2006110988A - プラスチックフィルム及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明プラスチックフィルム基材(A)の少なくとも片面に少なくとも膜厚が1μm以下のプライマー層(B)及び膜厚が1μm以上の機能性層(C)をこの順に積層してなり、透明プラスチックフィルム基材(A)と機能性層(例.ハードコート層)(C)が波長546nmにおいて実質的に屈折率差がなく、かつ透明プラスチックフィルム基材(A)とプライマー層(B)が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なり、
プライマー層(B)の膜厚dPが下記式を満たすプラスチックフィルムとする。
dP=(N×546±50)/(2nP) (nm)
ただし、nPはプライマー層(B)の屈折率、Nは自然数。
【選択図】 図1
Description
本発明は、また、本発明のプラスチックフィルムを備えた画像表示装置にも関する。
なかでも、ポリエステル樹脂系フィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)の二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐燃性または耐薬品性等を有するため上記の機能性フィルムの基材フィルムとして、需要の伸びは著しい。
PETフィルムは結晶配向性のため、表面凝集性が高く各種素材に対する密着性に乏しい。密着性を持たせるための様々な工夫を凝らせたプライマー層(易接着層)を介してハードコート層を積層するのが一般的である。
一般に用いられるPETフィルム/プライマー層/ハードコート層の構成においても3層全ての屈折率を合わせて干渉斑を防止することが考えられるが、プライマー層の屈折率をPETフィルムの屈折率に合わさなければならず、プライマー層の組成にも著しい制約を与える。また、プライマー層の屈折率を上げるために高屈折率金属酸化物超微粒子を加える必要がある。ハードコート層やプライマー層に金属酸化物微粒子を加えると層の凝集力が低下する。特に、易接着層のバインダーの凝集力は易接着性をもたせるためにハードコート層の凝集力に対し低く設定してあり、金属酸化物超微粒子を添加することでハードコート層以上に凝集力が低下し、膜剥がれ等の原因となる。
さらに、ハードコート層とPETフィルムの間に3〜50μmでハードコート層とPETフィルムとの中間の屈折率を持つ緩衝層によって干渉縞が防止できるとの方法も提案されているが(例えば、特許文献4参照)、追試した結果、上記条件での干渉斑に対する効果は不充分であった。
この方法はハードコート層の組成に全く制約を与えないために、ハードコート層組成の自由度の点で応用範囲が広い。しかしながら、この方法でもプライマー層の屈折率はハードコート層とプラスチックフィルム基材の屈折率から一義的に決定しなければならず、プライマー層の組成を制限する。
従って、PETフィルムの様な高屈折率プラスチックフィルム基材を用いたPETフィルム/プライマー層/ハードコート層の構成のハードコートフィルムにおいて、特許文献5で開示した技術を補足するプライマー層組成の自由度の高い、即ちプライマー層の屈折率が自由に変えられる三波長蛍光灯下で干渉斑の発生のないハードコートフィルムの開発が望まれていた。
また、本発明の他の目的は、上記プラスチックフィルムを基材とし、各種機能性を有した機能性フィルム、特に反射率の低い反射防止フィルムを提供することにあり、さらに該プラスチックフィルムを備えた画像表示装置を提供することにある。
1. 透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に少なくとも膜厚が1μm以下のプライマー層及び膜厚が1μm以上の機能性層をこの順に積層してなるプラスチックフィルムであって、該透明プラスチックフィルム基材と該機能性層が波長546nmにおいて実質的に屈折率差がなく、かつ該透明プラスチックフィルム基材と該プライマー層が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なり、該プライマー層の膜厚dPが下記数式(1)を満たすことを特徴とするプラスチックフィルム。
数式(1)
dP=(N×546±50)/(2nP) (nm)
ただし、nPは該プライマー層の屈折率、Nは自然数である。
数式(2)
dP=(N×546±25)/(2nP) (nm)
3. 前記プライマー層の膜厚dPが下記数式(5)を満たすことを特徴とする上記2に記載のプラスチックフィルム。
数式(5)
dP=(N×546±10)/(2nP) (nm)
5. 前記Nは1または2であることを特徴とする上記1〜3の何れかに記載のプラスチックフィルム。
6. 前記Nは1であることを特徴とする上記1〜3の何れかに記載のプラスチックフィルム。
8. 前記基材がポリエステルフィルムであることを特徴とする7.に記載のプラスチックフィルム。
9. 前記基材がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであることを特徴とする上記8に記載のプラスチックフィルム。
10. 前記基材がポリカーボネートフィルムであることを特徴とする上記9に記載のプラスチックフィルム。
12. 前記基材がセルロースエステルフィルムであることを特徴とする上記11に記載のプラスチックフィルム。
13. 前記基材がトリアセチルセルロース(TAC)フィルムであることを特徴とする上記12に記載のプラスチックフィルム。
15. 前記プライマー層が導電性金属酸化物微粒子を含有し帯電防止性を備えることを特徴とする上記14に記載のプラスチックフィルム。
16. 前記導電性金属酸化物微粒子がATO(アンチモンドープ酸化錫)、PTO(リンドープ酸化錫)またはITO(錫ドープ酸化インジウム)の粒子であることを特徴する上記15に記載のプラスチックフィルム。
17. 前記プライマー層が接着性下塗り層であることを特徴とする上記1〜16のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
19. 前記機能性層が金属酸化物微粒子を含むことを特徴とする上記1〜18の何れかに記載のプラスチックフィルム。
20. 前記機能性層が導電性金属酸化物微粒子を含む帯電防止性層であることを特徴とする上記19に記載のプラスチックフィルム。
21. 前記導電性金属酸化物微粒子がATO(アンチモンドープ酸化錫)、PTO(リンドープ酸化錫)またはITO(錫ドープ酸化インジウム)の粒子であることを特徴する上記20に記載のプラスチックフィルム。
23. 前記機能性層が二酸化チタンを主成分とし、かつコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素を少なくとも1種含有する無機微粒子を含むことを特徴とする上記22に記載のプラスチックフィルム。
24. 前記コバルト、アルミニウムおよびジルコニムからなる群より選択される元素の含有量の合計が、二酸化チタンの含有量に対して0.5〜3質量%であることを特徴とする、上記23に記載のプラスチックフィルム。
25. 前記機能性層が中空シリカ粒子を含有することを特徴とする上記1〜24の何れかに記載のプラスチックフィルム。
27. 前記ハードコート層が活性エネルギー線照射により硬化する硬化性組成物からなることを特徴とする上記1〜26の何れかに記載のプラスチックフィルム。
29. 前記透明プラスチックフィルム基材の前記プライマー層を積層していない面に別のプライマー層(以下、「プライマー層Q」)と粘着剤層がこの順に積層してなるプラスチックフィルムであって、該透明プラスチックフィルム基材と該粘着剤層が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なり、該プライマー層Qの屈折率nQ及び膜厚dQが下記数式(3)及び数式(4)を満たすことを特徴とする上記1〜27の何れかに記載のプラスチックフィルム。
数式(3)
nQ=(nS×nA)1/2±|nS×nA|/4
ただし、nSは基材の屈折率、nAは該粘着剤層の屈折率である。
数式(4)
dQ=(M×546±50)/(4nQ) (nm)
ただし、Mは自然数である。
30. 前記プライマー層Qの屈折率nQが下記数式(6)を満たすことを特徴とする上記29に記載のプラスチックフィルム。
数式(6)
nQ=(nS×nA)1/2±|nS−nA|/8
31. 前記プライマー層Qの膜厚dQが下記数式(7)を満たすこと特徴とする上記29に記載のプラスチックフィルム。
数式(7)
dQ=(M×546±25)/(4nQ) (nm)
32. 前記プライマー層Qの膜厚dQが下記数式(8)を満たすこと特徴とする上記31に記載のプラスチックフィルム。
数式(8)
dQ=(M×546±10)/(4nQ) (nm)
33. 前記Mは3以下の自然数であることを特徴とする上記29〜32の何れかに記載のプラスチックフィルム。
34. 前記Mは1または2であることを特徴とする上記29〜32の何れかに記載のプラスチックフィルム。
35. 前記Mは1であることを特徴とする上記29〜32の何れかに記載のプラスチックフィルム。
36. 前記プライマー層Qが導電性金属酸化物微粒子を含有し帯電防止性を備えることを特徴とする請求項29〜32の何れかに記載のプラスチックフィルム。
38. 上記37に記載の機能性層が反射防止層であることを特徴とする反射防止フィルム。
39. 反射率の極小波長が520nm〜570nmであることを特徴とする上記38に記載の反射防止フィルム。
40. 反射率の極小波長が536nm〜556nmであることを特徴とする上記38に記載の反射防止フィルム。
41. 反射防止層の表面反射率が3%以下であることを特徴とする上記38〜40の何れかに記載の反射防止フィルム。
42. 反射防止層の表面反射率が1.5%以下であることを特徴とする上記38〜40の何れかに記載の反射防止フィルム。
43. 上記1〜42のいずれかに記載のプラスチックフィルムを備えたことを特徴とする画像表示装置。
本発明のプラスチックフィルムは、透明プラスチックフィルム/プライマー層/機能性層の構成で、屈折率の観点でプライマー層の組成を自由に変えられなおかつ、蛍光灯下、特に三波長蛍光灯下で観察されやすい干渉斑を抑えたプラスチックフィルムである。具体的にはハードコート層を有するハードコートフィルム、粘着剤層を有する粘着剤層付きプラスチックフィルムであり、該フィルムに機能性層を設けた機能性フィルム、さらに反射防止層を設けた反射防止フィルムも本発明の干渉斑を抑えたプラスチックフィルムに相当する。
従って、以下で説明する本発明は、ハードコート層や粘着剤層の屈折率と基材の屈折率に実質的な差がある場合、その差が0.03以上である時に干渉斑防止の効果が顕著に現れる。この屈折率差が0.06以上である時により効果は大きく、0.10以上であると更に効果は大きい。
このことは、ハードコート層以外でも干渉斑の原因となる層、例えば粘着剤層に対しても同様であり、干渉斑の本質的解決法は三波長蛍光灯輝線スペクトル成分の基材/粘着剤層間での反射光を少なくすること、好ましくは全くなくしてしまうことで、ハードコート層の表面の反射光と干渉を起こさなくすることである。これによりハードコート層とプラスチックフィルム基材のトータルの膜厚ムラに起因する干渉斑を低減または消すことができる。
透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面にプライマー層P及びハードコート層をこの順に積層してなるハードコートフィルムを例に説明する。透明プラスチックフィルム基材とプライマー層の屈折率が実質的に異なる系において、透明プラスチックフィルム基材とハードコート層の波長546nmの実質的な屈折率差をなくし、プライマー層の膜厚dPを下記数式(9)で与えられる膜厚に近づけることによって干渉斑を低減またはなくすことである。
数式(9)
dP=(N×546)/2nP (nm)
ここで、Nは自然数。nPはプライマー層の屈折率である。
実際、その仮説を基に波長546nmの反射光をプライマー層両面で反射光の干渉でゼロ化する数式(9)のプライマー層をつけたところ、干渉斑が非常に効果的に低減した。このため薄膜干渉によって546nmの反射光をゼロ化する数式(9)に従ったプライマー層の膜厚設計が三波長蛍光灯下の干渉斑防止に有効であることを見出した。
本発明に用いられる基材は、透明プラスチックフィルム基材であり、フィルム状やシート、板状のものが好ましい。本発明で言う「フィルム」とは、基材としてフィルム状のみならず、シート状、板状ものを使用した場合も含むものである。
上記ヘイズの下限については0%が好ましいが、測定等の観点から0.01%とするのが妥当である。
基材の厚みが1mm以下、特に300μm以下の場合、可視光域に輝線成分を含む光源、例えば三波長蛍光灯下では基材表面と裏面の反射光の干渉で干渉斑が見えることがある。本発明では、プライマー層を両面に設けることによりこの基材表裏面の干渉斑を低減することができる。一般に合成樹脂レンズでは厚みが大きく、表裏面の反射光による干渉斑は発生しない。この点は合成樹脂レンズとフィルムの根本的違いである。
数式(9)
dP=(N×546)/2nP (nm)
ここで、Nは自然数。nPはプライマー層の屈折率である。
透明プラスチックフィルム基材とプライマー層Pが波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なるとは、546nmにおいて屈折率を測定した時に両者の屈折率差が測定誤差を考慮した上で少なくとも0.03以上異なることを意味する。
また、透明プラスチックフィルム基材と粘着剤層が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なるとは、546nmにおいて屈折率を測定した時に両者の屈折率の差が測定誤差を考慮した上で少なくとも0.03以上異なることを意味する。
三波長蛍光灯の発光スペクトルの中で、546nm付近の輝線成分の寄与が高いことはこれまで述べてきたとおりであるが、610nm付近の輝線スペクトルも干渉斑に寄与している事が本発明者の研究で分かった。
波長が546nmの場合と同様にプライマー層の膜厚dPが下記数式(10)で与えられる膜厚に近づけることによって波長610nmに起因する干渉斑を低減することができる。
数式(10)
dP=(J×610)/2nP (nm)
ここでJは自然数。nPはプライマー層の屈折率である。
数式(9)でN≦3では膜厚dPの数式(10)からのずれも比較的小さく、波長610nmの反射光も低減する効果があり、この点からもN≦3は好ましく、N≦2であることがより好ましく、N=1であることが特に好ましい。
尚、設計波長を数式(9)から算出される値に対し30/nP(nm)以内の範囲で厚くすることによって、三波長蛍光灯の610nm近辺の輝線に起因する干渉斑を更に低減することができるため、この態様も好ましい。
この場合、ハードコート層H/プライマー層P/プラスチックフィルム基材S/プライマー層Q/粘着剤層Aの構成とし、粘着剤層Aとプラスチックフィルム基材Sの屈折率差をなくし、両者の間にプライマー層Qを設け膜厚dQが下記式を満たすことでプラスチックフィルム基材Sと粘着剤層Aの間の界面の反射率を下げることができ、好ましい。
数式(11)
dQ=(N×546±50)/2nQ
ただし、Nは自然数。
数式(3)
nQ=(nS×nA)1/2±|nS−nA|/4
数式(4)
dQ=(M×546±50)/(4nQ) (nm)
ただし、Mは自然数。
数式(6)
nQ=(nS×nA)1/2±|nS−nA|/8
数式(12)
nQ=(nS×nA)1/2
を満足する屈折率nQ及び下記数式(13)を満足する膜厚dQを有することを特徴とするプラスチックフィルム
数式(13)
dQ=(M×546)/(4nQ)
粘着剤は通常、屈折率が1.40〜1.70程度の様々なものが存在する。本発明の様な透明フィルムの貼付けには屈折率が1.50〜1.55のアクリル系の素材などが主に使われるが、この屈折率の範囲にとらわれずに、粘着剤の屈折率nAを貼着する対象物(例えば画像表示装置)の表面の材質の屈折率(nMとする)に合わせることにより、ハードコートと粘着剤の反射率を抑えた上で更に、粘着剤と貼着対象物界面での反射率も最小限に抑えることができる。近年、様々な屈折率の粘着剤または接着剤が開発されてきており(例えば、井出文雄他、「光学用透明樹脂」、技術情報協会(2001年)、p.177−180)、本発明をこれらの粘着剤と組み合わせると適用範囲は極めて広い。
基材としてポリエステルフィルムを用いる場合には、ポリエステルフィルムは結晶配向性のため、表面凝集性が高く、各種材料に対する密着性に乏しい。ポリエステルフィルムとハードコート層の密着性を向上させる目的で、所望によりポリエステルフィルムの片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
また、基材とハードコート層と接着性を改善するために、易接着性を付加し、接着性下塗り層としての機能をプライマー層に付与することもできる。易接着性を付加するためには、易接着性塗材を塗布してプライマー層を設ければよい。
導電性金属酸化物微粒子として例えば、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、PTO(リンドープ酸化錫)やITO(錫ドープ酸化インジウム)を挙げることができる。これらの導電性金属酸化物微粒子を含んだ有機溶剤系透明導電性塗料の例が、小松道郎、「反射防止膜の特性と最適設計・膜作製技術」、技術情報協会(2001年)、p.37−39に記載されており、本発明ではこれらの塗料を用いて反射防止プライマー層を形成することもできる。また、特開平11−84573号公報の段落番号0040〜0051に記載の技術を適用することができる。
無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド硬化性樹脂や、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好ましい。さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合わしうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基が好ましい。
本発明において好ましい金属酸化物微粒子の表面修飾剤は、金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基を同一分子内に有する硬化性樹脂やカルボン酸等のアニオン性基を有するアクリル酸共重合ポリマー等である。
S-1 H2C=C(X)COOC3H6Si(OCH3)3
S-2 H2C=C(X)COOC2H4OTi(OC2H5)3
S-3 H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10OPO(OH)2
S-4 (H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10O)2POOH
S-5 H2C=C(X)COOC2H4OSO3H
S-6 H2C=C(X)COO(C5H10COO)2H
S-7 H2C=C(X)COOC5H10COOH
(X=H、あるいはCH3を表す)
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
本発明のハードコート層とは、鉛筆硬度を上昇させる層のことである。ハードコートフィルムとしては、ハードコート層を設けることにより、ハードコート側表面の鉛筆硬度が2H以上とするのが好ましく、3H以上とするのが更に好まし。
先に記したように干渉斑はハードコート層/基材フィルム界面の反射光とハードコート層表面(反射防止層表面)の反射光の干渉により発生するものであり、ハードコート層表面に凹凸形状を有する場合、表面反射光の散乱し干渉が起き難くなる。従って本発明はハードコート層表面の凹凸に起因する散乱の少ない系で有効である。
プラスチックフィルム基材としてPETの様な高屈折率フィルムを用いる場合、ハードコート層の屈折率を高くする必要がある。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、樹脂に金属酸化物微粒子を混合して高屈折率化することができる。
金属酸化物微粒子としては、平均粒子サイズが100nm以下、好ましくは50nm以下の二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などの屈折率が1.6より大きいものが挙げられる。屈折率が大きい二酸化チタンは、少ない添加量でハードコート層の屈折率を調整できるので好ましい。
また、ハードコート層に導電性物質を混合し帯電防止性を付与することも広く知られている。金属酸化物微粒子として、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、PTO(リンドープ酸化錫)やITO(錫ドープ酸化インジウム)を用いると導電性を付与することができる。これらの導電性金属酸化物微粒子も屈折率が高く上記と同様の問題が生じる。有機溶剤系透明導電性塗料の例が、小松道郎、「反射防止膜の特性と最適設計・膜作製技術」、技術情報協会(2001年)、p.37−39に記載されている。
プラスチックフィルム基材としてTACの様な低屈折率フィルムを用いる場合、ハードコート層の屈折率を低くする必要がある。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、樹脂にシリカ微粒子を混合して低屈折化することができる。
シリカ微粒子としては、平均粒子サイズが100nm以下のものが好ましく、50nm以下がより、30nm以下が特に好ましい。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、基材の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
本発明では、これらの作製したハードコート層の上に、ハードコート層表面からの反射を防止するために、低屈折率層と高屈折率層とからなる耐擦傷性に優れた反射防止層を設けることにより、高表面硬度の反射防止ハードコート層とすることができる。
PETの様な高屈折率透明プラスチックフィルム基材を用いた本発明のハードコート層は高屈折率であるため、低屈折率層1層でも効果的に反射率を下げることができる。本発明の好ましい態様である。
活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂としては、同一分子内に2個以上のアクリル基を有する硬化性樹脂が好ましい。具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ビスフェノール−Aジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシアネート硬化性樹脂とヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られる多官能のウレタンアクリレートやポリエポキシ硬化性樹脂とヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレート(メタアクリレート)の反応によって得られる多官能のエポキシアクリレート等を挙げることができる。エチレン性不飽和基を側鎖に有するポリマーを用いることもできる。
無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド硬化性樹脂や、リン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好ましい。さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合わしうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基が好ましい。
本発明において好ましい金属酸化物微粒子の表面修飾剤は、金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基を同一分子内に有する硬化性樹脂やカルボン酸等のアニオン性基を有するアクリル酸共重合ポリマー等である。
S-1 H2C=C(X)COOC3H6Si(OCH3)3
S-2 H2C=C(X)COOC2H4OTi(OC2H5)3
S-3 H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10OPO(OH)2
S-4 (H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10O)2POOH
S-5 H2C=C(X)COOC2H4OSO3H
S-6 H2C=C(X)COO(C5H10COO)2H
S-7 H2C=C(X)COOC5H10COOH
(X=H、あるいはCH3を表す)
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
低屈折率層の屈折率は1.45以上1.6以下であることが好ましく、更には1.55以下であることが好ましい。
本発明において高屈折率層と低屈折率層は、ハードコート層上に上記活性エネルギー線硬化性の塗布液を、高屈折率層、低屈折率層の順にスピナー法、グラビア法、ワイヤーバー法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、活性エネルギー線照射して、硬化させることにより作製することができる。
低屈折率層へ添加する硬化性樹脂としては、公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、あるいはフッ素とケイ素含有部を有するブロックを有する硬化性樹脂が挙げられ、さらに樹脂あるいは金属酸化物等と相溶性の良いセグメントとフッ素あるいはケイ素を含有するセグメントとを有する硬化性樹脂が好ましく、低屈折率層へ添加することで、表面にフッ素あるいはケイ素が偏在させることができる。
以下の実験で基材とハードコート層の屈折率差(|nS−nH|)と干渉斑発生の関係を調べた。
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、屈折率が表1になるように調整した。
厚さ100μmのPET(面方向の屈折率1.65の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の両面をコロナ処理し、上記塗布液を乾燥後の膜厚が5μmになるように片面塗布した。
干渉斑の評価;裏面をサンドペーパーで擦り、黒マジックを塗り裏面の反射が起こらないようにした試料を机の上におき、30cm上から三波長蛍光灯(ナショナルパルック蛍光灯FL20SS・EX−D/18)でサンプルを照らし、干渉斑を観察し、下記の基準により評価した。
◎ :干渉斑が全く見えない
○ :干渉斑がほとんど見えない
△ :干渉斑が弱く見える
× :干渉斑が強く見える
××:干渉斑が非常に強く見える
(プライマー層付きPETベースの作製1−実施例1〜5,比較例1,2)
(a)プライマー層(導電性金属酸化物なし)の形成:実施例1〜3,比較例1,2
厚さ100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、屈折率1.65)の両面をコロナ処理し、屈折率1.53、ガラス転移温度55℃のポリエステル樹脂からなるラテックス(ペスレジンA−520、高松油脂(株)製)よりなる水系プライマー層塗布液(p−1)を乾燥後の膜厚が表2に記載の値(178nm、356nm、534nm、98nm、264nm)になるように片面に塗布しプライマー層を形成した。
(b)導電性金属酸化物入りプライマー層の形成:実施例4,5
厚さ100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、屈折率1.65)の両面をコロナ処理し、屈折率1.53、ガラス転移温度55℃のポリエステル樹脂からなるラテックス(ペスレジンA−520、高松油脂(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(SN−38、石原産業(株)製)を乾燥後の屈折率が1.59になるように混合したプライマー層塗布液(p−2)を調製して、乾燥後の膜厚が表2に記載の値(172nm、160nm)になるように片面に塗布しプライマー層を形成した。
(1) 有機溶剤系プライマー層塗布液(p−3)の調製
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、プライマー層の屈折率が1.59になるように調整した。
(2) ベースの作製
厚さ100μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、屈折率1.65)の両面をコロナ処理し、塗布液(p−3)を乾燥後の膜厚が172nmとなるように片面に塗布した。
(1) 有機溶剤系プライマー層塗布液(p−4)の調製
市販の透明帯電防止層塗料「ペルトロンC−4456S−7」(固形分濃度45%、日本ペルノックス(株)製)を有機溶剤系帯電防止性プライマー層塗料液(p−4)として用いた。C−4456S−7は、分散物を用いて分散された導電性微粒子ATOを含有する透明帯電防止層用塗料である。この塗料による膜厚の屈折率は1.55であった。
(2) ベースの作製
80μm厚さのTACフィルム(トリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)、屈折率1.48)に、上記塗布液(p−4)を乾燥後の膜厚が表2に記載の値(176nm、264nm)となるように片面に塗布した。
(1) 有機溶剤系プライマー層塗布液(p−5)の調製
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450重量部を、210重量部のイソプロピルアルコール(IPA)と140重量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)12.0重量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、380重量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)と257重量部のMIBK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのメチルイソブチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してプライマー層用塗布液(p−5)を調製した。
(2) ベースの作製
厚さ80mmのポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製ピュアエース110−80)のエア面にプライマー層塗布液(p−5)を乾燥後の厚みが184nmになるように、バーコーターを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥後、紫外線を照射し、プライマー層を硬化させ、プライマー層付きPCフィルムを作製した。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)306重量部を、16重量部のメチルエチルケトンと220重量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)7.5重量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、450重量部のMEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(h−1)を調製した。硬化後の屈折率は1.48になる様に調整した。
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、硬化後の屈折率が1.65になるように調製した。
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、硬化後の屈折率が1.60になるように調製した。
上記で作製したプライマー層付きフィルムのプライマー層P上に上記ハードコート層用塗布液を表2に記載の厚み(5μm)になるように、エクストルージョン方式で塗布、乾燥し、紫外線を照射(700mJ/cm2)してハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを作製した。(図1参照)
基材がPETフィルムではハードコート層の屈折率を基材の屈折率に合わせた上で、PETフィルム基材/ハードコート層間のプライマー層の膜厚を特定の膜厚とした本発明のハードコートフィルム(実施例1〜6)は三波長蛍光灯下で干渉斑が見えないが、プライマー層の膜厚を特定の値にコントロールしないもの(比較例1,2)は干渉斑が強く観察された。
基材がTACフィルム(実施例7,比較例3)でもハードコート層の屈折率を基材の屈折率に合わせた上で、PETフィルム基材/ハードコート層間のプライマー層の膜厚を特定の膜厚とした本発明のハードコートフィルム(実施例7)は三波長蛍光灯下で干渉斑が見えないが、プライマー層の膜厚を特定の値にコントロールしないもの(比較例3)は干渉斑が強く観察された。
基材がPCフィルム(実施例8)でも同様の結果だった。
(1層反射防止層の作製)
(1)低屈折率層塗布液(Ln−1)の調製
屈折率1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6質量%のメチルイソブチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)を溶媒置換して、メチルイソブチルケトン85質量%、2−ブタノール15質量%からなる混合溶媒中に固形分10質量%を含有するポリマー溶液を得た。このポリマー溶液70質量部にMEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)10質量部、およびメチルイソブチルケトン42質量部およびシクロヘキサノン28質量部を添加、攪拌の後、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過して、低屈折率層塗布液(Ln−1)を調製した。
(2)1層反射防止層付きハードコートフィルムの作製
前記実施例4で作製したハードコートフィルムのハードコート層の上に、グラビアコータを用いて上記低屈折率層塗布液(Ln−1)を塗布し、120℃で8分間、塗布層を硬化させ、表3に従って低屈折率層(屈折率1.43、膜厚96nm)を設けた。この様にして反射防止フィルムを作製した。(図2参照)
表面反射率の測定;裏面をサンドペーパーで擦り、黒マジックを塗り裏面の反射が起こらないようにした試料を作製し、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜650nmの波長領域における入射光5゜における正反射の表面反射率の平均反射率と極小反射率波長を求めた。
干渉斑の評価;予備実験と同様の方法で評価した。
本発明のプライマー層を設置することで反射防止フィルムでも干渉斑対策効果がある。また、平均反射率も下げる効果がある。
実施例11に対してPETフィルム基材のハードコート層を積層していない面にプライマー層塗布液(p−2)を塗布し硬化後の膜厚が86nm、屈折率が1.59になる様にし、次いで膜厚20μm、屈折率1.52のアクリル系粘着剤を積層して、粘着剤層の付いた反射防止層付きハードコートフィルム(実施例21)を作製した。(図6参照)
実施例21のフィルムと、比較例11の基材の反射防止層を積層していない面に膜厚20μm、屈折率1.52のアクリル系粘着剤を積層したフィルム(比較例21)とをそれぞれ、3mm(厚み)のガラス板の表裏両面に表5に従って粘着剤層面を貼合した(S−1、S−2)。このガラス板に対して行なった反射率の測定と干渉斑の結果を表4に示す。
本発明のプライマー層の厚みを適正化した反射防止フィルムを設けた両面反射防止層付きハードコートフィルム貼合ガラス板(S−1)は平均積分反射率が低く干渉斑の発生もない。プライマー層の厚みを適正化していない反射防止フィルムを設けた場合(S−2)、反射率も高く、干渉斑も非常に強く見える。
プラズマディスプレイ(PDP−433HD−Uパイオニア(株)製)の前面板表面の反射防止フィルムを剥がし、中央部に一部に10cm×10cmに切った実施例21の反射防止ハードコートフィルムと比較例21の反射防止ハードコートフィルムとを隣り合わせで、それぞれ反射防止層が最表面になるように貼合し、三波長蛍光灯(ナショナルパルック蛍光灯FL40SS・EX−D/37)を室内照明として用いた部屋で観測した。実施例21の反射防止ハードコートフィルムを設けたディスプレイからは干渉斑もなく視認性は良好だったのに対し、比較例21の反射防止ハードコートフィルムを設けたディスプレイからは干渉斑が強く見えた。この結果から、本発明によって得られる反射防止ハードコートフィルムは画像表示装置であるPDP前面板に好適であることが分かった。
B プライマー層P
C 機能性層(ハードコート層)
D 反射防止層
E 高屈折率層
F 低屈折率層
G プライマー層Q
H 機能性層(粘着剤層)
Claims (10)
- 透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に少なくとも膜厚が1μm以下のプライマー層及び膜厚が1μm以上の機能性層をこの順に積層してなるプラスチックフィルムであって、
該透明プラスチックフィルム基材と該機能性層が波長546nmにおいて実質的に屈折率差がなく、
かつ該透明プラスチックフィルム基材と該プライマー層が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なり、
該プライマー層の膜厚dPが下記数式(1)を満たすことを特徴とするプラスチックフィルム。
数式(1)
dP=(N×546±50)/(2nP) (nm)
ただし、nPは該プライマー層の屈折率、Nは自然数である。 - 前記プライマー層の膜厚dPが下記数式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルム。
数式(2)
dP=(N×546±25)/(2nP) (nm) - 前記Nは1または2であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のプラスチックフィルム。
- 前記機能性層がハードコート層であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のハードコートフィルム。
- 前記機能性層が粘着剤層であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラスチックフィルム。
- 前記透明プラスチックフィルム基材の前記プライマー層を積層していない面に別のプライマー層と粘着剤層がこの順に積層してなるプラスチックフィルムであって、
該透明プラスチックフィルム基材と該粘着剤層が波長546nmにおいて実質的に屈折率が異なり、
該別のプライマー層の屈折率nQ及び膜厚dQが下記数式(3)及び数式(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプラスチックフィルム。
数式(3)
nQ=(nS×nA)1/2±|nS×nA|/4
ただし、nSは基材の屈折率、nAは該粘着剤層の屈折率である。
数式(4)
dQ=(M×546±50)/(4nQ) (nm)
ただし、Mは自然数である。 - 前記プライマー層のうち少なくとも一層が導電性金属酸化物微粒子を含有し帯電防止性を備えることを特徴とする請求項6に記載のプラスチックフィルム。
- 前記ハードコート層の、前記透明プラスチックフィルム基材とは反対面に、別の機能性層を更に有することを特徴とする請求項4、6、7のいずれかに記載のプラスチックフィルム。
- 前記別の機能性層が反射防止層であることを特徴とする請求項8に記載のプラスチックフィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチックフィルムを備えたことを特徴とする画像表示装置。
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