JP2006110965A - 木材用液状難燃性付与物質及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木材製品に、製品の機能を損なうことなく、ノンハロゲン系の難燃性を付与させる。
【解決手段】 液状難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスを配合し、水溶液に溶解させたことを特徴とするノンハロゲン系の木材用液状難燃性付与物を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 液状難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスを配合し、水溶液に溶解させたことを特徴とするノンハロゲン系の木材用液状難燃性付与物を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスを主な原料として加熱、配合した水溶液とし、木材製品に塗布、噴霧又は浸潤させた後に乾燥工程を経て、難燃性を供与するための、液状難燃性供与物質及びその製造方法に関する。
従来、難燃剤として既知のものとしては、カルボン酸とアミドによりセルロース系材料に難燃特性を持たせたもの(例えば特開平8−333579号)や難燃性硬化性組成物(例えば特開2004−115797号)など、一定の物質又は基質を難燃剤の添加物として製造時に混入することにより、難燃性を与える非常に多くの特許又は製剤がある。
近年、加工の高度化、生産性向上を背景に産業上多彩な用途に生産時から難燃性を施した製品が増加しつつあるが、製品原料を調整時に難燃剤を混入させる方式であるため、難燃特性を持たせた製品の範囲に限りがあり、市場に十分浸透しているとは言い難い。
また、耐火特性を持たせた塗料(特開2004−107665号)は、製品表面に塗料の塗膜を形成させ、絶縁層を形成する耐火性塗料として報告されている。
しかしながら、近年、ハロゲン化材料及び金属酸化物は環境に対する悪影響のため、環境保護の立場から、地球環境に優しい製品の開発が叫ばれるようになっている。木材用難燃剤もその例外ではなく、この様な観点からすれば、従来の様なハロゲン化物を用いた難燃剤は、燃焼時に有害なハロゲンガスを発生するため好ましくない。また、金属酸化物も使用を避けるべきである。
また、難燃剤の含有率が一定量を超えた場合には、得られる製品の強度特性が大きく低下する等の不都合を生じ、その品質が安定しないという問題点があった。
さらに、製品原料の調整時に、使用環境として難燃特性が必要にもかかわらず、製造技術に限らずコスト面においても、特殊な難燃加工を施すことが難しい製品が大半である。
また、木工品などのように、原材料形成時に難燃剤を混入せしめ難燃性を持たせることが困難なものも多く含まれ、難燃性をとりわけ意識した製品ばかりが市場に流通しているわけではない。
本発明では、液状難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスを配合し、水溶液に溶解させたことを特徴とする木材用液状難燃性付与物質とする。
前記難燃性付与物質は、硫酸アンモニウム30Wt%、ジシアンジアミド20Wt%、ペンタエリトリトール10Wt%、リン酸アンモニウム30Wt%及びボラックス10Wt%であり、水に対し前記物質の濃度が5.0Wt%から40Wt%、好適には25Wt%であることを特徴とする。
また、前記液状難燃性付与物質は、41℃に保たれた水溶液に硫酸アンモニウム加え溶解し、以下同様に、前記水溶液を48℃に加熱しジシアンジアミドを加え、前記水溶液を53℃に加熱しペンタエリトリトールを加え、前記水溶液を60℃に加熱しリン酸アンモニウムを加え、前記水溶液を75℃まで加熱しボラックスを加え、その後、水溶液の温度を80℃付近まで加熱、75℃付近まで冷却、という工程を数回行い、前記水溶液を常温にて徐冷工程を経ることを特徴とする。
本発明による液状難燃性付与物によれば、発火性を有した木材製品に難燃性を付与することができ、消費生活における使用の汎用性が非常に高い。
本発明による液状難燃性付与物によれば、木材原材料時、製品完成後に塗布、噴霧、又は浸潤し乾燥させるだけであるため、難燃性製品の製造原価を非常に安価に抑えることが可能である。
本発明に液状難燃性付与物によれば、製品にハロゲン、特に塩素を含まないため、塩素の結合した特に有害なガスの発生を回避することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の液状難燃性付与物は、図1に示されるように、配合材料を次の比率(重量比)で添加し生成した物質である。
水に添加する順に、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスであり、計100Wt%の各材料を規定の配合順序、配合温度により配合する。
液状難燃剤成分の水溶液に対する濃度は5.0Wt%から40Wt%、好適には25Wt%とする。40Wt%を超える液状難燃剤成分の含有量では、水溶液に対する溶解度を超え、結晶となって析出する可能性を有し、5.0Wt%に満たない含有量では、液状難燃剤付与物質としての性能を示さないためである。
本発明による液状難燃剤の製造方法における工程の概略は、以下のとおりである。
まず、硫酸アンモニウム(Ammonium sulfate)は、分子式(NH4)2SO4、水100gへの溶解度75g、融点280℃、分子量132.1342、常温で無色又は白色の粉末である。この硫酸アンモニウム粉末30Wt%を、41℃に保たれた水溶液に加え撹拌し、やがて硫酸アンモニウムが溶解し、無色透明の溶液となる。
前記水溶液が無色透明になったことを確認し、前記水溶液を48℃に加熱し、ジシアンジアミド(Dicyandiamide)20Wt%を加え、一定の温度に保ち添加したジシアンジアミドが溶解するまで撹拌し、水溶液を得る。ジシアンジアミドは、分子式H2NC(NH)NHCN、水100gへの溶解度4.13g、融点211℃、分子量84.0804、常温で白色結晶性の粉末である。水への溶解度は低いが、アンモニア水には可溶である。
続いて、前記水溶液を53℃に加熱し、ペンタエリトリトール(Pentaerythritol)10Wt%を加え撹拌する。ペンタエリトリトールは、分子式C(CH2OH)4、水100gへの溶解度5.56g、融点257℃、沸点276℃、分子量136.1474、常温で白色結晶固体である。
前記水溶液を60℃に加熱し、リン酸アンモニウム(Ammonium Dihydrogen Phosphate)30Wt%を加え、完全に溶解するまで撹拌する。リン酸アンモニウムは、分子式NH4H2PO4、融点190℃、分子量115.0255、常温で無色又は白色の粉末又は結晶であり、主に、水溶性肥料、消火剤、発酵助剤、防炎剤、ホーロー釉薬、排水処理剤、金属表面処理剤等の用途に供している物質である。
前記水溶液を75℃まで加熱し、四ホウ酸ナトリウム+水和物(Sodium Tetraborate Decahydrate)、別名ボラックス(Borax)10Wt%を加え、完全に溶融するまで強く撹拌する。代表的なボラックスは、含水ホウ酸ソーダであり、分子式Na2B4O7・10H2O、分子量381.36734、融点75℃、沸点320℃の固体である。
その後、水溶液の温度を80℃付近まで加熱、75℃付近まで冷却という工程を数回行う。その際に、有害なアンモニアガスが発生するため、十分に換気を要すことは言うまでもない。
以上の工程後得られた前記水溶液を常温にて徐冷工程を経る。強制冷却を行っても構わないが、常温にて徐冷させることが望ましい。
以上の工程を経て得られた液状難燃剤は、無色透明、安定性の高い化合物であり、既成製品に塗布、噴霧及び浸潤し乾燥させると難燃性を付与する。
本発明を、このように好適な様式で述べたが、特許請求の範囲の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明は、いくつかの変更及び改変をすることができるということは、明らかである。
Claims (3)
- 液状難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、ジシアンジアミド、ペンタエリトリトール、リン酸アンモニウム及びボラックスを配合し、水溶液に溶解させたことを特徴とする木材用液状難燃性付与物質。
- 前記難燃性付与物質は、硫酸アンモニウム30Wt%、ジシアンジアミド20Wt%、ペンタエリトリトール10Wt%、リン酸アンモニウム30Wt%及びボラックス10Wt%であり、水に対し前記物質の濃度が5.0Wt%から40Wt%、好適には25Wt%であることを特徴とする請求項1の木材用液状難燃性付与物の製造方法。
- 前記液状難燃性付与物質は、41℃に保たれた水溶液に硫酸アンモニウム加え溶解し、以下同様に、前記水溶液を48℃に加熱しジシアンジアミドを加え、前記水溶液を53℃に加熱しペンタエリトリトールを加え、前記水溶液を60℃に加熱しリン酸アンモニウムを加え、前記水溶液を75℃まで加熱しボラックスを加え、その後、水溶液の温度を80℃付近まで加熱、75℃付近まで冷却、という工程を数回行い、前記水溶液を常温にて徐冷工程を経ることを特徴とする請求項1か請求項2のいずれかに記載の木材用液状難燃性付与物の製造方法。
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