JP2006110383A - 人工関節のステム位置決め用遠位チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントレスの人工関節におけるステムの髄腔内への挿入を良好にガイドし、髄腔内に挿入されたステムの遠位端部を計画通りの位置に位置決めして、ステム全体を髄腔内で安定した所定姿勢に保持し、且つ遠位チップを用いても骨溶解や人工関節のゆるみを発生させない人工関節のステム位置決め用遠位チップの提供を課題とする。
【解決手段】セメントレスの人工関節のステム遠位端部付近に取り付けられ、ステム2が髄腔4内へ挿入される際にステム遠位端部が髄腔4内面に当たらないようガイドし、髄腔4内に挿入されたステム2の遠位端部を位置決めする遠位チップ10であって、生体内分解吸収性材料で構成し、且つ遠位チップ10はその水平断面径をステム遠位端部付近における水平断面径よりも大きく構成すると共に、ステム2への取り付け手段である嵌め込み穴11か嵌め込み突起か螺合螺子を遠位チップ10の軸心部Pから偏心して設けてある。
【選択図】 図4

Description

本発明は人工関節のステム位置決め用の遠位チップに関する。より詳細には、セメントレスタイプの人工関節に用いられるステムの位置決め用遠位チップに関する。
人工関節には、大別して、髄腔内にセメントを充填し、挿入した人工関節のステムと骨との隙間をセメントで埋めて固めるようにしたセメントタイプの人工関節と、セメントを使用せずに人工関節のステムと骨とを直接的に接合させるセメントレスタイプの人工関節とに分けることができる。
セメントレスタイプの人工関節の場合、人工関節と骨との安定な結合は、ステム近位部での海綿骨との結合によって得ることができる。しかし海綿骨の増殖には、早くとも数ヶ月を要する。
セメントレスタイプの人工関節において、例えば股関節を対象とした場合、人工関節の大腿骨ステムの骨髄腔内における占有率を高める為、前記大腿骨ステムは、その近位部は勿論のこと遠位部にまで太くなったステムを用いていた。しかしながら骨髄腔が生理学的に湾曲していることから、人工関節のステム先端部が髄腔内から骨に当り、その部分で応力集中を起こす結果、骨溶解(オステオライシス)を起こし、人工関節のゆるみ、或いは痛みや骨折の原因となっていた。
上記のような問題を解消するため、次に人工関節のステムの遠位側をテーパー状に細くしたものが提供されるようになった。しかしながらステムの遠位側を細くしたものは、そのステムの遠位端部側が細いことから、ステムを髄腔内に装着する際にステム遠位端部を髄空内の中心に挿入するのが難しく、内反位、外反位となりやすく、またこのためステム全体が髄腔内で前傾位、後傾位等になりやすい問題が生じ、その結果として、やはり骨溶解を起こし、また人工関節のゆるみを起こす問題が生じていた。
この問題を更に解決するために、セメントレスタイプの人工関節において、セントラライザーと呼ばれる金属製の遠位チップを用い、これをステムの遠位端部付近に取り付けることで、ステム遠位端部を髄腔の中心に位置決めさせる方法が提供された。しかしこの方法では、今度はステムに取り付けられた遠位チップが骨に当ることとなり、その部分で応力集中を起こす結果、やはり骨溶解、人工関節のゆるみが発生する原因となった。
以上のような経緯により、現状において、セメントレスタイプの人工関節にあっては、挿入に工夫が必要であるが、遠位チップなしのテーパー付きステムを主として使用し、手術を行っている。
一方、セメントタイプの人工関節は、髄腔内にセメントを充填し、差し込まれたステムと骨とを固定するタイプある。
このセメントタイプの人工関節においても、プラスチック製や充填セメントと同種のセメント製のセントラライザーを遠位チップとして、ステムの遠位端部付近に取り付けるようにしたものが提供されている。このセメントタイプの人工関節における遠位チップの役割は、主としてステムの遠位端部を髄腔の中心部に位置せしめ、これによって充填セメントを均一化させるところにある。セメントタイプの人工関節においては、挿入されたステムとセメントとが一塊となる。
その他、特開平10−309297号公報には、セメントタイプの人工関節に関して、生体内分解吸収性のプラグを用い、これを髄腔内に予め装着し、その後セメントを髄腔内に充填する際にセメントが必要以上に深く髄腔内に充填されないように塞ぎ止めるようにした発明が開示されている。しかし、この生体内分解吸収性のプラグはセメントタイプの人工関節専用の付属品であり、しかもセメントの落下防止をその目的としているものである。
米国特許第5201771号明細書 特開平10−309297号公報 特表2001−527457号公報
上記のようにセメントレスタイプの人工関節においては、遠位チップを人工関節のステムに取り付けることで、ステム遠位端部を髄腔の中心に位置決めさせることが容易になるものの、その遠位チップが長期間にわたって骨に当ることによる応力集中の結果、骨溶解の発生や人工関節のゆるみが発生するという問題があった。
一方、セメントタイプの人工関節ではステムが充填されたセメントと一体となるので、遠位チップを用いることに起因する応力集中やそれに伴う骨溶解、人工関節のゆがみ等の問題は元々大きな問題ではなかった。
そこで本発明は上記従来のセメントレス人工関節における欠点、問題点を解消し、セメントレス人工関節におけるステムの髄腔内への挿入を良好にガイドすることができると共に、髄腔内に挿入されたステムの遠位端部の位置を計画通りの位置に位置決めすることができ、これによってステム全体の髄腔内での姿勢を所定の姿勢に保持することができ、且つ遠位チップを用いても従来発生していた骨溶解や人工関節のゆるみを発生させない人工関節のステム位置決め用遠位チップの提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の人工関節のステム位置決め用遠位チップは、セメントレスの人工関節のステム遠位端部付近に取り付けられ、これによって前記人工関節のステムが髄腔内へ挿入される際にステム遠位端部が骨の髄腔内面に直接には当接しないようにガイドすると共に、ステム挿入完了時におけるステム遠位端部の髄腔内での位置を安定的に位置決めするための人工関節のステム位置決め用遠位チップであって、前記遠位チップは生体内分解吸収性材料で構成し、且つ遠位チップはその水平断面径をステム遠位端部付近における水平断面径よりも大きく構成すると共に、前記ステムへの取り付け手段である嵌め込み穴か嵌め込み突起か螺合螺子を遠位チップ軸心部から偏心して設けてあることを第1の特徴としている。
また本発明の人工関節のステム位置決め用遠位チップは、上記第1の特徴に加えて、遠位チップの取り付け手段を嵌め込み穴とし、その嵌め込み穴には内周面から中心方向に突出する凸部または凸条を設けていることを第2の特徴としている。
また本発明の人工関節のステム位置決め用遠位チップは、上記第1又は第2の特徴に加えて、遠位チップは、その外周を円形以外の多角形状やその他の凹凸形状に構成していることを第3の特徴としている。
請求項1に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップは、セメントレスの人工関節のステム遠位端部付近に取り付けられることで、人工関節のステムが髄腔内へ挿入される際にステム遠位端部が直接的には骨の髄腔内面に当らないようにしながらガイドすることが可能となる。
そしてステム挿入完了時におけるステム遠位端部の髄腔内での位置を安定的に位置決めするための人工関節のステム位置決め用遠位チップは、これを生体内分解吸収性材料で構成してあることにより、ステムの近位部と海面骨とが強固に結合する手術の数ヶ月後には、遠位チップが分解・吸収されてしまうようにすることが可能となり、遠位チップと骨とが長期にわたって当接することに起因する、セメントレス人工関節での骨溶解及び人工関節のゆるみ、痛みや骨折を解消することができる。
また請求項1に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップは、その水平断面径をステム遠位端部付近における水平断面径よりも大きく構成することで、人工関節のステムが髄腔内へ挿入される際に、ステム遠位端部が直接的に骨の髄腔内面に当るのを確実に防止しながらガイドすることができる。
またステム遠位端部付近の径よりも大径の遠位チップの外周面は、骨の髄腔内周面によって変位規制されるので、それに伴ってステム遠位端部の位置も規制される。即ち、ステム挿入完了時におけるステム遠位端部の髄腔内での位置は、遠位チップによって安定的に位置決めされる。
またステムへの取り付けは、遠位チップに設けた取り付け手段としての嵌め込み穴をステムに外嵌合することにより、また遠位チップに設けた取り付け手段としての嵌め込み突起をステムに設けた嵌め込み穴に挿嵌することにより、また遠位チップに設けた取り付け手段としての螺合螺子をステムに設けた螺子穴に螺合することにより、要するに遠位チップに取り付け手段を設けることで、簡単に且つ確実にステムの遠位端部付近に取り付けることができる。
更に遠位チップの取り付け手段を、遠位チップに設けた嵌め込み穴か嵌め込み突起か螺合螺子とし、これを遠位チップの軸心部から偏心して設けることにより、髄腔内に配置されるステム遠位端部の位置を髄腔内の中心部から偏心した位置に安定して位置決めすることができる。即ち、人間の骨は個人毎にその湾曲具合等が異なることから、挿入されるステムが骨の髄腔内で全体としてバランスのとれた良好な位置に保持されるためには、ステム遠位端部が髄腔内の中心に配置されるよりも、むしろ髄腔内で中心よりも多少偏心した位置に配置されるほうがよい場合がある。このような場合は、予めX線撮影することでわかることから、ステムの遠位端部が髄腔内の中心部からどの方向にどの程度偏心した位置に配置させるのが良いかを予め決め、それによって遠位チップをステムに嵌め込む際にその水平面上での回転位置を調整して嵌め込むことで、ステムの遠位端部を髄腔内の所定の偏心位置に容易に安定して位置決め配置することができる。
請求項2に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップによれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、遠位チップの取り付け手段を嵌め込み穴とし、この遠位チップの嵌め込み穴に、内周面から中心部に突出する凸部又は凸条が設けられることで、遠位チップをステムに嵌め込む際に、嵌め込み穴の内周面がフラットな円周面の場合よりも、十分に強固に確実に嵌め込むことができる。また凸部や凸条が嵌め込み穴に設けられることで、その嵌め込み穴がステムと嵌め合わされた後も骨髄液の流通を確保することができる。
請求項3に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップによれば、上記請求項1又は2に記載の構成による効果に加えて、遠位チップの外周を、円形以外の多角形状やその他の凹凸形状に構成しているので、遠位チップによりステムの遠位端部を随腔内に位置決めした状態においても、髄腔内での骨髄液の流通を十分に確保して妨げないようにすることができる。
図1は本発明の遠位チップを取り付けた人工関節のステムが大腿骨の髄腔内に挿入された状態を示す断面図、図2の(A)〜(F)はそれぞれ嵌め込み穴を用いた遠位チップの種々の実施形態を示す斜視図、図3の(A)、(B)はそれぞれ螺合式の遠位チップの実施形態を示す斜視図、図4は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた実施形態を示す遠位チップの平面図、図5の(A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた他の実施形態を示す遠位チップの平面図と遠位チップの縦断面図、図6の(A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた更に他の実施形態を示す遠位チップの平面図と遠位チップの縦断面図、図7の(A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた更に他の実施形態を示す遠位チップの平面図と遠位チップの縦断面図、図8は遠位チップの嵌め込み穴の内周面に軸心方向に突出する凸条を形成した実施形態を示す平面図、図9は遠位チップの外周に凹凸形状を構成した実施形態を示す平面図である。
先ず図1を参照して、1は人工関節の骨頭球、2は人工関節のステムである。また3は大腿骨で、4は髄腔である。なお、5は人工関節のステムの近位部の周面に設けたポーラス加工表面である。
前記人工関節のステム2の遠位端部付近に遠位チップ10が取り付けられる。
前記遠位チップ10を取り付けた人工関節のステム2は、手術の際に大腿骨3の上部から髄腔4内に挿入される。
前記遠位チップ10は、人工関節のステム2が髄腔4内へ挿入される際に、ステム2の遠位端部2aが直接的に大腿骨3の髄腔内面に当って傷を付けたり或いはステム2のスムーズな挿入を妨げたりするのを防ぎながら、ステム2の挿入をガイドする。
遠位チップ10の水平断面径はステム2の遠位端部付近の水平断面径よりも大きくしている。
また前記遠位チップ10は、人工関節のステム2が髄腔4内に挿入を完了した時に、遠位チップ10の外周面が大腿骨3の髄腔内周面と対面することで、遠位チップ10の変位するのが僅かな範囲内に規制され、これによってステム2の遠位端部2aもまた安定的に位置決めされる。
前記人工関節のステム2は、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレススチール等の金属材料で構成することができる。が、それ以外の強度が大きい金属材料やその他の材料で構成することも可能である。
一方、前記遠位チップ10は、生体内分解吸収性材料で構成する。生体内分解吸収性材料としては、PLLA(ポリ−L−乳酸)、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−カプロラクトン共重合体を単独若しくは2種以上を混合して用いることができる。勿論、それ以外の現在知られ、或いは将来開発される生体内分解吸収性材料を用いることができる。
生体内分解吸収性材料は、経時的に髄腔4内で加水分解され、吸収される。生体内分解吸収性材料の配合比を調節することにより、生体内での分解、吸収の速度を調整することで、遠位チップ10としての役割を果す期間を調整することができる。遠位チップ10が役割を果す期間とは、ステム2の近位部のポーラス加工表面5に海面骨が増殖して強固に結合し、ステム2と大腿骨3とが十分強固に固定されるまでの期間である。その期間は人によって異なるが、平均的に3〜6ヶ月程度である。
図2を参照して、前記遠位チップの10の形状としては、図2の(A)に示すように円柱状で、その軸心部に嵌め込み穴11を貫通させて構成したものとすることができる。この(A)の遠位チップ10の場合は、例えば図1に示すように、遠位チップ10はステム2の遠位端部2aを貫通した形でステム2の遠位端部近傍に取り付くことになる。この場合、ステム2はその遠位端部2aの近傍において適当なテーパーが施され、これによって遠位チップ10を固定できるようになされている。
また前記遠位チップの10の形状は、図2の(B)に示すように円柱状で、その軸心部に嵌め込み穴11を、貫通することなく途中まで設けたものとすることができる。この遠位チップ10の場合は、ステム2の遠位端部2aを下からキャップして覆うようにステム2の遠位端部近傍に取り付けられる。
また前記遠位チップ10の形状は、図2の(C)に示すように円柱状で、その軸心部にテーパー状に細くなる嵌め込み穴11を貫通させて設けたものとすることができる。この遠位チップ10の場合には、ステム2の遠位端部2a付近にテーパーが施されていないようなステム2に対しても十分に取り付けることができる。
また前記遠位チップ10の形状は、図2の(D)に示すように円柱状で、その軸心部にテーパー状に細くなる嵌め込み穴11を、貫通させることなく途中まで設けたものとすることがでできる。この場合には、遠位チップ10はステム2の遠位端部2aを下からキャップして覆うようにステム2の遠位端部近傍に取り付けられる。
また前記遠位チップ10の形状は、図2の(E)、(F)に示すように、遠位チップ10の嵌め込み穴11の上端の口径を遠位チップ10上端の外径に近い寸法にしてある。これによって遠位チップ10をステム2に取り付ける際に、ステム2と遠位チップ10との間に段差が付くことなく略面一状態に連続させることができる。
図3を参照して、ステム2の遠位端部近傍への遠位チップ10の取り付けは、螺合によっても行うことができる。図3の(A)は、遠位チップ10の上端に螺合螺子として雄螺子部12を設けたものである。ステム2の遠位端部2aに図示しない雌螺子部を設けることで、遠位チップ10を螺合して取り付ける。また図3の(B)は、遠位チップ10の上端に螺合螺子として雌螺子部13を設けたものである。ステム2の遠位端部2aに図示しない雄螺子部を設けることで、両者を螺合して取り付けることができる。
上記図2、図3に示す遠位チップ10の場合は、遠位チップ10の軸心部に嵌め込み穴11や雄螺子部12、雌螺子部13を設けたが、それら嵌め込み穴11、雄螺子部12、雌螺子部13を遠位チップ10の軸心部から偏心した位置に設けることができる。
図4に、遠位チップ10の嵌め込み穴11を遠位チップ10の軸心部Pから偏心した位置Qに設けた実施態様を示す。嵌め込み穴11を遠位チップ10の軸心部Pから偏心させて設けることで、前記嵌め込み穴11に嵌め込まれたステム2の前記随腔4内での位置を自由に位置決め調整することができる。
即ち、遠位チップ10が嵌め込まれるステム2の遠位端部近傍においては、そのステム2と大腿骨3の内周面との距離を、仮に内距離L1、外距離L2、右距離L3、左距離L4とすると、それらの各距離L1、L2、L3、L4を自由に変更調整することができる。その変更調整はステム2に遠位チップ10を嵌め込む際に、遠位チップ10の水平方向に360度以下の角度で適当に回転させればよい。
以上のように、偏心した嵌め込み穴11を持つ遠位チップ10を使用することで、ステム2の遠位端部2aの随腔4内での位置を自由に調整して位置決めすることができる。そしてこのことは、個々の人間の骨の湾曲具合に応じて、ステム2を全体としてバランス良く随腔4内に挿入、位置決めする場合に非常に重要となってくる。更に言えば、ステム2の遠位端部2aの随腔4内での位置(随腔4内の水平面上での位置)を好ましい位置に調整して配置できれば、ステム2の近位部の位置調整(視覚できるので比較的容易である)と相俟ってステム2全体を随腔4内でバランスのとれた良好な位置に配置させることができる。
上記図4に示す実施形態では、取り付け手段である嵌め込み穴11の位置を遠位チップ10の軸心部Pから偏心して設けているが、嵌め込み穴11の代わりに、取り付け手段として上記遠位チップ10の雄螺子部12や雌螺子部13等の螺合螺子を軸心部Pから偏心して設けるようにすることができる。
また同様に嵌め込み穴11の代わりに、取り付け手段として嵌め込み突起を軸心部Pから偏心して設けるようにすることができる。
図5に示す実施形態は、図4に示す実施形態と同様に、遠位チップ10の嵌め込み穴11を遠位チップ10の軸心部Pから偏心した位置Qに設けたものである。が、前記嵌め込み穴11の形状、詳しくは水平断面形状を多角形としている。
このように多角形とした嵌め込み穴11を用いることで、同じ水平断面形状を有するステム2の遠位端部付近に対して、嵌合固定が容易に、確実に行える他、特に遠位チップ10をその多角形の1角の角度を単位として、一角ずつ順次回転させることで、ステム2の回りにおける遠位チップ10の出っ張りの程度の調節を容易に且つ確実に行うことができる。
なお本実施形態では、遠位チップ10の嵌め込み穴11をテーパー状に構成しているが、必ずしもテーパー状でなくてもよく、ストレートな穴であってもよい。
図6に示す実施形態では、遠位チップ10の偏心させた嵌め込み穴11を、貫通させることなく設け、且つ嵌め込み穴11の底から嵌め込み突起14を設け、この嵌め込み突起14をステム2の遠位端部2aに形成した嵌め込み穴2bに対して挿嵌することで、遠位チップ10をステム2に取り付けるようにしている。
前記嵌め込み突起14は遠位チップ10の軸心部Pから偏心した位置Qに位置する。この嵌め込み突起14がステム2の嵌め込み穴2aに対して円周方向に回転・調整しながら嵌め込むことで、ステム2の遠位端部2aの位置を随腔4内で調節することができる。
なお前記嵌め込み突起14の場合も多角形の柱としている。多角形とすることによるメリットは既述の通りである。
図7に示す実施形態では、遠位チップ10の偏心させた嵌め込み穴11を、貫通させることなく設け、且つ嵌め込み穴11の底に更に嵌め込み***15を設け、この嵌め込み***15に対してステム2の遠位端部2aに形成した嵌め込み突起2cを挿嵌することで、遠位チップ10をステム2に取り付けるようにしている。
前記嵌め込み***15は遠位チップ10の軸心部Pから偏心した位置Qに位置する。この嵌め込み***15とステム2の前記嵌め込み突起2cとを円周方向に相互に回転調整しながら嵌め込むことで、ステム2の遠位端部2aの位置を随腔4内で調節することができる。
なお前記嵌め込み***15の場合も多角形の穴としている。多角形とすることによるメリットは既述の通りである。
図8に示すように、遠位チップ10の嵌め込み穴11には、その内周面から中心方向に向けて突出する縦方向の凸条16を設けることができる。凸条16の代わりに凸部を設けてもよい。
このような凸条16や凸部を遠位チップ10の嵌め込み穴11の内周面から中心方向へ向けて設けることで、嵌め込み穴11の内周面が平坦な遠位チップ10の場合よりも、より確実に強固に遠位チップ10をステム2に取り付けることができる。
図9に示すように、遠位チップ10の外周は円形である必要はない。遠位チップ10の外周形状を多角形やその他の凹凸形状とすることができる。図9では遠位チップ10の外周に膨出部17を、等間隔で設けている。このように遠位チップ10の外周を凹凸形状にすることで、該凹凸部の隙間を自由に骨随液等が行き来することができる。
本発明の遠位チップ10は、人工股関節の他、人工肩関節、人工肘関節、人工手関節、人工指関節、人工膝関節、人工足関節にも適用することができる。
本発明の遠位チップを取り付けた人工関節のステムが大腿骨の髄腔内に挿入された状態を示す断面図である。 (A)〜(F)はそれぞれ嵌め込み穴を用いた遠位チップの実施形態を示す斜視図である。 (A)、(B)はそれぞれ螺合式の遠位チップの実施形態を示す斜視図である。 遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた実施形態を示す平面図である。 (A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた他の実施形態を示す遠位チップの平面図と縦断面図である。 (A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた更に他の実施形態を示す遠位チップの平面図と縦断面図である。 (A)、(B)は遠位チップの嵌め込み穴を軸心部から偏心させた更に他の実施形態を示す遠位チップの平面図と縦断面図である。 遠位チップの嵌め込み穴の内周面に軸心方向に突出する凸条を形成した実施形態を示す平面図である。 遠位チップの外周に凹凸形状を構成した実施形態を示す平面図である。
符号の説明
1 骨頭球
2 ステム
2a 遠位端部
2b 嵌め込み穴
2c 嵌め込み突起
2d 取り付け穴
4 随腔
5 ポーラス加工表面
10 遠位チップ
11 嵌め込み穴
12 雄螺子部
13 雌螺子部
14 嵌め込み突起
15 嵌め込み***
16 凸条
17 膨出部
P 軸心部
Q 偏心した位置
L1 内距離
L2 外距離
L3 右距離
L4 左距離

Claims (3)

  1. セメントレスの人工関節のステム遠位端部付近に取り付けられ、これによって前記人工関節のステムが髄腔内へ挿入される際にステム遠位端部が骨の髄腔内面に直接には当接しないようにガイドすると共に、ステム挿入完了時におけるステム遠位端部の髄腔内での位置を安定的に位置決めするための人工関節のステム位置決め用遠位チップであって、
    前記遠位チップは生体内分解吸収性材料で構成し、且つ遠位チップはその水平断面径をステム遠位端部付近における水平断面径よりも大きく構成すると共に、前記ステムへの取り付け手段である嵌め込み穴か嵌め込み突起か螺合螺子を遠位チップの軸心部から偏心して設けてあることを特徴とする人工関節のステム位置決め用遠位チップ。
  2. 遠位チップの取り付け手段を嵌め込み穴とし、その嵌め込み穴には内周面から中心方向に突出する凸部または凸条を設けていることを特徴とする請求項1に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップ。
  3. 遠位チップは、その外周を円形以外の多角形状やその他の凹凸形状に構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の人工関節のステム位置決め用遠位チップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112190369A (zh) * 2020-10-13 2021-01-08 北京中安泰华科技有限公司 一种闭合导向型股骨柄

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