JP2006110133A - 炊飯器 - Google Patents

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由美子 平田
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真由美 中間
Setsuko Tonomura
節子 外村
Setsuo Shimoyoshi
勢津雄 下▲吉▼
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Abstract

【課題】保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対しても、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、最適な炊飯シーケンスを実行することにより良食味のごはんを炊き上げる炊飯器を得ること。
【解決手段】加熱制御手段は、使用者が炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、炊飯工程のうち米に水を吸水させる浸水工程を常温で行い、沸騰維持工程では炊き上げ工程と同じ単位時間当りの通電率になるように加熱手段を自動制御することにより、米へのダメージを最低限に抑えて、粒の崩れや芯の残りのない良好な食味のごはんを炊き上げることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は主に家庭用に使用する炊飯器に関するものである。
一般の家庭用のマイコン制御式炊飯器においては、白米をおいしいごはんに炊き上げるための火加減を炊飯シーケンスとしてマイコンに内蔵している。一般的には、米に水を吸水させる浸水工程と、一気に鍋内の温度を上げて沸騰させる炊き上げ工程と、沸騰を維持させてお米のでんぷんを糊化させてごはんにする沸騰維持工程と、炊き上がったごはんを蒸らして鍋内を均一に仕上げるむらし工程からなり、米を洗って水加減をしてスイッチを押せば、およそ30〜60分でおいしいごはんが炊き上がるようになっている。
さらに、使用者の好みのごはんに炊き上げるために、同じ水加減でも異なる硬さに炊き上げるように火加減を調整し、使用者が自由に選べるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
また、季節による米の劣化具合を考慮して、新米のときは火加減を抑えて粒が崩れないように、夏場米のときは高火力で米の劣化臭をとばして炊き上げるように火加減を調整し、使用者が自由に選べるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、米の品種や銘柄によってそれぞれに最適ないくつかの炊飯シーケンスを持ち、使用者が状況に応じて自由に選べるようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
特開平4−67820号公報 特開平6−133849号公報 特開2002−300963号公報
しかしながら、これらのような状況に応じたさまざまな炊飯シーケンスをもってしても、べちゃついたり、芯が残ったり、味がでなかったりしておいしく炊けない場合があった。このような、うまく炊けないといわれる米を解析したところ、保有米、あるいは自家米と呼ばれ、食糧法のもとでは計画外流通米という、農家が自家消費用に取り置いている米が多いことが判明した。
一般に商品として流通している米は、農協などの政府登録出荷取扱業者が農家から集荷後、カントリーエレベータ等の設備で乾燥後、低温で保存されており、必要時にもみすりをして出荷される。その後、政府に登録された卸売業者や小売業者を通じて精米後、精白米の状態で販売される。生産者からの出荷や流通の段階で国による精米の品位基準や、業界の自主基準に基づく米の検査があり、一定の基準を満たした安定した品質の米が流通するようになっている。
一方、保有米は、食糧法のもとでは計画外流通米と呼ばれるが、農家が自分で生産した米をそのまま保管し自家用に消費するもので、集荷され混米したりすることがないため、確実な単一銘柄米ということができる。生産者は、食糧事務所長へ届出をすれば、この米を流通を通さずに直接一般に販売することもでき、市場でも生産者の顔が見える安心できるお米として人気が高い。しかし、生産品質については確実である一方、精米品質に関しては、検査や基準の管理の必要がないので、保存の仕方によっては水分が低かったり、精米方法によって過搗精であったり、砕米や糠の付着が多かったりというような、精米基準に対して劣っている場合も散見される。
このような米を炊飯した場合、例えば米粒が砕けたり割れたりした、砕米の多い米の場合には、40〜50℃に加熱して米に吸水をさせる浸水工程で米の断面からでんぷんが流出し、粒の周りがのりのようなごはんになり、またでんぷんが鍋底にたまって鍋内全体への熱の伝わりを阻害して、芯のあるごはんに炊き上がる。精米しすぎである過搗精の場合にも同様な現象が起こるが、搗精によりうまみ層間までもが削られているため、さらに味のないごはんになる。また、精米後の処理が不十分で糠やかすが多く残っているような場合には、精米の劣化も早く、古米臭が強くなったり、脂質の酸化により米の周りに酸化層ができ、吸水が阻害されて芯があるようなごはんになる。一般的に、炊飯シーケンスは市場で最も流通量が多い、品質基準を満たした計画流通米を基準に設定されている。そのため、このような主に保有米のうち精米品質の劣る米に対して、従来の炊飯シーケンスではその米の特性に対応できず、良好な食味のごはんに炊き上がらないという問題があった。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、主に保有米のうち、砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対して、浸水工程は常温で十分吸水させた後、炊き上げ工程では強火で一気に炊き上げ、沸騰維持工程では常に一定の沸騰状態を維持するように火力を調節し、むらし工程で均一に仕上げるという炊飯シーケンスを実現することで、つやと粘り、味のある良好な食味のごはんを炊き上げることのできる炊飯器を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明の炊飯器は、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対して、炊飯を行う前にあらかじめ米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、加熱制御手段は米に水を吸水させる浸水工程と、鍋内を沸騰させる炊き上げ工程と、沸騰を維持させてお米のでんぷんを糊化させてごはんにする沸騰維持工程と、炊き上がったごはんを蒸らして鍋内を均一に仕上げるむらし工程からなる炊飯シーケンスにおいて、浸水工程では常温で吸水させて加熱による米へのダメージを減らし、炊き上げ工程と沸騰維持工程では同一の単位時間当りの通電率と火力で一定の沸騰状態を維持するよう炊き上げ、また炊飯量に応じて火力を調整する場合は、単位時間当りの通電率は同じ状態のまま入力火力を低減し、一定の沸騰様式を維持させて炊き上げるものである。
本発明の炊飯器は、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対しても、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、最適な炊飯シーケンスを実行することにより良食味のごはんを得られる炊飯器を提供することができる。
第1の発明は、本体と、前記本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋の上部開口部を覆う開閉自在な外蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を測定する鍋温度検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯を行う前に被調理物である米の品質について、保有米あるいはそれに準じる品質の米をあらかじめ外部から選択する米質選択手段と、前記米質選択手段の選択に基づいて炊飯シーケンスを設定する工程設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記工程設定手段によって設定された炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段からの出力を入力として前記加熱手段を制御するので、選択した米の特性に合わせたシーケンスで炊き上げることができ、米の品質が劣る場合にも良食味のごはんを得られる炊飯器を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合には、炊飯工程のうち米に水を吸水させる浸水工程を常温で行うシーケンスに設定することができるので、加熱による米粒の割れやでんぷんの流出など、米へのダメージを最低限に抑えて炊き上げる炊飯器を提供することができる。
第3の発明は、上記第1または2の発明において、工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合には、炊飯工程のうち被調理物を沸騰させる炊き上げ工程と沸騰後の沸騰維持工程において、沸騰維持工程の単位時間当りの通電率および入力火力を炊き上げ工程と同じ状態とし、一定の沸騰様式と火力を維持させるシーケンスに設定することができるので、粒に物理的なダメージを与えることなく沸騰糊化させ、粒の中心部まで炊き上げて、粒の崩れや芯の残りのないごはんを炊き上げる炊飯器を提供することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合で非調理物の量が少ない場合には、沸騰維持工程の単位時間当りの通電率は炊き上げ工程と同じで、入力火力を低減させ、一定の沸騰様式を長時間維持させるシーケンスに設定することができるので、炊飯量が少ない場合にも粒の崩れを抑えて、かつ中まで火のとおったごはんを炊き上げる炊飯器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施例の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すもので、電気式IH加熱炊飯器の一例である。図1において、本体1の内部には着脱自由に収納され米と水を入れる鍋2と、鍋2の底側面部に対向するように配置され前記鍋2を加熱する加熱手段4を備え、前記本体1の上面開口部には、鍋2を着脱可能なように開閉自在な外蓋3を備えている。また、鍋2の底面中央に外接して鍋温度検知手段5を配置し、加熱制御手段6が鍋温度検知手段5の検知温度を入力し、加熱手段4の加熱量を制御して鍋2を加熱し鍋2内の米と水を炊飯するものである。
さらに、外蓋3には炊飯を行う前に被調理物である米の品質について、保有米を選択できる米質選択手段7が設けられており、使用者が鍋2内に米と水を入れた後に、使用する米がこれに該当する場合は保有米を選択する。ここで、米質選択手段7の選択肢は保有米となっているが、保有米でなくとも保有米に準じる品質の米の場合にも選択することができる。米質選択手段7で保有米を選択すると、工程設定手段8は保有米に適したシーケンスを加熱制御手段6に伝え、加熱制御手段6はこの保有米に適したシーケンスと鍋温度検知手段5からの出力を入力として加熱手段4を制御し、鍋2内の被調理物を炊き上げるものである。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図8を基に説明する。図8(a)は一般的な炊飯工程を示す図で、図8(b)は一般的な炊飯工程における米の温度を示す図である。はじめに、一般的な炊飯工程は、図8(a)に示すように、主として、浸水工程A、炊き上げ工程B、沸騰維持工程C、むらし工程Dから成る。
浸水工程Aでは、計時手段(図示せず)の計時時間が第一の所定時間t1(通常20分前後)になるまで、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第一の所定温度T1(通常55℃前後)になるように加熱制御手段6が加熱手段4を制御し、加熱手段4で鍋2を加熱するものである。浸水工程は、糊化温度よりも低温の水に米を浸し、予め米に吸水させておくことで、以降の工程において、米の中心部まで十分に糊化させるための工程である。また、本工程は、米に含まれるアミラーゼにより澱粉を分解しグルコースを生成させる工程でもあり、ここで、飯の甘味を生み出すのである。
次に、浸水工程A終了後、炊き上げ工程に移行する。炊き上げ工程Bでは、図8(a)に示すように、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))になるまで、加熱手段4が鍋2を加熱するものである。
なお、本工程では、鍋温度検知手段5の検知温度により加熱手段4を制御したが、別途、鍋の開口部を覆う蓋3の温度を検知する蓋温度検知手段を設け、蓋温度検知手段の検知温度が所定温度に達するまで、加熱手段4が鍋2を加熱することもできる。
引き続き、炊き上げ工程B終了後、沸騰維持工程Cに移行する。沸騰維持工程Cでは、鍋2に水が有る間は、鍋温度検知手段5の検知温度Taが、図8(a)に示すように、第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))で沸騰状態を維持するように加熱制御手段6が加熱手段4を制御し、加熱手段4が鍋2を加熱する。そして、沸騰維持工程Cが経過していくと、鍋2内の水が蒸発して、鍋2内に水がなくなると、鍋2の温度が上昇する。鍋温度検知手段5の検知温度Taが、第三の所定温度T3(水の沸点以上)に到達すると、鍋2内に水がなくなったと判断し工程の終了とする。この工程は、米澱粉を糊化させる工程であり、炊飯後の飯の糊化度は100%近くに達するが、この工程終了時には糊化度は50〜60%程度となる。
次に、むらし工程Dに進む。むらし工程Dでは、図8(a)に示すように、計時手段の計時時間が第二の所定時間t2(通常15分前後)になるまで、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(通常100℃近傍)で維持するように加熱制御手段6が加熱手段4を制御し、加熱手段4が鍋2を加熱する。むらし工程は沸騰維持工程に引き続き、米澱粉の糊化させる工程であり、むらし工程の開始時には糊化度は50〜60%程度であったものが、むらし工程終了時、すなわち、炊飯終了時には、糊化度は100%近くに達するのである。
このような炊飯工程を実行すると、鍋温度検知手段5の検知温度Taが図8(a)に示すこととなり、鍋2内の温度Tb、すなわち、米の温度は図8(b)に示すように温度推移する。
続いて、保有米の特性について、図2を用いて説明する。図2は、保有米の各水温における吸水率の変化を示した図である。これは、保有米のうち、一般的な炊飯シーケンスではべたついたり芯が残ったりして良食味のごはんに炊き上がらなかった米について、特徴的に見られた傾向を示すものである。米を20℃、60℃、70℃の各温度に浸漬した場合の経過時間ごとの吸水率を調べたところ、各温度ごとの吸水率に明らかな差があり、20℃では60分で約20%とやや低めだが、60℃では約28%と吸水率が上昇し、特に70℃で浸漬した場合は20分程度で粒表面の糊化が始まり、米粒が糊で団子状に固まって吸水率も50%以上と急激に増える傾向にある。これより、米の表面の組織はもろく、温度により吸水が進むが、芯までの吸水はしにくいということが分かる。このような、粒表面の崩れかけた米をその後高火力で炊き上げた場合、表面に溶け出たデンプンが先に糊化して米粒を覆い、水分の米粒の中への浸透と糊化を阻害する。そのため、粒の表面がべたつき、粒の中は芯の残る炊き上がりになり、食味が劣るのである。これらの米は、米の成分分析結果からは明らかな特性が見られず、吸水率測定によってはじめて特徴が明らかになった。また、保有米でなくとも砕米率の高い米も同様な傾向を示し、精米品質によっても吸水特性が変化することが判明した。
一方、図3は流通米の各水温における吸水率の変化を示した図である。これは、市販の流通米、および保有米の中でも一般の炊飯シーケンスでふっくらと良好な食味に炊き上げることのできる米について見られた傾向を示すものである。この場合は、各温度ごとの吸水率の差は比較的小さく、20℃では60分で約22%、40℃でも60分で約23%と吸水率は高めであるものの、温度による差は少ない。70℃でも40分で約40%であり、糊化は起こっておらず、米粒の状態である。この結果より、一般の炊飯シーケンスでの浸水工程、すなわち糊化温度よりも低温の55℃前後の水に米を浸し、あらかじめ米に吸水させておく過程での米粒の安定性が高く、粒が崩れにくいという傾向が明らかになった。このような米を高火力で一気に炊き上げると粒の中まで均一に吸水しており、組織の崩れも少ないため、全体がふっくらと柔らかく良食味に炊き上がるのである。
このような特性をもち、一般的な炊飯シーケンスではべたついたり芯が残ったりして良食味のごはんに炊き上がらなかった保有米をおいしいごはんになるように炊き上げるためには、まず第1に浸水工程での粒の崩れを抑えて芯まで吸水させることである。第2には、粒に物理的なダメージを与えることなく沸騰糊化させることである。
次に、以上のように構成された炊飯器において、炊飯を行う動作について図4を用いて説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における炊飯器の炊飯工程を示す図である。
まず使用者が鍋2内に米と水を入れた後に、使用している米が保有米あるいはそれに順ずる品質の米であった場合には、外蓋3に設けられた米質選択手段7から「保有米」に設定し、炊飯を開始する。工程設定手段8は、図4に示すような「保有米」に適した加熱パターンで加熱制御手段6を制御し、浸水工程を行う。浸水工程では加熱手段による加熱は行わず、常温T0、すなわち洗米や水加減を行った水の水温で浸水を行う。浸水工程時間は、吸水率が飽和状態に達するまでとし、ここでは水温が約20℃の場合で60分間とする。その後、図8(a)に示す一般的な炊飯工程と同様に、炊き上げ工程Bに移行し、炊き上げ工程Bでは、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))になるまで、加熱手段4が鍋2を加熱するものである。また、ここで計時手段(図示せず)は工程所要時間を測定し、一定火力で加熱したときに沸騰するまでの所要時間をもって、被調理物の量、すなわち炊飯量を判定する。引き続き沸騰維持工程に移行するが、一般的に米の生のデンプンを消化の良い糊化デンプンにするには、十分に吸水した米と水を98℃以上で20分間加熱することが必要だといわれる。炊飯量にかかわらず一定の沸騰維持時間を確保するために、加熱手段4は一定出力P1で、炊飯量に応じて単位時間当りの加熱量を変化させて加熱手段のオンとオフを繰り返し、炊き上げる。例えば炊飯容量の最大量を炊き上げる場合には、単位時間16秒あたり16秒の通電率で、出力を落とすことなく炊き上げ、炊飯量が半量の場合には単位時間16秒あたり12秒として通電率を落とし、これにより第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))で沸騰状態を維持するように加熱制御手段6が加熱手段4を制御し、沸騰維持に必要な時間を確保して炊き上げる。そして、沸騰維持工程Cの経過に従い鍋2内の水が蒸発して、鍋2内に水がなくなると、鍋2の温度が上昇する。鍋温度検知手段5の検知温度Taが、第三の所定温度T3(水の沸点以上、ここでは約130℃)に到達すると、鍋2内に水がなくなったと判断し工程の終了とする。その後、図8(a)に示す一般的な炊飯工程と同様に、むらし工程を経過してごはんを炊き上げるのである。以上一連の操作により、保有米あるいはそれに準じる品質の米において、高温浸水におけるでんぷんの流出や、加熱によって発生する水の対流の影響による米粒の割れや損傷などの米へのダメージを最低限に抑えて炊き上げることができる。
以上の様に、本実施の形態においては、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対して、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、炊飯工程のうち米に水を吸水させる浸水工程を常温で行うシーケンスに設定することができるので、加熱による米粒の割れやでんぷんの流出など、米へのダメージを最低限に抑えて、べたつきのない良好な食味のごはんを炊き上げる炊飯器を提供することができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における本体の構成は実施の形態1と同じであるため、説明は省略する。
図5は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器の炊飯工程を示す図である。このうち、浸水工程A終了までは本発明の第1の実施の形態と同じであるため、これも説明を省略する。浸水工程A終了の後、図8(a)に示す一般的な炊飯工程と同様に、炊き上げ工程Bに移行し、炊き上げ工程Bでは、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))になるまで、加熱手段は出力P1で連続して鍋2を加熱するものである。ここでP1は最大出力で、通電率も最大であるものとする。引き続き沸騰維持工程Cに移行するが、沸騰維持工程Cでも炊き上げ工程Bにおける加熱手段の出力P1を用いて、通電率も一定のまま連続して加熱を行い、沸騰維持工程Cの経過に従い鍋2内の水が蒸発し、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第三の所定温度T3(水の沸点以上、ここでは約130℃)に到達するまで加熱する。その後、図8(a)に示す一般的な炊飯工程と同様に、むらし工程を経過してごはんを炊き上げるのである。沸騰維持工程Cで加熱手段が一定の出力で連続して加熱することにより、沸騰状態を一定の状態に保ち、粒に物理的なダメージを与えることなく沸騰糊化させることができる。沸騰維持工程で通電率を調整し、加熱手段のオンとオフを繰り返して通電した場合、水の対流はその度に流動と停止を繰り返し、この水の動きにより保有米およびそれに準じる品質の米の場合は、水温による吸水への影響が強いために特に米粒の崩れが激しくなり、デンプンが溶け出て表面が糊状にべたついたり、さらに糊が粒の中心への加熱吸水を阻害し、芯のあるごはんに炊き上がったりするが、これを抑え粒の崩れや芯の残りを抑えて炊き上げることができるのである。
以上の様に、本実施の形態においては、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対して、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、炊飯工程のうち炊き上げ工程と続く沸騰維持工程で、加熱手段は最大火力P1で連続して鍋2を加熱するシーケンスに設定することができるので、沸騰中の加熱による米粒の崩れや糊による加熱吸水阻害を抑えて、粒の崩れや芯の残りのない良好な食味のごはんを炊き上げる炊飯器を提供することができる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態における本体の構成は実施の形態1と同じであるため、説明は省略する。
図6は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器の炊飯工程を示す図である。このうち、浸水工程A終了までは本発明の第1の実施の形態と同じであるため、これも説明を省略する。浸水工程A終了の後、図8(a)に示す一般的な炊飯工程と同様に、炊き上げ工程Bに移行し、炊き上げ工程Bでは、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))になるまで、加熱手段は出力P1で連続して鍋2を加熱するものである。ここでP1は最大出力で、通電率も最大であるものとする。その後、炊き上げ工程Bに移行し、炊き上げ工程Bでは、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点(通常100℃近傍))になるまで、加熱手段4が鍋2を加熱するものである。また、ここで実施の形態1と同様に、一定火力で加熱したときに沸騰するまでの所要時間をもって、被調理物の量、すなわち炊飯量を判定する。引き続き沸騰維持工程に移行するが、炊き上げ工程での炊飯量判定の結果、炊飯量が少ない場合には、単位時間当りの通電率は炊き上げ工程と同じ最大通電率で、入力火力を低減させて生のデンプンを糊化デンプンにするための加熱時間を確保するのである。ここで図7は、本発明の第4の実施例における炊飯量と沸騰維持工程の入力火力を示す図である。その炊飯器における最大炊飯量を100%、最大火力を100%とした場合に、各炊飯量ごとの沸騰維持工程の入力火力を最大火力に対する割合で示したもので、炊飯量が最大量の50%の場合には入力火力は70%、炊飯量が最大量の20%の場合には入力火力は40%となり、炊飯量に応じて入力火力を調整し、炊飯量にかかわらずデンプンの糊化に必要な沸騰維持工程時間を確保できるのである。さらに、沸騰維持工程Cで加熱手段が一定の出力で連続して加熱することにより、沸騰状態を一定の状態に保ち、粒に物理的なダメージを与えることなく沸騰糊化させることができる。沸騰維持工程で通電率を調整し、加熱手段のオンとオフを繰り返して通電した場合、水の対流はその度に流動と停止を繰り返し、この水の動きにより保有米およびそれに準じる品質の米の場合は、水温による吸水への影響が強いために特に米粒の崩れが激しくなり、デンプンが溶け出て表面が糊状にべたついたり、また糊が粒の中心への加熱吸水を阻害し、芯のあるごはんに炊き上がったりするが、この対流の動きをなくし、粒の崩れや芯の残りを抑えて炊き上げることができるのである。かつ、炊飯量に応じて入力火力を調整することで、炊飯量が少ない場合にも火力が強すぎて米粒の中まで十分糊化する前に加熱が終了することなく、どのような量でもべたつきなくふっくらと芯まで柔らかいごはんを炊き上げることができるのである。
以上の様に、本実施の形態においては、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対して、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、炊飯工程のうち炊き上げ工程と続く沸騰維持工程で、加熱手段は最大火力P1で連続して鍋2を加熱するシーケンスに設定し、かつ炊飯量に応じて沸騰維持工程の入力火力を調整することができるので、炊飯量にかかわらず沸騰中の加熱による米粒の崩れや糊による加熱吸水阻害を抑えて、どのような量でもべたつきなくふっくらと芯まで柔らかい良好な食味のごはんを炊き上げる炊飯器を提供することができる。
なお、以上の実施の形態1から3は、マイコンにより制御されるその他の方式の炊飯器においても実施可能であることは言うまでもない。
また、本実施例における各炊飯工程における検知温度、工程時間、単位時間当りの通電率、各炊飯量ごとの沸騰維持工程の入力火力は実施の一例であり、状況に応じて数値を変更することができる。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、主に保有米のうち砕米や過搗精など精米品質が劣る米、あるいはこれに似た特性を示す品種の米に対しても、炊飯を行う前にあらかじめ外部から米質選択手段により保有米あるいはそれに準じる品質の米を選択すれば、最適な炊飯シーケンスを実行することにより良食味のごはんを得ることが可能となるので、民生用のみならず業務用炊飯器としても有用である。
本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図 保有米の各水温における吸水率の変化を示した図 流通米の各水温における吸水率の変化を示した図 本発明の実施の形態1における炊飯器の炊飯工程を示す図 本発明の実施の形態2における炊飯器の炊飯工程を示す図 本発明の実施の形態3における炊飯器の炊飯工程を示す図 本発明の実施の形態3における炊飯量と沸騰維持工程の入力火力を示す図 (a)一般的な炊飯工程を示す図(b)一般的な炊飯工程における米の温度を示す図
符号の説明
2 鍋
3 外蓋
4 加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 加熱制御手段
7 米質選択手段
8 工程設定手段

Claims (4)

  1. 本体と、前記本体の内部に収納され米と水を入れる鍋と、前記鍋の上部開口部を覆う開閉自在な外蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋の温度を測定する鍋温度検知手段と、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、炊飯を行う前に被調理物である米の品質について、保有米あるいはそれに準じる品質の米をあらかじめ外部から選択する米質選択手段と、前記米質選択手段の選択に基づいて炊飯シーケンスを設定する工程設定手段とを備え、前記加熱制御手段は、前記工程設定手段によって設定された炊飯シーケンスと前記鍋温度検知手段からの出力を入力として前記加熱手段を制御してなる炊飯器。
  2. 工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合には、炊飯工程のうち米に水を吸水させる浸水工程を常温で行うシーケンスに設定することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合には、炊飯工程のうち被調理物を沸騰させる炊き上げ工程と沸騰後の沸騰維持工程において、沸騰維持工程の単位時間当りの通電率および入力火力を炊き上げ工程と同じ状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 工程設定手段は、米質選択手段の選択内容が保有米あるいはそれに準じる品質の米であった場合で被調理物の量が少ない場合には、沸騰維持工程の単位時間当りの通電率は炊き上げ工程と同じで、入力火力を低減させることを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
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