JP2006108129A - 回路基板の製造方法及び回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路パターンの比抵抗値を小さくでき、また耐熱温度の低い材料からなる絶縁基板を用いることができる回路基板の製造方法及び回路基板を提供する。
【解決手段】絶縁基板30−1の表面に樹脂含有型回路パターン40a−1を形成する工程と、転写部材60−1の転写面65−1にペースト中に存在する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターン70a−1を形成する工程と、樹脂含有型回路パターン40a−1と融着型回路パターン70a−1とを、予め樹脂含有型回路パターン40a−1上に形成した導電接着被膜90−1を介して積層する工程と、転写部材60−1を離すことで転写部材60−1の転写面65−1上の融着型回路パターン70a−1を絶縁基板30−1側に転写し、絶縁基板30−1上に樹脂含有型回路パターン40a−1と融着型回路パターン70a−1とを積層してなる回路パターンを形成する工程と、を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回路基板の製造方法及び回路基板に関するものである。
従来、可撓性を有する絶縁性の合成樹脂フイルムからなる絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなるフレキシブル回路基板が、各種電子機器に使用されている。そして前記フレキシブル回路基板に設ける回路パターンとして、導電ペースト(樹脂含有導電ペースト)を合成樹脂フイルム上に塗布して硬化させることで形成される回路パターン(樹脂含有型回路パターン)がある。導電ペーストの塗布によって回路パターンを形成すると、銅箔をエッチングして回路パターンを形成する場合等に比べて、回路パターンの形成が容易でその製造コストの低減化が図れ、また廃液や不要金属等が出ない工程が可能で、環境負荷が低く、また電力節減効果も期待できる。
しかしながら一方で従来の導電ペースト(一般には銀ペースト)を用いた回路パターンは、銅箔をエッチングして得られる回路パターンの比抵抗(体積抵抗率)(1.6×10-6〔Ω・cm〕)に比べて比抵抗(1×10-4〜4×10-5〔Ω・cm〕)が高く、このため従来、導電ペーストを用いて形成した回路パターンを有するフレキシブル回路基板においては、その回路パターンに高電流を流すことが困難であった。即ち例えばこのフレキシブル回路基板に設けたスイッチの回路や固定抵抗器の回路には、数mA程度の電流を流すだけで良いので回路パターンの比抵抗値が大きいことはあまり問題にならないが、例えばフレキシブル回路基板に設けたチップLEDの回路には、数10mA程度の電流を流す必要があるので回路パターンの抵抗値が大きいと、回路パターンに規定の電流を流すことができず、チップLEDの発光が阻害されたり、高圧の静電気や過電流が流れ込むと最悪の場合加熱によりパターン切れを生じる恐れがある。一方これを防止するには、そのパターン幅を太くすることとなるが、そうするとフレキシブル回路基板の小型・集積化が阻害される。
従来の導電ペースト(銀ペースト)の比抵抗が高い原因は、樹脂バインダーが銀粒子間に介在するため銀粒子同士の接触箇所が少ないためであり、更には銀粒子同士の電気的導通は物理的接触のみであるため各接触箇所において接触抵抗が発生してしまうためである。
そこで近年、比抵抗の低いペーストとして、例えば特許文献1に示すように、平均粒径が0.01〜1μm程度の粒子状銀化合物を含むペーストが開発されている。この種のペーストは、これを絶縁基板に塗布し、金属銀自体の溶融温度よりもかなり低い温度(例えば180℃)で加熱することで、容易に金属銀粒子に還元され、還元した金属銀微粒子が溶融し、互いに融着して金属銀に匹敵する高導電性の金属銀の被膜を形成する。従ってこの種のペーストを用いて回路パターンを形成すれば、銅箔をエッチングして回路パターンを形成する場合の欠点と、従来の導電ペーストを塗布して回路パターンを形成する場合の欠点とが同時に解消でき、好適である。
しかしながらこの比抵抗の低いペーストを用いて回路パターンを形成しようとする場合、以下のような問題点があった。
(1)前記ペーストを焼成する際の加熱温度は、ペーストの材質に応じて140℃〜250℃程度ではあるが、好適な加熱温度は180℃程度以上必要なので、安価ではあるが耐熱性の低い合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム等)を絶縁基板として使用することが困難となる場合があった。
(2)前記ペーストによって形成される回路パターンは絶縁基板への密着性(接着性)に乏しくまた同時に屈曲性に乏しいので、形成した回路パターンが絶縁基板から容易に剥離したり、絶縁基板を撓ませた場合に容易に破断したりする恐れがあった。この問題は特に絶縁基板として可撓性を有する合成樹脂フイルムを用いた場合に著しい。
特開2003−308732号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、回路パターンの比抵抗値を小さくできて細い回路パターンでも高電流を流すことができ、また小型・集積化が図れ、また耐熱温度の低い材料からなる絶縁基板を用いることができ、同時に回路パターンの破断や絶縁基板からの剥離が生じない回路基板の製造方法及び回路基板を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより、前記樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを、予め融着型回路パターン又は樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第一実施形態に対応する発明である。
本願請求項2に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記転写部材と絶縁基板とを対向させた際に、絶縁基板に形成した前記樹脂含有型回路パターンの内の一部の樹脂含有型回路パターンに対向する転写部材の転写面の位置に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記転写部材と絶縁基板とを積層することにより、前記一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを、予め融着型回路パターン又は樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。第二回路パターンを構成する樹脂含有型回路パターン上は導電接着被膜で覆われていても良い。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第一実施形態に対応する発明である。
本願請求項3に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより、前記樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第二実施形態に対応する発明である。
本願請求項4に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを対向させた際に、前記絶縁基板に形成した前記樹脂含有型回路パターンの内の一部の樹脂含有型回路パターンに対向する転写部材の転写面の位置に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第二実施形態に対応する発明である。
本願請求項5に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記融着型回路パターンの表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記接着被膜と樹脂含有型回路パターンとを積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面に積層している融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第三実施形態に対応する発明である。
本願請求項6に記載の発明は、表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記融着型回路パターンの表面とそれ以外の転写部材の転写面の表面とに、それぞれ導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記接着被膜と樹脂含有型回路パターンとを積層する工程と、前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第三実施形態に対応する発明である。
本願請求項7に記載の発明は、表面を転写面とした第一,第二の転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、第一の転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、第二の転写部材の転写面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と第一の転写部材とを積層することにより、絶縁基板の接着被膜に第一の転写部材の融着型回路パターンを接着した後に、前記積層した絶縁基板と第一の転写部材から第一の転写部材を離すことで第一の転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写する工程と、前記融着型回路パターンを転写した絶縁基板と第二の転写部材とを積層することにより、前記融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを、直接接触して積層するかあるいは予め融着型回路パターン若しくは樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、前記積層した絶縁基板と第二の転写部材から第二の転写部材を離すことで第二の転写部材の転写面上の樹脂含有型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第四実施形態に対応する発明である。
本願請求項8に記載の発明は、表面を転写面とした第一,第二の転写部材と、絶縁基板とを用意し、絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、第一の転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、前記第一の転写部材と第二の転写部材とを対向させた際に、前記第一の転写部材の転写面に形成した前記融着型回路パターンに対向する第二の転写部材の位置及びそれ以外の第二の転写部材の位置に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、前記絶縁基板と第一の転写部材とを積層することにより、絶縁基板の接着被膜に第一の転写部材の融着型回路パターンを接着した後に、前記積層した絶縁基板と第一の転写部材から第一の転写部材を離すことで第一の転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写する工程と、前記融着型回路パターンを転写した絶縁基板と第二の転写部材とを積層することにより、一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを直接接触して積層するかあるいは予め融着型回路パターン若しくは樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、前記積層した絶縁基板と第二の転写部材から第二の転写部材を離すことで第二の転写部材の転写面上の樹脂含有型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第四実施形態に対応する発明である。
本願請求項9に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に導電接着被膜を介して、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第一実施形態に対応する発明である。
本願請求項10に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に導電接着被膜を介して金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板にある。第二回路パターンを構成する樹脂含有型回路パターン上は導電接着被膜で覆われていても良い。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第一実施形態に対応する発明である。
本願請求項11に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第二実施形態に対応する発明である。
本願請求項12に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第二実施形態に対応する発明である。
本願請求項13に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、接着被膜上に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを形成するとともに、前記樹脂含有型回路パターン上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第三実施形態に対応する発明である。
本願請求項14に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、接着被膜上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを形成するとともに、この樹脂含有型回路パターンの上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンを形成してなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第三実施形態に対応する発明である。
本願請求項15に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、接着被膜上に、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを形成するとともに、この融着型回路パターン上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを直接積層するか、あるいは導電接着被膜を介して積層することで構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第四実施形態に対応する発明である。
本願請求項16に記載の発明は、絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、前記回路パターンは、接着被膜上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを形成するとともに、この融着型回路パターン上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを直接積層するか、あるいは導電接着被膜を介して積層することで構成される第一回路パターンと、接着被膜上に樹脂含有型回路パターンを形成してなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板にある。この発明は、下記する「発明を実施するための最良の形態」の記載中の第四実施形態に対応する発明である。
請求項1から8に記載の発明によれば、一旦転写部材(請求項7,8の場合は第一の転写部材)の転写面に形成した融着型回路パターンを、絶縁基板に転写するように構成したので、絶縁基板として融着型回路パターン形成時の加熱に耐えられない耐熱温度の低い材料を使用できるようになる。同時に形成される回路パターンは、融着型回路パターンを用いているので、金属自体と同程度の低い比抵抗を有するものとなり、従って回路パターンの比抵抗値を小さくできて細い回路パターンでも高電流を流すことができる回路基板が提供できる。また回路パターンを細くできるので、回路基板の小型・集積化を図ることもできる。また樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層するので、融着型回路パターンが樹脂含有型回路パターンによって補強され、回路パターンの破断や絶縁基板からの剥離が生じにくくなる。
請求項2,4,6,8に記載の発明によれば、絶縁基板上に、容易に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一の回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二の回路パターンとを混在して形成することができる。つまり同一絶縁基板上の各回路パターンの中で、高電流を流す第一の回路パターンと、低電流を流す第二の回路パターンとをそれぞれ必要に応じて選択・形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化を図ることができる。
請求項9から16に記載の発明によれば、形成される回路パターンは、融着型回路パターンを用いているので、金属自体と同程度の低い比抵抗を有するものとなり、従って回路パターンの比抵抗値を小さくできて細い回路パターンでも高電流を流すことができる回路基板が提供できる。また回路パターンを細くできるので、回路基板の小型・集積化を図ることもできる。また樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層するので、融着型回路パターンが樹脂含有型回路パターンによって補強され、回路パターンの破断や絶縁基板からの剥離が生じにくくなる。
請求項10,12,14,16に記載の発明によれば、第一の回路パターンと第二の回路パターンとが混在しているので、同一絶縁基板上の各回路パターンの中で、高電流を流す第一の回路パターンと、低電流を流す第二の回路パターンとをそれぞれ必要に応じて選択・形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1,図2は本発明の第一実施形態にかかる回路基板1−1の製造方法を示す要部拡大断面図、図3は完成した回路基板1−1の要部拡大断面図である。この回路基板(フレキシブル回路基板)1−1を製造するには、まず図1に示すように、可撓性を有する絶縁性の合成樹脂フイルム(厚みは例えば50〜75μm)からなる絶縁基板30−1と、一方の表面を転写面65−1とした転写部材60−1とを用意する。
ここで絶縁基板30−1は、この実施形態では耐熱性は低いが安価なポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いているが、それ以外に、例えばポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フイルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルム、ポリエーテルイミドフイルム等によって構成してもよい。
一方転写部材60−1は金属板等の硬質板61−1の一方の表面にフッ素樹脂コートによる表面層63−1を設け、この表面層63−1を設けた側の表面を転写面65−1として構成されている。表面層63−1は、被転写物(本実施形態では各種被膜)を一旦転写部材60−1上に配置でき、次にこの被転写物を他の部材側(本実施形態では絶縁基板30−1側)に転写し得る程度の粘着機能を有している。なお転写部材60−1としてこの実施形態では硬質部材を用いたが、例えばフッ素樹脂製のシート等、可撓性のあるフレキシブルシートを用いても良い。フレキシブルシートとしてフッ素樹脂を用いた場合はそれ自体が表面層63−1の機能を有するので、別途表面層63−1を形成する必要はない。なお転写部材60−1の材質としては、転写面65上に形成する下記する融着型回路パターン70a−1,70b−1の焼成時の加熱温度(140℃〜250℃)に絶えられる材質のものを選ぶ。
そして前記絶縁基板30−1の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって複数本(図では三本)の樹脂含有型導電性被膜からなる樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1,40c−1を形成する。樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1の具体的形成方法の一例を示すと、鱗片状の導電粉(この実施形態では平均粒径1〜50μm程度の銀粒子)を、樹脂バインダー及び有機溶剤に分散して構成される一般の樹脂含有導電ペーストである銀ペーストを用意する。ここで樹脂バインダーとしては例えば熱硬化性のフェノール樹脂や架橋型ウレタン樹脂等を用いる。そして絶縁基板30−1上にこの樹脂含有導電ペーストを、樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1の形状にスクリーン印刷によって塗布する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。次に160℃程度(加熱時間5分間程度)で加熱・硬化させることで樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1を形成する。この樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1は、その比抵抗が、1×10-4〜4×10-5〔Ω・cm〕程度で比較的大きな抵抗値となる。またこの樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1の厚みは6μm程度となる。
次に前記絶縁基板30−1の樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1を少なくとも覆うように、導電接着被膜90−1をスクリーン印刷によって塗布して形成する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。なお本実施形態では導電接着被膜90−1は各樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1が形成されていない絶縁基板30−1の面にも塗布されている。導電接着被膜90−1は、厚み方向に加熱加圧することで厚み方向に電気的に導通し(面方向には電気的に導通しない)且つ接着される性質を有する異方性のホットメルトタイプの導電接着被膜であり、具体的には、例えば熱可塑性の樹脂バインダー(例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂等)中に導電粉としてニッケル粉又は銅粉に銀メッキ等を施したものを混練した導電ペーストを塗布して硬化することで形成される。
次に転写部材60−1の表面層63−1表面の転写面65−1上に融着型回路パターン70a−1,70b−1を形成する。これら融着型回路パターン70a−1,70b−1は、この転写部材60−1と前記絶縁基板30−1とを対向させた際に絶縁基板30−1に形成した前記樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1の内の一部(この実施形態では二本)の樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1に対向する転写部材60−1の転写面65−1の位置に、樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1と略同一形状に形成される。融着型回路パターン70a−1,70b−1の具体的形成方法の一例を示すと、まず銀化合物を含有したペーストを用意する。この種のペーストには種々の構成のものがあるが、ここでは、酸化銀微粒子(銀化合物の微粒子)と有機銀化合物と有機溶剤からなるペーストを用いている。酸化銀微粒子は例えば160℃程度の熱で加熱されると酸素を離して銀に戻る。すなわち酸化銀は空気中で熱せられることで自己還元し(2Ag2O→4Ag+O2)、酸素が分離して金属銀微粒子が形成されると同時にこれらは融着する。一方所定の化学構造の有機銀化合物に熱を加えることで熱分解すれば、その有機分は揮散し、金属銀微粒子が析出する。このとき析出する銀微粒子は活性である(R−Ag→Ag+R1↑+R2↑+…)。また有機溶剤は加熱によって揮発する。そこでこの実施形態に用いるペーストとして、140〜200℃以下で分解する特定の分子構造の有機銀化合物を用い、この有機銀化合物と前記酸化銀微粒子とを併用して配合したものを用いた。そしてこのペーストを転写部材60−1の転写面65−1上にスクリーン印刷によって塗布する。但し、塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。そして140〜200℃程度(好ましくは180℃以上)で加熱(加熱時間は10秒〜120分程度)すれば、酸化銀微粒子から酸素が分離して金属銀微粒子が発生し、次に隣接している前記金属銀微粒子同士の隙間に、有機銀化合物から分解して析出する前記金属銀微粒子よりさらに小さな粒子形状を有する活性な析出銀微粒子が入り込んで金属銀微粒子と析出銀微粒子とが融着されることにより、最終的に緻密な導電性の高い連続した金属微粒子融着型導電性被膜からなる融着型回路パターン70a−1,70b−1が形成できる。ここで140〜200℃で分解する有機銀化合物としては、例えば三級脂肪酸銀塩が好適である。なおこのようなペーストとしては、例えば特開2003−203522号公報や特開2003−309375号公報等に記載のペーストがある。
前記酸化銀微粒子の平均粒径は500nm以下が好ましいが、還元剤等を添加することでこれよりも大きな粒径とすることも可能である。三級脂肪酸銀塩とは総炭素数が5〜30の三級脂肪酸の銀塩であり、滑剤的な役割を果たし、酸化銀微粒子と三級脂肪酸銀塩とを混練してペースト状にする際に酸化銀微粒子を粉砕して微粒子化を促進するとともに、酸化銀微粒子の周囲に存在して酸化銀微粒子の再凝集を抑制し、分散性を向上させるものであり、同時に加熱時には平均粒径数10nmの金属銀微粒子を析出させ、酸化銀微粒子から還元して生成する銀微粒子に融着させるものである。このような三級脂肪酸銀塩の具体例としては、ピバリン酸銀、ネオヘプタン酸銀、ネオノナン酸銀、ネオデカン酸銀等がある。
この実施形態では粒子状銀化合物として酸化銀(酸化第1銀、酸化第2銀)の微粒子を用いたが、その代りに炭酸銀、酢酸銀等、又はこれらの混合物の微粒子を用いても良い。またこの粒子状銀化合物に還元剤を添加すれば、平均粒径が500nm以上の比較的大きな微粒子であっても還元がスムーズに行えるようになり、その利用が容易に行えるようになる。また有機溶剤としては、イソホロン、テルピネオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルセロソルブアセテートなどがある。
以上のようにして形成される融着型回路パターン70a−1,70b−1は、前述のように、金属微粒子融着型導電性被膜によって形成されるが、この金属微粒子融着型導電性被膜は、金属銀微粒子が互いに融着して連続している金属銀の塗膜なので、その比抵抗は3〜8×10-6〔Ω・cm〕程度と小さく、金属銀自体の比抵抗と同じオーダーになる。なお前記加熱時間を長くすればするほど、また加熱温度を高くすればするほど比抵抗は小さくなり、また密着性もより良好になる。従来の鱗片状の銀粒子(平均粒径1〜50μm程度)を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを用いて形成した樹脂含有型導電性被膜の場合は、前述のようにその比抵抗が、1×10-4〜4×10-5〔Ω・cm〕程度なのに対して、非常に小さい比抵抗となる。なおこの融着型回路パターン70a−1,70b−1の厚みは3μm程度となる。
次に転写部材60−1と絶縁基板30−1とを、両者にそれぞれ設けた融着型回路パターン70a−1,70b−1と導電接着被膜90−1とが接触するように積層する。このとき一部の樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1とが、樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1上に設けた導電接着被膜90−1を介して積層される。そして図2に示すように転写部材60−1と絶縁基板30−1間を、これらの上下に設置した加熱加圧部材A1,A2によって挟持し、加熱・加圧すれば、ホットメルトタイプの導電接着被膜90−1が溶融することによってこの導電接着被膜90−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1とが接着する。なお加熱加圧部材A1,A2による加熱・加圧条件は、例えば加熱温度150℃、加圧圧力10kg/cm2、加熱・加圧時間5〜10秒間、である。
次に加熱加圧部材A1,A2を取り外した後、前記積層した絶縁基板30−1と転写部材60−1から転写部材60−1を離せば、転写部材60−1の転写面65−1上の融着型回路パターン70a−1,70b−1が絶縁基板30−1側に転写され、これによって図3に示すように、絶縁基板30−1上に樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1とを積層してなる第一回路パターン80−1,80−1と、樹脂含有型回路パターン40c−1からなる第二回路パターン81−1とを混在して形成してなる回路基板1−1が構成される。
上記製造方法を用いれば、一旦転写部材60−1の転写面65−1に形成した融着型回路パターン70a−1,70b−1を絶縁基板30−1に転写するので、PETフイルムのような耐熱性の低い絶縁基板30−1にも融着型回路パターン70a−1,70b−1を形成することができる。
樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1とを積層してなる第一回路パターン80−1,80−1は金属銀に近い比抵抗を有し、従って数10mAの高電流を流すような場合であっても、従来の樹脂含有導電ペーストのみからなる樹脂含有型回路パターンと比べて回路パターンの線幅を太くしたりする必要がない。これにより第一回路パターン80−1を高電流用として使用し、一方第二回路パターン81−1を低電流用として使用することができる。つまり、両回路パターン80−1,81−1をそれぞれ必要に応じて選択形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化が図れる。またこの実施形態は、樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1と導電接着被膜90−1の全てをスクリーン印刷を用いて形成したので、何れのパターンや被膜も同一の工程によって製造できて製造工程の簡素化が図れ、また同一の製造装置を使用でき、これらのことから回路基板1−1の製造の容易化、製造コストの低減化が図れる。
またこの実施形態のように絶縁基板30−1の上面に樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1を形成し、その上に導電接着被膜90−1を介して融着型回路パターン70a−1,70b−1を形成することによって第一回路パターン80−1,80−1を構成したのは以下の理由による。即ち絶縁基板30−1上に融着型回路パターン70a−1,70b−1を直接塗布して形成した場合の両者間の密着性は、両者の相性によっては、絶縁基板30−1上に樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1を直接塗布して形成した場合の両者間との密着性に比べて、あまり良くない場合がある。そこで絶縁基板30−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1の間に樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1を介在したのである。さらにこの樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1は、樹脂バインダーとして熱硬化性のフェノール樹脂や架橋型ウレタン樹脂等を用いているので、硬化後はこれを加熱加圧しても接着性が生じない。そこでこの樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1の上にホットメルトタイプの導電接着被膜90−1を被覆しておき、前記転写の際にこれを加熱加圧することで融着型回路パターン70a−1,70b−1を樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1上に導電接着被膜90−1を介して確実に転写し、且つその積層状態が維持できるようにしたのである。また融着型回路パターン70a−1,70b−1は樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1に比べて薄くて硬いので、絶縁基板30−1を屈曲させたときにクラックが入り易いが、クラックの入り難い柔軟性のある樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1を積層することで融着型回路パターン70a−1,70b−1を補強し、これによって絶縁基板30−1の屈曲に対して十分対応できるようになっている。なお樹脂含有型回路パターン40a−1〜40c−1や融着型回路パターン70a−1,70b−1の印刷回数を複数回(ここで言う一回の印刷回数とは、ペーストを一回塗布して硬化させるまでの一工程をいう)とすることにより、これらパターンの厚みを厚くし、細いパターン幅で更に低抵抗のパターンを得ることができ、これによって更なる高電流を流すこともできる。
またこの実施形態においては、導電接着被膜90−1を絶縁基板30−1の上面の樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1上に形成したが、その代りに、導電接着被膜90−1を転写部材60−1の転写面65−1の融着型回路パターン70a−1,70b−1上に形成しても良い。この場合は、絶縁基板30−1と転写部材60−1間を積層して加熱加圧した後に転写部材60−1を絶縁基板30−1から離す際に、転写部材60‐1側に形成した導電接着被膜90−1と融着型回路パターン70a−1,70b−1が、絶縁基板30−1に設けた樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1上に転写されることとなる。
図4は上記第一,第二回路パターン80−1,81−1を用いて構成した回路基板1−1の一具体例にかかる回路基板(以下「フレキシブル回路基板」という)100及びこれに取り付ける各種部品を示す要部斜視図である。同図に示すフレキシブル回路基板100(図4ではフレキシブル回路基板100の左右の部分の記載を省略している)は、可撓性を有する絶縁性のPETフイルムからなる絶縁基板30−1の表面に、第一,第二回路パターン80−1,81−1を設けて構成されている。なお図4に示すA−A線部分の断面拡大図が図3に示す回路基板1−1である。
即ちこのフレキシブル回路基板100においては、スイッチ回路用として一対の第二回路パターン81−1,81−1が形成され、発光素子用として一対の第一回路パターン80−1,80−1が形成され、さらに別の回路用に一本の第一回路パターン80−1が形成されている。スイッチ回路用の第二回路パターン81−1,81−1の一方の端部同士は対向して配置され、それぞれの端部には円形のスイッチ接点部81aと、スイッチ接点部81aを囲むC字状のスイッチ接点部81bとが設けられている。また発光素子用の第一回路パターン80−1,80−1の一方の端部同士は対向して配置され、それぞれの端部には電極固定ランド部80a,80aが設けられている。なお実際には上記第一,第二回路パターン80−1,81−1を形成した絶縁基板30−1の前記スイッチ接点部81a,81bと、電極固定ランド部80a,80aの部分を除く表面全体には、絶縁塗料を印刷・乾燥することで、絶縁層が被覆・形成されるが、図ではその記載を省略している。この絶縁塗料としては例えば紫外線硬化型の樹脂を用いる。なお絶縁塗料の塗布の代わりに、絶縁フイルムを被覆しても良い。そして前記スイッチ接点部81a,81bの真上に弾性金属板をその中央が上方向に凸となるように湾曲変形してなる金属反転板110を載置し、図示しない接着テープ等によって固定し、また前記電極固定ランド部80a,80a上に発光素子120を載置して発光素子120の両端に設けた電極部121,121を電極固定ランド部80a,80aに導電性接着剤や図示しない機械的固定手段によって取り付ける。
そしてこのフレキシブル回路基板100においては、数10mA程度の高電流を必要とする発光素子120発光用の回路パターンとして低抵抗の第一回路パターン80−1を用いたので、発光素子120の発光が回路抵抗が高いことにより阻害される等の問題を確実に防止できる。また数mA程度の低電流でも問題の生じないスイッチ用の回路パターンとして通常の比較的抵抗値の高い第二回路パターン81−1を用いたので、材料費の低減化や印刷工程の簡略化(回路パターンの低抵抗化の不必要な部分を積層構造にしなくても良い等)等が図れる。そしてこのフレキシブル回路基板100のように、一枚のフレキシブル回路基板100上に、第一,第二回路パターン80−1,81−1を混在させたので、高電流を流す第一回路パターン80−1と低電流しか流さない第二回路パターン81−1とが混在するフレキシブル回路基板100であっても、回路パターンの線幅を太くする必要はなく、フレキシブル回路基板100の小型化が図れる。
〔第二実施形態〕
図5,図6は本発明の第二実施形態にかかる回路基板1−2の製造方法を示す要部拡大断面図、図7は完成した回路基板1−2の要部拡大断面図である。なおこの実施形態において、前記第一実施形態と同一又は相当部材には同一符号(但し、添え字のみ異ならせている)を付している。この実施形態においては、樹脂含有型導電性被膜からなる樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2の樹脂含有導電ペーストとして、下記する樹脂を選択することで、第一実施形態に示す導電接着被膜90−1の形成を省略している。即ちこの回路基板1−2を製造するには、まず図5に示すように、可撓性を有する絶縁性の合成樹脂フイルム(厚みは例えば50〜75μm)からなる絶縁基板30−2と、一方の表面を転写面65−2とした転写部材60−2とを用意する。ここで絶縁基板30−2の材質と転写部材60−2の材質とは、第一実施形態と同じである。従って絶縁基板30−2はPETフイルム製(それ以外に、例えば、PPSフイルム、PIフイルム、PENフイルム、ポリエーテルイミドフイルム等でもよい。)であり、特に透明なものを使用している。
そして絶縁基板30−2の表面に、第一実施形態と同じ形成方法にて、導電粉を紫外線硬化型の樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって複数本(図では三本)の樹脂含有型導電性被膜からなる樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2を形成する。即ちこの実施形態に用いる樹脂含有導電ペーストは紫外線硬化型であり、紫外線を照射する前は所定の粘性を有して半硬化状態のままとなっている。樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2の具体的形成方法の一例を示すと、鱗片状の導電粉(この実施形態では平均粒径0.02〜5μm程度の銀粒子)を、紫外線硬化型の樹脂バインダー(例えば、ロジンアクリレート)及び有機溶剤に分散して構成される樹脂含有導電ペーストである銀ペーストを用意し、この樹脂含有導電ペーストを、絶縁基板30−2上に樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2の形状にスクリーン印刷によって塗布する(但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。)ことで樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2を形成する。
次に転写部材60−2の転写面65−2上に第一実施形態と同様に、融着型回路パターン70a−2,70b−2を形成する。これら融着型回路パターン70a−2,70b−2は、この転写部材60−2と前記絶縁基板30−2とを対向させた際に絶縁基板30−2に形成した前記樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2の内の一部の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2に対向する転写部材60−2の表面層63−2の表面の転写面65−2の位置に、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2と略同一形状で複数本形成されている。融着型回路パターン70a−2,70b−2の具体的形成方法は、第一実施形態と同一である。即ち融着型回路パターン70a−2,70b−2は、第一実施形態と同様に、金属微粒子融着型導電性被膜によって形成されるが、この金属微粒子融着型導電性被膜は、金属銀微粒子が互いに融着して連続している金属銀の塗膜なので、その比抵抗は3〜8×10-6〔Ω・cm〕程度と小さく、金属銀と同じオーダーになる。
次に転写部材60−2と絶縁基板30−2とを、図6に示すように、融着型回路パターン70a−2,70b−2と一部の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2とが対向して接触するように積層する。これによって半硬化状態の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2が融着型回路パターン70a−2,70b−2の表面に付着する。そして絶縁基板30−2の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2を設けた面の反対面側から樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2に向けて紫外線を照射すれば、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2が硬化し、同時に樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2と融着型回路パターン70a−2,70b−2間が接着される。
次に前記積層した絶縁基板30−2と転写部材60−2から転写部材60−2を離せば、転写部材60−2の転写面65−2上の融着型回路パターン70a−2,70b−2が絶縁基板30−2側に転写され、これによって図7に示すように、絶縁基板30−2上に樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2と融着型回路パターン70a−2,70b−2とを積層してなる第一回路パターン80−2,80−2と、樹脂含有型回路パターン40c−2からなる第二回路パターン81−2とを混在して形成してなる回路基板1−2が構成される。
このようにして形成された第一回路パターン80−2,80−2も、第一実施形態と同様に、金属銀に近い比抵抗を有し、従って数10mAの高電流を流すような場合であっても、従来の樹脂含有導電ペーストのみからなる樹脂含有型回路パターンと比べて回路パターンの線幅を太くしたりする必要がない。これにより第一回路パターン80−2を高電流用として使用し、一方第二回路パターン81−2を低電流用として使用することができる。つまり両回路パターン80−2,81−2をそれぞれ必要に応じて選択形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化が図れる。またこの実施形態は、樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2と融着型回路パターン70a−2,70b−2の全てをスクリーン印刷を用いて形成したので、何れのパターンも同一の工程によって製造できて製造工程の簡素化が図れ、また同一の製造装置を使用でき、これらのことから回路基板1−2の製造の容易化、製造コストの低減化が図れる。
また絶縁基板30−2の上面に、絶縁基板30−2に対して密着性の優れている樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2を介してその上に融着型回路パターン70a−2,70b−2を形成することによって第一回路パターン80−2,80−2を構成したので、絶縁基板30−2に対して樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2と比して密着性のあまり良くない融着型回路パターン70a−2,70b−2を容易且つ確実に絶縁基板30−2上に転写によって形成することができる。融着型回路パターン70a−2,70b−2が樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2を積層することによって補強され、これによって絶縁基板30−2の屈曲に対して十分対応できるようになっている点も第一実施形態と同様である。
また樹脂含有型回路パターン40a−2〜40c−2や融着型回路パターン70a−2,70b−2の印刷回数を複数回(ここで言う一回の印刷回数とは、ペーストを一回印刷して硬化させるまでの一工程を言う)とすることにより、これらパターンの厚みを厚くし、細いパターン幅で更に低抵抗のパターンを得ることができ、これによって更なる高電流を流すことができる。
なおこの実施形態においては、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2を絶縁基板30−2の上面に形成したが、その代りに、これら樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2を転写部材60−2側に形成しても良い。具体的には、転写部材60−2上に形成された融着型回路パターン70a−2上に樹脂含有型回路パターン40a−2、融着型回路パターン70b−2上に樹脂含有型回路パターン40b−2、表面層63−2表面の転写面65−2上に樹脂含有型回路パターン40c−2をスクリーン印刷(但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。)する。次にこの転写部材60−2と絶縁基板30−2を積層し、この絶縁基板30−2の転写部材60−2を積層していない側の面に紫外線を照射して樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2を硬化し、転写部材60−2を絶縁基板30−2から離す際に、転写部材60−2側に形成した融着型回路パターン70a−2,70b−2と樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2とを、絶縁基板30−2上に転写することとなる。なお光(紫外線)を絶縁基板30−2に照射する場合は絶縁基板30−2の加熱温度は最大で80℃であり、耐熱性に劣るPETフイルムからなる絶縁基板30−2を変質させることはない。
なおこの実施形態においては、融着型回路パターン70a−2,70b−2と樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2とを直接接着するために、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2として紫外線硬化型の樹脂含有導電ペーストを用いたが、その代りに、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2として、熱可塑性の導電ペースト(例えば銀粉等の導電粉を、ポリエステル樹脂,アクリル樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,塩化ビニル樹脂等の樹脂バインダーに混練したペースト)を用いても良い。この場合は、絶縁基板30−2と転写部材60−2とを積層した後に、両者間を加熱加圧(本実施形態では加熱温度150℃、加圧圧力10kg/cm2、加熱加圧時間5〜10秒間)し、その後転写部材60−2を離せば転写部材60−2上の融着型回路パターン70a−2,70b−2が、絶縁基板30−2上の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2上に転写される。また樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2として第一実施形態と同一な熱硬化型の樹脂含有導電ペーストを用いても良い。この場合は、樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2を一旦硬化温度以下で若干の粘着性を有する半硬化状態にし、次に絶縁基板30−2に転写部材60−2を積層して加熱硬化して転写部材60−2上の融着型回路パターン70a−2,70b−2と絶縁基板30−2上の樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2とを接着する必要がある。
以上のようにこの実施形態に係る製造方法を用いれば、第一実施形態と同様に、一旦転写部材60−2の転写面65−2に形成した融着型回路パターン70a−2,70b−2を絶縁基板30−2に転写するので、PETフイルムのような耐熱性の低い絶縁基板30−2にも融着型回路パターン70a−2,70b−2を形成することができる。なおこの実施形態にかかる回路基板1−2も、第一実施形態と同様に、前記図4に示すようなフレキシブル回路基板100に適用できることはいうまでもない。
〔第三実施形態〕
図8,図9は本発明の第三実施形態にかかる回路基板1−3の製造方法を示す要部拡大断面図、図10は完成した回路基板1−3の要部拡大断面図である。なおこの実施形態において、前記第一実施形態と同一又は相当部材には同一符号(但し、添え字のみ異ならせている)を付している。この実施形態においては、融着型回路パターン70a−3,70b−3と樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3とを何れも転写部材60−3側に形成し、これら各パターンを絶縁基板30−3側に形成した接着被膜85−3に接着して転写するように構成している。即ちこの回路基板1−3を製造するには、まず図8に示すように、可撓性を有する絶縁性のPETフイルム(それ以外に、例えばPPSフイルム、PIフイルム、PENフイルム、ポリエーテルイミドフイルム等によって構成してもよい。)(厚みは例えば50〜75μm)からなる絶縁基板30−3と、一方の表面を転写面65−3とした転写部材60−3とを用意する。ここで絶縁基板30−3の材質と転写部材60−3の材質とは、第一実施形態と同じである。
そして絶縁基板30−3の表面に、絶縁性の材料からなる接着被膜85−3をスクリーン印刷によって塗布する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。この接着被膜85−3の材質は、ホットメルトタイプ(熱可塑性)の合成樹脂(例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂等)でも良いし、紫外線硬化型の合成樹脂でも良いし、熱硬化型の合成樹脂(例えばフェノール樹脂又はウレタン樹脂等)でも良い。ホットメルトタイプの合成樹脂の場合は、150℃程度で加熱して、下記する転写部材60−3に積層する前に硬化状態にしておけばよいが、紫外線硬化型の合成樹脂や熱硬化型の合成樹脂の場合は完全に硬化させずに第二実施形態と同様な方法で若干の粘着性を有する半硬化状態としておく必要がある。
次に転写部材60−3の表面層63−3の表面の転写面65−3上に融着型回路パターン70a−3,70b−3を形成する。融着型回路パターン70a−3,70b−3の具体的形成方法は、第一実施形態と同一である。即ち融着型回路パターン70a−3,70b−3は、第一実施形態と同様な金属微粒子融着型導電性被膜によって形成されるが、この金属微粒子融着型導電性被膜は、金属銀微粒子が互いに融着して連続している金属銀の塗膜なので、その比抵抗は3〜8×10-6〔Ω・cm〕程度と小さく、金属銀と同じオーダーになる。
次に融着型回路パターン70a−3,70b−3の表面とそれ以外の転写部材60−3の表面層63−3表面の転写面65−3とに、それぞれ第一実施形態と同様の材料及び形成方法で樹脂含有導電ペーストをスクリーン印刷によって塗布することによって樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3を形成する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。
次に図9に示すように、前記絶縁基板30−3と転写部材60−3とを積層することにより前記接着被膜85−3と樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3とを積層する。そして接着被膜85−3がホットメルトタイプの合成樹脂の場合は積層した絶縁基板30−3と転写部材60−3間を加熱・加圧することで、接着被膜85−3と樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3間を接着すれば良く、また接着被膜85−3が紫外線硬化型の合成樹脂の場合は積層した絶縁基板30−3の接着被膜85−3を設けていない側の面側から紫外線を照射することで接着被膜85−3と樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3間を接着すれば良く、また接着被膜85−3が熱硬化型の合成樹脂の場合は粘着性を有する半硬化状態の接着被膜85−3をそのまま硬化させることで接着被膜85−3と樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3間を接着すれば良い。
そして積層した絶縁基板30−3と転写部材60−3から転写部材60−3を離すことで転写部材60−3の転写面65−3上の融着型回路パターン70a−3,70b−3及び樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3を絶縁基板30−3側に転写し、これによって図10に示すように、絶縁基板30−3上に樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3と融着型回路パターン70a−3,70b−3とを積層してなる第一回路パターン80−3,80−3と、樹脂含有型回路パターン40c−3からなる第二回路パターン81−3とを混在してなる回路基板1−3が構成される。
このようにして形成された第一回路パターン80−3,80−3も、第一実施形態と同様に、金属銀に近い比抵抗を有し、従って数10mAの高電流を流すような場合であっても、従来の樹脂含有導電ペーストのみからなる樹脂含有型回路パターンと比べて回路パターンの線幅を太くしたりする必要がない。これにより第一回路パターン80−3を高電流用として使用し、一方第二回路パターン81−3を低電流用として使用することができる。つまり両回路パターン80−3,81−3をそれぞれ必要に応じて選択形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化が図れる。またこの実施形態は、樹脂含有型回路パターン40a−3〜40c−3と融着型回路パターン70a−3,70b−3と接着被膜85−3の全てをスクリーン印刷を用いて形成したので、何れのパターンも同一の工程によって製造できて製造工程の簡素化が図れ、また同一の製造装置を使用でき、これらのことから回路基板1−3の製造の容易化、製造コストの低減化が図れる。
以上のようにこの実施形態に係る製造方法を用いれば、第一実施形態と同様に、一旦転写部材60−3の転写面65−3に形成した融着型回路パターン70a−3,70b−3を絶縁基板30−3に転写するので、PETフイルムのような耐熱性の低い絶縁基板30−3にも融着型回路パターン70a−3,70b−3を形成することができる。また絶縁基板30−3の上面に接着被膜85−3を形成したので、樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3,40c−3と融着型回路パターン70a−3,70b−3とを容易に絶縁基板30−3上に転写することができる。またクラックの入り難い柔軟性のある樹脂含有型回路パターン40a−3,40b−3によって融着型回路パターン70a−3,70b−3を補強し、これによって絶縁基板30−3の屈曲に対して十分対応できるようになっている点も第一実施形態と同様である。
また樹脂含有型回路パターン40a−3〜40c−3や融着型回路パターン70a−3,70b−3の印刷回数を複数回(ここで言う一回の印刷回数とは、ペーストを一回印刷して硬化させるまでの一工程を言う)とすることにより、これらパターンの厚みを厚くし、細いパターン幅で更に低抵抗のパターンを得ることができ、これによって更なる高電流を流すことができるようになる。なおこの実施形態にかかる回路基板1−3も、第一実施形態と同様に、前記図4に示すようなフレキシブル回路基板100に適用できることはいうまでもない。
〔第四実施形態〕
図11〜図15は本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図、図16は完成した回路基板1−4の要部拡大断面図である。なおこの実施形態において、前記第一実施形態と同一又は相当部材には同一符号(但し、添え字のみ異ならせている)を付している。この実施形態においては、二枚の転写部材(第一,第二の転写部材60A−4,60B−4)を使用し、それぞれの転写部材60A−4,60B−4に形成した融着型回路パターン70a−4,70b−4と樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4とを、それぞれ別々の転写工程によって絶縁基板30−4上に転写することとしている。即ちこの回路基板1−4を製造するには、まず図11に示す、可撓性を有する絶縁性のPETフイルム(それ以外に、例えばPPSフイルム、PIフイルム、PENフイルム、ポリエーテルイミドフイルム等によって構成してもよい。)(厚みは例えば50〜75μm)からなる絶縁基板30−4と、一方の表面を転写面65A−4とした第一の転写部材60A−4と、図14に示す、一方の表面を転写面65B−4とした第二の転写部材60B−4とを用意する。ここで絶縁基板30−4の材質と第一,第二の転写部材60A−4,60B−4の材質とは、第一実施形態の絶縁基板30−1と転写部材60−1と同じである。
そして図11に示すように、第一実施形態と同じ絶縁基板30−4の表面に、絶縁性の材料からなる接着被膜85−4をスクリーン印刷によって塗布する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。この接着被膜85−4の材質は、前記第三実施形態に示す接着被膜85−3と同様なホットメルトタイプの合成樹脂(例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂等)でも良いし、紫外線硬化型の合成樹脂でも良いし、熱硬化型の合成樹脂(例えばフェノール樹脂又はウレタン樹脂等)でも良い。ホットメルトタイプの合成樹脂の場合は、第一の転写部材60A−4に積層する前に150℃程度で加熱して硬化状態にしておけばよいが、紫外線硬化型の合成樹脂や熱硬化型の合成樹脂の場合は完全に硬化させずに第二実施形態と同様な方法で若干の粘着性を有する半硬化状態としておく必要がある。
次に図11に示すように、第一の転写部材60A−4の表面層63A−4の表面の転写面65A−4に、金属微粒子融着型導電性被膜からなる融着型回路パターン70a−4,70b−4を、第一実施形態の融着型回路パターン70a−1,70b−1の場合と同様な材料及び形成方法(ペーストの塗布にはスクリーン印刷を用いるが、第一実施形態と同様にインクジェット印刷等の他の方法を用いても良い。)で形成する。
一方図14に示すように、第二の転写部材60B−4の表面層63B−4表面の転写面65B−4上に、樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4を、第一実施形態の樹脂含有型回路パターン40a−1,40b−1,40c−1の場合と同様な材料及び形成方法(ペーストの塗布にはスクリーン印刷を用いるが、第一実施形態と同様にインクジェット印刷等の他の方法を用いても良い。)で形成する。このとき樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4は下記する工程で融着型回路パターン70a−4,70b−4が転写された絶縁基板30−4とこの第二の転写部材60B−4とを対向させた際に絶縁基板30−4上の融着型回路パターン70a−4,70b−4に対向する第二の転写部材60B−4の位置に形成され、また樹脂含有型回路パターン40c−4は絶縁基板30−4と第二の転写部材60B−4とを対向させた際に絶縁基板30−4上の融着型回路パターン70a−4,70b−4に対向する第二の転写部材60B−4の位置以外の第二の転写部材60B−4の位置に形成されている。
さらに第二の転写部材60B−4の転写面65B−4上の樹脂含有型回路パターン40a−4〜40c−4を少なくとも覆うように、導電接着被膜90−4をスクリーン印刷によって塗布して形成する。但し塗布方法としては、スクリーン印刷の他に、インクジェット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレー印刷等がある。なお本実施形態では導電接着被膜90−4は各樹脂含有型回路パターン40a−4〜40c−4が形成されていない転写面95B−4上にも塗布されている。導電接着被膜90−4は、第一実施形態の導電接着被膜90−1と同様な、厚み方向に加熱加圧することで厚み方向に電気的に導通し(面方向には電気的に導通しない)且つ接着される性質を有する異方性のホットメルトタイプの導電接着被膜である。
そしてまず図12に示すように、絶縁基板30−4と第一の転写部材60A−4とを積層することにより、絶縁基板30−4の接着被膜85−4に第一の転写部材60A−4の融着型回路パターン70a−4,70b−4を接着する。その後前記積層した絶縁基板30−4と第一の転写部材60A−4から第一の転写部材60A−4を離すことで、図13に示すように第一の転写部材60A−4の転写面65−4上の融着型回路パターン70a−4,70b−4を絶縁基板30−4側に転写する。
次に図14に示すように融着型回路パターン70a−4,70b−4を転写した絶縁基板30−4と第二の転写部材60B−4とを対向させ、図15に示すようにこれらを積層することにより、一部の樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4と融着型回路パターン70a−4,70b−4とを樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4上に設けた導電接着被膜90−4を介して積層し、同時にその他の樹脂含有型回路パターン40c−4を導電接着被膜90−4を介して接着被膜85−4上に積層する。このとき導電接着被膜90−4の内の表面層63B−4の転写面65B−4の表面に直接形成されている部分の表面(絶縁基板30−4に対向する側の表面)と、絶縁基板30−4の接着被膜85−4の表面との間には、図15の図面上では大きな隙間lが生じているように記載しているが、実際は前記隙間lは極めて小さな隙間であり、絶縁基板30−4や転写部材60B−4には柔軟性があるので、加圧時に前記導電接着被膜90−4の表面と接着被膜85−4の表面とは接触する程度の極めて小さい隙間である。そして第二の転写部材60B−4と絶縁基板30−4間を、これらの上下に設置した加熱加圧部材A1,A2によって挟持し、第一実施形態と同じ条件で加熱・加圧すれば、ホットメルトタイプの導電接着被膜90−4が溶融することによって融着型回路パターン70a−4,70b−4と樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4間が接着され、同時に樹脂含有型回路パターン40c−4が絶縁基板30−4上の接着被膜85−4上に接着される。
次に加熱加圧部材A1,A2を取り外した後、前記積層した絶縁基板30−4と第二の転写部材60B−4から第二の転写部材60B−4を離せば、第二の転写部材60B−4の転写面65−4上の樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4及び導電接着被膜90−4の全部が絶縁基板30−4側に転写され、これによって図16に示すように、絶縁基板30−4上に融着型回路パターン70a−4,70b−4と樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4とを積層してなる第一回路パターン80−4,80−4と、樹脂含有型回路パターン40c−4からなる第二回路パターン81−4とを混在してなる回路基板1−4が構成される。
このようにして形成された第一回路パターン80−4,80−4も、第一実施形態と同様に、金属銀に近い比抵抗を有し、従って数10mAの高電流を流すような場合であっても、従来の樹脂含有導電ペーストのみからなる樹脂含有型回路パターンと比べて回路パターンの線幅を太くしたりする必要がない。これにより第一回路パターン80−4を高電流用として使用し、一方第二回路パターン81−4を低電流用として使用することができる。つまり両回路パターン80−4,81−4をそれぞれ必要に応じて選択形成することができ、材料費の低減化や製造工程の簡略化が図れる。またこの実施形態は、樹脂含有型回路パターン40a−4〜40c−4と融着型回路パターン70a−4,70b−4と接着被膜85−4と導電接着被膜90−4の全てをスクリーン印刷を用いて形成したので、何れのパターンも同一の工程によって製造できて製造工程の簡素化が図れ、また同一の製造装置を使用でき、これらのことから回路基板1−4の製造の容易化、製造コストの低減化が図れる。
上記製造方法を用いれば、第一実施形態と同様に、一旦転写部材60A−4の転写面65A−4に形成した融着型回路パターン70a−4,70b−4を絶縁基板30−4に転写するので、PETフイルムのような耐熱性の低い絶縁基板30−4にも融着型回路パターン70a−4,70b−4を形成することができる。また融着型回路パターン70a−4,70b−4と樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4を積層することで、クラックの入り難い柔軟性のある樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4が融着型回路パターン70a−4,70b−4を補強し、これによって絶縁基板30−4の屈曲に対して十分対応できるようになっている点も第一実施形態と同様である。
また樹脂含有型回路パターン40a−4〜40c−4や融着型回路パターン70a−4,70b−4の印刷回数を複数回(ここで言う一回の印刷回数とは、ペーストを一回印刷して硬化させるまでの一工程を言う)とすることにより、これらパターンの厚みを厚くし、細いパターン幅で更に低抵抗のパターンを得ることができ、これによって更なる高電流を流すことができるようになる。
なおこの実施形態においては、導電接着被膜90−4を第二の転写部材60B−4の転写面65−4表面の樹脂含有型回路パターン40a−4〜40c−4上に形成したが、その代りに、導電接着被膜90−4を少なくとも絶縁基板30−4表面に転写した融着型回路パターン70a−4,70b−4上と樹脂含有型回路パターン40c−4に対向する接着被膜85−4上に形成しても良い。この場合は、絶縁基板30−4と第二の転写部材60B−4間を加熱加圧した後に転写部材60−4を絶縁基板30−4から離す際に、転写部材60−4側に形成した樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4が、絶縁基板30−4側に設けた導電接着被膜90−4上に転写されることとなる。
また樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4として、第二実施形態で用いた樹脂含有型回路パターン40a−2,40b−2,40c−2のように、この樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4,40c−4自体に前記導電接着被膜90−4の役割を兼ねさせれば、導電接着被膜90−4の形成を省略することもできる。この場合、図14,図15において、導電接着被膜90−4を形成していない第二の転写部材60B−4を絶縁基板30−4上に積層して、融着型回路パターン70a−4,70b−4上に直接、樹脂含有型回路パターン40a−4,40b−4を積層し、同時に接着被膜85−4上に直接樹脂含有型回路パターン40c−4を積層し、これらの積層面を接着し、その後絶縁基板30−4から第二の転写部材60B−4を離せばよい。
なおこの実施形態にかかる回路基板1−4も、第一実施形態と同様に、前記図4に示すようなフレキシブル回路基板100に適用できることはいうまでもない。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では融着型回路パターンを構成する金属微粒子融着型導電性被膜を、粒子状の銀化合物(酸化銀微粒子等)と有機銀化合物と有機溶剤からなるペーストを絶縁基板に塗布して加熱することで構成しているが、本発明に用いることができるペーストはこの例に限定されず、種々の変更が可能である。例えば溶融させる金属は銀に限られず、銅やその他の金属(例えば金、亜鉛、カドミウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、白金、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、錫、アンチモン、鉛、ビスマス)及びこれらの混合物を用いても良い。
また前記ペーストは、例えば酸化銀微粒子を混合していない、有機銀化合物又はその他の有機金属化合物と有機溶剤又は水性溶液からなるペーストでもよい。つまり140℃〜250℃で加熱することにより、これらの有機金属化合物から金属微粒子が析出して互いに融着するものであれば良い。また金属銀又はその他の金属の微粒子を分散したものでも良い。即ち例えばペーストとして、特開2002−299833号公報で記載されているように、平均粒径が1〜100nmである金属微粒子が、その表面を、当該金属微粒子に含まれる金属元素と配位可能な有機化合物で被覆されて、液体中に安定に分散した250℃以下の温度で燒結するペースト組成物(ペースト)を用い、このペーストを絶縁基板上に塗布して140℃〜250℃で加熱して前記金属微粒子を互いに融着することで金属微粒子融着型導電性被膜を形成しても良い。即ちこの例では、酸化金属微粒子を還元するのではなく、金属微粒子自体を分散したペーストを用いている。平均粒径が1〜100nmの銀及び/又はその他の金属の微細な金属微粒子(ナノ粒子)は、上記実施形態と同様に、低い加熱温度により容易に溶融し、互いに融着して連続した金属の薄い金属微粒子融着型導電性被膜を形成する。加熱時間は10秒〜120分程度とする。このようにして形成された金属微粒子融着型導電性被膜も、その比抵抗は7×10-6〔Ω・cm〕程度(金属銀微粒子の場合)と、金属銀と同じレベルで小さい。またこの例以外にも各種のペーストが提案されており、本発明はその何れのペーストを用いても良い。即ち要は、金属又は金属化合物を含有するペーストを絶縁基板に塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンであれば、どのような組成からなる融着型回路パターンであってもよい。
また上記各実施形態においては、絶縁基板上に形成する回路パターンの内の一部の回路パターンを融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる回路パターンとしたが、全ての回路パターンを融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる回路パターンとしてもよい。
上記各実施形態では、絶縁基板30−1〜30−4として可撓性を有する絶縁性の合成樹脂フイルムを用い、この合成樹脂フイルムの表面に回路パターン(第一,第二回路パターン80−1〜80−4,81−1〜81−4)を設けてフレキシブル回路基板1−1〜1−4を構成したが、本発明はフレキシブル回路基板1−1〜1−4に限らず、セラミック,ガラス等の絶縁硬質基板の表面に回路パターン(第一,第二回路パターン)を設けてなる回路基板であっても良く、また導電性の金属基板の表面又は絶縁基板の表面に薄い層からなる絶縁層を印刷手法又はスパッタリング手法等によって被覆して構成される絶縁基板の該絶縁層表面に回路パターン(第一,第二回路パターン)を設けてなる回路基板であっても良い。
また上記実施形態では絶縁基板30−1〜30−4の形状として薄板状の絶縁基板を用いたが、本発明に用いることができる絶縁基板の形状は上記形状の絶縁基板に限られず、塊状、円筒状等の立体形状の絶縁基板であってもよい。即ち塊状、円筒状等の立体形状の絶縁基板の表面に回路パターン(第一,第二回路パターン)を設けてなる回路基板であっても良い。
本発明の第一実施形態にかかる回路基板1−1の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる回路基板1−1の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる回路基板1−1の要部拡大断面図である。 回路基板1−1の一具体例にかかる回路基板100及びこれに取り付ける各種部品を示す要部斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる回路基板1−2の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる回路基板1−2の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる回路基板1−2の要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる回路基板1−3の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる回路基板1−3の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる回路基板1−3の要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の製造方法を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる回路基板1−4の要部拡大断面図である。
符号の説明
1−1 回路基板(フレキシブル回路基板)
30−1 絶縁基板
40a−1,40b−1,40c−1 樹脂含有型回路パターン
60−1 転写部材
61−1 硬質板
63−1 表面層
65−1 転写面
70a−1,70b−1 融着型回路パターン
80−1 第一回路パターン
81−1 第二回路パターン
90−1 導電接着被膜
1−2 回路基板
40a−2,40b−2,40c−2 樹脂含有型回路パターン
30−2 絶縁基板
65−2 転写面
60−2 転写部材
70a−2,70b−2 融着型回路パターン
1−3 フレキシブル回路基板(回路基板)
30−3 絶縁基板
40a−3,40b−3,40c−3 樹脂含有型回路パターン
60−3 転写部材
65−3 転写面
70a−3,70b−3 融着型回路パターン
85−3 接着被膜
1−4 フレキシブル回路基板(回路基板)
30−4 絶縁基板
40a−4,40b−4,40c−4 樹脂含有型回路パターン
60A−4 第一の転写部材
60B−4 第二の転写部材
65−4 転写面
70a−4,70b−4 融着型回路パターン
85−4 接着被膜
90−4 導電接着被膜

Claims (16)

  1. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより、前記樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを、予め融着型回路パターン又は樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記転写部材と絶縁基板とを対向させた際に、絶縁基板に形成した前記樹脂含有型回路パターンの内の一部の樹脂含有型回路パターンに対向する転写部材の転写面の位置に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記転写部材と絶縁基板とを積層することにより、前記一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを、予め融着型回路パターン又は樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより、前記樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  4. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを対向させた際に、前記絶縁基板に形成した前記樹脂含有型回路パターンの内の一部の樹脂含有型回路パターンに対向する転写部材の転写面の位置に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  5. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、
    前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記融着型回路パターンの表面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記接着被膜と樹脂含有型回路パターンとを積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面に積層している融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 表面を転写面とした転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、
    前記転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記融着型回路パターンの表面とそれ以外の転写部材の転写面の表面とに、それぞれ導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と転写部材とを積層することにより前記接着被膜と樹脂含有型回路パターンとを積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と転写部材から転写部材を離すことで転写部材の転写面上の融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  7. 表面を転写面とした第一,第二の転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、
    第一の転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    第二の転写部材の転写面に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と第一の転写部材とを積層することにより、絶縁基板の接着被膜に第一の転写部材の融着型回路パターンを接着した後に、前記積層した絶縁基板と第一の転写部材から第一の転写部材を離すことで第一の転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写する工程と、
    前記融着型回路パターンを転写した絶縁基板と第二の転写部材とを積層することにより、前記融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを、直接接触して積層するかあるいは予め融着型回路パターン若しくは樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と第二の転写部材から第二の転写部材を離すことで第二の転写部材の転写面上の樹脂含有型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる回路パターンを形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  8. 表面を転写面とした第一,第二の転写部材と、絶縁基板とを用意し、
    絶縁基板の表面に、接着被膜を形成する工程と、
    第一の転写部材の転写面に、金属又は金属化合物を含有するペーストを塗布して140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させて融着型回路パターンを形成する工程と、
    前記第一の転写部材と第二の転写部材とを対向させた際に、前記第一の転写部材の転写面に形成した前記融着型回路パターンに対向する第二の転写部材の位置及びそれ以外の第二の転写部材の位置に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストを塗布することによって樹脂含有型回路パターンを形成する工程と、
    前記絶縁基板と第一の転写部材とを積層することにより、絶縁基板の接着被膜に第一の転写部材の融着型回路パターンを接着した後に、前記積層した絶縁基板と第一の転写部材から第一の転写部材を離すことで第一の転写部材の転写面上の融着型回路パターンを絶縁基板側に転写する工程と、
    前記融着型回路パターンを転写した絶縁基板と第二の転写部材とを積層することにより、一部の樹脂含有型回路パターンと融着型回路パターンとを直接接触して積層するかあるいは予め融着型回路パターン若しくは樹脂含有型回路パターン上に形成した導電接着被膜を介して積層する工程と、
    前記積層した絶縁基板と第二の転写部材から第二の転写部材を離すことで第二の転写部材の転写面上の樹脂含有型回路パターンを絶縁基板側に転写し、これによって絶縁基板上に融着型回路パターンと樹脂含有型回路パターンとを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して形成する工程と、
    を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  9. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に導電接着被膜を介して、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板。
  10. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に導電接着被膜を介して金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板。
  11. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板。
  12. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンの上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンからなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板。
  13. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、接着被膜上に、導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを形成するとともに、前記樹脂含有型回路パターン上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層することで構成されていることを特徴とする回路基板。
  14. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、接着被膜上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを形成するとともに、この樹脂含有型回路パターンの上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを積層してなる第一回路パターンと、樹脂含有型回路パターンを形成してなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板。
  15. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、接着被膜上に、金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを形成するとともに、この融着型回路パターン上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを直接積層するか、あるいは導電接着被膜を介して積層することで構成されていることを特徴とする回路基板。
  16. 絶縁基板の表面に回路パターンを設けてなる回路基板において、
    前記回路パターンは、接着被膜上に金属又は金属化合物を含有するペーストを140℃〜250℃の加熱温度で加熱することで前記ペースト中に存在する金属の微粒子若しくは前記金属化合物から析出する金属の微粒子を互いに融着させてなる融着型回路パターンを形成するとともに、この融着型回路パターン上に導電粉を樹脂バインダーに分散してなる樹脂含有導電ペーストからなる樹脂含有型回路パターンを直接積層するか、あるいは導電接着被膜を介して積層することで構成される第一回路パターンと、接着被膜上に樹脂含有型回路パターンを形成してなる第二回路パターンとを混在して構成されていることを特徴とする回路基板。
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