JP2006100520A - 有機電界効果半導体装置及びその製造方法、並びに有機半導体層及びその形成方法 - Google Patents

有機電界効果半導体装置及びその製造方法、並びに有機半導体層及びその形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体層の構成分子の配向を密にできる高性能な有機電界効果半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】有機電界効果半導体装置1は、基体上2に形成された第1電極3及び第2電極5と、これらの電極間に形成された有機半導体層7と、この有機半導体層7に絶縁膜8を介して電界を印加する第3電極9とを備え、基体2は外部刺激により伸縮する材質からなり、この基体2の収縮状態で有機半導体層7の有機半導体分子4が密に、望ましくは接触し合って配向されている。これにより、第1電極及び第2電極間のキャリア移動度を大きくすることができ、オン電流値及びオン・オフ比の特性が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機半導体層を用いた有機電界効果半導体装置及びその製造方法、有機半導体層及びその形成方法に関するものである。
ポリシリコンやアモルファスシリコンなどの無機半導体層によってチャネル部を形成した電界効果トランジスタ(以下、FETと称する。)は、ディスプレイなどのスイッチング素子として広く用いられている。
このFETの性能はスイッチング周波数の大小に依存し、このスイッチング周波数の大小を左右するのは、キャリア移動度とゲート長である。キャリア移動度が高いほど、またゲート長が短いほど、スイッチング周波数を大きくすることができる。
ポリシリコンではキャリア移動度が102cm2/Vs程度であり、アモルファスシリコンでは12cm2/Vs程度である。
これに対して、有機半導体でチャネル部を構成した電界効果トランジスタ(以下、有機FETと称する。)は、従来のアモルファスシリコンなどのFETと比較して低温のプロセスを利用して製造できることから、フレキシブルなプラスチック基板やフィルム上に形成でき、そのため、有機FETを組み込んだ可撓性の駆動回路基板を用いるディスプレイなどが作成可能となる。
また、有機FETでは、アモルファスシリコン程度のキャリア移動度が達成されている。
キャリア移動度等を高める有機FETとしては、以下の提案がなされている。例えば、配向膜に隣接させて有機半導体層を形成した後、加熱処理することで分子整合が促進され、有機半導体チャネルの移動度が向上することが示されている(後記の特許文献1参照)。
また、絶縁層の表面が平坦であることにより、この絶縁体層と接する側の有機半導体の分子配列の乱れが防止され、この乱れに起因する有機半導体分子の配列の乱れや、有機半導体分子間のπ軌道の相互作用の劣化、誘起電荷の移動への悪影響等がなくなる旨が示されている(後記の特許文献2参照)。
また、低分子系の有機FETの場合、その有機半導体層を真空蒸着法で作製する際に、キャリア移動度を高める有機半導体分子の配向を蒸着レートのコントロールや基板の表面処理などにより制御している。
特開2004−103638号公報([0027]、図1) 特開2004−128469号公報([0025]、図1)
しかしながら、上記した従来の技術では、実際に作製できる有機半導体単結晶のサイズには限界があり、有機半導体単結晶グレイン間に隙間が生じ易く、それがキャリア移動度の低下など、有機電子デバイスの特性を低下させている。
また、有機半導体分子間距離は、結晶格子間隔に依存しているので、格子間隔よりも分子間距離を縮めることができず、キャリア移動度、オン電流値及びオン・オフ比等の有機電子デバイスの電気的特性を向上させることができない。
特許文献1及び特許文献2に示す例では、有機半導体層を配向膜や平坦な絶縁膜上に形成しているだけであるため、有機半導体層の有機半導体分子を密に配向させることができない。
本発明はこうした問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、有機半導体層の構成分子を密に配向した高性能な有機電界効果半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、有機半導体構成分子の配向を密に制御した有機半導体層及びその形成方法を提供することにある。
即ち、上記の第1の目的に対応する発明は、基体上に形成された第1電極及び第2電極と、少なくともこれらの電極間に形成された有機半導体層と、有機半導体層に対して絶縁膜を介して電界を印加する第3電極とを有する有機電界効果半導体装置において、前記基体が、外部刺激により収縮する材質からなり、前記基体の収縮状態で前記有機半導体層の構成分子が密に配向していることを特徴とする、有機電界効果半導体装置に係るものである。
この第1の目的に対応する発明の有機電界効果半導体装置は、少なくとも前記第1電極及び第2電極間に有機半導体材料層を形成する第1の工程と、前記基体を外部刺激により収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子の配向を制御する第2の工程とを備えることを特徴とする製造方法により作製することが望ましい。
また、上記の第2の目的に対応する発明は、外部刺激により収縮する材質からなる基体上に形成された有機半導体層であって、前記基体の収縮状態で構成分子が密に配向されていることを特徴とする有機半導体層に係るものである。
この第2の目的に対応する発明の有機半導体層は、基体上に有機半導体材料層を形成する第1の工程と、前記基体を外部刺激により収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子の配向を制御する第2の工程とを備えることを特徴とする方法により作製することが望ましい。
本発明の有機電界効果半導体装置及びその製造方法によれば、前記基体を外部刺激により収縮する材質で形成し、この基体を収縮させることによって、前記有機半導体層の構成分子を密に配向させているので、前記有機半導体層の構成分子(又は有機半導体単結晶)間の隙間を大きく縮小することができ、前記第1電極及び第2電極間でのキャリア移動度を大きくすることができ、有機電界効果半導体装置の特性を向上させることができる。
また、本発明の有機半導体層及びその形成方法によれば、前記基体を外部刺激により収縮する材質で形成し、この基体を収縮させることによって前記有機半導体層の構成分子を密に配向させているので、前記有機半導体層の構成分子(又は有機半導体単結晶)間の隙間を大きく縮小することができる。
本発明の有機電界効果半導体装置及び有機半導体層は、前記基体が、同一の外部刺激により前記有機半導体層よりも大きく伸縮する材質からなるものがよい。
特に、前記基体への外部刺激としては、熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いてもよく、また、前記基体が、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかからなるものでもよい。
こうした基体は、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせからなるものが好適である。
本発明の有機電界効果半導体装置は、前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタとして構成されるのがよい。
本発明の有機半導体層は、前記基体上に形成された少なくとも第1電極及び第2電極間に形成され、絶縁膜を介して第3電極によって電界が印加されるものがよく、例えば、前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタのチャネル部を構成するものがよい。
本発明の有機電界効果半導体装置の製造方法、及び本発明の有機半導体層の形成方法においては、前記第1の工程が、外部刺激により前記基体を伸張した状態で前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、伸張した前記基体を収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させる工程であるのが好ましい。
或いは、前記第1の工程が、前記基体上に前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、その後に外部刺激により前記基体を収縮させることにより前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させる工程であってもよい。
特に、前記基体への外部刺激としては、熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いてもよく、前記基体が、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかで形成してよい。
こうした基体としては、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせからなるものが好適である。
また、本発明の有機電界効果半導体装置の製造方法は、第1電極がソース電極、第2電極がドレイン電極、第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタを製造するものであるのがよい。
また、本発明の有機半導体層の形成方法は、前記基体上に形成された少なくとも第1電極及び第2電極間に形成され、絶縁膜を介して第3電極によって電界が印加される有機半導体層を形成するものであるのがよく、例えば、前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタのチャネル部を構成する有機半導体層を形成するものであるのがよい。
以下、本発明の有機電界効果半導体装置及びその製造方法、並びに有機半導体層及びその形成方法の好ましい実施の形態を図面参照下に詳細に説明する(なお、実質的に同一又は対応する部分には同一符号を用いる)。
有機電界効果半導体装置の構造
図1は、本発明の有機電界効果半導体装置の構造の例1を示す概略断面図である。
この有機電界効果半導体装置(例えば有機FET)1は、基体2上に形成された第1電極(例えばソース電極)3及び第2電極(例えばドレイン電極)5と、これらの電極間に形成された有機半導体層(チャネル部)7と、この有機半導体層7に絶縁膜8を介して電界を印加する第3電極(例えばゲート電極)9とを備えるものである。
ここで、基体2は、有機半導体層7を形成する支持体であり、その形態は例えば基板であるが、伸縮性を有する材質からなっている。
基体2は外部刺激により伸縮する材質からなるものであって、基体2の収縮状態で有機半導体層7の有機半導体分子4が密に、望ましくは接触し合って配向されている。
図1に示した例では、有機半導体層7の構成分子4が基体2上に一層のみ図示されているが、一層に限らず多層に形成されていてもよく、それらの有機半導体層の構成分子は短軸方向(側鎖方向)に密に配向しており、またその長軸方向(主鎖方向)にもそろって配向しているのが望ましい。
基体2は、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタールのような熱膨張率の大きい材料で形成するのが好ましい。さらに、基体2は、機械的伸縮性の大きな材料、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド、ゴムなどで形成するのもよい。また、基体2は透光性を有しているのがよい。
有機半導体層7の材質は、ペンタセンやナフタセンなどのπ電子共役系の有機低分子材料が好適であるが、ポリチオフェン系などのπ電子共役系の有機高分子材料も使用できる。
第1電極3、第2電極5及び第3電極9は金などの金属からなっていてよいが、ポリチオフェン系やポリフェニレンビニレンなどの導電性高分子材料で形成されてもよい。
絶縁膜8の材質は、低温プロセスで形成されるSiO2膜であるのが好ましいが、ポリビニルフェノールなどの高分子材料であってもよい。なお、第1電極3をソース電極、第2電極5をドレイン電極、第3電極9をゲート電極、有機半導体層7をチャネル部とし、絶縁膜8をゲート絶縁膜とすれば、有機FETが構成される。
このように構成された有機電界効果半導体装置1によれば、公知のFETと同様の動作をするが、チャネル部を構成する有機半導体層7は、基体2を収縮させることによって、有機半導体分子4が密に、望ましくは接触し合って配向しているので、有機半導体分子4間の隙間を十分に縮小若しくは無くすことができ、第1電極3と第2電極5との間の有機半導体層7中でのキャリア移動度が大きくなる。
したがって、本実施の形態による有機電界効果半導体装置1では、キャリア移動度、オン電流値及びオン・オフ比等の特性を向上させることができる。
有機電界効果半導体装置の製造方法
次に、本実施の形態による有機電界効果半導体装置の製造方法を図2について説明する。
図2(a)は、伸張状態の基体に電極をパターニングした概略断面図、図2(b)は、伸張した基体上に形成された電極間に有機半導体層を埋め込んだ概略断面図、図2(c)は基体の収縮状態で有機半導体層の構成分子が密に配向している状態を示す概略断面図である。
この有機電界効果半導体装置を製造するには、先ず、図2(a)に示すように、基体2を外部刺激により伸張させ、この伸張状態の基体2上にはパターニングなどにより第1電極3及び第2電極5とを形成する。これらの電極は、金(Au)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等を蒸着し、或いは導電性高分子材料をスクリーン印刷、インクジェット印刷する方法等で形成する。
次に、図2(b)に示すように、少なくとも電極3−5間に、ペンタセンなどの有機半導体材料層7aを、例えば昇華蒸着法又は塗布法により形成する。このとき、有機半導体材料層7aには、複数の有機半導体単結晶からなるグレイン6が形成され、それらのグレイン間には隙間11が生じている。各有機半導体単結晶グレイン6内では、有機半導体分子4が配向されて単結晶となっている。
そして、図2(c)に矢印で示すように、伸張状態の基体2を外部刺激により収縮させて、有機半導体分子4を密に、望ましくは接触し合って配向させた有機半導体層7を形成する。
更に、図1に示したように、有機半導体層7上に絶縁膜8及び第3電極9を積層する。絶縁膜8は公知の減圧CVD(化学的気相成長)法や触媒CVD法などの低温プロセスで形成するが、その材質に応じてプラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコーティング法で形成してもよい。
このように、本実施の形態によれば、有機半導体単結晶グレイン6間の隙間を無くし、有機半導体層の構成分子4同士の間隔を縮めることができる。
したがって、第1電極3及び第2電極5間に、キャリア移動度が大きい有機半導体層7をチャネル部とする有機電界効果半導体装置を製造することができる。
なお、この有機電界効果半導体装置の製造方法において、図2(b)に示す工程及び図2(c)に示す工程は、基本的に後述する本発明に基づく有機半導体層の形成方法と同様であるので、その際に併せて詳しく説明する。
液晶表示装置への適用
次に、本実施の形態に基づく有機電界効果半導体装置を駆動回路として組み込んだ液晶表示装置(以下、LCDと称する。)の例を図3について説明する。
図3は、本実施の形態に基づく有機FETを駆動回路とするLCDの一画素に対応する概略部分断面図である。
このLCD30は、駆動回路基板31と、対向基板32と、これの両基板間に封止された液晶層33とを備え、両基板の表面にはそれぞれ偏光板34、35が直交ニコル方式で貼り付けられている。
駆動回路基板31においては、基板2上に形成されたソース電極3及びドレイン電極5と、これらの電極間に形成された有機半導体層7と、この有機半導体層7を覆って形成されたゲート絶縁膜8を介して電界を印加するゲート電極9とによって有機FET1が構成されており、この有機FET1上に層間絶縁膜36と、液晶配向膜37とが積層されている。
さらにこの駆動回路基板31には、同一の基板2上に形成された補助容量電極38と、この補助容量電極38を覆って形成された絶縁膜39と、この絶縁膜39上に形成された画素電極41とによって補助容量部42が構成されており、この補助容量部42の画素電極41上にゲート絶縁膜8、層間絶縁膜36と、液晶配向膜37とが積層されている。
他方、対向基板32においては、基板43上に形成された対向電極44と、液晶配向膜45とが積層されている。
このような構成のLCD30は、アクティブマトリクス駆動などにより駆動制御される。例えば、ある行のゲート電極9にゲートラインを介して正のパルスが印加されると、有機FET1はオン状態となり、データラインに印加されている信号電圧がソース電極3からドレイン電極5に供給され、液晶層33と補助容量部42にそれぞれ印加される。
この電圧(表示電極電圧)は、ゲートパルスとともに立ち上がり、ゲート電圧が0となった時点の値が保持され、液晶層33に加わる。
上記のような有機FET1では、チャネルを構成する有機半導体層7の有機半導体分子4が密に配向しているので、ソース・ドレイン間方向のキャリア移動度が大きくなり、オン電流値及びオン・オフ比を高くすることができる。
有機半導体層の構造
次に、本発明の有機半導体層の例を詳細に説明する。
図4は、本実施の形態による有機半導体層の構造の一例を示す概略断面図であり、(a)は伸張状態の基体に形成された有機半導体単結晶グレインを示す概略断面図、(b)は基体の収縮状態で有機半導体分子が密に配向している状態を示す概略断面図である。
図4に示す有機半導体層40は、上記したもの7と同様に形成される。即ち、図4(a)に示すように、伸張状態の基体2上に形成された有機半導体材料層7aが、基体2を図4(b)に矢印で示すように収縮させることにより、有機半導体材料層7bとなり、有機半導体単結晶グレイン6間の間隙11を縮小若しくは無くし、さらに有機半導体分子4の分子間距離Lを望ましくは結晶格子間隔よりも短くする。こうして得られた有機半導体層40では、有機半導体分子4を密に、望ましくは接触し合って配向させることができる。
有機半導体材料層7a、7bを構成する有機半導体材料としては、ペンタセン、ナフタセンなどのπ電子共役系の有機低分子化合物を使用できるが、ポリチオフェンなどのπ電子共役系の有機高分子等も使用できる。
これらの有機半導体材料は、構成分子の一端に基体2と化学結合する官能基を有するものが好ましい。
また、基体2には、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン及びポリアセタールような、熱膨張率の大きな材料が好ましい。
或いは、基体2は、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド及びゴムのような、機械的伸縮性の大きな材料であってもよい。
このような構成の有機半導体層40では、有機半導体単結晶グレイン6間の間隙が実質的に無く、しかも有機半導体分子4間の間隔が縮まっているため、有機半導体層40の構成分子を密に、望ましくは接触し合って配向している。
したがって、有機半導体層40では、有機半導体分子4同士が分子間力で接合しており、この接合における相互作用が強いため、キャリア移動度を大きくすることができる。
有機半導体層の形成方法
次に、有機半導体層40の形成方法を説明するが、この方法は、基体2上に有機半導体材料層7aを形成する第1の工程と、基体2を外部刺激により収縮させて有機半導体材料層7bの有機半導体分子4の配向を制御する第2の工程とを備えるものである。
具体的には、基体2として熱膨張率が大きく、二軸方向性のある材料2aを使用する場合を説明する。
先ず、図4(a)に示すように、有機半導体材料層7aを形成する時に基体2aの温度を上昇させた状態で、真空蒸着法により有機半導体材料層7aを形成する。このとき基体2aは、図面左右方向及び紙面垂直方向(xy方向又は二次元方向)に伸びており、有機半導体分子4からなる有機半導体単結晶グレイン6が基体2a上に間隙11を置いて配列する。
次に、図4(b)に示すように、基体2aの温度を元に、例えば室温に戻して、基体2aを矢印のように(実際にはxy方向)に収縮させる。
このような形成方法により、基体加熱を行わないときと比較して、有機半導体単結晶グレイン6間の隙間を実質的に無くし、分子間距離Lを結晶格子間隔よりも縮めることができる。これは、二次元方向で実現できるために、有機分子4間の間隔は上述のチャネル長方向のみならず、チャネル幅方向にも縮小することになり、キャリアの移動経路がより十分に確保することができる。
次に、基体2として機械的伸縮性が大きく、たとえば二軸方向性のある材料2bを使用する場合について説明する。
先ず、図4(a)に示すように、有機半導体材料層7aを形成する時に基体2bを引っ張り、基体2bが伸びた状態にして、真空蒸着法で有機半導体材料層7aを形成する。このとき、基体2bは、二次元方向に伸びた状態で有機半導体分子4からなる有機半導体単結晶グレイン6が基体2b上に間隙11を置いて配列する。
次に、図4(b)のように、基体2bの延伸状態を止めて(外力を解除して)基体2bを収縮させると、基体を延伸させなかった場合と比較して、結晶格子間隔よりも分子間距離Lが短くなった有機半導体層40を形成することができる。
なお、図4に示した例では、有機半導体分子4が基体2上に一層のみ形成されているが、実際は多層に形成されてよく、それらの有機半導体分子4は短軸方向、更には主鎖方向にそろって配向される。
以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形が可能である。
例えば、上述した有機電界効果半導体装置及び有機半導体層の構成部分の材料をはじめ、その形状及び構造、その成膜方法等は種々に変更してよい。
また、上述した有機電界効果半導体装置の製造方法では、基体上にパターニングにより第1電極及び第2電極を形成してから、これらの電極間に有機半導体層を形成しているが、基体上に有機半導体層を形成してからこの上面のみをマスクし、有機半導体層の両側に電極を形成してもよい。
また、上述したように、外部刺激として熱的及び機械的応力のいずれかを用いたが、これらを組み合わせて用いることもできる。
また、上述の例では、熱や外力によって基体を伸張した状態で有機半導体材料層を形成した後に、基体を収縮させて有機半導体材料層の構成分子を密に配向させたが、基体の材質によっては、外部刺激のない状態で基体上に有機半導体材料層を形成した後に、外部刺激により基体を収縮させることにより有機半導体材料層の構成分子を密に配向させることもできる。
また、上述の基体の収縮方向は二次元方向が望ましいが、一次元方向であってもよい。
なお、本発明は有機FETに限らず、電界効果型の抵抗素子等にも適用することができる。また、本発明は、LCD以外の例えばEL(エレクトロルミネセンス)にも適用できる。
本発明は、有機半導体分子間の距離を縮めることができ、特にキャリア移動度が大きく、オン電流値及びオン・オフ比の優れた高性能な有機電界効果半導体装置にとって有用である。
本発明の実施の形態による有機電界効果半導体装置の構造の一例を示す概略断面図である。 同、有機電界効果半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 同、有機電界効果半導体装置(FET)を駆動回路とするLCDの一画素に対応する概略部分断面図である。 同、有機半導体層の構造の一例をその製造工程順に示す概略断面図である。
符号の説明
1…有機電界効果半導体装置、2…基体、3…第1電極、4…有機半導体分子、
5…第2電極、6…有機半導体分子のグレイン、7、40…有機半導体層、
7a、7b…有機半導体材料層、8、39…絶縁膜、9…第3電極、
11…単結晶グレイン間の隙間、30…LCD、31…駆動回路基板、32…対向基板、
33…液晶層、34、35…偏光板、36…層間絶縁膜、37、45…液晶配向膜、
38…補助容量電極、41…画素電極、42…補助容量部、43…基板、44…対向電極

Claims (28)

  1. 基体上に形成された第1電極及び第2電極と、少なくともこれらの電極間に形成された有機半導体層と、この有機半導体層に対して絶縁膜を介して電界を印加する第3電極とを有する有機電界効果半導体装置において、
    前記基体が、外部刺激により収縮する材質からなり、前記基体の収縮状態で前記有機半導体層の構成分子が密に配向していることを特徴とする、有機電界効果半導体装置。
  2. 前記基体が、同一の外部刺激により前記有機半導体層よりも大きく伸縮する材質からなる、請求項1に記載の有機電界効果半導体装置。
  3. 前記外部刺激として熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いる、請求項2に記載の有機半導体層の形成方法。
  4. 前記基体が、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかからなる、請求項2に記載の有機電界効果半導体装置。
  5. 前記基体が、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせからなる、請求項4に記載の有機電界効果半導体装置。
  6. 前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタとして構成された、請求項1に記載の有機電界効果半導体装置。
  7. 基体上に形成された第1電極及び第2電極と、少なくともこれらの電極間に形成された有機半導体層と、この有機半導体層に対して絶縁膜を介して電界を印加する第3電極とを有する有機電界効果半導体装置の製造方法において、
    少なくとも前記第1電極及び第2電極間に有機半導体材料層を形成する第1の工程と、前記基体を外部刺激により収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子の配向を制御する第2の工程とを備えることを特徴とする、有機電界効果半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の工程が、外部刺激により前記基体を伸張した状態で前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、伸張した前記基体を収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させる工程である、請求項7に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1の工程が、前記基体上に前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、その後に外部刺激により前記基体を収縮させることにより前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させる工程である、請求項7に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  10. 前記外部刺激として熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いる、請求項8又は9に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  11. 前記基体を、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかで形成する、請求項8又は9に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  12. 前記基体を、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせで形成する、請求項11に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタを製造する、請求項7に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  14. 外部刺激により収縮する材質からなる基体上に形成された有機半導体層であって、前記基体の収縮状態で構成分子が密に配向されていることを特徴とする、有機半導体層。
  15. 前記基体が、同一の外部刺激により前記有機半導体層よりも大きく伸縮する材質からなる、請求項14に記載の有機半導体層。
  16. 前記外部刺激として熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いる、請求項15に記載の有機半導体層。
  17. 前記基体が、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかからなる、請求項15に記載の有機半導体層。
  18. 前記基体が、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせからなる、請求項17に記載の有機半導体層。
  19. 前記基体上に形成された少なくとも第1電極及び第2電極間に形成され、絶縁膜を介して第3電極によって電界が印加される、請求項14に記載の有機半導体層。
  20. 前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタのチャネル部を構成する、請求項19に記載の有機半導体層。
  21. 基体上に有機半導体材料層を形成する第1の工程と、前記基体を外部刺激により収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子の配向を制御する第2の工程とを備えることを特徴とする、有機半導体層の形成方法。
  22. 前記第1の工程が、外部刺激により前記基体を伸張した状態で前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、前記伸張した基体を収縮させて前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させてなる有機半導体層を形成する工程である、請求項21に記載の有機半導体層の形成方法。
  23. 前記第1の工程が、前記基体上に前記有機半導体材料層を形成する工程であり、前記第2の工程が、その後に外部刺激により前記基体を収縮させることにより前記有機半導体材料層の構成分子を密に配向させてなる有機半導体層を形成する工程である、請求項21に記載の有機半導体層の形成方法。
  24. 前記外部刺激として熱的及び機械的応力のいずれか、或いはこれらの組み合わせを用いる、請求項22又は23に記載の有機半導体層の形成方法。
  25. 前記基体を、外部刺激により伸縮する高分子化合物及びその組成物のいずれかで形成する、請求項22又は23に記載の有機電界効果半導体装置の製造方法。
  26. 前記基体を、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、2フッ化ビニリデン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド及びゴムのいずれか、或いはこれらの組み合わせで形成する、請求項25に記載の有機半導体層の形成方法。
  27. 前記基体上に形成された少なくとも第1電極及び第2電極間に形成され、絶縁膜を介して3電極によって電界が印加される有機半導体層を形成する、請求項21に記載の有機半導体層の形成方法。
  28. 前記第1電極がソース電極、前記第2電極がドレイン電極、前記第3電極がゲート電極である有機電界効果トランジスタのチャネル部を構成する有機半導体層を形成する、請求項27に記載の有機半導体層の形成方法。
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