JP2006098805A - トナー用樹脂組成物、トナー及びトナー用樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 数平均分子量が2000〜10000の分岐状ポリエステルと、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを反応させてなる架橋ポリエステルを含有するトナー用樹脂組成物であって、前記エポキシ化合物は、エポキシ基を前記分岐状ポリエステル1モルに対して0.6〜1.5モル含有するトナー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、上記の低温定着性を改善しようとすると、トナーの一部が熱定着ローラ表面に付着し、それが紙に再転写するといったオフセット現象が起こりやすくなったり、樹脂同士が様々な環境を通して受ける熱によってトナーが凝集するブロッキング現象が起こりやすくなったりするといった問題がある。
しかしながら、この技術では、結晶性ポリエステル樹脂のみを用いているので、定着可能な温度幅が狭く、低温定着性を損なうことなく、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を保つことが困難であった。
しかしながら、この技術においても、3価以上の多価単量体、ジカルボン酸、ジオール等を用いることから、得られる非結晶性ポリエステルの分子量分布が広くなり、特に低温定着性が充分ではなかった。
れるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することを目的とする。
以下に本発明を詳述する。
上記数平均分子量が2000〜10000の分岐状ポリエステル(以下、単に分岐状ポリエステルともいう)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(以下、単にエポキシ化合物ともいう)とを反応させることで、両者の間で架橋構造が形成され、多価単量体と、ジカルボン酸やジオールとを共重合させて架橋構造を形成する場合と比較して、架橋密度が適度に抑えられ、より均一な架橋が形成されることから、得られる架橋ポリエステルの分子量分布が広くなり過ぎず、低温定着性と耐高温オフセット性のバランスに優れるトナーを作製することができるトナー用樹脂組成物とすることができる。
び低級アルキルエステルが好適に用いられる。
上記3価以上の多価カルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。
ボン酸と長鎖の脂肪族ジカルボン酸とを適宜組み合わせることによって目的のガラス転移温度を達成することができたとしても、軟化温度が高くなりすぎる傾向がある。
そこで、上記分岐状ポリエステルは、屈曲した分子構造を分子鎖中に導入できる2価の屈曲モノマー又は分岐鎖を有する2価のモノマーのいずれかを少なくとも含有する多価カルボン酸と多価アルコールを含むモノマー混合物を重合させてなることが好ましい。
これら2価の屈曲モノマーや分岐鎖を有する2価のモノマーを含有するモノマー混合物を重合してなるポリマーは、目的のガラス転移温度と低い軟化温度をより容易に両立させることができる。
上記分岐鎖を有する2価のモノマーとしては特に限定されず、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2‐ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物等の脂環族ジオール類等が挙げられる。
上記エポキシ基が1分子中に3個未満であると、架橋ポリエステルの生成が不充分となり、耐高温オフセット性が低下する。好ましくは、1分子中に5個以上である。
架橋に関与しない余剰のエポキシ化合物が増加し、エポキシ化合物自体の物性に近くなることから、低温定着性等の物性が低下する。好ましい下限は0.8モル、好ましい上限は1.3モルである。
なお、上記ジカルボン酸及びジオールとしては、上述した分岐状ポリエステルと同様のものを用いることができる。
ら0.1秒後の間に緩和弾性率曲線のピーク位置がある場合はその位置の時間を表す。なお、0.02秒以前に緩和弾性率曲線のピーク位置がある場合はTを0.02とする。また、G(0.1)は、剪断ひずみを与えて0.1秒後の緩和弾性率を表す。
なお、上記緩和弾性率は、例えば、本発明のトナー用樹脂組成物を溶融した後に所定の大きさの円盤状に成形したものを試験用試料とし、緩和弾性率測定装置(例えば、レオメトリックス社製RMS−800等)を用いて測定することができる。
なお、本明細書においてフロー軟化点とは、例えば、高化式フローテスター(例えば、島津製作所社製の「CFT−500型」等)を用い、荷重20kg/cm2、オリフィス1mmφ×1mm、予備温度60℃、予備時間5分、チャート速度20mm/分、プランジャー1.0cm2、昇温速度6±0.5℃/minの条件下で、目開き1.19mmのJIS標準篩を通過する1.0gの測定試料を溶融流出させ、プランジャー降下量と温度との関係を求めたときに、樹脂の流出開始時におけるプランジャー降下量と、樹脂の流出停止時におけるプランジャー降下量との中間のプランジャー降下量h/2を与えるときの温度Tfを意味する。
図1に、等速昇温法によりフロー軟化点Tfを求める際のプランジャー降下量と時間(温度)との関係を示す図を示した。
を添加した後、二軸押出機等を用いて溶融混練することにより、トナー用樹脂組成物を製造することができる。
なお、本発明のトナーは、本発明のトナー用樹脂組成物を用いることにより低温定着性及び耐高温オフセット性の両方に優れていることから、離型剤を含有していなくてもよい。
これらの着色剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して1重量部、好ましい上限は10重量部である。
れ、負帯電用電荷制御剤としては、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられる。なかでも、酸変性荷電制御剤が好適であり、サリチル酸変性であるとトナー用樹脂組成物と架橋してゴム弾性を発現する。ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛錯体等のアルキル置換サルチル酸の金属錯体は、無色又は淡色であるためトナーの色調に影響を与えないので好ましい。また、上記電荷制御剤としては、荷電制御樹脂(CCR)も好適に用いることができる。上記荷電制御樹脂としては、例えば、4級アンモニウム塩を含むモノマー、有機フッ素系モノマー、スルホン酸基含有モノマー、フェニルマレイミド系モノマー等を共重合したスチレンアクリルポリマー等が挙げられる。
これらの電荷制御剤の配合量の好ましい下限は、通常、トナー用樹脂組成物100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。
なお、従来のトナーでは、上記磁性体を添加した場合、トナー中の樹脂の比率が非磁性トナーに比べて低下することや、定着ローラのニップ圧を高めることにより、耐高温オフセット性が発現しにくい傾向になるが、本発明のトナーでは、磁性体を添加した場合であっても、良好な耐高温オフセット性を発現させることが可能となる。
また、末端に水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基等の極性基を有する芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体からなるゴム状ポリマーは、トナーとの親和性に優れるので好ましい。これら末端に極性基を有するブロック共重合体はリビング重合により得ることができる。
ゴム状ポリマーは、トナーに含まれる樹脂の樹脂強度を向上させることができる。よって、ゴム状ポリマーを含有するトナーは、トナーのフィルミング現象を防止することができ、また、高い樹脂強度が必要な非磁性1成分トナーに好適なトナーが得られる。
ナ粉末等で被覆されていてもよい。キャリアを被覆することにより好ましい摩擦帯電性をキャリアに付与することができる。
本発明のトナーの含水分量としては特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は0.2重量%である。0.01重量%未満であると、製造上の問題から製造が困難となり、0.2重量%を超えると、充分な帯電安定性が得られないことがある。
本発明のトナーの安息角としては特に限定されないが、23℃、湿度60%における安息角の好ましい下限は1度、好ましい上限は30度である。1度未満であると、トナーのハンドリングが困難となることがあり、30度を超えると、トナーの流動性が不足することがある。なお、上記トナーの安息角は、例えば、パウダーテスター(例えば、ホソカワミクロン社製PT−N型等)等により測定することができる。
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、3価以上の多価単量体として、トリメリット酸2.5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行なうとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、分岐状ポリエステルを得た。
1分子中に約16個のエポキシ基を有するスチレンアクリル系樹脂(UG−4030、東
亜合成社製)7重量部と、得られた分岐状ポリエステル93重量部とをL/D=37の二
軸押出機を用いてバレル温度250℃で溶融混練して架橋ポリエステルを得た。
得られた架橋ポリエステルをトナー用樹脂組成物として用いた。トナー用樹脂組成物100重量部に荷電制御剤(S−34、オリエント化学社製)1重量部、カーボンブラック5重量部(MA−100、三菱化学社製)、カルナバワックス3重量部(融点83℃)をヘンシェルミキサーで充分に混合した後、130℃で溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミル(ラボジェット、日本ニューマチック社製)で微粉砕して、平均粒径約8〜12μmのトナー粉末を得た。更に、このトナー粉末を分級機(MDS−2、日本ニューマチック社製)で分級して、平均粒径約10μmのトナー微粉末を得た。このトナー微粉末100重量部に、疎水性シリカ(R972、日本アエロジル社製)1.0重量部を均一に混合(外添)してトナーを製造した。
(1)線状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸10モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行うとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させ
て、線状ポリエステルを得た。
1分子中に約16個のエポキシ基を有するスチレンアクリル系樹脂(UG−4030、東
亜合成社製)10重量部と、実施例1で得られた分岐状ポリエステル90重量部とをL/
D=37の二軸押出機を用いてバレル温度250℃で溶融混練して架橋ポリエステルを得た。
得られた架橋ポリエステル50重量部と線状ポリエステル50重量部とをL/D=37の二軸押出機を用いてバレル温度170℃で溶融混練してトナー用樹脂組成物を得た以外は実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
1分子中に約16個のエポキシ基を有するスチレンアクリル系樹脂(UG−4030、東
亜合成社製)13重量部と、実施例1で得られた分岐状ポリエステル87重量部とを添加
して架橋ポリエステル得た以外は、実施例2と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
(1)分岐状ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸90モル、屈曲モノマー成分としてイソフタル酸5モル、無水フタル酸5モル、分岐モノマー成分としてネオペンチルグリコール60モル、他のジオールとしてエチレングリコール60モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行った。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。エステル化反応終了後、3価以上の多価単量体として、トリメリット酸7モルを添加し、充分反応を行い、分岐状ポリエステルを得た。
1分子中に約9個のエポキシ基を有するオルトクレゾールノボラック樹脂(EOCN−1
04S、日本化薬社製)10重量部と、分岐状ポリエステル90重量部とをL/D=37
の二軸押出機を用いてバレル温度250℃で溶融混練して架橋ポリエステルを得た以外は、実施例2と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
架橋ポリエステルの製造において、1分子中に約16個のエポキシ基を有するスチレンアクリル系樹脂(UG−4030、東亜合成社製)5重量部と、分岐状ポリエステル95重量部とを添加して架橋ポリエステルを得た以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
架橋ポリエステルの製造において、1分子中に約16個のエポキシ基を有するスチレンアクリル系樹脂(UG−4030、東亜合成社製)20重量部と、分岐状ポリエステル80重量部とを添加して架橋ポリエステルを得た以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
(1)架橋ポリエステルの製造
60Lの反応容器に蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌措置を常法に従い設置し、窒素ガス雰囲気下にて、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸95モル、3価以上の多価単量体としてトリメリット酸5モル、ジオール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物105モル、エステル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBB)0.05モルを仕込み、200℃で、生成する水を蒸留塔より留出させながらエステル化反応を行なった。蒸留塔より水が留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。
エステル化反応終了後、60Lの反応容器の蒸留塔への開口部を閉鎖すると共に、真空ポンプからのラインを開き、反応系内を5mmHg以下に減圧し、240℃、攪拌回転数60rpmで縮合反応を行なうとともに縮合反応で生じた遊離ジオールを反応系外へ留出させて、ビスフェノールA系架橋ポリエステルを得た。
上記ビスフェノールA系架橋ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
比較例3で用いたビスフェノールA系架橋ポリエステルを用い、架橋ポリエステル80重量部と線状ポリエステル20重量部とを用いた以外は、実施例2と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを得た。
実施例1〜4及び比較例1〜4で作製したトナー用樹脂組成物又はトナーについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
GPC測定装置として、日本ミリポアリミテッド社製のHTR−Cを用い、カラムには昭和電工社製のKF−800P(1本)、KF−806M(2本)、KF−802.5(1本)を直列につないで使用し、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。測定条件は、温度は40℃、試料は0.2重量%THF溶液(0.45μmのフィルターを通過したもの)、注入量は100μL、キャリア溶媒はTHF、校正試料として標準ポリスチレンを用いた。
トナー用樹脂組成物を融点以上の温度でしばらく保持した後、急冷を行い、結晶化を完全に抑制したサンプルを作製した。このサンプルについて、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で、JIS K 7121に準拠して測定し、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)に記載されている中間ガラス転移温度を求めた。
高化式フローテスター(島津製作所社製、CFT−500型)を用い、荷重20kg/cm2、オリフィス1mmφ×1mm、予備温度60℃、予備時間5分、チャート速度20mm/分、プランジャー1.0cm2、昇温速度6±0.5℃/minの条件下で、目開き1.19mmのJIS標準篩を通過する1.0gの測定試料を溶融流出させ、図1に示すように、樹脂の流出開始時におけるプランジャー降下量と、樹脂の流出停止時におけるプランジャー降下量との中間のプランジャー降下量h/2を与えるときの温度Tfを測定した。
トナー用樹脂組成物を溶融後、直径25mm、高さ1mmの円盤状に成形し、これを試験用試料とした。これを直径25mmの円盤−円盤治具に取り付け、緩和弾性率測定装置(レオメトリックス社製、RMS−800)を用いて190℃、初期剪断ひずみ450%の条件で、剪断ひずみを与えてからの時間を横軸に、緩和弾性率を縦軸にとり緩和弾性率曲線を描き、G(0.1)及びG(T)を求め、上記式(1)により緩和弾性率の勾配Kを算出した。
トナー10gを100mLサンプル瓶に取り、50℃の恒温槽中に8時間放置した後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて250μmのフィルターでふるいにかけフィルター上に凝集物が残存するかを観察し、凝集物がある場合には、トナー重量に対する凝集物の重量(重量%)を求めた。
1万枚印刷を行い、定着ローラにトナーが付着していないかを目視で観察し、トナーの付着が見られないものをフィルミングなしと評価した。
トナー6.5重量部を平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリア93.5重量部と混合して現像剤を作製した。電子写真複写機としてコニカ社製のUBIX4160AFを熱定着ローラの設定温度が最大250℃まで変えられるように改造したものを用いた。
熱定着ローラの設定温度を段階的に変化させて、各設定温度の熱定着ローラによって未定着トナー像を転写紙に定着させた複写物を得た。
得られた複写物の余白部分や定着画像がトナーにより汚されているか否かを観察し、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセット温度領域の最大値を高温オフセット温度とし、最小値を低温オフセット温度とした。
電子写真複写機の熱定着ローラの設定温度を段階的に変えて複写を行ない、余白部分や定着画像にかぶりが発生することなく余白部分や定着画像がトナーにより汚されておらず、得られた複写物の定着画像をタイプライター用砂消しゴムで擦ったとき、定着画像の濃度の低下が10%未満である場合を定着良好と判定し、その時の最低温度を求めた。
なお、画像の濃度はマクベス光度計を用いて測定した。
高温オフセット温度及び低温オフセット温度の測定の試験と同様に未定着画像を形成し、100枚目の画像を定着させ目視により画質(カブリの有無)を確認した。カブリの発生が問題のないレベルである場合をカブリなしとし、問題となるようなカブリが発生している場合をカブリありとした。
Claims (4)
- 数平均分子量が2000〜10000の分岐状ポリエステルと、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを反応させてなる架橋ポリエステルを含有するトナー用樹脂組成物であって、
前記エポキシ化合物は、エポキシ基を前記分岐状ポリエステル1モルに対して0.6〜1.5モル含有することを特徴とするトナー用樹脂組成物。 - 更に、線状ポリエステルを含有することを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成物を用いてなることを特徴とするトナー。
- 数平均分子量が2000〜10000の分岐状ポリエステルと、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを反応させ、前記分岐状ポリエステルと前記エポキシ化合物とを架橋させることにより架橋ポリエステルを作製する工程を有するトナー用樹脂組成物の製造方法であって、
前記エポキシ化合物は、エポキシ基を前記分岐状ポリエステル1モルに対して0.6〜1.5モル含有する
ことを特徴とするトナー用樹脂組成物の製造方法。
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