JP2006091319A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アモルファスシリコン感光体表面へのトナー成分の融着が防止され、転写性に優れ、帯電部材の汚染が抑制され、かつ高い画像濃度の画像を形成することができる画像形成方法を提供する。
【解決手段】静電潜像担持体と、静電潜像担持体に接触して帯電させる接触帯電部材と、静電潜像担持体の転写残トナーを除去するためのクリーニングブレードとを少なくとも用いて画像を形成するにあたり、静電潜像担持体には、非晶質のシリコンを含む光導電層と非晶質のシリコン及び炭素を含む表面保護層とを有し、原子間力顕微鏡で測定される平均傾斜Δaが0.12〜1.0であるa−Si感光体を用い、トナーには、芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を有するトナーを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法等を利用した画像形成方法に関するものである。詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、これを現像剤により現像した後、現像によって形成されたトナー像を転写材上に転写させて画像形成する、電子写真、静電記録、静電印刷に用いられる画像形成方法に関する。より詳細には、特定のアモルファスシリコン感光体と、トナー担持体、接触転写部材、接触帯電部材、及び、ブレードクリーニング部材と、特定の触媒を含有するポリエステル樹脂を有するトナーとを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
従来、電子写真用の静電潜像担持体としては、有機感光体やアモルファスシリコン感光体が使用されている。有機感光体は、性能とコストのバランスが取れた静電潜像担持体であるが、高度な耐久性を必要とする系には使用されていない。さらに、ブレードクリーニングの如きクリーニング機構において、有機感光体では、その表面が磨耗しやすい。このため、有機感光体においては、磨耗することを前提として感光体表面の保護層厚をとる設計がなされている。
このような感光体は、耐久による感光体表面の磨耗で画像欠陥が生じにくくなるものの、膜厚による電界強度の広がりにより、静電潜像スポットが広くなりがちであり、高精細な潜像形成が困難となることがある。
一方、アモルファスシリコン感光体は、一般的に、有機感光体と比べるとその表面は磨耗に対して非常に強靭である。このため、感光体の磨耗が少なく、耐久性の高い感光体である。また、アモルファスシリコン感光体は、磨耗が少ないために、有機感光体のような厚い保護層が必要なく、薄い感光層と保護層で感光体を形成することができる。従って、アモルファスシリコン感光体では、静電潜像スポットを絞ることができ、高精細な潜像形成に好適に使用できる。
このように、アモルファスシリコン感光体は、耐久性と高画質を備えた静電潜像担持体である。このため、耐久性と高画質が要求されるような画像形成方法において、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成方法が多数提案されている。
例えば、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体を有する画像形成方法において、ポリエステルよりなる結着樹脂中に磁性体粒子が分散されてなる事を特徴とする画像形成方法が提案されている。かかる画像形成方法は、カブリ、画像アレ、画像濃度の低下を伴わず、ハーフトーンの再現性や解像度の向上を達成する観点から優れている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1では、接触帯電部材との組み合わせの記載がなく、本願の如き接触帯電系での効果が不明である。また、作用効果として、感光体への融着について記載がなく、それに対する効果については不明である。また、顔料の分散やトナーの帯電性については言及されていない。
また、感光体表面の平均傾斜Δaを規定したアモルファスシリコン感光体を有する画像形成方法で、トナーとしてビニル系重合ユニットとポリエステル系ユニットとを有するハイブリッド樹脂からなるトナー及び画像形成方法が提案されている。かかる発明は、耐久における濃度低下やカブリの発生がなく、クリーニング時のトナー付着を抑制する観点か
ら優れている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、前記特許文献2では、ポリエステル中の含有物は特に規定されておらず、水系媒体中で製造されたトナーを使用する旨が記載されていない。またその作用効果においても、帯電汚染の如き特性については一切言及されていない。
一方、電子写真用のトナーの構成材料としてポリエステル樹脂を使用することは広く行われている。一例としては、カルボン酸と多価のカルボン酸との反応物で、その酸価と水酸基価が特定の範囲にあるポリエステル樹脂を含有するトナーが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、特許文献3では、ポリエステル樹脂の製造に用いられる触媒については特に記載されていない。また、特定の触媒を用いて製造されたポリエステル樹脂を含有するトナーを用いたときの感光体への融着や帯電汚染に対する作用効果についても言及されていない。
ところで、近年、このポリエステル樹脂の製造時に使用する重縮合触媒について広く検討がなされてきており、従来には無かった触媒系でのポリエステル樹脂が開発されている。
例えば、ポリエステルの重縮合触媒がジオールのチタン酸エステルである事を特徴とするトナーバインダーが提案されている。かかる発明によると、炭素数3以上のジオール成分を有するチタン酸エステルを重縮合触媒として用いるポリエステル樹脂をトナーバインダーとして使用すると、グロスが良好で耐ホットオフセット性に優れ、色調の良好なトナーが得られる。さらに、このようなチタン酸エステルを重縮合触媒として用いるポリエステル樹脂を使用したトナーは、顔料の分散に優れ、着色力に優れた効果のあるトナーを達成する(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、かかる発明では、トナーの帯電性、及び、着色力は優れるものの、現像性や転写性といった効果が明確にされていない。近年、電子写真等の画像形成方法で要求される画像の高画質化は、トナーの改良のみに止まらず、画像形成装置とトナーとのマッチングの観点から検討することも重要である。このため、前記のような特性を維持しつつ、現像性や転写性等の更なるトナー特性の改良が望まれている。
さらに、アモルファスシリコン感光体を用い、且つ、低融点のポリエステル樹脂を用いるトナー及び画像形成方法が提案されている。かかるトナー及び画像形成方法は、トナーの帯電量を良化させ、カブリとブロッキングを抑制する観点から優れている(例えば、特許文献5参照。)。
しかし、かかる発明では、転写性、及び画像濃度特性において十分なものではなく、現像システムとしてのトータルバランスが取れたトナーを達成するためには、更なる改善が必要である。
特許第02728881号明細書 特開2003−156878号公報 特開2003−302794号公報 特開2002−148867号公報 特開平10−048885号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決した画像形成方法を提供することにある。
すなわち本発明の第一の目的は、アモルファスシリコン感光体表面へのトナー成分の融着が防止される画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の第二の目的は、高転写性の画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、接触帯電部材の汚染を抑えた画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の第四の目的は、顔料の分散に優れたトナーによる高い画像濃度の画像を形成することができる画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、アモルファスシリコンを含む静電潜像担持体と、特定のポリエステル樹脂を含有するトナーとを組み合わせることによって、カブリ特性と、濃度安定性に優れ、且つ、ブレードクリーニング性と転写性に優れ、更にトナーとして顔料の分散に優れ、画像濃度が高い画像形成を達成できる画像形成方法を見いだした。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するものである。
(1) 静電潜像を担持するための静電潜像担持体と、静電潜像担持体に接触して設けられ静電潜像担持体を帯電させるための接触帯電部材と、帯電した前記静電潜像担持体に形成された静電潜像がトナーによって現像されて形成されたトナー像を転写材に転写するための転写部材と、静電潜像担持体に接触して設けられトナー像が転写された後の静電潜像担持体の付着物を除去するためのブレードクリーニング部材とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する方法であって、静電潜像担持体には、少なくともアモルファスシリコンを含有する光導電層と、少なくとも非晶質のシリコン及び炭素を含有する表面保護層とを有し、原子間力顕微鏡で測定される静電潜像担持体の表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.0である静電潜像担持体を用い、静電潜像担持体上の静電潜像をトナーで現像し、このトナー像を転写材に転写して画像を形成する画像形成方法において、トナーには、トナーの重量平均粒径が4〜10μmであり、着色剤、離型剤、及びポリエステル樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーを用い、トナー粒子には、水系媒体中で造粒されたトナー粒子を用い、ポリエステル樹脂には、少なくとも芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有し、かつポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが50〜90℃であるポリエステル樹脂を用いる画像形成方法。
(2) 前記芳香族カルボン酸チタン化合物(a)は、芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)との反応物である、(1)に記載の画像形成方法。
(3) 前記芳香族カルボン酸(b)は、二価以上の芳香族カルボン酸及び芳香族オキシカルボン酸のいずれか一方又は両方である、(2)に記載の画像形成方法。
(4) 前記チタンアルコキシド(c)は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする、(2)又は(3)に記載の画像形成方法。
Figure 2006091319
(一般式(1)において、R、R、R及びRは、炭素数1乃至20のアルキル基であり、それぞれ同一であっても、異なってもよく、また、置換基を有してもよい。nは1乃至10である。)
(5) 前記ポリエステル樹脂には、GPCにより測定されるピーク分子量Mpと、示差熱分析による前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgとの比(Mp/Tg)の値が、35乃至500であるポリエステル樹脂を用いる、(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(6) 前記ポリエステル樹脂には、前記ポリエステル樹脂の酸価(AV)と、前記ポリエステル樹脂の水酸基価(OHV)との和が3〜70(mgKOH/g)であるポリエステル樹脂を用いる、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(7) 前記ポリエステル樹脂は、トナー粒子中に2質量%〜45質量%含有される、(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(8) 前記トナーには、トナーの円形度が0.970〜0.990であるトナーを用いる、(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(9) 前記接触帯電部材には、国際ゴム硬さが20〜60の弾性ローラ部材を用いる、(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(10) 前記ブレードクリーニング部材には、国際ゴム硬さが40〜80の弾性体ブレードを用いる、(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
<作用効果>
本発明によると、静電潜像担持体、ブレードクリーニング部材及び、接触帯電部材とを有する画像形成方法で、アモルファスシリコンを含む光導電層と、シリコン及び炭素を含む表面保護層とを有する感光体と、芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を含有するトナーを使用する画像形成方法によって、トナーの帯電性が適切な状態となり、転写性が高く高画質の画像形成が達成できる。また、転写残トナーのブレードクリーニングにおいて、ブレードニップ部分で転写残トナーの適度な静電凝集を維持することで、ブレードクリーニング性に優れた画像形成方法が得られる。
さらに、このようなトナーを用いる画像形成方法によって、アモルファスシリコン感光体表面へのトナー成分の融着、固着を防止することが可能となる。このようなトナーを用いる画像形成方法により、接触帯電においても、帯電ローラ表面へのトナー成分の汚染を極めて少なくすることが可能になるという効果が得られる。
また、芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を含有するトナーは、顔料分散性に優れた効果があり、高着色力のトナーが達成可能である。さらに、膜厚を薄く形成できるアモルファスシリコン感光体は、静電潜像が高精細に再現できるが、このようなアモルファスシリコン感光体に対して、高着色力のトナーを使用することで、高画質な画像出力が達成できる。
更に、芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を含有するトナーは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各々の顔料分散性に優れ、且つ、良好な
帯電性と転写性が得られる。このため、これら顔料を使用して、フルカラー用トナーとし、さらに、アモルファスシリコン感光体と組み合わせることで、高画質、高精細フルカラー画像を、高い耐久性で達成することが可能になるものである。
以上説明したように、本発明によれば、特定のアモルファス感光体と特定の化合物を含有するトナーとを用いることによって、帯電特性に優れ、カブリ、濃度安定性に優れ、且つ、ブレードクリーニング性と転写性に優れた画像形成方法を得ることができる。
本願発明の内容を更に詳細に説明する。本発明では、静電潜像を担持するための静電潜像担持体と、静電潜像担持体に接触して設けられ静電潜像担持体を帯電させるための接触帯電部材と、帯電した静電潜像担持体に形成された静電潜像がトナーによって現像されて形成されたトナー像を転写材に転写するための転写部材と、静電潜像担持体に接触して設けられトナー像が転写された後の静電潜像担持体の付着物を除去するためのブレードクリーニング部材とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する方法において、特定の静電潜像担持体と、特定のトナーとが用いられる。まず、本発明に用いられるトナーについて説明する。
本発明に用いられるトナーは、より微小な潜像ドットを忠実に現像し、高画質化を達成する観点から、重量平均粒径が4〜10μmである。より好ましくは4μm〜9μmである。トナーの重量平均粒径は、トナー粒子の製造条件や、トナー粒子の分級、分級されたトナー粒子の混合等によって調整することができる。
トナーの重量平均粒径及び粒度分布は、粒径分析計コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターPC9801(NEC製)を接続して測定することができる。測定用の電解溶液としては、例えば、電解液ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用することができる。
測定法としては、前記電解溶液100〜150ml中に、分散剤として0.1〜5mlの界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)と2〜20mgの測定試料とを加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、例えば前記コールターカウンターTA−II型により測定する。測定したトナーの体積、個数から、体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)を求める。
本発明に用いられるトナーは、トナーの個数粒度分布における2μm以下の比率が35%以下であることが、画像濃度の低下やカブリといったトナー規制部材汚染に伴う現像弊害を抑制する観点から好ましい。前記比率は、前記粒径分析計による測定結果から算出することができる。また前記比率は、トナー粒子の分級、分級されたトナー粒子の混合等によって調整することができる。
本発明に用いられるトナーは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.970〜0.990であることが、帯電性とクリーニング性の観点から好ましい。すなわち、トナーの平均円形度が0.970より小さいと、トナーの帯電性が悪化し、それに伴いトナーの転写性が悪くなり、画質の低下や転写中抜けが生じやすくなるために好ましくない。また、トナーの平均円形度が0.990より大きいと、現像性は良化するものの、ブレードクリーニング性が悪化し、接触帯電での帯電部材汚染が生じやすくなるために好ましくない。
平均円形度は、トナーの粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
Figure 2006091319
また、上記式における円形度は、下記式から算出される。
Figure 2006091319
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは前記トナー像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、トナーの円相当径は下記式から算出される。
Figure 2006091319
また、トナーの円形度標準偏差SDcは下記式から算出される。
Figure 2006091319
平均円形度は、トナーの粒子の画像の処理によって測定することができる。具体的には、フロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、算出することができる。
より具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料約0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、分散の条件としては5分間処理で行い、測定用の分散液とする。
トナーの平均円形度は、トナー粒子の製造方法、トナー粒子の機械的又は熱的球形化処
理、適当な平均円形度のトナー粒子の混合等によって調整することができる。
本発明に用いられるトナーは、着色剤、離型剤、及びポリエステル樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有する。
前記着色剤には公知の着色剤を使用することができる。着色剤としては、従来より知られている無機、有機の染料及び顔料がある。具体的には次の様なものが挙げられる。
イエロー用着色剤(顔料)の具体例としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。さらに具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。また、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等も使用することができる。
イエロー用着色剤(染料)の具体例としては、C.I.ソルベントイエロー9、17、24、31、35、58、93、100、102、103、105、112、162、163、C.I.ディスパースイエロー42、64、82、160、201、224等が使用できる。
マゼンタ用着色剤(顔料)の具体例としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
さらにマゼンタ用着色剤(染料)としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40等の塩基性染料、C.I.アシッドレッド1、C.I.ダイレクトレッド1、4、C.I.モーダントレッド30等が挙げられる。
シアン用着色剤(顔料)の具体例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.ベーシックブルー3、5、C.I.バットブルー6、C.I.ダイレクトブルー1、2、C.I.アシッドブルー9、15、45、C.I.モーダントブルー7、又は銅フタロシアニン顔料等がある。
黒用着色剤(顔料)の具体例としては、カーボンブラック、アリニンブラック、アセチレンブラック、オイルブラック等がある。
また、上記着色剤の他に、チタンホワイト、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、6、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、クロムグリーン、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。このような着色剤を用いて、前述した着色剤以外の色のトナーを構成することも可能である。
前記着色剤は、単独で、あるいは組み合わせて使用することができ、通常、電子写真特性的観点、及び透過性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜60質量部、好ましくは3.0〜20質量部使用される。
また、これらのモノカラートナーの混ぜ合わせによりフルカラー画像を形成することが可能になる。本願では、例えば、モノカラートナーの混ぜ合わせのような混色したトナーでの黒トナーの作製も可能である。
前記離型剤には、公知のワックス成分が用いられる。このような離型剤によれば、定着時の離型性が向上する。ワックス成分としては、具体的に以下の化合物が挙げられる。
例えばシリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等である。
これらのワックスを種々の方法により分別したワックスも、本発明に好ましく用いられる。又、分別後に酸価やブロック共重合、グラフト変性を行っても良い。
中でも好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリプロピレン及びその副生成物、低分子量ポリエステル及びエステル系ワックス、脂肪族の誘導体である。
これらのうち、更に好ましいエステルワックスの代表的化合物の例をエステルワックスの一般構造式(1)〜(6)として以下に示す。
Figure 2006091319
式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基を示し、且つRとRとの炭素数差が10以上である基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。
Figure 2006091319
式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、Rは炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。
Figure 2006091319
式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基を示し、且つRとRとの炭素数差が10以上である基を示し、Rは炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。
[化5]
COOR (4)
(式中、R及びRは炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数の炭化水素基でもよい。)
[化6]
COO(CHOOCR (5)
(式中、R及びRは炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数であり、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数の炭化水素基でもよい。)
[化7]
OOC(CHCOOR (6)
(式中、R及びRは炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数であり、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数の炭化水素基でもよい。)
これらのワックスは、定着時の離型性の向上を達成するために、トナー粒子中に一般的に、トナー粒子に対して1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部が使用される。ワックス成分が1質量部未満の場合、ワックスとしての離型効果がほとんど発揮できないことがある。また、ワックス成分が30質量部よりも多いと、トナーの離型性は満足されるものの、トナーの現像性が悪化し、現像スリーブや静電潜像担持体表面にトナーが融着するといった弊害を生じやすくなるため好ましくない。
前記ポリエステル樹脂には、後述する芳香族カルボン酸チタン化合物を含有する以外は、アルコール成分とカルボン酸成分を縮合して構成される公知のポリエステル樹脂を用いることができる。
前記ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分とカルボン酸成分とは、トナーを構成する可能性のあるものなら特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
具体的な前記アルコール成分としては、ジオール、三価以上のポリオール及びその低級アルカン酸エステル(酢酸エステル等)等が挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のアルキレンエーテルグリコール;1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;上記脂環式ジオールのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、α−オレフィンオキシド等の、上記脂環式ジオールの炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物;上記ビスフェノール類のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、α−オレフィンオキシド等の、上記ビスフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物;等が挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数は通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜18のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、脂環式ジオールであり、さらに好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、及びこれらと他の少量のジオールの併用であり、特に好ましいものはビスフェノール類のエチレンオキシド付加物、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加物及びこれらと他の少量のジオールの併用である。
三価以上のポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の、三から八価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノールPA等のトリスフェノール類;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂;上記トリスフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物;上記ノボラック樹脂の炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物;等が挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数は通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。これらのうち好ましいものは、三から八価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
前記カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、三価以上のポリカルボン酸及びその酸無水物、又は前記ポリカルボン酸とメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、エチレングリコールエステル等との低級アルコールのエステル等が挙げられる。これらのうち、ジカルボン酸、その酸無水物、及びこれらと少量の他のポリカルボン酸の併用が好ましい。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ダイマー酸等のアルキレンジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等のアルケニレンジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜50のアルキレンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及びこれらの併用であり、さらに好ましいものは、炭素数4〜50のアルキレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、及びこれらと炭素数4〜50のアルキレンジカルボン酸の併用であり、より好ましいものは、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの併用であり、特に好ましいものはテレフタル酸、マレイン酸及びフマル酸である。
三価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸;スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/アクリル酸共
重合物、α−オレフィン/マレイン酸共重合物、スチレン/フマル酸共重合物等の不飽和カルボン酸のビニル重合物;等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸である。
また、上記アルコール成分とカルボン酸成分とともにヒドロキシカルボン酸を共重合することによって前記ポリエステル樹脂を構成することもできる。ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂における前記アルコール成分と前記カルボン酸成分の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.4/1〜1/1.4である。三価以上のポリオール及び三価以上のポリカルボン酸の比率は、必要とされるポリエステルの軟化点、分子量によって適宜選択することが可能である。
前記ポリエステル樹脂は、定着性と保存安定性を両立し、且つ、現像特性を良好に保つ観点から、ガラス転移温度Tgが50〜90℃であることが好ましく、55〜70℃であることがより好ましい。
ガラス転移温度Tgが50℃よりも低いと、トナーの熱安定性が悪くなり、保存中のトナーの変形や変質を生じてしまい、転写性の悪化や現像性の悪化といった問題を生じることがあり好ましくない。また、ガラス転移温度Tgが90℃よりも高いと、トナーの定着性に悪影響を与えることがあり好ましくない。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgを50〜90℃にする具体的な方法としては、ポリエステル樹脂を構成する酸成分とアルコール成分を適宜選択し、さらに、反応時の触媒や反応条件をコントロールすることで達成できる。さらに具体的な方法については、実施例中に記載する。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移点は、公知の示差走査熱量計によって測定することができる。より具体的には、示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて、温度速度10℃/minでASTM(D3418−82)の温度設定パターンに準じて測定することができる。ガラス転移温度Tgは、二度目の昇温時のDSCカーブより、吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線との中線と、立ち上がり曲線との交点の温度である。なお、後述するバインダー樹脂及び本発明に用いられるトナー等の他の樹脂成分のガラス転移温度も同様に測定することができる。
前記ポリエステル樹脂の酸価AVは、通常3〜35mgKOH/gであり、好ましくは4〜30mgKOH/g、さらに好ましくは5〜26mgKOH/gである。酸価が小さいほうが環境安定性が向上するが、適度の酸価を有しているほうが帯電の立ち上がりが向上するとともに、着色剤の分散が良化する。また、適度の酸価を有するポリエステル樹脂を使用することで、トナー粒子の製造方法の一種である懸濁重合法における造粒時の造粒性が向上するため好ましい。
前記ポリエステル樹脂の水酸基価OHVは、好ましくは5〜40mgKOH/gであり、より好ましくは8〜35mgKOH/gである。水酸基価OHVが5よりも小さいと、帯電の立ち上がりが悪くなり、画像濃度が低下することがあり好ましくない。一方、水酸基価OHVが40よりも大きいと、画像形成で帯電部材を汚染しやすくなることがあるため好ましくない。
また前記ポリエステル樹脂は、酸価と水酸基価との和(AV+OHV)が3〜70mg
KOH/gであることが、トナー粒子の製造方法の一種である懸濁重合法における造粒時のトナー粒径を安定化させる観点から好ましく、5〜50mgKOH/gであることがより好ましい。
前記ポリエステル樹脂の酸価(AV)、及び、水酸基価(OHV)の測定方法としては、JIS K0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」に準じて行うことができる。また、前記ポリエステル樹脂の酸価や水酸基価は、ポリエステル樹脂におけるアルコール成分とカルボン酸成分の比率や、使用するアルコール成分及びカルボン酸成分の種類、製造時における反応条件等によって調整することができる。
前記ポリエステル樹脂は、GPCにより測定されるピーク分子量Mpが2,000〜50,000であることが好ましく、より好ましくは2,500〜30,000である。ポリエステル樹脂のピーク分子量Mpが2,000未満では、トナー化した時の粒子の熱安定性に問題があることがある。また、ポリエステル樹脂のピーク分子量Mpが50,000以上では、低温定着性に問題があることがある。ポリエステル樹脂のピーク分子量(Mp)測定は、GPCによるクロマトグラムで行うことが可能である。
具体的なピーク分子量(Mp)の測定方法としては、40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
より具体的には、昭和電工社製のshodexGPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせカラムを用い、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いることで測定可能である。
前記ポリエステル樹脂は、前記ピーク分子量Mpと前記ガラス転移温度Tgとの比Mp/Tgが35〜500であることが、トナーの保存性と現像耐久性とのバランスをとる観点から好ましく、より好ましくは70〜300である。
前記ポリエステル樹脂は、トナー粒子中に2〜45質量%含有されていることが、トナーの現像性及び帯電性と保存安定性を確保する観点から好ましく、4〜10質量%であることがより好ましい。
本発明の特徴の一つは、トナーのポリエステル樹脂中に芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有することにある。芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を有するトナーは、トナー粒子中における顔料の優れた分散性を示す。
前記ポリエステル樹脂に含有される芳香族カルボン酸チタン化合物(a)は、ポリエステル樹脂の縮合触媒として、又は、縮合促進添加剤として、あるいは、ポリエステル樹脂の性能改善として添加するものである。ここでの触媒とは、反応においてそのものは反応しないが、そのものが存在することで系の反応を触発するものを指すものである。また、縮合促進添加剤とは、縮合反応の触媒作用をさらに活性化する助触媒を指すものである。
本発明で用いられる芳香族カルボン酸チタン化合物(a)は、芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)とが反応したものであることが好ましく、芳香族カルボン酸(b)としては、二価以上の芳香族カルボン酸及び/又は芳香族オキシカルボン酸であることが好ましい。
芳香族カルボン酸の具体的な例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸の如きジカルボン酸類又はその無水物;トリメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸の如き多価カルボン酸類又はその無水物;及びこれらのエステル化物;等が挙げられる。
芳香族オキシカルボン酸の具体的な例としては、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシカルボン酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等が挙げられる。
これらの中でも、特にイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
また、チタンアルコキシド(c)としては、下記一般式(1)で示される化合物が好ましい。
Figure 2006091319
一般式(1)において、R、R、R及びRは、炭素数1乃至20のアルキル基であり、それぞれ同一であっても、異なってもよく、また、置換基を有してもよい。nは1乃至10の整数を示す。更に、R、R、R及びRは、炭素数1乃至10のアルキル基であることが好ましい。
前記チタンアルコキシド(c)の具体的な例としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−i−ブトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−t−ブトキシド、チタンテトラペンチルオキシド、チタンテトラヘキシルオキシド、チタンテトラヘプチルオキシド、チタンテトラオクチルオキシド、チタンテトラノニルオキシド、チタンテトラデシルオキシド等が好ましい。
また、一般式(1)において、nが2乃至10のポリチタン酸エステルも好ましい。このようなチタンアルコキシド(c)としては、具体的には、テトラ−n−ブチルポリチタネート、テトラ−n−ヘキシルポリチタネート、テトラ−n−オクチルポリチタネートが好ましい。
本発明に用いる芳香族カルボン酸チタン化合物(a)の具体的な製造方法について述べる。
脱水した芳香族カルボン酸(b)(例えばテレフタル酸等)に20〜100℃でチタンアルコキシド(c)(例えばチタン酸テトライソプロピル等)を加え、エステル交換反応により生成する低級アルコール(例えばイソプロパノール等)を常圧又は減圧下に留去することで、本発明に用いる芳香族カルボン酸チタン化合物(a)が得られる。また、エステル交換反応時に、ジオール等を加えることも良好な芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を得る観点から好ましい。
芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)との縮合時のモル比は、通常20/1〜1/1が好ましく、12/1〜2/1がより好ましい。
また、芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)との反応の度合いについては特に限定するものではないが、チタンアルコキシド(c)の反応後の失活部分で生成する水酸基とチタンの比率は1/1以下であることが、トナーの帯電特性の観点から好ましく、さらに、1/3以下であることがより好ましい。なお、芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)との反応の度合いについては常法により特定が可能である。
このようにして得られた芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を用い、その存在下で、ポリエステル樹脂の原材料であるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮合させることで、本発明に用いられる前記ポリエステル樹脂を得ることができる。
芳香族カルボン酸チタン化合物(a)の使用量は、ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分及びカルボン酸成分の合計に対して、通常0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
前記トナー粒子には、前述した着色剤、離型剤、及びポリエステル樹脂以外の他の成分を含有していても良い。このような他の成分には、トナーに配合させる公知の成分が用いられる。このような他の成分としては、例えばバインダー樹脂、荷電制御剤等が挙げられる。
本発明で好適に用いられるバインダー樹脂としては、前記ポリエステル樹脂及び公知のトナー樹脂を使用することが可能である。前記バインダー樹脂の具体例としては、以下の重合性単量体の重合体、又は、重合性単量体単独の重合体の混合物、あるいは、二種類以上の重合性単量体の共重合生成物が挙げられる。更に具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体あるいはスチレン−メタクリル酸系共重合体が好ましい。
スチレン系重合性単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3、4−ジクロロスチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
アクリル酸エステル系重合性単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
前記トナーは、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に不溶なTHF不溶分を、トナー全体に対して1〜60質量%含有されていることが好ましく、さらに、5〜50質量%含有されていることがより好ましい。トナー中に含有されるTHF不溶分が1質量%よりも少ないと、トナーの耐熱特性に悪影響を及ぼすことがあるために好ましくない。
また、トナー中に含有されるTHF不溶分が60質量%以上よりも多いと、定着性が悪化し、このようなトナーでの画像形成が困難であることがある。
本発明でのTHF不溶分とは、樹脂中又はトナー中の、THF溶媒に対して不溶になったポリマー成分(巨大分子ポリマー又は架橋ポリマー)である。THF不溶分は以下のように測定される。
樹脂又はトナーのサンプル0.5〜1.0g(W1)を秤量し、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)にいれて、ソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、抽出された可溶分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量(W2)を秤量する。さらに、顔料のごとき樹脂成分以外の不溶成分の重量(W3)を別途測定しておく。THF不溶分の含有率は、下記式から求められる。
[数5]
THF不溶分(%)=[(W1)−(W2)−(W3)]/(W1)×100
本発明のトナー中に含有されるTHF不溶分を調整するために、以下に例示する架橋性重合性単量体を含有することが好ましい。
架橋性重合性単量体としては、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する重合性単量対が用いられる。架橋性重合性単量体の具体例としては、ジビニルベンゼン、ポリエステル型ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。このような架橋性重合性単量体をトナー粒子の製造時に原料として用いると、架橋された樹脂がトナー粒子中に形成され、THF不溶分となる。これら架橋剤の量を適宜用いて、トナー中に含有されるTHF不溶分をトナー全体に対して1〜60質量%となるように調整して使用する。
本発明に用いられるポリエステル樹脂以外のバインダー樹脂を得るための重合開始剤は、特に限定するものではなく、公知の過酸化物系開始剤や、アゾ系開始剤が使用可能である。これらの重合開始剤の量としては、バインダー樹脂の分子量が適当になるような量を適宜選択するものとする。これら重合開始剤の具体的な使用量は重合性単量体100質量部に対し、0.05質量部〜15質量部、より好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
前記荷電制御剤としては、帯電特性上で効果が得られるものであれば特に限定されず、公知のものが使用できる。荷電制御剤は、用いる荷電制御剤の種類に応じて、前記トナー粒子に材料として配合(内添)しても良いし、前記トナー粒子と混合(外添)しても良い。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤の具体例として下記物質がある。
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキシド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独で、或いは二種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
前記トナー粒子は、水系媒体中で造粒されて製造される、いわゆる重合トナーである。
トナー粒子の具体的な製造方法としては、重合性単量体、架橋剤、重合開始剤、ワックス、ポリエステル樹脂、顔料、及び、その他の添加剤等を混合分散し、懸濁分散安定剤の存在下、水系中で懸濁重合することにより合成し、固液分離、必要に応じて乾燥の後分級を行う方法が挙げられる。その後、外添剤やキャリア粒子を必要に応じて外添することによって、本発明に用いられる現像剤を得ることが出来る。
前記懸濁分散安定剤の具体的な例としては、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。
前記懸濁分散安定剤の具体的な例として、有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。
これらの懸濁分散安定剤は、水相に分散させて使用される。これら懸濁分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10質量部を使用する事が好ましい。
トナー粒子の製造に関し、さらに具体的な達成手段については、実施例中に記載する。
本発明に用いられるトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上の目的で、外添剤をトナー粒子に外添することが好ましい。外添剤の具体的な例としては、シリカ微粉末、疎水化シリカ微粉末、各種樹脂粒子、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらを単独で、あるいは複数を併用して用いることが好ましい。
本発明に好適に用いられる外添剤の微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(特に30〜400m/g)の範囲内のものである。使用量としては、トナー粒子100質量部に対して外添剤が0.01〜8質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部であることが好ましい。
前記外添剤の微粉末は、必要に応じ、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、表面処理剤で処理することが好ましい。表面処理剤の具体例としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で、あるいは混合して使用しても良い。
更に公知の滑剤粉末をトナーに添加しても良い。滑剤粉末としては例えばテフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデンが挙げられる。
更に次に示す公知の無機粉体を添加することも好ましい。このような無機粉体としては、例えばマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。
本願で好適に用いられる前記外添剤の外添方法としては、公知の外添方法が使用可能である。特に好ましくは、機械的に乾式混合する方法で、具体的には、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーを用い、本願のポリエステル樹脂を含有するトナー粒子と外添剤を乾式混合する方法が使用可能である。
本発明では、前記トナーは一成分現像剤として用いても良いし、二成分現像剤として用いても良い。一成分現像剤は、前記トナー粒子と前記外添剤とから構成することができる。二成分現像剤は、前記トナー粒子と前記外添剤とキャリア粒子とから構成することができる。
前記キャリア粒子は、トナー粒子と混合して用いられ、現像に際しトナー粒子の搬送に用いることができる粒子であれば特に限定されない。前記キャリア粒子には、磁性酸化鉄等の磁性粒子のみからなるキャリア粒子、磁性粒子を樹脂で被覆してなるキャリア粒子、及び樹脂中に磁性粒子を分散させてなるキャリア粒子等の、公知のキャリア粒子を用いることができる。
続いて、本願の第二の特徴であるa−Si感光体について、具体的に説明する。
本発明では、静電潜像を担持するための静電潜像担持体として、少なくともアモルファスシリコンを含有する光導電層と、少なくとも非晶質のシリコン及び炭素を含有する表面保護層とを有する静電潜像担持体(いわゆるアモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)とも言う)を用いる。前記a−Si感光体には、導電性支持体と、導電性支持体上に形成される光導電層と、光導電層上に形成される表面保護層とによって構成することができる。
非晶質のシリコンを含有する前記光導電層及び前記表面保護層は、a−Si感光体における公知の製造方法を利用して製造することができる。このような製造方法としては、具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法又はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法等が挙げられる。
本発明に用いられるa−Si感光体は、他の層を有していても良い。また光導電層は、導電性支持体の表面に直接形成されても良いし、他の層を介して導電性支持体上に形成されても良い。同様に表面保護層は、光導電層の表面に直接形成されても良いし、他の層を介して光導電層上に形成されても良い。前記他の層には、例えばa−Si感光体における公知の層が挙げられる。
前記導電性支持体は、導電性を有する部材であって、また光導電層及び表面保護層を支持することができる適度な強度を有する部材であれば特に限定されない。前記導電性支持体としては、例えばアルミニウムやステンレス等の導電性の材料で形成された部材や、プラスチックや紙、セラミックス等の導電性を有さない材料に、導電性材料の蒸着等によって導電性を付与した部材等が挙げられる。導電性支持体の形態としては、感光体の駆動方式などに応じた所望のものとしてよく、例えばドラムや無端ベルト等が挙げられる。
本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有する光導電層を形成するために、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力並びに導電性支持体の温度を適宜設定することができる。以下に、本発明に用いられる光導電層及び表面保護層について、より具体的に説明する。
<光伝導層>
本発明では、その目的を効果的に達成するために導電性支持体上、必要に応じて下引き層(不図示)上に形成され、感光層の少なくとも一部を構成する光導電層は、真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作製することができる。
光導電層を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガス、及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス等の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に必要に応じて所望のガス状態で導入して、前記反応容器内にグロー放電を生起させ、予め所定の位置に設置されてある所定の導電性支持体上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。なお、光導電層には、ホウ素や窒素等の他の原子を、水素やハロゲンと同様に導入しても良い。
<表面保護層>
本発明においては、上述のようにして導電性支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面保護層が形成される。表面保護層は、原料ガスの種類を変えることにより、光導電層と同様に形成することができる。
表面保護層は、アモルファスシリコン(a−Si)系の材料や、例えば、水素原子(H)やハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)やハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)やハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)やハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。これらの中でも、非晶質のシリコンと非晶質の炭素とを含有する表面保護層を本発明において好適に用いることができる。
本発明において、その目的を効果的に達成するために、光導電層と表面保護層は真空堆積膜形成方法によって作製される。光導電層と表面保護層のコントロールは、適宜成膜パラメーターの条件設定によって達成可能である。
例えば、真空堆積膜形成方法においてシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスやハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内
部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、前記反応容器内にグロー放電を生起させ、予め所定の位置に設置された光導電層を形成した導電性支持体上にa−SiC:H,Xからなる層を形成すればよい。
本発明における表面保護層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面保護層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等、電子写真特性の低下がみられる。
<製造装置>
本発明に用いられる静電潜像担持体を製造する製造方法としては、具体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法又はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法等の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
図5に、RF帯を用いた高周波プラズマCVD法(「RF−PCVD」と称する)の装置の一例を示す。このPCVD装置は、堆積装置300、原料ガス供給装置及び排気装置(共に図示せず)を備えている。
堆積装置300には縦型の真空容器からなる反応容器301を有し、この反応容器301内の周囲には内には縦方向の原料ガス導入管303が複数本配設され、ガス導入管303の側面には、長手方向に沿って多数の細孔が設けられている。反応容器301内の中心には、螺旋状に巻線したヒータ302が縦方向に延設され、導電性支持体312は、容器301内の上部の蓋301aを開けて反応容器301内に挿入され、ヒータ302を内側にして反応容器301内に垂直に設置される。また、反応容器301の側面の一方に設けた凸部304から高周波電力が供給される。
反応容器301の下部には、原料ガス導入管303に接続された原料ガス供給管305が取り付けられ、この原料ガス供給管305は、供給バルブ306を介して図示しない前記原料ガス供給装置に接続されている。
また、反応容器301に下部には排気管307が取り付けられ、この排気管307はメイン排気バルブ308を介して図示しない前記排気装置(例えば真空ポンプ)に接続されている。排気管307には、他に真空計309、サブ排気バルブ310が取り付けられている。
図5の装置内に任意の径を有する円筒状の導電性支持体(312)を導入し、この導電性支持体常に原料ガスの構成をCVD法により堆積させることで、導電性支持体表面に、前記光導電層と前記表面保護層とを含む堆積層を形成する。さらに、堆積工程の途中で原料ガスの構成を変化させることによって、組成の異なる堆積層を形成することが可能になる。
本発明に用いられるa−Si感光体には、原子間力顕微鏡で測定される静電潜像担持体の表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.00である静電潜像担持体が用いられる。上記のようなCVD装置を用い、原料ガスの供給量、反応容器内の温度や圧力、放電に要する電力等の諸条件を適宜設定することで、本発明に用いられるa−Si感光体を製造することができる。
一般に平均傾斜Δaの大きい堆積膜表面を形成するための条件としては、(1)堆積膜の成長表面に到達する膜形成の前駆体が十分に表面拡散しない、或いは前駆体の到達量が多く表面拡散する時間が十分に得られない場合、(2)気相重合反応が起き易い条件で堆積膜の形成を行い、気相中で発生した重合体を取り込みながら堆積膜が形成される場合、が挙げられる。
具体的には、高周波電力を大きくする、ガス流量を増加する、圧力を大きくする、基板温度を低くする、膜厚を増加する等が、平均傾斜Δaの大きい堆積膜表面を形成するための条件として考えられる。しかしながら、このような製造条件下では堆積膜の品質低下につながり易く、a−Si感光体を作製した場合に十分な電子写真特性を得るのが困難となり、歩留まりの低下をもたらす場合がある。
特に、(2)の重合体の取り込みはa−Si堆積膜の光劣化を誘発することが示唆されており、できる限り重合体の取り込みを抑制しながらa−Si感光体を作製することが好ましい。即ち、平均傾斜Δaの大きいa−Si感光体を形成するためには、堆積膜の品質をできる限り低下させないように注意深く製造条件の各パラメーターを調整することが必須となる。
また、このような平均傾斜Δaの大きい堆積膜表面を形成するための製造条件は、その効果を考えると感光体の大部分を占める光導電層に採用することが好ましいが、電子写真特性に及ぼす影響が少ない阻止層や表面保護層においてのみ平均傾斜Δaを制御する条件を採用しても良い。
本発明では、前駆体の到達量が多くなる条件を選択しつつ、気相中での重合体の発生量を制御することで、堆積膜の品質をできる限り低下させずに平均傾斜Δaを制御して形成することができる。具体的には、VHF帯域の高周波電力を用い、さらに高周波電力を高低二段にパルス変動させ、且つ、高周波電力の高い方の値を増加させることにより、堆積膜の品質を維持しながら平均傾斜Δaを変化させることができる。
さらに、高周波電力の高低二段の電力値、高周波電力の高い方の値を変化させる変化幅、パルス変動のデューティー比を変化させることにより、平均傾斜Δaを制御したa−Si感光体の作製を達成することができる。
本発明に用いられるa−Si感光体は、平均傾斜Δaが0.12〜1.0であることを特徴とする。この平均傾斜Δaは好ましくは0.15〜0.8であり、より好ましくは0.2〜0.7である。平均傾斜Δaが0.12より小さい場合は、感光体とトナーの間の分子間力が増大し、トナー付着が悪化してしまうことがある。また、平均傾斜Δaが1.0より大きい場合は、凸部分での削れが激しくなり、耐キズ性が低下するだけでなく、デジタル画像の鮮鋭さが悪化してしまうことがある。また、長期耐久使用の初期と後半で表面電位に差を生じるために、画像濃度の低下、カブリの発生が起こってしまうことがある。
また、前述した芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を有するトナーと平均傾斜Δaが0.12〜1.0のa−Si感光体とを組み合わせることで、長期耐久使用においてもトナー成分の付着による感光体劣化が発生しにくくなる。また、前記芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を有するトナーとΔaが0.12〜1.0のa−Si感光体とを組み合わせることで、接触帯電部材が汚染されにくい画像形成方法が達成できる。
本発明における平均傾斜Δaとは、(株)小坂研究所製(1993年3月製造)の表面粗さ測定器SE−3300の取り扱い説明書 第8章「表面粗さの用語とパラメータの定義」8−12項に記載されているように、測定範囲内に存在し、互いに隣接する全ての山と谷において、谷底から山頂までの高低差の総和を測定長さで除したものであり、測定長さをL、粗さ曲線の関数をf(x)とするときに、以下の式で表される。
Figure 2006091319
本発明における平均傾斜Δaは、表面粗さを精密に測定することができる方法を採用することにより求めることができる。例えば平均傾斜Δaは、原子間力顕微鏡(AFM)、例えばQuesant社製 Q−Scope250(Version3.181)、を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、10μm×10μmの測定範囲で、かつサンプルの曲率傾き(tilt)による誤差を避けるように測定した結果であることが好ましい。
具体的には、Quesant社製 Q−Scope250のTilt Removalモードにより、試料のAFM像の持つ曲率を放物線にフィットさせた後、平坦化する補正(Parabolic)と、傾きを除去する補正(Line by line)とを行って得られる。
本発明の画像形成方法は、前述した静電潜像担持体と、静電潜像担持体に接触して設けられ静電潜像担持体を帯電させるための接触帯電部材と、帯電した静電潜像担持体に形成された静電潜像がトナーによって現像されて形成されたトナー像を転写材に転写するための転写部材と、静電潜像担持体に接触して設けられ前記トナー像が転写された後の静電潜像担持体の付着物を除去するためのブレードクリーニング部材とを有する画像形成装置に、前述したトナーを用いることによって行うことができる。
本発明の画像形成方法は、一成分現像方式、及び、二成分現像方式のいずれにも適用することができる。前記画像形成装置は、前述した静電潜像担持体及びトナー以外は、公知の画像形成装置を利用して構成することができる。以下、本発明に用いられる画像形成装置、及び本発明の画像形成方法について、より具体的に説明する。
本発明で好適に用いられる一成分現像方式の画像形成装置の一例として、図1に示す接触現像方式の画像形成装置を例に具体的に説明する。
この画像形成装置は、a−Si感光体100と、a−Si感光体100に接触して設けられているローラの接触帯電部材117と、帯電したa−Si感光体100に静電潜像を形成するための露光装置121と、a−Si感光体100に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー像を形成するための現像装置と、a−Si感光体100に形成されたトナー像を転写材127に転写するための接触転写部材114と、転写後のa−Si感光体100の表面に付着する付着物を除去するためのクリーニング装置と、転写材127に転写されたトナー像129を転写材127に定着させる定着装置128とを有する。
接触帯電部材としては、オゾンレス及び均一帯電を達成する目的から弾性ローラ、弾性ブレード帯電が好ましく、弾性ローラが装置設計及び性能の観点からより好ましく用いられる。接触帯電部材117は、導電性の芯金117bと、芯金117bの周面を被覆する導電性の弾性層117aとから構成されている。芯金117bには電源131が接続され
ている。
接触帯電部材として使用される弾性ローラの弾性は、硬度として表すことができる。その硬度としては、現像性と耐久性の両立の観点から、アスカーC(ASKER C)硬度が20〜65度程度が好ましく、30〜60度が更に好ましい。
弾性ローラの材質としては公知の材質、構造のものが使用可能である。特にシリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きソリッドのゴム弾性体、あるいはこれらの発泡弾性体が好ましく使用される。また、表面に中心部と異なるコート層を有する公知の多層構造ローラも使用できる。また、帯電性付与や搬送性付与の目的で公知の表面処理を施しても良い。
さらには、接触帯電弾性ローラの表面に摺擦するような部材を配置することもよく、例えば、ポリアミドやウレタンのごとき材質の板を接触帯電弾性ローラの表面に当接するように配置することも好ましく使用される。
なお、接触帯電部材は、耐久性と帯電特性の観点から国際ゴム硬さ20〜60の弾性ローラ部材が好ましく、更には、国際ゴム硬さ30〜50でその導電特性は、周方向及び長手方向に対して振れが40%以下のものが好ましい。
国際ゴム硬さとしては、定荷重式の国際ゴム硬さであり、これはJIS K6253の測定方法に従って測定することが可能である。接触帯電部材117の国際ゴム硬さは、弾性層の材料の種類、弾性層の厚さ等によって調整することが可能である。
また、ローラの導電特性は、23℃、湿度55%RH環境下で、5gf/cm荷重をかけた状態で、DC1000Vでの測定を1cm間隔で行った測定結果から求める体積抵抗値を元に、その最大値、及び、最低値の差をローラの導電特性振れとして求めることができる。
接触帯電部材への高圧印加では、感光体の残潜像を除去し、さらに、新たな潜像形成のための整った感光体表面電位が得られるように、バイアス電流を設定する必要がある。そのためには、直流電流印加や直流−交流重畳印加等の方式が好適に使用される。例えば後述する本願の実施例においては、印加するバイアス電流を直流とし、その印加電圧を−800V〜−1500Vに適宜調整して使用した。
露光装置121は、形成すべき画像に応じた画像情報を有するレーザ光123をa−Si感光体100に照射する装置である。
前記現像装置は、トナー142を収容する現像容器140と、現像容器140の開口部に回転自在に設けられているトナー供給部材である現像ローラ104と、現像ローラ104の表面に圧接して配置されている規制部材143と、現像容器140に収容されているトナー142を現像ローラ140に塗布するためのトナー塗布ローラ141とを有する。現像ローラ140及びトナー塗布ローラ141は、例えば共に芯金と芯金の周面を被覆する導電性の弾性層とから構成されており、芯金には、電源133、132がそれぞれ接続されている。現像装置は、現像ローラ104がa−Si感光体100に対して圧接するように配置される。
本発明の画像形成方法におけるトナー供給部材は、トナー供給部材として剛体ローラを用い、静電潜像担持体をベルトのごときフレキシブルなものとした構成や、静電潜像担持体として剛体を、トナー供給部材として弾性体のごときフレキシブルなものを使用する構
成をとることが可能である。
剛体の静電潜像担持体に対して圧接して配置する場合は、トナー供給部材としては弾性ローラが好ましく用いられる。以下、弾性ローラと剛体の静電潜像担持体を組み合わせて使用する系について述べる。
本発明に好適な現像工程は、トナーを担持するトナー供給部材を静電潜像担持体に直接接触させ現像を行うものである。トナー供給部材と静電潜像担持体の回転方向は順方向に設定されている。
弾性ローラの硬度としては、現像性と耐久性の両立の観点から20〜60度(ASKER C)程度が好ましく、30〜60度が更に好ましい。弾性ローラの材質としては公知の材質、構造のものが使用可能である。特にシリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きソリッドのゴム弾性体、あるいはこれらの発泡弾性体が好ましく使用される。また、表面に中心部と異なるコート層を有する公知の多層構造ローラも使用できる。また、帯電性付与や搬送性付与の目的で公知の表面処理を施しても良い。
トナー供給部材の表面形状としては、その表面粗度を制御することが高画質及び高耐久性を両立するために好ましい。トナー供給部材の表面粗度として、例えばJIS B0601で規定されているRa(μm)を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。
前記トナー供給部材の表面粗度Raが3.0を超えると、前記トナー供給部材上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めないことがある。3.0以下にすることでトナー供給部材表面のトナーの搬送能力を抑制し、前記トナー供給部材上のトナー層を薄層化すると共に、前記トナー供給部材とトナーの接触回数が多くなるため、前記トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。トナー供給部材の表面粗度は、例えばトナー供給部材の表面層を形成する材料中に任意の粒径を有する粒子を混入する方法により調整することが可能である。
トナー供給部材上のトナーは、トナー供給部材表面に圧接するよう配置されているトナー規制部材により規制され、トナー供給部材上のトナー層を形成する。
トナー規制部材をトナー供給部材表面へ圧接しトナー供給部材上の層厚を規制する圧力は、トナーのトナー量を一定にし、且つ、トナーに程良い帯電性を付与するように適宜調節することが好ましい。
規制部材の材質としては、所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用でき、また、それらの複合体、例えば、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当たるように貼り合わせるものや、コーティング塗布したものであっても良い。
更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤等を添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラッ
ク、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
また、導電性の規制部材とトナー供給部材の組み合わせで使用する場合は、規制部材とトナー供給部材の間に直流電場及び/又は交流電場を印加することも好ましい。このような電場を印加することによって、形成される薄層の均一性や、均一な帯電性が向上し、より一層充分な画像濃度の達成及びより一層良質の画像を得ることができる。
接触転写部材114は、a−Si感光体100に対向して配置されており、レジストローラ等の部材によって搬送された転写材127をa−Si感光体100に接触させた状態で転写材127に転写バイアスを印加する部材である。接触転写部材114は、接触帯電部材等と同様に、例えば芯金と、芯金の周面を被覆する導電性の弾性層とから構成されており、芯金には電源134が接続されている。
前記クリーニング装置は、例えばa−Si感光体100の表面に当接しているブレードクリーニング部材であるクリーニングブレード120aと、クリーニングブレード120aを支持すると共にクリーニングブレード120aが掻き取ったa−Si感光体100の付着物を収容する廃トナー容器120とから構成されている。
クリーニングブレード120aは、感光体表面に残留する転写残トナー124を除去する目的で配置され、その目的を達成するために、位置や当接圧や材質が適宜決定される。クリーニングブレード120aの当接圧としては通常の圧力で行うことが可能である。また、クリーニングブレードの材質については特に限定するものではなく、公知の弾性体が使用可能である。具体的には、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きソリッドのゴム弾性体、あるいはこれらの発泡弾性体が好ましく、温度変化による硬度変化や寸法の変化の少ない材質が良く耐磨耗性の高いシリコーンゴム、ウレタンゴムがより好ましく使用される。
クリーニングブレードの硬度としては、クリーニング性と耐久性の両立の観点から40〜80度(ASKER C)程度が好ましく、50〜65度が更に好ましい。クリーニングブレードの硬度は、材料の種類やクリーニングブレードの厚さ等によって調整することが可能である。
定着装置128は、例えばヒータを内包する回転自在な定着ローラと、定着ローラに向けて付勢して設けられる加圧ローラとから構成されている。
前記画像形成装置において、a−Si感光体100には前述したa−Si感光体を用い、トナー142には、前述したトナーを用いる。
まずa−Si感光体100が接触帯電部材117によって均一に帯電する。帯電したa−Si感光体100には、露光装置121からのレーザ光123によって静電潜像が形成される。
一方で、現像容器140内のトナー142は、トナー塗布ローラ141により、現像ローラ104上に塗布される。現像ローラ104上のトナーは、現像ローラ104上に圧接するように配置された規制部材143により薄層状に規制される。
この現像ローラ104上のトナーは、現像ローラ104に圧接するよう配置されたa−Si感光体100と接触し、予め露光により静電潜像が形成されたa−Si感光体上の潜像をトナーで顕像化する。a−Si感光体上のトナー像は、接触転写部材114にて、転写材127上に転写される。
転写されたトナー像129を有する転写材127は、搬送ベルト等の搬送部材によって定着装置128に搬送される。定着装置128は、トナー像129を加熱及び加圧することによって転写材127に定着画像を形成する。
一方、転写されずにa−Si感光体100上に残留する転写残トナー124は、クリーニングブレード120aにより掻き取られて廃トナー容器120に収納される。クリーニングされたa−Si感光体100は前記作用を繰り返してさらなる画像形成が行われる。
本願で好適に用いられる一成分現像方式の他の例として、図2に示す非磁性一成分ジャンピング現像方式の画像形成装置を例に具体的に説明する。
この画像形成装置は、図2に示すように、a−Si感光体1と、接触帯電部材2と、レーザ光3をa−Si感光体1に照射するための露光装置と、現像装置4と、トナー像を転写材13に転写させるための接触転写部材9と、定着装置12と、転写後のa−Si感光体1に当接するクリーニングブレード10を備えたクリーニング装置11とを有する。この画像形成装置は、現像装置4以外は、図1に示した画像形成装置と実質的に同様に構成されている。
現像装置4は、トナー8を収容する現像容器14と、現像ローラ5と、規制部材7と、トナー塗布ローラ6と、現像容器14に収容されているトナーをトナー塗布ローラ6及び現像ローラ5に向けて搬送し、かつ攪拌する攪拌装置19とを有する。攪拌装置19を有する以外は、図1中の現像装置と実質的に同様に構成されている。
図1の接触現像方式の画像形成装置と、図2の非磁性一成分ジャンピング現像方式の画像形成装置との差は、図2において、a−Si感光体1と現像ローラ5とが微小なギャップをもって離れて設置されている点にある。
a−Si感光体1と現像ローラ5とが対向する領域である現像領域において、トナーはa−Si感光体1上に形成された静電潜像を顕像化するが、このとき、現像領域においてトナーを飛翔させるために、直流に交流を重畳させた現像バイアスが現像ローラ5に印加されていることが特徴である。
本願で好適に用いられる二成分現像方式の画像形成装置の例としては、一例として図3に示すような現像構成を有する画像形成装置が挙げられる。
この画像形成装置は、図3に示すように、a−Si感光体1と、接触帯電部材2と、現像装置と、転写後のa−Si感光体1の転写残トナーを除去するためのクリーニングブレード56を備えたクリーニング装置とを有する。現像装置以外は、この画像形成装置は、前述した画像形成装置と実質的に同様に構成されている。
現像装置は、現像剤を収容する現像容器40と、現像スリーブ41と、規制部材42と、現像容器40内の現像剤を攪拌するための二つの攪拌部材43、44と、現像容器40に収容されている現像剤におけるトナーとキャリア粒子との比率を検出するトナー濃度検出手段45と、現像容器40に収容されている現像剤に補給すべきトナーを収容するトナー容器50と、トナー容器50の開口部を現像容器40に対して開閉するための排出弁51とを有する。
現像容器40内には、キャリア粒子とトナーが混合された現像剤が収容されている。キャリア粒子としては特に限定するものではないが、一般的には磁性を有し、その体積平均
粒径は20乃至80μmのものである。また、現像剤中のトナーとキャリア粒子の比率は、トナー濃度検出手段45によりトナー容器50の排出弁51を制御することにより5乃至15%程度に一定に保たれる。
この現像剤は、攪拌部材44、及び43により攪拌されながら搬送され、現像スリーブ41に供給される。この現像スリーブ41は磁化されており、現像スリーブ41の周方向にS極とN極が混在するように磁極配置されているものである。現像剤は現像スリーブ41の磁極配置に従って磁気穂立ちし、対向するa−Si感光体1の表面に、レーザ光3の照射によって予め形成された静電潜像を顕像化する。
顕像化されたトナー像は、接触転写部材部分で不指示の転写材上に転写され、不指示の定着装置で定着され永久画像が形成される。
また、転写後のa−Si感光体1はクリーニングブレード56によりブレードクリーニングされ、その後、接触帯電部材2により不図示の外部電源より高圧印加され、一次帯電される。
本発明の画像形成方法は、フルカラー画像形成方法に使用することも可能である。本発明で好適に用いられるフルカラー画像形成方法には、例えば図4に示す画像形成装置を用いることができる。
この画像形成装置は、図1、図2、図3で示した画像形成装置の一部又は全部の構成を、図4に示すようにタンデム状に配置することによって、タンデム型のフルカラー画像形成装置として構成される。
この画像形成装置は、図4に示すように、四つの画像形成ユニット58Y、58M、58C、及び58Kと、各画像形成ユニットにおけるトナー像の転写位置に転写材51を順に搬送する搬送ベルト57と、各画像形成ユニットで順次転写されたトナー像を有し、搬送ベルト57によって搬送された転写材51に前記トナー像を定着させる定着装置65とを有する。
転写材51は、給紙トレイ52に収容されており、給紙ガイド54によって搬送ベルト57まで搬送される。搬送ベルト57は、二つのローラ55、56によって張設されている。
また前記画像形成装置は、未定着のトナー像の画像濃度及びレジストレーションを検出する濃度検知装置80と、搬送ベルトの駆動を制御するためのサンプリング制御部31と、演算処理部32と、制御部30と、画像形成ユニットにおける静電潜像及びトナー像の形成を制御するための画像制御部33とを有する。
各画像形成ユニットは、a−Si感光体59と、接触帯電部材60と、露光装置61と、現像装置62と、搬送ベルト57を介してa−Si感光体59に対向して配置されている接触転写部材63と、転写後のa−Si感光体59に残留する転写残トナーを除去するためのクリーニング装置64とを有する。各画像形成ユニットにおける露光装置61と現像装置62は、画像制御部33に接続されている。また画像形成ユニット58Yの現像装置62にはイエロートナー(又はイエロー現像剤)が収容されており、画像形成ユニット58Mの現像装置62にはマゼンタトナー(又はマゼンタ現像剤)が収容されており、画像形成ユニット58Cの現像装置62にはシアントナー(又はシアン現像剤)が収容されており、画像形成ユニット58Kの現像装置62にはブラックトナー(又はブラック現像剤)が収容されている。
画像制御部30により制御した現像タイミングで順次画像形成を行うことで、転写材54上に各色で顕像化されたトナーを順次転写する。このようにして、転写材54上に各色の画像を重ねた後、定着装置65でトナー像を転写材に定着する。トナー像が定着された転写材は排出トレイ53に排出される。かくして永久画像を得ることができる。
また、フルカラー画像形成装置には、図1、図2、図3で示した画像形成装置の構成の一部又は全部を、中間転写体を用いる公知の逐次現像、転写方法(不図示)でのフルカラー画像形成に適用し、構成された画像形成装置を使用してもよい。
以下、本発明を具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
[感光体製造例1]
以下に、本実施例に用いたa−Si感光体の製造例を示す。
図5に示したa−Si感光体成膜装置に、導電性支持体として、直径30mmのAlの導電性支持体を導入した。その後、排気装置(不図示)により排気し、堆積装置(300)内を混合ガス1により置換した。混合ガス1の組成及び流量としては、SiHガスを50mL/min、Hガスを25mL/min、Bガスを900mL/min、NOガスを5mL/minとした。次いで、発振周波数105MHzの高周波電源を用い、第一の光導電層を形成した。
さらに混合ガス1を混合ガス2に変更して、第一の光導電層に連続して形成される第二の光導電層の形成を行った。混合ガス2の組成及び流量としては、SiHガスを190mL/min、Hガスを950mL/min、Bガスを2mL/minとした。このとき、高周波電力を高低二段にパルス変動(周波数1KHz)させ、高周波電力の高い方の値PHを1000〜1500Wの範囲内で変化させ、低い方の値PLを200Wに設定し、デューティー比[PH印加時間/(PH印加時間+PL印加時間)]を70%に設定した。
続いて、混合ガス2を混合ガス3に変更し表面保護層の形成を行った。混合ガス3の組成及び流量としては、SiHガスを5mL/min、CHガスを15mL/minとした。
Δaを制御したa−Si感光体は、VHF帯域の高周波電力を用い、さらに高周波電力を高低二段にパルス変動させ、かつ、高周波電力の高い方の値を増加させることにより達成できる。本製造例における光導電層及び表面保護層の形成時におけるガスの種類及び流量と、それぞれの層の形成条件とを表1に示す。
このようにして得られた感光体1の10μm×10μm範囲の平均傾斜ΔaをAFMにより測定したところ、Δaは0.33であった。得られた感光体1について、表面保護層の形成条件と平均傾斜Δaの測定結果とを表2に示す。
[感光体製造例2、3、及び比較感光体製造例1、2]
高周波電力の高い方の値PHと、低い方の値PL、及び、デューティー比を表2に示すように変化させる他は、感光体製造例1と同様にして、感光体2〜3、及び比較感光体1〜2を製造した。得られた感光体2、3、及び比較感光体1、2について、表面保護層の形成条件と平均傾斜Δaの測定結果とを表2に示す。
Figure 2006091319
Figure 2006091319
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1]
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内に置いたガラス製4リットルの4つ口フラスコに、イソフタル酸65.3質量部、エチレングリコール18.0質量部を混合し、温度100℃で溶解し、減圧し、脱水を行った。その後50℃に冷却後、窒素雰囲気下で、チタンテトラメトキシド17.2質量部を加えた。その後、減圧させ、反応生成物であるメタノールを留出し、芳香族カルボン酸チタン化合物(1)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例2]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1において、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンテトラ−n−ブトキシド34.0質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1と同様にして反応させ、生成したブタノールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物(2)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1において、イソフタル酸をテレフタル酸に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1と同様にして反応させ、生成したメタノールを留出し、芳香族カルボン酸チタン化合物(3)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例4]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1において、イソフタル酸65.3質量部をテレフタル酸166.6質量部に、エチレングリコール18.0質量部を10質量部に、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンジエトキシジメトキシド(ジエチルジメチルチタネート)22.8質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1と同様にして反応させ、生成したアルコールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物(4)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例5]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3において、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンテトラ−n−プロポキシド28.4質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3と同様にして反応させ、生成したプロパノールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物(5)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例6]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3において、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンテトラ−n−ブトキシド34.0質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3と同様にして反応させ、生成したブタノールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物(6)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例7]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3において、エチレングリコール18.0質量部を40.0質量部に、チタンテトラメトキシド17.2質量部をテトラ−n−ブチルポリチタネート75.9質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例3と同様にして反応させ、生成したブタノールを留出し、芳香族カルボン酸チタン化合物(7)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例8]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1において、イソフタル酸65.3質量部をトリメリット酸105.0質量部に、エチレングリコール18.0質量部を25.0質量部に、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンテトラ−n−プロポキシド28.4質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1と同様にして反応させ、生成したプロパノールを留出させ、芳香族カルボン酸チタン化合物(8)を得た。
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例9]
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1において、イソフタル酸65.3質量部をm−オキシ安息香酸110.4質量部に、エチレングリコール18.0質量部を40.0質量部に、チタンテトラメトキシド17.2質量部をチタンテトラ−n−ブトキシド34.0質量部に変更させること以外は芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1と同様にして反応させ、生成したブタノールを留出し、芳香族カルボン酸チタン化合物(9)を得た。
[比較化合物の製造例1]
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内に置いたガラス製4リットルの4つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物70.0質量部、エチレングリコール20質量部を混合し、温度100℃で溶解し、減圧し、脱水を行った。その後50℃に冷却後、窒素雰囲気下で、チタンテトラメトキシド17.2質量部を加えた。その後、減圧させ、反応生成物であるメタノールを留出し、比較化合物(1)を得た。
芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例について、表3にまとめる。
Figure 2006091319
[ポリエステル樹脂の合成例1]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装着した反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物694部、テレフタル酸303部及び芳香族カルボン酸チタン化合物(1)1部を入れ、230℃で窒素気流下において、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで5〜20mmHg(6.7×10〜2.7×10Pa)の減圧下で反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸27部を加え、常圧で密閉して1時間反応させた。その後取り出して本発明のポリエステル樹脂(1)を得た。
ポリエステル樹脂(1)は淡黄褐色の樹脂であり、ガラス転移温度Tgは68℃、ピーク分子量は9,500、ピーク分子量とTgの比は140℃−1であった。また、酸価は12mgKOH/g、水酸基価は17mgKOH/gであった。ポリエステル樹脂(1)の処方及び物性を表4に示す。
[ポリエステル樹脂の合成例2]
ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物を679部に、テレフタル酸303部をイソフタル酸318部に換える他は、ポリエステル樹脂の合成例1と同様にしてポリエステル樹脂(2)を合成した。ポリエステル樹脂(2)の処方及び物性を表4に示す。
[ポリエステル樹脂の合成例3〜12]
ポリエステル樹脂の合成例1において、表4に示す処方を変更した他は、ポリエステル樹脂の合成例1と同様にしてポリエステル樹脂(3)〜(12)を合成した。ポリエステル樹脂(3)〜(12)の処方及び物性を表4に示す。
[比較用ポリエステル樹脂の合成例1]
ポリエステル樹脂の合成例1において、Tgが48℃になるよう表4の処方を変更した他はポリエステル樹脂の合成例1と同様にしてポリエステル比較樹脂(1)を合成した。ポリエステル比較樹脂(1)の処方及び物性を表4に示す。
[比較用ポリエステル樹脂の合成例2]
ポリエステル樹脂の合成例1において、表4に示す処方を変更した他は、ポリエステル
樹脂の合成例1と同様にしてポリエステル比較樹脂(2)を合成した。ポリエステル比較樹脂(2)の処方及び物性を表4に示す。
Figure 2006091319
[トナーの製造例1]
先ず、下記の手順によって重合トナーを作製した。
60℃に加温したイオン交換水900gに、リン酸マグネシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
一方で、下記処方を60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 80質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・カーボンブラック(Printex 35:デグッサ社製) 8.5質量部
・アゾ系金属錯体(ボントロンS−34:オリエント化学社製) 2質量部
・ポリエステル樹脂(1) 8質量部
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 15質量部
・ジビニルベンゼン 0.3質量部
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置を用いて攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、前記重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してブラックトナーの母体粒子を得た。
上記ブラックトナーの母体粒子100質量部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合してトナー(1)を得た。トナー(1)の処方及び物性を表5に示す。
[トナーの製造例2〜14、及び比較トナーの製造例1、2]
トナーの製造例1において、ポリエステル樹脂に関して表5に示す処方に変更する他は、トナーの製造例1と同様にして、トナー2〜14及び比較トナー1,2を得た。これらのトナーの処方及び物性を表5に示す。
[トナーの製造例15〜17]
トナーの製造例1において、カーボンブラックの代わりに、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントブルー15:3のそれぞれを14質量部使用する他は、トナーの製造例1と同様にしてトナー(15)〜(17)を得た。これらのトナーの処方及び物性を表5に示す。
[トナーの製造例18〜20]
トナーの製造例5において、カーボンブラックの代わりに、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントブルー15:3のそれぞれを14質量部使用する他は、トナーの製造例1と同様にしてトナー(18)〜(20)を得た。これらのトナーの処方及び物性を表5に示す。
[比較トナーの製造例3]
比較トナーの製造例1において、リン酸マグネシウム3質量部に替えて、リン酸カルシウム12質量部を用いる他は、比較トナーの製造例1と同様にして比較トナー(3)を得た。比較トナー(3)の処方及び物性を表5に示す。なお、表5中の「PES量」とはト
ナーの製造例における処方中のポリエステルの量を表す。
Figure 2006091319
[画像形成装置の例1]
図2に示す非磁性一成分ジャンピング方式の画像形成装置において、a−Si感光体1には、直径30mmの円筒状のa−Si感光体である感光体(1)を使用し、ブレードクリーニング部材10には、厚み3.5mmのウレタンブレードを、線圧が30g/cmとなるように設けて用い、接触帯電部材である帯電ローラ2には、直径12mmの円柱状のローラであり、国際ゴム硬さが40であり、体積抵抗が10Ω・cmであり、EPDMの弾性層を有し、さらに表面離型層を有する導電性のローラを用い、接触転写部材9には、発砲スポンジローラの弾性層を有する直径16mmの円柱状の導電性のローラを使用した。このような構成の画像形成装置を画像形成装置(1)とした。
[画像形成装置の例2、3]
感光体1として、表6に示す感光体を使用する他は、画像形成装置(1)と同様にして画像形成装置(2)及び(3)を構成した。
[画像形成装置の例4]
図1に示す非磁性一成分接触現像方式の画像形成装置において、a−Si感光体100
には、直径30mmの円筒状のa−Si感光体である感光体(1)を使用し、ブレードクリーニング部材120aには、厚み3.5mmのウレタンブレードを、線圧が30g/cmとなるように設けて用い、現像ローラ104には、直径16mmの円柱状のローラであって、国際ゴム硬さが45であって、表面層を有し、さらにシリコーンゴムの弾性層を有するローラを使用し、接触帯電部材である帯電ローラ117には、直径16mmの円柱状のローラであって、国際ゴム硬さが40であり、体積抵抗が10Ω・cmであり、表面離型層を有し、さらにEPDMの弾性層を有する導電性のローラを使用し、接触転写部材114には、直径16mmの円柱状のローラであって、発砲スポンジの弾性層を有する導電性のローラを用いた。現像ローラ104は、感光体100に対して2mm幅のニップを持って接触し、且つ、a−Si感光体100に対し135%の速度で回転するように設けられている。このような構成の画像形成装置を画像形成装置(4)とした。
[画像形成装置の例5]
感光体100として、表6に示す感光体を使用する他は、画像形成装置(4)と同様にして画像形成装置(5)を構成した。
[画像形成装置の例6]
図3に示す二成分現像方式の画像形成装置において、a−Si感光体1には、直径30mmの円筒状のa−Si感光体である感光体(1)を使用し、ブレードクリーニング部材56には、厚み3.5mmのウレタンブレードを、線圧が25g/cmとなるように設けて用い、現像スリーブ41には、直径14mmの円筒状のスリーブであって、表面層を有し、内部に不動のマグネットローラを有する導電性のスリーブを使用し、接触帯電部材である帯電ローラ2には、直径16mmの円柱状のローラであって、国際ゴム硬さが40であり、体積抵抗が10Ω・cmであり、表面離型層を有し、EPDMの弾性層を有する導電性のローラを使用し、接触転写部材には、直径16mmの円柱状のローラであって、発砲スポンジの弾性層を有する導電性のローラを用いた。
現像スリーブ41は、a−Si感光体1に対してギャップ幅を0.35mmとなるよう非接触に設けられ、a−Si感光体1に対して逆方向に回転するように設けられている。また、二成分現像剤は、耐久中にトナーを適宜補給することで、トナーとキャリア粒子の比率が常に7%になるように調整して使用した。キャリア粒子には体積平均粒径が60μmのフェライトを樹脂で被覆したフェライトコートキャリア粒子を使用した。このような構成の画像形成装置を画像形成装置(6)とした。
[比較画像形成装置の例1、2]
a−Si感光体1として、表6に示す比較感光体(1)及び(2)を使用する他は、画像形成装置(1)と同様にして、比較画像形成装置(1)及び(2)を構成した。
[比較画像形成装置の例3]
a−Si感光体1として、比較感光体(1)を使用し、且つ、ブレードクリーニング部材10の代わりに、直径12mmの円柱状のファーブラシを使用する他は、画像形成装置(1)と同様にして比較画像形成装置(3)を構成した。
画像形成装置(1)〜(6)、及び比較画像形成装置(1)〜(3)の主な構成を表6に示す。
Figure 2006091319
[実施例1]
画像形成装置として、画像形成装置(1)を、トナーとしてトナー(1)を使用し、常温低湿環境(23℃、5%RH)及び高温高湿環境(31℃、80%RH)にて画像形成試験を行った。評価用の転写材にはA4版の普通紙を横向きに用い、評価耐久枚数はA4ヨコ送りで10万枚とした。得られた画像を、以下の項目について、以下に示す基準により評価した。本例で用いた画像形成装置及びトナー、及び評価結果を表7に示す。
(1)濃度
10枚目のべた黒パターンのサンプル内の5点の濃度を測定し、平均値を求めた。画像の濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を用いて測定し、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度として表した。
A:非常に良好 濃度が1.5以上
B:良好 濃度が1.4以上1.5未満
C:可 濃度が1.25以上1.4未満
D:実用上問題なし 濃度が1.2以上1.25未満
E:不可 濃度が1.2未満
(2)カブリ
「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度との差からカブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。
A:非常に良好 1.0%未満
B:良好 1.0%以上、2.0%未満
C:実用可 2.0%以上、3.0%未満
D:実用難あり 3.0%以上、4.0%未満
E:実用不可 4%以上
(3)ライン再現性
ライン幅0.5mmの横線ベタライン画像を10mm間隔で出力し、出力画像のライン幅の計測を行った。耐久によって画像が太っていく程度を、得られた結果の太り幅を元に数値化した。数値化は初期の画像を100としてパーセントで表すことによって行った。得られた数値に基づいてラインの再現性を評価した。
A:非常に良好 105%未満
B:良好 105%以上、110%未満
C:可 110%以上、115未満
D:実用上問題なし 115%以上、120未満
E:実用困難 120%以上
(4)転写性
図6(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(128g/m)にプリントした際の文字の中抜けを目視で評価した。なお、中抜けが発生した場合の一例を図6(b)に示す。
A:非常に良好 (ほとんど発生せず)
B:良好 (軽微)
C:実用可
D:実用難あり
E:実用不可 (顕著)
(5)帯電汚染
一次帯電器の汚染状態と、その汚染が原因となる画像への影響とについて目視で評価した。
A:非常に良好 汚染がほとんどなく、画像欠陥も全く発生していない
B:良好 汚染が若干確認できるが、画像への影響はない
C:実用上問題なし 転写抜けが著しいが問題にならないレベル
D:実用可 汚染があるが、画像への影響は微少である
E:実用不可 汚染が著しく、一次帯電不良による画像欠陥を生じる
(6)感光体への融着
感光体の表面を目視で観察し、感光体の表面におけるトナー成分の融着について評価した。
A:非常に良好 融着が認められない
B:良好 融着が認められるが画像の形成に殆ど影響を及ぼさないレベル
C:実用上問題なし 融着が認められるが画像の形成には問題にならないレベル
D:実用可 融着が認められるが画像の形成に著しい問題にはならないレベル
E:実用不可 融着が認められ画像の形成に著しく問題になるレベル
[実施例2〜25、及び比較例1〜12]
表7に示す画像形成装置とトナーとを組み合わせて用いる他は、実施例1と同様にして画像形成試験と画像評価を行った。これらの例で用いた画像形成装置及びトナー、及び評価結果を表7及び表8に示す。
Figure 2006091319
Figure 2006091319
以上のように、平均傾斜が0.12〜1.0のアモルファスシリコン感光体と、前記芳
香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂を少なくとも含有する、重量平均粒径が4〜10μm、Tgが50〜90℃のトナーとを組み合わせることで、例えば低湿環境下及び高湿環境下でのカブリ、濃度、ライン再現性が良好であることから明らかなように帯電の立ち上がりが良く、また例えば高湿環境下でのカブリ、濃度、転写性から明らかなように着色剤の分散に優れた画像形成を行うことができる。
特に、このような帯電性の立ち上がりに優れるトナーと、平均傾斜Δaが0.12〜1.0のアモルファスシリコン感光体とを組み合わせることで、帯電性が適切で、カブリの抑制と十分な画像濃度の画像の形成に優れ、更に、転写においても高い効率で転写が可能な画像形成方法が達成できる。
さらに、本願の実施例によれば、耐久による現像剤の劣化が少なく、帯電部材の汚染も問題のない画像形成が達成できる。これは、トナーのポリエステルのガラス転移温度が適切な範囲にあることでトナーの劣化が起こりにくく、更に、トナー粒子が芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有することで、より均一な電荷を長期にわたって保持できているためであると考えられる。
このような結果が得られたもう一つの理由としては、本願の実施例で用いたトナーが水系媒体中で造粒されたものであることで、本願の実施例で用いられたポリエステル樹脂中に含有される芳香族カルボン酸チタン化合物(a)の特性が、トナーの表面特性に良好な影響を及ぼしていることによるものと考えられる。
さらに本実施例で用いられたトナーは何れも耐久性が良い結果が得られたが、これは、ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが適当な範囲であり、且つ、ポリエステル樹脂の分子量も良好な範囲にあることと、アモルファスシリコン感光体のΔaが本願の実施例で用いられたトナーにとって適切な関係にあったためであると考えられる。
また、耐久性及び帯電特性が良好な理由としては、本願の実施例で用いられたトナー中のポリエステル樹脂酸価(AV)と水酸基価(OHV)が適当な範囲にあるために、水系媒体中で造粒したトナーの表面状態を良好にしたことが原因と考えられる。
[実施例26]
画像形成装置として、画像形成装置(1)の一部の構成を、図4に示すようにインライン配置で並べてフルカラーの画像形成装置を構成し、トナーとして、トナー(1)、トナー(15)、トナー(16)、トナー(17)を使用して、常温低湿環境(23℃、10%RH)及び、高温高湿環境(30℃、85%RH)にて、フルカラーの画像形成試験を行った。評価用の転写材にはA4版の普通紙をたてに用い、評価耐久枚数はA4たて送りで5万枚とした。耐久で得られた画像の評価を、前述した項目について、前述した基準により評価した。本例で用いた画像形成装置及びトナー、及び評価結果を表9に示す。
[実施例27]
現像装置62には、画像形成装置(4)の現像装置を用い、トナーには、トナー(3)、トナー(18)、トナー(19)、トナー(20)を使用する他は、実施例26と同様にして、フルカラーの画像形成試験を行い、評価した。本例で用いた画像形成装置及びトナー、及び評価結果を表9に示す。
Figure 2006091319
以上の結果から、本願の実施例によって、良好なカラー画像出力をさまざまな環境下で
長期にわたり安定に出力できることが明らかになった。
このような結果が得られた理由としては、各色トナーにおいて、芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有するポリエステル樹脂をトナー中に含有することから、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各々の顔料分散性に優れ、且つ、良好な帯電性と転写性が得られ、且つ、これらトナーの帯電性が適切で、本願のアモルファスシリコン感光体との相性にも優れているために、高画質、高精細フルカラー画像を、高い耐久性で達成することが可能になったものと考えられる。
本発明に好適な非磁性一成分画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に好適な非磁性一成分画像形成装置の他の例を示す概略図である。 本発明に好適な二成分用画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に好適なフルカラー用画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に用いられる静電潜像担持体を製造するのに好適な成膜装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施例における画像形成の転写性の評価に用いた文字パターン、及びその文字パターンにおいて中抜けが発生した場合の一例を示す図である。
符号の説明
1、59、100 a−Si感光体(静電潜像担持体)
2、60、117 接触帯電部材
3、123 レーザ光
4、62 現像装置
5、104 現像ローラ
6、141 トナー塗布ローラ
7、42、143 規制部材
8、142 トナー
9、63、114 接触転写部材
10、56、120a クリーニングブレード(ブレードクリーニング部材)
11、64 クリーニング装置
12、65、128 定着装置
13、51、127 転写材
14、40、140 現像容器
19 攪拌装置
30 制御部
31 サンプリング制御部
32 演算処理部
33 画像処理部
41 現像スリーブ
43、44 攪拌部材
45 トナー濃度検出手段
50 トナー容器
51 排出弁
52 給紙トレイ
53 排出トレイ
54 給紙ガイド
55、56 ローラ
57 搬送ベルト
58Y、58M、58C、58K 画像形成ユニット
61、121 露光装置
80 濃度検知装置
117a 弾性層
117b 芯金
120 廃トナー容器
124 転写残トナー
129 トナー像
131〜134 電源
300 堆積装置
301 反応容器
303 原料ガス導入管
302 ヒータ
312 導電性支持体312
301a 蓋
304 凸部
305 原料ガス供給管
306 供給バルブ
307 排気管
308 メイン排気バルブ
309 真空計
310 サブ排気バルブ

Claims (10)

  1. 静電潜像を担持するための静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体に接触して設けられ静電潜像担持体を帯電させるための接触帯電部材と、帯電した前記静電潜像担持体に形成された静電潜像がトナーによって現像されて形成されたトナー像を転写材に転写するための転写部材と、前記静電潜像担持体に接触して設けられ前記トナー像が転写された後の静電潜像担持体の付着物を除去するためのブレードクリーニング部材とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する方法であって、
    前記静電潜像担持体には、少なくともアモルファスシリコンを含有する光導電層と、少なくとも非晶質のシリコン及び炭素を含有する表面保護層とを有し、原子間力顕微鏡で測定される静電潜像担持体の表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.0である静電潜像担持体を用い、
    前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーで現像し、このトナー像を転写材に転写して画像を形成する画像形成方法において、
    前記トナーには、前記トナーの重量平均粒径が4〜10μmであり、着色剤、離型剤、及びポリエステル樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーを用い、
    前記トナー粒子には、水系媒体中で造粒されたトナー粒子を用い、
    前記ポリエステル樹脂には、少なくとも芳香族カルボン酸チタン化合物(a)を含有し、かつ前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが50〜90℃であるポリエステル樹脂を用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記芳香族カルボン酸チタン化合物(a)は、芳香族カルボン酸(b)とチタンアルコキシド(c)との反応物であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記芳香族カルボン酸(b)は、二価以上の芳香族カルボン酸及び芳香族オキシカルボン酸のいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記チタンアルコキシド(c)は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成方法。
    Figure 2006091319
    (一般式(1)において、R、R、R及びRは、炭素数1乃至20のアルキル基であり、それぞれ同一であっても、異なってもよく、また、置換基を有してもよい。nは1乃至10である。)
  5. 前記ポリエステル樹脂には、GPCにより測定されるピーク分子量Mpと、示差熱分析による前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgとの比(Mp/Tg)の値が、35乃至500であるポリエステル樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記ポリエステル樹脂には、前記ポリエステル樹脂の酸価(AV)と、前記ポリエステル樹脂の水酸基価(OHV)との和が3〜70(mgKOH/g)であるポリエステル樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記ポリエステル樹脂は、トナー粒子中に2質量%〜45質量%含有されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記トナーには、前記トナーの円形度が0.970〜0.990であるトナーを用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記接触帯電部材には、国際ゴム硬さが20〜60の弾性ローラ部材を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記ブレードクリーニング部材には、国際ゴム硬さが40〜80の弾性体ブレードを用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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JP2015001576A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 キヤノン株式会社 ブラックトナーの製造方法
JP2020187341A (ja) * 2019-05-09 2020-11-19 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー及びトナーの製造方法

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