JP2006090464A - ディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制動力発生時の振動等を効果的に防ぐディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体を提案することを目的とする。
【解決手段】 ブレーキパッド15とマウンティング50の間には形状記憶合金によって形成されるサポート板バネ40が配置される。サポート板バネ40は、ブレーキパッド15を保持するとともに、マウンティング50によって保持される。低温時には、サポート板バネ40がブレーキパッド15を堅固に保持して、ブレーキパッド15の拘束は比較的強い。一方、制動力の発生によりサポート板バネ40が所定の高温域に達すると、サポート板バネ40は熱変形してブレーキパッド15の保持力を低減するので、ブレーキパッド15の拘束は弱くなる。これにより、ディスクロータの肉厚差が進行する高温時にはブレーキパッド15の追従性が向上し、ブレーキ振動等が抑制される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ディスクロータに摩擦体を押し当てて制動力を発生させるディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体に関する。
摩擦体を有するブレーキパッドをディスクロータに押し当てて制動力を発生させるディスクブレーキ装置では、ディスクロータとブレーキパッドを各々の形状に応じて適切に接触させることが大切である。一般に、ディスクロータの肉厚差やブレーキパッドの偏摩耗が進行すると、振動やブレーキ鳴きなどの振動音が誘発され乗り心地が損なわれることがある。特にディスクロータの肉厚差やブレーキパッドの形状は、その温度によって変動してしまうことがあり、例えば常温時の肉厚差が10(μm)程度であっても、200(℃)程度にまで温度が上昇すると肉厚差が30(μm)程度にまで大きくなることがある。したがって、温度変動の激しい制動時には体感可能な程度の振動や振動音をディスクブレーキ装置が発することがある。
そのため、ディスクロータとブレーキパッドの接触状態を調整して、振動やブレーキ鳴きなどの振動音を防ぐための技術が従来からいくつか提案されている。例えば特許文献1では、ブレーキ鳴きの発生を防止するために、降温過程における所定の高温域で摩擦体のロータ回転方向側の両端部をディスクロータから離間する方向へ変形させるディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体が提案されている。その他にも、制動力発生時の振動等を抑制するための技術が従来からいくつか提案されている(特許文献2〜特許文献5参照)。
特開平8−210398号公報 実開昭63−128329号公報 特開平11−344057号公報 特開平4−191538号公報 特公平2−28739号公報
従来から提案されている技術を駆使しても制動力発生に伴う振動や振動音を完全に防ぐことは難しい。特に、「ディスクロータの肉厚差に対してブレーキパッドを柔軟に対応させること」と「ブレーキパッドをキャリパにより適切に支持させてキャリパとブレーキパッドの衝突音(「キャリパ打音」とも表記する)を防ぐこと」を両立させることは非常に難しい。そのため、制動力発生時の振動等を効果的に防ぐ技術を従来とは異なる観点から提案することは非常に有意義である。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、制動力発生時の振動等を効果的に防ぐディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体を提案することにある。
本発明の一態様はディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体に関する。このディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体は、ディスクロータに対して接離可能に配置される摩擦体と、前記摩擦体を支持して当該摩擦体の変動を拘束する支持体と、を備え、前記支持体は、温度上昇に伴って前記摩擦体の可動性を高めることを特徴とする。
ディスクブレーキ装置において制動力を発生させる際、摩擦体はディスクロータの肉厚が大きい部分に強く接触しやすいため、ディスクロータの肉厚が大きい部分は肉厚が小さい部分よりも温度が上昇して、ディスクロータの肉厚差は更に大きくなる傾向がある。制動力発生時に摩擦体やディスクロータの温度が上昇すると、支持体の温度も上昇する。従って、支持体の温度上昇時に摩擦体の可動性を高めることで、ディスクロータの肉厚差に対して摩擦体を柔軟に対応させることができる。なお、「支持体の温度上昇」と「摩擦体の可動性」の対応関係は、「ディスクロータと摩擦体の接触時における振動や振動音の程度」、「制動力発生時のディスクロータ、摩擦体、あるいは支持体の温度特性」、「ディスクロータの温度と肉厚差」、等に応じて適宜決定することが可能であり、ディスクロータや摩擦体の形状や材質などの態様に応じて決定することもできる。
本発明の別の態様もディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体に関する。このディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体は、ディスクロータに対して接離可能に配置される摩擦体と、前記摩擦体を支持して当該摩擦体の変動を拘束する支持体と、を備え、前記支持体は、前記ディスクロータの肉厚差に対する前記摩擦体の追随性が確保されるように、温度に応じて前記摩擦体の変動の拘束の程度を調整することを特徴とする。
当該ディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体によれば、摩擦体の変動の拘束の程度が支持体の温度に応じて調整され、温度に応じて肉厚差が変動しうるディスクロータに対する摩擦体の追随性が確保される。なお、支持体によって拘束される摩擦体の変動方向は、ディスクロータの肉厚差に対する摩擦体の追随性に影響を及ぼす方向が含まれる。
前記支持体は、マウンティングと、前記マウンティングと前記摩擦体との間に配置されるサポート部材と、を有し、前記サポート部材は、前記マウンティングに固定されるとともに前記摩擦体を保持して前記変動を拘束し、温度に応じて前記摩擦体の変動の拘束の程度を調整するものであってもよい。
この場合、サポート部材が摩擦体を保持するとともに前記摩擦体の変動の拘束の程度を調整することで、温度に応じて肉厚差が変動しうるディスクロータに対する摩擦体の追随性を確保することができる。なお、マウンティングには、サポート部材を介して摩擦体を支持する据え付け部材等を含みうる。
前記摩擦体は、荷重を受けて前記ディスクロータに接触するように移動し、前記支持体は、マウンティングと前記摩擦体の間に配置され前記摩擦体に対して一体的に取り付けられた保持部材を有し、前記保持部材および前記摩擦体のうち少なくとも一方は、所定の高温域で熱変形して、前記摩擦体のうち前記荷重の影響を比較的強く受ける第1の部分が前記荷重の影響を比較的弱く受ける第2の部分よりも前記ディスクロータから離間されるように前記摩擦体を変形させるものであってもよい。
通常は摩擦体に対する荷重の影響で、摩擦体の第1の部分は第2の部分よりも強い力でディスクロータに押し当てられ、肉厚差を有するディスクロータに対する摩擦体の押しつけ面圧が不均一になる傾向がある。上記の発明によれば、肉厚差が大きくなりやすい高温時には、摩擦体の第1の部分は第2の部分よりも離間されるように変形させられるので、ディスクロータの肉厚差に対する追随性が向上し、面圧の不均一性が抑制される。
前記摩擦体は、前記ディスクロータを介して一方の側に配置される第1摩擦体と、前記ディスクロータを介して他方の側に配置される第2摩擦体と、を有し、前記支持体は、マウンティングと前記第1摩擦体の間に配置され前記第1摩擦体に対して一体的に取り付けられた第1保持部材と、マウンティングと前記第2摩擦体の間に配置され前記第2摩擦体に対して一体的に取り付けられた第2保持部材と、を有し、前記第1保持部材および前記第1摩擦体のうち少なくともどちらか一方は、所定の高温域で熱変形し、前記ディスクロータの回転方向に関し凸型形状となるように前記第1摩擦体を変形させ、前記第2保持部材および前記第2摩擦体のうち少なくともどちらか一方は、所定の高温域で熱変形し、前記ディスクロータの回転方向に関し前記第1摩擦体の前記凸型形状に対応する凹型形状となるように前記第2摩擦体を変形させるものであってもよい。
この場合、ディスクロータの肉厚差が大きくなりやすい所定の高温域で、第1摩擦体および第2摩擦体が、相互に対応する凸型形状、凹型形状に変形し、ディスクロータの肉厚差の影響を抑制することができる。なお、「ディスクロータの回転方向に関し凸型形状」、「ディスクロータの回転方向に関し凹型形状」とは、ディスクロータのある箇所における回転方向へ凸型形状あるいは凹型形状である場合を含み、例えばディスクロータの接線方向への凸型形状あるいは凹型形状などが含まれうる。
本発明によれば、支持体の温度上昇時に摩擦体の可動性が高められ、ディスクロータの肉厚差に対して摩擦体を柔軟に対応させることができる。
また本発明によれば、摩擦体の変動の拘束の程度が支持体の温度に応じて調整され、ディスクロータに対する摩擦体の柔軟な追随性を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、ディスクブレーキ装置10のうちディスクロータ11、キャリパ12、およびブレーキパッド15の配置関係を示す断面構成図である。ディスクロータ11は、円盤状を有し、図示しない車輪とともに回転する。ブレーキパッド15は、ディスクロータ11を介して内側に配置されるインナー側ブレーキパッド15aと、ディスクロータ11を介して外側に配置されるアウター側ブレーキパッド15bとを有する。インナー側ブレーキパッド15aはインナー側摩擦部16aおよびインナー側裏金18aを含んで構成され、アウター側ブレーキパッド15bはアウター側摩擦部16bおよびアウター側裏金18bを含んで構成されている。以下、インナー側摩擦部16aおよびアウター側摩擦部16bを総称して「摩擦部16」とも呼び、インナー側裏金18aおよびアウター側裏金18bを総称して「裏金18」とも呼ぶ。
キャリパ12は、インナー側ブレーキパッド15aの背後に配置されるホイールシリンダ部13と、アウター側ブレーキパッド15bの背後に配置される反力アーム部14とを有し、ホイールシリンダ部13および反力アーム部14は、インナー側ブレーキパッド15a、ディスクロータ11、およびアウター側ブレーキパッド15bを跨ぐようにして配置される連結アーチ部23によって連結される。ホイールシリンダ部13は、ピストン26およびシリンダ27によって構成されるピストン−シリンダ構造を有し、シリンダ27のうちピストン26の底部側にはブレーキ液室28が形成されている。ブレーキ液室28は、ブレーキ液配管30が接続され、ブレーキ液配管30を介して供給されるブレーキ液により満たされている。ピストン26は、ブレーキ液室28内のブレーキ液圧に応じてピストン運動し、インナー側裏金18aを介しインナー側摩擦部16aをディスクロータ11に対して接離させる。
なお、シリンダ27のうちピストン26が摺動する部分とピストン26との間にはシリンダーシール部24が設けられ、ブレーキ液室28内のブレーキ液がインナー側裏金18a側へ漏出するのを防いでいる。反力アーム部14は、連結アーチ部23により伝えられるピストン26のピストン運動の反力によって、アウター側裏金18bを介しアウター側摩擦部16bをディスクロータ11に対して接離させる。このようにインナー側ブレーキパッド15aおよびアウター側ブレーキパッド15bは、キャリパ12から荷重を受けてディスクロータ11に接触するように移動してディスクロータ11を狭持し、車輪とともに高速回転するディスクロータ11との間で生じる摩擦力を利用して制動力を発生させる。
図2は、ブレーキパッド15の外観構成を示す図であり、(a)はブレーキパッド15の断面の概略構成を示し、(b)はブレーキパッド15を裏金18側から見た構成を示す。ブレーキパッド15を構成する裏金18は、摩擦部16に対して一体的に取り付けられて摩擦部16を強固に接着保持し、後述するマウンティング(図3参照)にブレーキパッド15を装着する際にはマウンティングと摩擦部16の間に配置される。この裏金18には、摩擦部16を係止して接着を補強するパッド孔32が中央部の2箇所において形成されるとともに、両サイドには外側に向かって突出するパッド凸部34が形成されている。なお、パッド孔32は、ブレーキパッド15の構成要素として必ずしも必須ではなく、必要に応じた形態をとりうる。したがって、パッド孔32がなくてもよく、またパッド孔32の数も2つには限定されない。
図3は、ブレーキパッド15を支持するマウンティング50の外観構成を示す図である。本実施の形態のマウンティング50は、マウンティング底部57、マウンティング底部57の一端部からほぼ垂直に延びる第1マウンティング側部51、およびマウンティング底部57の他端部からほぼ垂直に延びる第2マウンティング側部53によって構成される略コの字状を有し、この略コの字状の開放部59にブレーキパッド15および後述するサポート板バネ(図4参照)が配置される。第1マウンティング側部51および第2マウンティング側部53の各々には、開放部59に向かって突出するマウンティング凸部52が設けられるとともに、マウンティング凸部52の下方にマウンティング段付部60が設けられている。このマウンティング凸部52およびマウンティング段付部60の間は、ブレーキパッド15がマウンティング50に装着される際にブレーキパッド15のパッド凸部34が嵌め込まれるパッド係止部62を形成し、このパッド係止部62はパッド凸部34に応じた形状を有する。したがって、マウンティング凸部52およびマウンティング段付部60は、パッド凸部34を介して、マウンティング50に装着されたブレーキパッド15の動作を拘束する役割を果たす。
なお、パッド係止部62の形状や大きさなどは、ブレーキパッド15のパッド凸部34だけではなく、後述するサポート板バネ(図4参照)も考慮されて決定される。第1マウンティング側部51の外側には第1マウンティング緩衝部54が形成され、第2マウンティング側部53の外側には第2マウンティング緩衝部56が形成されている。第1マウンティング緩衝部54および第2マウンティング緩衝部56は、車両に搭載されて制動力を発生させる際に他の機器類と接触しやすい箇所であり、その接触頻度に十分に対応することができるように、第1マウンティング緩衝部54を比較的厚く形成する。またマウンティング固定穴58は、ボルト等の固定具が挿入され、ステアリングナックル等の車体側の部材に対してマウンティング50を固定する。
図4は、サポート板バネ40の外観構成を示す図である。サポート板バネ40は、図2に示すブレーキパッド15と図3に示すマウンティング50との間に配置され、ブレーキパッド15とマウンティング50が直接的に接触することを防いで、振動や接触音を防ぐとともに錆びによってサポート板バネ40およびマウンティング50が癒着してしまうことを防止する。サポート板バネ40は、針金状に加工された形状記憶合金によって形成され、マウンティング支持部41、マウンティング凸部嵌合部42、パッド凸部嵌合部44、およびパッド支持部46を有する。
マウンティング支持部41は、マウンティング50のマウンティング凸部52の上方に配置される部分であるとともに、サポート板バネ40がマウンティング50によって適切に保持されるようにマウンティング50に対して接触固定される部分でもある。マウンティング凸部嵌合部42は、マウンティング凸部52に嵌合する部分である。パッド凸部嵌合部44は、パッド係止部62に配置されマウンティング50により支持される部分であるとともに、ブレーキパッド15のパッド凸部34を支持する部分である。パッド支持部46は、マウンティング50に装着されたブレーキパッド15のパッド凸部34を下方から支持する部分であり、ブレーキパッド15の挿入に応じて可動に設けられ(点線部参照)、パッド凸部34を把持してブレーキパッド15を的確に支持する。
なお、サポート板バネ40のうち、サポート板バネ40がマウンティング50に装着された際のマウンティング凸部52の上部、マウンティング凸部52の下部、およびパッド係止部62に配置される箇所には、サポート板バネ40とマウンティング50の接触を緩和させたり、サポート板バネ40の位置決めのためにロの字状の緩衝支持部48が形成されている。マウンティング50およびブレーキパッド15が装着されたサポート板バネ40は、ブレーキパッド15を保持するとともにマウンティング50によって保持され、ブレーキパッド15の変動を拘束する。また、形状記憶合金で形成される本実施の形態のサポート板バネ40は、後述するように、温度に応じてブレーキパッド15の変動の拘束の程度を調整し、ディスクロータ11の肉厚差に対するブレーキパッド15の追従性を向上させる(図7参照)。
図5および図6は、キャリパ12、ブレーキパッド15、サポート板バネ40、およびマウンティング50が相互に組み合わされたブレーキパッド構造体の外観構成を示す図であり、図5は車両の右側車輪に取り付けられるブレーキパッド構造体を示し、図6は車両の左側車輪に取り付けられるブレーキパッド構造体を示す。なお図5および図6には、キャリパ12の反力アーム部14側から見た外観構成が描かれている。
ブレーキパッド15には制動時の鳴きを防ぐためのシム72が装着され、パッド凸部34がサポート板バネ40のパッド凸部嵌合部44に嵌め込まれ、そのパッド凸部34およびパッド凸部嵌合部44はマウンティング50のパッド係止部62に嵌め込まれる。そして、インナー側ブレーキパッド15aおよびアウター側ブレーキパッド15bがキャリパ12のホイールシリンダ部13とキャリパ12と反力アーム部14とにより覆われるように、マウンティング50の開放部59側からキャリパ12が配置される。なお、反力アーム部14は、二つの押圧爪部70を含んで構成されており、制動力発生時には二つの押圧爪部70によってアウター側ブレーキパッド15bの両サイド部が押圧されるように配置される。このように、キャリパ12、ブレーキパッド15、サポート板バネ40、およびマウンティング50は相互に組み合わされてブレーキパッド構造体を形成し、特に裏金18、サポート板バネ40、およびマウンティング凸部52は、摩擦部16を支持して摩擦部16の変動を拘束する役割を果たす。
次に本実施の形態の作用について説明する。図7は、ブレーキパッド15、サポート板バネ40、およびマウンティング50が相互に組み合わされた状態を示す図であって、ブレーキパッド15のパッド凸部34の周辺の概略構成を示す図である。図7(a)はブレーキパッド15によって制動力を発生させる前の状態を示し、図7(b)はブレーキパッド15によって制動力を発生させて温度が上昇している状態を示す。
ブレーキパッド15およびディスクロータ11によって制動力を発生させる前、ブレーキパッド15、サポート板バネ40、およびマウンティング50の各々の温度は、通常、大気の温度の影響を受けて大気温とほぼ等しく、例えば0〜40(℃)程度を示す。この場合、図7(a)に示すように、ブレーキパッド15のパッド凸部34は、例えば30(N)程度の力によってサポート板バネ40のパッド凸部嵌合部44により保持される。これにより、ブレーキパッド15はサポート板バネ40を介してマウンティング50に対し強固に支持され、ブレーキパッド15のガタツキの発生が防がれる。そのため、ディスクロータ11に対してブレーキパッド15が押し当てられた当初は、回転するディスクロータ11によってブレーキパッド15が引きずられても、サポート板バネ40、ブレーキパッド15、およびマウンティング50の相互間における衝突音や衝突振動の発生を効果的に防ぐことができる。
一方、キャリパ12によりブレーキパッド15をディスクロータ11に押しつけて制動力を発生させると、ブレーキパッド15およびディスクロータ11の摩擦熱により、ブレーキパッド15、サポート板バネ40、およびマウンティング50は時間の経過とともに温度が徐々に上昇する。サポート板バネ40の温度が例えば100(℃)以上の所定の高温域に達すると、形状記憶合金で形成されているサポート板バネ40のパッド凸部嵌合部44は熱変形してやや開いた状態となる(図7(b)参照)。これにより、パッド凸部34は例えば10(N)程度の力によってパッド凸部嵌合部44により保持され、パッド凸部嵌合部44におけるパッド凸部34の拘束の程度が弱まる。このようにサポート板バネ40は、温度に応じてブレーキパッド15の変動の拘束の程度を調整し、温度上昇に伴ってブレーキパッド15の可動性を高める。これにより、温度ともに成長しうるディスクロータ11の肉厚差に対するブレーキパッド15の追従性が向上し、高速回転するディスクロータ11とブレーキパッド15の摩擦部16との不均一な接触によってもたらされうる振動や振動音の発生を効果的に防ぐことができる。
以上説明したように本実施の形態によれば、所定の高温域に達するとサポート板バネ40によるブレーキパッド15の拘束力が小さくなって、マウンティング50やサポート板バネ40に対するブレーキパッド15の摺動抵抗が低減する。これにより、ブレーキパッド15が比較的動き易くなって、ディスクロータ11の肉厚差に対するブレーキパッド15の追従性が向上し、ブレーキパッド15とディスクロータ11の間のトルク変動が低減して、ブレーキ振動やブレーキ振動音が効果的に防がれる。
特に本実施の形態ではサポート板バネ40の温度特性に基づいて、低温時にはサポート板バネ40によってブレーキパッド15を強固に保持してブレーキパッド15のガタツキを防ぐ一方で、ディスクロータ11の肉厚差が進行しやすい高温時にのみブレーキパッド15の可動性を高める。これにより、「低温時におけるキャリパ打音の防止」と「高温時におけるブレーキ振動やブレーキ振動音の防止」とが両立される。
(第2の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8は、第2の実施の形態のインナー側ブレーキパッド15aおよびアウター側ブレーキパッド15bを上方から見た概略構成を示す図であり、(a)はブレーキパッド15によって制動力を発生させる前の状態を示し、(b)はブレーキパッド15によって制動力を発生させて温度が上昇している状態を示す。
本実施の形態の裏金18は、形状記憶合金で形成されており、所定の高温域で熱変形する。この裏金18は、例えば100(℃)以上の高温域で熱変形して、接着保持する摩擦部16のうち制動力発生時にキャリパ12からの荷重の影響を比較的強く受ける第1の部分が荷重の影響を比較的弱く受ける第2の部分よりもディスクロータ11から離間されるように、摩擦材を変形させる。例えば、インナー側ブレーキパッド15aはキャリパ12のピストン26によって中央部分に強い荷重を受けるので、荷重の影響が強いインナー側摩擦部16aの中央部分が荷重の影響が弱い両サイド部分よりもディスクロータ11から離間されるように、インナー側裏金18aは熱変形する。また、アウター側ブレーキパッド15bはキャリパ12の押圧爪部70によって両サイド部分に強い荷重を受けるので、荷重の影響が強いアウター側摩擦部16bの両サイド部分が荷重の影響が弱い中央部分よりもディスクロータ11から離間されるように、アウター側裏金18bは熱変形する。そのため、インナー側ブレーキパッド15a、アウター側ブレーキパッド15bが所定の高温域で熱変形すると、インナー側摩擦部16aはディスクロータ11の回転方向に関して凸型形状となるように変形させられ、アウター側摩擦部16bはディスクロータ11の回転方向に関してインナー側摩擦部16aの凸型形状に対応する凹型形状となるように変形させられる。
他の構成は、上述の第1実施の形態と略同一とすることができる。
本実施の形態では、裏金18の熱変形によって摩擦部16も変形し(図8(b)参照)、裏金18の温度が上昇すると摩擦部16の形状に基づく弾性が向上して、摩擦部16はディスクロータ11の回転方向と垂直な方向へ変動しやすくなる。したがって裏金18は、温度に応じて摩擦部16の変動の拘束の程度を調整し、温度上昇に伴い摩擦部16の可動性を高める。これにより、ディスクロータ11の肉厚差に対するブレーキパッド15の追随性が向上して、ディスクロータ11の肉厚差の影響が抑制され、ブレーキパッド15とディスクロータ11の間のトルク変動が低減して、ブレーキ振動やブレーキ振動音が効果的に防がれる。
特に、ディスクロータ11の肉厚差が大きくなりやすい高温時には、摩擦部16のうちキャリパ12からの荷重の影響が強い部分が荷重の影響が小さい部分よりも離間されるように配置されるので、荷重の影響が強い部分のディスクロータ11に対する押しつけ力と荷重の影響が小さい部分のディスクロータ11に対する押しつけ力との不均一さが効果的に解消される。これにより、ディスクロータ11に対する摩擦部16の押しつけ力の均一性が向上し、偏荷重に基づく振動や振動音などが抑制される。
また、ディスクロータ11を狭持する摩擦部16を、相互に対応する凸型形状および凹型形状に変形させることで、形状に基づく摩擦部16の弾性作用が効果的に働き、ディスクロータ11の肉厚差に対する摩擦部16の追随性が更に向上するとともに、ブレーキパッド15によるダンパー的な作用が効果的に機能しうる。
本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、上述の第2の実施の形態では高温域においてブレーキパッド15が変形する例について説明したが、摩擦部16自体が所定の高温域で熱変形して、インナー側摩擦部16aおよびアウター側摩擦部16bが凹型形状あるいは凸型形状に変形するようにしてもよい。
また、上述の各実施の形態では、所定の高温域で熱変形するサポート板バネ40や裏金18が形状記憶合金によって形成されている例について説明したが、これに限定されるものではない。所定の高温域で所望の熱変形をする部材によってサポート板バネ40や裏金18を形成することも可能であり、例えばバイメタルなどを利用することもできる。
また、サポート板バネ40や裏金18が変形する「所定の高温域」は、ディスクブレーキ装置10の特性に応じて適宜決定することができ、キャリパ打音の防止、ブレーキ振動やブレーキ振動音の防止、などの多面的な要素を勘案して決定することが好ましい。
第1の実施の形態のディスクブレーキ装置のうちディスクロータ、キャリパ、およびブレーキパッドの配置関係を示す断面構成図である。 ブレーキパッドの外観構成を示す図であり、(a)はブレーキパッドの断面の概略構成を示し、(b)はブレーキパッドを裏金側から見た構成を示す図である。 ブレーキパッドを支持するマウンティングの外観構成を示す図である。 サポート板バネの外観構成を示す図である。 キャリパ、ブレーキパッド、サポート板バネ、およびマウンティングが相互に組み合わされたブレーキパッド構造体の外観構成を示し、車両の右側車輪に取り付けられるブレーキパッド構造体を示す図である。 キャリパ、ブレーキパッド、サポート板バネ、およびマウンティングが相互に組み合わされたブレーキパッド構造体の外観構成を示し、車両の左側車輪に取り付けられるブレーキパッド構造体を示す図である。 ブレーキパッド、サポート板バネ、およびマウンティングが相互に組み合わされた状態を示す図であって、ブレーキパッドのパッド凸部の周辺の概略構成を示す図である。 第2の実施の形態のインナー側ブレーキパッドおよびアウター側ブレーキパッドを上方から見た概略構成を示す図であり、(a)はブレーキパッドによって制動力を発生させる前の状態を示し、(b)はブレーキパッドによって制動力を発生させて温度が上昇している状態を示す図である。
符号の説明
10 ディスクブレーキ装置、 11 ディスクロータ、 12 キャリパ、 13 ホイールシリンダ部、 14 反力アーム部、 15 ブレーキパッド、 16 摩擦部、 18 裏金、 23 連結アーチ部、 24 シリンダーシール部、 26 ピストン、 27 シリンダ、 28 ブレーキ液室、 30 ブレーキ液配管、 32 パッド孔、 34 パッド凸部、 40 サポート板バネ、 41 マウンティング支持部、 42 マウンティング凸部嵌合部、 44 パッド凸部嵌合部、 46 パッド支持部、 48 緩衝支持部、 50 マウンティング、 51 第1マウンティング側部、 52 マウンティング凸部、 53 第2マウンティング側部、 54 第1マウンティング緩衝部、 56 第2マウンティング緩衝部、 57 マウンティング底部、 58 マウンティング固定穴、 59 開放部、 60 マウンティング段付部、 62 パッド係止部、 70 押圧爪部、 72 シム。

Claims (5)

  1. ディスクロータに対して接離可能に配置される摩擦体と、
    前記摩擦体を支持して当該摩擦体の変動を拘束する支持体と、を備え、
    前記支持体は、温度上昇に伴って前記摩擦体の可動性を高めることを特徴とするディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体。
  2. ディスクロータに対して接離可能に配置される摩擦体と、
    前記摩擦体を支持して当該摩擦体の変動を拘束する支持体と、を備え、
    前記支持体は、前記ディスクロータの肉厚差に対する前記摩擦体の追随性を向上させるように、温度に応じて前記摩擦体の変動の拘束の程度を調整することを特徴とするディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体。
  3. 前記支持体は、マウンティングと、前記マウンティングと前記摩擦体との間に配置されるサポート部材と、を有し、
    前記サポート部材は、前記マウンティングに固定されるとともに前記摩擦体を保持して前記変動を拘束し、温度に応じて前記摩擦体の変動の拘束の程度を調整することを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体。
  4. 前記摩擦体は、荷重を受けて前記ディスクロータに接触するように移動し、
    前記支持体は、マウンティングと前記摩擦体の間に配置され前記摩擦体に対して一体的に取り付けられた保持部材を有し、
    前記保持部材および前記摩擦体のうち少なくとも一方は、所定の高温域で熱変形して、前記摩擦体のうち前記荷重の影響を比較的強く受ける第1の部分が前記荷重の影響を比較的弱く受ける第2の部分よりも前記ディスクロータから離間されるように前記摩擦体を変形させることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体。
  5. 前記摩擦体は、前記ディスクロータを介して一方の側に配置される第1摩擦体と、前記ディスクロータを介して他方の側に配置される第2摩擦体と、を有し、
    前記支持体は、マウンティングと前記第1摩擦体の間に配置され前記第1摩擦体に対して一体的に取り付けられた第1保持部材と、マウンティングと前記第2摩擦体の間に配置され前記第2摩擦体に対して一体的に取り付けられた第2保持部材と、を有し、
    前記第1保持部材および前記第1摩擦体のうち少なくともどちらか一方は、所定の高温域で熱変形し、前記ディスクロータの回転方向に関し凸型形状となるように前記第1摩擦体を変形させ、
    前記第2保持部材および前記第2摩擦体のうち少なくともどちらか一方は、所定の高温域で熱変形し、前記ディスクロータの回転方向に関し前記第1摩擦体の前記凸型形状に対応する凹型形状となるように前記第2摩擦体を変形させることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ用ブレーキパッド構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016520773A (ja) * 2013-04-29 2016-07-14 シャシー・ブレークス・インターナショナル・ベスローテン・フェンノートシャップ 安定したブレーキ・パッドを備えたディスク・ブレーキ並びにパッドを組立て交換するための関連方法
WO2022242925A1 (de) * 2021-05-20 2022-11-24 Audi Ag Bremsbelaganordnung für eine fahrzeugscheibenbremse und scheibenbremse für ein fahrzeug

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