JP2006084413A - 電磁波妨害信号の発生源特定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 比較的容易に且つ比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】 遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴と、近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴とを照合して電磁波妨害信号の発生源を特定するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴と、近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴とを照合して電磁波妨害信号の発生源を特定するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明はデジタル回路を有する電子機器の電磁波妨害信号の発生源を特定するのに適用して好適な電磁波妨害信号の発生源特定方法に関する。
一般にデジタル回路を有する電子機器の動作により生じる電磁波妨害信号(EMI)のほとんどは、クロック信号やデジタル伝送信号に代表される矩形波の基本波とその高調波に起因している。
近年のデジタル回路を有する電子機器は、図13に示す如く複数の機能モジュールによって構成されており、この場合複数の周波数のクロック信号により動作する。これら複数の周波数のクロック信号は、通常、ある一つの周波数を逓倍もしくは分周することで作り出されている。
そのため、このデジタル回路の動作により発生する電磁波妨害信号(EMI)は複数の周波数のクロック信号もしくはそれに同期するデジタル伝送信号等による基本波やその高調波が、複雑に重畳していることが多くなっている。
一般的に、電磁波妨害対策はこの電磁波妨害信号の発生源と伝達経路を調査しながら進める。この電磁波妨害信号の発生源の調査方法としては、図13に示す如く、電界プローブや磁界プローブ等の検査プローブ1を用いて、基板、シャーシ、ケーブル上に流れる電磁波妨害対策対象となる周波数の電流を観測する方法があげられる。
また、従来特許文献1に記載の如き電磁波放射測定方法が提案されている。
特開2001−343409号公報
ところで、例えば図13に示すように周波数f1の電磁波妨害信号の発生源2と伝達経路を調査する場合、従来の調査方法では他の電磁波妨害信号の発生源である機能モジュール3,4及び5のクロック信号の周波数がf2,f3及びf4で之等の高調波がf1=2×f2=3×f3=4×f4と調査しようとする電磁波妨害信号の周波数f1と重畳している場合、この電磁波妨害信号の周波数f1とその他の高調波周波数2×f2、3×f3、4×f4との切り分けが行えず、電磁波妨害信号の発生源や伝達経路が複数複雑に観測されて、電磁波妨害信号の主要因となっている発生源と伝達経路の特定が困難であり、この電磁波妨害信号の発生源の調査に長時間を要する不都合があった。
また特許文献1に記載の技術では電磁波妨害信号の測定はできるが、デジタル回路を有する電子機器の電磁波妨害信号の発生源を特定することはできない。
本発明は斯る点に鑑み、比較的容易に且つ比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定することができるようにすることを目的とする。
本発明電磁波妨害信号の発生源特定方法は遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴と、近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴とを照合して電磁波妨害信号の発生源を特定するようにしたものである。
本発明によれば遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴と、近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴とを照合しているので、その照合結果を数値化でき熟練を要することなく比較的容易に且つ比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定することができる。
以下、図面を参照して本発明電磁波妨害信号の発生源特定方法を実施するための最良の形態の例を説明する。
図2は、本例による電磁波妨害信号の発生源特定方法を実施するための構成例を示し、図2において、10は電磁波妨害評価や電磁波妨害対策検討を行う設備で例えば3m電波暗室である。
本例においては、この電波暗室10の所定位置に電磁波妨害信号の発生源を特定しようとする電子機器即ち被試験機器11を配する如くする。本例においてはこの被試験機器11の遠方界の電磁波妨害信号の特徴を測定する。
この電波暗室10の所定位置にこの被試験機器11が発生する電磁波妨害信号等を検出するアンテナ12が設けられており、このアンテナ12よりの電磁波妨害信号等の検出信号をこの電波暗室10の外に設けられた測定システム13に供給する。
尚、電磁波妨害対策検討においては、電磁波妨害信号をコモンモード電流やコモンモード電圧として間接的に評価する機材例えばWorkbench Faraday Cage を応用した評価装置や電流プローブ等を代用としてもよい。
この測定システム13は、スペクトラムアナライザ、電磁波妨害信号(EMI)レシーバ、高周波(RF)アンプ、高周波(RF)スイッチ等より構成され、コンピュータ等より成る制御装置14により制御される。この場合測定システム13のインターフェースはGPIB(General Purpose Interface Bus)等を介して自動的に制御される場合が多い。
コンピュータ等より成る制御装置14は、バスGPIB等を介して電波暗室10や測定システム13を制御し、測定システム13により測定したデータの収集、解析を行うと共に本例による図1に示すフローチャートによる電磁波妨害信号の発生源特定方法を実行する。図2において、15は種々の表示を行うモニターである。
また、図3は本例による電磁波妨害信号の発生源特定方法を実施するための被試験機器11の近傍界の電磁波妨害信号の特徴を測定する構成例を示す。図3例の被試験機器(電子機器)11においては、電磁波妨害信号の発生源として、3個のIC(半導体集積回路)より成る機能モジュール16,17,18を有するものとする。
この図3例においては被試験機器11の各機能モジュール16,17,18の夫々の近傍界の電磁波妨害信号の特徴を測定する如くする。19は電界プローブや磁界プローブ等の検査プローブで、この検査プローブ19を用いて、機能モジュール16,17及び18の夫々の電磁波妨害信号を夫々測定する。この検査プローブ19よりの電磁波妨害信号等の検出信号を図2同様の測定システム13に供給する。
この測定システム13は図2同様にコンピュータより成る制御装置14により制御され、この測定システム13により測定したデータをこのコンピュータより成る制御装置14により収集、解析を行う。この図3の制御装置14は電磁波妨害信号の特徴を得る図4に示す如きフローチャートを実行する如くする。
本例においては図1に示すフローチャートによる電磁波妨害信号の発生源特定方法を実行するに、開始後、先ずステップS1で被試験機器11の近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴を夫々得る如くする。本例においては、図3に示す如き電磁波妨害信号発生源である機能モジュール16,17及び18の夫々の電磁波妨害信号の特徴を夫々図3に示す如くして、予め得て、これを登録例えばライブラリ化しておく。
この電磁波妨害信号の特徴の例として例えば図4のフローチャートにより得られるスペクトラムアナライザの周波数領域情報の変調度、変調周波数及び時間領域情報の周期、デューティとする。
この、図4のフローチャートにつき説明するに、この図4のフローチャートにおいては、開始後、先ずステップS11で、測定器であるスペクトラムアナライザにおいて、測定対象の電磁波妨害信号の周波数feを定義(設定)する。この電磁波妨害信号の周波数feは、図5に示す如きEMI規格に基づく通常の評価で得られるスペクトラムデータから得られる周波数データである。図5はEMI規格に基づく30MHz〜1GHzのスペクトラムデータの例を示す。図5において、線aは規格値である。
また、このステップS11で、スペクトラムアナライザにおいて、側波帯測定周波数上限fsmaxと側波帯測定周波数下限fsminとを定義(設定)し、所定周波数範囲を決める。この周波数上限fsmax及び周波数下限fsminは測定器の性能と測定にかける時間から決定されるが、一般的には周波数下限fsminは数KHZ〜数10KHZ程度に、周波数上限fsmaxは数100KHZ程度に定義(設定)される。
また、このステップS11において、検出する側波帯の数である検出側波帯数Nsを設定(定義)する。この検出側波帯数Nsは搬送波の上側及び下側の側波帯の組数でカウントする。この検出側波帯数Nsは多いほど測定に要する時間が長くなるため通常は1〜4とする。
また、このステップS11でタイムドメイン情報取得時間Ttを設定(定義)する。このタイムドメイン情報取得時間Ttは、周波数領域情報(周波数ドメインデータ)の連続取得を続ける時間のことで、被試験機器11により決めるとよい。タイムドメイン情報取得時間Ttを長く設定すると、それだけ測定時間が長くなる。通常は数秒から数10秒に設定する。
その後、この電磁波妨害信号の搬送波周波数fcの測定を行う(ステップS12)。この搬送波周波数fcは電磁波妨害信号の周波数feの中心周波数であり、最大ピーク値を示す周波数であり、この電磁波妨害信号の周波数feを詳細に測定することで得られる。
次に、スペクトラムアナライザのSPAN(測定用周波数範囲)を設定する(ステップS13)。このSPANは搬送波周波数fcを中心周波数としたときに、側波帯測定の周波数下限fsminが十分観測できるようにこの周波数下限fsminの2倍よりやや大きい任意の値Snをかけた値とする。
SPAN=2×fsmin×Sn
とし、任意の値Snを通常1.5とした値に設定する。
SPAN=2×fsmin×Sn
とし、任意の値Snを通常1.5とした値に設定する。
次にスペクトラムアナライザの分解能帯域幅RBW(Resolution Band Width )を設定する(ステップS14)。この分解能帯域幅RBWは測定速度と測定精度との兼ね合いで決定する。測定速度を優先する場合は、上述SPANを割る分母を小さく設定し、測定精度を優先する場合には、上述SPANを割る分母を大きく設定する。一般的にはSPAN/10〜SPAN/50に設定する。本例においては
RBW=SPAN/20
と設定する。
RBW=SPAN/20
と設定する。
本例においては、上述条件でスペクトラムデータ(周波数領域情報)を制御装置(コンピュータ)14に取得する(ステップS15)。このスペクトラムデータを例えば積算平均を行い必要十分に安定したデータとする。
次にこのスペクトラムデータ(周波数領域情報)からピーク検出を行う(ステップS16)。この検出したピークは例えば図6に示す如く、搬送波、側波帯、そしてノイズとから成っている。ここでいうノイズは例えば外来電波等、周波数的な特徴を分析しようとする電磁波妨害信号に無関係な部分から生じるものである。
次に検出した図6に示す如きピークより側波帯を選別し、側波帯の周波数fsを検出する(ステップS17)。この場合搬送波を中心にしてその上側及び下側に対象関係にあるピークの組を側波帯とする。一般にデジタル回路による電磁波妨害信号は両側側波帯を持つので、両側側波帯の関係にないピークは側波帯ではないと判断する。図6例では3つの側波帯1、2及び3が存在する。
次に検出された側波帯の数がステップS1で設定した数Ns例えば2以上になったかどうかを判断し(ステップS18)、検出された側波帯の数が設定した側波帯数Nsに満たないときはスペクトラムアナライザのSPANを2倍とし(ステップS19)、このSPANが側波帯測定周波数上限fsmaxを十分観測できる周波数範囲fsmax×2(×Sn)以内であるかどうかを判断し(ステップS20)、以内であるときにはステップS14、ステップS15、ステップS16、ステップS17、ステップS18、ステップS19、ステップS20を繰り返す。
このステップS20でこのSPANが側波帯測定周波数上限fsmaxを十分観測できる周波数範囲fsmax×2(×Sn)を超えたときは検出側波帯数があるかどうかを判断し(ステップS21)、このステップS21で検出側波帯が無いと判断したときには周波数領域情報の特徴が無いとする(ステップS22)。
ステップS18で検出した側波帯の数が設定した側波帯数Ns以上になったときは、このスペクトラムアナライザの設定による測定で得られた周波数ドメインデータ(周波数領域情報)をステップS1で設定した取得時間Ttの間測定し、時間領域情報(タイムドメインデータ)として蓄積する(ステップS23)。このステップS23で得られる時間領域情報としては図7例に示す如く横軸を時間軸とし縦軸をレベルとし時間Tt間の搬送波及び側波帯の時間レベル変化曲線が得られる。
ステップS21において、検出された側波帯の数は設定した側波帯数Nsに満たないが、いくつかの側波帯が検出されたときはSPANを検出された側波帯の最大周波数fsの2倍よりやや大きく、最大fs×2(×Sn)に設定する(ステップS24)。
また、分解能帯域幅RBWについては測定速度が低下する場合は、このSPANの拡大に応じて広げた値を設定し(ステップS25)、ステップS23に移行する。
本例においては、ステップS23で得られた時間領域情報の搬送波及び側波帯の時間的レベル変化の周期性を検出する(ステップS26)。このステップS26において、周期性が検出されたかどうかを判断し(ステップS27)、周期性が無いと判断したときは時間領域情報(タイムドメインデータ)の特徴無しとする(ステップS28)。
ステップS27で周期性有りと判断したときには、図7に示す如きこの周期及びデューティを、この電磁波妨害信号の時間領域情報(タイムドメインデータ)の特徴とする(ステップS29)。
また、本例においては、ステップS23で得られた図7に示す如き、時間領域情報(タイムドメインデータ)を平均化し、搬送波及び側波帯の夫々の周波数及びレベルを演算し(ステップS30)、図8に示す如き搬送波及び側波帯の夫々の周波数及びレベルを得る。
次に、この搬送波及び側波帯の夫々の周波数及びレベルより、例えば図8に示す如き変調度ΔdB1、ΔdB2、・・・ΔdB6及び変調周波数(fc−fs1、fc+fs1)、(fc−fs2、fc+fs2)、(fc−fs3、fc+fs3)を演算し(ステップS31)、この変調度及び変調周波数をこの電磁波妨害信号の周波数領域情報(周波数ドメインデータ)の特徴とする(ステップS32)。
本例においては、図3に示す機能モジュール16,17及び18の電磁波妨害信号の特徴を上述に従って夫々測定し、この結果をライブラリとする。
このライブラリを作製するための、この被試験機器11である電子機器の機能モジュール16,17,18の電磁波妨害信号の特徴の測定は例えばブレッドボード(開発初期に試作される大きめの一枚基板のこと)等による動作確認用の試作品で行うのが良い。
電磁波妨害信号発生源で自身の発生する電磁波妨害信号の特徴が、ソフトウェアや回路構成等に依存しない機能モジュール(能動部品)の場合は、その機能モジュールを単独で作動させて(作動させるための周辺回路や機材等は必要)、その電磁波妨害信号の特徴を測定し、ライブラリを構築してもよい。
ここで、図3の被試験機器11の機能モジュール16の図4のフローチャートより得た周波数領域情報の特徴即ちスペクトラムデータの搬送波及び側波帯より成る特徴データ1は図9Bに示す如くであったとする。この特徴データ1の第1の側波帯の変調周波数ΔF1・1は、
ΔF1・1=((Fc−FSL1・1)+(FSU1・1−Fc))/2
であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF1・2は、
ΔF1・2=((Fc−FSL1・2)+(FSU1・2−Fc))/2
であり、第3の側波帯の変調周波数ΔF1・3は、
ΔF1・3=((Fc−FSL1・3)+(FSU1・3−Fc))/2
である。
ΔF1・1=((Fc−FSL1・1)+(FSU1・1−Fc))/2
であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF1・2は、
ΔF1・2=((Fc−FSL1・2)+(FSU1・2−Fc))/2
であり、第3の側波帯の変調周波数ΔF1・3は、
ΔF1・3=((Fc−FSL1・3)+(FSU1・3−Fc))/2
である。
ここで、Fcは搬送波の周波数、FSL1・1は特徴データ1の第1の下側側波帯の周波数、FSU1・1は第1の上側側波帯の周波数、FSL1・2は第2の下側側波帯の周波数、FSU1・2は第2の上側側波帯の周波数、FSL1・3は第3の下側側波帯の周波数、FSU1・3は第3の上側側波帯の周波数である。
この特徴データ1の第1の上側側波帯の変調度ΔLU1・1は、
ΔLU1・1=LSU1・1−Lc1
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU1・2は
ΔLU1・2=LSU1・2−Lc1
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU1・3は
ΔLU1・3=LSU1・3−Lc1
である。
ΔLU1・1=LSU1・1−Lc1
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU1・2は
ΔLU1・2=LSU1・2−Lc1
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU1・3は
ΔLU1・3=LSU1・3−Lc1
である。
また、この特徴データ1の第1の下側側波帯の変調度ΔLL1・1は
ΔLL1・1=LSL1・1−Lc1
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL1・2は
ΔLL1・2=LSL1・2−Lc1
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL1・3は
ΔLL1・3=LSL1・3−Lc1
である。
ΔLL1・1=LSL1・1−Lc1
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL1・2は
ΔLL1・2=LSL1・2−Lc1
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL1・3は
ΔLL1・3=LSL1・3−Lc1
である。
ここで、Lc1は搬送波のレベル、LSU1・1は第1の上側側波帯のレベル、LSU1・2は第2の上側側波帯のレベル、LSU1・3は第3の上側側波帯のレベル、LSL1・1は第1の下側側波帯のレベル、LSL1・2は第2の下側側波帯のレベル、LSL1・3は第3の下側側波帯のレベルである。
また、図3の被試験機器11の機能モジュール17の図4のフローチャートより得た周波数領域情報の特徴即ちスペクトラムデータの搬送波及び側波帯より成る特徴データ2は図9Cに示す如くであったとする。この特徴データ2の第1の側波帯の変調周波数ΔF2・1はΔF2・1=((Fc−FSL2・1)+(FSU2・1−Fc))/2であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF2・2は、ΔF2・2=((Fc−FSL2・2)+(FSU2・2−Fc))/2であり、第3の側波帯の変調周波数ΔF2・3は、ΔF2・3=((Fc−FSL2・3)+(FSU2・3−Fc))/2である。
ここで、Fcは搬送波の周波数、FSL2・1は特徴データ2の第1の下側側波帯の周波数、FSU2・1は第1の上側側波帯の周波数、FSL2・2は第2の下側側波帯の周波数、FSU2・2は第2の上側側波帯の周波数、FSL2・3は第3の下側側波帯の周波数、FSU2・3は第3の上側側波帯の周波数である。
この特徴データ2の第1の上側側波帯の変調度ΔLU2・1は、
ΔLU2・1=LSU2・1−Lc2
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU2・2は
ΔLU2・2=LSU2・2−Lc2
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU2・3は
ΔLU2・3=LSU2・3−Lc2
である。
ΔLU2・1=LSU2・1−Lc2
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU2・2は
ΔLU2・2=LSU2・2−Lc2
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU2・3は
ΔLU2・3=LSU2・3−Lc2
である。
また、この特徴データ2の第2の下側側波帯の変調度ΔLL2・1は
ΔLL2・1=LSL2・1−Lc2
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL2・2は
ΔLL2・2=LSL2・2−Lc2
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL2・3は
ΔLL2・3=LSL2・3−Lc2
である。
ΔLL2・1=LSL2・1−Lc2
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL2・2は
ΔLL2・2=LSL2・2−Lc2
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL2・3は
ΔLL2・3=LSL2・3−Lc2
である。
ここで、Lc2は搬送波のレベル、LSU2・1は第1の上側側波帯のレベル、LSU2・2は第2の上側側波帯のレベル、LSU2・3は第3の上側側波帯のレベル、LSL2・1は第1の下側側波帯のレベル、LSL2・2は第2の下側側波帯のレベル、LSL2・3は第3の下側側波帯のレベルである。
また、図3の被試験機器11の機能モジュール16の図4のフローチャートより得た周波数領域情報の特徴即ちスペクトラムデータの搬送波及び側波帯より成る特徴データ3は図9Dに示す如くであったとする。この特徴データ1の第1の側波帯の変調周波数ΔF3・1はΔF3・1=((Fc−FSL3・1)+(FSU3・1−Fc))/2であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF3・2は、ΔF3・2=((Fc−FSL3・2)+(FSU3・2−Fc))/2である。
ここで、Fcは搬送波の周波数、FSL3・1は特徴データ3の第1の下側側波帯の周波数、FSU3・1は第1の上側側波帯の周波数、FSL3・2は第2の下側側波帯の周波数、FSU3・2は第2の上側側波帯の周波数である。
この特徴データ3の第1の上側側波帯の変調度ΔLU3・1は、
ΔLU3・1=LSU3・1−Lc3
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU3・2は
ΔLU3・2=LSU3・2−Lc3
である。
ΔLU3・1=LSU3・1−Lc3
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU3・2は
ΔLU3・2=LSU3・2−Lc3
である。
また、この特徴データ3の第1の下側側波帯の変調度ΔLL3・1は
ΔLL3・1=LSL3・1−Lc3
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL3・2は
ΔLL3・2=LSL3・2−Lc3
である。
ΔLL3・1=LSL3・1−Lc3
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL3・2は
ΔLL3・2=LSL3・2−Lc3
である。
ここで、Lc3は搬送波のレベル、LSU3・1は第1の上側側波帯のレベル、LSU3・2は第2の上側側波帯のレベル、LSL3・1は第1の下側側波帯のレベル、LSL3・2は第2の下側側波帯のレベルである。
之等図9B,C及びDに示す如き特徴データ1、特徴データ2及び特徴データ3を予めメモリーに登録(記憶)しておき、このステップS1では制御装置14のRAM等のメモリーに読み込んでおく。
また、このステップS1で、図3で、近傍界での電磁波妨害信号の測定を行なったときの測定システム13のスペクトラムアナライザの設定(RBW,SPAN等)即ち測定条件を定義し、ステップS2で、図2の測定システム13のスペクトラムアナライザの測定条件をステップS1で定義した条件と同じ条件に設定する。
次に図2に示す如き例えば3m電波暗室10内でアンテナ12にて遠方界の電磁波妨害信号を測定し即ちスペクトラムを測定し(ステップS3)、例えば国際規格CISPRに代表されるEMI測定規格値(マージン含む)を超える問題の周波数を特定し、その搬送波及び側波帯を検出する(ステップS4)。
この場合検出した搬送波及び側波帯が例えば図9Aに示す如き測定データで、搬送波の周波数Fcで、3つの側波帯があったとする。本例では搬送波及び側波帯が有るのでステップS5の判断は「Yes」であり、この搬送波及び側波帯の周波数とレベルとを測定し(ステップS6)、周波数領域情報の特徴である変調周波数及び変調度を演算する。
この図9Aの測定データの周波数領域情報の特徴である第1の側波帯の変調周波数ΔF0・1は、
ΔF0・1=((Fc−FSL0・1)+(FSU0・1−Fc))/2であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF0・2は、
ΔF0・2=((Fc−FSL0・2)+(FSU0・2−Fc))/2であり、第3の側波帯の変調周波数ΔF0・3は、
ΔF0・3=((Fc−FSL0・3)+(FSU0・3−Fc))/2である。
ΔF0・1=((Fc−FSL0・1)+(FSU0・1−Fc))/2であり、第2の側波帯の変調周波数ΔF0・2は、
ΔF0・2=((Fc−FSL0・2)+(FSU0・2−Fc))/2であり、第3の側波帯の変調周波数ΔF0・3は、
ΔF0・3=((Fc−FSL0・3)+(FSU0・3−Fc))/2である。
ここで、Fcは搬送波の周波数、FSL0・1は測定データの第1の下側側波帯の周波数、FSU0・1は第1の上側側波帯の周波数、FSL0・2は第2の下側側波帯の周波数、FSU0・2は第2の上側側波帯の周波数、FSL0・3は第3の下側側波帯の周波数、FSU0・3は第3の上側側波帯の周波数である。
この測定データの第1の上側側波帯の変調度ΔLU0・1は、
ΔLU0・1=LSU0・1−Lc0
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU0・2は
ΔLU0・2=LSU0・2−Lc0
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU0・3は
ΔLU0・3=LSU0・3−Lc0
である。
ΔLU0・1=LSU0・1−Lc0
であり、第2の上側側波帯の変調度ΔLU0・2は
ΔLU0・2=LSU0・2−Lc0
であり、第3の上側側波帯の変調度ΔLU0・3は
ΔLU0・3=LSU0・3−Lc0
である。
また、この測定データの第1の下側側波帯の変調度ΔLL0・1は
ΔLL0・1=LSL0・1−Lc0
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL0・2は
ΔLL0・2=LSL0・2−Lc0
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL0・3は
ΔLL0・3=LSL0・3−Lc0
である。
ΔLL0・1=LSL0・1−Lc0
であり、第2の下側側波帯の変調度ΔLL0・2は
ΔLL0・2=LSL0・2−Lc0
であり、第3の下側側波帯の変調度ΔLL0・3は
ΔLL0・3=LSL0・3−Lc0
である。
ここで、Lc0は搬送波のレベル、LSU0・1は第1の上側側波帯のレベル、LSU0・2は第2の上側側波帯のレベル、LSU0・3は第3の上側側波帯のレベル、LSL0・1は第1の下側側波帯のレベル、LSL0・2は第2の下側側波帯のレベル、LSL0・3は第3の下側側波帯のレベルである。
次に被試験機器11の遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴である測定データの変調周波数、変調度と被試験機器の近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源本例では機能モジュール16,17,18の電磁波妨害信号の特徴である特徴データ1,2,3の変調周波数、変調度とを夫々照合する(ステップS7)。
この変調周波数の照合は、この測定データと特徴データ1,2,3の差に測定精度等を考慮して行う。また変調度の照合は、測定データと特徴データ1,2,3との差にて行う。
次に、この測定データと特徴データ1,2,3との合致率を計算する(ステップS8)。この測定データと特徴データ1,2,3との変調周波数の合致率の計算式の例を特徴データ1と測定データとの夫々の搬送波に最も近い周波数の第1の側波帯を例に示す。変調周波数合致率AFは
AF=100−|ΔF1・1−ΔF0・1/(α×RBW)×100(%)
である。αは測定精度に関する重み係数。0%以下は0%とする。一般的にαは1〜4の範囲で設定する。その他についても同様に計算する。
AF=100−|ΔF1・1−ΔF0・1/(α×RBW)×100(%)
である。αは測定精度に関する重み係数。0%以下は0%とする。一般的にαは1〜4の範囲で設定する。その他についても同様に計算する。
また変調度の合致率の計算式の例を特徴データ1と測定データとの夫々の第1の下側側波帯を例に示す。
変調度合致率ALは
AL=100−|ΔLL1・1−ΔLL0・1|/β×100(%)
である。βは、測定精度に関する重み係数。0%以下は0%とする。βは、変調度差がβ(dB)を超えると、合致率を0%とするという意味である。βは一般的に、5〜10dBの範囲で設定する。その他についても同様に計算する。
変調度合致率ALは
AL=100−|ΔLL1・1−ΔLL0・1|/β×100(%)
である。βは、測定精度に関する重み係数。0%以下は0%とする。βは、変調度差がβ(dB)を超えると、合致率を0%とするという意味である。βは一般的に、5〜10dBの範囲で設定する。その他についても同様に計算する。
また本例においては、この変調周波数の合致率AF及び変調度の合致率ALから周波数領域情報の合致率Afregを求める式の例を次に示す。
Afreg=√(AF×AL)
本例においては周波数領域情報の合致率Afregが最も高い機能モジュール16を電磁波妨害信号の発生源とする。
Afreg=√(AF×AL)
本例においては周波数領域情報の合致率Afregが最も高い機能モジュール16を電磁波妨害信号の発生源とする。
その後、この合致率の結果を出力し(ステップS9)、測定データに対し、合致率の高い特徴データ1が得られる機能モジュール16を電磁波妨害信号の発生源と特定する。
ステップS5において、搬送波及び側波帯がないときは合致率0%とし(ステップS10)、合致率0%として出力する(ステップS9)。
本例によれば、遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴である周波数領域情報より得た変調周波数及び変調度と近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源である機能モジュール16,17及び18の夫々の特徴データ1,2及び3の夫々の変調周波数及び変調度とを照合しているので、その照合結果を数値化でき、熟練を要することなく比較的容易に且つ比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定することができる。
また本例によれば周波数領域情報の特徴とする変調周波数及び変調度に基づいて電磁波妨害信号の発生源を特定するので、この電磁波妨害信号の周波数と他の機能モジュールのクロック信号の周波数の高調波の周波数とが重畳した場合でも、電磁波妨害信号の発生源を区別することができる。
また、本例においては近傍界で測定した特徴データ1,2及び3を予め登録しておくので、測定データとリアルタイムに照合でき、比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定できる。
また、本例においては近傍界で測定した特徴データ1,2及び3を予め登録しておくので、測定データとリアルタイムに照合でき、比較的短時間で電磁波妨害信号の発生源を特定できる。
また本例では近傍界で測定した複数の特徴データ1,2及び3を予め登録しているので、一度の測定により得られる測定データと複数(例えば3個)の電磁波妨害信号発生源16,17及び18との照合ができ、それだけ、効率よく電磁波妨害信号の発生源を特定できる。
上述例では電磁波妨害信号の特徴として周波数領域情報の変調周波数及び変調度を照合するようにしたが、この代わりに図4のステップS29で得られる電磁波妨害信号の特徴である時間領域情報の周期及びデューティを照合するようにしても良い。
この時間領域情報の照合は基本的には上述周波数領域情報の照合と同じである。
以下にこの合致率を得る計算式例を示す。
周期の合致率ATは、
AT=100−|T1−T0|/J×100(%)
デューティの合致率ADは、
AD=100−|D1−D0|/K×100%
時間領域情報の合致率Atimeは、
Atime=(AT+AD)/2
である。
周期の合致率ATは、
AT=100−|T1−T0|/J×100(%)
デューティの合致率ADは、
AD=100−|D1−D0|/K×100%
時間領域情報の合致率Atimeは、
Atime=(AT+AD)/2
である。
ここで、T1は遠方界で測定した測定データの周期(秒)、T0は近傍界で測定した特徴データの周期、D1は遠方界で測定した測定データのオンデューティ(%)、D0は近傍界で測定した特徴デューティのオンデューティ(%)、J.Kは重み係数で、この測定データとこの特徴データとの差がいくらになれば0%にするかを決定する。
この時間領域情報は一般的にこのJは、SWT/50〜SWT/20の範囲で設定し、また、Kは一般的に5%〜15%の範囲で設定する。
この例によれば電磁波妨害信号の特徴である時間領域情報の周期及びデューティに基づいて、電磁波妨害信号の発生源を特定するので、上述例同様の作用効果が得られることは容易に理解できよう。
また、電磁波妨害信号の特徴として図10に示す如きフローチャートに得られ変調情報を用いることができる。
即ち、この図10のフローチャートにおいては、開始後、先ずステップS41で、測定器であるスペクトラムアナライザにおいて、測定対象の電磁波妨害信号の周波数feを定義(設定)する。この電磁波妨害信号の周波数feは、図5に示す如きEMI規格に基づく通常の評価で得られるスペクトラムデータから得られる周波数データである。
また、このステップS41で、スペクトラムアナライザにおいて、側波帯測定周波数上限fsmaxと側波帯測定周波数下限fsminとを定義(設定)する。この周波数上限fsmax及び周波数下限fsminは測定器の性能と測定にかける時間から決定されるが、一般的には周波数下限fsminは数KHZ〜数10KHZ程度に、周波数上限fsmaxは数100KHZ程度に定義(設定)される。
その後、この電磁波妨害信号の搬送波周波数fcの測定を行う(ステップS42)。この搬送波周波数fcは電磁波妨害信号の周波数feの中心周波数であり、この電磁波妨害信号の周波数feを詳細に測定することで得られる。
次にステップS43で、測定対象とする電磁波妨害信号の周波数feにおいて、スペクトラムアナライザのSPAN(スパン、測定用周波数範囲)を「0」に設定して周波数を特定し、走査時間SWT(Sweep Time)を、周波数上限fsmaxが十分測定できる任意の時間に設定する。例えば1/(2×fsmax)以上等である。
これは本例においては、周波数上限fsmaxが測定できる走査時間SWTから周波数下限fsminが測定できる走査時間SWTまで変化させるからであり、また、周波数下限fsminから周波数上限fsmaxに変化させて測定する場合は、まず周波数下限fsminが十分測定できる走査時間SWTに設定する。
次に測定器であるスペクトラムアナライザの分解能帯域幅(Resolution Band Width )を調整して測定対象の電磁波妨害信号が最も良く測定できる値に設定する(ステップS44)。
次に、測定波形のノイズの除去を行うために、このスペクトラムアナライザのVBW(Video Band Width)を例えば20÷SWTに設定する。これは1/SWT(HZ)の20倍という意味で、一般的には、10倍から40倍程度に設定する(ステップS45)。
上述の状態のスペクトラムアナライザにより電磁波妨害信号の時間領域情報(タイムドメインデータ)を取得する(ステップS46)。このステップS46の測定する時間幅は、設定した周波数下限fsminと周波数上限fsmaxが測定できるように設定する。
この最も短い時間幅は例えば1/fsmax×0.8、最も長い時間幅は例えば1/fsmin×1.5といったように測定対象の電磁波妨害信号の周波数feを十分にカバーできる範囲に設定する。
この場合、周波数下限fsminと周波数上限fsmaxとの両方を同時に測定できる測定器(スペクトラムアナライザ)を使用できるときは、バラツキが少なければ1回の測定で良い。
しかし、これが実現できない場合は、観測時間領域を測定対象の電磁波妨害信号周波数に応じた時間幅で複数回に分けて測定する。
このステップS46で得られる電磁波妨害信号の時間領域情報は例えば図11に示す如き横軸を時間軸とし、縦軸をレベルとした電磁波妨害信号が得られる。
次に、このステップS46で取得した図11に示す如き電磁波妨害信号の時間領域情報に周期性が有るかどうかを判断(検出)する(ステップS47)。
このステップS47で周期性が検出されたときには、その周期TSの周波数1/TS=fsを演算して振幅変調の周波数情報を得ることができ、この周波数情報を周期データとして保管する(ステップS48)。この場合、周期TSは複数ある可能性がある。このようにして、同一の発生源から生じる変調周波数(複数ある可能性もある)を認知することができる。
このステップS47で周期性が検出されたときには、その周期TSの周波数1/TS=fsを演算して振幅変調の周波数情報を得ることができ、この周波数情報を周期データとして保管する(ステップS48)。この場合、周期TSは複数ある可能性がある。このようにして、同一の発生源から生じる変調周波数(複数ある可能性もある)を認知することができる。
電磁波妨害信号の時間領域情報が図11例の場合周期がTS1とTS2との2個あり、この周期TS1及びTS2の夫々の変調周波数fs1=1/TS1及びfs2=1/TS2を演算し、これをメモリーに記憶(保管)する。
その後、スペクトラムアナライザの走査時間SWTを2倍とする(ステップS49)。またステップS47で電磁波妨害信号の時間領域情報(タイムドメインデータ)に周期性が検出されないときはステップS49に移行し、その後、この2倍とした走査時間SWTが1/fsminより小さいかどうかを判断し(ステップS50)、小さいときはステップS45、ステップS46、ステップS47、ステップS48、ステップS49、ステップS50を繰り返し、周期TSの変調周波数fs=1/TSを保管する。
ステップS50でスペクトラムアナライザの走査時間SWTが1/fsminより大きくなったときは、ステップS48で保管された周期データがあるかどうかを判断し(ステップS51)、保管された周期データがないときは、変調情報無しとして終了する(ステップS52)。
このステップS51で保管された周期TSの周期データである振幅変調の変調周波数fs=1/TSがあるときにはこのスペクトラムアナライザのSPANを2×fsよりやや大きく設定すると共に分解能帯域幅RBWをSPAN/20に設定し(ステップS53)、その後、このスペクトラムアナライザで、図12に示す如き、この電磁波妨害信号の狭帯域の周波数領域情報を取り込み、周期TSの周波数fsに対応する側波帯を抽出し、この取り込んだ電磁波妨害情報上にステップS48で保管した変調周波数fs、図11例では変調周波数fs1、fs2が例えば図12に示す如き電磁波妨害信号の周波数領域情報中に存在するかを確認する(ステップS54)。
即ち、時間領域情報より得た変調周波数例えば変調周波数fs1、fs2を示す側波帯が周波数領域情報に存在するかどうかをマッチングする。図12例では側波帯1(fc−fs1、fc+fs1)、側波帯2(fc−fs2、fc+fs2)が存在することが確認できる。
このように周波数領域情報と時間領域情報の測定結果の変調周波数fsとのマッチングを取ることで電磁波妨害信号の変調周波数の抽出精度を向上させることができる。
ステップS54にて、電磁波妨害信号の時間領域情報より得られた変調周波数fsを示す側波帯が、電磁波妨害信号の周波数領域情報上にも存在する場合は、その側波帯(fc−fs、fc+fs)及び搬送波fcの周波数とレベルとを詳細に測定し、変調情報である変調度及び変調周波数を換算する(ステップS55)。
この電磁波妨害信号の変調情報である変調度及び変調周波数を得てこの変調情報の抽出を完了する(ステップS56)。
電磁波妨害信号の特徴として図10に示す如きフローチャートを使用した変調情報を使用することができ、この電磁波妨害信号の特徴として、この変調情報を使用したときにも上述例同様の作用効果が得られることは容易に理解できよう。
尚上述例においては近傍界で測定した特徴データ1,2,3を予め登録(ライブラリ)したが、近傍界の測定による特徴データ1,2,3を遠方界で測定した測定データを得る毎に得るようにしても良いことは勿論である。
また本発明は上述例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成が採り得ることは勿論である。
10‥‥電波暗室、11‥‥被試験機器、12‥‥アンテナ、13‥‥測定システム、14‥‥制御装置、15‥‥モニター、16,17,18‥‥機能ブロック、19‥‥検査プローブ
Claims (5)
- 遠方界で測定した電磁波妨害信号もしくはそれに相当する信号の特徴と、近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴とを照合して電磁波妨害信号の発生源を特定するようにしたことを特徴とする電磁波妨害信号の発生源特定方法。
- 請求項1記載の電磁波妨害信号の発生源特定方法において、
前記近傍界で測定した各電磁波妨害信号発生源の電磁波妨害信号の特徴を予め登録するようにしたことを特徴とする電磁波妨害信号の発生源特定方法。 - 請求項1又は2記載の電磁波妨害信号の発生源特定方法において、
前記電磁波妨害信号の特徴は前記電磁波妨害信号の所定周波数範囲の周波数領域情報のピークを検出して側波帯を検出し、前記検出した側波帯の周波数及びレベルを検出し、
前記検出した側波帯の周波数及びレベルより演算して得た前記電磁波妨害信号の周波数領域情報の変調度及び変調周波数であることを特徴とする電磁波妨害信号の発生源特定方法。 - 請求項1又は2記載の電磁波妨害信号の発生源特定方法において、
前記電磁波妨害信号の特徴は所定周波数範囲の周波数領域情報のピークを検出して側波帯を検出し、前記検出した側波帯を所定時間取得し、前記所定時間取得した側波帯の時間的レベル変化の周期性を検出して得た前記電磁波妨害信号の時間領域情報の周期及びデューティであることを特徴とする電磁波妨害信号の発生源特定方法。 - 請求項1又は2記載の電磁波妨害信号の発生源特定方法において、
前記電磁波妨害信号の特徴は、前記電磁波妨害信号の時間領域情報より周期性を検出し、その周期の周波数を演算し、該周期の周波数より得た周波数領域情報の変調情報であることを特徴とする電磁波妨害信号の発生源特定方法。
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2004
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