JP2006080379A - 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード - Google Patents

異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード Download PDF

Info

Publication number
JP2006080379A
JP2006080379A JP2004264289A JP2004264289A JP2006080379A JP 2006080379 A JP2006080379 A JP 2006080379A JP 2004264289 A JP2004264289 A JP 2004264289A JP 2004264289 A JP2004264289 A JP 2004264289A JP 2006080379 A JP2006080379 A JP 2006080379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
multilayer structure
compound
metal
layers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004264289A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Teraguchi
信明 寺口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004264289A priority Critical patent/JP2006080379A/ja
Publication of JP2006080379A publication Critical patent/JP2006080379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Bipolar Transistors (AREA)

Abstract


【課題】 層同士が異なる結晶構造であり、かつ、結晶性に優れた多層構造体を実現することである。
【解決手段】 結晶構造の異なる2以上の層を含む多層構造体であって、結晶構造を構成する結合軌道が各層で同じである異種結晶多層構造体による。NaCl構造である化合物とCaB構造である化合物を含む多層構造体、体心立方構造である金属とCsCl構造である化合物を含む多層構造体、CaF構造である化合物と面心立方構造である金属を含む多層構造体、CaF構造である化合物と体心立方構造である金属を含む多層構造体などが好ましい。これらの多層構造体によれば、金属ベーストランジスタ1、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオードなどのデバイスが得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、良好な結晶性を有する異種結晶多層構造体ならびにそれを応用した金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオードに関するものである。
多層構造体は、その大部分が同一の結晶構造を有する材料を交互に積層することで成り立っている。同一の結晶構造を有する材料を交互に積層する場合、たとえば、最も一般的な例でいうと、化合物半導体と化合物半導体の多層構造体を形成する場合には、閃亜鉛鉱構造同士を積層して形成している(たとえば、非特許文献1参照)。あるいは、近年注目されている窒化物半導体の場合であれば、ウルツ鉱構造同士を積層して多層構造体を形成している。
また、結晶構造が異なる場合ではGaAsおよびErAsのようにその格子定数がほぼ同じ材料の組合せが用いられている(たとえば、非特許文献2参照)。
IEEE ELECTRON DEVICE LETT. 25(2004)58 APPL.PHYS.LETT 60(1992)2341
結晶構造が同じ化合物半導体同士の組み合わせによって変化させることができるパラメータとしては、バンドギャップ、一部の窒化物半導体におけるピエゾ電界などが挙げられる。それ以外には、変化させることが出来る有用なパラメータはほとんど無く、光学的な応用のみに限られる。
そのため、新たな機能性を目指して異なる結晶構造を有する化合物の積層構造が研究されている。この異なる結晶構造を有する化合物の積層構造を作成するにあたっては、主に、格子定数がどれ位整合しているかについて注意が払われている。しかし、格子定数の整合性を考慮するだけでは、膜厚を厚くしていくと結晶性の悪化が著しくなり、その上層の積層構造の結晶性も著しい影響を受ける場合が多い。たとえば非特許文献2のGaAsおよびErAsの組み合わせの場合であれば、片方が2分子層以下の場合には結晶性は良く見えるが、3分子層のErAsになるとその上のGaAsの結晶性が著しく低下する。このように結晶構造の異なる化合物を積層する場合、格子定数の整合のみでは、良い結晶性を有する多層構造体が得られない。
これまで、各種デバイスに用いることができる良い結晶性を有する組合せは、見出されていない。
本発明の目的は、層同士が異なる結晶構造を有する化合物からなり、かつ、結晶性に優れた異種結晶多層構造体を実現することである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、異なる結晶構造を有する材料の積層構造に関しては、結晶構造を構成する結合軌道が良好な結晶性を得るのに重大な影響を及ぼすことを見出した。たとえば、非特許文献2のGaAsおよびErAsの場合であれば、GaAsの結合軌道はsp3混成軌道であるのに対し、ErAsの結合軌道がp軌道であることから結合軌道の整合性が無いために良好な多層構造が得られない。ただし、片方が2分子層以下の場合にはもう一方の材料の結合軌道に強制的に安定化されることがある。たとえば、2分子層以下のErAsは、sp3混成軌道に強制的に安定化されるため結晶性が良く見えるが、3分子層のErAsになるとp軌道が安定化するためその上のGaAsの結晶性が著しく低下する。
そして、本発明者は、異なる結晶構造を有する材料を用いた多層構造に関して格子定数の整合性だけではなく、結晶構造を構成する結合軌道が同じであれば、結晶性に優れた多層構造体が実現できることを見出し、さらに、結晶構造を構成する結合軌道が同じ結晶構造の組合せを見出し本発明を完成させた。
本発明は、結晶構造の異なる2以上の層を含む異種結晶多層構造体であって、
結晶構造の異なる2以上の層は、結晶構造を構成する結合軌道が同じであることを特徴とする異種結晶多層構造体である。
本発明は、結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がNaCl構造である化合物からなる層と、結晶構造がCaB構造である化合物からなる層とを含むことを特徴とする。
本発明は、結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造が体心立方構造である金属からなる層と、結晶構造がCsCl構造である化合物からなる層とを含むことを特徴とする。
本発明は、結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がCaF構造である化合物からなる層と、結晶構造が面心立方構造である金属からなる層とを含むことを特徴とする。
本発明は、結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がCaF構造である化合物からなる層と、結晶構造が体心立方構造である金属からなる層とを含むことを特徴とする。
ただし、面心立方構造およびCaF構造の組合せの場合と異なり体心立方構造の格子定数の20.5倍がCaF構造の格子定数とほぼ一致するのが好ましい。すなわち、<100>CaF//<110>bccのエピタキシャル方位関係があることが好ましい。
本発明は、前記異種結晶多層構造体を、エミッタ層、コレクタ層および金属ベース層として含むことを特徴とする金属ベーストランジスタである。
本発明は、前記異種結晶多層構造体を、分布ブラッグ反射体として含むことを特徴とする面発光レーザである。
本発明は、前記異種結晶多層構造体を、磁気抵抗効果を有する多層構造体として含むことを特徴とする磁気抵抗膜である。
本発明は、前記異種結晶多層構造体を、共鳴トンネル効果を有する共鳴トンネル構造体として含むことを特徴とする共鳴トンネルダイオードである。
本発明によれば、結晶構造の異なる2以上の層を積層して多層構造体を製造するに際し、結晶構造を構成する結合軌道が同じである層を積層することによって、結晶性が良好な異種結晶多層構造体を得ることが可能となる。また、該異種結晶多層構造体は、光学的特性に加えて、抵抗値などの電気的特性・磁気的特性なども変化させることが可能であるので本発明を応用したデバイスの特性を飛躍的に改善することができる。
本発明によれば、NaCl構造である化合物においてNaCl構造を構成する結合軌道はp軌道であり、一方のCaB構造の化合物においてCaB構造を構成する結合軌道もCaの採っているp軌道である。尚、このCaB構造の化合物においては、B分子がCa単純格子によって内包された形になる。したがってNaCl構造の化合物およびCaB構造の化合物の間で結合軌道の整合性が取れているために結晶性に優れた異種結晶多層構造を実現することが可能となる。この異種結晶多層構造体は、種々の光学的・電気的デバイスなどに使用することができ、良好な結晶性を有しており、種々の化合物を組み合わせることができるため優れた特性を示すデバイスを得ることができる。
本発明によれば、体心立方構造を採る金属において体心立方構造を構成する結合軌道はsp3混成軌道であり、一方のCsCl構造の化合物においてCsCl構造を構成する結合軌道もsp3混成軌道である。したがって体心立方構造を採る金属およびCsCl構造である化合物の両者の間で結合軌道の整合性が取れているために結晶性に優れた異種結晶多層構造を実現することが可能となる。この異種結晶多層構造体は、種々の光学的・電気的デバイスなどに使用することができ、良好な結晶性を有しており、種々の化合物を組み合わせることができるため優れた特性を示すデバイスを得ることができる。
本発明によれば、CaF構造は、面心立方構造からなるCa格子内にF原子による単純格子が内包された形となっており、CaF構造の化合物においてCaF構造を構成する結合軌道はsp3混成軌道であり、一方の面心立方構造を採る金属において面心立方構造を構成する結合軌道もsp3混成軌道である。したがって、CaF構造の化合物および面心立方構造を採る金属の両者の間で結合軌道の整合性が取れているために結晶性に優れた異種結晶多層構造を実現することが可能となる。この異種結晶多層構造体は、種々の光学的・電気的デバイスなどに使用することができ、良好な結晶性を有しており、種々の化合物を組み合わせることができるため優れた特性を示すデバイスを得ることができる。
本発明によれば、CaF構造は、面心立方構造からなるCa格子内にF原子による単純格子が内包された形となっており、CaF構造の化合物においてCaF構造を構成する結合軌道はsp3混成軌道であり、一方の体心立方構造を採る金属において体心立方構造を構成する結合軌道もsp3混成軌道である。したがってCaF構造をとる化合物と体心立方構造である金属の両者の間で結合軌道の整合性が取れているために結晶性に優れた異種結晶多層構造を実現することが可能となる。この異種結晶多層構造体は、種々の光学的・電気的デバイスなどに使用することができ、良好な結晶性を有しており、種々の化合物を組み合わせることができるため優れた特性を示すデバイスを得ることができる。
本発明によれば、異種結晶多層構造体を用いて、金属ベーストランジスタを得ることができる。この金属ベーストランジスタは良好な電気特性を持つことができる。
本発明によれば、異種結晶多層構造体によって少ない層で大きな反射率を有するDBR(分布ブラッグ反射体)を備えた面発光レーザを得ることができる。
本発明によれば、異種結晶多層構造体によって磁気抵抗膜を得ることができる。この磁気抵抗膜は、大きな抵抗変化率を有することが可能である。
本発明によれば、異種結晶多層構造体を含む共鳴トンネルダイオードを得ることができる。
本発明の異種結晶多層構造体は、異なる結晶構造を有する材料からなる2以上の層を含む多層構造体であって、各層の結晶構造を構成する結合軌道が同じである。
隣り合う層が異種結晶であって結晶構造を構成する結合軌道が同じものを含む異種多層構造体(以下、単に「多層構造体」という。)としては、たとえば、NaCl構造である化合物とCaB構造である化合物を含む多層構造体、体心立方構造である金属とCsCl構造である化合物を含む多層構造体、CaF構造である化合物と面心立方構造である金属を含む多層構造体、CaF構造である化合物と体心立方構造である金属を含む多層構造体などが挙げられる。これらの層の材料としては、特に制限されないが、無機化合物を好ましく使用できる。
[NaCl構造である化合物とCaB構造である化合物を含む多層構造体]
NaCl構造の基本となる結合軌道はp軌道であり、一方のCaB構造の場合も、CaBにおいてB分子がCa単純格子によって内包された形になるため、基本となる結合軌道はCaの採っているp軌道である。両者の間で結合軌道の整合性が取れているため、たとえば、エピタキシャル成長などを用いて積層させることによって、良好な結晶性を有する異種結晶多層構造体を得ることができる。この多層構造体は、種々の光学的・電気的デバイスなどに使用することができ、良好な結晶性を有しており、種々の化合物を組み合わせることができるため優れた特性を示すデバイスを得ることができる。
NaCl構造を採る化合物としては、特に制限されないが、たとえば、希土類元素の窒素化物・燐化物・砒素化物・アンチモン化物・酸化物・硫化物・セレン化物・テルル化物および酸化マグネシウムなどが挙げられる。NaCl構造をとる希土類元素含有化合物は、バンドギャップの値が幅広く異なっており、半導体から半金属まで変化する点、また、磁性半導体にもなる点などから好ましく使用できる。
CaB構造を採る化合物としては、特に制限されないが、たとえば、BaB、CaB、CeB、DyB、ErB、GdB、LaB、LuB、NdB、PrB、SiB、SmB、SrB、TbB、ThB、TmB、YBおよびYbBなどが挙げられる。CaB構造をとる希土類元素含有6ホウ化化合物は、バンドギャップの値が幅広く異なっており、半導体から半金属まで変化する点、また、磁性半導体にもなる点などから好ましく使用できる。さらに、他の材料との格子整合性の点から、NdB、BaBが好ましく使用できる。
[体心立方構造である金属とCsCl構造である化合物を含む多層構造体]
体心立方構造およびCsCl構造のいずれの場合も基本となる結合軌道はsp3混成軌道であるため、両者の間で結合軌道の整合性が取れているので結晶性に優れた多層構造を実現することが可能となる。
体心立方構造を採る金属としては、特に制限されないが、たとえば、Ba、Cr、Fe、Hf、Li、Tl、Euなどが挙げられる。
CsCl構造を採る化合物としては、特に制限されないが、たとえばCsIなどがあげられる。
体心立方構造を採る金属とCsCl構造を採る化合物との組合せとしては、EuおよびCsIの組合せが一層好ましく使用できる。
[CaF構造である化合物と面心立方構造である金属を含む多層構造体]
CaF構造の基本は、面心立方構造からなるCa格子内にF原子による単純格子が内包された形となっている。したがって基本となる結合軌道はどちらもsp3混成軌道であることから、両者の間で結合軌道の整合性が取れているために結晶性に優れた多層構造を実現することが可能となる。
CaF構造を採る化合物としては、特に制限されないが、たとえば、Ba、Ca、Euなどのフッ化物および希土類元素の水素化物などが挙げられる。CaF構造をとる希土類元素含有化合物は、バンドギャップの値が幅広く異なっており、半導体から半金属まで変化する点、また、磁性半導体にもなる点などから好ましく使用できる。また、格子定数の整合性の点からCaFも好ましく使用できる。
面心立方構造を採る金属としては、特に制限されないが、たとえば、Yb、Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Ni、Pd、PtおよびRhなどが挙げられる。
[CaF構造である化合物と体心立方構造である金属を含む多層構造体]
CaF構造の基本は、面心立方構造からなるCa格子内にF原子による単純格子が内包された形となっている。したがってCaF構造を採る化合物の基本となる結合軌道はsp3混成軌道である。また、体心立方構造をとる金属の結合軌道はsp3である。これらから、CaF構造を採る化合物と体心立方構造を採る金属の間で結合軌道の整合性が取れているので結晶性に優れた多層構造を実現することが可能となる。ただし、CaF構造である化合物と面心立方構造である金属の組み合わせの場合と異なり体心立方構造の格子定数の20.5倍がCaF構造の格子定数とほぼ一致する必要がある。すなわち、<100>CaF//<110>bccのエピタキシャル方位関係が必要となる。
CaF構造を採る化合物としては、特に制限されないが、たとえば、Ba、Ca、Euなどのフッ化物および希土類元素の水素化物などが挙げられる。CaF構造をとる希土類元素含有化合物は、バンドギャップの値が幅広く異なっており、半導体から半金属まで変化する点、また、磁性半導体にもなる点などから好ましく使用できる。また、格子定数の整合性の点からCaFも好ましく使用できる。
体心立方構造を採る金属としては、特に制限されないが、たとえば、Ba、Cr、Fe、Hf、Li、Tl、Euなどが挙げられる。
これらの多層構造体は、結晶を構成する結合軌道の整合性が取れているので、たとえば、エピタキシャル成長をさせて積層することによって良好な結晶性を有する多層構造体を製造することができる。
これらの多層構造体においては、各層の格子定数は、特に制限されないが、近似する方が好ましい。ただ、各層の格子定数があまり近似しない場合であっても、格子定数の整合性の不一致を回避することができる。図7は、隣り合う2層の格子定数が一致しない場合の回避手段の一例を示す断面図である。たとえば、隣り合う2層52,53の格子定数がbあるいはcであり、bおよびcがあまり近似しない場合であっても、b<a<cを満たす格子定数aの基板51上に格子定数があまり近似しない2層52,53を形成する方法などを用いることによって、これらの2層の格子定数b、cを基板の格子定数aに近づけることが可能になる。このような方法により隣り合う2層の格子定数の整合性の不一致を回避することができる。
以下、これらの多層構造体を応用したデバイスを示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[金属ベーストランジスタ]
図1は、第1実施形態である金属ベーストランジスタ1の構成を模式的に示す断面図である。本第1実施形態において、金属ベーストランジスタ1は、基板2、バッファ層3、コレクタ層4、金属ベース層5、エミッタ層6、コレクタ電極7、ベース電極8およびエミッタ電極9を含んで構成される。コレクタ層4、金属ベース層5およびエミッタ層6には、たとえば、NaCl構造である化合物とCaB構造である化合物からなる多層構造体を好ましく使用できる。この金属ベーストランジスタ1の材料は特に限定されないが、たとえば、基板2にGaAs、バッファ層3にNaCl構造を採る化合物であるVN、コレクタ層4にNaCl構造を採る化合物であるn型VN、金属ベース層5にCaB構造を採る化合物であるNdB、エミッタ層6にNaCl構造を採る化合物であるn型VN、コレクタ電極7およびエミッタ電極9にTi/Al(下層/上層)(以下「/」の記号は、後に続く層をより上層とするものとする。)、ベース電極8にNd/Auを好ましく使用できる。VNなどの成長方法としては特に制限されないが、RFスパッタ法、分子線エピタキシー(MBE)法および有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。また、バッファ層2は、結晶構造および格子定数の整合性などの理由から設けられるものであるので、結晶構造および格子定数などが整合していれば設けなくてもよい場合がある。
[面発光レーザ]
図2は、第2実施形態の面発光レーザ11の構成を模式的に示す断面図である。面発光レーザは、基板12、バッファ層13、下部DBR(分布ブラッグ反射体)14、n型キャリア拡散層15、下部グレーデッド層16、活性層17、上部グレーデッド層18、p型キャリア拡散層19、上部DBR(分布ブラッグ反射体)20、p型電極21およびn型電極22を含んで構成される。下部DBR14、上部DBR20には、特に制限されないが、NaCl構造を採る化合物とCaB構造を採る化合物からなる多層構造体を好ましく使用できる。
この面発光レーザの材料としては、特に制限されないが、たとえば、基板12はSmO、バッファ層13はGdN、下部DBR14は、BaB/LaN、n型キャリア拡散層15はキャリアとしてSiが含まれるn型GdN、下部グレーデッド層16はInGdN、活性層17はInGdN、上部グレーデッド層18はInGdN、p型キャリア拡散層19はキャリアとしてMgが含まれるp型GdN、上部DBR20は、CaB構造を採る化合物であるBaBとNaCl構造を採る化合物であるLaNの多層構造体、p型電極21はTi/Al、n型電極22はPt/Auを好ましく用いることができる。この実施形態においては、DBRにBaBなどの金属を含んだ化合物を用いることができることから少ない積層数で大きい反射率を得ることが可能になる。
[磁気抵抗膜]
図3は、第3実施形態の磁気抵抗膜31を模式的に示す断面図である。磁気抵抗膜31は、基板32、多層構造33、電極34を含んで構成される。この多層構造33には、たとえば、体心立方構造をとる金属とCsCl構造をとる化合物からなる多層構造体を、好ましく用いることができる。この磁気抵抗膜の材料としては、基板32はCsI、多層構造33は体心立方構造をとる金属であるEuからなる層33aおよびCsCl構造をとる化合物であるCsIからなる層33bを複数回交互に積層した多層構造体を好ましく使用することができる。
[共鳴トンネルダイオード]
図4は、第4実施形態の共鳴トンネルダイオード41を模式的に示す断面図である。共鳴トンネルダイオード41は、基板42、バッファ層43、共鳴トンネル構造体44、電極45を含んで構成される。共鳴トンネル構造体44には、面心立方構造をとる金属とCaF構造をとる化合物とからなる多層構造体および体心立方構造をとる金属とCaF構造をとる化合物とからなる多層構造体を好ましく使用できる。この共鳴トンネルダイオード41の材料としては、基板42はSi、バッファ層43はCaF、共鳴トンネル構造体44はYb/CaF/Yb/CaF/Ybを積層した多層構造体を好ましく使用できる。面心立方構造をとる金属であるYbに代えて、体心立方構造をとる金属であるTlも好ましく使用できる。
CaF構造のみを使ったCaF/CdF共鳴トンネル構造が知られているが、Cd(カドミウム)には、安全面で問題がある。一方、Yb(イッテルビウム)およびTl(タリウム)にはこのような問題はなく良好に使用できる。
本共鳴トンネルダイオードは、高速の電子スイッチ、高周波オシレータおよび機能素子などへの応用が可能である。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
(実施例1)
第1実施形態の金属ベーストランジスタ1を作成した。300μm厚の半絶縁性GaAs基板2上にVN(窒化バナジウム)を結晶構造の違いと格子定数の違いを緩和するように厚く成長させ、具体的には3μm成長させて、VNバッファ層3とした。本実施例では、1200℃まで基板加熱可能なRFスパッタ法を用いてVN層を成長させた。次に、n型VN(キャリア濃度5×1017cm−3)を200nm成長させてコレクタ層4とした。その後NdBを100nm成長させてベース層5とした。さらに、n型VNを150nm成長させてエミッタ層6とした。VN層の成長は、基板温度1000℃で、V(バナジウム)ターゲット(純度99.99%)を用いAr−Nを用いた反応性スパッタリングを用いた。NdB(六硼化ネオジウム)の成長は、基板温度1000℃で、Nd(ネオジウム)ターゲット(純度99.9%)を用いAr−B(ジボラン)を用いた反応性スパッタリングで行った。これにフォトリソグラフを施し、電極7、8、9を形成して金属ベーストランジスタが完成した。電極7、9はTi/Al(厚さ16nm/200nm)を形成して600℃で30秒間アニールして作成した。電極8はNd/Au(厚さ20nm/100nm)でアニールを行わずに作成した。その後、動作確認をすると図5のトランジスタ特性が得られた。
(実施例2)
第2実施形態の面発光レーザ11を作成した。成長方法は、実施例1と同様RFスパッタ法を用いた。厚さ100μmのSmO基板12上にGdNバッファ層13を基板温度900℃で2μm成長し、その後BaB(10nm)/LaN(15nm)積層構造を4周期成長させて下部DBR14を形成した。引き続いて、Siを含むn型のGdN(キャリア濃度1×1018cm−3)を膜厚が1μmになるように成長させn型キャリア拡散層15を形成し、In組成を0から10at%に変化させてInGdNを20nm成長させて下部グレーデッド層16を形成し、In0.2Gd0.8Nを10nm成長させて活性層17を形成し、In組成を10at%から0%に変化させてInGdN層を20nm成長させて上部グレーデッド層18を形成した。Mgを含むp型のGdN(キャリア濃度1×1018cm−3)を200nm成長させp型キャリア拡散層19を形成し、BaB(10nm)/LaN(15nm)積層構造を2周期積層させて上部DBR20を形成した。その後、Ti/Al(厚さ16nm/200nm)を成長させ600℃で30秒間アニールしてp型電極21を形成した。またPt/Au(厚さ20nm/100nm)を成長させアニールせずにn型電極22を形成して面発光レーザを作製した。通常の面発光レーザでは、半導体多層構造を用いるが、本発明ではBaB金属を用いることで少ない積層数で大きい反射率を得ることができ、5μm角の素子に対して、閾値電圧2.5V,閾値電流450μAでレーザ発振を確認した。
(実施例3)
第3実施形態の磁気抵抗膜31を作成した。本実施例では、分子線エピタキシー法を用い基板温度200℃で成長を行った。CsI基板(厚さ150μm)32上にpBNるつぼに封入したEu(ユーロピウム)とCsIをそれぞれ加熱しEu(1nm)/CsI(1nm)多層構造33を20周期成長させた。Auを用いて電極34を作成した。そして磁気抵抗の変化を調べた。その結果、79.58kA/m(1キロエルステッド)の磁界印加に対して200%の抵抗変化を確認した。この抵抗の変化は、磁界のないときの抵抗率をρ、磁界のあるときの抵抗率をρとして、ρ>ρで、(ρ−ρ)/ρと計算することにより求めた。そして、この抵抗率は、通常の4端子法を用いて測定した。
(実施例4)
第4実施形態の共鳴トンネルダイオード41を作成した。共鳴トンネル構造には、金属/絶縁体/金属/絶縁体/金属積層構造を用いた。結晶成長法としては電子線加熱を組み合わせたMBE法を用いた。厚さ300μmのSi基板42上にCaFからなるバッファ層43を基板温度300℃で1μm成長させ、その上に同じ基板温度でYb(100nm)/CaF(0.5nm)/Yb(1nm)/CaF(0.5nm)/Yb(50nm)を積層し共鳴トンネル構造体44を形成し、最後にAuを200nm形成して電極45を作成した。CaFの蒸発には電子線(EB)加熱を用い、Ybはるつぼ加熱を用いた。
上下のYb間に電流を流すことで図6に示す共鳴トンネル効果を確認した。
(実施例5)
実施例4におけるYbの代わりにTlを用いて同様に共鳴トンネルダイオード41を作製し共鳴トンネル効果を確認した。
第1実施形態の金属ベーストランジスタを示す断面図である。 第2実施形態の面発光レーザを示す断面図である。 第3実施形態の磁気抵抗膜を示す断面図である。 第4実施形態の共鳴トンネルダイオードを示す断面図である。 実施例1の金属ベーストラジスタのトランジスタ特性を示す図である。 実施例4の共鳴トンネルダイオードの共鳴トンネル効果を示す図である。 隣り合う2層の格子定数が一致しない場合の回避手段の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 金属ベーストランジスタ
2 基板
3 バッファ層
4 コレクタ層
5 ベース層
6 エミッタ層
7 コレクタ電極
8 ベース電極
9 エミッタ電極
11 面発光レーザ
12 基板
13 バッファ層
14 下部DBR
15 n型キャリア拡散層
16 下部グレーデッド層
17 活性層
18 上部グレーデッド層
19 p型キャリア拡散層
20 上部DBR
21 p型電極
22 n型電極
31 磁気抵抗膜
32 基板
33 多層構造
34 電極
41 共鳴トンネルダイオード
42 基板
43 バッファ層
44 共鳴トンネル構造体
45 電極

Claims (9)

  1. 結晶構造の異なる2以上の層を含む異種結晶多層構造体であって、
    結晶構造の異なる2以上の層は、結晶構造を構成する結合軌道が同じであることを特徴とする異種結晶多層構造体。
  2. 結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がNaCl構造である化合物からなる層と、結晶構造がCaB構造である化合物からなる層とを含むことを特徴とする請求項1記載の異種結晶多層構造体。
  3. 結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造が体心立方構造である金属からなる層と、結晶構造がCsCl構造である化合物からなる層とを含むことを特徴とする請求項1記載の異種結晶多層構造体。
  4. 結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がCaF構造である化合物からなる層と、結晶構造が面心立方構造である金属からなる層とを含むことを特徴とする請求項1記載の異種結晶多層構造体。
  5. 結晶構造を構成する結合軌道が同じでありかつ結晶構造が異なる2以上の層は、結晶構造がCaF構造である化合物からなる層と、結晶構造が体心立方構造である金属からなる層とを含むことを特徴とする請求項1記載の異種結晶多層構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの異種結晶多層構造体を、エミッタ層、コレクタ層および金属ベース層として含むことを特徴とする金属ベーストランジスタ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つの異種結晶多層構造体を、分布ブラッグ反射体として含むことを特徴とする面発光レーザ。
  8. 請求項1〜5のいずれか1つの異種結晶多層構造体を、磁気抵抗効果を有する多層構造体として含むことを特徴とする磁気抵抗膜。
  9. 請求項1〜5のいずれか1つの異種結晶多層構造体を、共鳴トンネル効果を有する共鳴トンネル構造体として含むことを特徴とする共鳴トンネルダイオード。
JP2004264289A 2004-09-10 2004-09-10 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード Pending JP2006080379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264289A JP2006080379A (ja) 2004-09-10 2004-09-10 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264289A JP2006080379A (ja) 2004-09-10 2004-09-10 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006080379A true JP2006080379A (ja) 2006-03-23

Family

ID=36159574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004264289A Pending JP2006080379A (ja) 2004-09-10 2004-09-10 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006080379A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015152736A2 (en) 2014-04-02 2015-10-08 Granville Simon Edward Magnetic materials and devices comprising rare earth nitrides
WO2017090730A1 (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 Tdk株式会社 スピン流磁化反転素子、磁気抵抗効果素子、および磁気メモリ
CN108950505A (zh) * 2018-08-07 2018-12-07 泉州市康馨化工科技有限公司 具有强铁磁性的CaB6薄膜的制备方法
JP2019522358A (ja) * 2016-06-02 2019-08-08 アイキューイー ピーエルシーIQE plc GaN基板用途のためのプニクタイド緩衝材構造およびデバイス

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015152736A2 (en) 2014-04-02 2015-10-08 Granville Simon Edward Magnetic materials and devices comprising rare earth nitrides
CN106537624A (zh) * 2014-04-02 2017-03-22 S·E·格兰维尔 包含稀土氮化物的磁性材料和设备
JP2017513231A (ja) * 2014-04-02 2017-05-25 サイモン エドワード グランビル 希土類窒化物を含む磁性材料およびデバイス
EP3127125A4 (en) * 2014-04-02 2018-01-10 Granville, Simon Edward Magnetic materials and devices comprising rare earth nitrides
US10373752B2 (en) 2014-04-02 2019-08-06 Franck Natali Magnetic materials and devices comprising rare earth nitrides
WO2017090730A1 (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 Tdk株式会社 スピン流磁化反転素子、磁気抵抗効果素子、および磁気メモリ
JPWO2017090730A1 (ja) * 2015-11-27 2018-09-13 Tdk株式会社 スピン流磁化反転素子、磁気抵抗効果素子、および磁気メモリ
JP2019522358A (ja) * 2016-06-02 2019-08-08 アイキューイー ピーエルシーIQE plc GaN基板用途のためのプニクタイド緩衝材構造およびデバイス
CN108950505A (zh) * 2018-08-07 2018-12-07 泉州市康馨化工科技有限公司 具有强铁磁性的CaB6薄膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6566595B2 (en) Solar cell and process of manufacturing the same
US10825912B2 (en) Integrated epitaxial metal electrodes
US20070259510A1 (en) Semiconductor device, semiconductor layer and production method thereof
US11495670B2 (en) Integrated epitaxial metal electrodes
JPH0832115A (ja) 電極構造およびその製造方法
CN101449394A (zh) 氮化物半导体发光元件
CN101449393A (zh) 氮化物半导体发光元件
TWI805620B (zh) 具可調功函數之金屬電極
JP4541318B2 (ja) 窒化物半導体発光・受光素子
JP2017532755A (ja) 化合物半導体デバイスのためのエピタキシャル金属の遷移金属窒化物層
JPH0268968A (ja) 化合物半導体発光素子
US10418457B2 (en) Metal electrode with tunable work functions
JP5384783B2 (ja) 半導体発光素子のための逆分極発光領域
JP6686183B2 (ja) エピタキシャル成長用基板、エピタキシャル成長用基板の製造方法、エピタキシャル基板及び半導体素子
JP3767660B2 (ja) 積層構造体及びそれを用いた化合物半導体デバイス
JP2006080379A (ja) 異種結晶多層構造体ならびに異種結晶多層構造体を含む金属ベーストランジスタ、面発光レーザ、磁気抵抗膜および共鳴トンネルダイオード
US7671378B2 (en) Photonic devices formed on substrates and their fabrication methods
JP2009267088A (ja) 発光素子用基板とそれを用いた発光装置
JP2007042771A (ja) p型ワイドギャップ半導体
JPH11340511A (ja) 電極の製造方法
JP6908367B2 (ja) 赤外線発光素子
JP3519950B2 (ja) 電極構造
EP3915133B1 (en) Integrated epitaxial metal electrodes
JP4107753B2 (ja) 固溶半導体レーザ素子用材料およびレーザ素子
JP3939257B2 (ja) 半導体装置の製造方法