JP2006072150A - 光学異方性層及びその製造方法、液晶表示装置及び液晶プロジェクタ - Google Patents

光学異方性層及びその製造方法、液晶表示装置及び液晶プロジェクタ Download PDF

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雅男 佐藤
Yosuke Takeuchi
洋介 竹内
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Abstract

【課題】 黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止する光学異方性層及びその製造方法、前記光学異方性層からなる光学補償素子を用いることにより高視野角、高コントラストで高画質な液晶表示装置及び液晶プロジェクタの提供。
【解決手段】 重合性化合物で形成された光学異方性を示す有機層の間に、少なくとも配向膜と中間層とが設けられていることを特徴とする光学異方性層及びその製造方法。一対の電極及び該電極間に封入される液晶分子を有する液晶素子と、該液晶素子の両面又は片面に配される前記光学補償素子と、前記液晶素子及び光学補償素子に対向配置される偏光素子とを備えた液晶表示装置。光源からの照明光を液晶表示装置に照射し、液晶表示装置によって光変調された光を投影光学系によりスクリーン上に結像させて画像を表示する液晶プロジェクタ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学異方性層及びその製造方法、液晶表示装置及び液晶プロジェクタに関する。
近年、液晶表示装置は、その用途展開が急速に進んでおり、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに使われている。
一般に、液晶表示装置は、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードなどの表示モードで液晶を動作させて、該液晶を通過する光を電気的に制御して明暗の違いを画面上に表すことで、文字や画像を表現する液晶表示装置である。
このような液晶表示装置としては、一般に、TFT(Thin Film Transistor)−LCDが知られており、該TFT−LCDの液晶動作モードとしてはTNモードが主流である。一方、近年液晶表示装置の用途展開が進むにつれて、高コントラスト化の要望が高まっており、VAモードの液晶表示装置の研究も盛んに行われている。
TNモードの液晶表示装置は、2枚のガラス基板の間に90°ねじれたネマチック液晶が封入され、また、2枚のガラスの外側には一対の偏光板がクロスニコルで配置されている。そして、電圧無印加状態では、偏光子側の偏光板を通った直線偏光が液晶層で偏光面が90°ねじられて検光子側の偏光板を通過して白表示となる。また、電圧が十分に印加された状態では、液晶の配列方向が液晶パネルに略垂直に変化して、偏光子側の偏光板を通った直線偏光が偏光状態を変化させることなく液晶層を通り抜けて検光子側の偏光板に到達して黒表示となる。
一方、VAモードの液晶表示装置は、2枚のガラス基板の間に垂直配向あるいは垂直傾斜配向するようにネマチック液晶が封入され、また、2枚のガラスの外側には一対の偏光板がクロスニコルで配置されている。そして、電圧無印加状態では、偏光子側の偏光板を通った直線偏光が液晶層でその偏光面をほとんど変化させることなく液晶層を通り抜けて検光子側の偏光板に到達して黒表示となる。また、電圧が十分に印加された状態では、液晶の配列方向が液晶パネルに平行で、且つ90°ねじれた状態に変化して、偏光子側の偏光板を通った直線偏光が液晶層で偏光面が90°ねじられて検光子側の偏光板を通過して白表示となる。
これらの表示モードで動作する液晶表示装置は、斜め方向から表示画面を見た場合に、コントラストの低下や階調表示で明るさが逆転する階調反転現象等による表示特性の悪化が生じるという視野角依存性の問題がある。
このような視野角依存性の問題は、液晶表示装置を黒表示しようとしても、視野角によっては、完全な黒にはならず、光漏れを起こすことに起因する。
従来より、黒表示状態の液晶層を通過する光の位相差値と、光学異方性層の位相差値とを合わせこみ、該黒表示状態の液晶層を三次元的に光学補償して、どの方向から見ても光漏れをなくして、視野角依存性の問題を改善する光学補償フィルムが提案されている。
例えば、本願出願人によって、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の透明支持体及びその上に設けられた光学異方性層からなる光学補償シートであって、前記光学異方性層がディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性を有する層であり、前記ディスコティック構造単位の円盤面が、透明支持体面に対して傾いており、且つ、前記ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方性層の厚み方向において変化するハイブリッド配向を有し、前記透明支持体が光学的にほぼ一軸性の負の屈折率楕円体の特性を有する光学補償シートが提案されている(特許文献1参照)。
この光学補償フィルムによれば、黒表示状態の液晶層と鏡面対称となるように前記光学異方性層のディスコティック構造単位が配列されているため、前記透明支持体と前記ディスコティック構造単位との積層体全体の光学特性として、黒表示状態の液晶層が光学的に補償され幅広い視野角において光漏れを防止することが可能となる。
しかしながらこの場合、前記光学補償フィルムを用いることにより、前記液晶表示装置の視野角依存性の問題が改善され、視野角を拡大することに成功したが、近年、大画面表示を可能とする大画面液晶モニターや液晶プロジェクタ等への要望が高まり、前記大画面液晶モニターや液晶プロジェクタ等に対し、更なる高視野角、高コントラスト化が望まれている。特に、液晶プロジェクタは、様々な角度で液晶セルに入射した光が投影レンズにより統合されてスクリーンに拡大投影されるため、より高いコントラストが要求され、前記光学補償フィルムには未だ改善の余地がある。
即ち、前記光学補償フィルムでは、前記透明支持体にTACフィルムが用いられており、該TACフィルムの厚みの均一化や前記TACフィルムの光学特性を高精度で所望の特性とすることが難しく、近年の要求に対しては、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償して、幅広い視野角において光漏れを防止することは不十分であった。
また、従来より、液晶セルを挟むように配置される2つの偏光板間に、ハイブリット配向した液晶層を有する光学フィルムを配置してなり、該光学フィルムが、複屈折性が極めて少ないプラスチックフィルムからなる基材フィルム上にハイブリッド配向した液晶層を配置してなる液晶プロジェクタのコントラスト比改善方法が知られている(特許文献2参照)。前記光学フィルムを有機材料で複数層形成して光学的に補償する有機層では、既に積層した光学フィルム上へ塗布する配向膜形成用塗布液が、前記光学フィルムに悪影響を与え、安定した積層をすることができなかった。特に、ポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用いる場合には、該塗布液中の溶剤が前記光学フィルムに浸入し、該光学フィルムの表面を破壊してしまうという塗布適性に欠ける点で問題があった。
このように、安定して光学フィルムを得ることが不十分であり、また、光学フィルム全体として、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償して、幅広い視野角において光漏れを防止することが不十分であった。
特開平8−50206号公報 再公表特許WO01/090808
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光学異方性層、該光学異方性層を安定して得る製造方法及び前記光学異方性層を備えた光学補償素子を用い、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止することにより高視野角、高コントラストで高画質な液晶表示装置及び液晶プロジェクタを提供することを目的とする。
<1> 重合性化合物で形成された光学異方性を示す有機層の間に、少なくとも配向膜と中間層とが設けられていることを特徴とする光学異方性層である。
<2> 中間層が、無機材料で形成された前記<1>に記載の光学異方性層である。
<3> 中間層が、蒸着により形成されたAl層及びZnS層である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<4> 中間層の厚みが、5〜5000nmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<5> 有機層が、液晶構造を含む重合性液晶化合物から形成され、前記液晶構造の配向角が、前記有機層の厚み方向に対して傾斜した状態で重合により固定されてなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<6> 有機層における層内の液晶構造が、一定方向に向いた配向方向を有してなる前記<5>に記載の光学異方性層である。
<7> 有機層における少なくとも2層の配向方向が、互いに異なる2つの層を有する前記<6>に記載の光学異方性層である。
<8> 有機層における少なくとも2層の配向方向が互いに異なる2つの層が、透明支持体の一方の面上に設けられた前記<7>に記載の光学異方性層である。
<9> 配向方向が直交する2つの層を有する前記<6>から<8>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<10> 配向角が、前記有機層の厚み方向に変化するハイブリッド配向である前記<9>に記載の光学異方性層である。
<11> 液晶構造が円盤状である前記<1>から<10>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<12> 液晶構造が棒状である前記<1>から<10>のいずれかに記載の光学異方性層である。
<13> 一の配向膜上に光学異方性を示す一の有機層を形成する一の有機層形成工程と、
該有機層上に中間層を形成する中間層形成工程と、
該中間層上に他の配向膜を形成する配向膜形成工程と、
前記他の配向膜上に光学異方性を示す他の有機層を形成して、2層以上の有機層を形成する他の有機層形成工程と、
を含むことを特徴とする光学異方性層の製造方法である。
<14> 無機材料を用いて中間層を形成する前記<13>に記載の光学異方性層の製造方法である。
<15> Al及びZnS若しくは少なくともいずれか一方を蒸着して中間層を形成する前記<14>に記載の光学異方性層の製造方法である。
<16> 配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を形成する前記<13>に記載の光学異方性層の製造方法である。
<17> 配向膜形成用塗布液が、N−メチル−2−ピロリドンを含んでいる前記<16>に記載の光学異方性層の製造方法である。
<18> 前記<13>から<17>のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする光学異方性層である。
<19> 前記<1>から<12>及び<18>のいずれかに記載の光学異方性層、透明支持体、及び無機光学異方性層を共に備えてなる光学補償素子である。
<20> 中間層が、該中間層に隣接する配向膜よりも透明支持体側に位置している前記<19>に記載の光学補償素子である。
<21> 透明支持体の少なくとも一方の面上に、光学異方性層及び無機光学異方性層を共に備えてなる前記<19>に記載の光学補償素子である。
<22> 無機光学異方性層は、屈折率が互いに異なる複数の層が規則的な順序で積層され、繰り返し構造を有してなる周期構造積層体であり、前記繰り返し単位の光学厚みが可視光領域における光の波長より短く、周期構造全体として負の屈折率異方性を有する前記<19>から<21>のいずれかに記載の光学補償素子である。
<23> 無機光学異方性層が、下記式(1)で表されるレターデーションRthが、20〜300nmである前記<19>から<22>のいずれかに記載の光学補償素子である。
Rth={(n+n)/2−n}×d・・・式(1)
但し、前記式(1)において、n、n及びnは、透明支持体の法線方向をZ軸とした時に、無機光学異方性層中におけるお互いに直交するX、Y、Z軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、無機光学異方性層の厚みを表す。
<24> 周期構造積層体が、屈折率の異なる2種類の層が交互積層されてなり、且つ、可視光領域における屈折率差が0.5以上である前記<22>に記載の光学補償素子である。
<25> 周期構造積層体が、酸化物層である前記<22>から<24>のいずれかに記載の光学補償素子である。
<26> 周期構造積層体が、SiO層及びTiO層である前記<25>に記載の光学補償素子である。
<27> 少なくとも一対の電極及び該一対の電極間に封入される液晶分子を有する液晶素子と、該液晶素子の両面及び片面のいずれかに配される光学補償素子と、前記液晶素子及び光学補償素子に対向配置される偏光素子とを備え、前記光学補償素子が前記<19>から<26>のいずれかに記載の光学補償素子であることを特徴とする液晶表示装置である。
<28> 液晶素子がツイストネマティック型である前記<27>に記載の液晶表示装置である。
<29> 光源と、該光源からの照明光が照射される液晶表示装置と、該液晶表示装置によって光変調された光をスクリーン上に結像させる投影光学系とを備え、前記液晶表示装置が前記<27>から<28>のいずれかに記載の液晶表示装置であることを特徴とする液晶プロジェクタである。
本発明の光学異方性層は、透明支持体上に、重合性化合物で形成されたの有機層を備えてなるため、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止することが可能となる。
また、本発明の光学異方性層の製造方法は、一の配向膜上に光学異方性を示す一の有機層を形成する一の有機層形成工程と、該有機層上に中間層を形成する中間層形成工程と、該中間層上に他の配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記他の配向膜上に光学異方性を示す他の有機層を形成して、2層以上の有機層を形成する他の有機層形成工程とを含むことを特徴とするものである。
各工程を経ることにより均一で安定した積層をすることができ、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止することができる光学異方性層を製造することが可能となる。
また、本発明の液晶表示装置は、少なくとも一対の電極及び該一対の電極間に注入される液晶分子を有する液晶素子と、該液晶素子の両面及び片面のいずれかに配される光学異方性層と、前記液晶素子及び光学異方性層に対向配置される偏光素子とを有し、前記光学異方性層が前記本発明の光学異方性層であるため、高視野角、高コントラスト化が可能となる。
また、本発明の液晶プロジェクタは、光源と、該光源からの照明光が照射される液晶表示装置と、該液晶表示装置によって光変調された光をスクリーン上に結像させる投影光学系とを備え、前記液晶表示装置が前記本発明の液晶表示装置であるため、高視野角、高コントラスト化が可能となる。
本発明によると、光学異方性層、該光学異方性層を安定して得る製造方法及び前記光学異方性層を備えた光学補償素子を用いて、従来における前記問題を解決し、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止することができる。更に、高視野角、高コントラストで高画質な液晶表示装置及び液晶プロジェクタを提供することができる。
(光学異方性層)
本発明の光学異方性層は、透明支持体上に、重合性化合物で形成された光学異方性を示す有機層の間に、少なくとも配向膜と中間層とが設けられており、前記中間層が前記配向膜よりも前記透明支持体側に位置しているものが挙げられる。
−有機層−
前記有機層としては、少なくとも重合性化合物で形成され光学異方性を示す層からなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の構成を備えてなる。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、配向状態を固定可能とした液晶分子を含む重合性液晶化合物を用いることが好ましく、棒状液晶構造、円盤状液晶構造、バナナ状液晶構造などを含む重合性液晶化合物がより好ましく、円盤状液晶構造を含む重合性液晶化合物が特に好ましい。
また、前記重合性化合物には、必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含有することが可能である。
本発明において、液晶を構成する分子に分子形状に起因する固有軸、つまり、棒状などの棒状様分子であれば長軸方向、板状分子であれば板の法線方向にこの固有軸を設定した場合に、注目した微少領域に含まれる液晶分子の固有軸の平均方向がほぼ揃っていることを液晶分子が配向状態にあると言う。さらに、本発明では、この配向状態にあるとき、注目した微少領域の液晶分子の固有軸の平均方向と、有機層の積層方向(有機層と透明支持体との界面における法線方向)とのなす角を配向角と称し、固有軸の平均方向を前記界面へ投影した成分を配向方向と称する。
配向状態としては、前記液晶分子の配向角が傾斜する状態を有しているもの、つまり配向角が、有機層の厚み方向に平行又は垂直状態にないことが好適に挙げられ、前記配向角が有機層の上面と下面との間で厚み方向に連続的に変化するハイブリッド配向を有しているものがより好適に挙げられる。
前記ハイブリッド配向における配向角としては、配向膜側から空気界面側に向かって連続的に20°±20°〜65°±25°の範囲で変化するように調整されることが好ましい。
前記重合性液晶化合物の前記配向角及び配向方向により決定される前記配向状態としては、黒表示状態の液晶層と鏡面対象となるように前記配向角及び配向方法が調整されることが好ましい。
ここで、前記有機層における前記液晶分子の配向膜側近傍の配向角、空気界面側の配向角及び平均配向角は、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、多方向からのレターデーションを測定し、測定されたレターデーションから屈折率楕円体モデルを想定し、該屈折率楕円体モデルから算出された推定値である。
また、前記レターデーションから配向角を算出する方法としては、Design Concepts of Discotic Negative Birefringence Compensation Films SID98 DIGESTに記載された手法で算出することも可能である。前記配向角を算出する場合における前記レターデーションの測定方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記有機層の法線方向のレターデーション(Re0)、該法線方向に対して−40°方向のレターデーション(Re−40)及び+40°方向のレターデーション(Re40)が挙げられる。
前記Re0、Re−40、Re40の測定は、それぞれ前記エリプソメーターを用いて、前記各測定方向に観察角度を変えて測定した値である。
前記棒状液晶構造を含む重合性液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリマーバインダーを用いて前記棒状液晶構造の配向状態を固定可能とした重合性液晶化合物、重合により液晶構造の配向状態を固定可能とした重合性基を有する重合性液晶化合物などが挙げられ、この中でも重合性基を有する前記重合性液晶化合物が好適に挙げられる。
前記棒状液晶構造(棒状液晶分子)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が挙げられる。
前記棒状液晶構造を含む重合性液晶化合物としては、下記構造式(I)で表される低分子の重合性基を有する棒状液晶化合物が重合した高分子液晶化合物が挙げられる。
Figure 2006072150
但し、前記構造式(1)において、Q及びQは、それぞれ重合性基を表し、L、L、L及びLは、それぞれ単結合または二価の連結基を表すが、L及びLの少なくとも一方は、−O−CO−O−を表す。また、A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサー基を表す。また、Mは、メソゲン基を表す。
前記円盤状液晶構造を含む重合性液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリマーバインダーを用いて前記円盤状液晶構造の配向状態を固定可能とした重合性液晶化合物、重合により前記円盤状液晶構造の配向状態を固定可能とした重合性基を有する重合性液晶化合物などが挙げられ、この中でも重合性基を有する前記重合性液晶化合物が好適に挙げられる。
前記重合性基を有する重合性液晶化合物としては、例えば、円盤状コアと重合性基との間に連結基を導入した構造が挙げられる。前記液晶構造を含む重合性液晶化合物の具体的としては、特開平8−050206号公報に記載されている様な下記構造式(2)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2006072150
但し、前記構造式(2)において、Dは円盤状コアを表し、Lは二価の連結基を表し、Pは重合性基を表す。また、nは4〜12の整数である。また、複数の二価の連結基Lと重合性基Pとの組合せとしては、異なる二価の連結基と重合性基との組合せでもよいが、同一の組合せが好ましい。前記円盤状コアDとしては、2種以上を併用することも可能である。
前記構造式(2)において、円盤状コアDの具体例としては、下記構造式(D1)〜(D15)で表される円盤状コアが挙げられる。

Figure 2006072150


Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150
Figure 2006072150
前記構造式(2)において、二価の連結基Lとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−、これらの組合せなどが好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−、これらの中から選ばれる二価の基を少なくとも二つ組合せた二価の連結基がより好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−O−、これらの中から選ばれる二価の基を少なくとも二つ組合せた二価の連結基であることが特に好ましい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、1〜12であることが好ましい。前記アルケニレン基の炭素原子数としては、2〜12であることが好ましい。前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜10であることが好ましい。また、前記アルキレン基、前記アルケニレン基、前記アリーレン基としては、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基などの置換基を有していてもよい。
前記二価の連結基Lの具体例としては、−AL−CO−O−AL−、−AL−CO−O−AL−O−、−AL−CO−O−AL−O−AL−、−AL−CO−O−AL−O−CO−、−CO−AR−O−AL−、−CO−AR−O−AL−O−、−CO−AR−O−AL−O−CO−、−CO−NH−AL−、−NH−AL−O−、−NH−AL−O−CO−、−O−AL−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−O−CO−NH−AL−、−O−AL−S−AL−、−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−、−O−CO−AR−O−AL−CO−、−O−CO−AR−O−AL−O−CO−、−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−、−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−、−S−AL−、−S−AL−O−、−S−AL−O−CO−、−S−AL−S−AL−、−S−AR−AL−などが挙げられる。
但し、前記二価の連結基Lの具体例において、左側が前記円盤状コアDに結合し、右側が重合性基Pに結合する。またALはアルキレン基、アルケニレン基を表し、ARはアリーレン基を表す。
前記構造式(2)において、前記重合性基Pとしては、特に制限はなく、重合反応の種類に応じて適宜選択することができるが、不飽和重合性基、エポキシ基であることが好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることがより好ましい。前記重合性基Pの具体例としては、下記構造式(P1)〜(P18)で表される重合性基が挙げられる。
Figure 2006072150

Figure 2006072150

Figure 2006072150
Figure 2006072150
Figure 2006072150
Figure 2006072150
前記重合性化合物に含有するその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記重合性化合物の重合反応を開始する重合開始剤、前記重合性化合物の塗布液を調製するための溶剤などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱重合反応を開始する熱重合開始剤、光重合反応を開始する光重合開始剤が挙げられるが、こられの中でも前記光重合開始剤が好適に挙げられる。
前記光重合開始剤の具体例としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号に記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号に記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号に記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号に記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組合せ(米国特許3549367号に記載)、アクリジン及びフェナジンの化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号に記載)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号に記載)が挙げられる。
前記光重合開始剤の前記重合性液晶化合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性液晶化合物の塗布液における固形分の0.01〜20重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
前記光重合反応に用いられる光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線が好適に挙げられる。前記光照射手段の照射エネルギーとしては、20〜50J/cmであることが好ましく、100〜800mJ/cmであることがより好ましい。また、前記光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機溶剤が好適に挙げられる。前記有機溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、ピリジン等のヘテロ環化合物、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のアルキルハライド、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル、ヒドロキシカルボン酸アルキルエステル化合物と、アルキコシ置換アルキルカルボン酸アルキルエステル化合物と、アルキコシアルキルアセテート化合物などが好適に挙げられ、これらの中でもアルキルハライド、ケトン、ヒドロキシカルボン酸アルキルエステル化合物と、アルキコシ置換アルキルカルボン酸アルキルエステル化合物と、アルキコシアルキルアセテート化合物がより好適に挙げられる。前記有機溶剤としては、これらの二種類以上を併用してもよい。
前記重合性液晶化合物の重合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平8−27284号公報、特開平10−278123号公報に記載の方法を用いることも可能である。
前記光学異方性層が備えるその他の構成としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子を配向させるための配向膜が好適に挙げられる。前記配向膜上に前記重合性化合物が塗布等により積層されることが好ましい。
−配向膜−
前記配向膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラビング処理された有機化合物(ポリマー)からなる配向膜、マイクログループを有する配向膜、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)によりω−トリコ酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリル酸メチル等の有機化合物が累積された配向膜、無機化合物が斜方蒸着された配向膜、電場、磁場又は光照射等により配向機能が生じる配向膜などが挙げられるが、前記ラビング処理された有機化合物からなる配向膜が好適に挙げられる。
前記ラビング処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記有機化合物からなる膜の表面を紙や布で一定方向に数回こする処理が挙げられる。
前記有機化合物の種類としては、特に制限はなく、前記液晶分子の配向状態(特に配向角)に応じて決定することができ、例えば、前記液晶分子を水平に配向させるために配向膜の表面エネルギーを低下させない配向膜用ポリマーが挙げられる。
前記配向膜用ポリマーの具体例としては、ラビング処理の方向に対して直交する方向に前記液晶分子を配向する場合には、変性ポリビニルアルコール(特開2002−62427号公報に記載)、アクリル酸系コポリマー(特開2002−98836号公報に記載)ポリイミド、ポリアミック酸(特開2002−268068号公報に記載)が好適に挙げられる。
前記配向膜は、前記重合性化合物、前記透明支持体に対する密着性を向上させることを目的として、反応性基を有することが好ましい。
前記反応性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記配向膜用ポリマーの繰り返し単位の側鎖に反応性基を導入したもの、前記配向膜用ポリマーに環状基の置換基を導入したものなどが挙げられる。
前記反応性基により前記重合性化合物、前記透明支持体に対して化学結合を形成する配向膜としては、特開平9−152509号に記載の配向膜を用いることも可能である。
配向膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5μmであることが好ましく、0.02〜2μmであることがより好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記有機層を保護するための層であり、隣接する2つの前記有機層の間に、配向膜と共に位置し、該配向膜よりも前記透明支持体側に位置している。
前記有機層を2以上隣接して積層する光学異方性層においては、既に積層した有機層上に配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を形成し、更に、その上に有機層を積層する構造となる。前記中間層は、前記配向膜塗工の際に塗布液が有機層に接触しないようにする役割を有する。
特に、前記配向膜に配向性の優れたポリイミドを用いる場合には、前記配向膜形成用塗布液中に溶解性に優れた溶剤NMP(N−メチル−2−ピロリドン)が含まれている。溶解性が強いため、前記配向膜形成用塗布液を前記有機層の上面に塗布する際に、該有機層内に前記NMPが浸透し、該有機層を破壊するという弊害が生ずる。前記中間層は、有機層への前記NMPの浸透を遮断して、このような弊害を防止する機能を有し、前記有機層上であって前記配向膜よりも前記透明支持体側に位置するように形成される。
前記中間層の材料としては、配向膜形成用塗布液の溶剤に対して耐浸透性があり、光学特性を満たすものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料などが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、TiO2、SiO、Al、ZnS、Nb、ZnO、BaTiOなどが挙げられるが、耐浸透性の観点からAl3、ZnSなどが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間層の形状としては、前記一の有機層を覆うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光学特性の観点から、均一なシート状が好ましく、例えば、前記一の有機層の上面と同じ大きさか、それよりも大きい均一なシート状が好ましい。
前記中間層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、同一材料の単層又は積層でもよく、2以上の異なる材料の積層でもよい。
前記中間層の厚みについては、単層又は積層を用いた場合でも、特に制限はなく、耐浸透性、光学特性、層の相互干渉による着色の問題などや、各層の屈折率、厚み比、合計厚みなどを考慮し、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶剤NMPの有機層への浸透するのを十分に防止しうる厚みであるのがより好ましく、積層の場合には、各層の相互間で光干渉が生じることを避ける必要があるため、各層は薄い方が更に好ましい。
前記中間層の単層又は積層した全体の厚みは、5〜5000nmが好ましく、50〜2000nmがより好ましい。
前記全体の厚みが、5nm未満であると溶剤が中間層の下層に浸透することがあり、5000nmを超えると強度が低下し膜はがれが起きやすくなることがある。
前記中間層が積層構造の場合における、各層の厚みとしては、耐浸透性などの観点から、5〜2000nmが好ましく、50〜800nmがより好ましい。
前記各層の厚みが、5nm未満であると溶剤が中間層の下層に浸透することがあり、2000nmを超えるとクラックが発生することがある。
前記中間層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機材料の場合は、中間層形成用溶液を前記配向膜上に塗布することにより作製する方法が好適に挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコート法などが挙げられる。
無機材料の場合は、材料を蒸着することにより作製する蒸着方法が好適に挙げられる。
前記蒸着方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、試料を気体原料の雰囲気内におき、化学反応によって、試料表面に薄膜を形成する化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や蒸発やスパッタによって、粒子になった原料を試料に付着させて形成する物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)などが挙げられる。
これらのなかでも、スパッタ装置を用い、前記中間層の材料である金属で形成されたスパッタリングターゲットを用いて減圧下でスパッタリングを行うことにより、物理的に作製するPVDがより好ましい。
前記中間層の機能としては、前記有機層への前記NMPの浸透を防止して、前記有機層の上面の均一性を維持しつつ安定した積層を行うことである。
前記有機層を2以上隣接して積層する光学異方性層においては、既に積層した有機層上に配向膜形成用塗布液を塗布し配向膜を形成し、更に、その上に有機層を積層する。
特に、前記配向膜に配向性の優れたポリイミドを用いる場合には、配向膜形成用塗布液中に溶解性に優れた前記NMPが含まれている。前記配向膜形成用塗布液を前記有機層の上面に塗布する際に、該有機層内に前記NMPが浸透し、前記有機層を破壊してしまうという弊害が生ずる。前記中間層を設けることにより、このような弊害を防止して均一な積層を安定して形成することができる。
−透明支持体−
前記透明支持体としては、使用する光の波長領域において、50%以上透過する程度に透明であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白板ガラス、青板ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、有機高分子フィルムなどが挙げられる。
前記有機高分子フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、ポリスルフィン系、ポリスルホン系及びポリエーテルスルホン系、セルロースエステル系などの重合体群から選ばれる1種類、または2種類以上の組合せが挙げられる。
前記有機高分子フィルムの具体例としては、ポリカーボネート共重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリアリレート共重合体が好適に挙げられ、ポリカーボネート共重合体がより好適に挙げられる。
前記ポリカーボネート共重合体としては、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体が好ましく、透明性、耐熱性、生産性の観点から、ビスフェノール類とホスゲンあるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成化合物と反応させて得られるポリカーボネート共重合体が特に好ましい。
前記ポリカーボネート共重合体が有するフルオレン骨格の含有量としては、1〜99モル%であることが好ましい。
前記ポリカーボネート共重合体としては、国際公開第00/26705号パンフレットに記載の、繰り返し単位を用いることも可能である。
前記透明支持体としては、面の平滑性の観点から、前述の各種無機材料よりなるガラスを好適に用いることができる。
前記透明支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上であることが好ましく、前記厚みの上限としては、組込みのハンドリング性や機械的強度の観点から、0.3mm〜3mmが好ましく、0.5mm〜1.5mmがより好ましい。
−光学異方性層の製造方法−
本発明の光学異方性層の製造方法は、一の有機層形成工程と、中間層形成工程と、配向膜形成工程と、他の有機層形成工程を含む製造方法が挙げられる。
−一の有機層形成工程−
一の有機層形成工程は、一の配向膜形成ステップ及び一の有機層形成ステップの順に一の有機層を形成する工程である。
――一の配向膜形成ステップ――
前記一の配向膜形成ステップは、前記有機層内の前記液晶分子の配列方向を定める機能を有する膜を前記透明支持体上に形成するステップである。
前記配向膜の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラビング処理された有機化合物(ポリマー)からなる配向膜、マイクログループを有する配向膜、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)によりω−トリコ酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリル酸メチル等の有機化合物が累積された配向膜、無機化合物が斜方蒸着された配向膜、電場、磁場又は光照射等により配向機能が生じる配向膜などが挙げられるが、前記ラビング処理された有機化合物からなる配向膜が好適に挙げられる。
前記ラビング処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記有機化合物からなる膜の表面を紙や布で一定方向に数回こする処理が挙げられる。
前記有機化合物の種類としては、特に制限はなく、前記液晶分子の配向状態(特に配向角)に応じて決定することができ、例えば、前記液晶分子を水平に配向させるために配向膜の表面エネルギーを低下させない効果のある配向膜用ポリマーが挙げられる。
前記配向膜用ポリマーの具体例としては、ラビング処理の方向に対して直交する方向に前記液晶分子を配向する場合には、変性ポリビニルアルコール、アクリル酸系コポリマー、ポリイミド、ポリアミック酸などが挙げられるが、配向性に優れたポリイミドがより好ましい。
前記配向膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜2μmがより好ましい。
−−一の有機層形成ステップ――
前記一の有機層形成ステップは、配向膜上に少なくとも重合性化合物を用いた有機層を形成するステップである。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、配向状態を固定可能とした液晶構造を含む重合性化合物を用いることが好ましく、棒状液晶構造、円盤状液晶構造、バナナ状液晶構造などを含む重合性液晶化合物がより好ましく、円盤状液晶構造を含む重合性液晶化合物が特に好ましい。
また、前記重合性化合物には、必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含有することが可能である。
その他の成分として、前記重合性化合物の重合反応を開始する重合開始剤、前記重合性化合物の塗布液を調製するための溶剤などが挙げられる。
前記液晶構造を含む重合性化合物の溶液を後述する配向膜上にバーコーター、スピンコータ、ダイコーターなどを用いて塗工する。次いで、該塗工層を加熱して溶媒を乾燥させた後に、液晶構造を含む重合性化合物の配向を熟成させるために加熱温度を変化させた後、紫外線を照射して前記重合化合物を重合させて、液晶分子の配向を固定し、前記有機層を形成する。
−中間層形成工程−
前記中間層形成工程は、前記有機層と前記他の配向膜との間に、光学的に均一で耐浸透性のある層を形成する工程である。
前記中間層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。有機材料の場合は、中間層形成用溶液を前記配向膜上に塗布することにより形成する方法が好適に挙げられる。前記塗布の方法としては、特に制限はなく、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコート法などが挙げられる。
無機材料の場合は、材料を蒸着することにより形成する蒸着方法が好適に挙げられる。
前記蒸着方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができが、例えば、前記化学気相成長法(CVD)や物理気相成長法(PVD)などが挙げられる。
これらのなかでも、スパッタ装置を用い、前記中間層の材料である金属で形成されたスパッタリングターゲットを用いて減圧下でスパッタリングを行うことにより、物理的に作製するPVDがより好ましい。
前記中間層の形状としては、前記一の有機層覆うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光学特性の観点から、均一なシート状が好ましく、例えば、前記一の有機層の上面と同じ大きさか、それよりも大きい均一なシート状が好ましい。
前記中間層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、同一材料の単層又は積層でもよく、2以上の異なる材料の積層でもよい。
前記中間層の厚みについては、単層又は積層を用いた場合でも、特に制限はなく、耐浸透性、光学特性、層の相互干渉による着色の問題などや、各層の屈折率、厚み比、合計厚みなどを考慮し、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶剤NMPの有機層への浸透するのを十分に防止しうる厚みであるのがより好ましく、積層の場合には、各層の相互間で光干渉が生じることを避ける必要があるため、各層は薄い方が更に好ましい。
前記中間層の単層又は積層した全体の厚みは、5〜5000nmが好ましく、50〜2000nmがより好ましい。
前記全体の厚みが、5nm未満であると溶剤が中間層の下層に浸透することがあり、5000nmを超えると強度が低下し膜はがれが起きやすくなることがある。
前記中間層が積層構造の場合における、各層の厚みとしては、耐浸透性などの観点から、5〜2000nmが好ましく、50〜800nmがより好ましい。
前記各層の厚みが、5nm未満であると溶剤が中間層の下層に浸透することがあり、2000nmを超えるとクラックが発生することがある。
−配向膜形成工程―
前記配向膜形成工程は、前記一の配向膜と同様の配向膜を形成する工程であり、前記配向膜の形成方法と同様の材料及び方法により、同様の厚みになるように前記他の配向膜を形成することができるが、前記一の配向膜に対して配向方向が90°異なるようにラビング処理することが好ましい。該ラビング処理により、一の有機層及び他の有機層における前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子の配向方向を90°異なる方向に配向させることが可能となり、光学特性を向上させることができる。
―他の有機層形成工程−
他の有機層形成工程は、前記他の配向膜上に前記一の有機層と同様の有機層を形成する工程であり、前記一の有機層の形成方法と同様の材料及び方法により、同様の厚みになるように前記他の有機層を形成する。
―光学補償素子―
本発明の光学補償素子は、前記透明支持体の少なくとも一方の面上に、前記光学異方性層及び無機光学異方性層を共に備えたものである。必要に応じてその他の層を有してなる。
−無機光学異方性層−
本発明の前記光学異方性層上又は透明支持体上に積層する前記無機光学異方性層の構造としては、無機材料で形成され、層全体として、光学異方性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが例えば、前記透明支持体の法線方向を積層方向として、屈折率が互いに異なる複数の層が規則的な順序で積層され、繰り返し構造を有してなる(繰り返し単位が繰り返されてなる)周期構造積層体であり、前記繰り返し単位の光学厚み、即ち、前記周期構造積層体中の繰り返し構造の積層方向における厚み(以下「周期構造ピッチ」という。)が、可視光領域における光の波長より短い構造が好適に挙げられる。
なお、前記周期構造積層体中の一の繰り返し構造の積層方向における厚みと、他の繰り返し構造の積層方向における厚みとは、必ずしも同一とする必要はなく、前記無機光学異方性層を通過させる光の性質等により異ならせることも可能である。
前記一の繰り返し構造を構成する層数としては、屈折率が互いに異なる複数の層であれば、特に層数に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、この中でも、2種の無機材料による2つの層からなるものが好適に挙げられる。
前記周期構造積層体を構成する各層の厚みとしては、可視光領域における光の波長より小さいものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視光領域における光の波長をλとした場合に、λ/100〜λ/5であることが好ましく、λ/50〜λ/5であることがより好ましく、λ/30〜λ/10であることが特に好ましい。
前記周期構造積層体を構成する各層の厚みとしては、積層された薄膜の相互間で光干渉が生じることを避ける必要があるため、各層の厚みは薄い方がよいが、必要な合計厚みを得るのに積層回数が増えてくるので、各層の厚みの決定に際しは、前記無機光学異方性層の所望とする光学特性、薄膜の相互干渉による着色の問題などを考慮して、各層の材料、屈折率、厚み比、合計厚みなどから各層の厚みの最適値が決定されることが好ましい。
前記周期構造ピッチとしては、可視光領域における光の波長よりも短いものであれば、特に制限はなく、該可視光領域の中から目的に応じて適宜選択することができるが、ここで、前記可視光領域としては、特に明記するもの以外は、400〜700nmの波長領域をいう。したがって、前記周期構造ピッチとしては、400〜700nmの範囲で適宜選択されることが好ましい。
前記無機光学異方性層のレターデーションとしては、下記式(1)で表されるレターデーションRthが20〜300nmであることが好ましく、20〜200nmであることがより好ましい。
Rth={(n+n)/2−n}×d・・・式(1)
但し、前記式(1)において、n、n及びnは、前記透明支持体の法線方向をZ軸とした時に、無機光学異方性層中におけるお互いに直交するX、Y、Z軸方向の屈折率をそれぞれ表す。また、dは、無機光学異方性層の厚みを表す。
前記周期構造積層体中の繰り返し構造の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記無機光学異方性層の厚みとしては、前記レターデーションを満たすものが好ましく、具体的には50〜2000μmが好ましく、100〜1500μmがより好ましい。
前記無機光学異方性層を構成する前記周期構造積層体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機光学異方性層の複屈折性による位相差値は、無機光学異方性層の厚みdと、前記繰り返し構造を構成する各層の屈折率差Δnとの積によって決まるので、所望の屈折率差Δnに応じて適宜選択されることが好ましく、具体的には、屈折率の高い材料として、TiO、ZrOなど、屈折率の低い材料として、SiO、MgFなどから適宜選択されることが好ましい。
前記周期構造積層体の材料としては、具体的には、可視光領域における屈折率の最大値と最小値との屈折率差Δnが0.5以上となる材料の組合せから選択されることが好ましく、酸化物膜から適宜選択される複数の材料の組合せであることがより好ましく、SiO(屈折率n=1.4870〜1.5442)膜及びTiO(屈折率n=2.583〜2.741)膜の組合せであることが特に好ましい。
前記屈折率差Δnが0.5未満であると、無機光学異方性層の厚みdを調整して、前記無機光学異方性層における位相差値を所望の値とすることとなるため、繰り返し単位を積層する工程が増加してしまい、製造適性や生産性を勘案した場合好ましくない。
このような無機光学異方性層は、多層膜の積層方向、即ち、前記透明支持体の法線方向には、屈折率の一様な媒質と等価であり、層全体としては、構造性複屈折とよばれる異方性が生じることにより、一軸性の傾斜していない負の屈折率楕円体の光学特性を有するものである。そして、前記無機光学異方性層は、平滑性が高く、且つ前記周期構造積層体の材料、厚み、層数、前記周期構造ピッチの周期などを適宜選択することにより、前記レターデーションなどを容易且つ高精度に得ることが可能となる。
また、前記無機光学異方性層は、多層膜の膜厚比や厚みを適宜選択することにより反射防止層としての機能を付与することも可能である。
なお、前記レターデーションRthの測定としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて測定することができる。
−その他の層−
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反射防止層、各種フィルター層を設けることも可能であり、ディスプレイ表面などに用いる場合には、防眩層、防汚層、帯電防止層などが挙げられる。
−反射防止層−
前記反射防止層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、ハードコート層、防眩ハードコート層、そして低屈折率層の順序で構成される反射防止層や、支持体、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序で構成される反射防止層、公知のARフィルム(Anti Reflection Coat Film)などが挙げられる。
前者の反射防止層では、防眩性ハードコート層には、マット粒子が分散しており、防眩性ハードコート層を形成するマット粒子以外の素材の屈折率は、1.50〜2.00が好ましく、低屈折率層の屈折率は、1.35〜1.49が好ましい。また、ハードコート層は、このように防眩性を有するハードコート層でもよいし、防眩性を有しないハードコート層でも良く、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよいが、低屈折率層は最外層に塗設される。
後者の反射防止層では、支持体、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層が、以下の関係を満たす屈折率を有するものが挙げられる。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
−光学補償素子の構造−
前記光学補償素子の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下に示す第1から第4の構造の光学補償素子が好適に挙げられる。
(第1の構造の光学補償素子)
図1は、第1の構造に係る光学補償素子の断面図である。第1の構造に係る光学補償素子は、配向方向が異なる2つの前記有機層が前記透明支持体の一方の面上に設けられてなる。即ち、第1の構造に係る光学補償素子は、前記透明支持体の少なくとも一方の面上に、前記無機光学異方性層及び前記光学異方性層をこの順に備えてなる。
即ち、図1に示すように、第1の構造に係る光学補償素子10は、透明支持体1の一方の面上に、無機光学異方性層2、配向膜4、有機層3、中間層6、配向膜4A、有機層3A、反射防止層5Aがこの順に該反射防止層5Aが最外表面に配置されるように積層され、透明支持体1の他方の面上に反射防止層5を積層してなるものである。前記無機光学異方性層2は、TiO層及びSiO層の周期構造積層体であり、各層の厚みはそれぞれ約15nmである。
前記無機光学異方性層2は、このような周期構造積層体とすることにより反射防止機能を兼ね備えることも可能である。
中間層6は、Al又はZnSを蒸着して形成したもので、厚みは約100nmである。また、前記配向膜4と前記配向膜4Aのラビング処理の方向が90°異なることが好ましい。
このような前記配向膜4及び前記配向膜4Aを備えることにより、前記有機層3及び前記有機層3Aにおける前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子の配向方向を90°異なる方向に配向させることが可能となる。また、前記第1の構造に係る光学補償素子10を、2枚積層して用いることも可能である。前記第1の構造に係る光学補償素子10に示すように、支持体の一方の面上に各層を配置する態様は、各層を構成する素材、組合せにもよるが、一般的にハンドリングがよく、製造も容易となる。
(第2の構造の光学補償素子)
図2は、第2の構造に係る光学補償素子の断面図である。第2の構造に係る光学補償素子は、配向方向が異なる2つの前記有機層が前記透明支持体の一方の面上に設けられてなる。即ち、図2に示すように、第2の構造に係る光学補償素子20は、透明支持体21の一方の面上に、配向膜24、有機層23、中間層26、配向膜24A、有機層23A、無機光学異方性層22、反射防止層25Aが、この順に該反射防止層25Aが最外表面に配置されるように積層され、透明支持体21の他方の面上に、反射防止層25を積層してなるものである。前記無機光学異方性層22の構造としては、前記第1の構造に係る光学補償素子10における無機光学異方性層2と同様の構造とすることができる。
前記中間層26は、光学補償素子10における中間層6と同様の材料、厚み、構造とすることができる。また、光学補償素子10と同様に前記配向膜24と前記配向膜24Aのラビング処理の方向が90°異なることが好ましい。
このような前記配向膜24及び前記配向膜24Aを備えることにより前記有機層23及び前記有機層23Aにおける前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子の配向方向を90°異なる方向に配向させることが可能となる。
(第3の構造の光学補償素子)
図3は、第3の構造に係る光学補償素子の断面図である。第3の構造に係る光学補償素子は、配向方向が異なる2つの前記有機層が前記透明支持体を介して設けられてなる。
即ち、図3に示すように、第3の構造に係る光学補償素子30は、透明支持体31の一方の面上に、配向膜34、有機層33、中間層36、配向膜34A、有機層33A、反射防止層35Aがこの順に形成され、該反射防止層35Aが最外表面に配置されるように積層される。透明支持体31の他方の面上には、配向膜34B、有機層33B、無機光学異方性層32、反射防止層35がこの順に配置されるように積層されてなるものである。前記無機光学異方性層32の構造としては、前記第1の構造に係る光学補償素子10における無機光学異方性層2と同様の構造とすることができる。
前記中間層36は、光学補償素子10における中間層6と同様の材料、厚み、構造とすることができる。また、光学補償素子10と同様に前記配向膜34と前記配向膜34Aのラビング処理の方向が90°異なることが好ましい。このような前記配向膜34及び前記配向膜34Aを備えることにより、前記有機層33及び前記有機層33Aにおける前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子の配向方向を90°異なる方向に配向させることが可能となる。
(第4の構造の光学補償素子)
図4は、第4の構造に係る光学補償素子の断面図である。第4の構造に係る光学補償素子は、前記透明支持体の双方の面上に、前記無機光学異方性層及び前記光学異方性層を備えてなる。即ち、図4に示すように、第4の構造に係る光学補償素子40は、透明支持体41の一方の面上に、配向膜44、有機層43、中間層46、配向膜44A、有機層43A、無機光学異方性層42、反射防止層45Aがこの順に、該反射防止層45Aが最外表面に配置されるように積層される。透明支持体41の他方の面上には、配向膜44B、有機層43B、無機光学異方性層42A、反射防止層45が積層されてなるものである。
前記無機光学異方性層42は、TiO層及びSiO層の周期構造積層体であり、各層の厚みはそれぞれ約15nmである。
前記中間層46は、光学補償素子10における中間層6と同様の材料、厚み、構造とすることができる。また、前記配向膜44と前記配向膜44Aのラビング処理の方向が90°異なることが好ましい。このような前記配向膜44及び前記配向膜44Aを備えることにより、前記有機層43及び前記有機層43Aにおける前記重合性化合物に含まれる前記液晶分子の配向方向を90°異なる方向に配向させることが可能となる。
前記光学補償素子にあっては、前記無機光学異方性層2、22、32、42における光学特性が無機材料よりなる周期構造積層体による周期構造ピッチによって決められる。 そのために、高分子フィルムを一軸伸延して所定の光学特性を得る場合に生じる残留応力による高分子フィルム面内における屈折率のバラツキや、ヘイズ値の低下等の光学的不均一性の問題が防止でき、前記無機光学異方性層面内における光学的均一性を高くすることが可能である。
したがって、前記光学補償素子は、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償することが可能となる。また、前記無機光学異方性層2、22、32、42が、10数nmの範囲で面内の厚みの制御が可能であり、高い平滑性を実現でき、前記無機光学異方性層面内における光学的均一性を高くすることが可能である。
したがって、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償して、光漏れを低減して、スジ状のむらが顕在化することが防止できる。更に、前記無機光学異方性層2、22、32、42は、高温・高多湿環境で長期にわたり使用されても、膨張又は収縮が生じることがなく、光学補償素子全体としても長期にわたり光学特性の変化を最小とすることが可能となる。
各構造の光学補償素子は、前記透明支持体1、21、31、41上に、10数nmの範囲で面内の厚み制御が可能な前記無機光学異方性層2、22、32、42を備えてなる。このため、前記無機光学異方性層2、22、32、42は、高い精度で面内の厚みむらを防止することが可能であり、高平滑な表面を有する無機光学異方性層を得ることが可能となる。特に、第1の構造の光学補償素子では、このような高平滑な表面を有する前記無機光学異方性層2上に、前記有機層3が積層されるので、該有機層3の面内における配向欠陥を防止することが可能となる。更に、前記中間層6、26、36、46を積層することにより、前記有機層3、23、33、43を破壊することなく均一で安定した積層が得られる。このため、黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償し、幅広い視野角において光漏れを防止する光学補償素子を実現でき、幅広い視野角が要求される大画面液晶モニターや液晶プロジェクタ等に前記光学補償素子を用いることにより高画質、高コントラストな液晶表示装置及び液晶プロジェクタが実現することが可能となる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一対の電極及び該一対の電極間に封入される液晶分子を有する液晶素子と、該液晶素子の両面及び片面のいずれかに配される光学補償素子と、前記液晶素子及び光学補償素子に対向配置される偏光素子とを備え、更に、必要に応じてその他の構成を備えてなり、前記光学補償素子が前記本発明の光学補償素子を用いてなる。
前記液晶素子の表示モードとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードなどが挙げられるが、この中でも、高コントラストであることなどから、TNモードが好適に挙げられる。
図5は、本発明の液晶表示装置の概略構成図である。図5に示すように、前記液晶表示装置100は、吸収軸102及び104が概略直交しクロスニコルで対向配置される一対の上側偏光素子101(検光子)及び下側偏光素子103(偏光子)と、上・下側偏光素子101、103の間に対向配置される一対の上側光学補償素子110及び下側光学補償素子120と、上・下側光学補償素子110、120の間に配置される液晶素子130(液晶セル)とを備えてなる。
なお、前記上・下側偏光素子101、103に代えて、グラン−トムソンプリズムなどの偏光ビームスプリッタを偏光素子として、液晶素子130に対向配置して用いることも可能である。
前記液晶素子130は、ガラス基板よりなる上側基板131と下側基板132とが対向配置され、これらの上側基板131及び下側基板132の間にはネマチック液晶136が封入されている。前記上側基板131及び下側基板132の対向面には、不図示の画素電極、回路素子(薄膜トランジスタ)等が形成されている。前記上側基板131及び下側基板132の前記ネマチック液晶136が接する対向面には不図示の上・下側配向膜が形成されている。該配向膜の前記ネマチック液晶136が接する面上は、液晶分子の配列方向を揃えるために、ラビング処理が施されている。該ラビング処理を施すことにより刻まれる溝の方向(ラビング方向)としては、例えば、TNモードの液晶表示装置の場合では、上・下側配向膜におけるラビング方向134及び135が概略直交している。
図5は、前記液晶素子130に電圧が印加されていない通常状態時の液晶分子の配列状態を表している。前記上側基板131及び下側基板132側のネマチック液晶136は、前記不図示の配向膜に施されたラビング処理の作用により前記ラビング方向134及び135と略同一の方向に配列されている。そして、前記ラビング方向134及び135はお互いに直交しているので、ネマチック液晶136の分子は、前記上側基板131から下側基板132に向かうに従い、液晶分子の長軸が90°ねじれた状態となるように配列される。
前記偏光素子としては、該偏光素子を平行ニコル配置したときの光の透過率を100%とした場合に、該偏光素子をクロスニコル配置したときの光の透過率が0.001%以下であることが好ましい。
前記上側偏光素子101(検光子)及び下側偏光素子103(偏光子)は、少なくとも偏光膜を有してなり、更に、必要に応じてその他の構成を有してなる。
前記偏光膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体部分ケン化物等の親水性ポリマーなどからなるフィルムに、ヨウ素、アゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料などの二色性物質を吸着させて、延伸配向処理したものなどが挙げられる。
前記伸延配向処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記偏光膜の吸収軸が長手方向に対して実質的に直交する、幅方向一軸延伸型テンター延伸機が好適に挙げられる。このような幅方向一軸延伸型テンター延伸機は、貼り合せ時に異物が入りにくいというという利点を有する。
前記伸延配向処理としては、特開2002−131548号公報に記載の延伸方法を用いることも可能である。
前記その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記偏光膜の片面又は両面に有する透明保護膜、反射防止層、防眩処理膜などが挙げられる。
前記上・下側偏光素子101、103の構造としては、前記偏光膜の少なくとも一方の面に前記透明保護膜を有した偏光板、前記上側光学補償素子110及び下側光学補償素子120を支持体として該光学補償素子の一方の面に一体的に前記偏光膜を有するものなどが好適に挙げられる。
前記透明保護膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステルなどが挙げられる。
前記透明保護膜としては、具体的には、セルローストリアセテート、ゼオネックス、ゼオノア(共に日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)などのポリオレフィン類が好適に挙げられる。また、特開平8−110402号公報、特開平11−293116号公報に記載されている非複屈折性光学樹脂材料も用いることが可能である。
前記透明保護膜の配向軸(遅相軸)方向としては、特に制限はないが、作業操作上の簡便性から、前記透明保護膜の配向軸が長手方向に平行であることが好ましい。また、透明保護膜の遅相軸(配向軸)と偏光膜の吸収軸(延伸軸)の角度も特に限定的でなく、偏光板の目的に応じて適宜設定できる。なお、前記幅方向一軸延伸型テンター延伸機を用いて前記偏光膜を作製した場合には、前記透明保護膜の遅相軸(配向軸)と前記偏光膜の吸収軸(延伸軸)方向とは実質的に直交することになる。
前記透明保護膜のレターデーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、測定波長632.8nmにおいて10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
なお、前記セルロースアセテートを用いる場合には、環境の温湿度によるレターデーション変化を小さくおさえる目的から、レターデーションが3nm未満であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。
前記偏光板の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ロール形態で供給される長尺の偏光膜に対して、長手方向が一致するようにして連続して貼り合わされることが好ましい。
前記偏光膜、前記偏光板は、光学軸のズレ防止、ゴミなどの異物侵入防止などの点から、前記上側光学補償素子110及び下側光学補償素子120に固着処理されていることが好ましい。
前記固着処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明接着層を介した接着処理、透明粘着層を介した接合処理などが挙げられる。
前記透明接着層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、構成部材の光学特性変化を防止する観点から、接着処理時の硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものがより好ましい。前記透明接着層としては、具体的には、親水性ポリマー系接着剤や粘着剤が好適に挙げられる。
前記透明粘着層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴムなどが好ましく、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの観点からアクリル系重合体がより好ましい。
なお、前記透明粘着層は、セパレータ等を仮着して粘着層表面の汚染等を防止することが好ましい。
反射防止層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系ポリマーのコート膜、多層金属蒸着膜等の光干渉性の膜、などが挙げられる。
前記上・下側偏光素子101、103の光学的性質、耐久性(短期、長期での保存性)としては、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)と同等がそれ以上の性能を有することが好ましい。
前記上側光学補償素子110及び下側光学補償素子120は、前記本発明の光学補償素子を用いてなる。
前記光学補償素子としては、前記液晶表示装置100に組み込んだ状態における液晶表示装置100の白表示透過率をVw、黒表示透過率をVbとしたときに、該液晶表示装置100の正面における前記白表示透過率Vwと黒表示透過率Vbとの比、即ち、コントラスト比Vw:Vbが100:1以上であることが好ましく、200:1以上であることがより好ましく、300:1以上であることがさらに好ましい。
また、前記液晶表示装置100の表示面における法線方向から60°傾斜した全方位角方向において、黒表示透過率の最大値がVwに対して10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。このような光学補償素子を用いることにより、高コントラストで階調反転の生じない広い視野角の液晶表示装置を実現できる。
また、残留捩れ成分が大きい液晶素子を正確に補償するためには、クロスニコルに配置した一対の偏光素子の間に前記光学補償素子を配置し、該光学補償素子の法線方向を回転軸として該光学補償素子を回転させたときに前記液晶表示装置が消光する方位がなく、全方位にあたり、光の透過率が0.01%以上であることが好ましい。
前記上側光学補償素子110は、前記上側偏光素子101と前記液晶素子130との間に、無機光学異方性層112が前記液晶素子130側となるように備えられる。
前記上側光学補償素子110は、前記有機層113における不図示の配向膜のラビング方向と、前記液晶素子130の前記上側基板131における不図示の上側配向膜のラビング方向との成す角が180°となるように配置される。
前記下側光学補償素子120は、前記下側偏光素子103と前記液晶素子130との間に、無機光学異方性層122が前記液晶素子130側となるように備えられる。
前記下側光学補償素子120は、前記有機層123における不図示の配向膜のラビング方向と、前記液晶素子130の前記下側基板132における不図示の下側配向膜のラビング方向との成す角が180°となるように配置される。
また、前記有機層113及び123は、図6に示すように液晶素子130の上下面に備えることもでき、該液晶素子130の上面又は下面に重ねて備えることも可能である。
また、前記有機層113及び123を前記液晶素子130の上面又は下面に重ねて備えるものでは、上側又は下側光学補償素子110、120のいずれか一方に備えられる無機光学異方性層112又は122のいずれかを省略することも可能である。
また、前記光学補償素子110及び120としては、該光学補償素子110及び120に備えられる不図示の前記透明支持体が前記液晶素子130の上側基板131と下側基板132であることも可能である。この場合には、図6に示す無機光学異方性層112又は122が前記上側基板131と下側基板132に直接形成される。
図6は、TNモードの液晶表示装置において、黒表示状態、即ち、前記液晶素子130に電圧が印加された状態の液晶分子の配列状態を表している。前記液晶素子130に電圧が印加されると、液晶分子が立ち上がった状態、即ち、液晶分子の長軸が光の入射面に対して垂直となるように液晶分子の配列状態が変化する。ここで理想的には、電圧を印加した時の前記液晶素子130内の全ての液晶分子が、光の入射面に対して平行となることが望ましいが、実際には、図6に示すように、前記液晶素子130内の液晶分子は、前記上側基板131及び下側基板132から前記液晶素子130の中心領域に向かうに従い、徐々に液晶分子の長軸が立ち上がった状態となる。したがって、前記上側基板131及び下側基板132側界面近傍の液晶分子は電圧印加時においても、その液晶分子の長軸が光りの入射面に対して平行ではなく、傾斜した配列状態となっている。このように、光の入射面に対して傾斜した液晶分子が存在することが、視野角によっては、黒表示状態とならずに光漏れを起こす原因となる。
更に、TNモードの液晶表示装置に用いられるネマチック液晶は、一般に棒状液晶であり、光学的に正の一軸性を示す。このため、前記液晶素子130の中心領域に存在し、完全に立ち上がった状態の液晶分子によっても、斜め方向から液晶表示装置100を見た場合には、複屈折が発現され、視野角によっては、黒表示状態とならずに光漏れを起こす原因となる。
したがって、黒表示状態における前記上側基板131及び下側基板132側界面近傍の前記液晶素子130内の液晶の配向状態に対しては、前記有機層113及び123に含まれる液晶分子の配向状態を鏡面対称として、前記上側基板131及び下側基板132側界面領域における前記複屈折の発現を光学的に補償するとともに、前記液晶素子130の中心領域における液晶による複屈折に対しては、一軸性の傾斜していない負の屈折率楕円体の光学特性を有する前記無機光学異方性層112及び122により光学的に補償して、全体として黒表示状態の液晶表示素子130を三次元的に光学補償して、幅広い視野角において光漏れを防止することが可能となる。
(液晶プロジェクタ)
本発明の液晶プロジェクタは、光源からの照明光を液晶表示装置に照射し、液晶表示装置で光変調された光を投影光学系によりスクリーン上に結像させて画像を表示する液晶プロジェクタにおいて、前記液晶表示装置が前記本発明の液晶表示装置を用いてなる。
前記液晶プロジェクタとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリーン投影型のフロントプロジェクタ、リアプロジェクションテレビなどが挙げられる。また、前記液晶プロジェクタに用いられる液晶表示装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置などが好適に挙げられる。
図7はリア方式の液晶プロジェクタを示す外観図である。図7に示すように前記液晶プロジェクタ200は、筐体202の前面に拡散透過型のスクリーン203が設けられ、その背面に投影された画像がスクリーン203の前面側から観察される。
筐体202の内部には投影ユニット300が組み込まれ、投影ユニット300によって投影される投影画像が、ミラー206、207で反射されスクリーン203の背面に結像される。前記液晶プロジェクタ200は、筐体202の内部には、図示しないチューナー回路、ビデオ信号及び音声信号再生用の周知の回路ユニットなどが配置されている。
前記投影ユニット300には、画像表示手段として図示しない液晶表示装置が組み込まれている。該液晶表示装置がビデオ信号の再生画像を表示することによって、画像をスクリーン203上に表示することができる。
図8は前記投影ユニット300を示す構成図である。図8に示すように、前記投影ユニット300は、透過型の3枚の液晶素子311R,311G,311Bを備え、フルカラーで画像投影を行うことが可能である。
光源312から出射された光は、紫外線及び赤外線をカットするフィルタ313を透過することにより赤色光、緑色光、青色光を含む白色光となり、光源312から前記液晶素子311R、G、Bに至る照明光軸にしたがってガラスロッド314に入射する。ガラスロッド314の光入射面は、光源312に用いられている放物面鏡の焦点位置近傍に位置し、光源312からの光は効率的にガラスロッド314に入射する。
ガラスロッド314の出射面には、リレーレンズ315が配設され、ガラスロッド314から出射される白色光は、リレーレンズ315及び後段のコリメートレンズ316により平行光となって、ミラー317に入射する。
ミラー317で反射された白色光は、赤色光だけを透過するダイクロイックミラー318Rで2光束に分けられ、透過した赤色光はミラー319で反射して液晶素子311Rを背面から照明する。
また、ダイクロイックミラー318Rで反射された緑色光と青色光は、緑色光だけを反射するダイクロイックミラー318Gで更に2光束に分割される。ダイクロイックミラー318Gで反射された緑色光は、液晶素子311Gを背面側から照明する。ダイクロイックミラー318Gを透過した青色光は、ミラー318B,320で反射され、液晶素子311Bを背面から照明する。
各々の液晶素子311R、311G、311Bは、それぞれTNモードの液晶素子で構成され、個々の該液晶素子には、フルカラー画像を構成する赤色画像、緑色画像、青色画像の濃度パターンの画像が表示される。これらの液晶素子311R、311G、311Bから光学的に等距離となる位置に中心がくるように、合成プリズム324が配置され、該合成プリズム324の出射面に対面して投影レンズ325が設けられている。前記合成プリズム324は、内部に2面のダイクロイック面324a、324bを備え、液晶素子311Rを透過してきた赤色光、液晶素子311Gを透過してきた緑色光、液晶素子311Bを透過してきた青色光を合成して投影レンズ325に入射させる。
各液晶素子311R、311G、311Bの出射面の中心から、合成プリズム324及び投影レンズ325の中心を通り、スクリーン3の中心に至る投影光軸上には、投影レンズ325が設けられている。前記投影レンズ325は、物体側焦点面が液晶素子311R、311G、311Bの出射面に一致し、像面側焦点面がスクリーン3に一致するように配置される。このため合成プリズム324で合成されたフルカラー画像は、スクリーン303に結像される。
前記液晶素子311R、311G、311Bの照明光の入射面側には、それぞれ偏光板326R、326G、326Bが設けられている。また、前記各液晶素子の出射面側には、光学補償素子327R、327G、327Bと、偏光板328R、328G、328Bとが設けられている。入射面側の前記偏光板326R、326G、326Bと出射面側の偏光板328R、328G、328Bとはクロスニコルの配置となっており、入射面側の偏光板は偏光子、出射面側の偏光板は検光子として作用する。
前記本発明の液晶表示装置は、前記液晶素子311R、311G、311B、偏光板326R、326G、326B、328R、328G、328B、及び光学補償素子327R、327G、327Bを備えてなる。
なお、それぞれの色チャンネルごとに設けられた液晶素子、その両側にそれぞれ設けられた偏光板及び光学補償素子の作用は、それぞれの色光に基づく相違はあるものの、基本的な作用は実質的に共通であるので、以下、赤色チャンネルにより作用を説明する。
ミラー319で反射された赤色照明光は、入射面側の偏光板326Rで直線偏光となって液晶素子311Rに入射する。ノーマリホワイトモードの場合、液晶素子311Rに用いられているTNモードの液晶は、赤色画像の黒を表示するために画素に信号電圧が印加される。このとき、液晶層に含まれる液晶分子は様々な配向姿勢をとるようになり、赤色照明光が平行光束となって液晶素子311Rに入射しても、液晶層が呈する旋光性と複屈折性により、液晶素子311Rの出射面から出射する光は完全な直線偏光とはならず、一般に楕円偏光の画像光が出射するようになり、検光子側の偏光板328Rから光漏れを生じて、充分な黒が得られない。また、ノーマリーブラックモードの場合でも、液晶分子のわずかな傾きによって黒レベルが充分に黒くはならない。
また、黒表示させたい状態において、液晶素子中の液晶分子を斜めに通過する光が含まれている場合には、液晶層によって変調された画像光は、直線偏光とはわずかに光学的な位相が相違した楕円偏光となって、検光子側の偏光板328Rから光漏れを生じて、充分な黒が得られない。
本発明の液晶プロジェクタは、前記本発明の光学補償素子を備えた前記本発明の液晶表示装置を用いてなる。そして光学補償素子327Rが黒表示状態の液晶層を、より高い精度で光学的に補償して、幅広い視野角において光漏れを防止することが可能となる。
このため、前記本発明の液晶プロジェクタは、高視野角、高コントラスト、高画質を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[光学補償素子の作製]
以下の方法により光学補償素子を作製した。
−配向膜−
ガラス基板上に、下記組成の配向膜形成用塗布液100ml/mを滴下し、1000rpmの条件でスピンコートする。その後、該配向膜形成用塗布液を100℃の温風で3分間乾燥して、厚み600nmの配向膜を形成した。次いで、形成された前記配向膜上にラビング処理を施して、所定の配向方向に配向する配向膜(以下、「下層の配向膜」という。)を形成した。
<配向膜形成用塗布液>
下記構造式(3)の変性ポリビニルアルコール・・・20g
水(溶剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・360g
メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・120g
グルタルアルデヒド(架橋剤)・・・・・・・・・1.0g
Figure 2006072150
−有機層−
下記構造式(4)の円盤状液晶化合物4.27g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.42g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.09g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.02g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.14g、増感剤(カヤキュアーDETX−S、日本化薬(株)製)0.05gを3−エトキシプロピオン酸エチル12g、乳酸エチル4g、2−(1−メトキシプロピオン)アセテート4gに溶解し、重合性液晶化合物の塗布液を調製した。
得られた前記重合性液晶化合物塗布液100ml/mを前記配向膜上に滴下し、1500rpmの条件でスピンコートする。その後、130℃の恒温ゾーンで5分間加熱し、前記重合性液晶化合物を配向させた。その後、高圧水銀灯を用いて照射エネルギー300mJ/cmでUV照射して、前記重合性液晶化合物を重合させ、液晶分子の配向状態を固定した。その後、室温まで放冷し、有機層を形成した。
Figure 2006072150
形成された前記有機層において、前記円盤状液晶化合物は、円盤面の垂直軸法線と前記ガラス基板の法線とのなす角度(配向角)が、10°から62°に前記ガラス基板側から空気界面側に向かって増加し、前記円盤状液晶化合物がハイブリッド配向していた。前記円盤状液晶化合物の配向角は、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、観察角度を変えてレターデーションを測定し、得られた測定値から屈折率楕円体モデルを仮想し、「Design Concepts of the Discotic Negative Birefringence Compensation Films SID98 DIGEST」に記載されている手法により算出した。
−中間層−
形成された有機層の上にスパッタ装置を用いて、減圧下でAlを蒸着し、中間層を形成した。形成された中間層の厚みは100nmであった。
−配向膜−
この中間層上に、前記変性ポリビニルアルコールで組成された配向膜形成用塗布液を前記と同様に塗布及びラビング処理を施し、前記下層の配向膜と配向方向が概略直交するように配向膜(以下、「上層の配向膜」という。)を積層した。
−有機層−
得られた配向膜の上に、有機層を下層の配向膜上に形成した前記有機層と同様に形成した。
得られた該有機層において、円盤状液晶化合物は、円盤面の垂直軸と前記ガラス基板の法線とのなす角度(配向角)が、12°から65°に前記ガラス基板側から空気界面側に向かって増加し、該円盤状液晶化合物がハイブリッド配向していた。また、得られた有機層はシュリーレン等の欠陥がない均一な膜であった。
−無機光学異方性層−
得られた前記光学異方性層上に減圧下でスパッタ装置を用いて、SiOとTiOを交互に蒸着して、各層をそれぞれ26層ずつ、合計52層からなる周期構造積層体を形成した。形成された該周期構造積層体の全体の厚みは、760nm、Rth=200nmであった。
−反射防止層−
得られた前記無機光学異方性層上に減圧下でスパッタ装置を用いて、SiOとTiOを交互に蒸着して、反射防止層を形成した。形成された該反射防止層の厚みは0.24μmであった。
[液晶表示装置]
作製された前記光学補償素子を白表示1.5V、黒表示3VのノーマリーホワイトモードのTNモード液晶素子に重ね合わせて、実施例1の液晶表示装置を得た。
(実施例2)
中間層を形成するための蒸着にZnSを用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法により実施例2の液晶表示装置を得た。
(実施例3)
上層及び下層の配向膜に下記のポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法により実施例3の液晶表示装置を得た。
[配向膜形成用塗布液]
サンエバー150(日産化学(株)製)・・・・・20g
ポリイミド用シンナー(日産化学(株)製)・・・20g
(実施例4)
上層及び下層の配向膜に前記ポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用い、更に、中間層を形成するための蒸着にZnSを用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法により実施例4の液晶表示装置を得た。
(実施例5)
上層の配向膜に前記ポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液、下層の配向膜に前記ポリビニルアルコールで組成された配向膜形成用塗布液を用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法により実施例5の液晶表示装置を得た。
(比較例1)
実施例1の液晶表示装置において、光学異方性層上に中間層としてのAl層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の液晶表示装置を得た。
(比較例2)
実施例1の液晶表示装置において、配向膜に前記ポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用いたこと及び中間層としてのAl層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の液晶表示装置を得た。
(比較例3)
実施例1の液晶表示装置において、無機光学異方性層をTAC(トリアセチルセルロース)フィルムとしたこと及び中間層としてのAl層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の液晶表示装置を得た。
(有機層の塗布適正の評価)
実施例1〜5及び比較例1〜3について、有機層上に配向膜形成用塗布液を塗工し、配向膜を形成した後に、有機層の表面の破壊状況を肉眼で測定し、結果を表1に示した。
Figure 2006072150

表1の結果から、前記有機層上へ配向膜を塗布した場合の前記有機層の破壊状況について、比較例2では、配向膜の形成にポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用いており、該塗布液中の溶剤(NMP: N−メチル−2−ピロリドン)が有機層に浸透し、前記有機層が破壊され、該表面に凹凸が発生していることが判る。これに対し、同じポリイミドで組成された配向膜形成用塗布液を用いている実施例3〜5では、既設の有機層と配向膜との間に無機材料を蒸着して中間層を形成したことにより、有機層への前記溶剤の浸透はなく、前記有機層は破壊されていないことが判る。
他方、比較例1及び3では、配向膜の形成に変性ポリビニルアルコールで組成された配向膜形成用塗布液を用いているため、前記有機層は破壊していないことが判る。
前記有機層の面状については、比較例1及び3は該有機層の表面にわずかな凹凸が生じ、比較例2では、著しい凹凸が生じているが、実施例1〜5では、いずれも前記表面は均一であり良好であることが判る。
前記配向膜形成用塗布液の塗布適正については、比較例1〜3では、ハジキ(有機層上に配向膜形成用塗布液を塗布する際に、該有機層の表面と該配向膜形成用塗布液との密着性に欠け、塗布液ののりがよくない状況をいう。)が多発しているのに対して実施例1〜5では、いずれもハジキは発生せず塗布適性は良好であることが判る。
(液晶表示装置の視野角依存性の評価)
実施例1〜5及び比較例1及び3の液晶表示装置について、コノスコープ(Autronic−Melcher社製)を用いて、表示面の正面から仰角20°、方位角45°の場所におけるコントラストを測定した。比較例2は、前記有機層の表面が破壊されているため、評価の対象から除外されている。ここで、前記コントラストは、バックライトに対する白表示照度及び黒表示照度から白表示照度/黒表示照度として測定し、結果を表2に示した。
(液晶プロジェクタのコントラストの評価)
RGBの各色に対応した3枚の実施例1〜5及び比較例1及び3の液晶表示装置をTN型液晶プロジェクタに装着して、実施例6〜10及び比較例4及び6の液晶プロジェクタを得た。比較例2に対応する比較例5は、前記有機層の表面が破壊されているため、評価の対象から除外されている。得られた該液晶プロジェクタについて、投射レンズから3mの距離に設置したスクリーン上での白表示照度、黒表示照度及びそれらの比から算出されるコントラスト(白表示照度/黒表示照度)を測定し、結果を表2に示した。
Figure 2006072150

表2の結果から、比較例1及び3の液晶表示装置と比較して実施例1〜5の液晶表示装置は、いずれも広視野角であり、視野角依存性は同等であることが判る。また、実施例6〜10の液晶プロジェクタは、比較例4及び5と比べていずれも同等以上のコントラストであることが判る。
本発明の光学補償素子、液晶表示装置は、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに好適に使用することができる。
図1は、第1の構造の光学補償素子を示す断面図である。 図2は、第2の構造の光学補償素子を示す断面図である。 図3は、第3の構造の光学補償素子を示す断面図である。 図4は、第4の構造の光学補償素子を示す断面図である。 図5は、本発明の液晶表示装置を示す概略図である。 図6は、本発明の液晶表示装置を示す概略図である。 図7は、リア方式の液晶プロジェクタを示す外観図である。 図8は、投影ユニットを示す構成図である。
符号の説明
1、21、31,41・・・・・・・・・・透明支持体
2、22、32、42、112、122・・無機光学異方性層
3、23、33、43、113、123・・有機層
4、24、34、44・・・・・・・・・・配向膜
5、25、35、45・・・・・・・・・・反射防止層
6、26、36、46・・・・・・・・・・中間層
10、20、30、40・・・・・・・・・光学補償素子
100・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶表示装置
200・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶プロジェクタ
300・・・・・・・・・・・・・・・・・投射ユニット

Claims (23)

  1. 重合性化合物で形成された光学異方性を示す有機層の間に、少なくとも配向膜と中間層とが設けられていることを特徴とする光学異方性層。
  2. 中間層が、無機材料で形成された請求項1に記載の光学異方性層。
  3. 中間層が、蒸着により形成されたAl層及びZnS層である請求項1から2のいずれかに記載の光学異方性層。
  4. 中間層の厚みが、5〜5000nmである請求項1から3のいずれかに記載の光学異方性層。
  5. 有機層が、液晶構造を含む重合性液晶化合物から形成され、前記液晶構造の配向角が、前記有機層の厚み方向に対して傾斜した状態で重合により固定されてなる請求項1から4のいずれかに記載の光学異方性層。
  6. 有機層における層内の液晶構造が、一定方向に向いた配向方向を有してなる請求項5に記載の光学異方性層。
  7. 有機層における少なくとも2層の配向方向が、互いに異なる2つの層を有する請求項6に記載の光学異方性層。
  8. 有機層における少なくとも2層の配向方向が互いに異なる2つの層が、透明支持体の一方の面上に設けられた請求項7に記載の光学異方性層。
  9. 一の配向膜上に光学異方性を示す一の有機層を形成する一の有機層形成工程と、
    該有機層上に中間層を形成する中間層形成工程と、
    該中間層上に他の配向膜を形成する配向膜形成工程と、
    前記他の配向膜上に光学異方性を示す他の有機層を形成して、2層以上の有機層を形成する他の有機層形成工程と、
    を含むことを特徴とする光学異方性層の製造方法。
  10. 無機材料を用いて中間層を形成する請求項9に記載の光学異方性層の製造方法。
  11. Al及びZnS若しくは少なくともいずれか一方を蒸着して中間層を形成する請求項10に記載の光学異方性層の製造方法。
  12. 配向膜形成用塗布液を塗布して配向膜を形成する請求項9に記載の光学異方性層の製造方法。
  13. 配向膜形成用塗布液が、N−メチル−2−ピロリドンを含んでいる請求項12に記載の光学異方性層の製造方法。
  14. 請求項9から13のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする光学異方性層。
  15. 請求項1から8及び14のいずれかに記載の光学異方性層、透明支持体、及び無機光学異方性層を共に備えてなる光学補償素子。
  16. 中間層が、該中間層と隣接する配向膜よりも透明支持体側に位置している請求項15に記載の光学補償素子。
  17. 透明支持体の少なくとも一方の面上に、光学異方性層及び無機光学異方性層を共に備えてなる請求項15から16のいずれかに記載の光学補償素子。
  18. 無機光学異方性層は、屈折率が互いに異なる複数の層が規則的な順序で積層され、繰り返し構造を有してなる周期構造積層体であり、前記繰り返し単位の光学厚みが可視光領域における光の波長より短く、周期構造全体として負の屈折率異方性を有する請求項15から17のいずれかに記載の光学補償素子。
  19. 周期構造積層体が、屈折率の異なる2種類の層が交互積層されてなり、且つ、可視光領域における屈折率差が0.5以上である請求項18に記載の光学補償素子。
  20. 周期構造積層体が、酸化物層である請求項18から19のいずれかに記載の光学補償素子。
  21. 少なくとも一対の電極及び該一対の電極間に封入される液晶分子を有する液晶素子と、該液晶素子の両面及び片面のいずれかに配される光学補償素子と、前記液晶素子及び光学補償素子に対向配置される偏光素子とを備え、前記光学補償素子が請求項15から20のいずれかに記載の光学補償素子であることを特徴とする液晶表示装置。
  22. 液晶素子がツイストネマティック型である請求項21に記載の液晶表示装置。
  23. 光源と、該光源からの照明光が照射される液晶表示装置と、該液晶表示装置によって光変調された光をスクリーン上に結像させる投影光学系とを備え、前記液晶表示装置が請求項21から22のいずれかに記載の液晶表示装置であることを特徴とする液晶プロジェクタ。
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