JP2006071966A - 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 - Google Patents

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光芳 市橋
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Abstract

【課題】 簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角特性が著しく改善されたIPS(In−Plane Switching)型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも、第1偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域と、液晶層を一対の基板で挟んだ液晶セルと第2偏光膜を含み、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、且つ第2位相差領域の遅相軸が黒表示時の液晶層の遅相軸方向に直交である液晶表示装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に水平方向に配向した液晶分子に横方向の電界を印加することにより表示を行う、インプレーンスイッチングモードの液晶表示装置に関する。また、本発明は、液晶表示装置、特にインプレーンスイッチングモードの液晶表示装置の光学補償に寄与する偏光板一体型光学補償フイルムに関する。
液晶表示装置としては、二枚の直交した偏光板の間に、ネマチック液晶をツイスト配列させた液晶層を挟み、電界を基板に対して垂直な方向にかける方式、いわゆるTNモードが広く用いられている。この方式では、黒表示時に液晶が基板に対して立ち上がるために、斜めから見ると液晶分子による複屈折が発生し、光漏れが起こる。この問題に対して、液晶性分子がハイブリッド配向したフイルムを用いることで、液晶セルを光学的に補償し、この光漏れを防止する方式が実用化されている。しかし、液晶性分子を用いても液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しく、画面下方向での諧調反転が抑えきれないという問題を生じていた。
かかる問題を解決するため、横電界を液晶に対して印加する、いわゆるインプレーンスイッチング(IPS)モードによる液晶表示装置や、誘電率異方性が負の液晶を垂直配向してパネル内に形成した突起やスリット電極によって配向分割した垂直配向(VA)モードが提案され、実用化されている。近年、これらのパネルはモニター用途に留まらず、TV用途として開発が進められており、それに伴って画面の輝度が大きく向上してきている。このため、これらの動作モードで従来問題とされていなっかった、黒表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕在化してきた。
この色調や黒表示の視野角を改善する手段の一つとして、液晶層と偏光板の間に複屈折特性を有する光学補償材料を配置することがIPSモードにおいても検討されている。例えば、傾斜時の液晶層のレターデーションの増減を補償する作用を有する光軸を互いに直交した複屈折媒体を基板と偏光板との間に配置することで、白表示又は中間調表示を斜め方向から直視した場合の色付きが改善できることが開示されている(特許文献1参照)。また、負の固有複屈折を有するスチレン系ポリマーやディスコチック液晶性化合物からなる光学補償フイルムを使用した方法(特許文献2、3、4参照)や、光学補償フイルムとして複屈折が正で光学軸がフイルムの面内にある膜と複屈折が正で光学軸がフイルムの法線方向にある膜とを組み合わせる方法(特許文献5参照)、レターデーションが二分の一波長の二軸性の光学補償シートを使用する方法(特許文献6参照)、偏光板の保護膜として負のレターデーションを有する膜を使い、この表面に正のレターデーションを有する光学補償層を設ける方式(特許文献7参照)が提案されている。
特開平9−80424号公報 特開平10−54982号公報 特開平11−202323号公報 特開平9−292522号公報 特開平11−133408号公報 特開平11−305217号公報 特開平10−307291号公報
しかし、提案された方式の多くは、液晶セル中の液晶の複屈折の異方性を打ち消して視野角を改善する方式であるために、直交偏光板を斜めから見た場合の偏光軸交差角度の直交からのズレに基づく光漏れを十分に解決できないという問題がある。また、この光漏れを補償できるとされる方式でも、液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しい。さらに、延伸複屈折ポリマーフイルムで光学補償を行うIPSモード液晶セル用光学補償シートでは、複数のフイルムを用いる必要があり、その結果、光学補償シートの厚さが増し、表示装置の薄形化に不利である。また、延伸フイルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフイルム間の剥離や反りといった不良が発生することがあった。
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角特性が著しく改善されたIPS型液晶表示装置を提供することを課題とする。また、本発明は、液晶表示装置、特にIPS型液晶表示装置の視野角特性の改善に寄与する偏光板一体型光学補償フイルムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
[1] 長手方向に平行な吸収軸を有する長尺状の偏光膜と、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含み、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義されるRthが−30nm〜−250nmであり、且つRe=(nx−ny)×dで定義されるReが50nm以下である長尺状の位相差膜とを有する長尺状の偏光板一体型光学補償フイルム。
[2] 少なくとも、偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域とを有する偏光板一体型光学補償フイルムであって、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、Re=(nx−ny)×d で定義される第2位相差領域のレターデーションReが50nm〜400nmであり、且つ前記第1位相差領域及び第2位相差領域の少なくとも一方が、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムである偏光板一体型光学補償フイルム。
[3] 前記偏光膜、前記第1位相差領域、及び前記第2位相差領域及が、この順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が、前記偏光膜の透過軸に実質的に平行である[2]の偏光板一体型光学補償フイルム。
[4] 前記セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートフイルムである[1]〜[3]のいずれかの偏光板一体型光学補償フイルム。
(I) 2.82≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SA及びSPはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、SPはプロピオニル基の置換度である。)
[5] 少なくとも、第1偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域と、液晶層を一対の基板で挟んだ液晶セルと第2偏光膜を含み、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、Re=(nx−ny)×dで定義される第2位相差領域のレターデーションReが50nm〜400nmであり、前記第1位相差領域及び第2位相差領域の少なくとも一方が、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムであり、且つ第2位相差領域の遅相軸が黒表示時の液晶層の遅相軸方向に直交である液晶表示装置。
[6] 前記第1偏光膜、前記第1位相差領域、前記第2位相差領域及び前記液晶セルが、この順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が、前記偏光膜の透過軸に実質的に平行である[5]の液晶表示装置。
[7] 前記第1位相差領域、前記液晶セル、前記第2位相差領域及び前記第1偏光膜がこの順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が前記第1偏光膜の透過軸に実質的に直交である[5]の液晶表示装置。
[8] 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚み方向の位相差Rthが40nm〜−40nmである[5]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[9] 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚み方向の位相差Rthが20nm〜−20nmである[5]〜[8]のいずれかの液晶表示装置。
[10] 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚みが60μm以下である[5]〜[9]のいずれかの液晶表示装置。
[11] 前記第1偏光膜及び/又は第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜がセルロースアシレートフイルム又はノルボルネン系フイルムである[5]〜[10]のいずれかの液晶表示装置。
[12] 前記第1位相差領域及び/又は前記第2位相差領域が、前記第1偏光膜及び/又は第2偏光膜に隣接している[5]〜[11]のいずれかの液晶表示装置。
[13] 液晶セルの一対の基板のうち視認側と反対側の基板により近い位置に、前記第1位相差領域又は前記第2位相差領域が配置されている[5]〜[12]のいずれかの液晶表示装置。
[14] 前記セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートフイルムである[5]〜[13]のいずれかの液晶表示装置。
(I) 2.82≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SA及びSPはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、SPはプロピオニル基の置換度である。)
本発明では、少なくとも、第1偏光膜と、第1位相差領域と、第2位相差領域と、液晶層を一対の基板で挟んだ液晶セルと第2偏光膜を含み、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置において、厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmである屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、面内のレターデーションReが50nm〜400nmである屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域を含み、且つ第2位相差領域の遅相軸が黒表示時の液晶層の遅相軸方向に直交になるように配置することによって、正面方向の特性を何ら変更させることなく、斜めの方位角方向から見た場合に2枚の偏光板の吸収軸が90度からずれることから生ずるコントラストの低下、特に45度の斜め方向からのコントラストの低下を改善させている。本発明では、前記2つの位相差領域のうち少なくとも一方に、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムを用いる。当該フイルムは、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートの水酸基へのアシル置換度の調整や、作製条件の調整により、前記第1位相差領域又は第2位相差領域に要求される光学特性を一層のみで満たすことができる。従って、当該フイルムを用いることにより、簡易な構成で視野角特性の改善された液晶表示装置を作製することができる。また、当該フイルムは、偏光膜の保護膜として要求される性能を有するので、偏光膜の表面に形成することで、保護膜として機能させることができ、より簡易な構成で、視野角特性の改善された液晶表示装置を作製することができる。
発明の実施の形態
以下において、本発明の液晶表示装置の一実施形態及びその構成部材について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度よりも±20゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±15゜未満であることが好ましく、±10゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図2及び図3は、本発明の液晶表示装置の一実施形態の模式図である。
[液晶表示装置]
図2に示す液晶表示装置は、偏光膜8及び20と、第2位相差領域10と、基板12及び16と、該基板に挟持される液晶層14と、第1位相差領域18とを有する。偏光膜8及20は、それぞれ保護膜7aと7b及び19aと19bによって挟持されている。
図2の液晶表示装置では、液晶セルは、基板12及び16と、これらに挟持される液晶層14からなる。液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは透過モードにおいて、ねじれ構造を持たないIPS型では0.2〜0.4μmの範囲が最適値となる。この範囲では白表示輝度が高く、黒表示輝度が小さいことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。基板12及び16の液晶層14に接触する表面には、配向膜(不図示)が形成されていて、液晶分子を基板の表面に対して略平行に配向させるとともに配向膜上に施されたラビング処理方向13及び17等により、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子配向方向が制御されている。また、基板12若しくは16の内面には、液晶分子に電圧印加可能な電極(図2中不図示)が形成されている。
図1に、液晶層14の1画素領域中の液晶分子の配向を模式的に示す。図1は、液晶層14の1画素に相当する程度の極めて小さい面積の領域中の液晶分子の配向を、基板12及び16の内面に形成された配向膜のラビング方向4、及び基板12及び16の内面に形成された液晶分子に電圧印加可能な電極2及び3とともに示した模式図である。電界効果型液晶として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いてアクティブ駆動を行った場合の、電圧無印加状態若しくは低印加状態での液晶分子配向方向は5a及び5bであり、この時に黒表示が得られる。電極2及び3間に印加されると、電圧に応じて液晶分子は6a及び6b方向へとその配向方向を変える。通常、この状態で明表示を行なう。
再び図2において、偏光膜8の透過軸9と、偏光膜20の透過軸21は直交して配置されている。第2位相差領域10の遅相軸11は、偏光膜8の透過軸9及び黒表示時の液晶層14中の液晶分子の遅相軸方向15に直交である。
図2に示す液晶表示装置では、偏光膜8が二枚の保護膜7a及び7bに挟持された構成を示しているが、保護膜7bはなくてもよい。また、偏光膜20も二枚の保護膜19a及び19bに挟持されているが、液晶層14に近い側の保護膜19aはなくてもよい。
本発明の他の実施形態を図3に示す。図3の液晶表示装置は、第1位相差領域18が偏光膜8及び第2位相差領域10の間に配置されている以外は、図2に示す液晶表示装置と同様の構成である。図3の液晶表示装置において、保護膜7b又は保護膜19aはなくてもよい。また、第1位相差領域18と保護膜7bの間、若しくは第1位相差領域18と第2位相差領域10との間に、透明な支持体が配置されていてもよい。図3に示す態様では、第2位相差領域10は、その遅相軸11が、偏光膜8の透過軸9に平行で、且つ黒表示時の液晶層14中の液晶分子の遅相軸方向15に直交になるように配置される。なお、図3の態様では、第1位相差領域及び第2位相差領域は、液晶セルの位置を基準にして、液晶セルと視認側の偏光膜との間に配置されていてもよいし、液晶セルと背面側の偏光膜との間に配置されていてもよい。いずれの態様においても、第2位相差領域が液晶セルにより近くなるように配置する。
図2及び図3の態様において、第1位相差領域18は、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にあり、Rth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmである。一方、第2位相差領域10は、Re=(nx−ny)×dで定義される面内方向のレターデーションReが50nm〜400nmである。第1位相差領域18及び第2位相差領域10の少なくとも一方は、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムである。かかるフイルムは、セルロースの水酸基へのアシル置換度を調整することにより、又は作製条件を調整することにより、第1位相差領域又は第2位相差領域として要求される前記光学特性を一層のみで示すことができる。また、かかるフイルムは、偏光膜の保護膜として要求される性能を満足し得るので、図2の態様では、第2位相差領域10が該フイルムからなる場合は保護膜7bがなくても、偏光膜8と第2位相差領域10とを一体的に作製することで、また、第1位相差領域18が該フイルムからなる場合は、保護膜19aがなくても、偏光膜20と第1位相差領域18とを一体的に作製することで、高温湿度下等、過酷な環境下に置かれた場合にも、偏光膜8又は偏光膜20が劣化して、表示特性が低下するのを軽減することができる。また、図3の態様では、少なくとも第1位相差領域18が該フイルムからなる場合は、偏光膜8及び第1位相差領域18を一体的に作製することで、及び少なくとも第2位相差領域10が該フイルムからなる場合は、偏光膜8、第1位相差領域18及び第2位相差領域10を一体的に作製することで、保護膜7bがなくても、高温湿度下等、過酷な環境下に置かれた場合にも、偏光膜8が劣化して、表示特性が低下するのを軽減することができる。
なお、図2及び図3には、上側偏光板及び下側偏光板を備えた透過モードの表示装置の態様を示したが、本発明は一の偏光板のみを備える反射モードの態様であってもよく、かかる場合は、液晶セル内の光路が2倍になることから、最適Δn・dの値は上記の1/2程度の値になる。また、本発明に用いられる液晶セルはIPSモードに限定されることなく、黒表示時に液晶分子が前記一対の基板の表面に対して実質的に平行に配向する液晶表示装置であれば、いずれも好適に用いることができる。この例としては強誘電性液晶表示装置、反強誘電性液晶表示装置、ECB型液晶表示装置がある。
本発明の液晶表示装置は、図1〜図3に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶層と偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、偏光膜の保護膜の表面に反射防止処理やハードコートを施しても良い。また、構成部材に導電性を付与したものを使用してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。この場合、バックライトの配置は図2及び図3の上側であっても下側であっても良い。また、液晶層とバックライトとの間に、反射型偏光板や拡散板、プリズムシートや導光板を配置することもできる。また、上記した様に、本発明の液晶表示装置は、反射型であってもよく、かかる場合は、偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を配置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子又は2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ばれるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
以下、本発明の液晶表示装置に使用可能な種々の部材の好ましい光学特性や部材に用いられる材料、その製造方法等について、詳細に説明する。
本発明では、第1位相差領域及び第2位相差領域のうち、少なくとも一方は、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムからなる。セルロースアセテートプロピオネートは、セルロースの水酸基の一部がアセチル基及びプロピオニオル基によって置換されたセルロースアシレートであり、セルロースプロピオネートは、セルロースの水酸基の一部がプロピオニル基によって置換されたセルロースアシレートである。アシル基置換度が異なるセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートをそれぞれ用いることにより、所望の光学特性のフイルムを作製することができる。第2位相差領域に要求される光学特性を満たすためには、アシル置換度が、下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを用いるのが好ましく、
(I) 2.82≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SA及びSPはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、SPはプロピオニル基の置換度である。)
より好ましくは、
(I) 2.83≦SA+SP≦2.99
(II) 0≦SA≦1.59
(III) 1.4≦SP≦2.85
であり、さらに好ましくは、
(I) 2.85≦SA+SP≦2.98
(II) 0≦SA≦1.48
(III) 1.5≦SP≦2.8
である。
これらのうち、SA+SPを大きくするとRthの値を低下させることができ、かつ、SPを大きくすると、レターデーションの湿度依存性を小さくすることができる。
本発明に利用可能なセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートといったセルロースアシレートは、セルロースエステル化合物、およびセルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得ることができ、合成方法についての基本的な原理は、右田伸彦他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。セルロースアシレートの代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−カルボン酸−硫酸触媒による液相アシル化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸などのカルボン酸で前処理した後、予め冷却したアシル化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記アシル化混液は、一般に溶媒としてのカルボン酸、エステル化剤としてのカルボン酸無水物および触媒としての硫酸を含む。カルボン酸無水物は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが一般的である。
アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰カルボン酸無水物の加水分解を行うために、水または含水酢酸を添加する。エステル化触媒を一部中和するために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩、水酸化物または酸化物)の水溶液を添加してもよい。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量のアシル化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、20〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希酢酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希酢酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で150〜500が好ましく、200〜400がより好ましく、220〜350がさらに好ましい。粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)に従い測定できる。粘度平均重合度の測定方法については、特開平9−95538号公報にも記載がある。
セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムは、押出し法、溶液流延法等の種々の方法を利用して作製することができる。フイルム状に成形した後、所定の光学特性を得るために、さらに延伸処理を実施することもできる。溶液流延法を利用して前記フイルムを作製する場合は、ドープ中に、可塑剤(好ましい添加量はセルロースエステルに対して0.1〜20質量%、以下同様)、改質剤(0.1〜20質量%)、紫外線吸収剤(0.001〜5質量%)、平均粒径が5〜3000nmである微粒子粉体(0.001〜5質量%)、フッ素系界面活性剤(0.001〜2質量%)、剥離剤(0.0001〜2質量%)、劣化防止剤(0.0001〜2質量%)、光学異方性制御剤(0.1〜15質量%)、赤外線吸収剤(0.1〜5質量%)等の添加剤を含有させてもよい。その他、フイルムの作製方法については、公開技法2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)等に詳細が記載されていて、本発明に適用することができる。
得られた未延伸および延伸後のセルロースアシレートフイルムには、適宜、表面処理を行うことにより、セルロースアシレート層と他の層との接着を改善することが可能となる。表面処理には、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、ケン化処理(酸ケン化処理、アルカリケン化処理)が含まれ、特にグロー放電処理およびアルカリケン化処理が好ましい。
なお、前述した様、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムのみで前記第1位相差領域又は第2位相差領域に要求される光学特性を満たすこともできるが、本発明には、前記第1位相差領域又は第2位相差領域が、セルロースアセテートプロピオネートフイルム又はセルロースプロピオネートフイルムとともに、他の複屈折性フイルムや位相差膜を含む態様も含まれる。
[第1位相差領域]
本発明の液晶表示装置は、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域を有する。該第1位相差領域の厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthは、−30nm〜−250nmである。前記第1位相差領域のRthのより好ましい範囲は、他の光学部材の光学特性に応じて変動し、特に、より近くに位置する偏光膜の保護膜(例えば、トリアセチルセルロースフイルム)のRthに応じて、大きく変動する。斜め方向の光漏れを効果的に低減するためには、第1位相差領域のRthは、−50nm〜−200nmであるのがより好ましく、−60nm〜−140nmであるのがさらに好ましい。一方、第1位相差領域の面内レターデーションReについては、特に制限はないが、一般的には50nm以下であるのが好ましく、0〜50nmであるのがより好ましく、0〜20nmであるのがさらに好ましい。
前記第1位相差領域は、前記光学特性を有する限り、その材料及び形態については特に制限されない。上記した様に、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムからなっていてもよく、また、他の材料からなる複屈折ポリマーフイルムからなっていても、透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物を塗布もしくは転写することによって形成された位相差層を有する位相差膜であってもよい。また、それぞれを積層して使用することもできる。
《複屈折ポリマーフイルムを有する第1位相差領域》
上記光学特性を有する複屈折ポリマーフイルムからなる位相差膜は、高分子フイルムを膜の厚さ方向に延伸することで容易に形成できる。また、延伸することなしに流延するだけでこの光学特性を発現するRth抑制添加剤含有のセルロースアシレート類を好適に用いることができる。かかるセルロースアシレートとして、特願2003−337683号公報に記載されているものを用いることができる。中でも、第1位相差領域は、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムであるのが好ましい。
《液晶性化合物から形成された位相差層を有する第1位相差領域》
上記光学特性を有する液晶性化合物から形成された位相差層としては、ビニルカルバゾール系高分子を塗布して乾燥させて製造した層(特開2001−091746号)、キラル構造単位を含んだコレステリックディスコチック液晶化合物や組成物を、その螺旋軸を基板に略垂直に配向させたのち固定化して形成した層、屈折率異方性が正の棒状液晶化合物や組成物を基板に略垂直に配向させたのち固定化して形成した層などを例示することができる(例えば、特開平6−331826号公報や特許第2853064号等参照)。さらに、一の位相差層のみならず複数の位相差層を積層して、上記光学特性を示す第1位相差領域を構成することもできる。また、支持体と位相差層との積層体全体で上記光学特性を満たすようにして、第1位相差領域を構成してもよい。用いる棒状液晶化合物としては、配向固定させる温度範囲で、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、リオトロピック液晶相状態をとるものが好適に用いられる。また、添加剤の存在下において、適切な配向温度範囲で、上記液晶状態となる棒状液晶性化合物については、該添加剤と棒状液晶性化合物を含有する組成物を用いて層を形成するのも好ましい。
《棒状液晶性化合物》
本発明の第1位相差領域は、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成してもよい。前記棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。液晶分子には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。その部分構造の個数は1〜6個、好ましくは1〜3個である。
第1位相差領域が、棒状液晶性化合物を配向状態に固定して形成された位相差層を含む場合は、棒状液晶性化合物を実質的に垂直配向させて、その状態に固定して形成した位相差層を用いるのが好ましい。実質的に垂直とは、フイルム面と棒状液晶性化合物のダイレクターとのなす角度が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらの液晶性化合物は斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が最も好ましい。
その他、位相差層の形成に用いられる塗布液溶媒、重合性モノマー及び重合性開始剤等の他の添加剤、位相差層の形成方法等については、後述する第2位相差領域の位相差層と同様である。
[第2位相差領域]
本発明の液晶表示装置は、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域を有する。該第2位相差領域は、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRe=(nx−ny)×dで定義される面内レターデーションReが、50nm〜400nmである。第2位相差領域の遅相軸が黒表示時の液晶層の遅相軸方向に直交になるように配置される。第2位相差領域のReは、斜め方向の光漏れを効果的に低減するために、90nm〜300nmであるのがより好ましく、120nm〜250nmであるのがさらに好ましい。また、第2位相差領域の厚さ方向のレターデーションRthは、−20〜−200nmであるのが好ましく、−60〜−130nmであるのがより好ましい。
前記第2位相差領域は、前記光学特性を有する限り、その材料及び形態については特に制限されない。上記した様に、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムからなっていてもよく、また、他の材料からなる複屈折ポリマーフイルムからなっていても、透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物を塗布もしくは転写することによって形成された位相差層を有する位相差膜であってもよい。また、それぞれを積層して使用することもできる。
《複屈折ポリマーフイルムを有する第2位相差領域》
上記光学特性を有する複屈折ポリマーフイルムからなる位相差膜は、高分子フイルムを延伸することで容易に形成できる。高分子フイルムの材料は固有複屈折が負のポリマーが好ましい。固有複屈折が負のポリマーとしては、スチレン系ポリマーを挙げることができる。スチレン系ポリマーは、スチレンあるいはスチレン誘導体の単独重合体;スチレンあるいはスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体;スチレンあるいはスチレン誘導体と他のモノマーから得られるグラフト共重合体;及びこれらのポリマーの混合物に大別することができる。
スチレンあるいはその誘導体の単独重合体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシルスチレン、p−フェニルスチレン及び2,5−ジクロロスチレンの単独重合体を挙げることができる。スチレンあるいはスチレン誘導体と他のモノマーとの共重合体の例としては、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メタクリロニトリル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/α−クロロアクリロニトリル共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/イタコン酸共重合体、スチレン/ビニルカルバゾール共重合体、スチレン/N−フェニルアクリルアミド共重合体、スチレン/ビニルピリジン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン/メタクリロニトリル共重合体、α−メチルスチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/α−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/α−メチルスチレン/メチルメタクリレート共重合体、及びスチレン/スチレン誘導体共重合体を挙げることができる。スチレン系ポリマーとしては、スチレン/ブタジエン共重合体に、スチレン、アクリロニトリル及びα−メチルスチレンからなる群の少なくとも一種をグラフト重合させたグラフト共重合体が好ましい。スチレン系ポリマーについては、特開平4−97322号公報及び特開平6−67169号公報に記載されている。光学的に負の一軸性で、基板と平行に光軸を有する本発明の光学補償シートは、例えば上記スチレン系ポリマー等の固有複屈折が負のポリマーを一軸延伸することにより得ることができる。
《液晶性化合物から形成された位相差層を有する第2位相差領域》
上記光学特性を有する液晶性化合物から形成された位相差層は、屈折率異方性が負のディスコチック液晶化合物又はそれを含有する組成物を、支持体もしくは仮支持体上に塗布して、液晶性分子を垂直配向させ、その光軸を基板に略水平にさせた後、固定化することで形成することができる。仮支持体上に形成した場合は、該位相差層を支持体上に転写することで作製することもできる。さらに、一の位相差層のみならず複数の位相差層を積層して、上記光学特性を示す第2位相差領域を構成することもできる。また、支持体と位相差層との積層体全体で上記光学特性を満たすようにして、第2位相差領域を構成してもよい。
《ディスコチック液晶性化合物》
本発明には、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているディスコチック液晶性化合物を用いることができる。ディスコチック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコチック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコチック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコチック液晶性化合物は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。
前記第2位相差領域が、実質的に垂直配向したディスコチック液晶性化合物から形成された位相差層を有する態様では、該位相差層の遅相軸が、黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に直交になるように配置する。第2位相差領域のReの調整は、塗布形成するディスコチック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコチック液晶性化合物は、フイルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)に円盤面を配向させることが必要である。ディスコチック液晶性化合物は斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。
平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。
《位相差層を有する第2位相差領域の形成方法》
ディスコチック液晶性化合物から形成された位相差層は、ディスコチック液晶性化合物、所望により、下記の重合性開始剤や空気界面垂直配向剤や他の添加剤を含む塗布液を、支持体の上に形成された垂直配向膜の上に塗布して、垂直配向させ、該配向状態を固定することで形成することができる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
垂直配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。ディスコチック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。前記光学違法性層を含む第1位相差領域の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましく、1〜5μmであることが最も好ましい。
《垂直配向膜》
液晶性化合物を配向膜側で垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子及び炭素原子数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入することが好ましい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05〜80質量%の割合で含むことが好ましく、0.1〜70質量%の割合で含むことがより好ましく、0.5〜65質量%の割合で含むことがさらに好ましく、1〜60質量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基又はそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)又はアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜100であることが好ましく、10〜60であることがさらに好ましく、10〜40であることが最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造又はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよい。フッ素原子又は炭化水素基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよい。ポリイミドに炭化水素基を導入する場合、ポリイミドの主鎖又は側鎖にステロイド構造を形成することが特に好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素原子数が10以上の炭化水素基に相当し、液晶性化合物を垂直に配向させる機能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環構造又はその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。
さらに液晶性化合物を垂直に配向させる手段として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、又はポリイミドの高分子に有機酸を混合する方法を好適に用いることができる。混合する酸としてはカルボン酸やスルホン酸、アミノ酸が好適に用いられる。後述の空気界面配向剤の内、酸性を示すものを使用してもよい。また、4級アンモニウム塩類も好適に用いることが出来る。その混合量は高分子に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は100〜5000であることが好ましい。
ディスコチック液晶性化合物を配向させる場合、配向膜は、側鎖に疎水性基を官能基として有するポリマーからなるのが好ましい。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応じて決定する。例えば、変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
配向膜を、主鎖に結合した架橋性官能基を有する側鎖を有するポリマー又は液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を有するポリマーを用いて形成し、その上に位相差膜を、多官能モノマーを含む組成物を用いて形成すると、配向膜中のポリマーと、その上に形成される位相差膜中の多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマー間だけではなく、配向膜ポリマー間及び多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間にも共有結合が形成され、配向膜と位相差膜とが強固に結合される。従って、架橋性官能基を有するポリマーを用いて配向膜を形成することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、又は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー及び架橋剤を含む組成物を透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には位相差層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20℃〜110℃で行なうことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
配向膜は、透明支持体上に設けられることが好ましい。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋した後、表面をラビング処理することにより得ることができる。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
ディスコチック液晶性化合物を均一配向させるには、ラビング処理された垂直配向膜により配向方向を制御するのが好ましいが、一方、棒状液晶性化合物の垂直配向にはラビング処理は行なわないことが好ましい。なお、配向膜を用いて液晶性化合物を配向させてから、その配向状態のまま液晶性化合物を固定して位相差層を形成し、位相差層のみをポリマーフイルム(又は透明支持体)上に転写してもよい。
《空気界面垂直配向剤》
通常、液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を液晶塗布液に含有させて、位相差膜を形成するのが好ましい。液晶性化合物を垂直に配向させる作用は、ディスコチック液晶性化合物においてはそのダイレクターの傾斜角度、すなわちダイレクターと塗布液晶空気側表面とがなす角度を減少させる作用に相当する。ディスコチック液晶分子のダイレクターの傾斜角度を減少させる化合物としては、マレイミド基のような排除体積効果を有する剛直性の構造単位を含有するポリマーが好適に用いられる。
また、特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号[0072]〜[0075]、特願2002−262239号明細書の段落番号[0037]〜[0039]、特願2003−91752号明細書の段落番号[0071]〜[0078]、特願2003−119959号明細書の段落番号[0052]〜[0054]、[0065]〜[0066]、[0092]〜[0094]、特願2003−330303号明細書の段落番号[0028]〜[0030]、特願2004−003804号明細書の段落番号[0087]〜[0090]に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。また、これらの化合物を配合することによって塗布性が改善され、ムラ又はハジキの発生が抑制される。
液晶塗布液への空気界面配向剤の使用量は、0.05質量%〜5質量%であることが好ましい。また、フッ素系空気界面配向剤を用いる場合は、1質量%以下であることが好ましい。
《位相差層中の他の材料》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特願2003−295212号公報明細書中の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
[支持体]
本発明では、液晶性化合物から形成された位相差層を、支持体上に形成してもよい。支持体は透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。支持体は、波長分散が小さいのが好ましく、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。中でも、ポリマーフイルムが好ましい。透明支持体は第1位相差領域、第2位相差領域又は偏光板保護膜を兼ねることもできる。また、透明支持体と位相差層全体で、第1位相差領域又は第2位相差領域を構成していてもよい。また、例えば、第2位相差領域が液晶性分子からなる位相差膜である場合は、支持体を第1位相差領域に要求される光学特性を有するセルロースプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムとして、又は第1位相差領域が液晶性分子からなる位相差膜である場合は、支持体を第2位相差領域に要求される光学特性を有するセルロースプロピオネート又はセルロースプロピオネートを含むフイルムとして、第1位相差領域及び第1位相差領域を一体的に作製することもできる。
支持体の光学異方性は小さいのが好ましく、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。また、第2位相差領域を兼ねる場合は、厚さ方向のレターデーションRthが50nm〜200nmであり、60nm〜150nmの範囲であることがより好ましく、70nm〜130nmの範囲であることが最も好ましい。また、偏光板保護膜を兼ねる場合は、厚さ方向のレターデーションRthが25nm以下であり、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが最も好ましい。
支持体となるポリマーフイルムの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートのフイルムが含まれる。セルロースエステルフイルムが好ましく、アセチルセルロースフイルムがさらに好ましく、トリアセチルセルロースフイルムが最も好ましい。支持体として用いるポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
[偏光膜用保護膜]
偏光板用保護膜としては、可視光領域に吸収が無く、光透過率が80%以上であり、複屈折性に基づくレターデーションが小さいものが好ましい。具体的には、面内のReが0〜20nmが好ましく、0〜10nmがより好ましく、0〜5nmが最も好ましい。さらに、厚み方向のレターデーションRthは0〜40nmであることが好ましく、0〜20nmがより好ましく、0〜10nmであることが最も好ましい。この特性を有するフイルムであれば好適に用いることができるが、偏光膜の耐久性の観点からはセルロースアシレートやノルボルネン系のフイルムがより好ましい。セルロースアシレートフイルムのRthを小さくする方法として、特開平11−246704号公報、特開2001−247717号公報、特願2003−379975号明細書に記載の方法などが挙げられる。また、セルロースアシレートフイルムの厚みを小さくすることによっても、Rthを小さくすることができる。第2偏光板用保護膜としてのセルロースシレートフイルムの厚みは10〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましく、20〜45μmであることがさらに好ましい。
なお、上記した様に、第1位相差領域又は第2位相領域が、偏光板用保護膜(液晶セルにより近い位置に配置される保護膜)を兼ねていてもよく、かかる態様では、偏光板保護膜は、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースプロピオネートであるのが好ましい。
[偏光板一体型光学補償フイルム]
本発明は、偏光膜と光学補償機能を有する第1及び/又は第2位相差領域が一体化されて作製された、偏光板一体型補償フイルムに関する。本発明の偏光板一体型光学補償フイルムを用いることで、より簡易な構成で、液晶表示装置の視野角特性を改善できる。また、本発明の偏光板一体型光学補償フイルムは、ロールツーロールで長尺状に作製し、その後所望の大きさに裁断して作製することができるので、簡易な工程で作製可能であり、液晶表示装置の生産性の改善にも寄与する。
本発明の偏光板一体型光学補償フイルムの一実施形態は、長手方向に平行な吸収軸を有する長尺状の偏光膜と、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含み、厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、且つ面内のレターデーションReが50nm以下である長尺状の位相差膜とを有する長尺状の偏光板一体型光学補償フイルムである。本実施形態の偏光板一体型光学補償フイルムは、偏光膜としての機能のみならず、前記第1位相差領域としての光学特性を満足する位相差層を有する。本実施形態の偏光板一体型光学補償フイルムは、例えば、ロールツーロールで長尺状に作製され、所定の大きさに裁断された後、液晶表示装置(例えば、図2及び図3の構成の液晶表示装置)に用いられる。
また、本発明の偏光板一体型光学補償フイルムの他の態様は、少なくとも、偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にあり、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムからなる第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行であり、ディスコティック液晶性分子を含有する組成物から形成された位相差膜からなる第2位相差領域とを含む偏光板一体型光学補償フイルムであって、第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、第2位相差領域の面内のレターデーションReが50nm〜400nmである偏光板一体型光学補償フイルムである。本実施形態の偏光板一体型光学補償フイルムは、偏光膜としての機能のみならず、前記第1位相差領域及び第2位相差領域としての光学特性を満足する位相差層をそれぞれ有する。本実施形態の偏光板一体型光学補償フイルムは、例えば、ロールツーロールで長尺状に作製され、所定の大きさに裁断された後、液晶表示装置(例えば、図3の構成の液晶表示装置)に用いられる。
なお、本発明の偏光板一体型光学補償フイルムは、偏光膜の上記位相差層が形成されている側と反対の表面に、偏光膜用保護膜を有していてもよい。また、偏光膜と上記位相差層との間にも、偏光膜偏光膜用の保護膜を有していてもよいが、かかる場合は、該保護膜の複屈折性に基づくレターデーションは小さいのが好ましく、面内のレターデーションRe及び厚み方向のレターデーションRthは、いずれも0nmに近い程好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
<IPSモード液晶セルの作製>
一枚のガラス基板上に、図1に示す様に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように電極(図1中2及び3)を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。図1中に示す方向4に、ラビング処理を行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を3.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は300nmであった。
<強誘電性液晶セルの作製>
ITO電極付ガラス基板上ポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。この基板を2枚製作し、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を1.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.15及び自発分極(Ps)が12nCcm-2である強誘電性液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は280nmであった。
《セルロースアシレートフイルムの作製》
下記に従い、セルロースアシレートフイルムA〜Dを作製した。
(セルロースアシレートの調製)
第1表に記載のアシル基の種類、置換度の異なるセルロースアシレートを調製した。すなわち、触媒としての硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)とカルボン酸無水物との混合物を−20℃に冷却してからパルプ由来のセルロースに添加し、40℃でアシル化を行った。この時、カルボン酸無水物の種類及びその量を調整することで、アシル基の種類及びその置換比を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行って全置換度を調整した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
1)セルロースアシレート
調製したセルロースアシレートを120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、30質量部を溶媒と混合させた。
2)溶媒
ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(81/15/4質量部)を溶媒として用いた。なお、これらの溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
3)添加剤
全ての溶液調製に際し、トリメチロールプロパントリアセテート0.9質量部を添加した。また、全ての溶液調製に際し、二酸化ケイ素微粒子(粒径20nm、モース硬度 約7)0.25質量部を添加した。
4)膨潤、溶解
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、上記溶媒、添加剤を投入して撹拌、分散させながら、上記セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
5)ろ過
上記で得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの濾紙(FH025、ポール社製)にて濾過してセルロースアシレート溶液を得た。
(セルロースアシレートフイルムの作製)
上記セルロースアシレート溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは15m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフイルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアシレートフイルムを得た。
さらに、下記に従い、セルロースアシレートフイルムEを作製した。
(セルロースアシレートのペレット化)
上記セルロースアシレートを120℃で3時間乾燥し、含水率を0.1質量%にしたものに、可塑剤(ジオクチルアジペート)をセルロースアシレートに対し3質量%加え、さらに二酸化珪素部粒子(アエロジルR972V)0.05質量%を添加した。この混合物を、2軸混練押出し機のホッパーに入れて混練した。なお、この2軸混練押出し機には真空ベントを設け、真空排気(0.3気圧に設定)を実施した。
このようにして融解した後、水浴中に直径3mmのストランド状に押出し1分間浸漬した後(ストランド固化)、10℃の水中を30秒通過させ温度を下げた後、長さ5mmに裁断した。このようにして調製したペレットを100℃で10分乾燥した後、袋詰した。
得られたたペレットのTgを以下の方法で測定した。
(Tg測定)DSCの測定パンにサンプルを20mg入れる。これを窒素気流中で10℃/分で30℃〜230℃まで昇温した後(1st−run)、30℃まで−10℃/分で冷却する。この後、再度30℃〜230℃まで昇温する(2nd−run)。2nd−runで求めたTg(ベースラインが低温側から偏奇し始める温度)をペレットのTgとした。
(セルロースアシレートフイルムの作製)
上記方法で調製したセルロースアシレートペレットを、110℃の真空乾燥機で3時間乾燥した。これをTg−10℃になるように調整したホッパーに投入し、200℃で5分間かけ溶融した後、絶対濾過精度0.04mmのフィルター(FH400、ポール社製)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.01μmのフィルター(FH100、ポール社製)にて濾過してセルロースアシレートメルトを得た。これをT/D比(リップ間隔/製膜フイルムの厚み)を1.0、キャスティングドラム(CD)とダイの間隔(CD−ダイ間の間隔を製膜幅で割り百分率でしめしたもの)を10%として製膜した。このとき、キャスティングドラムの速度を押出し速度のT/D倍にすることで所望の厚み(D)のフイルムを得た。この時、ダイの両端の温度を中央部より10℃だけ高くした。
キャスティングドラムはTg−10℃とし、この上で固化しフイルムとした。固化したメルトを剥ぎ取り、Tg+15℃にて所望の光学特性になるようにMD延伸、TD延伸してセルロースアシレートフイルムを得た。
Figure 2006071966
[実施例1]
<第2位相差領域1及び偏光板一体型光学補償フイルム1及び2の作製>
市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)の表面をケン化後、このフイルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフイルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して配向膜を形成した。
配向膜塗布液の組成
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
テトラメチルアンモニウムフルオライド 0.3質量部
Figure 2006071966
次に、配向膜上に、下記のディスコチック液晶性化合物1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、空気界面側垂直配向剤(例示化合物P−6)0.01gを3.9gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を、#6のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、125℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコチック液晶化合物を配向させた。次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコチック液晶化合物を架橋し、その後、室温まで放冷してディスコチック液晶位相差層を形成した。セルロースアセテートフイルムからなる支持体とディスコチック液晶位相差層とからなるフイルムを保護膜1とする。
Figure 2006071966
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、保護膜2のReの光入射角度依存性を測定し、予め測定したセルロースアセテートフイルムの寄与分を差し引くことによって、ディスコチック液晶位相差層のみの光学特性を算出したところ、Reが215nm、Rthが−117nm、液晶の平均傾斜角は89.9°であり、ディスコチック液晶がフイルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。上記作製したディスコチック液晶位相差層は、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行方向にある位相差層であった。このディスコチック液晶位相差層を、第2位相差領域1とした。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した保護膜1を、セルロースアセテートフイルムが偏光膜側となるように且つケン化処理を行い偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と保護膜1の遅相軸(第2位相差領域1の遅相軸もこれに一致する)とは直交になるように配置した。市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付け、偏光板一体型光学補償フイルム1を製作した。
さらに、延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて製作した偏光膜にケン化処理を行った前述のフイルムA(第1位相差領域1)と市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を接着剤を用いて連続して貼り合わせて長さ500mの長尺状の位相差膜付き偏光板一体型光学補償フイルム2を製作した。
次に上記で作製した偏光板一体型光学補償フイルムを用いて種々の液晶表示装置を作製し、光漏れを評価した。なお、長尺状に作製した偏光板一体型光学補償フイルムについては、所定の大きさに裁断した後、液晶表示装置に組み込んだ。
<液晶表示装置1の作製>
接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム1を、前記で作製したIPSモード液晶セルの一方に、保護膜1の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域1の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つディスコチック液晶位相差層面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、上記作製した偏光板一体型光学補償フイルム2をフイルムA側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置1を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.04%であった。
[実施例2]
<第2位相差領域2及び偏光板一体型光学補償フイルム3の作製>
フイルムB(第1位相差領域2)の表面をケン化後、このフイルム上に実施例1と同様にして配向膜を形成し、さらにバーの番手を#5.4に変えた以外は実施例1と同様にして、垂直配向ディスコチック液晶層(第2位相差領域2)を形成して、保護膜2を形成した。実施例1と同様にしてディスコチック液晶位相差層のみの光学特性を算出したところ、Reが195nm、Rthが−97nm、液晶の平均傾斜角は89.9°であり、ディスコチック液晶がフイルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した保護膜2を、フイルムB側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と保護膜2の遅相軸(第2位相差領域2の遅相軸もこれに一致する)とは平行になるように配置した。続いて市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付け、偏光板一体型光学補償フイルム3を製作した。
<液晶表示装置2の作製>
接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム3を、前記で作製したIPSモード液晶セルの一方に、保護膜2の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域2の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つディスコチック液晶位相差層面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)をクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置1を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.03%であった。
[実施例3]
<第2位相差領域3及び偏光板一体型光学補償フイルム4の作製>
フイルムDの表面をケン化後、このフイルム上に実施例1と同様にして配向膜を形成し、さらにバーの番手を#4.8に変えた以外は実施例1と同様にして、垂直配向ディスコチック液晶層(第2位相差領域3)を形成して、保護膜3を形成した。実施例1と同様にしてディスコチック液晶位相差層のみの光学特性を算出したところ、Reが172nm、Rthが−86nm、液晶の平均傾斜角は89.9°であり、ディスコチック液晶がフイルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した保護膜3を、フイルムD側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と保護膜3の遅相軸(第2位相差領域3の遅相軸もこれに一致する)とは平行になるように配置した。続いて市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付け、偏光板一体型光学補償フイルム4を製作した。
<液晶表示装置3の作製>
接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム4を、前記で作製したIPSモード液晶セルの一方に、保護膜3の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域3の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つディスコチック液晶位相差層面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、実施例1で作製した偏光板一体型光学補償フイルム2をフイルムA側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置3を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.02%であった。
[実施例4]
<第2位相差領域4及び偏光板一体型光学補償フイルム5の作製>
下記の(A)の共重合体10重量部に、下記(B)のモノマー混合物90重量部をグラフト重合させたスチレン系ポリマー170gを二塩化メチレン830gに溶解させた。
(A)スチレン/ブタジエン共重合体(質量比:20/80)
(B)スチレン/アクリロニトリル/α−メチルスチレン(質量比:60/20/20)
この溶液を乾燥後の膜厚が100μmとなるようにガラス板上に流延し、5分間室温で放置した後、45℃の温風で20分間乾燥させ、得られたフイルム(膜)をガラス板から剥した。このフイルムを矩形の枠に張り付け、70℃で1時間乾燥させた。更に110℃で15時間乾燥させた後、115℃の条件で引張試験機(ストログラフR2、(株)東洋精機製)で、1.9倍の倍率で一軸延伸を行なった。上記のようにして、スチレン系ポリマーの一軸延伸フイルム(第2位相差領域4)を作製した。得られたフイルムのレターデーションを測定した。Reは174nmであり、Rthは−86nmであった。このフイルムは、屈折率異方性が負であり光軸はフイルム面に平行な方向にあった(即ちフイルム面内にあった)。このフイルムを第2位相差領域4とした。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前述のフイルムDと市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の両側に貼り付け偏光板を形成した。さらに市販の接着剤を用いて、フイルムDの表面に、第2位相差領域4を偏光膜の透過軸と第2位相差領域4の遅相軸とが直交になるように配置し偏光板一体型光学補償フイルム5を形成した。
<液晶表示装置4の作製>
これを、前記で作製したIPSモード液晶セル1の一方に、接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム5を、第2位相差領域4の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域4の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つ第2位相差領域4面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、実施例1で作製した偏光板一体型光学補償フイルム2をフイルムA側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置4を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.02%であった。
[実施例5]
<第2位相差領域5及び偏光板一体型光学補償フイルム6の作製>
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前述のフイルムE(第2位相差領域5)と市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の両側に連続的に貼り付け偏光板一体型光学補償フイルム6を形成した。このようにして第2位相差領域4の遅相軸と偏光膜の透過軸とが直交になるように配置した偏光板一体型光学補償フイルム6を形成した。
<液晶表示装置5の作製>
これを、前記で作製したIPSモード液晶セル1の一方に、接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム6を、第2位相差領域5の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域5の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つ第2位相差領域5面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、実施例1で作製した偏光板一体型光学補償フイルム2をフイルムA側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置5を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.02%であった。
[実施例6]
<偏光板一体型光学補償フイルム7、8の作製>
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作した。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前述のフイルムC(第1位相差領域3)と市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の両側に連続的に貼り付けた。さらにこの偏光板のフイルムC側に、遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるようにフイルムE(第2位相差領域6)を接着剤を介して貼り付け、一体型光学補償フイルム7を作製した。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の両面にケン化処理を行った作製したフイルムDと市販のセルロースアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)を連続的に貼り付け、長尺状の偏光板一体型光学補償フイルム8を製作した。
<液晶表示装置6の作製>
これを、前記で作製したIPSモード液晶セルの一方に、接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム7を、フイルムE(第2位相差領域6)の遅相軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように(即ち、第2位相差領域6の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つフイルムE(第2位相差領域6)面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、偏光板一体型光学補償フイルム8をフイルムD側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置6を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.02%であった。
[実施例7]
<液晶表示装置7の作製>
これを、前記で作製した強誘電性液晶セルの一方に、接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム7を、フイルムE(第2位相差領域6)の遅相軸が液晶セルの直流電圧印加時の液晶の分子軸と直交になるように(即ち、第2位相差領域6の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つフイルムE(第2位相差領域6)面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、強誘電性液晶セルのもう一方の側に、偏光板一体型光学補償フイルム8をフイルムD側が液晶セル側になるようにして且つクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置7を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は0.02%であった。
[比較例1]
<液晶表示装置8の作製>
作製したIPSモード液晶セルの両面に、一方の偏光膜の吸収軸と液晶セルのラビング方向とが直交になるようにした市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)をクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置8を作製した。さらに、左斜め方向60°方向での漏れ光を測定したところ、0.55%であった。
[比較例2]
<液晶表示装置9の作製>
接着剤を用いて、偏光板一体型光学補償フイルム3を、前記で作製したIPSモード液晶セルの一方に、保護膜2の遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(即ち、第2位相差領域2の遅相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と平行になるように)、且つディスコチック液晶位相差層面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、IPSモード液晶セル1のもう一方の側に、市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)をクロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置1を作製した。
このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向60°から観察した際の漏れ光は1.5%であった。
本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す概略図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 液晶素子画素領域
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、5b 黒表示時の液晶化合物のダイレクター
6a、6b 白表示時の液晶化合物のダイレクター
7a,7b、19a,19b 偏光膜用保護膜
8、20 偏光膜
9、21 偏光膜の偏光透過軸
10 第2位相差領域
11 第2位相差領域の遅相軸
12、16 セル基板
13、17 セル基板ラビング方向
14 液晶層
15 液晶層の遅相軸方向
18 第1位相差領域

Claims (14)

  1. 長手方向に平行な吸収軸を有する長尺状の偏光膜と、
    セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含み、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義されるRthが−30nm〜−250nmであり、且つRe=(nx−ny)×dで定義されるReが50nm以下である長尺状の位相差膜と、
    を有する長尺状の偏光板一体型光学補償フイルム。
  2. 少なくとも、偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域とを有する偏光板一体型光学補償フイルムであって、
    面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、Re=(nx−ny)×dで定義される第2位相差領域のレターデーションReが50nm〜400nmであり、且つ
    前記第1位相差領域及び第2位相差領域の少なくとも一方が、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムである偏光板一体型光学補償フイルム。
  3. 前記偏光膜、前記第1位相差領域、及び前記第2位相差領域及が、この順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が、前記偏光膜の透過軸に実質的に平行である請求項2に記載の偏光板一体型光学補償フイルム。
  4. 前記セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートフイルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板一体型光学補償フイルム。
    (I) 2.82≦SA+SP≦3
    (II) 0≦SA≦1.7
    (III) 1.3≦SP≦2.9
    (式中、SA及びSPはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、SPはプロピオニル基の置換度である。)
  5. 少なくとも、第1偏光膜と、屈折率異方性が正で光軸が層面に対して実質的に垂直方向にある第1位相差領域と、屈折率異方性が負で光軸が層面に対して実質的に平行である第2位相差領域と、液晶層を一対の基板で挟んだ液晶セルと第2偏光膜を含み、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、
    面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及び厚さdを用いてRth={(nx+ny)/2−nz}×dで定義される第1位相差領域の厚み方向のレターデーションRthが−30nm〜−250nmであり、Re=(nx−ny)×dで定義される第2位相差領域のレターデーションReが50nm〜400nmであり、
    前記第1位相差領域及び第2位相差領域の少なくとも一方が、セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムであり、且つ
    第2位相差領域の遅相軸が黒表示時の液晶層の遅相軸方向に直交である液晶表示装置。
  6. 前記第1偏光膜、前記第1位相差領域、前記第2位相差領域及び前記液晶セルが、この順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が、前記偏光膜の透過軸に実質的に平行である請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1位相差領域、前記液晶セル、前記第2位相差領域及び前記第1偏光膜がこの順序で配置され、且つ前記第2位相差領域の遅相軸が前記第1偏光膜の透過軸に実質的に直交である請求項5に記載の液晶表示装置。
  8. 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚み方向の位相差Rthが40nm〜−40nmである請求項5〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚み方向の位相差Rthが20nm〜−20nmである請求項5〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 第1偏光膜及び第2偏光膜の少なくとも一方を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち少なくとも液晶層に近い側の保護膜の厚みが60μm以下である請求項5〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1偏光膜及び/又は第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜がセルロースアシレートフイルム又はノルボルネン系フイルムである請求項5〜10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  12. 前記第1位相差領域及び/又は前記第2位相差領域が、前記第1偏光膜及び/又は第2偏光膜に隣接している請求項5〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  13. 液晶セルの一対の基板のうち視認側と反対側の基板により近い位置に、前記第1位相差領域又は前記第2位相差領域が配置されている請求項5〜12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  14. 前記セルロースアセテートプロピオネートもしくはセルロースプロピオネートを含むフイルムが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートフイルムである請求項5〜13のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    (I) 2.82≦SA+SP≦3
    (II) 0≦SA≦1.7
    (III) 1.3≦SP≦2.9
    (式中、SA及びSPはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、SPはプロピオニル基の置換度である。)
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