JP2006063754A - 幕板の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 幕板の配設施工を上棟業者によって行わせても良好な仕上げを確保できる幕板の取付構造を提供する。
【解決手段】 垂直な縦片部8の下端から屋外側に水平に横片部9を突設すると共に横片部9の屋外側先端から上方に引掛爪部10を突設して引掛具7を形成する。引掛具7の縦片部8を下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに屋内側から引掛けると共に引掛具7の横片部9を下階の壁パネル1bの壁面板5の上端に載置する。引掛具7の引掛爪部10と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとの隙間Sに幕板11の下端に下方に突設した係合突部12を係合する。幕板11の上端を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの屋外側に添設すると共にボルト13にて固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 垂直な縦片部8の下端から屋外側に水平に横片部9を突設すると共に横片部9の屋外側先端から上方に引掛爪部10を突設して引掛具7を形成する。引掛具7の縦片部8を下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに屋内側から引掛けると共に引掛具7の横片部9を下階の壁パネル1bの壁面板5の上端に載置する。引掛具7の引掛爪部10と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとの隙間Sに幕板11の下端に下方に突設した係合突部12を係合する。幕板11の上端を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの屋外側に添設すると共にボルト13にて固定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、幕板の取付構造に関するものである。
住宅などの建物の建築にあっては、従来工法であれば、柱や梁の組み付けにて骨組状の建物躯体を形成するまでが上棟業者の仕事であり、その後の壁の形成工事や内装工事などは左官業者や大工業者がそれぞれ担当して行っている。しかしながら、パネル工法によると、壁パネルや屋根パネルなどのパネル材は梁や柱などと同様に重量があるため、パネル材の配設作業は柱の立設や梁の架設などのクレーンを用いて行う上棟工事によって、つまり上棟業者によって行われるのが好ましいのである。
なお、上階と下階との間の外壁部分にはパネル材の1つである幕板が配設される。たとえば図7に示すように、建物の上階と下階との間には梁6が横架され、この梁6の下端と下階の壁パネル1bの上端とが固定されると共にこの梁6の上端と上階の壁パネル1aの下端とが固定されており、この梁6の屋外側を覆うように幕板11が配設されるのであるが、この幕板11にあっては、梁6の屋外側に位置決めして配置し、幕板11の下端を下階の壁パネル1bに屋外側からビスなどの打設具52を打設して固定すると共に幕板11の上端を上階の壁パネル1aに屋外側からビスなどの打設具52を打設して固定する、といった取付構造で配設が行われていた。(たとえば、特許文献1参照)
ところで、一般に柱や梁6の組付けなどを行う上棟業者にあっては、柱や梁6の組付けを行わせるボルトの取扱いには慣れている反面、柱や梁6の組付けに用いることの少ないビスなどの打設具52の取扱いには不慣れなことが多い。したがって、上記図7のような取付構造で上棟業者によって幕板11が配設された場合では、不慣れな打設具52の打設作業によって、幕板11の配設における良好な仕上りが確保されない恐れがあった。なお、この幕板11の配設作業を打設具52の扱いに慣れた大工業者によって担わせることも考えられるが、壁の形成施工が壁パネル1の配設を担当する上棟業者と幕板11の配設を担当する大工業者とで行われて各業者が入り乱れる煩雑なものとなることから好ましくなく、またパネル材の一種である幕板11は重量物であるので大工業者が一般に所有しないクレーンが別途必要となって大工業者に過大な負担を強いることとなるものである。
特開2003−268891号公報
ところで、一般に柱や梁6の組付けなどを行う上棟業者にあっては、柱や梁6の組付けを行わせるボルトの取扱いには慣れている反面、柱や梁6の組付けに用いることの少ないビスなどの打設具52の取扱いには不慣れなことが多い。したがって、上記図7のような取付構造で上棟業者によって幕板11が配設された場合では、不慣れな打設具52の打設作業によって、幕板11の配設における良好な仕上りが確保されない恐れがあった。なお、この幕板11の配設作業を打設具52の扱いに慣れた大工業者によって担わせることも考えられるが、壁の形成施工が壁パネル1の配設を担当する上棟業者と幕板11の配設を担当する大工業者とで行われて各業者が入り乱れる煩雑なものとなることから好ましくなく、またパネル材の一種である幕板11は重量物であるので大工業者が一般に所有しないクレーンが別途必要となって大工業者に過大な負担を強いることとなるものである。
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、幕板の配設を上棟業者に担当させても良好な施工性及び仕上りを確保できる幕板の取付構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る幕板の取付構造にあっては、縦枠2と横枠3とを組み付けた枠部4の屋外側に壁面板5を一体に付設した上階の壁パネル1aと下階の壁パネル1bとの間に梁6を横架し、上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aを梁6の上端に固定すると共に下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bを梁6の下端に固定し、垂直な縦片部8の下端から屋外側に水平に横片部9を突設すると共に横片部9の屋外側先端から上方に引掛爪部10を突設して引掛具7を形成し、引掛具7の縦片部8を下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに屋内側から引掛けると共に引掛具7の横片部9を下階の壁パネル1bの壁面板5の上端に載置し、引掛具7の引掛爪部10と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとの隙間Sに幕板11の下端に下方に突設した係合突部12を係合し、幕板11の上端を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの屋外側に添設すると共にボルト13にて固定したことを特徴とする。
これによると、幕板11を配設するには、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに引掛具7の縦片部8を引掛けて下階の壁パネル1bの壁面板5の上端に引掛具7の横片部9を載置させることで、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bと引掛具7の引掛爪部10との間に隙間Sを形成し、この隙間Sに幕板11の下端に下方に突設した係合突部12を上方から挿入することで、幕板11の下端を引掛具7の横片部9を介して下階の壁パネル1bの壁面板5に載置させつつ下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに係合構造で固定し、このとき幕板11の位置決め配置がなされるのであり、そして幕板11の上端を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの屋外側に添設してボルト13で固定するといった作業で行われる。つまり、幕板11の位置決め配置は幕板11の下端を引掛具7を介した係合構造によって簡単に行われるのであり、また、位置決め配置した幕板11の固定はボルト13の締結構造で行われているから、ボルトの締結作業を得意とする上棟業者の作業者に良好な仕上りを期して幕板11の配設作業を行わせることができる。
本発明は、幕板の下端の引掛具を用いた係合構造によって幕板の位置決め配置が簡単に行われ、上記位置決め配置された幕板の固定がビスなどの打設具を使用せずにボルトの締結で行われたことで、打設具に扱いに不慣れな上棟業者の作業者であっても簡単な施工作業で良好な仕上りを期して幕板の配設作業を行わせることが可能になるという利点を有している。したがって、このように壁パネルの配設作業と同様に幕板の配設作業も上棟業者に担当させることで、壁形成にかかる全ての施工作業を上棟業者に担当させることができ、壁形成にかかる施工作業を業者の入り乱れない明快なものにできるといった効果も有するのである。
図1乃至図6には本発明の実施の形態の例を示す。図1は上階と下階との境目付近の縦断面図であり、図2は壁パネル1の壁面板5及び幕板11を透視した図1の正面図であり、図3は図1のA部分の拡大図であり、図4は図1のB部分の拡大図である。
建物の上階と下階との間には、ウェブ6aの上下にフランジ6bを設けた水平方向に長尺のI形鋼から構成された構造材としての梁6が横架されている。この梁6は、その上端で上階の床パネル50を図示しない支持金具によって支持すると共にその下端で下階の天井下地51を支持し、また、建物外壁を形成する壁パネル1(上階の壁パネル1a,下階の壁パネル1b)を固定させている。ここで、この壁パネル1は、底片14の屋内外端部からそれぞれ側片15を突出した断面コ字状の横枠3と縦枠2とを矩形状に組付けて金属製の枠部4を形成し、この枠部4の屋外側にALCパネルなどから構成した壁面板5をビスなどの締結具16によって上記枠部4に貼着したことで形成されている。詳しくは、壁パネル1の上下端部にはそれぞれ横枠3が位置されており、この壁パネル1の上下端の各横枠3における屋外側には壁面板5が重ならないようにされている。換言すると、壁パネル1の上端に位置した横枠3と壁面板5の上端との間、及び壁パネル1の下端に位置した横枠3と壁面板5の下端との間には、それぞれ屋内外方向に貫通する隙間空間s1,s2が形成されているのである。また、壁パネル1の上下端の各横枠3の底片14には上下に貫通する貫通孔17がそれぞれ穿孔されている。
梁6の上側のフランジ6b1には取付基片18が溶着にて固着されている。取付基片18は水平片部19と垂直片部20とからなる縦断面L字板状の短尺または長尺の金属製部材である。なお、取付基片18の垂直片部20には屋内外方向に貫通する貫通孔21が穿孔されている。この取付基片18は、水平片部19を梁6の上側のフランジ6b1の上面に重ねて溶着させることで、梁6から垂直上方に垂直片部20を突設させた状態で梁6に固着されている。また、この取付基片18の長手方向の適所には上階の壁パネル1aを載置固定させる載置取付片22が取付けられる。載置取付片22は、上階の壁パネル1aを載置する水平片部23を有し、この水平片部23の屋内側端部に上方に盛り上がる山型に屈曲されたフック部24及び垂直下方に屈曲された垂直片部25をそれぞれ形成した金属製部材である。なお、載置取付片22の水平片部23には上下に貫通する貫通孔26が穿孔されており、また垂直片部25には屋内外方向に貫通する貫通孔27が穿孔されている。この載置取付片22は、載置取付片22のフック部24を取付基片18の垂直片部20に上方から引掛け、載置取付片22の垂直片部25を取付基片18の垂直片部20の屋外側に沿わせ、取付基片18の垂直片部20及び載置取付片22の垂直片部25の各貫通孔21,27を連通させ、この連通した各貫通孔21,27にボルト28aを挿通してナット28bに締結させることで、取付基片18に取付けられている。そして、上階の壁パネル1aは、下端に位置する横枠3aを載置取付片22の水平片部23に載置させ、この横枠3aの底片14と載置取付片22の水平片部23との各貫通孔17,26を連通させ、この連通した各貫通孔17,26にボルト29aを挿通してナット29bに締結させることで、載置取付片22に取付けられている。このように上階の壁パネル1aは載置取付片22及び取付基片18を介して梁6の上端に固定されている。
下階の壁パネル1bはその上端を梁6の下端の長手方向の適所にクランプ取付具30を介して固定される。クランプ取付具30は、一端を下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに固定すると共に他端を梁6の下側のフランジ6b2に引掛ける本体部材30aと、一端を本体部材30aに連結すると共に他端を本体部材30aと協働して梁6の下側のフランジ6b2を挟み込むようにこのフランジ6b2に引掛ける挟込部材30bとで構成されている。詳しくは、本体部材30aは、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに載置する水平板状の載置部31と、この載置部31の屋内側から垂直上方に立ち上がる垂直板状の連結部32と、この連結部32の上端から屋内側に水平に突出されてこの突出先端から垂直上方に爪部34を突設させた挟持部33とを有して構成されている。なお、載置部31には上下に貫通する貫通孔35が穿孔され、連結部32には屋内外方向に貫通する貫通孔36が穿孔されている。また、挟込部材30bは、垂直板状の連結部37と、連結部37の上端から屋外側に水平に突出されてこの突出先端から垂直上方に爪部39を突設させた挟持部38とを有して構成されている。なお、連結部37には屋内外方向に貫通する貫通孔40が穿孔されている。本体部材30aは、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bの上面に載置部31を載置し、横枠3aの底片14と載置部31との各貫通孔17,35を連通させ、この連通した各貫通孔17,35にボルト41aを挿通してナット41bに締結させることで、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに固定されるのであり、その挟持部33の爪部34を梁6の下側のフランジ6b2に屋内側から引掛ける。挟込部材30bは、連結部37を本体部材30aの連結部32に屋外側から当接させ、本体部材30aの連結部32と挟込部材30bの連結部37との各連通孔36,40を連通させ、この連通した各貫通孔36,40にボルト42aを挿通してナット42bに締結させることで、本体部材30aに一体に連結されるのであり、その挟持部38の爪部39を梁6の下側のフランジ6b2に屋外側から引掛ける。本体部材30aと挟込部材30bとを一体に連結したクランプ取付具30によると、本体部材30aの挟持部33の爪部34と挟込部材30bの挟持部38の爪部39とで梁6の下側のフランジ6b2が屋内外方向から挟持されるのであり、下階の壁パネル1bはクランプ取付具30を介して梁6の下端に固定されるのである。
上記のように上階の壁パネル1a及び下階の壁パネル1bは梁6の上下端にそれぞれ固定されるのであるが、この上階の壁パネル1a及び下階の壁パネル1bの各壁面板5の間には梁6を屋外側から覆うように幕板11が配設される。幕板11は、上階の壁パネル1a及び下階の壁パネル1bの各壁面板5間の寸法から後述する引掛具7の引掛爪部10の突出高さを引いた寸法よりも小さい高さ寸法を有すると共に壁パネル1の壁面板5と略同じ厚み寸法を有するALCパネルで構成されており、幕板11の上部には屋外側に大径部43aが開口すると共に屋内側に小径部43bが開口する貫通孔43が穿孔され、この貫通孔43にアンカー部材44が埋設されており、また幕板11の下端には下方に突出する係合突部12が形成されている。詳しくは、アンカー部材44は、図5のように雌ネジ孔45aを穿孔した筒胴部45の一端に周方向に亙って突出するつば部46を形成した金属部材であり、つば部46を幕板11の貫通孔の大径部43aと小径部43bとの段部に当接させて小径部43bに筒胴部45を挿入することで、幕板11の貫通孔43に埋設されている。また、幕板11の下端部位における屋外側端部はコーキング材を充填させるための切欠47が形成されているが、係合突部12は幕板11の下端部位における上記切欠47の残りの部位がこれを構成している。つまり、係合突部12は幕板11の下端部位における屋内側端部から下方に突出する部位である。そして、この幕板11は下階の壁パネル1bの壁面板5と上階の壁パネル1aの壁面板5との間で各壁パネル1の壁面板5と面一状態になるように配設されるのであるが、幕板11の配設にあっては、具体的には、幕板11の下端部位を下階の壁パネル1bに係合構造によって固定させると共に、幕板11の上端部位を上階の壁パネル1aにボルト13によって固定させることで行われるのであり、以下に詳述する。
幕板11の下端部位を下階の壁パネル1bに固定するには引掛具7を用いて行われている。引掛具7は、垂直な縦片部8の下端から屋外側に水平に横片部9を突設すると共に、横片部9の屋外側先端から上方に引掛爪部10を縦片部8よりも低く突設してなる縦断面J字状の金属製のピース材であり、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bの適所で配置されて使用される。なお、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bは水平な底片14の屋内外側の端部からそれぞれ側片15を垂下してなる下方に開口する断面コ字状に形成されており、この横枠3bの下端と壁面板5の上端との間には引掛具7の縦片部8の上下寸法よりも小さい隙間寸法を有する隙間空間s1が形成されている。下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに引掛具7を配置するには、引掛具7を傾けて縦片部8を略水平にした上でこの縦片部8を上記隙間空間s1を介して枠部4内に挿入し、その後、縦片部8を略垂直にするべく引掛具7を傾けるのであり、略垂直にした縦片部8を横枠3bの屋外側の側片15に屋内側から引掛け、横片部9を壁面板5の上端に載置するようにして行われる。このように引掛具7を下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに配置した状態では、引掛具7の引掛爪部10と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとが隙間Sを隔てて対向配置される。そして、この隙間Sに幕板11の係合突部12を嵌め込むように係合させることで、引掛爪部10と共に縦片部8が横枠3bに屋外側から強く当接して係止するのである。つまり、幕板11の下端は、下階の壁パネル1bの壁面板5の上端に載置された状態で、且つ、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bの屋外側に添設された状態で、下階の壁パネル1bの横枠3bに係止された引掛具7を介して、下階の壁パネル1bに係合状態でぐらつきなく固定されるのである。このとき、幕板11の下端と下階の壁パネル1bの壁面板5との間の屋外側の部位では幕板11の下端の切欠47による隙間s3が形成されるが、この隙間s3には図示しないコーキング材が充填されるのであり、幕板11の下端と下階の壁パネル1bの壁面板5との間に防水処理が施されるのである。
幕板11の上端部位を上階の壁パネル1aに固定するにはボルト13に加えて補助板具48を用いて行われている。この補助板具48は、図6のように上部域48aを下部域48bに比べて屋外側に微少に屈曲させ、上部域48aには屋内外方向に貫通する貫通孔49を穿孔した矩形板状の金属製のピース材であり、上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aに引掛けるようにして使用される。なお、上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aは水平な底片14の屋内外側の端部からそれぞれ側片15を垂直に立上げてなる上方に開口する断面コ字状に形成されており、この横枠3aの上端と壁面板5の下端との間には補助板具48の上部域48aの上下長さ寸法よりも大きい隙間寸法を有する隙間空間s2が形成されている。この補助板具48は、上部域48aにある貫通孔49を幕板11の上部に埋設されたアンカー部材44の雌ネジ孔45aに連通させるように、下部域48bを上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの屋外側の側片15に屋内側から添わせて配置される。そして、この補助板具48は貫通孔49に屋内側からボルト13を挿通させ、このボルト13の先端を幕板11に埋設したアンカー部材44の雌ネジ孔45aに締結させることで、その上部域48aが幕板11の屋内側の面に沿って固定されると共にその下部域48bが幕板11の屋内側の面との協働で横枠3aの屋外側の側片15を挟持するのであって、これにより幕板11の上端部位を上階の壁パネル1aに固定させるのである。なお、幕板11の上端と上階の壁パネル1aの壁面板5との間には幕板11の高さ寸法による隙間s4ができるが、この隙間s4には図示しないコーキング材が充填されるのであり、幕板11の上端と上階の壁パネル1aの壁面板5との間に防水処理が施されるのである。また、アンカー部材44が埋設される幕板11の貫通孔43の大径部43aにも防水処理を期して屋外側からコーキング材を充填するのが好ましい。また、補助板具48の上階の壁パネル1aへの配置位置は本例のように引掛具7の下階の壁パネル1bへの取付位置の直上位置に設定するのが好ましく、これにより幕板11の安定した配設が期待できる。また、本例の補助板具48はボルト13を雌ネジ孔45aに締結させるときにボルト13と一緒に回転して施工が煩雑になることもあるので、たとえば補助板具48を上階の壁パネル1aに配置したときに補助板具48の下端を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aの底片14に線接触状態で当接させたり、補助板具48に上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aに引掛ける爪などを複数設けたりして、補助板具48に回転規制を施して施工性を高めることも好ましい。
上述のように幕板11の上階の壁パネル1aと下階の壁パネル1bとの間への配設は、幕板11の下端を下階の壁パネル1bに係合構造で固定させると共に、幕板11の上端を上階の壁パネル1aに補助板具48及びボルト13を用いて固定させることで行われている。この幕板11の配設にかかる具体的な作業としては、まず、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bに引掛具7を取付け、次に、幕板11を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aと下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとの間に屋外側から沿わせるように配置し、次に、上記幕板11を垂直下方にスライドさせて引掛具7の引掛爪部10と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとの隙間Sに幕板11の係合突部12を上方から挿入し、次に、幕板11の上端の雌ネジ孔45aに貫通孔49を連通させるようにして上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aに補助板具48を屋内側から沿わせて配置し、そして、ボルト13を補助板具48の貫通孔49に屋内側から挿通させて幕板11の雌ネジ孔45aに締結させることで、補助板具48と幕板11との協働で上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aを挟持させ、幕板11の上端部位を上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aに固定させるといった作業で行われている。
ここで、下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bへの引掛具7の取付けは横枠3bへの引掛具7の係合にて行われ、また幕板11の下端の引掛具7を介した横枠3bへの固定は隙間Sへの幕板11の係合突部12の係合にて行われているから、一連の施工作業を係合といった簡単な作業で行うことができ、施工性の向上が図られているのである。なお、係合によって幕板11の下端を横枠3bに固定した状態では幕板11の下端は壁パネル1bの壁面板5の上に載置されて幕板11の位置決め配置がされるのであり、その後の幕板11の上端の上階の壁パネル1aの下端にある横枠3aへの固定作業の容易化が図られ、この点でも施工性の向上が図られているのである。また、幕板11の上端の横枠3aへの固定にあってはビスなどの打設具52(図7参照)を使用せずにボルト13の締結にて行われているが、これにより、ビスなどの打設具52に扱いに不慣れな上棟業者の作業者であっても良好な仕上りを期して幕板11の配設作業を行わせ得るようにされているのである。ここで、幕板11は壁パネル1と同様にパネル材であり、上記のように壁パネル1の配設作業と同様に幕板11の配設作業も上棟業者に担当させると、壁形成のためのパネル材の配設作業の全てを上棟業者によって担わせることができるのであり、しかして壁形成の施工時に業者が入り乱れる煩雑性を回避でき、たとえば工事納期の短縮化などを図ることができるのである。更に言うと、幕板11の配設にあっては、幕板11の下端での固定は引掛具7を介した係合構造によって行われ、幕板11の上端での固定においてのみボルト13が使用されているから、幕板11を配設するのに使用するボルトの数を極力少なくする配慮がされているのであり、この点でも幕板11の配設にかかる施工性の向上が図られている。
ところで、本例の幕板11の取付構造にあっては幕板11の下端部位は係合構造のみで下階の壁パネル1bに固定させているが、適宜、添設状態にある幕板11の下端部位と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとを屋外側からのビスなどの打設具の打設によって固着させても好ましい。この場合には打設具を打設した分だけ幕板11の配設強度を向上できる。なお、この打設具の打設作業は、既に固定状態にある幕板11の下端部位と下階の壁パネル1bの上端にある横枠3bとに対して施すものなので、幕板11の配置位置決めなどを伴わない比較的簡単な作業であり、良好な仕上りが期待できるのは言うまでもない。
1 壁パネル
1a 上階の壁パネル
1b 下階の壁パネル
2 縦枠
3 横枠
3a 上階の壁パネルの下端の横枠
3b 下階の壁パネルの上端の横枠
4 枠部
5 壁面板
6 梁
7 引掛具
8 縦片部
9 横片部
10 引掛爪部
11 幕板
12 係合突部
13 ボルト
S 隙間
1a 上階の壁パネル
1b 下階の壁パネル
2 縦枠
3 横枠
3a 上階の壁パネルの下端の横枠
3b 下階の壁パネルの上端の横枠
4 枠部
5 壁面板
6 梁
7 引掛具
8 縦片部
9 横片部
10 引掛爪部
11 幕板
12 係合突部
13 ボルト
S 隙間
Claims (1)
- 縦枠と横枠とを組み付けた枠部の屋外側に壁面板を一体に付設した上階の壁パネルと下階の壁パネルとの間に梁を横架し、上階の壁パネルの下端にある横枠を梁の上端に固定すると共に下階の壁パネルの上端にある横枠を梁の下端に固定し、垂直な縦片部の下端から屋外側に水平に横片部を突設すると共に横片部の屋外側先端から上方に引掛爪部を突設して引掛具を形成し、引掛具の縦片部を下階の壁パネルの上端の横枠に屋内側から引掛けると共に引掛具の横片部を下階の壁パネルの壁面板の上端に載置し、引掛具の引掛爪部と下階の壁パネルの上端の横枠との隙間に幕板の下端に下方に突設した引掛突部を係合し、幕板の上端を上階の壁パネルの下端の横枠の屋外側に添設すると共にボルトにて固定したことを特徴とする幕板の取付構造。
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JP2006063754A true JP2006063754A (ja) | 2006-03-09 |
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ID=36110468
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2006063754A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017096011A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 株式会社内藤ハウス | フレームカバーパネル取付構造 |
-
2004
- 2004-08-30 JP JP2004250811A patent/JP2006063754A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017096011A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 株式会社内藤ハウス | フレームカバーパネル取付構造 |
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