JP2006061066A - 加熱反応調味料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
また、本発明は、特に乳製品の風味を改善し、コク、甘味、濃厚感、脂肪感、乳感などを付与することのできる調味料を提供することを目的とする。
【解決手段】 果汁と酵母エキスを加熱反応させることによって得られる調味料およびその製造方法。特に、果汁と酵母エキスを加熱反応させることによって得られる調味料およびその製造方法であって、加熱反応が、約50℃〜約180℃、好ましくは約80〜約130℃、特に好ましくは約90℃〜約110℃にて、約1分間〜約60分間、好ましくは約1分間〜約30分間、特に好ましくは約1分間〜約10分間行われることを特徴とする、前記調味料および方法。
Description
また、本発明は、特に乳製品の風味を改善し、コク、甘味、濃厚感、脂肪感、乳感などを付与することのできる調味料を提供することを目的とする。
特に、本発明は、果汁と酵母エキスを加熱反応させることによって得られる調味料およびその製造方法であって、前記果汁が、りんご、パイナップル、マンゴー、ピーチ、オレンジ、ゆず、からなる群より選ばれる、前記調味料およびその製造方法である。
また、本発明は、酵母エキスが、ビール酵母エキス、パン酵母エキスおよびトルラ酵母エキスからなる群より選ばれる、前記調味料およびその製造方法である。
本発明の製造方法において、上述した加熱反応は、約50℃〜約180℃、好ましくは約80℃〜約130℃、特に好ましくは約90℃〜約110℃にて、約1分間〜約60分間、好ましくは約1分間〜約30分間、特に好ましくは約1分間〜約10分間行う。本発明において最も好ましくは、上述した加熱反応は約90℃〜約110℃にて約1分間〜約10分間行う。
さらに本発明は乳製品用調味料およびその製造方法でもある。
本発明において、複数の種類の果汁を酵母エキスと反応させても良い。複数の種類の果汁を酵母エキスと反応させる場合に果汁の組合せは特に限定されず、どのような果汁の組合せを使用しても良い。
複数の種類の酵母エキスを使用する場合、使用する酵母エキスの組合せに特に制限はなく、それらを混合した後、果汁と反応させればよい。複数の酵母エキスと複数の果汁を反応させる場合、それらを全て混合してから加熱してもよく、一部のみを混合して一定時間加熱した後、更に酵母エキスおよび/または果汁を追加して加熱反応を継続しても良い。
例えば、ビール酵母エキスについて、ビール製造過程で得られるビール酵母を適宜ろ過、洗浄等を行い、上述した種々の方法により菌体を破砕または分解し、得られた粗エキスをそのまま、または、更にろ過、濃縮等をおこなって精製エキスとしてビール酵母エキスを得ることが出来る。
一般に温度が高すぎると焦げ臭が目立ち、温度が低すぎるとロースト感が不足する傾向があるので、ロースト感のあるフルーティーな香りを際だたせるためには特に100℃前後の温度、例えば約90℃〜約110℃で短時間処理することが特に好ましい。本発明の最も好ましい態様においては、加熱反応は約0.1M Pa〜0.3M Paの圧力下にて、約90℃〜約110℃にて約1分間〜約10分間行われる。
このようにして得られた調味料は、場合により、一般に調味料に許容される添加物を更に加えることもできる。
本発明の調味料は、食品製造のどの過程で添加してもよく、製造された食品に後から添加してもよく、本発明の調味料を食品に添加後更にその食品を加熱することもできる。
以下の実施例によって本発明はさらに具体的に説明されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、下記の実施例で使用する果汁は、全て絞汁後、ろ過および濃縮を行った透明濃縮果汁である。また、以下の実施例で使用したアサヒフードアンドヘルスケア(株)製酵母エキスは自己消化法によって調製されたものである。
1)調味料1
リンゴ7倍濃縮果汁(日進通商)75重量部、酵母エキス(アサヒフードアンドヘルスケア(株)製ミーストN)25重量部を混合し、105℃にて5分間加熱した。反応終了後、冷却し、調味料1を得た。
2)調味料2
リンゴ7倍濃縮果汁(日進通商)25重量部、パイナップル5倍濃縮果汁(果香)25重量部、マンゴー6倍濃縮果汁25重量部、酵母エキス(アサヒフードアンドヘルスケア(株)製ミーストN)25重量部を混合し、105℃にて5分間加熱した。反応終了後、冷却し、調味料2を得た。
リンゴ7倍濃縮果汁(日進通商)33重量部、パイナップル5倍濃縮果汁(果香)33重量部、マンゴー6倍濃縮果汁33重量部を混合し、105℃にて5分間加熱した。反応終了後、冷却し、比較試料1を得た。
4)比較例2
リンゴ7倍濃縮果汁(日進通商)25重量部、パイナップル5倍濃縮果汁(果香)25重量部、マンゴー6倍濃縮果汁25重量部、酵母エキス(アサヒフードアンドヘルスケア(株)製ミーストN)25重量部を混合し、比較試料2を得た。
5)比較例3
酵母エキス(アサヒフードアンドヘルスケア(株)製ミーストN)を105℃にて5分間加熱した。反応終了後、冷却し、比較試料3を得た。
1)牛乳への添加
実施例1の調味料1、2および比較試料1〜3を、それぞれ砂糖濃度10%とした牛乳へ0.1質量%添加し、官能評価を行った。官能評価は社内パネル5人で行い、無添加を0とした時、それぞれ「濃厚感」、「コク」、「甘味」、「脂肪感」、「ミルク感」について最大5点となるよう点数化した。評価結果を平均値±標準偏差として表1に示す。
実施例1の調味料2を添加したラクトアイスを作製し、無添加品(対照区)と調味料2添加品(添加区)で比較官能検査を行った。官能評価は社内パネル19人で行い、強い方、あるいは良好である方を挙げることにより行なった。ラクトアイスの配合を表2に、官能評価の結果を表3に示した。表3の数値は各区について「強い」または「良好」と判断した人数を示す。
Claims (6)
- 果汁と酵母エキスを混合し、加熱することを特徴とする、調味料の製造方法。
- 果汁が、りんご、パイナップル、マンゴー、ピーチ、オレンジおよびゆず、からなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
- 酵母エキスが、ビール酵母エキス、パン酵母エキスおよびトルラ酵母エキスからなる群より選ばれる、請求項1または2記載の方法。
- 加熱が、50℃〜180℃にて1分間〜60分間行われる、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 調味料が乳製品用調味料である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の方法によって製造される調味料。
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