JP2006058761A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】振れ補正光学装置の高性能化
【解決手段】ベース部材と、ヨーク部材、永久磁石、コイルを含む構成よりなる磁気回路と、該コイルまたは該永久磁石を伴って移動する移動部材とを有し、該移動部材が前記ベース部材に対して光軸方向への移動が規制され、光軸と垂直方向へは所定移動量だけ移動できるように支持された支持手段と、前記移動部材を駆動するための電気回路基板を含む構成からなる振れ補正光学装置において、前記支持手段は、前記ベース部材の外周に設けられた柱状の突出片に固定された支持軸部と、前記移動部材に設けられた長穴部との係合により構成されていて、前記突出片の近傍には、前記ヨーク部材を媒介として前記突出片の変形を係止する係止手段が施されていることを特徴とする振れ補正光学装置。
【選択図】図1
【解決手段】ベース部材と、ヨーク部材、永久磁石、コイルを含む構成よりなる磁気回路と、該コイルまたは該永久磁石を伴って移動する移動部材とを有し、該移動部材が前記ベース部材に対して光軸方向への移動が規制され、光軸と垂直方向へは所定移動量だけ移動できるように支持された支持手段と、前記移動部材を駆動するための電気回路基板を含む構成からなる振れ補正光学装置において、前記支持手段は、前記ベース部材の外周に設けられた柱状の突出片に固定された支持軸部と、前記移動部材に設けられた長穴部との係合により構成されていて、前記突出片の近傍には、前記ヨーク部材を媒介として前記突出片の変形を係止する係止手段が施されていることを特徴とする振れ補正光学装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、振れ補正機能を搭載したレンズ鏡筒において、振れ補正光学装置の構造に関するものである。
従来のレンズ鏡筒の振れ補正光学装置は、特許文献1に記載されているように、振れ補正光学装置のベース部材の外周に突出片が設けられ、その突出片に螺合によって固定された支持軸と、支持軸が嵌合する長穴部が施された支持枠(移動部材)を含む構成からなり、ベース部材および支持軸と支持枠(移動部材)とが光軸と略直交する平面上で、相対的に移動するようになっている。また、ベース部材には、光軸周りに互いに略直交した位置に配置された2つのコイルと、それらと対向するように支持枠(移動部材)に配置された永久磁石およびヨークが配置され、前述の相対移動の駆動源となっている磁気回路が構成されている。
特開2002−350916号公報
上記従来例によれば、ベース部材の外周に設けられた突出片に固定された支持軸と、支持軸に嵌合する長穴部が施された支持枠を含む構造となっている。
このような構造の場合、支持軸の一方の端部がベース部材外周の突出片に固定され、他端部が、支持枠(移動部材)の長穴に嵌合して、ベース部材が支持枠(移動部材)を支持しているため、衝撃などによって、支持枠(移動部材)より支持軸先端に、過大な力が光軸方向に作用すると、支持軸の先端部が光軸方向へ移動し、それに伴い、支持軸が固定されたベース部材の突出片が、光軸に垂直方向に倒れる。ベース部材の突出片が倒れた時に、突出片の根元付近に応力が集中し、塑性変形を起こしてしまうと、突出片に固定された支持軸がベース部材に対して初期位置より倒れたままの状態になり、それによって支持軸(移動部材)が、初期位置より常に倒れた状態となる。支持枠(移動部材)は光学部材を保持しているため、支持軸の倒れが光学部材の倒れとなり、初期の振れ補正性能を著しく悪化させてしまう恐れがある。
本発明は、以上のような局面に鑑みてなされたもので、良好な振れ補正性能を得るための振れ補正光学装置を有するレンズ鏡筒を提供することを目的としている。
従来例における上記のような課題を解決するため、本発明は、以下(1)〜(2)に示す振れ補正光学装置の提供により、前記目的を達成しようとするものである。
(1)ベース部材と、ヨーク部材と永久磁石とコイルを含む構成よりなる磁気回路と、コイルまたは永久磁石を伴って移動する移動部材とを有し、移動部材がベース部材に対して光軸方向への移動が規制され、光軸と垂直方向へは所定の移動量だけ移動できるように支持された支持手段とを含む構成よりなる振れ補正光学装置において、支持手段は、ベース部材の外周に設けられた複数の突出片に一体的に固定された支持軸と、移動部材に設けられた長穴部との係合により構成され、突出片の近傍には、ヨーク部材を位置決めするための位置決め手段またはヨーク部材を固定するための固定手段が施されていることを特徴とする。
(2)ベース部材は、合成樹脂で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、突出片にはヨーク部材の位置決め手段もしくは突出片の近傍には、ヨーク部材の固定手段があるため、衝撃などによって、レンズ保持部材より支持軸に、過大な力が光軸方向に作用した場合でも、ヨーク部材の剛性により、突出片の、光軸に垂直方向への倒れを防止し、レンズ保持部材を、常に初期の状態に維持でき、初期の良好な振れ補正性能を維持できる。特に、ベース部材が合成樹脂で形成されている場合に有効である。
まず、本発明の振れ補正装置が搭載されたレンズシステムとカメラシステムの構成について説明する。
図5は、像振れ補正装置を搭載した、レンズ交換式オートフォーカス(AF)一眼レフカメラシステム(レンズシステムを含む)の構成を示すブロック図である。
図中、200はカメラ本体、300は交換レンズ本体を表している。201はマイクロコンピュータで構成されるカメラCPUで、後述するカメラ本体200内の種々の装置回路の動作を制御すると共に、レンズ本体300の装着時にはレンズ接点302とカメラ接点202が接続されて、レンズCPU301との通信を行うものである。203は外部より操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU201を立ち上げてシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給及びシステムの動作を可能な状態とするためのスイッチである。20は外部より操作可能な2段ストローク式のレリーズスイッチで、その信号はカメラCPU201に入力される。
カメラCPU201はレリーズスイッチ20より入力された信号に従い、第1ストロークスイッチがON(SW1信号発生)であれば、測光装置205による露光量の決定や測距装置208による被写体の測距演算結果に基づいた後述の合焦装置への合焦レンズ駆動命令による合焦動作および合焦判定等を行って撮影準備状態に入り、第2ストロークスイッチがON(SW2信号発生)まで操作されたことを検知すると、レンズ本体300内のレンズCPU301(後述するレンズ本体300内の種々の装置回路の動作を制御すると共に、カメラ本体200に装着された時にはレンズ接点302とカメラ接点202が接続されて、カメラCPU201との通信を行うもの)に後述のレンズ本体300内の絞り装置の駆動命令を送信して、絞り装置を駆動するとともに、露光装置206に露光開始命令を送信して実際の露光動作を行わせ、露光終了信号を受信すると給送装置207に給送開始命令を送信してフィルムの巻き上げ動作を行わせる。209は表示装置で、絞り値やシャッタスピードなどの各種撮影条件や、撮影枚数、電池残量、各種モードを、カメラCPU201の指令により表示を行う装置である。
303は外部より操作可能な像振れ補正作動切替スイッチ(以下、ISスイッチと記す)であり、後述の像振れ補正動作(以下、IS動作とも記す)を行わせるかどうかを選択すること(ONでIS動作を選択)が可能である。
305は振れ補正光学装置であり、以下の6つの構成要素に大別される。第1は、振れ補正レンズとそれを保持する保持枠とから成る振れ補正光学系、第2は、振れ補正光学系を駆動するための駆動手段、第3は、移動した振れ補正光学系の位置を検出するための位置検出手段、第4は、振れ補正光学系を所定位置(光軸中心位置)にロックしたりロック解除(アンロック)したりすることのできるロック手段、第5は、ロック手段を駆動するためのロック駆動手段、第6はカメラの縦振れおよび横振れの加速度あるいは速度を検出して、振れ補正の対象となる振動状態を検出する振動検出手段である。
306は合焦装置であり、合焦レンズおよびその保持枠と、合焦レンズを目標位置まで駆動するための合焦レンズ駆動手段と、合焦レンズ駆動手段による駆動力を合焦レンズの移動力として伝達する伝達機構と、前述のようにカメラCPU201から送信された、合焦レンズの移動量の情報に従い、レンズCPU301によって制御され、合焦レンズ駆動手段に駆動指令を送る合焦レンズ駆動回路とから構成されている。
307は絞り装置であり、開口面積を設定する絞り機構と、絞り機構を駆動するための絞り機構駆動手段と、前述のようにカメラCPU201から送信された絞り動作命令に従い、レンズCPU301によって制御され、絞り機構駆動手段に駆動指令を送る絞り駆動回路とから構成されている。
図6は、図5に示したレンズシステムおよびカメラシステムにおける主要動作を示すフローチャートである。なお、図中記載の『Y』はYES、『N』はNOを意味する。
まず、カメラ本体200の電源スイッチ203がONされ、レンズ本体300に電源の供給が開始(又は、新しい電池を入れられた場合、カメラ本体200にレンズ本体300が装着された場合などカメラ本体200とレンズ本体300との間で通信が開始)されたことを判別すると(#5001のY)、レンズCPU301は振れ補正光学装置305に通電を行い、振れ補正光学装置305のイニシャル動作を行う。このイニシャル動作についての詳細は、本発明の振れ補正光学装置の機械的構成を説明した後に説明(後述)するが、概説すると、振れ補正光学装置305のロック手段のロック部材(振れ補正光学系の保持枠をロックする部材)を所定の基準位置に設定するための処理で、ロック手段の駆動途中での電源遮断や衝撃等で、ロック手段のロック部材の位置がずれて、現在のロック状態が所定の基準位置から特定できなくなってしまった時のために、必ず電源投入時にロック手段を駆動して、ロック部材を所定の基準位置に設定する処理である。例えば、ロック駆動手段の駆動源として、ステッピングモータ(パルス駆動モータ)を用いた場合、所定の基準位置から目標位置までの駆動パルス数を制御することで、目標位置に到達させているため、所定の基準位置(現在の位置が基準位置から何パルス目のところか)が分からなくなると、目標位置までの正確なパルス数が算出できなくなる。このために、まず、所定の基準位置を定める動作が必要になる。
次に、カメラCPU201がレリーズスイッチ20にSW1信号が発生しているか否かを判別し(#5003)、発生していればレンズCPU301がISスイッチ303がON(IS動作選択)になっているかを判別し(#500)、IS動作が選択されていればステップ#5005へ、選択されていなければステップ#5019へ進む。ステップ#5005では、レンズCPU301が内部タイマをスタートさせ、次にカメラCPU201が、測光装置205、測距装置208による測光,測距動作を行い、レンズCPU301が、合焦装置306による合焦動作、振れ補正光学装置305による振れ検出の開始、更にはロック駆動手段による振れ補正光学系のロック解除を行う(#5006)。
次に、レンズCPU301が上記タイマでの計時内容が、所定の時間t1 に達したか否かを調べ、達していなければ達するまでこのステップに留まる(#5007)。これは、振動検出手段の出力信号が安定するまでの間、待機する為の処理である。その後、所定の時間t1 が経過すると、振動検出手段の出力信号によって演算される目標値信号と、位置検出手段の出力信号に基づいて、振れ補正光学装置の駆動手段によって振れ補正光学系を駆動し、振れ補正制御を開始する(#5008)。
次に、カメラCPU201が、レリーズスイッチ20のSW2信号が発生しているか否かを調べ(#5009)、発生していなければ再びSW1信号が発生しているか否かの判別を行い(#5011)、もしSW1信号も発生していなければ、レンズCPU301が振れ補正制御を停止する(#5012)と共に、振れ補正光学系を所定の位置(光軸中心位置)にロックするようロック手段を駆動する(#5013)。
また、前記ステップ#5009でSW2信号は発生していないが、ステップ#5011でSW1信号が発生していると判別した場合はステップ#5009へ戻る。そして、このステップ#5009でレリーズスイッチ20のSW2信号が発生したことを判別すると、レンズCPU301が絞り装置307を制御し、同時にカメラCPU201が、露光装置206によりフィルムへの露光動作を行う(#5010)。次いで、カメラCPU201がSW1信号の状態を調べ(#5011)、SW1信号が発生しなくなったらレンズCPU301が振れ補正制御を停止する(#5012)と共に、振れ補正光学系を所定の位置(光軸中心位置)にロック手段によりロックするよう、駆動手段を駆動する(#5013)。
以上の動作を終了すると、次にレンズCPU301は、上記タイマを一旦リセットして再度スタートさせ(#501)、再びSW1信号が所定時間t2 内に発生するかどうかの判別を行う。もし振れ補正を停止してから所定時間t2 内に再度SW1信号が発生したならば、測光,AF(測距動作及び合焦動作)及び振れ補正光学系のロック解除を行い(#5017)、振れ検出はそのまま継続されているので、直ちに目標値信号と位置検出手段の出力信号に基づいて、振れ補正光学系を駆動し、振れ補正制御を再び開始する(#5008)。
以下、前述と同様の動作を繰り返す。このような所定時間t2の経過判定の処理をすることにより、撮影者がレリーズ操作を停止した後に再度レリーズ操作をした際に、その度に振動検出手段を起動してその出力安定まで待機するといった不都合を無くすことが可能になる。
一方、振れ補正を停止してから所定時間t2 以内にSW1信号が発生しなかった場合は(#5015のY)、振れ検出を停止(振動検出手段の動作を停止)する(#5018)。その後はステップ#5003に戻り、SW1信号の発生待機の状態に入る。
上記ステップ#500でIS動作が選択されていなければ、カメラCPU201が測光、測距動作を、レンズCPU301が合焦動作を、それぞれ実行する(#5019)。
次に、カメラCPU201がレリーズスイッチ20のSW2信号が発生しているか否かを調べ(#5020)、発生していなければ再びSW1信号が発生しているか否かの判別を行い(#5022)、もしSW1信号も発生していなければステップ#5003に戻り、SW1信号の発生待機の状態に入る。また、ステップ#5020でSW2信号は発生していないがSW1信号は発生していれば、ステップ#5020へ戻る。そして、このステップ#5020でレリーズスイッチ20にSW2信号が発生したことを検知すると、レンズCPU301が絞り装置307を制御し、同時にカメラCPU201が露光装置206を制御して、フィルムへの露光動作を行う(#5021)。次いで、カメラCPU201がSW1信号の状態を調べ(#5022)、SW1信号が発生していなければステップ#5022からステップ#5003へ戻る。
本発明の実施の形態におけるレンズ交換式のAF一眼レフカメラシステムでは、電源スイッチ203がOFFされるまで上記一連の動作を繰り返し、OFFされるとカメラCPU201とレンズCPU301との通信が終了しレンズ本体300への電源供給が終了する。
次に、本発明の振れ補正装置の機械的構成について説明する。
まず各部品について、概説する。図1は本発明の振れ補正装置の分解斜視図である。1は合成樹脂で形成されたベース部材、2は透磁率の高い鋼板で形成された第1のヨーク部材、3は永久磁石、4は金属の線材を屈曲させて形成されたガイド軸、5は合成樹脂材で形成され、振れ補正レンズ14を保持しているレンズ保持部材、6は導線で形成されたコイル、7は透磁率の高い鋼板で形成された第2のヨーク部材、8は電気絶縁性の高い合成樹脂で形成された絶縁板、9は主に振れ補正制御回路の電気部品が実装された振れ補正系電気回路基板、10は合成樹脂で形成され、レンズ保持部材の補正動作方向の移動を機械的にロックするロックリング、11はロックリング10を駆動するためのモータ、12はロックリング10のフォトインタラプタ等の位置検出素子、13はフレキシブルプリント基板、15は発光素子、16は受光素子、17〜20は締結部材、21a〜21cは金属の線材で形成された支持軸、22はフレキシブルプリント基板13を電気回路基板9に結線するためのコネクタ等の接続部材である。
次に各部品の詳細と各部品の相互関係について説明する。
まず、第1のヨーク部材2に永久磁石3を設置する。その際、永久磁石3a−1、3a−2が、第1のヨーク部材2に半抜き加工等により施された突部3c−1〜3c−7(3c−6、3c−7は不図示だが、3c−1、3c−2の対向位置に配置されている)で規制される範囲に吸着し、永久磁石3b−1と3b−2が、第1のヨーク部材2に半抜き加工等により施された突部3d−1〜3d−7(3d−6、3d−7は不図示だが、3d−1、3d−2の対向位置に配置されている)で規制される範囲に磁気吸引力により吸着して、それぞれ位置決めされる。
まず、第1のヨーク部材2に永久磁石3を設置する。その際、永久磁石3a−1、3a−2が、第1のヨーク部材2に半抜き加工等により施された突部3c−1〜3c−7(3c−6、3c−7は不図示だが、3c−1、3c−2の対向位置に配置されている)で規制される範囲に吸着し、永久磁石3b−1と3b−2が、第1のヨーク部材2に半抜き加工等により施された突部3d−1〜3d−7(3d−6、3d−7は不図示だが、3d−1、3d−2の対向位置に配置されている)で規制される範囲に磁気吸引力により吸着して、それぞれ位置決めされる。
次に、ベース部材1に第1のヨーク部材2が取付けられる。その際、ベース部材1に設けられた突出軸部1a−1〜1a−2に、第1のヨーク部材2に設けられた穴部2a−1〜2a−2をそれぞれ嵌合させる。また、ベース部材1に設けられた当接面部1b−1、1b−2に第1のヨーク部材2の端面を当接させ、締結部材17a、17bを第1のヨーク部材2の溝部2b−1、2b−2に挿通させて、ベース部材1の穴部(不図示)に螺合させ、ベース部材1に第1のヨーク部材2を固定する。
次に、レンズ保持部材5にコイル6が取付けられる。その際、レンズ保持部材5に設けられたコイル固定片部5a−1、5a−2、5b−1、5b−2にコイル6a、6bの端面がそれぞれ当接して、コイル6が光軸方向に位置決めされる。また、コイル6a、6bに設けられた長穴部6a−1、6b−1が、レンズ保持部材5の突出部5c、5d(先端に面取りが施されている)にそれぞれ嵌合することで、コイル6が光軸と垂直方向に位置決めされる。また、レンズ保持部材5に、コイル6を取り付けた後に、コイル固定片部5a−1、5a−2、5b−1、5b−2に設けられた溝部5a−1−b、5a−2−b、5b−1−b、5b−2−bに接着剤を塗布することにより、レンズ保持部材5とコイル6が接着されて固定される。なお、溝部5a−1−a、5b−1−aは、コイル線を通すための溝である。
次に、発光素子15a、15bはレンズ保持部材5に熱カシメ等により取付けられる。
突出部5i−1、5i−2を熱カシメすることで、発光素子15a、15bの端子部がレンズ保持部材5に固定される。レンズ保持部材5には長穴部5e−1、5e−2が施されていて、それらの長穴部より、発光素子の発光光線が通過できるように発光素子15a、15bがそれぞれ配置されている。
次に、フレキシブルプリント基板13が、レンズ保持部材5に取り付けられる。フレキシブルプリント基板13の端面に両面テープ等の粘着材が施されていて、レンズ保持部材5の側面に貼付されて固定される。その際、端部13b−1、13b−2にはコイル6a、6bの端子部が半田付け等により接続され、端部13c−1、13c−2に発光素子15a、15bの端子部が半田付け等により接続される。また、端部13aに設けられた穴部に、フォトインタラプタ等の検出素子12の端子部12aが挿通されて、半田付け等により検出素子12が端部13aに取り付けられる。なお、5g−1、5g−2、5hはレンズ鏡筒が光軸と垂直方向に移動したときに鏡筒のすき間から被写体側から入射した光線が漏れないように遮光するための遮光片であるが、遮光片5g−1、5g−2は前述のフレキシブルプリント基板13の引き回しのための案内部にもなっている。また、溝部5f−1、5f−2も、フレキシブルプリント基板13の引き回しのための案内溝である。
次に、ガイド軸4の一方の長辺軸部4bが、レンズ保持部材5に設けられた係合柱部5f、5gの嵌合穴部1f−1、1g−1に嵌合する(1gおよび1g−1は、図2に図示)。
次に、モータ11の穴部11cおよび溝部11dが、ベース部材1の突出部1e、1fに嵌合して位置決めされ、ピニオン部11aが穴部1gに挿通され、穴部1hから挿通された締結部材19により、モータ11がベース部材1に固定される。
次に、レンズ保持部材5に設けられた長穴部5j−1〜5j−3(入口部に面取りが施されている)と、ベース部材1に設けられた穴部1p−1〜1p−3を位置合わせし、支持軸21a〜21cをベース部材1の突出片1n−1〜1n−3に設けられた穴部1p−1〜1p−3およびレンズ保持部材5の長穴部5j−1〜5j−3にそれぞれ挿通させ、圧入や接着等により固定する。特に圧入で固定する場合は、ベース部材1の外周部からレンズ保持部材5の方向へ、組立工具によって挿入される。その際突出片1n−1〜1n−3に設けられた突出軸部1y−1〜1y−3または、突出片1n−1〜1n−3の内側端面を工具で押えるようにしながら圧入すれば、圧入時に突出片がベース部材1の内側(外周から光軸に向かう方向)への力を受けて倒れるを防ぐことができる。仮に、倒れによって突出片1n−1〜1n−3の根元が塑性変形を起こすと、支持軸21a〜21cによって支持されたレンズ保持部材5が倒れ、光学性能が悪くなる要因となるため、ベース部材1に支持軸21a〜21cを固定する時は、上記のような方法によって、突出片1n−1〜1n−3が倒れないようにすることが必要である。
支持軸21a〜21cが、ベース部材1に固定される際、ガイド軸4の長辺軸部4aが、ベース部材1の溝部1s、1tに嵌合する。また、フレキシブルプリント基板13をベース部材1のスリット部1r−1、1r−2に挟みこませ、モータ11の端子部11bをフレキシブルプリント基板13の穴部13eに挿通させ、端子部11bを半田付けして固定する。
なお、レンズ保持部材5の外周側面部5m−1〜5m−4がベース部材1の内周面部1u−1〜1u−4に当接することで、ベース部材1に対するレンズ保持部材5の光軸に垂直な方向の移動量を規制している。また、ベース部材1の溝部1v−1〜1v−4は、レンズ保持部材5に施された嵌合凸部5n−1〜5n−4の逃げ溝である。また、ベース部材1に設けられている溝部1w−1、1w−2は、コイル6の光軸に垂直な方向への移動時に干渉しないための逃げ溝部である。
次に、ロックリング10をベース部材1に組み込む。その際、ロックリング10は光軸方向への移動を規制され、光軸を中心として回動するように、ベース部材1に保持されている。ロックリング10のギヤ部10aは、前述のモータ11のピニオン11aと噛合っていて、モータの駆動により、ロックリング10が回動するようになっている。また、遮光板部10bは、位置検出素子12と係合する位置に設けられており、レンズ保持部材5のロック状態およびロック解除状態を電気的に検出できるようになっている。また、ロックリング10の内径部には、溝部10c−1〜10c−4が施されており、前述のレンズ保持部材5の嵌合凸部5n−1〜5n−4と係合することで、ロック状態およびロック解除状態を機械的に行える構成になっている(嵌合凸部5n−1〜5n−4が、ロックリング10の内径部10d−1〜10d−4に移動を規制されているときはロック状態。嵌合凸部5n−1〜5n−4と溝部10c−1〜10c−4の位置が合っている時はロック解除状態)。
次に、フレキシブルプリント基板13の端部13aの穴部13a−1および溝部13a−2に、ベース部材1に設けられた突出軸部1c−1、1c−2を嵌合させ、締結部材18をフレキシブルプリント基板13の穴部13bに挿通させて、ベース部材1の穴部1dに螺合させ、ベース部材1にフレキシブルプリント基板13を固定させる。その際、位置検出素子12は、ベース部材1の穴部1mに収まる。
以上の部品の組み立て後の状態を図3に示す。レンズ保持部材5には、穴部5k−1〜5k−3が施されていて、支持軸21a〜21cが、所定の位置に組み込まれているかどうかの確認用のための穴である。また、図3が示すように、ベース部材1の、支持軸21a〜21cの取付部近傍は、振れ補正装置の外径に対して、凹部1q−1〜1q−3が施されている。これは、レンズ鏡筒内の他のレンズ保持部材の一部を通すための凹部であり、振れ補正装置の外径より、レンズ保持部材の一部を入り込ませられるので、その分レンズ鏡筒の外径を小さくできる効果がある。また、移動部材であるレンズ保持部材5には、支持軸21a〜21cを伴わないため、可動部が軽量化でき、省電力化できる効果がある。
次に、図3に示された、ベース部材1に施された突出片1n−3の端面部1n−3−a、および1x−1、1x−2の端面部1x−1−b、1x−2−b、および端面部1z−1−a、1z−2−bに、第2のヨーク部材7の端面を当接させて取り付ける。その際、突出軸部1y−1が穴部7aに嵌合し、端面部1x−1−a、1x−2−aに端面部7c−1、7c−2が当接することにより、位置決めされる。第2のヨーク部材7を取り付けることによって、第1のヨーク部材2、永久磁石3、コイル6、第2のヨーク部材7とによる、磁気回路が形成される。そして、コイル6に通電することによって、レンズ保持部材5を光軸に垂直な方向へ移動するための推力が得られる。第2のヨーク部材7は、支持軸固定部の上面である端面部1n−3−a、1x−1−b、1x−2−bに、永久磁石3の磁気吸引力により押圧して当接している。従来のように、ベース部材側に長穴部が設けられ、その上面にヨークが当接している場合と比較すると、本実施例の構成ではベース部材側に長穴部がなく、上記押圧力による長穴部の変形がないので、変形した長穴部が支持軸を押圧して摺動摩擦力が増大して振れ補正性能が悪化することがなく、長穴部と支持軸とによるレンズ保持部材の良好な支持状態を維持でき、優れた補正性能を得ることができる。
発光素子15からの発光光線を、受光素子16が受け、後述の補正系電気回路で信号処理することにより、レンズ保持部材5の位置を検出して、振れ補正のための駆動制御ができるようになっている。
次に、振れ補正系電気回路基板9に、シート部材8が、粘着部8b−1、8b−2により、貼付される。このシート部材は、不要な光線を遮光のための部材である。また、振れ補正系電気回路基板9には、PSD等の受光素子16a、16b、接続部材22、その他の信号処理回路用部品23が実装されている。
次に、振れ補正系電気回路基板9をベース部材1に取り付ける。その際、振れ補正系電気回路基板9に施された穴部9a−1、9a−2と、シート部材8に施された穴部8a−1、8a−2と、第2のヨーク部材に施された穴部7b−1、7b−2に、締結部材20a、20bを挿通させ、ベース部材1に設けられた穴部1z−1、1z−2に螺合させて、それぞれの部品を締結固定させる。その際、ベース部材1の突出軸部1y−2、1y−3と、電気回路基板9の穴部9bおよび溝部9cがそれぞれ嵌合し、ベース部材1に対して、電気回路基板9が位置決めされる。
このように、突出片1n−3には第2のヨーク部材7の位置決め手段となる突出軸部1y−1があり、突出片1n−1、1n−2の近傍には、第2のヨーク部材7の固定手段となる締結用穴部1z−1、1z−2があるため、仮に衝撃などによって、レンズ保持部材5より支持軸21a〜21cに、過大な力が光軸方向に作用した場合でも、第2のヨーク部材の剛性により、突出片1n−1〜1n−3の、光軸に垂直方向への倒れを防止し、レンズ保持部材5を、常に初期の状態に維持でき、初期の良好な振れ補正性能を維持できる。特に本実施例で採用されているように、ベース部材が、金属部材と比較して剛性の低い合成樹脂で形成されている場合に有効である。
上記構成では、3箇所の突出片のうちの1箇所にヨーク部材の位置決め手段を施し、残りの2箇所にヨーク部材の固定手段を施したが、ヨーク部材を取り付けることにより、突出片の倒れ方向への規制が行われる構成であれば同様の効果が得られる。
接続部材22に、フレキシブルプリント基板13の接続部13dを接続することによって、振れ補正系電気回路基板9と、コイル6、発光素子15、位置検出素子12が電気的な導通状態になる。また、振れ補正系電気回路基板9のフレキシブルプリント基板部9dの端面が、両面テープ等により、ベース部材1の取付面部1iに貼付され、フレキシブルプリント基板部9dの先端部を、レンズ鏡筒の本体電気回路基板(レンズCPUが実装された基板)に接続することで、本体電気回路基板との電気的導通状態となる。
以上が本実施例の振れ補正光学装置の機械的構成である。
次に、ベース部材に設けられる支持軸の固定部およびレンズ保持部材に設けられる長穴部(支持軸嵌合部)の最適な配置スペースについて、説明する。
図4は、ベース部材の形状とレンズ保持部材およびコイルの配置により、支持軸の固定部および支持軸と嵌合する長穴部の最適な配置スペースを示す模式図である。ベース部材101には、コイル106a、106bの間に凹部101q−3が設けられている。この凹部は、前述したように、他の部材の一部を入り込ませて、レンズ鏡筒全体の外径を小さくするための部分である。通常、他の部材の一部は、例えば特開平11-211959号に示されているように、レンズ保持部材の、光軸方向に延びる足部を、光軸周りに略等分に複数本設ける構成となる。複数本(通常3本もしくは4本)の足部を略等分に配置するのは、保持されたレンズの倒れの影響を小さく抑えるためで、レンズ保持部材の支持構造では周知の技術である。それらの足部の内、少なくとも一ヶ所は、2つのコイル間を跨ぐようにし、振れ補正装置の外周に設ける凹部(前述の足部の逃げ)を、2つのコイル間に配置するのが望ましい。なぜならば、2つのコイルは、機能および磁気回路上、独立に離間して配置され、コイルの両端が円弧形状であるため、2つのコイル間には、空きスペースが生じるからである。本発明は、その空きスペースを有効に活用しようとしたものである。図4の101はベース部材、105はレンズ保持部材、106a、106bはレンズ保持部材105に取り付けられているコイル、114は振れ補正レンズである。ハッチングで表されたエリアAは、レンズ保持部材105の長穴部を設けるエリアであり、ハッチングで表されたエリアBは、支持軸の固定部(取付部)を設けるエリアを示している。エリアAはコイル106aとコイル106bとの間にあるスペースであり、それぞれのコイルはレンズ保持部材105に一体的に固定されているため、レンズ保持部材105の振れ補正による移動(図中P、Y方向)があっても、スペースの大きさは一定である。一方、エリアBは、ベース部材101に割り当てられるスペースであり、コイル106a、106bとは相対的に移動するため、コイル106a、106bの所定の最大移動量(図中P、Y方向の最大移動量)分だけ逃げたスペースとなる。以上のようなエリアAとエリアBを比較すると、明らかにエリアBの幅寸法(図中D)よりも、エリアAの幅寸法(図中C)の方が大きく稼げる。したがって、エリアAには比較的幅寸法が必要な長穴部を設け、エリアBには比較的幅寸法を必要としない支持軸の固定部を設けると、ベース部材の外周に凹部を設けたにも関らず、コイルのスペースと振れ補正のためのコイルの移動量を充分に確保しつつ、支持軸の固定部と長穴部が効率よく配置できるので、小型で、良好な振れ補正性能を持つ振れ補正装置が得られる。仮に、エリアB側に、長穴部を設けようとすると、コイル106a、106bを小さくしたり、振れ補正に必要な移動量(図中P,Y方向の移動量)を小さくしたり、凹部101q−3をなくしたり、ベース部材101の外径を大きくしたりして、長穴部を設けるために要するスペースを確保する必要があるが、そうすることによって、充分な振れ補正性能が得られなかったり、振れ補正装置およびレンズ鏡筒全体が大型化してしまう。しかし、上述の構成によれば、限られたスペースに効率的に部品を配置できるため、振れ補正性能に優れた振れ補正装置および小型のレンズ鏡筒を提供することができる。
また、エリアAとエリアBの間の距離Eは、コイル106a、106bの所定の最大移動量(図中P、Y方向の最大移動量)にほぼ等しく設定されている。長穴部(支持軸嵌合部)と支持軸固定部との距離は、出来る限り小さい方が望ましい。なぜなら、支持軸固定部の部品精度のバラツキにより、取付固定後の支持軸の倒れが大きい場合に、支持軸取付部から距離が離れるほど、その影響を顕著に受け、光学性能を悪化させてしまう懸念があるからである。しかし、上述の構成によれば、長穴部(支持軸嵌合部)と支持軸固定部との距離は、必要最小限に留めているため、支持軸の倒れの影響を小さく抑えられ、光学性能の良好な振れ補正装置および小型のレンズ鏡筒を提供できる。
本発明の実施の形態では、移動部材(レンズ保持部材)にコイルが取り付けられる場合について述べたが、移動部材に永久磁石が取り付けられ、それと対向するように、コイルが配置されている構成においても有効である。その際には、永久磁石の両端部の形状をコイルのように擬似的に円弧状に形成すると、より小型化に有効である。
さらに、本発明の実施の形態では、カメラに適用した例を述べたが、これに限定されるものではなく、支持軸と長穴部のような支持手段と、その支持手段によって可動する可動部材を含む構成の装置であれば同様の効果が得られる。
1、101:ベース部材
2:第1のヨーク部材
3:永久磁石
4:ガイド軸
5、105:レンズ保持部材
6、106:コイル
7:第2のヨーク部材
10:ロックリング
11:モータ
12:フォトインタラプタ
15:発光素子
16:受光素子
200:カメラ本体
300:レンズ本体
2:第1のヨーク部材
3:永久磁石
4:ガイド軸
5、105:レンズ保持部材
6、106:コイル
7:第2のヨーク部材
10:ロックリング
11:モータ
12:フォトインタラプタ
15:発光素子
16:受光素子
200:カメラ本体
300:レンズ本体
Claims (2)
- ベース部材と、ヨーク部材と永久磁石とコイルを含む構成よりなる磁気回路と、該コイルまたは該永久磁石を伴って移動する移動部材とを有し、該移動部材が前記ベース部材に対して光軸方向への移動が規制され、光軸と垂直方向へは所定の移動量だけ移動できるように支持された支持手段とを含む構成よりなる振れ補正光学装置において、前記支持手段は、前記ベース部材の外周に設けられた複数の突出片に一体的に固定された支持軸と、前記移動部材に設けられた長穴部との係合により構成され、前記突出片の近傍には、前記ヨーク部材を位置決めするための位置決め手段または前記ヨーク部材を固定するための固定手段が施されていることを特徴とする振れ補正光学装置。
- 前記ベース部材は、合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1の振れ補正光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004242390A JP2006058761A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | レンズ鏡筒 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012173571A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Tamron Co Ltd | 赤外線カメラ用レンズユニット、及びそれを用いた赤外線カメラ |
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-
2004
- 2004-08-23 JP JP2004242390A patent/JP2006058761A/ja not_active Withdrawn
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US10948736B2 (en) | 2017-07-12 | 2021-03-16 | Nidec Sankyo Corporation | Optical unit with shake correction function having magnetic driving mechanism and flexible printed circuit board |
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