JP2006057461A - 異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、内燃機関の異常を誤ることなく判定することのできる異常検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 酸素センサの出力がリッチまたはリーンである場合には、酸素吸蔵量Cmaxの積算が行われる(ステップ106)。ステップ108では、吸入空気量Gaが高い高吸入空気量の状態が継続した時間がX(sec)以上であり、かつ吸入空気量の減少量がY(g)以上である、という条件をみたしているか否かが判別される。本実施形態では、高吸入空気量の状態がX(sec)以上継続したことを以って、触媒が高温であるとみなす。また、触媒が高温となっており、かつ吸入空気量の減少量がY(g)以上である場合には、誤判定を防止するために異常判定を禁止するようにしている。従って、本ステップにおいて2つの条件を同時にみたすことは、異常判定を禁止する必要があることを示しており、ステップ114において酸素吸蔵量をクリアし、異常判定を禁止する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、車両用の異常検出装置に係り、特に、内燃機関の異常を検出するのに好適な技術に関する。
従来、例えば特開2004−19542号公報に開示されるように、内燃機関の排気通路に配置された触媒の上流に空燃比センサを備え、かつ、触媒の下流に酸素センサを備えるシステムが知られている。このシステムは、酸素センサがリッチ出力を発生し、かつ、空燃比センサがリーン出力を発生している期間中に、触媒に流入する酸素量を積算して触媒の酸素吸蔵能力を求める。その後、計算上の酸素吸蔵可能量が触媒の最大酸素吸蔵量を超えた場合に、酸素センサの異常を判定する機能を有している。
特開2004−19542号公報 特開平11−218045号公報
ところで、触媒の酸素吸蔵可能量は、触媒温度が高温であるほど高くなる傾向がある。ここで、触媒温度が高温となるのは、内燃機関が高負荷で運転している状態のときであり、このとき内燃機関から排出される排気ガスの温度が高くなっている。従って、この場合、触媒温度は高温となりやすい。酸素吸蔵可能量は、触媒が高温となるほど大きくなる。このため、吸入空気量が多いときには、酸素吸蔵可能量が多量となりやすい。一方、吸入空気量が多い状態では、触媒を通過する排気ガスにいわゆる「吹き抜け」の状態が起き易くなる。触媒下流の酸素センサの出力に基づいて酸素吸蔵可能量を計算する上述のシステムでは、吹き抜けの生ずる状況下で、実際の触媒の酸素吸蔵可能量より小さい値が算出される。このため、上記従来の装置によれば、吸入空気量が多い領域では、温度に起因する酸素吸蔵可能量の増量分と、吹き抜けに伴う酸素吸蔵可能量の減量分により算出される酸素吸蔵可能量が決まる。
ここで、吸入空気量が多い状態の後に内燃機関の運転状態が低負荷に移行したときには、吸入空気量が少なくなり「吹き抜け」の影響が減少する。触媒温度は急速には下がらないため、触媒の酸素吸蔵可能量は、運転状態が低負荷に移行した直後に最も大きく算出されることとなる。このとき、上述したシステムでは、計算上の酸素吸蔵可能量が最大酸素吸蔵量を超えたことを検知するため、酸素センサに異常が無い場合であっても、異常を判定してしまうこととなる。
一方、計算上の酸素吸蔵可能量を用いて、触媒の劣化を判定するシステムもある。このシステムは、算出された酸素吸蔵可能量が触媒の最大酸素吸蔵量と比べて異常に小さい場合に、触媒の浄化能力が下がっているものと判定する機能を有している。このようなシステムにおいて、触媒温度が高く、かつ低負荷の運転状態が生ずると、本来は異常なものとして判定すべき触媒を見過ごしてしまうこととなる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の異常を誤ることなく判定することのできる異常検出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、異常検出装置において、内燃機関の排気通路に配置される触媒の温度が基準温度より高いか否かを判定する触媒温度判定手段と、前記内燃機関に吸入される空気量を検知する吸入空気量検知手段と、前記触媒に流入する排気ガス中の酸素過不足量を積算することで、当該触媒の酸素吸蔵容量を算出する酸素吸蔵容量算出手段と、前記酸素吸蔵容量に基づいて異常を検出する異常検出手段と、前記触媒温度が基準温度より高く、かつ、前記空気量が判定流量より少ない場合に前記異常検出手段の作動を禁止する異常検出禁止手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記触媒温度判定手段は、前記吸入空気量検知手段により検知される空気量が所定の値より高い状態が継続した場合に触媒温度が前記基準温度より高いと判定する高吸入空気量継続時間判定手段を含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記触媒の下流に位置する酸素センサの出力がリッチ出力からリーン出力に変化するのを受けて前記触媒上流の排気空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に変化させ、また、前記酸素センサの出力がリーン出力からリッチ出力に変化するのを受けて前記触媒上流の排気空燃比をリッチ空燃比からリーン空燃比に変化させるアクティブ空燃比制御を実行するアクティブ空燃比制御手段を備え、前記酸素吸蔵容量算出手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に、前記酸素センサの出力がリッチ出力またはリーン出力に維持される期間中、前記触媒に流入する排気ガス中の酸素過不足量を積算することで、当該触媒の酸素吸蔵容量を算出する手段を含み、前記異常検出手段は、前記酸素吸蔵容量が前記触媒の最大酸素吸蔵量を超えた場合に異常を検出する手段を含み、かつ、前記異常検出禁止手段は、前記触媒温度が基準温度より高く、かつ、前記空気量が判定流量より少ない場合に、前記酸素吸蔵容量算出手段により算出されている酸素吸蔵容量の値をゼロとする手段を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、触媒温度が高く、内燃機関に吸入される空気量が少ない状態で、内燃機関の異常検出を禁止することができる。上記状態の下では、酸素吸蔵容量が通常値より多大となる。本発明によればその状態での判定を禁止することで、異常検出装置の誤判定を防止することができる。
第2の発明によれば、吸入空気量が高い状態が継続したか否かに基づいて、触媒の温度が判定値を超えたか否かを正確に判断することができる。
第3の発明によれば、アクティブ空燃比制御を実行することで、現実の酸素吸蔵量を増減させ、酸素の過不足量を積算することにより、酸素吸蔵量を時々刻々と算出することができる。酸素センサの出力が反転しない状況下では、酸素吸蔵量が過大になり、その値が判定値を超えると異常を判定することができる。触媒温度および吸入空気量が異常判定の禁止の条件をみたした場合には、その時点で酸素吸蔵容量の値がゼロとされる。この場合、酸素吸蔵容量が判定値を超えるのを阻止することができ、その結果異常検出を禁止することができる。
実施の形態1.
〔実施形態1のハードウェア構成〕
図1は、本発明の実施の形態1の空燃比制御装置の構成を説明するための図である。図1に示す通り、本実施形態の装置は、内燃機関の排気通路10に配置された上流触媒(S/C)12および下流触媒(U/F)14を備えている。上流触媒12および下流触媒14は、何れも、CO、HCおよびNOxを同時に浄化することのできる三元触媒である。
上流触媒12の上流および下流には、それぞれ空燃比センサ16、および酸素センサ18が配置されている。空燃比センサ16は、上流触媒12に流入する排気ガスの空燃比A/Fに対してほぼリニアな出力を発するセンサである。一方、酸素センサ18は、上流触媒12から流出してくる排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるか、或いはリーンであるかに応じて出力を急変させるセンサである。
空燃比センサ16の出力、および酸素センサ18の出力は、それぞれECU(Electronic Control Unit)20に供給されている。ECU20には、更に、エアフロメータ22、回転数センサ24、および燃料噴射弁26などが接続されている。エアフロメータ22は、内燃機関の吸入空気量Gaを検出するセンサである。回転数センサ24は機関回転数Neに応じた出力を発するセンサである。また、燃料噴射弁26は、内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射するための電磁弁である。
〔実施形態1における制御〕
(アクティブ制御)
図2は、本発明の実施の形態1におけるアクティブ制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図2(A)は、車速を示す波形であり、図2(B)は吸入空気量の変化を示し、さらに図2(C)および図2(D)は、空燃比センサ16と酸素センサ18の出力変化を示している。図2(E)は上流触媒12に吸蔵される酸素量の変化を示し、図2(F)は図2(E)の値を基にECU20で積算された酸素吸蔵可能量Cmaxの値を示している。
アクティブ制御の実行中は、先ず、触媒前空燃比が所定のリッチ空燃比またはリーン空燃比に維持される。図2(C)において、空燃比センサ16の出力がリッチ空燃比になっている部分が、触媒前空燃比がリッチ空燃比に維持されている状態を示す。触媒前空燃比がリッチ空燃比に維持されると、上流触媒12は、吸蔵酸素を放出して排気ガス中の未燃成分(HC、CO)の酸化を図る。上流触媒12中に吸蔵酸素が残存している期間中は、その下流には理論空燃比に浄化された排気ガスが流出する。従って、その間、触媒後空燃比はほぼ理論空燃比に維持される。
触媒前空燃比がリッチに維持された結果、上流触媒12中の吸蔵酸素が全て消費されると、その後、上流触媒12の下流には、未燃成分を含むリッチな排気ガスが流出し始める。上流触媒12の下流にリッチな排気ガスが流出し始めると、酸素センサ18のセンサ出力は、リーン出力からリッチ出力に変化する。図2(D)において、酸素センサ18のセンサ出力がリーン出力からリッチ出力に急激に変化している部分は、上流触媒12中の吸蔵酸素が全て消費され、その後、酸素センサ18の出力がリーン出力からリッチ出力に反転した様子を示している。
ECU20は、酸素センサ18の出力がリッチ出力に変化したと判断すると、その時点で、上流触媒12の吸蔵酸素が使い果たされたと判断する。そして、ECU20は、その後、触媒前空燃比がリーンに反転するように、吸入空気量Gaに対する燃料噴射量の割合を変化させる。その結果、図2(C)に示すように、触媒前空燃比はリッチからリーンに反転する。
アクティブ制御の実行中は、以後、触媒前空燃比がリーンに維持される。触媒前空燃比がリーンに維持されている期間中、上流触媒12は、酸素吸蔵能力一杯に酸素を吸蔵するまで、酸素を吸蔵し続ける。そして、上流触媒12が排気ガス中の余剰酸素を吸蔵している間は、上流触媒12の下流に浄化された排気ガスが排出され、その後上流触媒12に酸素吸蔵能力一杯の酸素が吸蔵されると、その下流に酸素を含むリーンな排気ガスが流出し始める。
図2(D)において、酸素センサ18の出力がリッチ出力からリーン出力に変化し始める部分は、上流触媒12の下流にリーンな排気ガスが流出し始めたことを示す。アクティブ制御の実行中において、ECU20は、このような酸素センサ18の出力反転を受けて、再び触媒前空燃比をリッチに反転させる。以後、アクティブ制御の実行が継続される限り、上述した処理、つまり、酸素センサ18の出力反転を受けて触媒前空燃比を強制的に反転させる処理が繰り返し実行される。
アクティブ制御の実行中、酸素センサ18のセンサ出力は、既述した通り、上流触媒12内の酸素が全て消費された時点でリーン出力からリッチ出力に反転する。また、そのセンサ出力は、上流触媒12が酸素吸蔵容量Cmax一杯に酸素を吸蔵した時点でリッチ出力からリーン出力に反転する。従って、酸素センサ18のセンサ出力がリーン出力からリッチ出力に反転した後(この反転を受けて触媒前空燃比は以後リーン空燃比とされる)、そのセンサ出力がリッチ出力からリーン出力に反転するまでの間、上流触媒12に流入した排気ガス中の酸素過剰量を積算すれば、上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxを求めることができる。同様に、酸素センサ18のセンサ出力がリッチ出力からリーン出力に反転した後(この反転を受けて触媒前空燃比は以後リッチ空燃比とされる)、そのセンサ出力がリーン出力からリッチ出力に反転するまでの間、上流触媒12に流入した排気ガス中の酸素不足量を積算すれば、上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxを求めることができる。
(酸素吸蔵容量Cmaxの算出方法)
以下、上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxの算出方法について説明する。
触媒前空燃比A/Fがリーンである場合に、上流触媒12に流入する排気ガス中の酸素過剰量ΔOSAは、次式により求めることができる。
ΔOSA=(A/F−A/Fstoichi)×燃料噴射量×α ・・・(1)
(但し、A/Fstoichiは、理論空燃比であり、αは空気中の酸素の比率である)
一方、触媒前空燃比A/Fがリッチである場合に、上流触媒12に流入する排気ガス中の酸素不足量ΔOSAは、次式により求めることができる。
ΔOSA=(A/Fstoichi−A/F)×燃料噴射量×α ・・・(2)
従って、│A/F−A/Fstoichi│=ΔA/Fとすれば、触媒前空燃比A/Fがリッチである場合、およびリーンである場合を区別することなく、上流触媒12に流入する排気ガス中の酸素の過不足量ΔOSAを次式の通り表すことができる。
ΔOSA=ΔA/F×燃料噴射量×α ・・・(3)
ECU20は、酸素センサ18の出力が反転する毎に、酸素吸蔵量OSAをクリアし、以後、次式に示すように酸素過不足量ΔOSAの積算値を酸素吸蔵量OSAとして算出する。
OSA=ΣΔOSA
=Σ(ΔA/F×燃料噴射量×α) ・・・(4)
図2(E)に示すOSAの波形は、ECU20がこのようにして算出する酸素吸蔵量OSAの変化を示す。
酸素センサ18の出力が反転するのは、上流触媒12内の酸素が全て放出された時点、および上流触媒12内に酸素が一杯に吸蔵された時点の何れかである。前者の場合は、その後、上流触媒12に酸素が一杯に吸蔵されて酸素センサ18の出力が再び反転するまで、酸素過剰量ΔOSAを積算することで上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxを求めることができる。また、後者の場合も、その後、上流触媒12内の酸素が全て放出されて下流酸素センサ34の出力が再び反転するまで酸素不足量ΔOSAを積算することで上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxを求めることができる。つまり、何れの場合において、酸素センサ18の出力が反転した時点では、その時点で算出されている酸素吸蔵量OSAは、上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxとして認識することができる。そこで、ECU20は、上記の手法で酸素吸蔵量OSAを算出しつつ、酸素センサ18の出力が反転した際に、その時点における酸素吸蔵量OSAをクリアするに先だって、その値を上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxとして認識することとしている。図2(F)に示す波形は、ECU20がこのようにして算出する酸素吸蔵容量Cmaxの変化を示す。
(異常判定)
以上のような方法で酸素吸蔵容量Cmaxを算出する場合、この値を用いて酸素センサ18や上流触媒12の異常を判定することができる。以下、異常判定の方法について説明する。
アクティブ制御の実行中は、酸素センサ18の出力の反転を受けて目標空燃比の反転指令が発せられる。従って、酸素センサ18の出力が反転しない場合、目標空燃比もリッチ目標値のまま維持される。ECU20は、上流触媒12に流入する排気ガス中の酸素過不足量を積算することで上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxを計算により求めようとするが、この場合、上記の積算が不当に長い間に渡って実行されるため、計算上の酸素吸蔵容量Cmaxは、不当に大きな値となる。そこで、本実施形態において、ECU20は、アクティブ制御の実行に伴って、酸素吸蔵容量Cmaxの計算値が不当に大きな値となった場合には、その時点で酸素センサ18の異常を判定することとしている。
(吸入空気量の変化により起こる現象)
本実施形態では、以上説明したような方法を用いて酸素センサ18や上流触媒12の異常判定を行っているが、このような方法で異常判定を行う場合に、誤判定の生じてしまう状況がある。図2を用いて誤判定が起こる状況について説明する。図2に示すように、本実施形態の異常検出装置を搭載した車両は、アクティブ制御を行いながら図2(A)に示す速度を保って走行している。このとき、内燃機関に吸入される吸入空気量Gaの値は40となっている(図2(B))。
時刻tにおいて車速を減速したことを契機に、吸入空気量Gaの値は8へ減少する(図2(A)、(B))。この直後、空燃比センサ16と酸素センサ18の出力は、それぞれ図2(C)、図2(D)に示すように変化し、酸素吸蔵量OSAの振幅も大きくなる(図2(E))。また、酸素吸蔵量OSAの変化に伴い、酸素吸蔵容量Cmaxの値も大きくなる(図2(F))。
このような状況では、酸素吸蔵容量Cmaxの値が不当に大きいと判断されるため、酸素センサ18に異常がなくても異常判定を行ってしまうこととなる。また、上流触媒12に異常がある場合であっても、酸素吸蔵容量Cmaxの値が不当に小さくなることがないため、異常判定を怠ってしまうこととなる。このような誤判定が生ずる理由の詳細について、以下説明する。
図2(A)のように車両が高速で走行しているときには、吸入空気量Gaの値も大となり、排気ガスも高温となる。一般に、触媒の温度特性は、高温になるほど浄化能力が活性化する傾向にある。従って、吸入空気量Gaの値が大であれば、上流触媒12の酸素吸蔵容量Cmaxは大きい値となるといえる。
ところが、吸入空気量Gaの値が大であるとき、上流触媒12では、いわゆる「吹き抜け」という現象が起きている。「吹き抜け」とは、本来上流触媒12で浄化されるべき排気ガスが、浄化されずに下流側触媒14まで流入する現象である。吸入空気量Gaの値が大きいときに一般的に起こる現象である。図3に示すタイミングチャートは、酸素吸蔵容量Cmaxの算出値に対する吹き抜けの影響を説明する図である。より具体的には、図3(A)、図3(C)にそれぞれ空燃比センサ16と酸素センサ18の出力値の変化を示し、図3(B)に酸素吸蔵量を示す。
図3において、ECU20は、酸素センサ18の出力値に基づくアクティブ制御を行っている。また、吸入空気量Gaの値が大となる高負荷の運転状態にある。図3(A)および図3(C)に実線で示す波形は、「吹き抜け」の影響を考慮せずに空燃比センサ16と酸素センサ18の出力値を示したものである。一方、図3(A)および図3(C)に破線で示す波形は、「吹き抜け」の影響を考慮した空燃比センサ16と酸素センサ18の出力値を示したものである。まず、「吹き抜け」を考慮しない場合のCmaxの値について説明する。
ECU20は空燃比センサ16がリッチ、酸素センサ18がリーンの状態から制御を開始する(図3(A)、(C))。時刻tに酸素センサ18が出力をリッチに反転したのに伴って(図3(C))、空燃比センサ16の出力がリーンとなるように制御する(図3(A))。また、時刻tに酸素センサ18の出力がリーンに反転したのに伴って(図3(C))、空燃比センサ16の出力がリッチとなるように制御する(図3(A))。以上の制御を行うときの上流触媒12の酸素吸蔵量の変化は、図3(B)に示す波形となる。また、このときの上流触媒12の酸素吸蔵容量CmaxをCmax1で表すと、Cmax1の値に相当するのは、図3(B)に示す高さとなる。
一方、「吹き抜け」を考慮した場合、ECU20が空燃比センサ16をリッチ出力に保つように制御していても、上流触媒12を吹きぬけた排気ガスが酸素センサ18を通過することになる。従って、酸素センサ18の出力値は、図3(C)に破線で示すように、時刻tより早い時刻t’に出力がリッチに反転するような波形となる。また、空燃比センサ16をリーン出力に保つように制御している場合も同様の現象が起こり、酸素センサ18の出力が、時刻tより早い時刻t’に出力がリーンに反転するような波形となる。上流触媒12では、下流側触媒14に吹き抜けた排気ガスの分だけ、排気ガスの浄化に必要な酸素を触媒内に残存しているため、酸素吸蔵量の変化は、図3(B)に示す波形となる。このときの上流触媒12の酸素吸蔵容量CmaxをCmax2で表すと、Cmax2の値に相当するのは、図3(B)に示す高さとなる。
以上より、吸入空気量Gaが大であるときの酸素吸蔵容量Cmaxは、高温により活性化された触媒の酸素吸蔵容量Cmax(図3(B)に示すCmax1に相当)が、吹き抜けの影響により相殺され、通常運転時のCmaxとほぼ等しい状態となっていることがわかる(図3(B)に示すCmax2参照)。一方、吹き抜けの影響が無い状態、すなわち、高温であり、かつ吸入空気量Gaが小であるときには、触媒の酸素吸蔵容量Cmax(図3(B)に示すCmax1に相当)は、通常運転時のCmaxと比較して大きな値が測定されることがわかる。
ここで、先に図2で示したように、車速を急に減速する等の操作により、吸入空気量Gaが高い状態から急減するような状況になると、高温触媒であり、かつ吸入空気量Gaが小であるという上記の条件が成立することとなる。このような状況では、図3で示すように、酸素吸蔵容量Cmaxが通常より大きな値となる。このとき、上述した異常検出の誤判定が起こるのである。そこで、本実施形態では、触媒高温かつ吸入空気量Gaが小である条件のもとでは、異常判定を禁止するように構成した。以下、その方法について説明する。
(異常判定の制御)
図4に、上記の機能を実現するためにECU20が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。なお、本実施形態においては、吸入空気量Gaが大である状態が長時間継続したことを以って触媒が高温であるものとみなし、酸素センサ18の異常判定を禁止する態様について説明する。
図4に示すルーチンでは、先ず、アクティブ制御を実施しているか否かが判別される(ステップ100)。アクティブ制御を実施していないと判別された場合は、再びステップ100の処理が繰り返される。一方、アクティブ制御を実施していると判別された場合は、次に、酸素センサの出力の読込が実施される(ステップ102)。
酸素センサ18の出力を読み込むと、次に、酸素センサの出力が0.59(V)以上であるか、又は0.21(V)以下であるか否かが判別される(ステップ104)。酸素センサ18の出力が0.59(V)以上である場合には、リッチ出力となっているものと判別し、ステップ106に処理が移される。また、0.21(V)以下である場合には、リーン出力となっているものと判別し、同様にステップ106に処理が移される。一方、出力が0.21(V)より大きく、かつ0.59(V)未満である場合には、ステップ100に処理が移される。
ステップ106では、酸素吸蔵量OSAの積算が行われる。なお、Cmaxはステップ104とステップ106を組み合わせることにより算出することができる。具体的には、酸素センサ18の出力がリッチとなったときからリーン出力に反転するまで、またはリーンとなったときからリッチ出力に反転するまでの酸素吸蔵量OSAを積算することにより、酸素センサ18の出力が反転した時点で酸素吸蔵容量Cmaxを得ることができる。酸素吸蔵量OSAの積算が終了すると、ステップ108に処理が移される。
ステップ108では、吸入空気量Gaが高い高吸入空気量の状態が継続した時間がX(sec)以上であり、かつ吸入空気量の減少量がY(g)以上である、という条件をみたしているか否かが判別される。本実施形態では、上述したように、高吸入空気量の状態がX(sec)以上継続したことを以って、触媒が高温であるとみなす。また、触媒が高温となっており、かつ吸入空気量の減少量がY(g)以上である場合には、誤判定を防止するために異常判定を禁止するようにしている。従って、本ステップにおいて2つの条件を同時にみたすことは、異常判定を禁止する必要があることを示しており、ステップ114に処理が移される。一方、本ステップにおいて2つの条件の少なくとも1つがみたされない場合には、異常判定を禁止する必要がないことを示しており、ステップ110に処理が移され、通常の異常判定が行われる。
ステップ114では、酸素吸蔵量がクリアされる。本ステップの処理は、先のステップ106において算出された酸素吸蔵量OSAが通常の酸素吸蔵量を超えたことを契機に行われる、酸素センサ18の異常判定を禁止するための処理である。本ステップで酸素吸蔵量をクリアすることにより、OSAが通常の酸素吸蔵量より小さな値となるため、異常検出は行われないこととなる。酸素吸蔵量をクリアする処理が終了すると、再びステップ100に処理が移される。
一方、通常の異常判定を行う場合には、ステップ110において酸素吸蔵量OSAが1.2(g)以上であるか否かが判別される。酸素吸蔵量OSAが1.2(g)以上であるときには、酸素センサ18に異常が生じているものと判定され(ステップ112)、そのまま本ルーチンが終了される。一方、1.2(g)未満であるときには、酸素センサ18に異常がないものと判別され、ステップ100に処理が移される。
以上のような処理を行うことにより、触媒高温かつ吸入空気量が少量という状態において、酸素センサ18の異常検出を禁止することができる。これにより、異常検出の誤判定を防ぐことができ、常に正確な異常検出を行うことができる。
なお、本実施形態において、ステップ106を実行することにより「酸素吸蔵容量算出手段」を、ステップ108を実行することにより「触媒温度判定手段」および「吸入空気量検知手段」を、ステップ110を行うことにより「異常検出手段」を、ステップ106、ステップ108およびステップ114を行うことにより「異常検出禁止手段」を実現することができる。
本実施形態においては、異常検出の禁止の条件である触媒温度を判定するのに、高吸入空気量が継続した時間を用いているが、例えば温度センサ等を用いて直接触媒の温度を判定してもよい。
また、本実施形態では酸素センサ18を異常判定の対象としているが、上流触媒12の異常判定にも用いることができる。触媒の浄化能力の異常は、酸素吸蔵容量Cmaxが触媒の最大酸素吸蔵量と比べて異常に小さい場合に判定されるものであるが、高温触媒かつ吸入空気量Gaが小であるときにはCmaxが大きくなるため、触媒の異常を判定することが困難である。しかし、本実施形態の異常検出を禁止する手法を用いれば、本来異常であると判定すべき触媒を確実に異常判定することが可能となるのである。
本発明に好適な実施の形態の構成を説明するための図である。 本発明に好適な実施の形態において実行される制御内容を説明するタイミングチャートである。 本発明に好適な実施の形態において実行される制御内容を説明するタイミングチャートである。 本発明に好適な実施の形態において実行される制御内容を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 排気通路
12 上流触媒(S/C)
14 下流触媒(U/F)
16 空燃比センサ
18 酸素センサ
20 ECU(Electronic Control Unit)
22 エアフロメータ
24 回転数センサ
26 燃料噴射弁

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に配置される触媒の温度が基準温度より高いか否かを判定する触媒温度判定手段と、
    前記内燃機関に吸入される空気量を検知する吸入空気量検知手段と、
    前記触媒に流入する排気ガス中の酸素過不足量を積算することで、当該触媒の酸素吸蔵容量を算出する酸素吸蔵容量算出手段と、
    前記酸素吸蔵容量に基づいて異常を検出する異常検出手段と、
    前記触媒温度が基準温度より高く、かつ、前記空気量が判定流量より少ない場合に前記異常検出手段の作動を禁止する異常検出禁止手段と、
    を備えることを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記触媒温度判定手段は、前記吸入空気量検知手段により検知される空気量が所定の値より高い状態が継続した場合に触媒温度が前記基準温度より高いと判定する高吸入空気量継続時間判定手段を含むことを特徴とする請求項1記載の異常検出装置。
  3. 前記触媒の下流に位置する酸素センサの出力がリッチ出力からリーン出力に変化するのを受けて前記触媒上流の排気空燃比をリーン空燃比からリッチ空燃比に変化させ、また、前記酸素センサの出力がリーン出力からリッチ出力に変化するのを受けて前記触媒上流の排気空燃比をリッチ空燃比からリーン空燃比に変化させるアクティブ空燃比制御を実行するアクティブ空燃比制御手段を備え、
    前記酸素吸蔵容量算出手段は、前記アクティブ空燃比制御の実行中に、前記酸素センサの出力がリッチ出力またはリーン出力に維持される期間中、前記触媒に流入する排気ガス中の酸素過不足量を積算することで、当該触媒の酸素吸蔵容量を算出する手段を含み、
    前記異常検出手段は、前記酸素吸蔵容量が前記触媒の最大酸素吸蔵量を超えた場合に異常を検出する手段を含み、かつ、
    前記異常検出禁止手段は、前記触媒温度が基準温度より高く、かつ、前記空気量が判定流量より少ない場合に、前記酸素吸蔵容量算出手段により算出されている酸素吸蔵容量の値をゼロとする手段を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異常検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008175201A (ja) * 2006-12-20 2008-07-31 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
EP2063090A1 (en) 2007-11-26 2009-05-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for internal combustion engine
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