本発明の実施例を図1〜図22を参照して説明する。
まず、本発明が適用される自動分析装置の一例の構成について説明する。
図1は、生体試料として血清,血漿又は尿を分析することが可能な自動分析装置の概略構成図である。図1の自動分析装置には、図2に示すようなディスペンサ方式で試薬を供給する分析装置と、図3に示すようなピペッタ方式で試薬を供給する分析装置とが混在されている。図1の分析ユニット3A,3F及び3Gは、固定された分析チャンネルを有し、複数の試薬吐出ノズルのそれぞれが試薬毎に専用化されているディスペンサ方式の分析装置である。分析装置3B,3C,3D及び3Eは、分析チャンネルが固定されずにランダムアクセスされ、1本の試薬ピペッティングノズルで次々と分析項目に応じた試薬を分注するピペッタ方式の分析装置である。
図1において、血清を分析処理するための分析ユニット3A〜3Gは、主搬送ライン20から取り込まれた患者検体ラック1、標準液ラック74、コントロール検体ラック77等のラックをサンプリング位置に位置づけた後に、主搬送ライン20に戻す機能を有する搬送路であるサンプリングライン4A〜4Gと、各サンプリングラインに対応して設けられておりラックの識別情報およびそのラック上の各検体容器の識別情報を読取るための識別情報読取装置51〜57と、患者検体または標準液またはコントロール検体と試薬との分析項目に応じた反応を反応容器内で進めて反応液について例えば光学的に測定する反応部5A〜5Gと、試薬供給部26〜29及び32〜34とをそれぞれ備えている。各分析装置の試薬供給部の内、26,27,28,29がピペッタ方式のものであり、32,33,34がディスペンサ方式のものである。
患者検体用のラック送出部17は、多数の患者検体ラック1をセットできるエリアを有し、主搬送ライン20の方へ患者検体ラック1を1個ずつ送り出す送出機構を有する。ラック回収部18は、いずれかの分析ユニットで分析処理された検体を収容している患者検体ラック1を回収するエリアを有し、検体ラックが整然と配列されるように並べる整列機構を有する。一時格納部22は、分析装置によって検体採取された患者検体ラック1を測定結果が出力されるまで一時的に格納し、再検査が必要な場合は戻りライン25を介して検体ラックを再び主搬送ライン20により搬送されるように送り出し、再検査が不要な場合は検体ラックをラック回収部18へ送り出す。
標準液ラック及びコントロール検体ラックの如く反復して使用される特定試料用ラックのための待機ユニット70は、ラック投入口75からオペレータにより投入された標準液ラック74及びコントロール検体ラック77の識別情報を読み取るラックID識別装置71と、ラックID識別装置71で識別情報を読み取られた標準液ラック74およびコントロール検体ラック77をローター76へ搬送する手段と、搬送されてきた標準液ラック74およびコントロール検体ラック77を保持するローター76と、ローター76上における標準液ラック74およびコントロール検体ラック77の保持位置を検出するセンサ72と、ローター76を回転させる駆動手段73とを有する。全体制御用コンピュータ40によりキャリブレーションの実行の指示がなされた場合には、駆動手段73によりローター76を回転させて、当該キャリブレーションの実行に必要な既知濃度の分析項目を含んでいる標準液の容器を収容したラック74を送り出し通路80に位置づけ、ローター76の所定位置から引き出した標準液ラック74を、送り出し通路80を通して主搬送ライン20の方へ送り出す。
主搬送ライン20は、その分析項目のためにキャリブレーションが必要な分析ユニットに、標準液ラック74を選択的に立ち寄らせる。当該分析ユニットにおけるサンプリング機構は、標準液ラックから所定量の標準液を分析ユニットの反応容器ヘピペッティングする。
また、全体制御用コンピュータ40により、精度管理の実行の指示がなされた場合には、同様にして、駆動手段73によりローター76を回転させた後、当該精度管理の実行に必要な分析項目を含むコントロール検体を収容したラック77を主搬送ライン20により搬送されるように送り出す。キャリブレーション用のサンプリングが終了した標準液ラック74、及び精度管理用のサンプリングが終了したコントロール検体ラック77は、当該分析ユニットのサンプリングライン4A〜4Gから主搬送ライン20に引き渡され、次いで、戻りライン25を経て待機ユニッット70まで搬送され、ローター76上の元の保持位置に収納される。収納されたラック74,77は、その後にキャリブレーション又は精度管理の指令があるまでローター76内で待機する。待機ユニット70は、標準液及びコントロール検体が劣化しないように、所定の温度に保たれている。ここでは、ローター76を用いる構成としたが、ローター以外にも、エレベータ式の保持手段等、他の構成としてもよい。
制御装置は、全体制御用コンピュータ40と、各分析ユニットに対応して設けられた分析ユニット側コンピュータ6A〜6Gと、媒体可搬型の外部記憶装置であるフロッピー(登録商標)ディスクメモリ41を有する。分析ユニット側コンピュータ6A〜6Gは各分析ユニットの光度計からの出力信号の処理を分担する。それらのコンピュータ6A〜6Gに接続された全体制御用コンピュータ40は、各分析部の動作、ラック搬送系の動作及びシステム内の必要部分の動作制御をすると共に、各種情報処理に必要な演算及び制御を実行する。コンピュータ間の役割分担はこのようなものに限られず、構成上の必要性に応じて種々の態様に変更でき、あるいは全体制御用コンピュータ40のみを用いて分析ユニット側コンピュータを不要にすることも可能である。全体制御用コンピュータ40には、記憶部45が具備され、データ入力用の操作部42と、情報を画面表示するための表示装置であるCRT43と、測定結果等を出力できるプリンタ44とが接続されている。記憶部45としては、例えば、内蔵型ハードディスクを用いることができる。
なお、各コンピュータには、それぞれ、予めプログラムがインストールされている。各コンピュータは、インストールされたプログラムに従って、制御等の処理を実行する。プログラムは、例えば、フロッピーディスク、CD−ROM等の記憶媒体に記憶された状態で提供される。プログラムとしては、分析を実行するための制御プログラムの他に、本発明の分析の運用を支援するためのプログラム等がインストールされる。
患者検体ラック1は、例えば図2の例に示すように、患者検体を収容した患者検体容器2が複数本、例えば5本ずつ装填される箱状の容器保持体からなるが、この形状以外に種々のものを使用できる。標準液ラック74、コントロール検体ラック77も、例えば図2の例に示すように、それぞれ、標準液を収容した標準液容器78またはコントロール検体を収容したコントロール検体容器79が複数本、例えば5本ずつ装填される箱状の容器保持体からなるが、この形状以外に種々のものを使用できる。患者検体ラック1、標準液ラック74、コントロール検体ラック77の外壁にはラック識別情報を示す識別情報媒体が設けられ、患者検体容器2、標準液容器78またはコントロール検体容器79の外壁には内溶液識別情報を示す識別情報媒体が設けられる。これらの識別情報媒体としては、バーコードラベルや磁気記録媒体等が用いられる。患者検体ラック1、標準液ラック74、コントロール検体ラック77に設けられたバーコードは、ラック番号及び検体種別の情報を有する。患者検体容器2に設けられたバーコードは、それぞれの検体に関する情報、例えば、受付番号,受付年月日,患者氏名,患者番号,検体種別,検体依頼分析項目などの情報を有する。標準液容器78またはコントロール検体容器79は、それぞれの標準液またはコントロール検体に関する情報、例えば、標準液名またはコントロール検体名,ID,製造ロット番号などの情報を有する。
図1における識別情報読取装置50は、主搬送ライン20によって搬送される前のラック、および検体容器の識別情報(バーコード)を読取った結果をコンピュータ40に入力する。また、一時格納部22に設けられた識別情報読取装置58は、ラックが一時格納部22に入るとき及び出るときに、ラックおよび検体容器のバーコードを読取り全体用コンピュータ40に伝達する。ここで、ラックとは、患者検体ラック1、標準液ラック74、およびコントロール検体ラック77をいう。また、ここで、検体容器とは、検体容器2、標準液容器78、およびコントロール検体容器79をいう。
各分析ユニット3A〜3Gの試薬供給部に収納される各種分析項目用の試薬ボトル12,12A,12Bには、その外壁に試薬識別情報がバーコードなどで表示されている。試薬識別情報としては、試薬製造ロット番号,試薬ボトルのサイズ,使用可能な試薬液量,有効期限,ボトル毎に異なっているシーケンス番号、分析項目コードなどを有する。このような試薬識別情報はバーコード読取装置によって読取られ、各分析ユニット3A〜3Gに対応づけられ、試薬供給部における試薬ボトルのセット位置,使用可能な液量と1回の分注量から計算される試薬の分析可能回数,分析項目の種類,その試薬が収納された分析ユニット番号などが、記憶部45に登録される。
主搬送ライン20は、患者検体ラック1、標準液ラック74、又はコントロール検体ラック77を載せる搬送ベルトとベルト駆動用モータ(いずれも図示せず)を具備し、患者検体ラック1、標準液ラック74、又はコントロール検体ラック77を所望位置まで連続移送するよう制御装置により制御される。各サンプリングライン4A〜4Gは、ラック引込位置,分注位置及びラック送出位置にラックを停止するように搬送ベルトを間欠的に移動することができる。主搬送ライン20によって搬送される患者検体ラック1、標準液ラック74、又はコントロール検体ラック77は、分析ユニットの列に沿って移動され、制御装置によって指定された分析ユニットの前で停止され、直ちにラック移動機構(図示せず)によりサンプリングラインのラック引込位置に移される。そして、分注位置にて後述する分注器により分注される。分注操作の終了した患者検体ラック1、標準液ラック74、又はコントロール検体ラック77は、サンプリングラインのラック送出位置から主搬送ライン20上へラック移載機構によって引き渡される。ラック移載機構としては、ラック把持アームを有する移動用ロボットや、主搬送ラインとサンプリングラインの一方から他方へラックを押し出す押出用レバーを有する機構などが使用される。
ディスペンサ方式の分析ユニットの構成例を、図2を参照して説明する。分析ユニット3Aの反応部5Aは、透光性の反応容器46aを有する反応容器列を同心円状に2列備え、各反応容器列毎に光源14aから反応容器46aを透過した光を分光して複数波長を受光する多波長光度計15aを備える。各反応容器列に作用するように、反応部5Aの近傍には、検体用ピペッタポンプ47aに接続されたピペットノズルを有する分注器48aと、試薬用ディスペンサポンプ60に接続された第1試薬ノズル群保持部64及び第2試薬ノズル群保持部66と、第1攪拌機構65及び第2攪拌機構67と、反応容器洗浄機構19aとが配置されている。試薬保冷庫62内には、複数の分析項目のための第1試薬及び第2試薬(必要な分析項目用のみ)の試薬ボトル12が配列されており、所定温度に冷却される。各試薬ボトル12内の試薬液は、チューブを介して試薬用ディスペンサポンプ60により反応容器列上の対応する試薬吐出ノズルに供給される。この場合、図1に示す分析ユニット3Aのディスペンサ方式試薬供給部32は、図2の試薬用ディスペンサポンプ60,多数の試薬ボトル12を備えた試薬保冷庫62,第1試薬ノズル群保持部64,第2試薬ノズル群保持部66などを含む。
ラック送出部17から供給される個々の患者検体ラック1は、主搬送ライン20によって搬送され、分析ユニット3Aによる分析処理が必要な場合には、分析ユニット3Aのサンプリングライン4Aに移載される。分注位置に来た患者検体ラック1上の患者検体は、分注器48aのピペットノズルによって反応容器46aに所定量ピペッティングされる。この反応容器46aには、反応容器列上の所定の位置で分析項目に対応する試薬が吐出され、反応が進行される。所定時間後、反応容器46a内の反応液は多波長光度計15aによって光学的特性が測定される。多波長光度計15aから出力された信号は、分析ユニット側コンピュータ6Aによる制御下で対数変換器30a及びアナログ・ディジタル変換器31aの処理を受け、全体制御用コンピュータ40に送信される。
待機ユニット70から供給される個々の標準液ラック74は、主搬送ライン20によって搬送され、分析ユニット3Aにおけるキャリブレーションが必要な場合には、分析ユニット3Aのサンプリングライン4Aに移載される。ここで、キャリブレーションとは、既知の濃度の試料(標準液)を測定して、検量線を作成する作業のことである。
分注位置に来た標準液ラック74上の標準液は、分注器48aのピペットノズルによって反応容器46aに所定量ピペッティング分注される。この反応容器には、反応容器列上の所定の位置で分析項目に対応する試薬が吐出され、反応が進行される。所定時間後、反応容器46a内の反応液は多波長光度計15aによって光学的特性が測定される。
多波長光度計15aから出力された信号は、分析ユニット側コンピュータ6Aによる制御下で対数変換器30a及びアナログ・ディジタル変換器31aの処理を受ける。このデータに基づいて、コンピュータ6Aにおいて検量線の式を求めて検量線を作成し、キャリブレーションの成否が判定されて、この成否が全体制御用コンピュータ40に送信される。ここで、キャリブレーションの成功とは、検量線が作成され、作成された検量線が、過去の経験的に得られた検量線から大きく逸脱していないことをいい、キャリブレーションの失敗とは、検量線が作成されない、または、作成された検量線が、過去の経験的に得られた検量線から大きく逸脱していることをいう。分析ユニット側コンピュータ6Aには、過去に経験的に得られた検量線のデータと、逸脱許可範囲に関するデータを備えておき、このデータに基づいて、キャリブレーションの成否を判定する。
なお、分析ユニット側コンピュータ6Aは、キャリブレーションの成否の判定を行なわず、得られた検量線の式に関する情報を全体制御用コンピュータ40に送信し、全体制御用コンピュータ40において、過去に経験的に得られた検量線のデータと、逸脱許可範囲に関するデータを備えておき、キャリブレーションの成否の判定を行なうようにしてもよい。
待機ユニット70から供給される個々のコントロール検体ラック77は、主搬送ライン20によって搬送され、分析ユニット3Aにおける精度管理が必要な場合には、分析ユニット3Aのサンプリングライン4Aに移載される。ここで、精度管理とは、既知の濃度の試料(コントロール検体)を測定して、この測定結果が所定の範囲内におさまっているか否かを判定することにより、自動分析装置及び試薬等が良好な状態を保っているか否かをチェックする作業のことである。
分注位置に来たコントロール検体ラック77上のコントロール検体は、分注器48aのピペットノズルによって反応容器46aに所定量ピペッティング分注される。この反応容器46aには、反応容器列上の所定の位置で分析項目に対応する試薬が吐出され、反応が進行される。所定時間後、反応容器46a内の反応液は多波長光度計15aによって光学的特性が測定される。
多波長光度計15aから出力された信号は、分析ユニット側コンピュータ6Aによる制御下で対数変換器30a及びアナログ・ディジタル変換器31aの処理を受ける。このデータに基づいて、分析ユニット側コンピュータ6Aにおいて、精度管理の成否が判定される。ここで、精度管理の成功とは、精度が測定され、測定された精度が所定の精度を保っている状態をいう。精度管理の失敗とは、精度が測定されない、あるいは、測定された精度が所定の精度を保っていない状態をいう。判定された精度管理の成否は、全体制御用コンピュータ40に送信される。
なお、分析ユニット側コンピュータ6Aは精度管理の成否の判定を行なわず、測定できたかできないかの情報、測定できた場合の測定値の情報のみを全体制御用コンピュータ40に送信し、全体制御用コンピュータ40において精度管理の成否の判定を行なうようにしてもよい。
ディスペンサ方式の分析ユニット3F及び3Gも分析ユニット3Aと同様の構成である。
次に、ピペッタ方式の分析ユニットの構成例を、図3を参照して説明する。分析ユニット3Bの反応部5Bに配列された反応容器46b内では、所定の分析項目に関する検体と試薬の反応が進められる。主搬送ライン20からサンプリングライン4B(図1)に移された患者検体ラック1は、分注位置に位置づけられ、分注器48bのピペットノズルにより指示されている検体が採取され、反応容器46bへ検体の所定量が吐出される。分注器48bはピペッタポンプ47bを有する。反応部5Bは恒温槽10から供給される恒温液によって一定温度(例えば37℃)に保たれる。
図3の分析ユニットのピペッタ方式試薬供給部26は、第1試薬用と第2試薬用の二つの試薬ディスク26A及び26Bを具備する。多数の種類の分析項目のために準備された各種の試薬を含む試薬ボトル12A及び12Bには、それらの外壁面に試薬識別情報がバーコードによって表示されている。試薬ボトル12A及び12Bが試薬ディスク26A及び26Bに載置された後、各試薬ボトルの試薬識別情報がバーコード読取装置23A及び23Bによって読取られ、その情報が該試薬ボトルの試薬ディスク上のセット位置,対応分析項目,該試薬ボトルがセットされた分析ユニット番号などと共に記憶部45に登録される。試薬分注器8A及び8Bは、旋回及び上下動可能な各ピペッタノズルに接続された試薬用ピペットポンプ11を具備する。
患者検体を分注された反応容器46bの列は回転移動され、分析項目の種類に応じて試薬吸入位置に位置づけられた試薬ボトル12Aから試薬分注器8Aにより所定量の試薬液が吸入され、その第1試薬が試薬添加位置にある反応容器46bに吐出される。攪拌位置にて攪拌機構13Aにより内容物が攪拌された後、反応容器列は複数回移送され、反応容器46bが第2試薬添加位置に達すると、試薬分注器8Bは分析項目に応じて試薬吸入位置に位置づけられた試薬ボトル12Bから試薬液を吸入し該反応容器にその試薬を吐出する。次いで反応容器の内容物は攪拌機構13Bによって攪拌される。その後、反応容器列の回転移送に伴って反応容器46bは光源14bからの光束を通過し、反応容器46bの反応液を透過した光が多波長光度計15bによって検出される。
分析項目に対応する波長の信号は、分析ユニット側コンピュータ6Bによって制御される対数変換器30b及びアナログ・ディジタル変換器31bによって処理され、ディジタル信号が全体制御用コンピュータ40へ送信される。測定済の反応容器46bは、洗浄機構19bによって洗浄され、再使用される。
分析ユニット3Bにおけるキャリブレーションが必要な場合には、標準液ラック74が分析ユニット3Bのサンプリングライン4Bに移載される。標準液ラック74は、分注位置に位置づけられ、分注器48bのピペットノズルにより指示されている標準液が採取され、反応容器46bへ標準液の所定量が吐出される。この標準液について、上述の患者検体の反応と同様に反応が進められる。反応液の波長の信号は、分析ユニット側コンピュータ6Bによって制御される対数変換器30b及びアナログ・ディジタル変換器31bによって処理される。このデータに基づいて、分析ユニット側コンピュータ6Bにおいて検量線の式を求めて検量線を作成し、キャリブレーションの成否が判定されて、この成否が全体制御用コンピュータ40に送信される。分析ユニット側コンピュータ6Bには、過去に経験的に得られた検量線のデータと、逸脱許可範囲に関するデータを備えておき、このデータに基づいて、キャリブレーションの成否を判定する。
なお、分析ユニット側コンピュータ6Bはキャリブレーションの成否の判定を行なわず、得られた検量線の式に関する情報を全体制御用コンピュータ40に送信し、全体制御用コンピュータ40において、過去に経験的に得られた検量線のデータと、逸脱許可範囲に関するデータを備えておき、キャリブレーションの成否の判定を行なうようにしてもよい。
分析ユニット3Bにおける精度管理が必要な場合には、コントロール検体ラック77が分析ユニット3Bのサンプリングライン4Bに移載される。コントロール検体ラック77は、分注位置に位置づけられ、分注器48bのピペットノズルにより指示されているコントロール検体が採取され、反応容器46bへコントロール検体の所定量が吐出される。このコントロール検体について、上述の患者検体の反応と同様に反応が進められる。
反応液の波長の信号は、分析ユニット側コンピュータ6Bによって制御される対数変換器30b及びアナログ・ディジタル変換器31bによって処理される。このデータに基づいて、分析装置側コンピュータ6Aにおいて所定の精度が保たれているかが判定されて、この結果が全体制御用コンピュータ40に送信される。
なお、分析ユニット側コンピュータ6Aは所定の精度が保たれているかの判定を行なわず、測定値のみを全体制御用コンピュータ40に送信し、全体制御用コンピュータ40において所定の精度が保たれているかの判定を行なうようにしてもよい。
分析ユニット3C,3D及び3Eは、分析ユニット3Bと同様の構成を有する。
次に、図1の実施例装置の動作を説明する。
検体ラック1がラック送出部17にセットされる前、標準液ラック74およびコントロール検体ラック77が待機ユニット70にセットされる前に、各検体に対して依頼元から検査指示依頼された分析項目が、各検体番号と共に予め操作部42から全体制御用コンピュータ40に登録される。それぞれの分析項目の分析条件情報、キャリブレーションに関する情報、精度管理に関する情報は、フロッピーディスクメモリ41に記憶されている。同一の分析項目が2つ以上の分析ユニットに割り当てられた場合に、複数の分析ユニットで共通に使用されるべき分析条件情報は、使用する試薬,光度計における測定波長,検体採取量などである。
キャリブレーションに関する情報としては、キャリブレーション時間間隔、キャリブレーション実行形式(使用する標準液又はキャリブレータ)、検量線の作成方法、検量線の許容範囲に関する情報、キャリブレーション実行条件(どのような場合にキャリブレーションを実行するか)等がある。精度管理に関する情報としては、精度管理時間間隔、精度管理実行形式(使用するコントロール検体)、精度の許容範囲に関する情報、精度管理実行条件(どのような場合に精度管理を実行するか)等がある。このうち、検量線の作成方法、検量線の許容範囲に関する情報、精度の許容範囲に関する情報は、分析ユニット側コンピュータ6A〜6Gの図示せぬ記憶手段にも記憶される。
分析条件情報の内、各試薬ボトルに対応して記憶されている情報は、第1試薬から第4試薬までの必要な試薬数,5桁の数字からなる試薬ボトルのコード,試薬の分注量,1つの試薬ボトル当りの分析可能なテスト数などである。
各分析ユニット3A〜3Gの試薬供給部26〜29,32〜34に試薬ボトルが収納されるのに伴って各試薬ボトルの試薬識別情報が分析ユニット番号と対応づけられて全体制御用コンピュータ40に登録される。この場合、同じ検体種を扱う同じグループの複数の分析装置に同一種の分析項目用の試薬が収納される。ここでは、血清検体を全ての分析ユニット3A〜3Gで扱うものとする。その内、分析ユニット3Aの試薬供給部32には、例えば検体依頼数の多い肝機能検査項目であるGOT,GPT及び緊急検査項目であるカルシウム,UA,BUNのための試薬ボトルが収納される。分析ユニット3Bの試薬供給部26には、例えば肝機能検査項目であるGOT,GPT及び検査依頼数の少ない他の分析項目のための試薬ボトルが収納される。分析ユニット3Cの試薬供給部27には、例えば緊急検査項目であるカルシウム,UA,BUN及び検査依頼数の少ない他の分析項目のための試薬ボトルが収納される。従って、肝機能検査項目は、2台の分析ユニット3A及び3Bによって分析処理可能になる。また、緊急検査項目は、2台の分析ユニット3A及び3Cによって分析処理可能になる。何台の分析ユニットにどのような分析項目用の試薬を重複させて収納するかは、それぞれの施設の検査室の実情に応じてオペレータにより決定される。
各試薬ボトル12,12A,12Bが各試薬供給部に収納されるのに伴って、試薬ボトルに設けられた試薬識別情報が読取られ、試薬ボトルコードをキイとして、分析条件情報として既に登録されている情報が検索され、その試薬ボトルに対応する分析項目,ボトルの大きさ,分析可能なテスト回数,試薬ボトルのセット位置などがそれぞれ関係づけられて全体制御用コンピュータ40に登録される。同時に、同種の分析項目の分析処理が可能な複数の分析ユニットにおける同種の分析項目用の試薬ボトル全数に基づく最大分析可能回数も登録され、必要に応じてCRT43に表示される。
各分析ユニットにとって必要な分析項目用の対応試薬が収納された後、検体の分析処理に先立って各分析ユニット毎に、その分析ユニットによって分析処理可能な全分析項目のためのキャリブレーションがそれぞれ実行される。分析ユニット側コンピュータは、キャリブレーションの成否を判定する。2つ以上の分析ユニットに対して同一分析項目が夫々割り当てられている場合には、同じ標準液がそれらの分析ユニットに立ち寄って夫々サンプリングされる。
キャリブレーションの実行が成功して終了した場合には、キャリブレーションが成功した旨と、キャリブレーション結果として得られた検量線の式とを、全体制御コンピュータ40の記憶部45に記憶せしめる。キャリブレーション結果は、各分析ユニットにおいて該当する分析項目が分析処理されたときの濃度演算に使用される。
キャリブレーションの実行が失敗して終了した場合には、分析ユニット側コンピュータは、全体制御コンピュータ40にキャリブレーションが失敗した旨を送信する。全体制御コンピュータ40は、キャリブレーションが失敗した旨を、CRT43のキャリブレーション支援画面(後述)に表示する。このキャリブレーション支援画面には、キャリブレーションが失敗した分析項目についての情報を表示させる指示を入力するための領域としてボタンが表示されており、オペレータが、操作部42を介してこのボタンについて表示指示を入力すると、失敗した分析項目についての情報を表示すると共に、失敗したキャリブレーションを再実行するための処理が起動される。
すべての分析ユニットにおける全分析項目のためのキャリブレーションの実行が成功して終了した場合には、各分析ユニット毎に、その分析ユニットによって分析処理可能な全分析項目のための精度管理がそれぞれ実行される。分析ユニット側コンピュータは、精度管理の成否を判定し、判定された成否を全体制御コンピュータ40に送信する。
精度管理の実行が失敗して終了した場合には、全体制御コンピュータ40は、精度管理が失敗した旨を、CRT43の精度管理支援画面(後述)に表示する。この精度管理支援画面には、精度管理が失敗した分析項目についての情報を表示させる指示を入力するための領域としてボタンが表示されており、オペレータが、操作部42を介してこのボタンについて表示指示を入力すると、失敗した分析項目についての情報を表示すると共に、失敗した精度管理を再実行する。
すべての分析ユニットにおける精度管理の実行が成功して終了した場合には、各分析ユニット毎に、その分析ユニットによって分析処理可能な分析項目の分析処理が開始される。
分析処理が開始されると、ラック送出部17上におかれた検出ラック1の内の1つが主搬送ライン20の方へ押し出されたのに伴って、その検体ラック1の識別情報又は検体容器2の識別情報が識別情報読取装置50によって読取られる。読取られた情報に基づいて該検体ラック1上の検体種別が全体制御用コンピュータ40によって判定され、その検体種のために予め条件設定されている分析ユニットグループが選定され、その後の判断結果によりその分析ユニットグループの内の1つが検体搬送先として決定される。ここでは、例えば血清検体が判定され、その検体ラックが搬送されるべき分析ユニット3A,3B,3Cのグループが選定されるものとする。
さらに、検体識別情報の読取りに伴って検体番号及び分析項目の登録状況が照合され、検体ラック1上の各検体のために測定指示されている分析項目が判定され、各検体の各分析項目が分析ユニット3A,3B及び3Cの内のいずれかによって分析処理すべきかが、全体制御用コンピュータ40によって判断される。この場合、全体制御用コンピュータ40は、各分析ユニットに対して既に分析処理が指示されている分析項目数及びそれらの検体の分注終了までにどの程度の時間を要するかを監視している。特に、複数の分析ユニットによる分析処理が可能な特定の分析項目に関しては、いずれの分析ユニットによって該分析項目を分析処理させることが効率的であるかが判断される。例えば、特定分析項目であるGOT及びGPTに関し、その時点で処理待ち検体数が最も少ない分析ユニットは3Aと3Bのいずれであるかが判断され、待ち時間の少ない方が指定分析ユニットとされる。
このような複数の分析ユニット同士の多忙度の程度に応じて特定分析項目を分析処理すべき分析ユニットを自動的に指定する方法以外に、操作者が予め操作部42から各分析項目の処理に使用すべき分析ユニットの優先順位を入力しておく指定方法も可能である。
特定分析項目を分析すべき検体を有し搬送先(例えば分析ユニット3B)が決定された検体ラック1は、指定された分析ユニット3Bまで主搬送ライン20によって連続搬送され、分析ユニット3Bのサンプリングライン4Bへの搬入口前で停止される。次いで、検体ラック1は、サンプリングライン4Bに移され、分注位置にて所定の検体が検体分注器48bによって反応部5Bに分注された後、主搬送ライン20に戻される。検体ラック1上の検体に他の分析ユニット3Cによって分析処理されるべき分析項目が残っている場合には、検体ラック1は、主搬送ライン20により分析ユニット3Cまで搬送され、サンプリングライン4Cに移されて検体分注される。
各分析ユニットにおける各分析項目用の試薬ボトル内の試薬残量は、全体制御用コンピュータ40によって監視されている。試薬残量の監視方法としては、試薬ピペットノズルに設けられた液面検出器により当該試薬の分注の際に試薬ボトル内の試薬液面を検知することに基づく方法や、当該試薬の分注の都度、予め入力されている分析可能回数を減算していく方法が採用される。いずれの方法による場合も、その分析項目用の試薬量が不足するか否かは、分析可能回数の残数が所定値に達したか否かを全体制御用コンピュータ40によって判定することによって判断される。この場合の所定値は、残数がゼロ回,1回,2回など少ない回数が設定される。
また、例えば、指定分析ユニット3BのGOT試薬が不足であると判断された場合、分析ユニット3BによるGOTの分析処理が停止されると共に、同時にGOT試薬が充分に残っている分析ユニット3AによるGOTの分析処理が可能になるように分析ユニットの切替動作が制御される。よって、その後にGOTを分析処理すべき検体は、次の優先順位である別の分析ユニット3Aへ搬送されてGOTの分析処理がなされる。
図1の実施例における制御装置は、各分析項目の分析処理、キャリブレーション、精度管理をいずれの分析ユニットに指示しているかを把握しており、それらのデータは記憶部45に格納されている。全体制御用コンピュータ40は、各分析項目の分析処理、キャリブレーション、精度管理がどの分析ユニットによって処理されているかという情報をメモリテーブルに記憶しており、操作者からの要求があったときにその情報を一覧表にしてCRT43に図面表示せしめる。
図1の実施例装置では、各分析ユニット3A〜3Gに対し、それぞれの運転の起動及び停止を操作部42のキイ操作によって指示することができ、このような操作部からの指示情報に基づいて全体制御用コンピュータ40は、運転停止された分析ユニットを除く残りの分析ユニットだけにラック送出部17からの検体ラック1を主搬送ライン20を介して搬送せしめる。特に、夜間のように、依頼検体数が少なく緊急を要する検体の検査業務が主となる時間帯の場合には、最小限必要な分析ユニットだけを運転状態にし、残りの分析ユニットを停止せしめるように運用できる。依頼検体数が増大する時間帯には、停止していた複数の分析ユニットが再稼働される。
また、図1の実施例装置では、いずれかの分析ユニットに異常事態が発生して当該分析ユニットによる分析処理が不能になった場合に、同じ分析処理を別の分析ユニットによって肩代わりするように制御装置が別の分析ユニットへの検体ラックの搬送と別の分析ユニットによる分析処理を指示する。例えば、2台の分析ユニット3Bと3Cに複数の分析項目用の試薬を重複してセットしておくことにより、複数の分析項目に対する分析操作を中断せずに分析処理することができる。
上記のように自動分析装置において分析処理を行なっている途中、各分析項目に対して予め定まっている所定の時間間隔ごとに、又は所定検体数ごとに、キャリブレーション及び精度管理を行なわなければならない。また、試薬ボトル内の試薬が消費され、試薬ボトルを追加する場合にも、追加された試薬ボトル内の試薬に対して、キャリブレーションを行なわなければならない場合がある。
本発明の自動分析装置支援システムは、上記のような自動分析装置における分析処理に先立って、または自動分析装置における分析処理の途中で、キャリブレーション及び精度管理を行なうための支援システムであり、以下、この支援システムについて説明する。
まず、本支援システムが、自動分析装置のCRT43上に表示するキャリブレーション支援画面について説明する。この支援画面は、キャリブレーション状態の点検画面として機能する。
図4に上記キャリブレーション支援画面の一例を示す。画面上の表示入力一体となったボタンであるCalibrationボタン423が、オペレータにより指示されると、Calibrationボタン423の表示が反転されると共に、キャリブレーション支援画面が表示される。この画面上で、キャリブレーション状態の点検画面としての表示部分は、表示領域400と表示領域410を含む部分であり、まず、これらの表示領域について説明する。
Calibrationボタン423が、オペレータにより指示され、キャリブレーション支援画面が表示された時点においては、表示領域410内の表示は、まだなされていない。キャリブレーション支援画面上には、表示領域410以外の表示がなされている。
表示領域400内には、キャリブレーションの複数状態の分類に対応して設けられる複数の分類見出し、すなわち、分析装置の状態を予め分類して象徴する複数の指標である表示ブロック401〜404が表示される。さらに、表示領域400内には、それらの表示ブロックに対応して設けられて表示指示を受け付ける指示ボタンもしくは受け付けボタン405〜408が表示される。分類見出しとしての表示ブロック401〜404は、各々、分析装置の状態が当該表示ブロックが象徴している事象を含む場合、それ自身の表示態様が変更される。
表示領域400内のPre-Setting表示ブロック401は、自動分析装置におけ
る分析処理に先立って行なうべきキャリブレーション等、定常的に行なう必要があるキャリブレーションに対応する分析項目が登録された場合に点滅する。Pre-Setting表示ブロック401が点滅した場合に、オペレータがボタン405を指示すると、表示領域410内に、定常的に行なう必要があるキャリブレーションの分析項目名が表示されると共に、表示された分析項目のキャリブレーションが起動される。
表示領域400内のCalib.Now表示ブロック402は、キャリブレーションの時間間隔が過ぎた分析項目が存在する場合に点滅する。Calib.Now表示ブロック402が点滅した場合に、オペレータがボタン406を指示すると、表示領域410内に、該当する分析項目名が表示されると共に、表示された分析項目のキャリブレーションが起動される。
表示領域400内のCalib.Failed表示ブロック403は、キャリブレーションの失敗が発生した分析項目が存在する場合に点滅する。Calib.Failed表示ブロック403が点滅した場合に、オペレータがボタン407を指示すると、表示領域410内に、該当する分析項目名が表示されると共に、表示された分析項目のキャリブレーションが起動される。
表示領域400内のChange Over表示ブロック404は、試薬ボトルの追加に伴うキャリブレーションの必要性が発生した分析項目が存在する場合に点滅する。Change Over表示ブロック404が点滅した場合に、オペレータがボタン408を指示すると、表示領域410内に、新たな試薬が加えられた分析項目名が表示されると共に、表示された分析項目のキャリブレーションが起動される。
次に、表示領域410内に表示される内容について説明する。Test411の欄には、キャリブレーションを行なうべき分析項目名を表示する。A.Unit412の欄には、キャリブレーションを行なうべき分析ユニット名を表示する。Blank413の欄には、行なうべきキャリブレーションが、1種類の濃度0の標準液を使用するキャリブレーションである場合に、経過時間/キャリブレーションのインターバル(有効時間)が、表示される。Span414の欄には、行なうべきキャリブレーションが、1種類の濃度0でない既知濃度の標準液を使用するキャリブレーションである場合に、経過時間/キャリブレーションのインターバル(有効時間)が、表示される。2 Points415の欄には、行なうべきキャリブレーションが、2種類の既知濃度の標準液を使用するキャリブレーションである場合に、経過時間/キャリブレーションのインターバル(有効時間)が、表示される。Full416の欄には、行なうべきキャリブレーションが、3種類以上の既知濃度の標準液を使用するキャリブレーションである場合に、経過時間/キャリブレーションのインターバル(有効時間)が、表示される。
図4においては、分析項目AST、ALT、ALPのキャリブレーションを、分析ユニット3Dにおいて、1種類の濃度0の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、AST、ALT、ALP共に10/100であることが表示されている。また、分析項目LDHのキャリブレーションを、分析ユニット3Eにおいて、1種類の濃度0の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、15/100であることが表示されている。さらに、分析項目TPのキャリブレーションを、分析ユニット3Eにおいて、1種類の濃度0でない既知濃度の標準液、または2種類の既知濃度の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、1種類の濃度0でない既知濃度の標準液を使用する場合には15/100、2種類の既知濃度の標準液を使用する場合には115/200であることが表示されている。さらに、分析項目UNのキャリブレーションを、分析ユニット3Fにおいて、1種類の濃度0の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、15/100であることが表示されている。さらに、分析項目CREのキャリブレーションを、分析ユニット3Fにおいて、1種類の濃度0でない既知濃度の標準液、または2種類の既知濃度の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、1種類の濃度0でない既知濃度の標準液を使用する場合には15/100、2種類の既知濃度の標準液を使用する場合には115/200であることが表示されている。さらに、分析項目CRPのキャリブレーションを、分析ユニット3Dにおいて、2種類の既知濃度の標準液、または3種類以上の既知濃度の標準液を使用して行なう必要があり、経過時間/キャリブレーションのインターバルは、2種類の既知濃度の標準液を使用する場合には50/100、3種類以上の既知濃度の標準液を使用する場合には50/200であることが表示されている。
ボタン405からボタン408のいずれかが指示されて、表示領域410に該当する状態にある分析項目のリストが表示されると同時に、各分析項目のキャリブレーションに必要な標準液に関する情報を各分析項目に対応させて、プリンタ44から出力するようにしてもよい。
また、表示領域410内に表示される分析項目数が多く、全てを一度に表示することができない場合には、ボタン451およびボタン452によって、スクロールさせて分析項目を表示することができる。
次に、上記以外にキャリブレーション支援画面に表示されているボタンについて説明する。Work Placeボタン421がオペレータにより指示されると、機能画面を表示する。Reagentボタン422がオペレータにより指示されると、試薬ボトルの管理画面を表示する。Quality Controlボタン424がオペレータにより指示されると、精度管理支援画面(これについては、後述する)を表示する。Utilityボタン425がオペレータにより指示されると、装置を動かすための基本的セッティングを行なうためのシステム設定画面を表示する。Caliburation Traceボタン431がオペレータにより指示されると、過去に行なったキャリブレーションの来歴を表示する。Instrument Factorボタン432がオペレータにより指示されると、各分析ユニットの偏りを補正するためのファクターを表示する。Reaction Monitorボタン433がオペレータにより指示されると、各分析項目ごとの反応の様子をチェックするためのデータを表示する。Working Informationボタン434がオペレータにより指示されると、キャリブレーション結果の詳細な情報を表示する。Saveボタン435がオペレータにより指示されると、画面に表示されたリストを保存する。Helpボタン436がオペレータにより指示されると、ヘルプ情報を表示する。
Stopボタン441は、自動分析装置を停止させるためのボタンである。Log offボタン442は、表示画面上から抜けるためのボタンである。S.Stopボタン443は、サンプリングを停止させるためのボタンであり、Alarmボタン444は、装置の異常を知らせるためのボタンである。System Overviewボタン445は、ラックが正常に流れているかを知るために、ラックの動きの様子を表示するためのボタンである。Printボタン446は、印字を指示するためのボタンであり、Startボタン447は、自動分析装置を起動させるためのボタンである。
次に、本支援システムが、自動分析装置のCRT43上に表示する精度管理支援画面について説明する。この支援画面は、精度管理状態の点検画面として機能する。
図5に上記精度管理支援画面の一例を示す。画面上の表示入力一体となったボタンであるQuality Controlボタン524が、オペレータにより指示されると、Quality Controlボタン524の表示が反転されると共に、精度管理支援画面が表示される。この画面上で、精度管理状態の点検画面としての表示部分は、表示領域500と表示領域510を含む部分であり、まず、これらの表示領域について説明する。
Quality Controlボタン524が、オペレータにより指示され、精度管理支援画面が表示された時点においては、表示領域510内の表示は、まだなされていない。精度管理支援画面上には、表示領域510以外の表示がなされている。
表示領域500内には、精度管理の複数状態の分類に対応して設けられる複数の分類見出し、すなわち、分析装置の状態を予め分類して象徴する複数の指標である表示ブロック501〜503が表示され、さらに、それらの表示ブロックに対応して設けられて表示指示を受け付ける指示ボタンもしくは受け付けボタン505〜407が表示される。分類見出しとしての表示ブロック501〜503は、各々、分析装置の状態が当該表示ブロックが象徴している事象を含む場合、それ自身の表示態様が変更される。
表示領域500内のPre-Setting表示ブロック501は、自動分析装置における分析処理に先立って行なうべき精度管理等、定常的に行なう必要がある精度管理に対応する分析項目が登録された場合に点滅する。Pre-Setting表示ブロック501が点滅した場合に、オペレータがボタン505を指示すると、表示領域510内に、定常的に行なう必要がある精度管理の分析項目が表示されると共に、表示された分析項目の精度管理が起動される。
表示領域500内のTime-over表示ブロック502は、精度管理の有効時間が過ぎた場合に点滅する。Time-over表示ブロック502が点滅した場合に、オペレータがボタン506を指示すると、表示領域510内に、行なう必要がある精度管理の分析項目が表示されると共に、表示された分析項目の精度管理が起動される。
表示領域500内のQC.Failed表示ブロック503は、精度管理の失敗が発生した場合に点滅する。QC.Failed表示ブロック503が点滅した場合に、オペレータがボタン507を指示すると、表示領域510内に、行なう必要がある精度管理の分析項目が表示されると共に、表示された分析項目の精度管理が起動される。
次に、表示領域410内に表示される内容について説明する。Test511の欄には、精度管理を行なうべき分析項目を表示する。A.Unit512の欄には、精度管理を行なうべき分析ユニット名を表示する。Control513の欄には、行なうべき精度管理に使用するコントロール検体の名称が表示される。Type514の欄には、行なうべき精度管理に使用するコントロール検体の濃度の種類を規定するタイプが表示される。Lot515の欄には、行なうべき精度管理に使用するコントロール検体の製造ロット番号が表示される。Time Out516の欄には、行なうべき精度管理の経過時間/精度管理のインターバル(有効時間)が、表示される。
図5においては、分析項目AST、ALT、ALPの精度管理を、分析ユニット3Dにおいて、Ctrl-1という名称およびSer/Plというタイプでロット番号X970400のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、AST、ALT、ALP共に10/100であることが表示されている。また、分析項目LDHの精度管理を、分析ユニット3Eにおいて、Ctrl-2という名称およびSer/Plというタイプでロット番号S668795のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、50/60であることが表示されている。さらに、分析項目TPの精度管理を、分析ユニット3Eにおいて、Ctrl-2という名称およびSer/Plというタイプでロット番号S668795のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、50/60であることが表示されている。さらに、分析項目UNの精度管理を、分析ユニット3Fにおいて、Ctrl-Uという名称およびUrinというタイプでロット番号V846852のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、10/60であることが表示されている。さらに、分析項目CREの精度管理を、分析ユニット3Fにおいて、Ctrl-2という名称およびSer/Plというタイプでロット番号S668795のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、50/60であることが表示されている。さらに、分析項目CRPの精度管理を、分析ユニット3Dにおいて、Ctrl-Mという名称およびSer/Plというタイプでロット番号M970123のコントロール検体を使用して行なう必要があり、経過時間/精度管理のインターバルは、10/60であることが表示されている。
ボタン505からボタン507のいずれかが指示されて、表示領域510に分析項目のリストが表示されると同時に、各分析項目の精度管理に必要なコントロール検体に関する情報を各分析項目に対応させて、プリンタ44から出力するようにしてもよい。
また、表示領域510内に表示される分析項目数が多く、全てを一度に表示することができない場合には、ボタン551およびボタン552によって、スクロールさせて分析項目を表示することができる。
次に、上記以外に精度管理支援画面に表示されているボタンについて説明する。Selectボタン531がオペレータにより指示されると、画面に表示されたリストを編集することができる。Selectボタン531がオペレータにより指示されると、画面に表示されたリストを編集することができる。Saveボタン532がオペレータにより指示されると、画面に表示されたリストを保存する。Helpボタン533がオペレータにより指示されると、ヘルプ情報を表示する。
次に、本支援システムの動作について説明する。記憶部45に、本支援システムの動作を規定したプログラムが格納されており、全体制御用コンピュータ40が、このプログラムを読みだして実行することにより、本支援システムの動作がなされる。
図6は、本支援システムの動作の概略を示すフローチャートである。本支援システムは、まず、ステップ610で、キャリブレーションプリセッティング処理ルーチンを呼び出す。次に、ステップ620で、精度管理プリセッティング処理ルーチンを呼び出す。この後に、ステップ630で分析監視処理ルーチンを呼び出して実行し終了する。
図7および図8は、上記ステップ610で起動されるキャリブレーションプリセッティング処理ルーチンの詳細フローチャートである。キャリブレーションプリセッティング処理ルーチンは、まず、ステップ710で、定常的にキャリブレーションを行なうべき分析項目であるキャリブレーションプリセッティング項目の入力を受け付ける。キャリブレーションプリセッティング項目は、オペレータにより操作部42から入力される。
なお、キャリブレーションプリセッティング項目は、日々変更がなければ、一旦入力したものを更新するようにしてもよい。また、一部の項目について増減等の変更があれば、その項目についてのみ入力を行って、他は更新処理するようにしてもよい。
次に、ステップ720で、入力されたキャリブレーションプリセッティング項目を記憶部45に記憶する。キャリブレーションプリセッティング項目が記憶部45に記憶されると、ステップ730で、図4のキャリブレーション支援画面上のPre-setting表示ブロック401を点滅させる。次に、ステップ740で、オペレータによるボタン405の指示(キャリブレーションプリセッティング項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ740において、オペレータによるボタン405の指示が無かったと判定された場合には、表示指示の入力を待つ。ステップ740において、オペレータによるボタン405の指示があったと判定された場合には、ステップ750へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に、キャリブレーションプリセッティング項目を表示する。
次に、ステップ810で、キャリブレーションプリセッティング項目の内の1つのキャリブレーションの実行を指示する。そして、ステップ820で、当該キャリブレーション(ステップ810で実行を指示されたキャリブレーション)が成功したか否かを判定する。ステップ820で、当該キャリブレーションが失敗したと判定された場合には、ステップ870へ進み、キャリブレーション失敗処理ルーチンを呼び出して実行した後、ステップ820へ戻る。ステップ820で、当該キャリブレーションが成功したと判定された場合には、ステップ830へ進み、当該キャリブレーションの分析項目に対して記憶部45に記憶されている、キャリブレーション時刻をリセットする。
次に、ステップ840で、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に表示されているキャリブレーションのプリセッティング項目の内、当該キャリブレーションの分析項目についての表示を消去する。次に、ステップ850で、記憶部45に記憶されたプリセッティング項目の内、当該キャリブレーションの分析項目についての記憶を消去する。
次に、ステップ860で、キャリブレーションのプリセッティング項目の内の、すべての分析項目についてのキャリブレーションが終了したか否かを判定する。ステップ860で、プリセッティング項目の内、まだキャリブレーションが終了していない分析項目が存在すると判定された場合には、ステップ810へ戻る。ステップ860で、プリセッティング項目の内、すべての分析項目についてのキャリブレーションが終了したと判定された場合には、リターンする。
次に、図9は、上記キャリブレーションプリセッティング処理ルーチン中のステップ870で起動されるキャリブレーション失敗処理ルーチンの詳細フローチャートである。キャリブレーション失敗処理ルーチンは、まず、ステップ910で、キャリブレーションが失敗した分析項目を、キャリブ・フェイルド項目として、記憶部45に記憶する。次に、ステップ920で、図4のキャリブレーション支援画面上のCalib.Failed表示ブロック403を点滅させる。次に、ステップ930で、オペレータによるボタン407の指示(キャリブ・フェイルド項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ930において、オペレータによるボタン407の指示が無かったと判定された場合には、表示指示入力を待つ。ステップ930において、オペレータによるボタン407の指示があったと判定された場合には、ステップ940へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に、キャリブ・フェイルド項目を表示する。次に、ステップ950で、当該キャリブ・フェイルド項目のキャリブレーションの実行を指示する。この後、ステップ960へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に表示されているキャリブ・フェイルド項目の表示の内の当該キャリブレーションの分析項目を消去する。次に、ステップ970で、記憶部45に記憶されたキャリブ・フェイルド項目の内の当該キャリブレーションの分析項目の記憶を消去してリターンする。
図10および図11は、上記図6の、本支援システムの動作の概略を示すフローチャートのうちのステップ620で起動される精度管理プリセッティング処理ルーチンの詳細フローチャートである。精度管理プリセッティング処理ルーチンは、まず、ステップ1010で、定常的に精度管理を行なうべき分析項目である精度管理プリセッティング項目の入力を受け付ける。精度管理プリセッティング項目は、オペレータにより操作部42から入力される。
次に、ステップ1020で、入力された精度管理プリセッティング項目を記憶部45に記憶する。精度管理プリセッティング項目が記憶部45に記憶されると、ステップ1030で、図5の精度管理支援画面上のPre-setting表示ブロック501を点滅させる。次に、ステップ1040で、オペレータによるボタン505の指示(精度管理プリセッティング項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ1040において、オペレータによるボタン505の指示が無かったと判定された場合には、表示指示入力を待つ。ステップ1040において、オペレータによるボタン505の指示があったと判定された場合には、ステップ1050へ進み、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に、精度管理プリセッティング項目を表示する。
次に、ステップ1110で、精度管理プリセッティング項目の内の1つの精度管理の実行を指示する。そして、ステップ1120で、当該精度管理(ステップ1110で実行を指示された精度管理)が成功したか否かを判定する。ステップ1120で、当該精度管理が失敗したと判定された場合には、ステップ1170へ進み、精度管理失敗処理ルーチンを呼び出して実行した後、ステップ1120へ戻る。ステップ1120で、当該精度管理が成功したと判定された場合には、ステップ1130へ進み、当該精度管理の分析項目に対して記憶部45に記憶されている、精度管理時刻をリセットする。次に、ステップ1140で、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に表示されている精度管理プリセッティング項目の内、当該精度管理の分析項目についての表示を消去する。次に、ステップ1150で、記憶部45に記憶された精度管理プリセッティング項目の内、当該精度管理の分析項目についての記憶を消去する。
次に、ステップ1160で、精度管理プリセッティング項目の内の、すべての分析項目についての精度管理が終了したか否かを判定する。ステップ1160で、精度管理プリセッティング項目の内、まだ精度管理が終了していない分析項目が存在すると判定された場合には、ステップ1110へ戻る。ステップ1160で、精度管理プリセッティング項目の内、すべての分析項目についての精度管理が終了したと判定された場合には、リターンする。
次に、図12は、上記精度管理プリセッティング処理ルーチン中のステップ1170で起動される精度管理失敗処理ルーチンの詳細フローチャートである。精度管理失敗処理ルーチンは、まず、ステップ1210で、精度管理が失敗した分析項目を、QCフェイルド項目として、記憶部45に記憶する。次に、ステップ1220で、図5の精度管理支援画面上のQCFailed表示ブロック503を点滅させる。次に、ステップ1230で、オペレータによるボタン507の指示(QCフェイルド項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ1230において、オペレータによるボタン507の指示が無かったと判定された場合には、表示指示の入力を待つ。ステップ1230において、オペレータによるボタン507の指示があったと判定された場合には、ステップ1240へ進み、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に、QCフェイルド項目を表示する。
次に、ステップ1250で、当該QCフェイルド項目の精度管理の実行を指示する。この後、ステップ1260へ進み、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に表示されているQCフェイルド項目の表示の内の当該精度管理の分析項目を消去する。次に、ステップ1270で、記憶部45に記憶されたQCフェイルド項目の内の当該精度管理の分析項目の記憶を消去してリターンする。
図13は、上記図6の、本支援システムの動作の概略を示すフローチャートのうちのステップ630で起動される分析監視処理ルーチンの詳細フローチャートである。分析監視処理ルーチンは、まず、ステップ13010で、自動分析装置の各分析ユニットに対して、分析処理を実行するように指示する。次に、ステップ13020で、精度管理の有効時間が経過した分析項目があるか否かを判定する。ステップ13020で、精度管理の有効時間が経過した分析項目があると判定された場合には、ステップ13060へ進み、精度管理有効時間オーバー処理ルーチンを呼び出して実行する。
次に、ステップ13070で、精度管理有効時間オーバー処理ルーチン中で実行された精度管理が成功したか否かを判定する。ステップ13070で、精度管理有効時間オーバー処理ルーチン中で実行された精度管理が成功したと判定された場合には、ステップ13090へ進み、記憶部45に記憶されている当該精度管理の分析項目の、精度管理時刻をリセットする。この後、ステップ13010へ戻る。ステップ13070で、精度管理有効時間オーバー処理ルーチン中で実行された精度管理が失敗したと判定された場合には、ステップ13080へ進み、上述の精度管理失敗処理ルーチンを呼び出して実行した後、ステップ13070へ戻る。ステップ13020で、精度管理の有効時間が経過した分析項目が無いと判定された場合には、ステップ13030へ進む。
ステップ13030においては、キャリブレーションの有効時間が経過した分析項目があるか否かを判定する。ステップ13030において、キャリブレーションの有効時間が経過した分析項目があると判定された場合には、ステップ13100へ進み、キャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチンを呼び出してその分析項目のキャリブレーションを実行する。
次に、ステップ13110で、キャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチン中で実行されたキャリブレーションが成功したか否かを判定する。ステップ13110で、キャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチン中で実行されたキャリブレーションが成功したと判定された場合には、ステップ13130へ進み、記憶部45に記憶されている当該キャリブレーションの分析項目の、キャリブレーション時刻をリセットする。この後、ステップ13010へ戻る。ステップ13110で、キャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチン中で実行されたキャリブレーションが失敗したと判定された場合には、ステップ13120へ進み、上述のキャリブレーション失敗処理ルーチンを呼び出して実行した後、ステップ13110へ戻る。ステップ13030において、キャリブレーションの有効時間が経過した分析項目が無いと判定された場合には、ステップ13040へ進み、試薬不足が発生し試薬ボトルの追加が必要になったか否かを判定する。
ステップ13040で、試薬ボトルの追加が必要でないと判定された場合には、ステップ13050へ進み、すべての分析処理が終了したか否かを判定する。ステップ13050で、まだ、実行すべき分析処理が存在すると判定された場合には、ステップ13020へ戻る。ステップ13050で、すべての分析処理が終了したと判定された場合には、リターンする。ステップ13040で、試薬ボトルの追加が必要であると判定された場合には、ステップ13140へ進み、CRT43上の表示画面に、試薬ボトルの追加が必要である旨を表示する。
次に、ステップ13150で、試薬ボトルが追加されたか否かを判定する。ステップ13150で、試薬ボトルが追加されていないと判定された場合には、ステップ13140へ戻る。ステップ13150で、試薬ボトルが追加されたと判定された場合には、ステップ13160へ進み、試薬ボトルの追加に伴うキャリブレーションの実行の必要性があるか否かを、記憶部45に記憶された情報に基づいて判定する。ステップ13160で、試薬ボトルの追加に伴うキャリブレーションの実行の必要性が無いと判定された場合には、ステップ13010へ戻る。ステップ13160で、試薬ボトルの追加に伴うキャリブレーションの実行の必要性があると判定された場合には、ステップ13170へ進み、チェインジ・オーバー処理ルーチンを呼び出して実行した後、ステップ13110へ進む。
次に、図14は、上記分析監視処理ルーチン中のステップ13060で呼び出される精度管理有効時間オーバー処理ルーチンの詳細フローチャートである。精度管理有効時間オーバー処理ルーチンは、まず、ステップ1410で、精度管理の有効時間が経過した分析項目を、タイム・オーバー項目として、記憶部45に記憶する。次に、ステップ1420で、図5の精度管理支援画面上のTime-over表示ブロック502を点滅させる。次に、ステップ1430で、オペレータによるボタン506の指示(タイム・オーバー項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ1430において、オペレータによるボタン506の指示が無かったと判定された場合には、表示指示の入力を待つ。ステップ1430において、オペレータによるボタン506の指示があったと判定された場合には、ステップ1440へ進み、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に、タイム・オーバー項目を表示する。次に、ステップ1450で、当該タイム・オーバー項目の精度管理の実行を指示する。この後、ステップ1460へ進み、図5の精度管理支援画面上の表示領域510内に表示されているタイム・オーバー項目の表示の内の当該精度管理の分析項目を消去する。次に、ステップ1470で、記憶部45に記憶されたタイム・オーバー項目の内の当該精度管理の分析項目の記憶を消去してリターンする。
次に、図15は、上記分析監視処理ルーチン中のステップ13100で起動されるキャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチンの詳細フローチャートである。キャリブレーション有効時間オーバー処理ルーチンは、まず、ステップ1510で、キャリブレーションの有効時間が経過した分析項目を、キャリブ・ナウ項目として、記憶部45に記憶する。次に、ステップ1520で、図4のキャリブレーション支援画面上のCalib.Now表示ブロック402を点滅させる。次に、ステップ1530で、オペレータによるボタン406の指示(キャリブ・ナウ項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ1530において、オペレータによるボタン406の指示が無かったと判定された場合には、表示指示の入力を待つ。
ステップ1530において、オペレータによるボタン406の指示があったと判定された場合には、ステップ1540へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に、キャリブ・ナウ項目を表示する。次に、ステップ1550で、当該キャリブ・ナウ項目のキャリブレーションの実行を指示する。この後、ステップ1560へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に表示されているキャリブ・ナウ項目の表示の内の当該キャリブレーションの分析項目を消去する。次に、ステップ1570で、記憶部45に記憶されたキャリブ・ナウ項目の内の当該キャリブレーションの分析項目の記憶を消去してリターンする。
次に、図16は、上記分析監視処理ルーチン中のステップ13170で起動されるチェインジ・オーバー処理ルーチンの詳細フローチャートである。チェインジ・オーバー処理ルーチンは、まず、ステップ1610で、試薬ボトルの追加又は更新に伴ってキャリブレーションを実行する必要のある分析項目を、チェインジ・オーバー項目として、記憶部45に記憶する。次に、ステップ1620で、図4のキャリブレーション支援画面上のChange Over表示ブロック404を点滅させる。次に、ステップ1630で、オペレータによるボタン408の指示(チェインジ・オーバー項目の表示指示)があったか否かを判定する。ステップ1630において、オペレータによるボタン408の指示が無かったと判定された場合には、表示指示の入力を待つ。ステップ1630において、オペレータによるボタン408の指示があったと判定された場合には、ステップ1640へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に、チェインジ・オーバー項目を表示する。次に、ステップ1650で、当該チェインジ・オーバー項目のキャリブレーションの実行を指示する。この後、ステップ1660へ進み、図4のキャリブレーション支援画面上の表示領域410内に表示されているチェインジ・オーバー項目の表示の内の当該キャリブレーションの分析項目を消去する。次に、ステップ1670で、記憶部45に記憶されたチェインジ・オーバー項目の内の当該キャリブレーションの分析項目の記憶を消去してリターンする。
図17は、図8のステップ810、図9のステップ950、図15のステップ1550、および図16のステップ1650における、キャリブレーションの実行処理の詳細を示すフローチャートである。
キャリブレーションの実行処理は、まず、ステップ1710で、自動分析装置の起動を指示する。次に、ステップ1720で、記憶部45に格納された、各分析項目と当該分析項目のキャリブレーションに必要な標準液についての情報とが対応して格納されているデータから、実行すべき分析項目のキャリブレーションに必要な標準液ラック74を特定する。また、記憶部45に格納された、各標準液ラックと当該標準液ラックのローター76上の位置(アドレス)とが対応して格納されているデータから、実行すべき分析項目のキャリブレーションに必要な標準液ラック74のローター76上のアドレスを得る。
次に、ステップ1730で、センサ72で位置を検出しつつ駆動手段73によりローター76を回転し、上記アドレスにある標準液ラック74を、主搬送ライン20への投入口前で停止させる。次に、ステップ1740で、上記標準液ラック74を主搬送ライン20上へ投入するように指示する。次に、ステップ1750で、実行すべき分析項目のキャリブレーションを、どの分析ユニットで実行するのかを、記憶部45に格納されたデータに基づいて判定する。
次に、ステップ1760で、キャリブレーションを行なうと判定された分析装置に標準液ラック74を搬送するように、主搬送ライン20を制御する。キャリブレーションを行なうと判定された分析ユニットに上記標準液ラック74が搬送されると、ステップ1770で、該当する分析ユニットに、標準液ラック74上の標準液を使用してキャリブレーションを実行するように指示する。この指示を受けると、上記分析ユニットは、実行すべき分析項目のキャリブレーションを実行する。
図18は、図11のステップ1110、図12のステップ1250、および図14のステップ1450における、精度管理の実行処理の詳細を示すフローチャートである。精度管理の実行処理は、まず、ステップ1810で、自動分析装置の起動を指示する。次に、ステップ1820で、記憶部45に格納された、各分析項目と当該分析項目の精度管理に必要なコントロール検体についての情報とが対応して格納されているデータから、実行すべき分析項目の精度管理に必要なコントロール検体ラック77を特定する。また、記憶部45に格納された、各コントロール検体ラックと当該コントロール検体ラックのローター76上の位置(アドレス)とが対応して格納されているデータから、実行すべき分析項目の精度管理に必要なコントロール検体ラック77のローター76上のアドレスを得る。
次に、ステップ1830で、センサ72で位置を検出しつつ駆動手段73によりローター76を回転し、上記アドレスにあるコントロール検体ラック77を、主搬送ライン20への投入口前で停止させる。次に、ステップ1840で、上記コントロール検体ラック77を主搬送ライン20上へ投入するように指示する。次に、ステップ1850で、実行すべき分析項目の精度管理を、どの分析ユニットで実行するのかを、記憶部45に格納されたデータに基づいて判定する。次に、ステップ1860で、精度管理を行なうと判定された分析ユニットに上記コントロール検体ラック77を搬送するように、主搬送ライン20を制御する。精度管理を行なうと判定された分析ユニットに上記コントロール検体ラック77が搬送されると、ステップ1870で、上記分析ユニットに、コントロール検体ラック77上のコントロール検体を使用して精度管理を実行するように指示する。この指示を受けると、上記分析ユニットは、実行すべき分析項目の精度管理を実行する。
図4における表示ブロック401〜404及び図5における表示ブロック501〜503は、キャリブレーション又は精度管理の必要性の状態に対応した分類見出しである。図4の表示ブロック401〜404及び図5の表示ブロック501〜503の内、画面の上方に位置される表示ブロックは、下方に位置される表示ブロックよりも優先性が高くなるように設定されている。
同一の分析項目に関して、2つ又はそれ以上のキャリブレーション又は精度管理を必要とする分類状態が発生した場合には、該当する2つ又はそれ以上の表示ブロックが点滅する。点滅した表示ブロックの内で、優先性が高い1つの表示ブロックに対応する受付ボタンからキャリブレーション又は精度管理の実行が指示されると、自動分析装置はその指示を実行する。これにより、優先性の低い表示ブロックに対応するキャリブレーション又は精度管理の必要性が解消されるので、指示を受けなかった残りの表示ブロックの点滅状態も消失し、必要性の発生に関する記憶情報が消去される。
なお、本支援システムの動作の説明において、プリセティング項目、キャリブ・ナウ項目、キャリブ・フェイルド項目、チェインジ・オーバー項目、タイム・オーバー項目、QCフェイルド項目とすべき分析項目をそれぞれについて記憶部45に記憶しておき、記憶された分析項目とヒットした場合に、それぞれ、プリセティング項目、キャリブ・ナウ項目、キャリブ・フェイルド項目、チェインジ・オーバー項目、タイム・オーバー項目、QCフェイルド項目とするようにしてもよい。
次に、上記支援システムの動作を実現するために、記憶部45に記憶されているデータの構造について説明する。図19に、このデータの構造を示す。記憶部45には、図19に示すように、キャリブレーション情報1900と精度管理情報1910とが格納されている。キャリブレーション情報1900は、各分析項目ごとに、キャリブレーション時間間隔、前回実行した当該分析項目のキャリブレーションからの経過時間(または、前回実行した当該分析項目のキャリブレーションの時刻)、キャリブレーション実行形式(キャリブレーションで使用する標準液名称、キャリブレーションの方法等)、キャリブレーションパラメータ(検量線の式に関する情報)、キャリブレーション実行条件(どのような場合にキャリブレーションを実行するのかに関する情報)等を格納している。また、精度管理情報1910は、各分析項目ごとに、精度管理時間間隔、前回実行した当該分析項目の精度管理からの経過時間(または、前回実行した当該分析項目の精度管理の時刻)、精度管理実行形式(精度管理で使用するコントロール検体名称、精度管理の方法等)、精度管理実行条件(どのような場合に精度管理を実行するのかに関する情報)等を格納している。全体制御用コンピュータ40は、必要に応じて、キャリブレーション情報1900、精度管理情報1910を参照しつつ、キャリブレーション及び精度管理を行なう。
また、図20に、上記支援システムの動作に伴って発生し記憶部45に格納される、キャリブレーションについてのデータの相互関係を示す。
まず、上記データの相互関係についての、第1の例を示す。
キャリブレーション項目の事前設定データ2020としては、定常的にキャリブレーションを実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030としては、キャリブレーションの時間間隔が経過した場合に、キャリブレーションを再実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。キャリブレーション失敗データ2040としては、キャリブレーションが失敗した場合に、キャリブレーションを再実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050としては、試薬ボトルを追加した場合に、キャリブレーションを再実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。
自動分析装置が、定常的に実行するキャリブレーションを実行する状態となった場合には、本支援システムは、キャリブレーション項目の事前設定データ2020を読みだし、キャリブレーション項目の事前設定データ2020として設定されている分析項目に関するキャリブレーション情報1900(図19参照)を参照して、キャリブレーションを行なうべき分析項目と標準液とを対応させて記憶したキャリブレーション実行項目リスト2010を生成し、キャリブレーション実行項目リスト2010に基づいてキャリブレーションを実行する。
有効時間としての時間間隔が経過したキャリブレーションが発生した場合には、本支援システムは、当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030として設定してあるか否かを判定する。当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030として設定してあると判定された場合には、当該分析項目に関するキャリブレーション情報1900(図19参照)を参照して、キャリブレーションを行なうべき分析項目と標準液とを対応させて記憶したキャリブレーション実行項目リスト2010を生成し、キャリブレーション実行項目リスト2010に基づいてキャリブレーションを実行する。当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030として設定してないと判定された場合には、キャリブレーション実行項目リスト2010の生成を行わない。
キャリブレーションが失敗した場合には、本支援システムは、当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション失敗データ2040として設定してあるか否かを判定する。当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション失敗データ2040として設定してあると判定された場合には、当該分析項目に関するキャリブレーション情報1900(図19参照)を参照して、キャリブレーションを行なうべき分析項目と標準液とを対応させて記憶したキャリブレーション実行項目リスト2010を生成し、キャリブレーション実行項目リスト2010に基づいてキャリブレーションを実行する。当該キャリブレーションの分析項目が、キャリブレーション失敗データ2040として設定してないと判定された場合には、キャリブレーション実行項目リスト2010の生成を行わない。
試薬ボトルを追加又は交換した場合には、本支援システムは、当該キャリブレーションの分析項目が、試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050として設定してあるか否かを判定する。当該キャリブレーションの分析項目が、試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050として設定してあると判定された場合には、当該分析項目に関するキャリブレーション情報1900(図19参照)を参照して、キャリブレーションを行なうべき分析項目と標準液とを対応させて記憶したキャリブレーション実行項目リスト2010を生成し、キャリブレーション実行項目リスト2010に基づいてキャリブレーションを実行する。当該キャリブレーションの分析項目が、試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050として設定してないと判定された場合には、キャリブレーション実行項目リスト2010の生成を行わない。
次に、キャリブレーションについてのデータの相互関係の第2の例を示す。
キャリブレーション項目の事前設定データ2020としては、図7に示したキャリブレーションプリセッティング処理のステップ710で受け付けられたプリセッティング項目が記憶される。キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030は、図15に示したキャリブレーション有効時間オーバー処理のステップ1510で記憶されたキャリブ・ナウ項目である。キャリブレーション失敗データ2040は、図9に示したキャリブレーション失敗処理のステップ910で記憶されたキャリブ・フェイルド項目である。試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050は、図9に示したチェインジ・オーバー処理のステップ1610で記憶されたチェインジ・オーバー項目である。これらの、キャリブレーション項目の事前設定データ2020、キャリブレーション項目の有効時間切れデータ2030、キャリブレーション失敗データ2040、試薬不足に伴うキャリブレーション実行データ2050が発生すると、全体制御用コンピュータ40は、キャリブレーション情報1900を参照して、キャリブレーションを行なうべき分析項目と標準液とを対応させて記憶したキャリブレーション実行項目リスト2010を生成し、キャリブレーション実行項目リスト2010に基づいてキャリブレーションを実行する。
また、図21に、上記支援システムの動作に伴って発生し記憶部45に格納される、精度管理についてのデータの相互関係を示す。
まず、上記データの相互関係についての、第1の例を示す。
精度管理項目の事前設定データ2120としては、定常的に精度管理を実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。精度管理項目の有効時間切れデータ2130としては、精度管理の有効時間が経過した場合に、精度管理を再実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。精度管理失敗データ2140としては、精度管理が失敗した場合に、精度管理を再実行する分析項目が、オペレータにより事前に設定される。
自動分析装置が、定常的に実行する精度管理を実行する状態となった場合には、本支援システムは、精度管理項目の事前設定データ2120を読みだし、精度管理項目の事前設定データ2120として設定されている分析項目に関する精度管理情報1910(図19参照)を参照して、精度管理を行なうべき分析項目とコントロール検体とを対応させて記憶した精度管理実行項目リスト2110を生成し、精度管理実行項目リスト2110に基づいて精度管理を実行する。
有効時間が経過した精度管理が発生した場合には、本支援システムは、当該精度管理の分析項目が、精度管理項目の有効時間切れデータ2130として設定してあるか否かを判定する。当該精度管理の分析項目が、精度管理項目の有効時間切れデータ2130として設定してあると判定された場合には、当該分析項目に関する精度管理情報1910(図19参照)を参照して、精度管理を行なうべき分析項目とコントロール検体とを対応させて記憶した精度管理実行項目リスト2110を生成し、精度管理実行項目リスト2110に基づいて精度管理を実行する。当該精度管理の分析項目が、精度管理項目の有効時間切れデータ2130として設定してないと判定された場合には、精度管理実行項目リスト2110の生成を行わない。
精度管理が失敗した場合には、本支援システムは、当該精度管理の分析項目が、精度管理失敗データ2140として設定してあるか否かを判定する。当該精度管理の分析項目が、精度管理失敗データ2140として設定してあると判定された場合には、当該分析項目に関する精度管理情報1910(図19参照)を参照して、精度管理を行なうべき分析項目とコントロール検体とを対応させて記憶した精度管理実行項目リスト2110を生成し、精度管理実行項目リスト2110に基づいて精度管理を実行する。当該精度管理の分析項目が、精度管理失敗データ2140として設定してないと判定された場合には、精度管理実行項目リスト2110の生成を行わない。
次に、精度管理についてのデータの相互関係の第2の例を示す。
精度管理項目の事前設定データ2120としては、図10に示した精度管理プリセッティング処理のステップ1010で受け付けられたプリセッティング項目が記憶される。精度管理項目の有効時間切れデータ2130は、図14に示した精度管理有効時間オーバー処理のステップ1410で記憶されたタイム・オーバー項目である。精度管理失敗データ2140は、図12に示した精度管理失敗処理のステップ1210で記憶されたQCフェイルド項目である。これらの、精度管理項目の事前設定データ2120、精度管理項目の有効時間切れデータ2130、精度管理失敗データ2140が発生すると、全体制御用コンピュータ40は、精度管理情報1910を参照して、精度管理を行なうべき分析項目とコントロール検体とを対応させて記憶した精度管理実行項目リスト2110を生成し、精度管理実行項目リスト2110に基づいて精度管理を実行する。
さらに、標準液名称、標準液ラックの番号、標準液ラック内の標準液容器の位置、標準液の識別情報(ID)、標準液のロット番号を対応させて記憶しておく。実行すべきキャリブレーションが発生した場合に、当該キャリブレーションに必要となる標準液名称、標準液ラックの番号、標準液ラック内の標準液容器の位置、標準液の識別情報(ID)、標準液のロット番号をCRT43の表示画面上に表示するようにしてもよい。同様に、コントロール検体名称、コントロール検体ラックの番号、コントロール検体ラック内のコントロール検体容器の位置、コントロール検体の識別情報(ID)、コントロール検体のロット番号を対応させて記憶しておく。実行すべき精度管理が発生した場合に、当該精度管理に必要となるコントロール検体名称、コントロール検体ラックの番号、コントロール検体ラック内のコントロール検体容器の位置、コントロール検体の識別情報(ID)、コントロール検体のロット番号をCRT43の表示画面上に表示するようにしてもよい。
このようなCRT43の表示画面例を、図22に示す。図22において、例えば、Pre-Settingボタン2201が、オペレータによりタッチされている場合には、図20のキャリブレーション項目の事前設定データ2020のキャリブレーションの実行に必要となる標準液名称をName2211の欄に、標準液ラックの番号をRack2212の欄に、標準液ラック内の標準液容器の位置をPos2213の欄に、標準液の識別情報(ID)をID2214の欄に、標準液のロット番号をLOT2215の欄に、キャリブレーションの実行理由をREASON2216の欄に、それぞれ表示する。同時に、図21の精度管理項目の事前設定データ2120の精度管理の実行に必要となるコントロール検体名称をName2217の欄に、コントロール検体ラックの番号をRack2218の欄に、コントロール検体ラック内のコントロール検体容器の位置をPos2219の欄に、コントロール検体の識別情報(ID)をID2220の欄に、コントロール検体のロット番号をLOT2221の欄に、精度管理の実行理由をREASON2222の欄に、それぞれ表示する。情報を表示すべき標準液数、コントロール検体数が多い場合には、ボタン2241、ボタン2242、ボタン2243、ボタン2244により、表示画面をスクロールさせることができる。
1…患者検体ラック、2…患者検体容器、3A〜3G…分析ユニット、4A〜4G…サンプリングライン、5A〜5G…反応部、12,12A,12B…試薬ボトル、15a,15b…多波長光度計、17…ラック送出部、18…ラック回収部、20…主搬送ライン、26A,26B…試薬ディスク、26〜29,32〜34…試薬供給部、40…全体制御用コンピュータ、50〜58…識別情報読取装置、70…待機ユニット、72…センサ、73…駆動装置、74…標準液ラック、75…標準液ラック・コントロール検体ラック投入口、76…ローター、77…コントロール検体ラック。