JP2006048500A - 医薬品在庫管理システム及び医薬品在庫管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 調剤薬局が販売機会を失うことなく在庫量を減らして経費負担を削減するとともに、コンピュータ上の在庫数と実際の在庫数との不一致をなくしてより確実な在庫管理を行う。
【解決手段】 医薬品卸会社30から調剤薬局10へ納品される医薬品は、調剤薬局の在庫として納品されるのではなく、調剤薬局に予め確保されている医薬品卸会社の在庫スペース(バックヤードという)に納品される。調剤薬局10の担当者がバックヤード在庫から出庫するときは、PDA又はバーコードリーダーにより医薬品のパッケージに貼付してあるバーコードを読み取り、検品する。読み取られたデータは、クライアント端末12に転送される。この時点で、初めてこの調剤薬局の店舗在庫となる。このとき、クライアント端末12は、専用の納品書及び受領書を自動的に印刷する(B22−2)。
【選択図】 図1
【解決手段】 医薬品卸会社30から調剤薬局10へ納品される医薬品は、調剤薬局の在庫として納品されるのではなく、調剤薬局に予め確保されている医薬品卸会社の在庫スペース(バックヤードという)に納品される。調剤薬局10の担当者がバックヤード在庫から出庫するときは、PDA又はバーコードリーダーにより医薬品のパッケージに貼付してあるバーコードを読み取り、検品する。読み取られたデータは、クライアント端末12に転送される。この時点で、初めてこの調剤薬局の店舗在庫となる。このとき、クライアント端末12は、専用の納品書及び受領書を自動的に印刷する(B22−2)。
【選択図】 図1
Description
調剤薬局における医薬品の在庫を管理する方法として、レセコンと呼ばれるコンピュータを用いた管理方法が知られている。これは、調剤薬局の担当者が処方箋の内容をレセコンに入力するたびに、その数分だけ調剤薬局における医薬品の在庫数をレセコン上で減らし、予め決められた数になった段階でその旨を担当者に知らせるという機能を有するソフトウェアが、レセコンに組み込まれているというものである。そして、レセコン上の在庫数がある一定数を下回った段階で、調剤薬局の担当者が医薬品卸会社へ発注して、在庫数が不足しないようにしていた。
ところで、医薬品に限らず商品の販売は時期的に変動するため、調剤薬局等の小売業者は、販売機会を失わないためには、商品(この場合は医薬品)の在庫をある程度確保しておく必要がある。しかしながら、在庫を確保するということは、確実に販売されるかどうか不確かな在庫分を前もって購入することになるので、調剤薬局としては、経費的な負担の増加につながる。また、レセコン上の在庫と実際の在庫は必ずしも一致しないため、定期的に手作業で両者を照合する作業が必要となる。
したがって、調剤薬局が販売機会を失うことなく在庫量を減らして経費負担を削減するとともに、コンピュータ上の在庫数と実際の在庫数との不一致をなくしてより確実な在庫管理を行うことが、これまでの課題となっていた。
上記の課題を解決するために、本発明に係る医薬品在庫管理システムは、医薬品の在庫に関するマスタを格納しているサーバーと、調剤薬局に設置された第1のクライアント端末と、医薬品卸会社に設置された第2のクライアント端末と、前記サーバー、前記第1及び第2のクライアントを接続する通信ネットワークと、前記調剤薬局に設けられたバックヤードと、取り扱う医薬品に、該医薬品の使用期限及びロット番号を含むEANコードをコード化したEANコードラベルを印刷するEANコードラベル印刷手段と、前記第1のクライアント端末と論理的に接続された第1のEANコード読み取り手段、および前記第2のクライアント端末と論理的に接続された第2のEANコード読み取り手段とを含み、医薬品卸会社の担当者が医薬品を前記バックヤードに配送するときは、前記EANコードラベル印刷手段により当該医薬品のEANコードラベルを印刷するとともに、このEANコードラベルを第2のEANコード読み取り手段で読み取ることにより、前記第2のクライアント端末に搭載されたコンピュータプログラムは、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫のまま前記バックヤードへ配送した旨の処理をするようにされており、かつ、前記サーバーに搭載されたコンピュータプログラムは、第2のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにされており、調剤薬局においてバックヤードにある医薬品が店舗に持ち出されるときは、第1のEANコード読み取り手段で当該医薬品のEANコードラベルの情報を読み取ることにより、第1のクライアント端末に搭載されたコンピュータプログラムは、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫から仕入れた旨の処理をするようにされていおり、かつ、前記サーバーに搭載されたコンピュータプログラムは、第1のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにされていることを特徴とする。
前記医薬品在庫管理システムにおいて、さらに、前記サーバーは、第1のクライアント端末からのアクセスを受けて前記マスタを更新するときは、その旨の情報を前記通信ネットワークを介して第2のクライアント端末へ送信し、第2のクライアント端末は、これを受けて当該医薬品をバックヤードに配送するための処理を実行するようにしてもよい。
本発明に係る医薬品在庫管理方法は、医薬品の在庫を管理する医薬品管理方法であって、少なくとも、医薬品の在庫に関するマスタを格納しているサーバーと、調剤薬局に設置された第1のクライアント端末と、医薬品卸会社に設置された第2のクライアント端末と、前記サーバー、前記第1及び第2のクライアントを接続する通信ネットワークと、前記調剤薬局に設けられたバックヤードと、取り扱う医薬品に、該医薬品の使用期限及びロット番号を含むEANコードをコード化したEANコードラベルを印刷するEANコードラベル印刷手段と、前記第1のクライアント端末と論理的に接続された第1のEANコード読み取り手段、および前記第2のクライアント端末と論理的に接続された第2のEANコード読み取り手段とを用意し、医薬品卸会社の担当者が医薬品を前記バックヤードに配送するときは、前記EANコードラベル印刷手段により当該医薬品のEANコードラベルを印刷させるとともに、このEANコードラベルを第2のEANコード読み取り手段で読み取ることにより、前記第2のクライアント端末に当該医薬品を医薬品卸会社の在庫のまま前記バックヤードへ配送した旨の処理をするようにし、かつ、前記サーバーに、第2のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにし、調剤薬局において、バックヤードにある医薬品が店舗に持ち出されるときは、第1のEANコード読み取り手段で当該医薬品のEANコードラベルの情報を読み取ることにより、第1のクライアント端末に、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫から仕入れた旨の処理をするようにし、かつ、前記サーバーに、第1のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにしたことを特徴とする。
上記医薬品在庫管理方法において、さらに、前記サーバーに、第1のクライアント端末からのアクセスを受けて前記マスタを更新するときに、その旨の情報を前記通信ネットワークを介して第2のクライアント端末へ送信させ、第2のクライアント端末に、これを受けて当該医薬品をバックヤードに配送するための処理を実行させるようにしてもよい。
本発明によれば、調剤薬局にバックヤードを設け、ここに格納する医薬品の在庫を調剤薬局ではなく医薬品卸会社の在庫として扱うようシステムを構成したことにより、調剤薬局がいざというときに必要な医薬品が調達できないという事態を防ぎつつ、調剤薬局の在庫量を削減することが可能となる。また、医薬品の在庫に関するマスタを格納したサーバーを設け、これにより各調剤薬局におけるすべての医薬品の在庫管理が可能となることから、医薬品の流れを確実に把握することが可能となり、医薬品の無駄な廃棄や紛失等を防止することができる。
実施形態の説明の前に、そこで出てくるEAN(European Article Number)コードについて説明する。本実施形態で説明するEANコードは、あらゆる商品に幅広く使用されているJAN(Japan Article Number)コードに、医薬品の使用期限と、医薬品製造時のロット番号を付加して構成される。一般の医薬品については、不測の事故等を未然に防ぐ目的で、医薬品を扱う事業者はその医薬品の使用期限とロット番号を記載し、これを一定の期間にわたり保管することが薬事法により義務づけられている。また、この使用期限とロット番号は、医薬品のパッケージにも印刷されている。
このEANコードを、専用のバーコードラベル作成ソフトでバーコード印刷し、これを各医薬品のパッケージに貼付する。そして、バーコード読み取り機能付きPDA又はバーコードリーダーで読み取ることにより、EANコードの内容をコンピュータ内に取り入れることができる。
以下に図面を参照しながら実施例について説明する。
図1は、本実例に係るシステムの全体的なハードウェア構成を示したブロック図である。同図において、符号10は、このシステムを導入した調剤薬局を示しており、符号20は、このシステム全体を司るサーバー21(ウェッブサーバー21a、データベースサーバー21b)が設けられたサーバー管理センターを示しており、符号30は、このシステムを導入した医薬品卸会社を示している。なお、図1では、調剤薬局10及び医薬品卸会社30は一つずつ示しているが、これらは一般には複数存在する。
図1は、本実例に係るシステムの全体的なハードウェア構成を示したブロック図である。同図において、符号10は、このシステムを導入した調剤薬局を示しており、符号20は、このシステム全体を司るサーバー21(ウェッブサーバー21a、データベースサーバー21b)が設けられたサーバー管理センターを示しており、符号30は、このシステムを導入した医薬品卸会社を示している。なお、図1では、調剤薬局10及び医薬品卸会社30は一つずつ示しているが、これらは一般には複数存在する。
調剤薬局10には、一般に「レセコン」と呼ばれる受付用パソコン11が設置されている他、このシステムで新たに必要となるクライアント端末12が設置されている。さらに、PDA15用の無線LANエアーステーション14が設けられている。受付用パソコン11、クライアント端末12、そして無線LANエアーステーション14は、LANにより接続されている。
調剤薬局10のクライアント端末12、サーバー管理センター20のサーバー21、医薬品卸会社30のクライアント端末31は、ファイアーウォールを介してインターネットに接続されている。
図1に示した本実施例のシステムは、店舗在庫管理方式と定量バックヤード在庫管理方式の二つに対応し、利用者の希望に応じていずれにも対応できるよう構成されている。以下では、それぞれの方式について別々に説明する。
[店舗在庫管理方式]
まず、店舗在庫管理方式について説明する。図2乃至図6は、店舗在庫管理方式を採用した場合のシステムにおけるデータの流れを説明した図である。これらの図において、左から順に、一番目の列は、調剤薬局10に設置された受付用パソコン11における処理を示し、二番目の列は、調剤薬局10に設置されたクライアント端末12における処理を示し、三番目の列は、サーバー管理センター20に設置されたサーバー21における処理を示し、四番目の列は、医薬品卸会社30に設けられたクライアント端末31における処理を示している。
まず、店舗在庫管理方式について説明する。図2乃至図6は、店舗在庫管理方式を採用した場合のシステムにおけるデータの流れを説明した図である。これらの図において、左から順に、一番目の列は、調剤薬局10に設置された受付用パソコン11における処理を示し、二番目の列は、調剤薬局10に設置されたクライアント端末12における処理を示し、三番目の列は、サーバー管理センター20に設置されたサーバー21における処理を示し、四番目の列は、医薬品卸会社30に設けられたクライアント端末31における処理を示している。
サーバー21のデータベース21bには、このシステムに参加する調剤薬局10の現在の在庫が記録されている。これを「店舗在庫マスタ」と呼ぶ。
患者が医院や病院から発行された処方箋を持って調剤薬局10を訪れると、調剤薬局10における薬剤師等の担当者は、その処方箋に従って所定の薬剤を患者に処方するとともに、その処方箋の内容を受付用パソコン11に入力する(B1)。受付用パソコン11は、このデータに基づいて、「処方データ」及び「患者データ」が入ったファイルデータを自動作成し、データベースに格納する(B2)。この処方データ及び患者データは、作成より5分経過したファイルで、LANを介してリアルタイムでクライアント端末12に取り込まれる(B3)。
クライアント端末12は、この取り込み処理から15分毎に、インターネットを介してサーバー管理センターのサーバー21に送信するとともに(B4)、送信したファイルを自己のバックアップファイルに保存する(B5)。
サーバー管理センター20では、各調剤薬局のクライアント端末12から送られてきたデータのうち、患者データについてはサーバー21にそのまま保管する(B6)。一方、処方データについては、薬剤使用分として引き当てられ、店舗在庫マスタの店舗現在庫が更新される(B7)。したがって、各調剤薬局の店舗在庫マスタは、患者に対する薬剤の処方(患者による購入)があった際に、ほぼリアルタイムに更新される。また、各調剤薬局からは、担当者がクライアント端末12を介して店舗在庫マスタにアクセスし、最新の店舗在庫をリアルタイムに閲覧することができる(B8)。これにより、実際の店舗在庫とサーバー21上の店舗在庫との照合を行うことができる。
サーバー管理センター20のサーバー21は、各調剤薬局の各医薬品ごとに、その店舗在庫数が予め設定された個数を下回らないかどうかを常時監視しており、この設定個数を下回った場合には、発注データを作成する(B9)。この発注データが作成されたときはその旨の情報が該当する調剤薬局のクライアント端末12へ送られ、その調剤薬局の担当者は、その情報に基づいてサーバー管理センターのサーバー21にアクセスすることによって、発注リストの内容を確認することができる(B10)。
調剤薬局10の担当者は、発注リストの内容を確認し、実際に発注するかどうかの最終決定を行う(B11)。そして、発注する場合はその旨の指示をクライアント端末12からサーバー21へ送る。一方、発注を行わない場合は、次回発注として、クライアント端末12の発注リストにその旨の情報を残す(B12)。
サーバー21は、調剤薬局の担当者からの指示に基づいて発注データを確定させ、これを、専用回線を使って医薬品卸会社のクライアント端末31に送信する(B13)。医薬品卸会社30のクライアント端末31は、サーバー21から受信した発注データに基づいて受注処理を行い、納品書、受領書、出庫票、および配送票を発行する(B14)。
医薬品卸会社30では、発行された出庫票及び配送票に基づいて、担当者が、医薬品卸会社30における在庫から出庫及び荷揃えの確認を行う(B15)。そして、EANコードをバーコードにしたバーコードラベルを自動作成する(B16)。このEANコードには、JANコードと、その薬剤の使用期限、そしてロットナンバーからなるコードである。作成されたEANコードラベルは、担当者によって該当する医薬品のパッケージに貼付され、調剤薬局向けに配達される(B17)。
もしも発注されたデータが欠品の場合には、担当者がクライアント端末31上で受注取り消しを行う(B18)。これに伴って、サーバー管理センター20のサーバー21から発注データが取り消され、再発注分として発注リストに戻す(B19)。この場合、該当する調剤薬局には、担当者から電話等でその旨の連絡を行う(B20)。調剤薬局はその旨の連絡を受け取ると同時に、医薬品卸会社30が欠品票を作成し、これをファクシミリにより調剤薬局へ送信する。
調剤薬局10では、医薬品卸会社30から医薬品の配達を受けると、その段階で検品を行うが、その際に行う作業は、各医薬品のパッケージに貼付されているバーコードを、クライアント端末11と接続されたバーコード読み取り機能付きPDA(以下単に「PDA」という)又はバーコードリーダーによって読み取るだけでよく、読み取ったデータに基づいて、クライアント端末が自動的に必要な処理を内部で実行する(B21)。
バーコードが読み取られると、一方では、クライアント端末12から専用の納品書及び受領書が印刷され(B22)、前者は保管され、後者は、調剤薬局の担当者が受領印を押印した上で卸会社の担当者に渡される。他方では、サーバー管理センター20のサーバーに、店舗入庫データが送られ、これに基づいて、店舗在庫マスタが更新される(B23)。
サーバー管理センター20のサーバー21は、各調剤薬局のすべての在庫と、医薬品卸会社から調剤薬局へ納品された個数との集計を行い、相互に間違いがないかどうかを確認する。この処理は、原則として月一回行われる。サーバー管理センター20のサーバー21は、調剤薬局10のクライアント端末12からの月別納品一覧表と、医薬品卸会社30からの請求書とを照合し、請求額を確認する(B24)。
[定量バックヤード在庫管理方式]
続いて、定量バックヤード在庫管理方式について説明する。ここで、「バックヤード」とは、調剤薬局の店舗の一部又は裏側等に設置された医薬品の在庫を格納する場所であるが、ここで特徴的なことは、ここに格納される医薬品が調剤薬局の店舗在庫ではなく、医薬品卸会社自身の在庫であるという点である。すなわち、物理的には調剤薬局に格納されているにもかかわらず、在庫としては医薬品卸会社の在庫であるということである。このようにすることによって調剤薬局としても医薬品卸会社としても事業遂行上のメリットが得られるが、その一方で、このような方式は過去に存在しなかったために、かかる方式を実現するためには、コンピュータシステムとして新たな構成が必要となる。
続いて、定量バックヤード在庫管理方式について説明する。ここで、「バックヤード」とは、調剤薬局の店舗の一部又は裏側等に設置された医薬品の在庫を格納する場所であるが、ここで特徴的なことは、ここに格納される医薬品が調剤薬局の店舗在庫ではなく、医薬品卸会社自身の在庫であるという点である。すなわち、物理的には調剤薬局に格納されているにもかかわらず、在庫としては医薬品卸会社の在庫であるということである。このようにすることによって調剤薬局としても医薬品卸会社としても事業遂行上のメリットが得られるが、その一方で、このような方式は過去に存在しなかったために、かかる方式を実現するためには、コンピュータシステムとして新たな構成が必要となる。
図7乃至図12は、定量バックヤード在庫管理方式を採用した場合におけるデータの流れを示している。これらの図において、左から順に、一番目の列は、調剤薬局10に設置された医薬品卸会社のバックヤードにおける担当者が行う作業を示し、二番目の列は、調剤薬局10に設置されたクライアント端末12における処理を示し、三番目の列は、サーバー管理センター20に設置されたサーバー21における処理を示し、四番目の列は、医薬品卸会社30に設けられたクライアント端末31又は担当者による処理を示している。
調剤薬局10において、ある医薬品について新たにバックヤード在庫を持ちたい場合には、専用の依頼書に必要事項を記入し、それをファクシミリなどで医薬品卸会社30へ送る(B25)。医薬品卸会社30では、依頼書を受け取ると、これに基づいてバックヤード移動処理、すなわち、医薬品卸会社30から依頼を受けた調剤薬局のバックヤードへ所定の医薬品を搬送する処理を行う(B26)。そして、このバックヤード処理を行ったデータを基に、バックヤード納品書、バックヤード受領書、出庫表を発行して出庫する(B27)。
医薬品卸会社30では、出庫された医薬品のEANコードをバーコード化したバーコードラベルを自動作成する(B16−2)。医薬品卸会社30では、作成されたEANコード及びその他必要なコードを、医薬品に貼付し、PDA又はバーコードリーダーにて読み取り検品し、バックヤード在庫への入庫処理を行う(B28)。PDA等により読み取られたデータは、無線LANを介して医薬品卸会社30のクライアント端末31へ送られる。なお、この段階では実際にはまだ調剤薬局には入庫されていないので、この入庫処理はコンピュータ上における処理である。
PDA等によって読み取られたデータは、医薬品卸会社30のクライアント端末31を介して、インターネット経由でサーバー管理センター20のサーバー21に送られ、ここで送られてきたデータに基づいて、バックヤード在庫マスタを更新する(B29)。ここで、バックヤード在庫マスタとは、このシステムによる定量バックヤード在庫管理方式を採用しているすべての調剤薬局のバックヤード在庫のデータを格納したデータベースであり、データベースサーバー21bに格納されている。
医薬品卸会社30では、バックヤード在庫への入庫処理を行った医薬品を、該当する調剤薬局10のバックヤードへ配達する(B30)。調剤薬局では、医薬品卸会社からバックヤード補充分として配達された医薬品の納品を確認するとともに(B31)、医薬品卸会社の担当者からバックヤードに棚積みしてもらい、バックヤード在庫の設置完了となる(B32)。
ただし、上記B25〜B32の処理は、ある種の医薬品を最初に注文する場合だけであり、次回以降は、医薬品卸会社と調剤薬局との間でその医薬品についてどれだけをバックヤード在庫に置くかを決めておき、店舗在庫の医薬品が販売されるたびに医薬品卸会社にその旨がコンピュータを介して通知され、その分をバックヤード在庫に補充するようになっている。すなわち、バックヤード在庫には、多少の時間の遅れはあるものの、各種の医薬品についてほぼ一定数量が在庫として置かれることとなる。
これ以降は、調剤薬局の担当者は、随時、バックヤード在庫から必要数の医薬品を店舗在庫として出庫することができる(B33)。
前述のように、バックヤード在庫は調剤薬局10の在庫ではなく、医薬品卸会社30の在庫である。すなわち、各調剤薬局10に医薬品卸会社がバックヤード在庫のためのスペースを借り、ここに医薬品卸会社が置く在庫を指してここではバックヤード在庫と呼んでいる。すなわち、調剤薬局へ納品された医薬品は、調剤薬局の在庫として納品されるのではなく、調剤薬局に予め確保されている医薬品卸会社の在庫スペース(バックヤードという)に納品され、そして、バックヤード在庫から調剤薬局の店舗へ持ち出された時点で調剤薬局の在庫となる。
調剤薬局10の担当者がバックヤード在庫から出庫し(B33)、調剤薬局の店舗に仕入れとして移動する際には(B34)、PDA又はバーコードリーダーにより医薬品のパッケージに貼付してあるバーコードを読み取り、検品する(B35)。読み取られたデータは、クライアント端末12に転送される。この時点で、初めてこの調剤薬局の店舗在庫となる。このとき、クライアント端末12は、専用の納品書及び受領書を自動的に印刷する(B22−2)。担当者は、前者を保管するとともに、後者に受領印を押印して医薬品卸会社30に送る。
一方、PDA等によって読み取られ、クライアント端末12に転送されたデータは、インターネットを介してサーバー管理センター20のサーバー21へ送られる。サーバー21は、このデータに基づいて、店舗入庫データを作成するとともに、バックヤード在庫マスタ及び店舗マスタを更新する(B36)。また、店舗入庫データは、専用回線にて医薬品卸会社30のクライアント端末31へ、発注データとして送信される(B37)。クライアント端末31は、これを受注データとして受け取り、サーバー21から受信した発注データに基づいて受注処理を行い、納品書、受領書、出庫票、および配送票を発行する(B14−2)。
また、医薬品卸会社30では、担当者が、受信した発注データを基に受注処理とバックヤード在庫補充分及び追加分の確認を行い、発送表を作成する(B38)。さらに、発行された出庫票及び配送票に基づいて、担当者が、医薬品卸会社30における在庫から出庫及び荷揃えの確認を行う(B15−2)。そして、EANコードをバーコードにしたバーコードラベルを自動作成する(B16−2)。このEANコードには、前述のように、JANコードと、その薬剤の使用期限、そしてロットナンバーからなるコードである。
作成されたEANコードラベルは、担当者によって該当する医薬品のパッケージに貼付される(B17−2)。貼付されたバーコードラベルは、PDA等によって読み取られて検品され、このデータはサーバー管理センター20のサーバー21に送られ、バックヤード在庫マスタが更新される(B29−2)。また、医薬品卸会社30では、バックヤード在庫への入庫処理を行い(B28−2)、バックヤード在庫への入庫処理を行った医薬品を、該当する調剤薬局10のバックヤードへ配達する(B30−2)。
調剤薬局では、医薬品卸会社からバックヤード補充分として配達された医薬品の納品を確認するとともに(B31−2)、医薬品卸会社の担当者からバックヤードに棚積みしてもらい、バックヤード在庫の設置完了となる(B32−2)。
サーバー管理センター20のサーバー21は、各調剤薬局のすべての在庫と、医薬品卸会社から調剤薬局へ納品された個数との集計を行い、相互に間違いがないかどうかを確認する。この処理は、原則として月一回行われる。サーバー管理センター20のサーバー21は、調剤薬局10のクライアント端末12からの月別納品一覧表と、医薬品卸会社30からの請求書とを照合し、請求額を確認する(B24−2)。
これ以降は、既に説明したのと同様の手順を繰り返す。
これ以降は、既に説明したのと同様の手順を繰り返す。
この定量バックヤード在庫管理方式によれば、物理的には調剤薬局のバックヤードに置かれているので、仮に特定の医薬品が一時的に多数購入されて店舗において当該医薬品が不足するような事態があっても、その時点で調剤薬局がバックヤード在庫から持ち出すことができるので、医薬品が足りなくて販売できないという事態を回避することができる。その一方で、バックヤード在庫は調剤薬局の在庫ではなく、医薬品卸会社の在庫であるから、調剤薬局としての在庫を従来に比べて大幅に減らすことが可能となる。さらに、医薬品卸会社としても、個々の医薬品の流れを具体的に把握することができるので、経営的に有用な情報を得ることができるというメリットがある。
続いて、このシステムのその他の機能について説明する。本実施例では、前述のように使用期限の情報を含んだEANコードを用いてすべての医薬品を管理するため、例えば、使用期限の3か月前という期間を設定しておくと、使用期限の3か月前を過ぎた医薬品の一覧が、調剤薬局10のクライアント端末12に表示されるようにしてある。
また、医薬品の製造段階で異物の混入等の事故が発生したことが判明すると、製薬メーカーはロット単位でその薬品を回収するが、その場合、EANコードを用いていることによって、該当するロットの医薬品が各調剤薬局に存在していないかどうかを容易に調べることが可能となり、容易に回収すべき医薬品を特定することができる。
10 調剤薬局
11 受付用パソコン(レセコン)
12 クライアント端末
20 サーバー管理センター
21 サーバー
30 医薬品卸会社
31 クライアント端末
11 受付用パソコン(レセコン)
12 クライアント端末
20 サーバー管理センター
21 サーバー
30 医薬品卸会社
31 クライアント端末
Claims (4)
- 医薬品の在庫に関するマスタを格納しているサーバーと、
調剤薬局に設置された第1のクライアント端末と、
医薬品卸会社に設置された第2のクライアント端末と、
前記サーバー、前記第1及び第2のクライアントを接続する通信ネットワークと、
前記調剤薬局に設けられたバックヤードと、
取り扱う医薬品に、該医薬品の使用期限及びロット番号を含むEANコードをコード化したEANコードラベルを印刷するEANコードラベル印刷手段と、
前記第1のクライアント端末と論理的に接続された第1のEANコード読み取り手段、および前記第2のクライアント端末と論理的に接続された第2のEANコード読み取り手段とを含み、
医薬品卸会社の担当者が医薬品を前記バックヤードに配送するときは、前記EANコードラベル印刷手段により当該医薬品のEANコードラベルを印刷するとともに、このEANコードラベルを第2のEANコード読み取り手段で読み取ることにより、前記第2のクライアント端末に搭載されたコンピュータプログラムは、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫のまま前記バックヤードへ配送した旨の処理をするようにされており、かつ、前記サーバーに搭載されたコンピュータプログラムは、第2のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにされており、
調剤薬局において、バックヤードにある医薬品が店舗に持ち出されるときは、第1のEANコード読み取り手段で当該医薬品のEANコードラベルの情報を読み取ることにより、第1のクライアント端末に搭載されたコンピュータプログラムは、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫から仕入れた旨の処理をするようにされていおり、かつ、前記サーバーに搭載されたコンピュータプログラムは、第1のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにされている、
ことを特徴とする医薬品在庫管理システム。 - 請求項1に記載の医薬品在庫管理システムにおいて、さらに、前記サーバーは、第1のクライアント端末からのアクセスを受けて前記マスタを更新するときは、その旨の情報を前記通信ネットワークを介して第2のクライアント端末へ送信し、第2のクライアント端末は、これを受けて当該医薬品をバックヤードに配送するための処理を実行することを特徴とする医薬品在庫管理システム。
- 医薬品の在庫を管理する医薬品管理方法であって、少なくとも、
医薬品の在庫に関するマスタを格納しているサーバーと、
調剤薬局に設置された第1のクライアント端末と、
医薬品卸会社に設置された第2のクライアント端末と、
前記サーバー、前記第1及び第2のクライアントを接続する通信ネットワークと、
前記調剤薬局に設けられたバックヤードと、
取り扱う医薬品に、該医薬品の使用期限及びロット番号を含むEANコードをコード化したEANコードラベルを印刷するEANコードラベル印刷手段と、
前記第1のクライアント端末と論理的に接続された第1のEANコード読み取り手段、および前記第2のクライアント端末と論理的に接続された第2のEANコード読み取り手段とを用意し、
医薬品卸会社の担当者が医薬品を前記バックヤードに配送するときは、前記EANコードラベル印刷手段により当該医薬品のEANコードラベルを印刷させるとともに、このEANコードラベルを第2のEANコード読み取り手段で読み取ることにより、前記第2のクライアント端末に当該医薬品を医薬品卸会社の在庫のまま前記バックヤードへ配送した旨の処理をするようにし、かつ、前記サーバーに、第2のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにし、
調剤薬局において、バックヤードにある医薬品が店舗に持ち出されるときは、第1のEANコード読み取り手段で当該医薬品のEANコードラベルの情報を読み取ることにより、第1のクライアント端末に、当該医薬品を医薬品卸会社の在庫から仕入れた旨の処理をするようにし、かつ、前記サーバーに、第1のクライアント端末から前記通信ネットワークを介したアクセスを受けて、前記マスタを更新するようにした、
ことを特徴とする医薬品在庫管理方法。 - 請求項3に記載の医薬品在庫管理方法において、さらに、前記サーバーに、第1のクライアント端末からのアクセスを受けて前記マスタを更新するときに、その旨の情報を前記通信ネットワークを介して第2のクライアント端末へ送信させ、第2のクライアント端末に、これを受けて当該医薬品をバックヤードに配送するための処理を実行させることを特徴とする医薬品在庫管理方法。
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