JP2006047410A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定着時に飛散するトナーやオイル、更には紙粉などにより、非接触式温度センサの検知面が汚れても、常に加熱ローラの表面温度を適正な定着温度範囲内に制御し、定着不良の発生を防止し、高品質の画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 未定着トナー像を被記録用紙Pに定着する定着手段5を備えた画像形成装置において、加熱ローラ51の定着通紙領域に対向して、加熱ローラ51の温度を検知する非接触式温度センサ11と、接触式温度センサ10とを設け、非接触式温度センサで11検知した非接触検知温度を、加熱ローラが回転していないときに、接触式温度センサ10で検知した接触検知温度に基づいて補正し、補正後の非接触検知温度を基準に、加熱ローラ51を加熱する熱源への通電を制御する制御手段12を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 未定着トナー像を被記録用紙Pに定着する定着手段5を備えた画像形成装置において、加熱ローラ51の定着通紙領域に対向して、加熱ローラ51の温度を検知する非接触式温度センサ11と、接触式温度センサ10とを設け、非接触式温度センサで11検知した非接触検知温度を、加熱ローラが回転していないときに、接触式温度センサ10で検知した接触検知温度に基づいて補正し、補正後の非接触検知温度を基準に、加熱ローラ51を加熱する熱源への通電を制御する制御手段12を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置、特に未定着トナー像を被記録用紙に定着する加熱ローラを有する定着手段を備えた画像形成装置に関する。
一般的に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、未定着トナー像を担持した被記録用紙を、定着手段の加熱ローラと加圧ローラとにより形成されるニップに挟持搬送し、加熱・加圧することにより未定着トナー像を被記録用紙に定着するようにしている。このような定着手段を用いた場合、加熱ローラの表面温度を、定着可能な一定範囲内に維持する必要がある。従来では、加熱ローラの定着通紙領域内の表面に当接して接触式温度センサを設け、加熱ローラの表面温度を検知し、検知温度に基づいて加熱ローラの熱源への通電を制御していた。
ところが、この構成では、回転する加熱ローラに、接触式温度センサが常に当接しているため、加熱ローラに接触傷が発生し、加熱ローラを損傷することがあった。また、加熱ローラと、接触式温度センサとの間に、トナーが溜まり、溜まったトナーが加熱ローラと、接触式温度センサとの間をすり抜け、被記録用紙に付着し、画像劣化を招来することがあった。
また、このような影響を避けるために接触式温度センサを、加熱ローラの定着通紙領域外、即ち、非通紙領域に設けることも行われているが、これでは、加熱ローラの定着通紙領域の表面温度を正確に把握することは困難であり、加熱ローラの表面温度を定着可能な一定範囲内に制御することができず、高品質の画像が得られないといった問題があった。
また、正確に加熱ローラの定着通紙領域の表面温度を検知するために、例えば、赤外線吸収フィルムに接してサーミスタ素子を配設してなる非接触式温度センサを、加熱ローラの定着通紙領域に対向して設け、加熱ローラと非接触の状態で、加熱ローラの表面温度を検知することも行われている。ところが、このような構成にあっても、定着時に飛散するトナーやオイル、更には紙粉などが非接触式温度センサの検知面である赤外線吸収フィルムに付着し、検知面が汚れ、加熱ローラの温度変化に対して、追従できなくなり、長期間に亘って正確に、加熱ローラの表面温度を検知することができないといった問題があった。
この対策として、赤外線吸収フィルムを用いた非接触式温度センサでは、例えば、赤外線吸収フィルムの加熱ローラ側に密着して着脱可能な薄膜保護シートを設け、赤外線吸収フィルムあるいは薄膜保護シートが、トナーやオイル、更には紙粉などによって汚れた場合には、赤外線吸収フィルムや薄膜保護シートを取り替えるようにしたものがある。
(例えば、特許文献1参照)。
特許2003−65853号公報
(例えば、特許文献1参照)。
ところが、上述の特許文献記載の構成では、赤外線吸収フィルムや薄膜保護シートの取替えは、かなりの高温部分での作業となり、ユーザが行うには危険であるとともに、面倒である。従って、このような取替え作業は、サービスマンに依存することとなり、定期点検時などに行われることとなる。しかし、取替え後、印刷枚数の増加に伴って、熱吸収フィルムや薄膜保護シートは、汚れが増しいく。このため、常に、正確に加熱ローラの表面温度を検知することはできず、加熱ローラの表面温度を適正な定着温度範囲内に制御することは困難となり、定着不良が発生し、高品質の画像が得られないといった問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、定着時に飛散するトナーやオイル、更には紙粉などにより、非接触式温度センサの検知面が汚れても、常に加熱ローラの表面温度を適正な定着温度範囲内に制御し、定着不良の発生を防止し、高品質の画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、回転する加熱ローラと、加熱ローラと共同して押圧・回転する加圧ローラとの間に、未定着トナー像を担持した被記録用紙を挟持搬送し、未定着トナー像を被記録用紙に定着する定着手段と、加熱ローラを加熱する熱源と、熱源への通電を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、加熱ローラの定着通紙領域に対向して、加熱ローラの温度を検知する非接触式温度センサと、接触式温度センサとを設け、非接触式温度センサで検知した非接触検知温度を、予め、加熱ローラが回転していないときに、接触式温度センサで検知した接触検知温度に基づいて補正し、補正後の非接触検知温度に基づいて、制御手段が熱源への通電を制御する。
請求項2記載の発明では、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサは、加熱ローラを加熱するためのウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラが回転していないときにのみ、加熱ローラと接触することにより、加熱ローラの温度を検知する。
請求項3記載の発明では、接触式温度センサは、ウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラが回転する直前に、加熱ローラに接触する。
請求項4記載の発明では、接触式温度センサは、ウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラの回転が終了し、制御手段が画像形成のためのレディー信号を発する直前に、加熱ローラに接触する。
請求項4記載の発明では、接触式温度センサは、ウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラの回転が終了し、制御手段が画像形成のためのレディー信号を発する直前に、加熱ローラに接触する。
請求項5記載の発明では、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサは、スリープモード中の制御手段に、予め、設定された加熱ローラの温度を検知する時間で、かつ、加熱ローラが回転していないときに加熱ローラに接触し、加熱ローラの温度を検知する。
請求項6記載の発明では、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサは、加熱ローラの温度を検知後、加熱ローラが回転する前に加熱ローラから退避する。
請求項7記載の発明では、接触式温度センサと加熱ローラの接触および退避は、圧縮コイルバネと、圧縮コイルバネに抗して作用するソレノイドにより形成された移動手段によりなされる。
請求項1記載の発明の構成によれば、常時、非接触式温度センサにより加熱ローラの温度検知を行い、この検知温度を、予め、加熱ローラが回転していないときに接触式温度センサで検知した接触検知温度に基づいて補正し、補正後の非接触検知温度を基準に、加熱ローラを加熱する熱源を制御している。従って、加熱ローラの表面温度を適正な定着温度範囲内に制御できる。この結果、加熱ローラの非接触式温度センサによる検知温度の不正確に伴う定着不良の発生は防止でき、常に、高品質な画像を出力することができる、といった効果を奏する。また、接触式温度センサの温度検知は、予め、加熱ローラが回転していないときに行っているので、加熱ローラに接触式温度センサが接触することによって発生する接触傷は発生しない。また、加熱ローラと、接触式温度センサとの間に、トナーが溜まることがなくなり、不要なトナーが被記録用紙に付着することはなくなり、常に、高品質な画像を出力することができる。
請求項2記載の発明の構成によれば、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサによる加熱ローラの温度検知は、加熱ローラを加熱するためのウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラが回転していないときに行っている。従って、加熱ローラに接触式温度センサが接触することによって発生する接触傷は発生しない。また、加熱ローラと、接触式温度センサとの間に、トナーが溜まりことがなくなり、不要なトナーが被記録用紙に付着することはなくなり、常に、高品質な画像を出力することができる。更に、電源投入操作を行えば自動的に接触式温度センサが、加熱ローラの温度検知を行うので、ユーザに、殊更特別な操作を強いることがない。
請求項3記載の発明の構成によれば、接触式温度センサの加熱ローラへの接触は、ウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラを回転する直前であるので、温度検知のために、ウォーミング・アップ時間を延長する必要がない。
請求項4記載の発明の構成によれば、接触式温度センサの加熱ローラへの接触は、ウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラの回転が終了し、制御手段が画像形成のためのレディー信号を発する直前に行っている。従って、検知温度は、適正な定着温度、若しくは定着温度に極めて近い温度領域であるので、より正確な温度補正ができる。
請求項5記載の発明の構成によれば、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサによる加熱ローラの温度検知は、スリープモード中の制御手段に制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサは、スリープモード中の制御手段に、予め、設定された加熱ローラの温度を検知する時間で、かつ、加熱ローラが回転していないときに加熱ローラに接触し、加熱ローラの温度を検知しているので、加熱ローラに接触式温度センサが接触することによって発生する接触傷は発生しない。また、加熱ローラと、接触式温度センサとの間に、トナーが溜まりことがなくなり、不要なトナーが被記録用紙に付着することはなくなり、常に、高品質な画像を出力することができる。更に、電源投入後、長期間に亘って稼動する場合にあっても、制御手段に、予め、設定された加熱ローラの温度を検知する時間に、自動的に接触式温度センサが、加熱ローラの温度検知を行うので、ユーザに、殊更特別な操作を強いることがない。
請求項6記載の発明の構成によれば、制御手段は、接触式温度センサを移動する移動手段を制御するとともに、接触式温度センサは、加熱ローラの温度を検知後、加熱ローラが回転する前に加熱ローラから退避しているので、加熱ローラに接触式温度センサが接触することによって発生する接触傷は発生しない。
請求項7記載の発明の構成によれば、接触式温度センサを加熱ローラに接触および退避する移動手段は、圧縮コイルバネと、この圧縮コイルバネに抗して作用するソレノイドとから形成しているので、その移動制御は、ソレノイドをオン・オフ制御するのみでよく、その制御が単純にすることができる。
(第1実施形態)
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置としてのカラー複写機(以下「複写機」という)に適用した場合の概略構成を示す概略構成図である。
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置としてのカラー複写機(以下「複写機」という)に適用した場合の概略構成を示す概略構成図である。
図1に示すように、この複写機1は、装置本体の下方に配設された給紙部2と、この給紙部2の下流側に配設された画像形成部3と、給紙部2から給紙された被記録用紙Pを画像形成部3に搬送する前段搬送系4と、画像形成部3の更に下流側に配設され定着手段5と、この定着手段5に被記録用紙Pを搬送する後段搬送系6と、排紙部7および画像形成部3および定着手段5の上方に配設された図示しない画像読取部とが備えられている。
図示しない画像読取部は、コンタクトガラス上に載置された原稿に、露光ランプから光を照射し、反射鏡を介してその反射光をCCDラインセンサなどからなる光電変換部に導くことにより、原稿の画像情報を読み取る。
給紙部2は、給紙カセット201に積層載置された被記録用紙Pの束を、給紙ローラ202の回転動作によって最上位の被記録用紙Pから1枚ずつ前段搬送系4に給紙する。
前段搬送系4は、給紙部2から給紙された被記録用紙Pを、上下一対のレジストローラ41、42および必要に応じて設けられる図示しない各種ローラ対によって画像形成部3に搬送する。上下一対のレジストローラ41、42は、画像形成部3の感光体30に形成されたトナー像と同期を取りながら搬送するように制御されている。更に、画像形成部3において画像形成がなされ、未定着トナー像を担持した被記録用紙Pは、後段搬送系6により定着手段5に搬送され、定着後、排紙ローラ71によって装置本体の側部に設けられた、例えば、用紙排出トレイなどからなる排紙部7に排出される。通常、前段搬送系4の下部側のレジストローラ41は、駆動用で例えば、ゴム製であり、上部側のレジストローラ42は、従動用で例えば、合成樹脂製である。
前段搬送系4は、給紙部2から給紙された被記録用紙Pを、上下一対のレジストローラ41、42および必要に応じて設けられる図示しない各種ローラ対によって画像形成部3に搬送する。上下一対のレジストローラ41、42は、画像形成部3の感光体30に形成されたトナー像と同期を取りながら搬送するように制御されている。更に、画像形成部3において画像形成がなされ、未定着トナー像を担持した被記録用紙Pは、後段搬送系6により定着手段5に搬送され、定着後、排紙ローラ71によって装置本体の側部に設けられた、例えば、用紙排出トレイなどからなる排紙部7に排出される。通常、前段搬送系4の下部側のレジストローラ41は、駆動用で例えば、ゴム製であり、上部側のレジストローラ42は、従動用で例えば、合成樹脂製である。
画像形成部3は、画像読取部の下方に配設され、電子写真プロセスによって、被記録用紙P上に所定のトナー像を形成するもので、回転可能に軸支された光導電性を有する、例えば、ドラム状の感光体30と、この感光体30の周囲にその回転方向に沿って作像プロセス順に、帯電装置31、光走査ユニット32、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置33Y、33M、33C、33B、中間転写系34と、クリーニング装置35と、図示しない除電ユニットと、中間転写体ローラ341に対向して配設された2次転写系36とから構成されている。
帯電装置31は、コロナ放電によって感光体30の表面に所定電位を与えるものである。光走査ユニット32は、図示しない高速回転するポリゴンミラーおよびポリゴンモータなどを備え、画像読取部によって読み取られた原稿の画像情報に応じて変調された光ビームB例えば、レーザービームを感光体30に照射する。これにより、感光体30の表面の電位を選択的に減衰させて、この感光体30の表面である被走査面上に静電潜像を形成する。
現像装置33Y、33M、33C、33Bは、上記静電潜像をトナーにより現像して、感光体30の表面にトナー像を形成するものである。現像装置33Y、33M、33C、33Bには、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が収容されている。
中間転写系34は、感光体30に当接する中間転写体ローラ341と、この中間転写体ローラ341に対向して配設されたクリーニング装置342とを備え、感光体30の表面に形成されたトナー像が、中間転写体ローラ341上に一旦転写される。中間転写体ローラ341上では各色の画像を重ね合わされてカラー画像が形成される。
2次転写系36は、図示する例では転写ベルト361を備え、中間転写体ローラ341の下部に対向して配設されており、被記録用紙Pが中間転写体ローラ341および転写ベルト361のニップ部に搬送されてきたときに、中間転写体ローラ341上のカラー画像が被記録用紙Pに転写される。
クリーニング装置35は、転写後の感光体30の表面に残留しているトナーを除去するものであり、また、図示しない除電ユニットは、感光体30の表面の残留電荷を除去するものである。
定着手段5は、画像形成部3の被記録用紙Pの搬送方向の下流側に配置され、画像形成部3においてトナー像が転写された被記録用紙Pを、回転する加熱ローラ51と、この加熱ローラ51と共同して押圧・回転する加圧ローラ52とを備えている。これら一対の加熱ローラ51と、加圧ローラとの間に、未定着トナー像を担持した被記録用紙Pを挟持搬送し、加熱、加圧し、未定着トナー像を被記録用紙P上に定着させる。加熱ローラ51および加圧ローラ52は、例えば、パイプ状のアルミニウム、鉄などからなり、その表面にシリコンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱弾性体層を形成し、更に、その表面にPFA、PTFEなどからなる離型層を形成して構成されている。また、加熱ローラ51の内部には、ハロゲンヒータなどからなる熱源53(図3参照)が設けられ、加熱ローラ51を加熱するように構成されている。
なお、感光体30および中間転写系34の中間転写体ローラ341は、例えば直流モータなどからなる駆動手段(不図示)により駆動されている。また、前段搬送系4の下部側のレジストローラ41および2次転写系36の転写ベルト361は、例えば直流モータなどからなる駆動手段(不図示)により駆動されている。また、定着手段5の加圧ローラ52および後段搬送系6は、例えばステッピングモータなどからなる駆動手段(不図示)により駆動されている。さらに、給紙ローラ202、排紙ローラ71なども直流モータやステッピングモータなどからなる駆動手段(不図示)により駆動されている。
この複写機1の基本的な作動状態を簡単に説明すると、帯電装置31により図1で反時計方向に回転する感光体30が一様に帯電され、画像読取部で読み取られた画像情報に基づいて、例えば、レーザー走査装置などからなる光走査ユニット32からのレーザービームBにより感光体30上に静電潜像が形成され、現像装置33Y、33M、33C、33Bにより静電潜像に現像剤が付着されて各色別にトナー像が順次形成される。
上記のようにしてトナー像が形成された感光体30に向けて、給紙部2から被記録用紙Pが画像形成部3に搬送される。このとき、被記録用紙Pは、レジストローラ41、42により、感光体30に形成されたトナー像と同期を取りながら前段搬送系4により搬送される。その後、画像形成部3において中間転写体ローラ341などからなる中間転写系34および2次転写系36により感光体30の表面におけるトナー像が被記録用紙Pに転写される。そして、未定着トナー像を担持した被記録用紙Pは、定着手段5に搬送されてトナー像が定着される。定着手段5を通過した被記録用紙Pは、排紙ローラ71を経て用紙排出トレイなどからなる排紙部7に排出される。
そして、中間転写系34による転写後に感光体30は、クリーニング装置35および除電装置で残留トナー、残留電荷を除去して、必要に応じて再び帯電装置31で帯電される。
図2は、上述の第1実施形態の複写機1の概略構成を示すブロック図である。複写機1には、給紙部2、画像読取部8、画像形成部3、前段搬送系4、定着手段5、後段搬送系6、排紙部7、各種入力キースイッチなどとして機能する操作表示部9、加熱ローラ51の表面温度を検知する接触式温度センサ10と非接触式温度センサ11、接触式温度センサ10を移動する移動手段20および複写機1全体の制御を司る制御手段12が備えられている。この制御手段12によって、後述する定着手段5の加熱ローラ51の表面温度制御が行われる。操作表示部9は、印刷指示入力用のプリントキー、印刷枚数などの入力用のテンキーなどからなる操作部と、複写機1で操作可能な各機能、用紙詰まりなどのトラブル状況などを表示する液晶パネルなどの表示装置とを備えている。
制御手段12には、主演算機能を行う他、複写機1の動作制御用のプログラムなどが記憶されたROMや、各プログラムの作業領域などとして一時的にデータを保管および画像読取部8で得られた原稿の画像データを記憶するRAMなどからなる記憶部が内蔵されたマイクロコンピュータなどにより構成されている。操作表示部9の図示しないスタートキーが押圧されると、複写動作を行わせる制御信号を給紙部2、画像読取部8、画像形成部3、前段搬送系4、定着手段5、後段搬送系6、排紙部7の各ブロックに出力してその動作を制御する。また、制御手段12は、後述する加熱ローラ51の熱源53への通電を制御するための各種プログラムや情報、更には収集したデータを記憶部に記憶し、制御する。
而して、本発明に従い、定着手段5の加熱ローラ51の表面温度を検知し、加熱制御する構成について、図3乃至図4および上述した図1、図2を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る複写機1の定着手段5の要部を示す概略構成図、図4は、図3における加熱ローラ51と、接触式温度センサ10および非接触式温度センサ11との関係を示す概略平面図である。
図3および図4に示すように、加熱ローラ51の定着通紙領域Lに対向して、加熱ローラ51の温度を検知する、例えば、接触式サーミスタなどからなる接触式温度センサ10と、例えば、非接触式サーミスタ、赤外線センサなどからなる非接触式温度センサ11とが配設されている。接触式温度センサ10は、例えば、支持軸21を支点として図3に矢印で示す方向(図3において左右)に移動する取付け枠22の一方の端部に取付けられている。この接触式温度センサ10は、常時は、加熱ローラ51とは非接触の状態(図4に点線で示す)即ち、退避した状態を維持し、制御手段12からの移動指令に基づき移動手段20により、加熱ローラ51と接触するように移動(図3および図4に実線示す)され、加熱ローラ51に接触して、加熱ローラ51の表面温度を検知する。また、非接触式温度センサ11は、図示しない枠体に取付けられている。
移動手段20は、例えば、取付け枠22の他方の端部(接触式温度センサ10とは反対側)に設けられている。この移動手段20は、圧縮コイルバネ23と、この圧縮コイルバネ23に抗して作用するソレノイド24とからなり、例えば、ソレノイド24をオフにしたときには、圧縮コイルバネ23のバネ力により、支持軸21を支点として、接触式温度センサ10を加熱ローラ51と接触しない、即ち、退避した状態(図4に点線で示す)を維持する。また、ソレノイド24をオンにしたときには、図3に示す様に、ソレノイド24の電磁力により、圧縮コイルバネ23のバネ力に抗して作用し、支持軸21を支点として、接触式温度センサ10が加熱ローラ51に接触するように移動される。この接触状態で、接触式温度センサ10は、加熱ローラ51の表面温度を検知する。
次に、定着手段5の加熱ローラ51の表面温度の検知および加熱制御について、図5および図6に基づいて説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る複写機の接触式温度センサの動作を説明するためのフローチャート、図6は、本発明の第1実施形態に係る複写機の加熱ローラ51の表面温度と時間との関係を示すタイムチャートである。なお、図6に実線で示す曲線は、加熱ローラ51の表面温度を、点線で示す曲線は、非接触式温度センサ11の非接触検知温度を示す。
先ず、ステップS1において、複写機1を稼動するために図示しない電源がオン(t1、図6参照)されると、ステップS2に移行し、加熱ローラ51を加熱するための第1のウォーミング・アップ(t1からt2、図6参照)が行われる。即ち、加熱ローラ51の表面温度を定着に適した定着温度、例えば、180℃±5℃〜10℃の範囲内に加熱するため、加熱ローラ51内に配設された、例えば、ヒータなどからなる熱源53に通電し、加熱する。この加熱により、加熱ローラ51は加熱され、その表面温度は、図6に実線で示すように上昇する。
ステップS3において、加熱ローラ51の加熱経過が、例えば、非接触式温度センサ11により、加熱ローラ51の表面温度を検知することにより行われ、制御手段12により、加熱ローラ51を加熱するための第1のウォーミング・アップ中であることが確認されると、ステップS4に移る。なお、初期設定のセットアップ時には、非接触式温度センサ11による検知は、後述する温度補正がなされていないが、非接触式温度センサ11の検知面は、汚れていないので、補正の必要はない。
ステップS4において、加熱ローラ51を、加圧ローラ52とともに回転駆動する第2のウォーミング・アップを行う直前か否かの確認が行われる。この確認は、例えば、非接触式温度センサ11により、加熱ローラ51の表面温度を検知し、制御手段12により確認される。即ち、第2のウォーミング・アップを、加熱ローラ51の表面温度が、例えば、160℃になった時点で行うように設定しいていた場合、160℃あるいはこれより数度低い温度(160℃―x℃)を、加熱ローラ51を回転する直前(t2またはt2−α、図6参照)として制御手段12に、予め、設定しておき確認すればよい。加熱ローラ51を回転する直前であることが確認されると、ステップ5に移る。
次に、ステップS5において、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオンされ、加熱ローラ51から退避していた接触式温度センサ10が、加熱ローラ51側に移動され、加熱ローラ51に接触する。これにより、加熱ローラ51の表面温度が検知され、その検知結果が接触検知温度T10として制御手段12に伝達される。制御手段12では、接触式温度センサ10で検知した接触検知温度T10と、その時点における非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11とを比較し、補正温度T(=T10−T11)を決め、制御手段12内のROMなどの記憶部に記憶する。これ以降は、非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた補正後の非接触検知温度(T11+T)に基づき、加熱ローラ51を加熱する熱源53への通電のオン・オフ制御が行われる。また、次回の接触式温度センサ10による、温度検知が行われると、その補正温度Tは、順次更新される。なお、この比較の際、接触式温度センサ10と比較する非接触式温度センサ11の非接触検知温度T11は、検知した値そのもの、即ち、補正前のものを用いる。
ステップS6において、制御手段12より、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の表面温度の検知の有無が確認され、これが確認されるとステップS7に移り、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオフされ、圧縮コイルバネ23のバネ力により、接触式温度センサ10は、加熱ローラ51から退避される。
ステップS8において、接触式温度センサ10が、加熱ローラ51から退避されていることが確認されると、制御手段12は、ステップS9に移行し、第2のウォーミング・アップ(t2からt3、図6参照)、即ち、加熱ローラ51を加圧ローラ52とともに回転駆動するように制御する。
その後、ステップS10において、非接触式温度センサ11による加熱ローラ51の非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた温度、即ち、補正後の非接触検知温度(T11+T)が、適正な定着温度、例えば、180℃に達すると、加熱ローラ51および加圧ローラ52の回転駆動は、停止される。次いで、ステップS11に移行し、画像形成のためのレディー表示が操作表示部9の表示装置に表示され、複写に関する各種設定の受付が可能となり、例えば、複写指示がないと、一定時間経過後、スタンバイ制御に移行する。
また、ステップS12において、操作表示部9から各種設定がなされ、その後スタートキーが押圧されたことが検出(ステップS13でYes)されると、制御手段12からの指示により、例えば、コンタクトガラス81上に載置された原稿から画像を画像読取部8により画像が読み取られ(ステップS14)、その画像情報が制御手段12に出力され、制御手段12に記憶される。これにより、画像読み取り処理を終了し、ステップS15に移行する。
ステップS15により、制御手段12からの指示に基づき、給紙部2から被記録用紙Pが給紙され、次いでステップS16に移行し、画像形成部3において、制御手段12からの画像情報に基づき各種処理を行って、感光体30に形成されたトナー画像を被記録用紙Pに画像転写、その後、ステップ17に移行し、定着手段5により定着処理を施し、装置本体の排紙部7から排出される(ステップ18)。この定着手段5の加熱制御は、常時、非接触式温度センサ11により加熱ローラ51の温度検知を行い、この非接触検知温度(T11)を、上述したように、加熱ローラ51が回転していないときに接触式温度センサ10で検知した接触検知温度T10に基づいて補正温度Tを求め、補正後の非接触検知温度(T11+T)を基準に、制御手段12により加熱ローラ51の熱源53への通電を制御する。
その後、ステップS19において、制御手段12により設定された複写枚数(セット数)分の画像形成処理が終了したか否かが確認され、終了していない場合には(ステップS19でNO)、再度、画像形成処理を行うべくステップS14に移行する。終了した場合(ステップS19でYES)、複写処理を終了し、レディーモードに移行する。
以上の構成による本実施形態によれば、常時、非接触式温度センサ11により加熱ローラ51の温度検知を行い、この非接触検知温度T11を、加熱ローラ51が回転していないときに接触式温度センサ10で検知した接触検知温度T10に基づいて補正温度Tを求め、補正後の非接触検知温度(T11+T)を基準に、加熱ローラ51を加熱する熱源53への通電を制御している。従って、加熱ローラ51の表面温度を適正な定着温度範囲内に制御できる。この結果、加熱ローラ51の非接触式温度センサ11による検知温度の不正確に伴う定着不良の発生は防止でき、常に、高品質な画像を出力することができる。
また、接触式温度センサ10の温度検知は、加熱ローラ51が回転していないときに行っているので、加熱ローラ51に接触式温度センサ10が接触することによって発生する接触傷は発生しない。また、加熱ローラ51と、接触式温度センサ10との間に、トナーが溜まりことがなくなり、不要なトナーが被記録用紙に付着することはなくなり、常に、高品質な画像を出力することができる。
また、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の温度検知は、例えば、電源投入後などの画像形成のためのウォーミング・アップ中で、かつ、加熱ローラ51が回転していないときに行っている。従って、電源投入操作を行えば自動的に接触式温度センサ10が、加熱ローラ51の温度検知を行うので、ユーザに、殊更特別な操作を強いることがない。
また、接触式温度センサ10の加熱ローラ51への接触は、画像形成のためのウォーミング・アップ中で、ウォーミング・アップのために加熱ローラ51を回転する直前であるので、温度検知のために、ウォーミング・アップ時間を延長する必要がない。
また、加熱ローラ51の温度を検知後、接触式温度センサ10は、加熱ローラ51が回転する以前に、速やかに退避しているので、加熱ローラ51に接触式温度センサ10が接
触することによって発生する接触傷は発生しない。
触することによって発生する接触傷は発生しない。
また、接触式温度センサ10を加熱ローラ51に接触および退避する移動手段20は、圧縮コイルバネ23と、この圧縮コイルバネ23に抗して作用するソレノイド24とから形成しているので、その移動制御は、ソレノイド24をオン・オフ制御するのみでよく、その制御が単純にすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る複写機の接触式温度センサの動作を説明するためのフローチャート、図8本発明の第1実施形態に係る複写機の加熱ローラ51の表面温度と時間との関係を示すタイムチャートである。以下図7、図8および上述した図1乃至図4を参照しながら説明する。以下、上述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る複写機の接触式温度センサの動作を説明するためのフローチャート、図8本発明の第1実施形態に係る複写機の加熱ローラ51の表面温度と時間との関係を示すタイムチャートである。以下図7、図8および上述した図1乃至図4を参照しながら説明する。以下、上述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の表面温度を、画像形成のためのレディー表示直前に検知するようにしたものである。
先ず、上述の実施形態と同様、ステップS21において、複写機1を稼動するために図示しない電源がオン(t1、図8参照)されると、ステップS22に移行し、第1のウォーミング・アップ(t1からt2、図8参照)が行われる。即ち、加熱ローラ51の表面温度を定着に適した定着温度、例えば、180℃±5℃〜10℃の範囲内に加熱するため、加熱ローラ51内に配設された、例えば、ヒータなどからなる熱源53に電力を通電し、加熱する。この加熱により、加熱ローラ51は加熱され、その表面温度は上昇する。
先ず、上述の実施形態と同様、ステップS21において、複写機1を稼動するために図示しない電源がオン(t1、図8参照)されると、ステップS22に移行し、第1のウォーミング・アップ(t1からt2、図8参照)が行われる。即ち、加熱ローラ51の表面温度を定着に適した定着温度、例えば、180℃±5℃〜10℃の範囲内に加熱するため、加熱ローラ51内に配設された、例えば、ヒータなどからなる熱源53に電力を通電し、加熱する。この加熱により、加熱ローラ51は加熱され、その表面温度は上昇する。
ステップS23において、加熱ローラ51の加熱経過が、例えば、非接触式温度センサ11により検知される。そして、制御手段12により、画像形成のための第1のウォーミング・アップを終え、第2のウォーミング・アップである加熱ローラ51を、加圧ローラ52とともに回転駆動する温度、例えば、160℃になったことが、制御手段12により確認されると、ステップS24に移り、加熱ローラ51は、加圧ローラ52とともに回転駆動される。なお、初期設定のセットアップ時には、非接触式温度センサ11による検知は、後述する温度補正がなされていないが、非接触式温度センサ11の検知面は、汚れていないので、補正の必要はない。
次に、ステップS25において、非接触式温度センサ11による加熱ローラ51の非接触検知温度T11が、適正な定着温度、例えば、180℃に達し、画像形成のためのレディー表示を行う直前(図8において、t3−α)か否か、制御手段12により確認される。直前であると確認されると、ステップ26に移行し、加熱ローラ51の回転が停止しているか否かが確認され、停止していると、ステップ27に移行する。
ステップ27において、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオンされ、加熱ローラ51から退避していた接触式温度センサ10が、加熱ローラ51側に移動され、加熱ローラ51に接触する。これにより、加熱ローラ51の表面温度が検知され、その検知結果である接触検知温度T10が制御手段12に伝達される。制御手段12では、接触式温度センサ10で検知した接触検知温度T10と、その時点における非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11とを比較し、補正温度T(=T10−T11)を決め、制御手段12内のROMなどの記憶部に記憶する。これ以降は、非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた補正後の非接触検知温度(T11+T)に基づき、加熱ローラ51を加熱する熱源53への通電制御が行われる。また、次回の接触式温度センサ10による、温度検知が行われると、その補正温度Tは、順次更新される。
その後、ステップS28において、制御手段12より、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の表面温度の検知の有無が確認され、検知が確認されるとステップS29に移り、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオフされ、圧縮コイルバネ23のバネ力により、接触式温度センサ10は、加熱ローラ51から退避される。
ステップS30において、接触式温度センサ10が、加熱ローラ51から退避されていることが確認されると、制御手段12は、ステップS31に移行する。
その後、ステップS31において、非接触式温度センサ11による加熱ローラ51の非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた温度、即ち、補正後の非接触検知温度(T11+T)が、定着温度、例えば、180℃に達すると、ステップS32に移行し、画像形成のためのレディー表示が操作表示部9の表示装置に表示される。以下、ステップ33に移行し、複写に関する各種設定の受付が可能となる。
その後、ステップS31において、非接触式温度センサ11による加熱ローラ51の非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた温度、即ち、補正後の非接触検知温度(T11+T)が、定着温度、例えば、180℃に達すると、ステップS32に移行し、画像形成のためのレディー表示が操作表示部9の表示装置に表示される。以下、ステップ33に移行し、複写に関する各種設定の受付が可能となる。
以上の構成による本実施形態よれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する他、接触式温度センサの加熱ローラ51への接触は、ウォーミング・アップ中で、ウォーミング・アップのための加熱ローラ51の回転が終了し、画像形成のためのレディー信号を発する直前に行っている。従って、検知温度は、適正な定着温度、若しくは定着温度に極めて近い温度領域であるので、より正確な温度補正ができ、都合が良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係る複写機の接触式温度センサの動作を説明するためのフローチャートである。以下図9および上述した図1乃至図4を参照しながら説明する。以下、上述した第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
次に、本発明の第3実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係る複写機の接触式温度センサの動作を説明するためのフローチャートである。以下図9および上述した図1乃至図4を参照しながら説明する。以下、上述した第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上述した各実施形態では、1回/日乃至1回/週間程度は、電源がオフされるような使用方法がなされる複写機を対象として本発明を適用した場合について述べたが、本実施形態では、初期設定のセットアップ時後、電源をオフすることなく長期間に亘って使用される、例えば、ファクシミリ機能を備えた複合機に、本発明を適用したものである。
先ず、上述の各実施形態と同様、ステップS41において、予め電源がオンされ、ウォーミング・アップなどが終了し、スリープモード(ステップ42)にあるものとする。
ステップS43により、このスリープモードが確認されると、ステップ44に移行し、制御手段12は、予め設定された接触式温度センサ10による加熱ローラ51の温度検知を行うか否か確認する。予め、設定された加熱ローラ51の温度を検知する時間であることが確認されると、ステップ45に移行する。なお、制御手段12に予め、設定する温度を検知する時間としては、日単位、週単位若しくは月単位など、当該装置の使用頻度に応じて、設定すればよい。また、時間帯としては、毎日午前0時や、日曜日の午前0時といったように、通常ではあまり画像形成が行われない時間帯を設定するのが好ましい。
ステップS43により、このスリープモードが確認されると、ステップ44に移行し、制御手段12は、予め設定された接触式温度センサ10による加熱ローラ51の温度検知を行うか否か確認する。予め、設定された加熱ローラ51の温度を検知する時間であることが確認されると、ステップ45に移行する。なお、制御手段12に予め、設定する温度を検知する時間としては、日単位、週単位若しくは月単位など、当該装置の使用頻度に応じて、設定すればよい。また、時間帯としては、毎日午前0時や、日曜日の午前0時といったように、通常ではあまり画像形成が行われない時間帯を設定するのが好ましい。
ステップS45において、加熱ローラ51が回転しているか否かが確認され、回転していないと、ステップ46に移行し、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオンされ、加熱ローラ51から退避していた接触式温度センサ10が、加熱ローラ51側に移動され、加熱ローラ51に接触する。これにより、加熱ローラ51の表面温度が検知され、その検知結果である接触検知温度T10が制御手段12に伝達される。制御手段12では、上述した各実施形態と同様、接触式温度センサ10で検知した接触検知温度T10と、その時点における非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11とを比較し、補正温度T(=T10−T11)を決め、制御手段12内のROMなどからなる記憶部に記憶する。これ以降は、非接触式温度センサ11で検知した非接触検知温度T11に、補正温度Tを加えた補正後の非接触検知温度(T11+T)に基づき、加熱ローラ51を加熱する熱源53への通電制御が行われる。また、次回の接触式温度センサ10による、温度検知が行われると、その補正温度Tは、順次更新される。
その後、ステップS47において、制御手段12より、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の表面温度の検知の有無が確認され、検知したことが確認されるとステップS48に移り、制御手段12からの指示により、移動手段20のソレノイド24がオフされ、圧縮コイルバネ23のバネ力により、接触式温度センサ10は、加熱ローラ51から退避される。
ステップS49において、接触式温度センサ10が、加熱ローラ51から退避されていることが制御手段12により確認されると、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の温度検知動作は終了し、再びスリープモード(ステップ42)に戻る。
以上の構成による本実施形態よれば、スリープモード中の制御手段12に、予め、設定された温度を検知する時間で、かつ、加熱ローラ51が回転していないときに行っているので、加熱ローラ51に接触式温度センサ10が接触することによって発生する接触傷は発生しない。また、加熱ローラ51と、接触式温度センサ10との間に、トナーが溜まりことがなくなり、不要なトナーが被記録用紙Pに付着することはなくなり、常に、高品質な画像を出力することができる。
更に、電源投入後、長期間に亘って稼動する、例えば、ファクシミリや、ファクシミリ機能を備えた複合機などにあっても、制御手段12に予め、設定された温度を検知する時間に、自動的に接触式温度センサ10が、加熱ローラ51の温度検知を行うので、ユーザに、殊更特別な操作を強いることがない。
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。
例えば、上述した第1実施形態では、カラー複写機を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば、モノクロの複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置、そしてコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などの各種機能を兼ね備えた複合機などに対しても適用可能である。
また、非接触式温度センサおよび接触式温度センサは、定着時に飛散するトナーやオイル、更には紙粉などによって汚れるので、定期点検時などサービスマンにより、清掃などするようにしても良い。この場合、清掃後は、制御手段に記憶されている補正温度Tは、一度クリヤーし、初期のセットアップ時と同じ状態にしておけば良い。
また、接触式温度センサにより測定した接触検知温度と、非接触式温度センサにより測定した非接触検知温度との差が、一定範囲を超えた場合には、非接触式温度センサが過度に汚れていると判断し、アラム信号、例えば、サービスマンコールを表示し、サービスマンにより非接触式温度センサを清掃するようにしても良いのは、勿論である。
また、上述した第1実施形態では、被記録用紙Pに中間転写体ローラ341上のカラー画像を被記録用紙Pに転写するニップ部を形成するのに、転写ベルト361を用いたが、この転写ベルト361に換えて転送ローラを用いても良いのは、勿論である。
また、上述した第1実施形態では、補正温度Tを決定するに際し、ステップ1において、電源投入後のウオームアップ中であることを条件にしているが、同様のウオームアップが行われる、例えば、スリープモード解除後やジャム(紙詰まり)処理後においても、同様に動作するように構成してもよいのは勿論である。
また、上述した第1実施形態では、補正温度Tを決定するに際し、ステップ1において、電源投入後のウオームアップ中であることを条件にしているが、同様のウオームアップが行われる、例えば、スリープモード解除後やジャム(紙詰まり)処理後においても、同様に動作するように構成してもよいのは勿論である。
また、上述した第1実施形態では、第2のウォーミング・アップを行うタイミングを、温度管理で行ったが、これに換えて時間管理で行うようにしても良い。この場合には、制御手段12に、第2のウォーミング・アップである加熱ローラ51を回転するタイミングを、電源オン後、一定の時間経過したときに動作するように設定すれば良いのは、勿論である。
また、第3実施形態において、接触式温度センサ10による加熱ローラ51の温度を検知する時間の設定は、予め初期設定のセットアップ時に、サービスマンによって設定してもよく、あるいは、ユーザが操作表示部9(図2参照)から設定できるようにしても良いのは勿論である。
本発明の活用例としては、被記録用紙に担持した未定着トナー像を定着する定着手段を備えた画像形成装置が挙げられる。
1 画像形成装置(カラー複写機)
5 定着手段
51 加熱ローラ
52 加圧ローラ
10 接触式温度センサ
11 非接触式温度センサ
12 制御手段
20 移動手段
23 圧縮コイルバネ
24 ソレノイド
P 被記録用紙
L 定着通紙領域
T10 接触検知温度
T11 非接触検知温度
5 定着手段
51 加熱ローラ
52 加圧ローラ
10 接触式温度センサ
11 非接触式温度センサ
12 制御手段
20 移動手段
23 圧縮コイルバネ
24 ソレノイド
P 被記録用紙
L 定着通紙領域
T10 接触検知温度
T11 非接触検知温度
Claims (7)
- 回転する加熱ローラと、前記加熱ローラと共同して押圧・回転する加圧ローラとの間に、未定着トナー像を担持した被記録用紙を挟持搬送し、前記未定着トナー像を前記被記録用紙に定着する定着手段と、前記加熱ローラを加熱する熱源と、前記熱源への通電を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記加熱ローラの定着通紙領域に対向して、前記加熱ローラの温度を検知する非接触式温度センサと、接触式温度センサと、前記接触式温度センサを移動する移動手段とを設け、前記非接触式温度センサで検知した非接触検知温度を、予め、前記加熱ローラが回転していないときに、前記接触式温度センサで検知した接触検知温度に基づいて補正し、補正後の前記非接触検知温度に基づいて、前記制御手段が前記熱源への通電を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記移動手段を制御するとともに、前記接触式温度センサは、前記加熱ローラを加熱するためのウォーミング・アップ中で、かつ、前記加熱ローラが回転していないときにのみ、前記加熱ローラと接触することにより、前記加熱ローラの温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記接触式温度センサは、前記ウォーミング・アップ中で、かつ、前記加熱ローラが回転する直前に、前記加熱ローラに接触することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記接触式温度センサは、前記ウォーミング・アップ中で、かつ、前記加熱ローラの回転が終了し、前記制御手段が画像形成のためのレディー信号を発する直前に、前記加熱ローラに接触することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記移動手段を制御するとともに、前記接触式温度センサは、スリープモード中の前記制御手段に、予め、設定された加熱ローラの温度を検知する時間で、かつ、前記加熱ローラが回転していないときに前記加熱ローラに接触し、前記加熱ローラの温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記移動手段を制御するとともに、前記接触式温度センサは、前記加熱ローラの温度を検知後、前記加熱ローラが回転する前に前記加熱ローラから退避することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記接触式温度センサと前記加熱ローラの接触および退避は、圧縮コイルバネと、前記圧縮コイルバネに抗して作用するソレノイドにより形成された移動手段によりなされることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
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2004
- 2004-07-30 JP JP2004224620A patent/JP2006047410A/ja active Pending
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