JP2006047228A - 回転角度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出素子の検出感度が低下しても回転角度算出の精度を確保でき、しかもその回転角度算出を簡素化することができる回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】 車両にエンジンがかけられると回転角度検出装置1が起動し、算出回路12は磁気センサ6,7からA/Dコンバータ10を介して正弦値Y1及び余弦値Y2を入力する。算出回路12は逆正接関数を求めて逆正接値Vhを算出し、その逆正接値Vhから磁石3の回転角度θを算出する。また、磁気センサ6,7を同一バイアス条件、つまり同一印加電圧で使用している。従って、磁気センサ6から出力される正弦信号Saの振幅A1と、磁気センサ7から出力される余弦信号Sbの振幅A2とが同じ値をとった状態となるので、逆正接値Vhを算出する際には、正弦値Y1の振幅A1と余弦値Y2の振幅A2とが相殺される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検出体と検出素子との間の相対的な回転角度を演算する回転角度検出装置に関する。
従来、この種の回転角度検出装置としては、例えば磁気検出素子を用いた特許文献1に示す装置が開示されている。同文献1に示す回転角度検出装置は、スロットルバルブ等の回転軸に磁石を固着し、この磁石を検知可能な位置にホールICを配置した構成をとる。ホールICはホール素子やその他のデバイス等からなり、スロットルバルブの回転によって磁石が回転した際には、ホール素子の感磁面への磁束角度が変化するので、この磁束角度の変化に基づきスロットルバルブの回転角度が算出される。
ここで、ホール素子は正弦波の検出信号(電圧値)を出力するが、検出信号がリニア(直線的)に変化すれば簡単な演算処理で回転角度を演算できるので、検出信号がリニアに変化する範囲では回転角度を短時間で精度よく演算可能となる。しかし、検出信号が正弦波の場合には検出信号のリニア変化範囲が狭いので、回転角度の検出範囲を無理に広くとると回転角の演算精度が低下するという問題が生じる。また、検出信号の曲線部分を厳密に演算して回転角度を算出すると、複雑な演算処理が必要となり演算処理速度が遅くなる問題が生じる。
そこで、同文献1では、ホール素子から検出信号として図8に示す正弦信号Sxaが出力される場合には、その正弦信号Sxaを逆正弦関数(arcsin)の信号Sxbに変換することで、正弦信号Sxaをリニアな信号に変換して回転角度を算出している。このようにすれば、リニアな信号で回転角度算出が可能となり、簡単な演算処理で回転角度を精度良く求めることが可能となる。
特開2001−124511号(第3−5頁、第1図)
ところで、長時間の使用や厳しい使用環境下等が原因で回転角度検出装置が温度上昇する場合がある。ホール素子には温度による影響を受けて出力に変化が生じる特性があるので、装置が温度上昇するとホール素子の検出感度が低下し、図8の二点差線で示すようにホールICの検出信号が低下し、逆正弦信号Sxbも同図の二点差線で示すようにずれが生じる。こうなると、逆正弦値(逆余弦値)と回転角度との相関関係にずれが生じ、正確な回転角度が算出できない問題が生じてしまう。
さらに、ホール素子から検出信号として余弦信号が出力された場合も、同様に余弦信号を逆余弦信号(arccos)の信号に変換し、リニアな信号で回転角度算出を行うことができるが、正弦信号Sxaと同様に温度による影響を受けて出力に変化が生じ、逆余弦信号も変動してしまう。また、回転角度の算出精度を確保するにしても、それを満たし得る回転角度算出プログラムは演算速度やメモリ量の観点から、回転角度算出を簡単にして演算プログラム量をなるべく減らしたい要望もあった。
一方、別の考え方として、例えば温度センサ等を用いて使用環境下の温度を検出し、その温度値に基づき逆正弦信号(逆余弦信号)を補正することで回転角度を算出する方法も考えられる。しかし、この方法を用いると温度センサが別途必要となるので、装置のコストアップや大型化の観点から、この方法は採用できない現状があり、温度センサを用いない別の方法が望まれていた。
本発明の目的は、検出素子の検出感度が低下しても回転角度算出の精度を確保でき、しかもその回転角度算出を簡素化することができる回転角度検出装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、被検出体との間の相対回転に応じた検出信号を各々異なる位相で出力する複数の検出素子と、前記検出素子の検出信号によって逆正接関数に準ずる逆正接値を求め、該逆正接値に基づき前記被検出体及び検出素子の間の回転角度を算出する算出手段とを備えた回転角度検出装置において、前記検出素子に供給される印加電圧を同一値としたことを要旨とする。
この発明によれば、算出手段が逆正接信号を求めるには、まず1つの検出素子の検出信号から正弦信号を入力するとともに他の1つの検出素子の検出信号から余弦信号を入力し、その正弦値及び余弦値に基づき算出する。このとき、正弦値を余弦値で除算する算出過程を経て逆正接値を求めれば、その計算により求まる正接値は正弦値及び余弦値の比率をとることになるので、例えば温度上昇が原因で検出素子の感度が低下して正弦値及び余弦値に変化が生じても、値に変化が生じない。従って、その逆正接値により回転角度が算出されるので、算出手段が求める回転角度には感度低下による影響が生じず、回転角度の検出精度が確保される。
また、検出素子に供給される印加電圧を同一値としておくと、正弦信号及び余弦信の各振幅が同一値をとるので、正弦値を余弦値で除算した際に正弦値及び余弦値の各々に含まれる信号波形の振幅項が相殺される。従って、逆正接関数演算の簡素化が図られることになるので、検出素子に感度低下が生じても回転角度の検出精度の確保できる効果に加え、逆正接値を簡単に演算できる効果も奏する。なお、被検出体に対する検出素子の検出条件が同条件とは、条件の値に若干の誤差が含まれるものとする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記算出手段は、前記検出素子から入力した正弦関数に準ずる正弦値と余弦関数に準ずる余弦値とに基づき、前記正弦値を前記余弦値で除算することで正接値を算出し、その逆正接値を算出することによって前記回転角度を算出することを要旨とする。
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、正弦値を余弦値で除算することで正接値が算出され、その逆正接値により回転角度が算出される。従って、検出素子の感度が低下して正弦値及び余弦値に変化が生じても、正接値を算出する際にその検出感度変化分が相殺され、逆正接値自体には変化が生じない。従って、その逆正接値により回転角度が算出されるので、算出手段が求める回転角度には感度低下による影響が生じず、回転角度の検出精度が確保される。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記算出手段は、前記検出素子から入力した正弦関数に準ずる正弦値及び余弦関数に準ずる余弦値の少なくとも一方と、前記逆正接値とに基づき前記回転角度を算出することを要旨とする。
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、逆正接信号は180度ごとに波形が繰り返される波形形状をとることから、0〜360度で回転角度を算出する場合、1つの逆正接値から1周期の間で2つの角度が得られてしまう。しかし、正弦値及び余弦値の少なくとも一方を用いれば、得られた2つの逆正接値がどの象限に存在するものかを判定することが可能となる。従って、1つの逆正接値から回転角度が一義的に導かれ、0〜360度の回転角度算出が可能となり、回転角度検出装置の用い先が広域に亘る。
本発明によれば、検出素子の検出感度が低下しても回転角度算出の精度を確保でき、しかもその回転角度算出を簡素化することができる。
以下、本発明を具体化した回転角度検出装置の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1は、回転角度検出装置1の概略構成を示す模式斜視図である。回転角度検出装置1は例えば車両のニュートラルスタートスイッチに用いられ、詳しくは自動変速機のギヤ位置変更時に操作されるシフトレバー(図示略)の操作位置を検出する検出装置である。回転角度検出装置1は中空状のケース2を備え、このケース2を車両ボディ(図示略)に固着することで車両に組み付けられる。
ケース2の内部には、自身の周りに所定磁界を発生する磁石3が収容されている。磁石3は例えば円柱状の永久磁石(ネオジウム、サマリウム等)が用いられ、シフトレバーと連動して回動する回動軸4に固着されている。従って、シフトレバーが操作されると、それに応じた回転方向(図1の矢印A方向)に磁石3が回転する。また、回動軸4はケース2の上壁の挿通孔2aからにケース外に導出され、磁石3は回動軸4と軸心が一致するように固定されている。なお、磁石3が被検出体に相当する。
ケース2の内部底面には、各種素子を実装した基板5が取着されている。基板5には、磁石3の磁束を検出する複数(本例は2つ)の磁気センサ6,7が磁石3と対向する位置に実装されている。各磁気センサ6,7は磁気抵抗素子(MRE)を用いたセンサであり、図2(a)に示すように4つの抵抗素子R1〜R4をブリッジ状に接続した回路である。各抵抗素子R1〜R4は、それぞれ異方性磁気抵抗効果を有するNi−Co等の強磁性体からなり、その抵抗値は磁気センサ6(7)にかかる磁束の向きに応じて変化する。なお、磁気センサ6,7が検出素子に相当する。
磁気センサ6,7は、ブリッジ回路の中点電位ΔVを磁束の検出信号として出力する。ここで、磁気センサ6,7を通過する磁束の方向は磁石3の回転位置、つまりシフトレバーの操作位置(操作角度)に応じて変化することから、中点電位ΔVもシフトレバーの操作位置に応じて変化する。このため、磁気センサ6,7は磁石3からの磁束をシフトレバーの操作位置(操作角度)に応じた向きで受けることになり、シフトレバーの操作位置に応じた電位で検出信号を出力する。
図2(b)に示すように、磁気センサ6,7は各々が出力する検出信号の信号波形の位相が90度ずれるように抵抗素子R1〜R4の向きが設定されている。従って、本例において一方の磁気センサ6は正弦関数に準ずる信号を出力するセンサであり、磁石3の回転に応じて図4の一点鎖線で示す正弦信号Saで出力する。また、他方の磁気センサ7は余弦関数に準ずる信号を出力するセンサであり、磁石3の回転に応じて図4の二点差線で示す余弦信号Sbで出力する。
磁気センサ6,7は、磁石3に対する磁場検出条件がほぼ同じ状態、つまり両者が磁石3からほぼ同じ磁場(磁束向き、磁界強度)の磁束を受けるように近接状態で配置されている。このように、磁気センサ6,7が近接状態で配置されれば、各磁気センサ6,7が出力する正弦信号Sa及び余弦信号Sbの出力特性が同期した状態、つまり振幅や周期等がほぼ同じ値で出力される状態となる。また、これら磁気センサ6,7は基板5にマスクパターンを転写する方式で基板5上に実装される。
図3は、回転角度検出装置1の電気構成を示す電気構成図である。回転角度検出装置1は、同装置のメイン制御を司るマイクロコンピュータ8と、装置内の各種デバイス(素子)に安定した所定レベルの電圧を供給する電源回路9と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ10と、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ11とを備えている。回転角度検出装置1は電源供給元として車両のバッテリBに接続され、バッテリBの電力に基づき稼働する。
電源回路9は、バッテリBからバッテリ電圧を入力し、それを各種デバイス(素子)に応じた所定の電圧レベルに変換し、これら電圧を磁気センサ6,7やマイクロコンピュータ8等に出力する。磁気センサ6,7やマイクロコンピュータ8は、その安定した所定レベルの電圧を駆動電源として入力し、この電源によって動作する。
磁気センサ6,7の両者は、駆動電源として同一値の電圧を電源回路9から各々入力するので、同一バイアス条件つまり同一印加電圧で使用されることになる。磁気センサ6,7を同一バイアス条件で使用すると、磁気センサ6が出力する正弦信号Saの振幅A1と、磁気センサ7が出力する余弦信号Sbの振幅A2とが同一値をとった状態となる。磁気センサ6,7は同一バイアスで駆動し、磁石3の回転位置、つまりシフトレバーの操作位置に応じた正弦値Y1、余弦値Y2をA/Dコンバータ10に各々出力する。A/Dコンバータ10は磁気センサ6,7から入力した正弦値Y1(余弦値Y2)をデジタル変換し、デジタル変換後の正弦値Y1及び余弦値Y2をマイクロコンピュータ8に出力する。
マイクロコンピュータ8は、正弦値Y1及び余弦値Y2に基づき磁石3の回転位置、つまりシフトレバーの操作位置として回転角度θを算出する算出回路12と、回転角度算出プログラムPを記憶したROM13と、回転角度演算時に作業領域として使用されるRAM14等を備えている。回転角度算出プログラムPは、正弦値Y1及び余弦値Y2に基づき正接関数に準じた正接値を算出し、その逆正接値Vhから磁石3の回転角度θを算出するプログラムである。算出回路12は回転角度算出プログラムPに基づき動作し、磁石3の回転角度θを算出する。このように、正弦値Y1と余弦値Y2とから正接値を算出し、その逆正接値Vhで回転角度θを算出するのは、外部環境の変化で正弦波と余弦波との検出感度が低下しても、正弦値を求める際にその検出感度変化が相殺されるので、安定した出力が得られるからである。なお、算出回路12及び回転角度算出プログラムPが算出手段に相当する。
回転角度θの演算方法を以下に説明する。まず、正弦信号Sa(図4及び図5の一点鎖線で示す信号)が次式(1) 、余弦信号Sb(図4及び図5の二点差線で示す信号)が次式(2) であるとする。また、これら式においてY1が正弦値、Y2が余弦値、A1が正弦信号Saの振幅、A2が余弦信号Sbの振幅であるとする。
Y1=A1sinθ … (1)
Y2=A2cosθ … (2)
そして、算出回路12は逆正接関数を求めるべく、次式(3) を用いて逆正接値Vhを算出する。
Vh=arctan(Y1/Y2)=arctan(tanθ)=θ … (3)
ここで、逆正接値Vhは磁石3の回転角度θに対応していることから、算出回路12は逆正接値Vhを求めることで回転角度θを算出する。逆正接値Vhは、回転角度θの値に応じて図4の実線で示すリニア状(略直線状)の逆正接信号Scで出力される。即ち、逆正接信号Scは、磁石3の回転角度θに応じて出力値(電圧値)がリニアな値をとり、しかも信号波形が180度ごとに繰り返される信号である。
ここで、回転角度θを0〜360度の範囲で検出しようとしても、逆正接信号Scの信号波形は180度ごとに同じ波形をとるので、同一の逆正接値Vhからは0〜180度と180〜360度との各領域で回転角度θがそれぞれ導出されてしまう。従って、逆正接値Vhだけで回転角度θを求めようとしても、1つの逆正接値で1つの回転角度θが一義的に決まらず、0〜180度であれば回転角度検出が行えるものの、0〜360度の間で回転角度検出を行うことはできない現状がある。
そこで、算出回路12は0〜360度の範囲で回転角度検出可能となるように、正弦信号Saの信号波形も考慮に入れて回転角度検出を行っている。これを具体的に述べると、図6(a)及び図7に示すように、正弦値Y1は回転角度θが0〜90度(第1象限)及び90〜180度(第2象限)のときに正の値を取り、回転角度θが180〜270度(第3象限)及び270〜360度(第4象限)のときに負の値を取る。一方、図6(b)及び図7に示すように、正接値は第1象限及び第3象限と第2象限及び第4象限とで各々同一値を取る。従って、逆正接値Vhを算出した際に、そのときの正弦値Y1が何処の象限に位置しているかを見れば、1つの逆正接値Vhから求め得る2つの回転角度θが、それぞれどの象限にあるものを判断することが可能となり、逆正接値Vhから一義的に回転角度θを算出することが可能となる。
例えば、図4に示すように逆正接値Vh1(>0)が算出された場合には、その逆正接値Vh1からは0〜90度の間の回転角度θ1か、若しくは180〜270度の間の回転角度θ2が算出され得る。このとき、正弦値Y1の値を考えると、例えば回転角度θが0〜90度であれば正弦値Y1が正の値をとり、回転角度θが180〜270度であれば正弦値Y1が負の値をとる。従って、正弦値Y1が正の値をとっていれば回転角度θがθ1として算出され、正弦値Y1が負の値をとっていれば回転角度θがθ2として算出される。
図3に示すように、算出回路12は逆正接値Vhつまり回転角度θを算出すると、それに応じたデジタルの出力信号をD/Aコンバータ11に出力する。D/Aコンバータ11は算出回路12から入力した出力信号をアナログ変換し、アナログ変換後の出力信号を車両の各種制御装置(各種ECU)に供給する。
次に、本例の回転角度検出装置1の作用を説明する。
車両にエンジンがかけられると回転角度検出装置1が起動し、算出回路12は磁気センサ6,7からA/Dコンバータ10を介して正弦値Y1及び余弦値Y2を入力する。算出回路12は、上述した式(3) 、つまり逆正接関数を用いて逆正接値Vhを算出し、その逆正接値Vhから磁石3の回転角度θを算出する。これにより、回転角度検出装置1の用い先が車両のエンジンニュートラルスイッチであれば、車両の自動変速機のギヤを変えるシフトレバーの操作位置が検出される。
ここで、例えば回転角度検出装置1の周りで温度上昇が生じ、磁気センサ6,7の検出感度が下がったとする。このとき、図4に示す状態を通常時の状態とすると、この感度低下が原因で各磁気センサ6,7の出力(即ち、正弦値Y1及び余弦値Y2)に影響が出て、正弦信号Sa及び余弦信号Sbは振幅A1,A2が低下した図5に示す出力波形となる。ここで、もし正弦信号Saや余弦信号Sbを用いて回転角度検出を行うのであれば、感度低下を受けて回転角度θの算出に誤差が出てきてしまう。
しかし、本例の回転角度θの算出は、正弦値Y1を余弦値Y2で除算して正接値を求め、その逆正接値Vhにより回転角度θを算出している。従って、正弦値Y1及び余弦値Y2が外部環境変化により値が低下しても、正接値は正弦値Y1を余弦値Y2で除算する計算手順を経る、つまり正弦値Y1及び余弦値Y2の比率をとるので、正弦値Y1と余弦値Y2の検出感度変化分が相殺される。このため、磁気センサ6,7に感度低下が生じて振幅A1,A2の値が低くなっても、その正接値の逆関数である逆正接値Vhについては何ら変化が生じない。よって、逆正接関数を用いて回転角度検出を行うのであれば、回転角度θにはその感度低下の影響が及ばず、回転角度θの検出精度が確保された状態となる。
また、磁気センサ6,7が磁石3からほぼ同じ磁場を検出するように、これら磁気センサ6,7が近接状態で配置される。従って、磁気センサ6,7の出力特性(即ち、正弦信号Sa、余弦信号Sbの振幅、周期等)が同期した状態となる。ここで、磁気センサ6と磁気センサ7との間で出力特性に誤差が生じると、精度良く回転角度θを導くためにはこれらの間で出力特性を合わせ込む補正処理等が必要となるが、そのような補正処理をせずに済み、簡単な計算処理で精度よく回転角度θを求めることが可能となる。
さらに、磁気センサ6,7を同一バイアス条件(同一印加電圧)で使用しているので、正弦信号Saの振幅A1と、余弦信号Sbの振幅A2とが同じ値(A1=A2)をとった状態となる。よって、逆正接値Vhは正弦値Y1を余弦値Y2で除算する計算過程を経るので、逆正接値算出の際には正弦値Y1に含まれる振幅A1の項と、余弦値Y2に含まれる振幅A2の項とが相殺される。従って、逆正接値Vhの計算が簡単になり、逆正接値算出の計算が複雑化せずに済み、逆正接値Vhの算出速度向上や算出プログラムのプログラム量抑制に効果がある。
また、上述したように逆正接信号Scは180度ごとに波形が繰り返される波形形状をとるので、逆正接値Vhのみでは回転角度θを360度の範囲で算出することはできない。しかし、逆正接値Vhの算出に加え、正弦値Y1の符号を組み合わせて回転角度θを算出すれば、1つの逆正接値Vhから回転角度θを一義的に算出することが可能となる。従って、本例では逆正接値Vhと正弦値Y1とを用いて回転角度算出を行うので、0〜360度の範囲で回転角度θを算出することが可能となり、回転角度検出装置1の用い先が広域に亘ることになる。
上記実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)磁石3の回転角度θの算出は、正弦値Y1と余弦値Y2とに基づき正接値を求め、その逆正接値Vhを求めることで行う。従って、磁気センサ6,7に感度低下が生じて例えば振幅A1,A2の値が低くなっても、逆正接値Vhを求める際の正接値演算のときにその低下分は相殺されるので、逆正接値Vhの値については変化が生じない。よって、磁気センサ6,7に感度低下が生じても、回転角度θの検出精度を確保することができる。また、磁気センサ6,7を近接した状態で配置するので、磁気センサ6,7の出力特性が同期した状態となるので、出力特性を合わせ込むような補正が不要となり、簡単な計算処理で精度よく回転角度θを算出することができる。
さらに、磁気センサ6,7を同一バイアス条件、つまり同一印加電圧で使用しているので、磁気センサ6から出力される正弦信号Saの振幅A1と、磁気センサ7から出力される余弦信号Sbの振幅A2とが同じ値をとった状態となる。逆正接値Vhは正弦値Y1を余弦値Y2で除算する計算過程を経るので、その計算の際には正弦値Y1に含まれる振幅A1の項と、余弦値Y2に含まれる振幅A2の項とが相殺され、これによって逆正接値Vhの計算を簡単に行うことができる。また、計算手順の簡単化に伴い、逆正接値Vhの計算速度の向上や、逆正接値Vhの算出プログラムのプログラム量抑制等にも効果を奏する。
(2)逆正接値Vhだけでは半周期(0〜180度)の間でしか回転角度θを検出することができない。しかし、回転角度θを0〜360度の範囲で検出する場合、1つの逆正接値Vhで複数の回転角度θが導き出されることになっても、逆正接値Vhに加えて正弦値Y1の符号も見るようにすれば、1つの逆正接値Vhから回転角度θを一義的に算出することができ、1周期つまり0〜360度で回転角度θを算出することができる。
(3)磁気センサ6,7は基板5にマスクパターンを転写することで製造されるので、近接状態の磁気センサ6,7を寸法的に精度よく製造することができる。このように、近接状態の磁気センサ6,7を寸法的に精度よく製造できれば、磁気センサ6,7の間で磁気検出条件(例えば磁石3から受ける磁場等)の誤差を低く抑えることができ、回転角度θの検出精度の向上に一層寄与する。
(4)磁気センサ6,7に感度低下が生じた場合の対処方法としては、従来技術で述べた逆正弦値(逆余弦値)を算出する方法を用い、例えば基板5に温度センサを実装して、温度センサから求まる温度値に基づき逆正弦値(逆余弦値)を補正する方法も考えられる。しかし、この方法を用いると、温度センサが別途必要になり、装置のコストアップや大型化を招くことも考えられる。しかし、本例の構成を用いればこの種の温度センサが不要であるので、装置のコストアップや大型化を招く心配がない。
なお、上記実施形態は前記構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 磁気センサ6,7を同一バイアス条件で使用する場合、この際の同一バイアス条件とは同一電源を使用することに限らず、別々の電源であっても最終的に磁気センサ6,7に供給される電圧が同じであればよい。
・ 回転角度θを0〜360度の範囲で検出可能とする場合、逆正接値Vhの値に加えて正弦値Y1の符号を加味して逆正接値Vhから一義的に回転角度θを算出する方法に限定されず、例えば正弦値Y1に代えて余弦値Y2の符号で逆正接値Vhの回転角度θを特定してもよい。
・ 磁気センサ6,7は磁気抵抗素子(MRE)を用いたものに限らず、例えばホール素子を用いたものでもよい。また、検出素子は磁気式に限らず、例えば光式を採用してもよい。
・ 回転角度検出装置1は、0〜360度の1回転の範囲内で回転角度θを検出することに限定されない。例えば、回転角度θが360度を超えるごとに算出回路12がそれをカウントすることによって、2回転以上を検出可能な構成としてもよい。
・ 磁石3は形状が円柱状に限らず、例えば板状のものなどでもよく、要は回転角度検出装置1の取り付け先に合わせた形状であれば特に限定されない。
・ シフトレバー側に磁石3を取り付け、車体側に磁気センサ6,7を取り付けることに限定されず、この組み合わせを逆、つまりシフトレバー側に磁気センサ6,7を取り付け、車体側に磁石3を取り付けてもよい。
・ 回転角度検出装置1はニュートラルスタートスイッチ(インヒビタースイッチ)に採用されることに限定されず、例えばブレーキペダルの操作量検出、アクセルペダルの操作量検出、ステアリングの回転角度検出、モータのスロットル開度検出等に採用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記被検出体に対する前記検出素子の検出条件が同条件となり得るように前記検出素子を近接状態で配置した。
(2)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記検出素子は前記被検出体から出力される磁界を検出する磁気検出素子である。
(3)請求項1〜3のいずれかにおいて、前記検出素子は、前記検出素子を基板にマスクパターンを転写することにより基板上に製造されている。
一実施形態における回転角度検出装置の概略構成を示す模式斜視図。 (a)は磁気センサの等価回路図、(b)は基板の平面図。 回転角度検出装置の電気構成を示す電気構成図。 通常時の逆正接関数の波形を示す波形図。 感度低下時の逆正接関数の波形を示す波形図。 (a)は正弦関数の波形を示す波形図、(b)は正接関数の波形を示す波形図。 正弦値及び逆正接値の各象限での符号を示すモデル図。 従来における逆正弦関数の波形を示す波形図。
符号の説明
1…回転角度検出装置、3…被検出体としての磁石、6,7…検出素子としての磁気センサ、12…算出手段を構成する算出回路、θ(θ1,θ2)…回転角度、P…算出手段を構成する回転角度算出プログラム、Vh(Vh1)…逆正接値、Y1…正弦値、Y2…余弦値、Sa…正弦信号、Sb…余弦信号、Sc…逆正接信号。

Claims (3)

  1. 被検出体との間の相対回転に応じた検出信号を各々異なる位相で出力する複数の検出素子と、前記検出素子の検出信号によって逆正接関数に準ずる逆正接値を求め、該逆正接値に基づき前記被検出体及び検出素子の間の回転角度を算出する算出手段とを備えた回転角度検出装置において、
    前記検出素子に供給される印加電圧を同一値としたことを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 前記算出手段は、前記検出素子から入力した正弦関数に準ずる正弦値と余弦関数に準ずる余弦値と基づき、前記正弦値を前記余弦値で除算することで正接値を算出し、その逆正接値を算出することによって前記回転角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
  3. 前記算出手段は、前記検出素子から入力した正弦関数に準ずる正弦値及び余弦関数に準ずる余弦値の少なくとも一方と、前記逆正接値とに基づき前記回転角度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転角度検出装置。
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