JP2006046228A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機関停止時などにおいて、交番トルクを利用して制御軸の適正な回転制御を行って例えば機関の良好な再始動性を得る。
【解決手段】 制御軸11を所定範囲内で正逆回転させることによって吸気弁のバルブリフト量を変化させる可変機構と、第1、第2作動室25、26に選択的に給排される油圧によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータ15と、前記第1、第2作動室に電動ポンプ22から油圧を選択的に給排する第1,第2油通路28,29とを備えている。バイパス通路36にパイロット弁37を設け、機関停止に、このバイパス通路を開成して前記両作動室を連通させることによりベーン部材27を介して制御軸の自由な正逆回転を確保して、交番トルクによって制御軸を小バルブリフト側に制御保持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機関運転状態に応じて吸気弁や排気弁の作動特性を変化させる内燃機関の可変動弁装置、とりわけ、該可変動弁装置のアクチュエータに関する。
従来の内燃機関の可変動弁装置としては、種々提供されており、その一つとして機関弁のバルブタイミングを可変制御する以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、このバルブタイミング制御装置は、ベーンタイプのもので、前記開口端がフロントカバーとリアカバーで閉塞されたタイミングプーリの筒状のハウジング内部に、カムシャフトの端部に固定されたベーン部材が回転自在に収納されていると共に、ハウジングの内周面に直径方向から互いに内方へ突出されたほぼ台形状の2つの隔壁部とベーン部材の2つの羽根部との間に進角側油室と遅角側油室が画成されている。
また、この進角側油室と遅角側油室とは、閉回路に構成された進角油通路と遅角油通路にそれぞれ接続され、該各油通路の上流端にはアクチュエータである電動ポンプが接続されている。
そして、電動モータによってポンプを回転駆動することにより、各油通路を介して前記進角側油室と遅角側油室のいずれか一方に油圧を選択的に供給し、かかる駆動油圧によりベーン部材を正逆回転させることによりタイミングプーリとカムシャフトとの相対回転位相を変化させて、吸気弁のバルブタイミングを可変制御するようになっている。
特開2001−271616公報
ところで、一般に内燃機関にあっては、機関弁を閉方向に付勢するバルブスプリングのばね力と、カムシャフトに設けられて機関駆動時に機関弁を回転駆動するカムによる駆動力に起因して正逆の交番トルクが発生していることは周知の通りである。
一方、前記可変動弁装置にあっては、前述のように、電動モータがポンプを回転駆動させて前記各油室に作動油を選択的に供給してベーン部材を介して制御軸を正逆回転制御しているわけであるが、例えば機関の停止などにおいては、最終的に前記電動モータの回転駆動力以外の前記交番トルクなどを利用して、例えば前記進角側油室の作動油を各油通路を介して遅角側油室に流入させて、ベーン部材を遅角側に寄ったほぼ中間位置に回転制御して、機関の再始動に適したバルブタイミング位置に制御することを要求する場合がある。
ところが、前記交番トルクなどを利用して前記各油室内の作動油を相対的に置換流動させる際に、前記電動モータが作動油の流動抵抗になってしまう。
この結果、前記電動モータの回転駆動力以外の駆動力による制御軸の回転制御によって、例えば機関の良好な始動性を確保するための機関弁の適切なバルブリフト量を保持するような場合の制御を正確に行うことができないおそれがある。
本発明は、前記従来装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、制御軸を所定範囲内で正逆回転させることにより機関弁の作動特性を変化させる可変機構と、少なくとも一対の第1作動室と第2作動室を有し、該第1、第2作動室に選択的に給排される作動液によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータと、前記第1作動室と第2作動室とを閉回路として連通させる油通路と、該油通路に設けられ、前記第1,第2作動室に作動液を選択的に供給する液体ポンプと、該液体ポンプを駆動制御する電動モータと、
前記油通路に接続されて、前記液体ポンプをバイパスして前記第1作動室と第2作動室を連通するバイパス通路と、機関の運転状態に応じて前記バイパス通路を開閉する弁機構とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、例えば、機関の停止などにおいて弁機構がバイパス通路を開成させた場合には、前記第1、第2作動室内の作動液を互いに置換流動させることができるため、前記制御軸を、電動モータ以外の動力、例えば、機関駆動中に発生する交番トルクなどの外的な駆動力によって前記制御軸を回転させるか、あるいは制御軸に回転アシスト力を付与することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、基本構成は前記請求項1の発明とほぼ同様であるが、異なるところは、可変機構が、制御軸を所定範囲内で正逆回転させることによって機関弁の作動特性を変化させると共に、前記一方向の回転力の回転方向が前記制御軸を機関の始動可能な初期位置となるように移動させるようになっている。
また、弁機構を、いわゆるパイロット弁によって構成し、機関が停止した場合にバイパス通路を開成すると共に、機関が始動した後に前記バイパス通路を閉止するように構成した。
この発明によれば、例えば、イグニッションスイッチをオフさせた時点から機関が完全に停止するまでの間、あるいは機関始動時のクランキング中にはバイパス通路が開成されることから、前記第1,第2作動室が連通状態になり、これにより、制御軸は、正逆いずれの回転方向にも自由な回転が許容される。
したがって、前記機関が完全に停止するまでの間の機関の回転駆動に作用する例えば交番トルクなどの外力や、機関始動時のクランキングの回転力によって制御軸を介して可変機構を機関始動可能な初期位置(例えば最小バルブリフト量)に容易に作動させることが可能になる。したがって、機関の再始動性が良好になる。
請求項3に記載の発明は、同じく基本構成が前記請求項1の発明とほぼ同様であって、異なるところは、弁機構をいわゆる差圧弁によって構成したもので、第1作動室と第2作動室の差圧が所定以上になった場合にバイパス通路を閉止し、前記両作動室の差圧が所定以下となった場合に前記バイパス通路を開成する弁機構とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、バイパス通路を両作動室の差圧に基づいて開閉するようにしたため、電動モータが故障して作動不良になった場合などには、両作動室の差圧が所定以下になることから、弁機構によってバイパス通路を開成して両作動室を連通させる。
このため、制御軸の正逆の自由な回転が確保されるので、電動モータが作動不良になってしまっても、可変機構を機関再始動可能な初期位置に容易に戻すことが可能になる。
以下、本発明に係る可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の可変動弁装置に適用される可変機構としては、例えばVELと称される吸気弁のバルブリフトと作動角を可変制御するものである。
この可変機構は、図3〜図5に示すように、その基本構造は本出願人からも数多く先に出願されているものであるから簡単に説明すると、図外のクランクシャフトの回転に同期して回転する駆動軸1と、該駆動軸1の外周に一体的に設けられて、軸心が駆動軸1の軸心から偏心した駆動カム2と、該駆動カム2の回転力を受ける多節リンク状の伝達手段3と、該伝達手段3から揺動力が伝達されて、一気筒当たり2つの吸気弁4、4の上端部に有する各バルブリフター5、5の上面を各カム面6a、6aが摺接して各吸気弁4,4をバルブスプリング7,7のばね力に抗して開作動させる一対の揺動カム6,6とを備えている。
前記伝達手段3は、前記揺動カム6の上方に配置されて後述する制御軸11に揺動自在に支持されたロッカアーム8と、円環状の一端部が駆動カム2の外周面に嵌合しかつ他端部がロッカアーム8の一端部にピンを介して回転自在に連結されたリンクアーム9と、一端部がロッカアーム8の他端部にピンを介して回転自在に連結され、他端部が前記揺動カム6のカムノーズ部6bにピンを介して回転自在に連結されたリンクロッド10とから構成されている。
また、前記制御軸11は、シリンダヘッド12の上端部に設けられた軸受13によって回転自在に支持されていると共に、その外周面には、軸心が制御軸11の軸心から所定量だけ偏心した制御カム14が固定されている。
そして、前記制御軸11は、油圧アクチュエータ15により機関運転状態に応じて回転制御されるようになっている。
この油圧アクチュエータ15は、図1及び図2に示すように、シリンダヘッド12の端壁12aにブラケット20を介して取り付けられた油圧駆動部21と、該油圧駆動部21に油圧を給排する液体ポンプである電動ポンプ22と、前記クランクシャフトによって駆動するオイルポンプ23と、前記電動モータ22に制御電流を出力して回転制御コントローラ30とから主として構成されている。
前記油圧駆動部21は、前記ブラケット20に固定されたハウジング24と、該ハウジング24の内部に回動自在に設けられて、ハウジング24の内部を一対の第1作動室25と第2作動室26に隔成するベーン部材27と、前記電動ポンプ22から前記第1、第2作動室25,26に油圧を選択的に給排する油通路である第1、第2油通路28,29とを備えている。
前記ハウジング24は、図1に示すように、ほぼ逆扇状に形成され、前端開口を閉塞するフロントカバー24aと後端開口を閉塞するリアーカバー24bが本体に螺子止め固定されている。
また、前記ベーン部材27は、基部27aが前記制御軸11の一端部11aにボルト40によって固定されていると共に、ほぼ鳩尾状に形成された先端部27bの円弧状先端面27cがハウジング24の円弧状底面に液密的に摺動するようになっている。
さらに、前記第1作動室25と第2作動室26は、ハウジング24の両側に穿設された一対の油孔25a、26aに接続された前記第1、第2油通路28,29から選択的に給排される油圧により容積を変化させることによって、前記ベーン部材27が約100度の角度範囲内で回動させるようになっている。したがって、この回動角度範囲内で前記制御軸11を回転制御するようになっている。
また、前記第1、第2油通路28,29の間には、一対の逆止弁32,33を介してリザーバタンク34内の作動油を補給通路部35によって導入する補給通路31が設けられている。
なお、前記両油通路28,29間の前記補給通路31と油圧駆動部21との間には、バイパス通路36が設けられており、このバイパス通路36は、前記オイルポンプ23からのパイロット圧によって作動する弁機構であるパイロット弁37によって開閉制御されるようになっている。
すなわち、このパイロット弁37は、内部にバイパス通路36を開閉するスプール弁を有すると共に、該スプール弁を開方向に付勢するリターンスプリングを備えており、機関を始動した際のクランキング中や機関を停止した瞬間などにおいてオイルポンプ23からの供給油圧が所定以下(例えば0.5気圧以下)の場合は、前記リターンスプリングのばね力によってバイパス通路36を開成して、両作動室28,29を連通させる。一方、機関始動後のアイドリング運転以上の機関回転域になった場合は、前記オイルポンプ23からの吐出油圧が所定以上になって、スプール弁をリターンスプリングのばね力に抗して摺動させてバイパス通路36を閉止し、両作動室28,29との連通を遮断するようになっている。
前記電動ポンプ22は、例えばトロコイド型の可逆式ポンプ38と、該可逆式ポンプ38をモータ駆動軸39aを介して正逆回転駆動させる電動モータ39とから構成されている。この電動モータ39は、回転ブラシが永久磁石と電磁力によって制御される構造に形成され、非通電時に機関の回転力によってモータ駆動軸39aに一方向の回転力が作用しても前記永久磁石の磁力によって前記モータ駆動軸39aを非回転状態に保持するように形成されている。
前記可逆式ポンプ38は、吐出ポート(吸入ポート)と吸入ポート(吐出ポート)がそれぞれ前記各油通路28,29に連通している。 また、前記電動モータ39は、前記コントローラ30から出力された制御電流によって駆動及び停止並びに正逆回転制御されるようになっている。
前記オイルポンプ23は、メインオイルギャラリー41を介して機関の各部に潤滑油を供給する一般的なものであって、前記メインギャラリー41から分岐したパイロット通路42の下流端が前記パイロット弁37に接続されている。
前記コントローラ30は、機関回転数を検出する図外のクランク角センサや、吸入空気量により機関負荷を検出するエアーフローメータ及びスロットル開度センサ、機関水温センサなどの各センサ類から現在の機関運転状態を検出すると共に、前記制御軸11の回転角度を検出する回転角センサ42からのフィードバック信号を入力する。これらの情報信号に基づいて、前記電動モータ39の回転制御を行っている。
以下、本実施形態の作用について説明すると、まず、機関始動後のアイドリング運転以上の機関回転域(低、中回転域)になった場合、つまり、オイルポンプ23の吐出圧が所定圧以上に立ち上がった場合は、前記パイロット弁37のスプール弁がリターンスプリングのばね力に抗して一方向に摺動してバイパス通路36を閉止する。
この運転領域においてコントローラ30からの制御電流によって電動モータ39が一方向へ回転して可逆式ポンプ38を一方向へ回転駆動させる。これによって、第2作動室26内の作動油が第2油通路29から可逆式ポンプ38の吸入側に吸引される。一方、吸引された作動油はポンプ圧縮作用によって第1油通路28を介して第1作動室25内に供給されて、該第1作動室25内が高圧になる。
したがって、ベーン部材27は、図1中、時計方向(矢印方向)に回転して一点破線位置に保持される。これによって、制御軸11が、図4に示すように、同方向に回転して制御カム14を一方向へ回動させ、軸心が制御軸11の軸心の回りを同一半径で回転して、肉厚部が駆動軸1から上方向に離間移動する。これにより、ロッカアーム8の他端部とリンクロッド10の枢支点は、駆動軸1に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム6は、リンクロッド10を介してカムノーズ部6b側が強制的に引き上げられる。
よって、駆動カム2が回転してリンクアーム9を介してロッカアーム8の一端部を押し上げると、そのバルブリフト量がリンクロッド10を介して揺動カム6及びバルブリフター5に伝達されるが、そのリフト量は図6の実線で示すように充分小さくなる。
したがって、かかる機関の低中回転領域では、各吸気弁4のバルブリフト量Lが小さくなり、開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
さらに、機関高回転領域に移行した場合は、コントローラ30から出力された制御電流によって、今度は電動モータ39を介して可逆式ポンプ38を逆転させる。これによって、第1作動室25内の作動油が吸引されて内部が低圧になると同時に、第2作動室26内に作動油が供給されて内部が高圧になる。
したがって、ベーン部材27が、図1中、反時計方向に回転して図中、一点鎖線位置に保持される。これにより、制御軸11が、図5に示すように、制御カム14を、図4に示す位置から反時計方向へ回転させて、軸心が下方向へ移動する。
このため、ロッカアーム8は、今度は全体が駆動軸1方向へ移動して他端部によって各揺動カム6のカムノーズ部6bをリンクロッド10を介して下方へ押圧して該各揺動カム6全体を所定量だけ時計方向へ回動させる。
したがって、各揺動カム6の各バルブリフター5の上面に対するカム面6aの当接位置が、カムノーズ部6b側(リフト部側)に移動する。このため、各吸気弁4の開作動時に駆動カム2が回転してロッカアーム8の一端部をリンクアーム9を介して押し上げると、バルブリフター5に対するそのリフト量L2は図6の破線で示すように十分に大きくなる。
よって、かかる高回転領域では、各吸気弁4のバルブリフト量が大きくなり、開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
そして、機関を停止させた場合は、イグニッションスイッチをオフ操作させた時点からオイルポンプ23の吐出圧が低下して前述した所定圧以下になる。
このため、パイロット弁37は、オイルポンプ23からのパイロット圧が導入されなくので、内部のリターンスプリングのばね力によってスプール弁を一方向の摺動位置に移動させ、これによって、バイパス通路36を開成する。
したがって、両作動室28,29は、第1、第2油通路28,29及びバイパス通路36を介して互いに連通状態になる。よって、ベーン部材27及び制御軸11は、正逆いずれの回転方向にも自由な回転が許容される。
そして、前記イグニッションスイッチをオフした後、機関が完全に停止するまでの間に機関に発生している交番トルクなどの外力によって可変機構が機関始動可能な初期位置、つまり前記ベーン部材27を、制御軸11を介して図1中の矢印方向へ回転させて、前記可変機構により各吸気弁4を機関始動可能なほぼ最小に近い小バルブリフト量に自動的に制御することが可能になる。したがって、機関の再始動性が良好になる。
ここで、前記機関が停止する場合とは、例えば各吸気弁4のバルブリフト量が、前記図6の破線で示す、機関高回転域の高バルブリフト領域において、電動モータ39が故障してロックしてしまった場合や、エンジンストップしてしまった場合なども含む。これらバルブリフト量が大きい状態で機関が停止して、そのままの状態になった場合は再始動時におけるクランキングトルクが増大したり、排気弁とのバルブオーバーラップの増加によるEGRのかかり過ぎで燃焼しにくくなるが、本実施形態では前述のように、機関停止時には外力によって小バルブリフト量に自動的に制御できるので、いずれの場合においても、機関の再始動性を向上させることが可能になる。
また、機関始動時において、イグニッションスイッチをオン操作してクランキングが開始された際には、オイルポンプ23の吐出圧が今だ上昇せずに所定圧以下になっており、機関停止状態の場合を維持している。このため、パイロット弁37は、内部のリターンスプリングのばね力によってスプール弁が一方向の摺動位置に保持された状態あり、これによって、バイパス通路36が開成されて両作動室28,29が連通状態になっている。
したがって、機関停止後と同じく、可変機構によって小バルブリフト量の状態を維持することから、機関再始動性が良好になる。
また、この実施形態では、パイロット弁37は、スプール弁を電気的ではなく、リターンスプリングと油圧によって機械的に摺動させるため、コストの高騰が抑制されて比較的安価なものとすることが可能になる。
さらに、前記電動モータ39は、永久磁石を用いて構成されていることから、電動モータ39が故障して作動しなくなっても、該モータ駆動軸39aが永久磁石によってほぼ固定状態になるので、可変機構は、両作動室25,26内の作動油がそれぞれ置換流動して始動可能な初期位置に作動しつつ前記固定状態にあるモータ駆動軸39aによってかかる初期位置に保持されることになる。
なお、この実施形態では、閉回路状態にある前記各作動室25,26や第1,第2油通路28,28、可逆式ポンプ38から外部にリークした作動油を、前記リザーバタンク34内の作動油が逆止弁32,33を介して常時補給することから、エアーの混入が防止されて、ベーン部材27の作動応答性の低下を確実に防止できる。
図7及び図8は第2の実施形態を示し、基本構造は第1の実施形態と同様であるが、弁機構を前記電動ポンプ22の可逆式ポンプ38の前後差圧によって作動する差圧弁50によって構成したものである。
すなわち、この差圧弁50は、バイパス通路36に設けられて、内部に該バイパス通路36を摺動位置に応じて開閉する図外のスプール弁が設けられていると共に、該スプール弁を互いのばね力によって中立位置に保持する左右一対のスプリングとを備えている。
また、前記スプール弁の一端側の第1受圧室には、前記第1油通路28から分岐した第1分岐通路51が連通している一方、他端側の第2受圧室には、前記第2油通路29から分岐した第2分岐通路52が連通しており、該両分岐通路51,52の差圧、つまり第1,第2受圧室に差圧が発生するとスプール弁によってバイパス通路36が閉止され、差圧が発生せずにスプール弁が中立位置に保持されると、バイパス通路36が開成されるようになっている。
また、前記第1、第2分岐通路51,52と前記バイパス通路36との間の第1,第2油通路28,29には、圧力発生用の第1、第2オリフィス53,54がそれぞれ設けられている。
したがって、この実施形態によれば、機関の通常運転中において、可逆式ポンプ38から例えば第1油通路28方向へ作動油が吐出されて、第1作動室25及び第1油通路28側が高圧になり、第2作動室29内の作動油が第2油通路29を介して吸入されて、該第2油通路29側が低圧になると、この差圧によって差圧弁50のスプール弁が一方向へ最大に摺動する。これによって、バイパス通路36を閉止する。また、第1油通路28側が低圧、第2油通路29側が高圧になる逆の場合も同様にスプール弁が他方向へ最大に摺動してバイパス通路36を閉止する。
したがって、第1の実施形態と同様に、各作動室25,26内の圧力が変化してベーン部材27を図中左右方向に移動させて、制御軸1の回転制御によって可変機構が運転状態に応じて吸気弁4,4のバルブリフト量を大小に制御することができる。
そして、機関を停止させると、可逆式ポンプ38も停止することから、両油通路28,29間での差圧が発生しなくなる。これによって、差圧弁50のスプール弁は、両スプリングのばね力で速やかに中立位置に戻されて、この位置でバイパス通路36を開成する。
これにより、両作動室25,26がバイパス通路36を介して連通状態になることから、交番トルクなどによって可変機構により自動的に小バルブリフト特性となって、機関の始動性が良好になるといった、前記第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図8は弁機構のさらに異なる例を示し、電磁弁60によって構成したものである。
すなわち、バイパス通路36に設けられた電磁弁60は、通常運転時などで前記コントローラ30から制御電流が出力されると、内部の弁体がバイパス通路36を閉止するが、機関停止時などでコントローラ30から制御電流が遮断された場合は、内部の弁体がスプリングによって押圧されてバイパス通路36を開成するようになっている。
前記コントローラ30は、機関の運転状態を検出する前記各センサ類や電動モータ39の回転状態の検出情報に基づいて電磁弁60を制御していると共に、前記電動モータ39の異常を検出する異常検出回路を備え、該異常検出回路からの出力信号によって前記電磁弁60を開作動させるようになっている。なお、電動モータ39は、コントローラ30によって異常が検出された場合は、該コントローラ30からの制御電流が停止されるようになっている。
したがって、この実施形態によれば、前記各実施形態と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、コントローラ30によって電気的に検出した情報に基づいて電磁弁60を細かく制御することが可能になる。
しかも、電動モータ39が異常により作動が停止してしまった場合は、前記電磁弁60がバイパス通路36を開成することから、両作動室25,26が連通する。これによって、前述と同じく可変機構によって機関始動可能な小バルブリフト量に自動的に制御される。
また、本発明の他の実施形態としては、前記制御軸を、外周に機関弁を開閉作動させるカムを有するカムシャフトによって構成すると共に、前記可変機構を、クランクシャフトに対する前記カムシャフトとの相対回転位相を変換する位相変換機構によって構成することも可能である。
つまり、前記従来の技術のように可変機構を機関弁のバルブタイミングを制御するもの適用することも可能である。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1) 前記弁機構は、機関によって駆動される前記液体ポンプの油圧に応じて前記バイパス通路を開閉するスプール弁を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
この発明によれば、弁機構を、電気的ではなく、油圧などによって作動する機械的なものとしたため、コストの高騰が抑制されて比較的安価なものとすることが可能になる。
請求項(2) 前記弁機構を、前記第1作動室と第2作動室内のそれぞれも作動液圧が両端に作用して前記バイパス通路を開閉するスプール弁を備えたことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
この発明も弁機構が電気的ではなく機械的な構造であるから、比較的安価なものとすることができる。
請求項(3) 前記電動モータは、永久磁石と電磁力によって制御される構造に形成し、非通電時に機関の回転力によってモータ駆動軸に一方向の回転力が作用しても前記永久磁石の磁力によって前記モータ駆動軸を非回転状態に保持するように形成したことを特徴とする請求項2または(1)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
電動モータが故障して作動しなくなっても、該モータ駆動軸が永久磁石によってほぼ固定状態になるので、可変機構は両作動室のそれぞれの置換流動によって始動可能な初期位置に作動しつつ前記電動モータの固定状態にあるモータ駆動軸によってかかる初期位置に保持されることになる。
請求項(4) 前記弁機構は、機関の運転状態や電動モータの作動状態を検出した情報に基づいて制御される電磁弁によって構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
この発明によれば、電気的に検出した情報に基づいて電磁弁を細かく制御することができる。
請求項(5) 前記電動モータは、異常発生時に作動が停止されるように構成され、前記電動モータの異常を検出した際には、前記電磁弁を開作動させるようにしたことを特徴とする請求項(4)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
電動モータが異常となった場合には、前記バイパス通路が開成された両作動室が連通すると共に、制御軸は機関の作動により回転力で一方向に回転する。このため、電動モータの異常時には、機関の始動可能な初期位置に可変機構を移動させることが可能になる。
請求項(6) 前記可変機構は、機関運転状態に応じて機関弁のバルブリフトを可変制御するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
請求項(7) 前記可変機構は、クランクシャフトによって回転駆動し、外周に駆動カムが一体的に設けられた駆動軸と、
揺動自在に軸支され、一端が前記駆動カムにリンクアームを介して回動自在に連係されたロッカアームと、
該ロッカアームの他端側に回転自在に連係されたリンクロッドと、
該リンクロッドから伝達された揺動力によって機関弁を開閉作動する揺動カムと、
を備えたことを特徴とする請求項(6)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
請求項(8) 前記制御軸を、外周に機関弁を開閉作動させるカムを有するカムシャフトによって構成すると共に、前記可変機構を、クランクシャフトに対する前記カムシャフトとの相対回転位相を変換する位相変換機構によって構成したことを特徴とする請求項(6)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
請求項(9) 機関によって一方向に回転力が付与される制御軸と、
該制御軸を所定の範囲内において正逆回転させることにより、機関弁の作動特性を変化させると共に、前記制御軸の一方向の回転力の回転方向が機関の始動可能な初期位置となる位置に回転させる可変機構と、
少なくとも一対の第1作動室と第2作動室を有し、該第1、第2作動室に選択的に給排される作動液によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータと、
前記第1作動室と第2作動室とを閉回路として連通させる油通路と、
該油通路に設けられ、前記第1,第2作動室に作動液を選択的に供給する液体ポンプと、
該液体ポンプを駆動制御する電動モータと、
前記油通路に接続されて、前記液体ポンプをバイパスして前記第1作動室と第2作動室を連通するバイパス通路と、
機関によって前記制御軸を一方向へ回転させようとした際には、前記バイパス通路を開成し、前記液体ポンプを作動させようとした際には、前記バイパス通路を閉止する弁機構と、
を備えた内燃機関の可変動弁装置。
この発明によれば、弁機構によってバイパス通路を開成した場合には、機関によって発生する制御軸への一方向の回転力によって、液体ポンプが作動液を吐出しない側の作動室内の作動液が他方の作動室に流入する。
したがって、液体ポンプが一方向にしか回転できなかったとしても、機関の駆動によって発生する回転力によって制御軸を逆方向に回転させることができる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記電磁弁60を用いた場合は、機関の回転数や潤滑油圧を検出して弁体によりバイパス通路36を開成するように構成してもよい。
本発明の可変動弁装置の第1の実施形態に供される油圧アクチュエータを示す概略図である。 図1のA−A線断面図である。 本実施形態の可変動弁装置を示す概略図である。 同可変動弁装置の最小バルブリフト制御時の作用を示す図3のB−B線断面図である。 同可変動弁装置の最大バルブリフト制御時の作用を示す図3のB−B線断面図である。 本実施形態におけるバルブリフト特性図である。 第2実施形態に供される油圧アクチュエータを示す概略図である。 弁機構の他例を示す概略図である。
符号の説明
11…制御軸
15…油圧アクチュエータ
21…油圧駆動部
22…電動ポンプ
23…オイルポンプ
24…ハウジング
25…第1作動室
26…第2作動室
27…ベーン部材
28…第1油通路(油通路)
29…第2油通路(油通路)
30…コントローラ
36…バイパス通路
37…パイロット弁(弁機構)
38…可逆式ポンプ
39…電動モータ
50…差圧弁(弁機構)
60…電磁弁(弁機構)

Claims (3)

  1. 制御軸を所定範囲内で正逆回転させることにより機関弁の作動特性を変化させる可変機構と、
    少なくとも一対の第1作動室と第2作動室を有し、該第1、第2作動室に選択的に給排される作動液によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータと、
    前記第1作動室と第2作動室とを閉回路として連通させる油通路と、
    該油通路に設けられ、前記第1,第2作動室に作動液を選択的に供給する液体ポンプと、
    該液体ポンプを駆動制御する電動モータと、
    前記油通路に接続されて、前記液体ポンプをバイパスして前記第1作動室と第2作動室を連通するバイパス通路と、
    機関の運転状態に応じて前記バイパス通路を開閉する弁機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 機関の駆動によって一方向へ回転力が作用する制御軸と、
    該制御軸を所定範囲内で正逆回転させることによって機関弁の作動特性を変化させると共に、前記一方向の回転力の回転方向が前記制御軸を機関の始動可能な初期位置となるように移動させる可変機構と、
    少なくとも一対の第1作動室と第2作動室を有し、該第1、第2作動室に選択的に給排される作動液によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータと、
    前記第1作動室と第2作動室とを閉回路として連通させる油通路と、
    該油通路に設けられ、前記第1,第2作動室に作動液を選択的に供給する液体ポンプと、
    該液体ポンプを駆動制御する電動モータと、
    前記油通路に接続されて、前記液体ポンプをバイパスして前記第1作動室と第2作動室を連通するバイパス通路と、
    機関が停止した際に、前記バイパス通路を開成すると共に、機関が始動した後に、前記バイパス通路を閉止する弁機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 機関の駆動によって一方向へ回転力が作用している制御軸と、
    該制御軸を所定範囲内で正逆回転させることにより機関弁の作動特性を変化させる可変機構と、
    少なくとも一対の第1作動室と第2作動室を有し、該第1、第2作動室に選択的に給排される作動液によって前記制御軸を正逆回転させる油圧アクチュエータと、
    前記第1作動室と第2作動室とを閉回路として連通させる油通路と、
    該油通路に設けられ、前記第1,第2作動室に作動液を選択的に供給する液体ポンプと、
    該液体ポンプを駆動制御する電動モータと、
    前記油通路に接続されて、前記液体ポンプをバイパスして前記第1作動室と第2作動室を連通するバイパス通路と、
    前記第1作動室と第2作動室の差圧が所定以上になった場合に前記バイパス通路を閉止し、前記両作動室の差圧が所定以下となった場合に前記バイパス通路を開成する弁機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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JP2009167979A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Toyota Motor Corp エンジンの油圧制御装置

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