JP2006045379A - インク組成物およびこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ、普通紙に対して高い発色性を有すると同時に、光沢紙に対しても光沢性に特に優れた画像を実現できるインク組成物を提供する。
【解決手段】 顔料と、分散剤としての特定構造を有するビニルポリマーと、特定鎖長を有するプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基との共重合化合物(以下、PO/EO共重合化合物ともいう)と、主溶媒としての水とを含んでなるインク組成物とする。
【選択図】 なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ、普通紙に対して高い発色性を有すると同時に、光沢紙に対しても光沢性に優れるインクジェット記録用インク組成物に関する。
背景技術
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、インクジェット記録方法は、これまで銀塩写真やオフセット印刷によってのみ実現されてきた高精細印刷の分野にまで適用されるようになってきており、普通紙のみならず、印画紙やアート紙等のような高い光沢性を有する光沢紙に対してもインクジェット記録が行われている。さらに、近年では、インクジェットプリンターで印刷した印刷物を、広告用や観賞用として、室内のみならず屋外での掲示に用いることも多くなっており、前記印刷物が耐光性、耐ガス性、耐水性等の優れた耐性を持つことは極めて重要となっている。
従来、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物には、着色剤に水性染料が使用されることが多く、水性染料インクは、種々の記録媒体にも印刷でき、かつ光沢紙への記録においては、優れた光沢性を得ることができる。しかし一方では、耐光性、耐ガス性、耐水性に劣るという欠点を有していることから、近年のインク開発は、耐光性、耐ガス性、耐水性の欠点を改善するために、着色剤として顔料を使用することも検討されてきている。
水性顔料インクは、一定の粒径を有する顔料微粒子を水溶媒中に均一に分散させた分散液であり、記録媒体に印刷後、記録媒体上に顔料を含むインク皮膜を形成する。そのため、種々の記録媒体、とりわけ普通紙において優れた発色性を示ものの、一方で、光沢紙のような表面が平滑に加工された記録媒体に印刷した場合、インク皮膜中の顔料微粒子による光の乱反射により、記録部分の光沢性が損なわれるという問題があった。
このような課題に対して、特開2004−75988号公報(特許文献1)には、水不溶性のビニルポリマー微粒子の水分散体を用いることにより、高発色かつ光沢性に優れた印字が可能な顔料インクが提案されている。
しかしながら、光沢性という観点ではある程度の光沢性は得られるものの、依然として、さらなる光沢性に優れるインク組成物への希求が存在している。
特開2004−75988号公報
発明の概要
本発明者らは今般、特定のポリマー微粒子を分散剤とする顔料と、特定鎖長を有するプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基との共重合体とを組み合わせることにより、普通紙に対して高い発色性を有すると同時に、光沢紙に対しても光沢性に特に優れた画像を実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明は、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ、普通紙に対して高い発色性を有すると同時に、光沢紙に対しても光沢性に特に優れた画像を実現できるインク組成物の提供をその目的としている。
そして、本発明によるインク組成物は、顔料と、該顔料を包含し、かつ該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、下記式(I)
Figure 2006045379
(式中、Rは、炭素数7〜14のアルキル基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、mは1〜10の整数を表し、nは5〜20の整数を表し、Xは1〜3の整数を表す。)
で表される化合物と、主溶媒としての水とを含んでなり、
前記ポリマーが、
A)式(II):
Figure 2006045379
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または、炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、oは1〜30の整数を表す。)
で表されるモノマーA1、
式(III):
Figure 2006045379
(式中、R、Rおよびoは式(II)で定義したものと同じ意味を表し、pは1〜30の整数を表し、[ ]内のオキシエチレン基およびオキシプロピレン基はブロック付加またはランダム付加のいずれであってもよい。)で表されるモノマーA2、および
式(IV):
Figure 2006045379
(式中、R、Rおよびoは、式(II)で定義したものと同じ意味を表す。)
で表されるモノマーA3から選ばれる、少なくとも一種のモノマーと、
B)塩生成基を有するモノマーと、
C)数平均分子量500〜500,000のマクロモノマーと、
D)前記モノマーA)、B)、およびC)と共重合可能なモノマーとを重合させてなるビニルポリマーである。
本発明によれば、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ、普通紙に対して高い発色性を有すると同時に、光沢紙に対しても光沢性に特に優れた画像を実現できる。
発明の具体的説明
本発明によるインク組成物は、顔料と、分散剤としての特定構造を有するビニルポリマーと、特定鎖長を有するプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基との共重合化合物(以下、PO/EO共重合化合物ともいう)と、主溶媒としての水とを含んでなるものである。
本発明において、顔料はビニルポリマーにより包含された結果、粒子の形態をとることとなる。この粒子は、後記する顔料とポリマーとから調製される。詳細は後記するが、簡潔に述べれば、顔料と、有機溶媒に溶解または分散されたポリマーと、水と、必要により中和剤とを混合分散し、前記有機溶媒を除去し、脱溶媒物を分散して顔料を包含した粒子を得ることができる。以下、インク組成物を構成する各成分について説明する。
1.顔料
本発明のインク組成物に含有される顔料としては、従来からインクジェット用のインク組成物に使用されている有機顔料や無機顔料を用いることができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、またはアニリンブラック等を用いることができる。
有彩色の有機顔料としては、イエロー顔料、シアン顔料、およびマゼンタ顔料を用いることができる。イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、93、109、110、128、138、150、151、154、155、180、185等が好ましく用いられ、特に、ピグメントイエロー74が好ましい。
また、マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、202、209およびC.I.ピグメントバイオレット19等が好ましく用いられ、特に、C.I.ピグメントレッド122およびピグメントバイオレット19が好ましい。
また、シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4および60等が好ましく用いられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3およびピグメントブルー15:4が好ましい。
さらに、イエロー、シアン、またはマゼンタ以外のカラーインクに用いる有機顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;あるいはC.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38等を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
2.ビニルポリマー
本発明によるインク組成物に用いられるポリマーは、下記A)〜D)のモノマーを重合させてなるビニルモノマーである。
(1)モノマーA)
モノマーA)は、下記の式(II)で表されるモノマーA1、下記式(III)で表されるモノマーA2、および式(IV)で表されるモノマーA3から選ばれる少なくとも一種のモノマーを意味する。
式(II):
Figure 2006045379
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または、炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、oは1〜30の整数を表す。)
式(III):
Figure 2006045379
(式中、R、Rおよびoは式(II)で定義したものと同じ意味を表し、pは1〜30の整数を表し、[ ]内のオキシエチレン基およびオキシプロピレン基はブロック付加またはランダム付加のいずれであってもよい。)
式(IV):
Figure 2006045379
(式中、R、Rおよびoは、式(II)で定義したものと同じ意味を表す。)
モノマーA1の具体例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
モノマーA2の具体例としては、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。
商業的に入手しうるモノマーA1またはA2の例としては、日本油脂(株)製のブレンマーPP-1000、PP-500、PP-800、AP-150、AP-400、AP-550、AP-800、50PEP-300、70PEP-350B、AEPシリーズ、30PPT-800、50PPT-800、70PPT-800、APTシリーズ、10PPB-500B、10APB-500B、50POEP-800B、50AOEP-800B、ASEPシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、43ANEP-500、70ANEP-550等が挙げられる。
モノマーA3具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
商業的に入手うるモノマーAの具体例としては、新中村科学(株)製のNKエステル M-20G、40G、90G、230G、日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、PME-100、200、400、1000等が挙げられる。
ビニルポリマーにおける(メタ)アクリル酸エステルモノマー(モノマーA)の含有量は、印字濃度及びインク粘度の観点から、5〜45重量%、好ましくは5〜35重量%であることが好ましい。
(2)モノマーB)
モノマーB)は、塩生成基を含んでなるモノマーである。
この塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマーまたはカチオン性モノマーの利用が好ましい。アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーは、それぞれ単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーの具体例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、および不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれた一種以上が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーとしては、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸およびメタクリル酸がより好ましい。
カチオン性モノマーとしては、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、特にN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、およびN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが好ましい
塩生成基含有モノマーB)の含有量は、分散安定性及び吐出安定性の観点から、3〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%であることが好ましい。
(3)モノマーC)
モノマーC)は、数平均分子量500〜500,000のポリスチレン系マクロモノマーである。
マクロモノマーの好ましい例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500,000、より好ましくは1,000〜10,000であるマクロマーが挙げられる。
マクロモノマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー等が挙げられる。これらのうち、ビニルポリマーが着色剤と十分に含有し得るものであることから、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマーを構成するスチレン以外のモノマーとしては、アクリロニトリルが挙げられる。また、スチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では片末端に重合性官能基としてアクリルロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものであることが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6、AN-6、AN-6S、HS-6S、HS-6等が挙げられる。
マクロモノマーC)の含有量は、耐水性及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
(4)モノマーD)
モノマーD)は上記モノマーA)、B)、およびC)と共重合可能なものであり、その具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、芳香環含有モノマー、マクロマーが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。このモノマーD)には、耐水性及び耐擦過性の観点から、芳香環含有モノマー及びマクロマーからなる群より選ばれた1種以上が含有されていることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソまたはターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記「(イソまたはターシャリー)及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
芳香環含有モノマーは、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸およびネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
以上のモノマーA)、B)、C)、およびD)を重合させてなるビニルモノマーにおけるこれらのモノマーの存在量は、モノマーA)が5〜45重量%(好ましくは5〜35重量%)、モノマーB)が3〜40重量%(好ましくは5〜30重量%)、モノマーC)が0.1〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)、モノマーD)が0〜87重量%(好ましくは0〜75重量%)である。
ビニルポリマーの重量平均分子量は、印字濃度と吐出安定性の観点から、好ましくは3,000〜300,000、より好ましくは5,000〜200,000である。
上記ビニルポリマーを分散剤とする顔料分散液は、例えば、特開2001−247810号公報に記載の方法によって調製することができる。具体的には、水溶性有機溶媒に溶解したポリマー溶液と、顔料と、必要により中和剤とを混合して、溶剤分散液を調製し、この分散液を水相に展開して水性の懸濁液を調製する。そして、溶剤分散液調整時に添加してある水溶性有機溶媒を蒸留して除き、顔料をビニルポリマー粒子で包含する。
中和剤は、適宜決定されてよいが、アルカリとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの三級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、酸としては、塩酸、硫酸などの無機塩基、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が利用可能である。
有機溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
また、顔料をポリマーで包含する工程は分散機を利用出来、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなどの分散機を用いて分散する。より好ましくは、分散メディアの破砕片等が混入しにくい高圧ホモジナイザーが挙げられる。
このようにして得られたビニルポリマー粒子の粒径は、好ましくは25〜250nm程度であり、より好ましくは下限が30nm程度であり、上限が175nm程度である。
3.PO/EO共重合化合物
本発明によるインク組成物に用いられるPO/EO共重合化合物は、下記式(I)で表されるものである。
Figure 2006045379
(式中、Rは、炭素数7〜14のアルキル基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、mは1〜10の整数を表し、nは5〜20の整数を表し、Xは1〜3の整数を表す。)
上記式(I)において、EOはエチレンオキシすなわち−CHCHO−を表し、またPOはプロピレンオキシすなわち−CHCHCHO−または−CH(CH)CHO−を表す。このEOおよびPOは式(I)で表される化合物の分子中において(すなわち上記式(I)中の[ ]内において)、アルコール基にまずPOが付加され、次にEOが付加された構造のものが好ましい。
上記PO/EO共重合化合物は、アルキル鎖長が炭素数7〜14である。アルキル鎖がこの範囲のPO/EO共重合化合物と上記の顔料分散液とを組み合わせて用いることにより、記録媒体に光沢紙を用いた場合にあっても、光沢性に優れた印字部を有する画像が得られる。アルキル鎖は分岐していても直鎖であっても良く、炭素数は、9〜14がより好ましい。
また、上記式(I)の化合物におけるnおよびmは、n/m≧1.5を満足するものであることが好ましい。n/m、ずなわち、プロピレンオキシ基に対するエチレンオキシ基の割合を1.5以上とすることにより、より一層光沢性に優れた画像を実現できる。
インク組成部の粘度適性の観点から、上記式(I)の化合物の数平均分子量は2,000以下であることが好ましい。なお、数平均分子量は、日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量である。
上記式(I)で表されるPO/EO共重合化合物は、含有量がインク組成物全量に対して0.5〜5.0重量%であることが好ましい。0.5重量%以上であれば、光沢性に優れた画像を実現でき、また、5.0重量%以下であれば、インク組成物の粘度の調製を容易にすることができる。
上記式(I)の化合物は、対応する構造を有するアルコールまたは多価アルコールを出発原料として、アルカリ等の雰囲気下でエチレンオキシドやプロピレンオキシドを目標モル量付加することによって得ることができる。こうして得られた式(I)の化合物は、式(I)で表される化合物の二種以上の混合物であることが一般的である。
また、市販されているものも好適に使用できる。具体的には、青木油脂株式会社製FINESURF 560、580、5010、9010、7045、7085、BLAUNON DAP-1008、ELP-0809B、ELP-1608B等が挙げられる。
4.水、その他の成分
本発明において有彩色インク組成物は、主溶媒として水を含んでなる。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
本発明によるインク組成物は、pH調整剤をさらに含んでなることが好ましい。pH調整剤の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等が挙げられ、より好ましくはトリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
本発明にあっては、インク組成物のpHが8.0〜11であることが好ましい。このような範囲にインク組成物のpHを調整することにより、より優れた光沢感を実現できる。インク組成物を上記の範囲のpHにするには、上記のpH調整剤を用いることにより、好適に調整することができる。
また、本発明によるインク組成物には、水と相溶性を有し、インク組成物に含まれる顔料、上記ポリマー、上記式(I)の化合物、さらには前記pH調整剤や後記する種々の成分を安定に溶解または分散させて保持する水溶性有機溶媒を含むことが好ましい。
水溶性有機溶媒の好ましい例としては、水との溶解性の低いグリコールエーテル類や他の成分の溶解性を向上させ、さらに記録媒体(例えば紙)に対する浸透性を向上させ、またノズルの目詰まりを防止する機能が期待できるものとして、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、およびこれらの混合物が挙げられる。
また、本発明によるインク組成物には、記録ヘッドのノズル前面におけるインクの乾燥を抑えるために、水溶性有機溶媒としてグリコール類を添加することができ、その例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。
さらに、同様な目的で、糖類を用いることもできる。その例としては、単糖類および多糖類が挙げられ、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。その添加量は適宜決定されてよいが、0.05重量%以上30重量%以下が好ましい。上記範囲にあることで、インク組成物がヘッドの先端で乾燥しても、この目詰まりを回復させることが容易にでき、また安定な印字が可能なインク組成物の粘度を容易に実現することができる。本発明の好ましい態様によれば、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースのより好ましい添加量は3〜20重量%である。なお、アルギン酸およびその塩、セルロース類の添加はインク組成物の粘度を高くする傾向があるため、その添加量には留意が必要である。
また、本発明によるインク組成物は、その浸透性を制御するため、または式(I)で表される化合物の水溶性を向上させるために、界面活性剤が含まれてなることが好ましい。添加する界面活性剤は、インク組成物中の他の成分と相溶性のよいものが好ましい。また、浸透性が高く安定な界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤の利用が好ましい。
両性界面活性剤の好ましい例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
非イオン界面活性剤の好ましい例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられ、特に、アセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤はインク組成物に添加された場合、発泡性が少なく、また優れた消泡性機能を有するので好ましいで。アセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられるが、市販品で入手も可能で、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、好ましくは、インク組成物の全量に対して、0.01重量%以上3重量%以下であり、より好ましい上限値は2.0重量%であり、好ましい下限値は0.05重量%である。
本発明によるインク組成物は、必要に応じて、pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐または防カビ剤、キレート化剤等が添加されてよい。
pH緩衝剤の具体例としては、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等が挙げられる。
酸化防止剤または紫外線吸収剤の具体例としては、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類等、L−アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024等、あるいはランタニドの酸化物等が挙げられる。
防腐剤または防かび剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。
5.インク組成物の調製
本発明によるインク組成物は、上記した成分を、分散/混合機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミル等)に供給し、分散させることにより調製されてよい。本発明の好ましい態様によれば、上記した分散/混合機により得られたインク原液をメンブランフィルターやメッシュフィルター等のフィルターを用いて濾過し、粗大粒子を除去することが好ましい。
6.インクジェット記録方法および装置
本発明によるインク組成物が用いられるインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱された記録媒体に付着させて印字を行うものである。インク組成物の液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、電歪素子を用いたインクジェット記録方法に好ましく用いられる。インク組成物の液滴を吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の記録方法により記録された記録物も提供される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
1.ビニルポリマーの準備
以下の組成のモノマーを用意した。
ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9) 15重量%
(式(II)において、RがメチルおよびRが水素である化合物。商品名:Blemmer PP-500、NOF社製)
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=23) 10重量%
(式(III)において、m=23、RおよびRがメチルである化合物。商品名:NK ESTER M230G、新中村化学社製)
メタクリル酸 14重量%
スチレンモノマー 36重量%
スチレンマクロマー 15重量%
(スチレン−アクロニトリル共重合マクロマー、スチレン含量:75重量%、数平均分子量:6,000、重合性官能基:メタクリロイル基、商品名:AN-6、TOAGOSEI社製)
n−ブチルメタクリレート 10重量%
反応容器に、メチルエチルケトン20重量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプタンエタルール)0.03重量部、および上記のモノマーの全量の10%を充填し、混合した。その後、容器を窒素ガス置換した。一方、滴下装置に上記モノマー組成の残り90%を充填した。
重合連鎖移動剤(2−メルカプタンエタノール)0.27重量%、メチルエチルケトン60重量%、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を次いで滴下装置に加え、混合した。その後、滴下装置を窒素ガス置換した。
反応容器内の混合物の温度を、窒素雰囲気下、撹拌しながら65℃まで上げ、滴下装置内の混合物を反応容器に3時間かけて滴下した。65℃下での滴下終了後2時間経過した後に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量%をメチルエチルケトン5重量%に溶解した溶液を加えた。混合物を65℃で2時間、さらに70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
上記のようにして得たポリマー溶液の一部を、減圧留去して溶媒を除いて乾燥させて単離した。
重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質とし、濃度60mmol/Lのリン酸および50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを溶媒としたゲルパーシエーションクロマトグラフィーにより決定した。その結果、重量平均分子量は、70,000であった。
2.顔料分散液の調整
上記で得られたビニルポリマー5重量部を、メチルエチルケトン45重量部に溶解させて、その中に中和剤(20%の水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を中和し、さらに顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19を20重量部加えて、ビーズミルで2時間混練した。
上記で得られた混練物に、イオン交換水120重量部を加えて攪拌した後、減圧下、60℃にてメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料分散液を得た。
3.PO/EO共重合化合物の準備
式(I)で表されるPO/EO共重合化合物として、FINESURF(青木油脂(株)製)を用いた。実施例として用いた各FINESURFについて、アルキル鎖長、およびEO/POモル比、および分子量を下記表1に示す。また、比較例として、上式(I)で表されるRが炭素数C4であり、mが6、nが4の下記式(V)で表されるPO/EO共重合化合物
Figure 2006045379
を用いた(比較例3および4)。
Figure 2006045379
4.インク組成物の調製
下記表2に示した組成に従って、上記の顔料分散液と、PO/EO共重合化合物、溶剤類および超純水とを混合して、2時間攪拌した。続いて、孔経約8μmのメンブランフィルター(商品名)(日本ミリポア・リミテッド製)を用いて濾過して、カラーインクを調製した。表2中、各組成物の添加量は重量%である。また、各インク組成物のpHの値を測定した。pHの測定結果は表2に示される通りであった。
Figure 2006045379
5.インク組成物の評価
実施例1〜8および比較例1〜4の各インク組成物において、以下の試験を行った。その結果を表3に示す。
評価1:光沢性試験
光沢性の評価は、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターPX−G900を用いて、セイコーエプソン株式会社製のPM写真用紙に1440×720dpiでべた印字し、25℃で24時間放置後、入射角20度における記録面の鏡面光沢度を、コニカミノルタセンシング株式会社製の光沢計GM−268を用いて測定することにより行った。各記録紙ごとに5回の平均を採った値を算出し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:鏡面光沢度が60以上
B:鏡面光沢度が55以上、60未満
C:鏡面光沢度が50以上、55未満
D:鏡面光沢度が50未満
評価2:印字濃度試験
前記プリンターを用いて、Xerox4024に720×720dpiでベタ印字し、25℃で24時間放置後、記録面の印字濃度を、Gretag社製のSpectrolinoを用いて測定することにより行った。各記録紙ごとに5回の平均を採った値を算出し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:印字濃度が1.1以上
B:印字濃度が1.0以上、1.1未満
C:印字濃度が0.9以上、1.0未満
Figure 2006045379

Claims (11)

  1. 顔料と、該顔料を包含し、かつ該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、下記式(I)
    Figure 2006045379
    (式中、Rは、炭素数7〜14のアルキル基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、mは1〜10の整数を表し、nは5〜20の整数を表し、X
    は1〜3の整数を表す。)
    で表される化合物と、主溶媒としての水とを含んでなり、
    前記ポリマーが、
    A)式(II):
    Figure 2006045379
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または、炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、oは1〜30の整数を表す。)
    で表されるモノマーA1、
    式(III):
    Figure 2006045379
    (式中、R、Rおよびoは式(II)で定義したものと同じ意味を表し、pは1〜30の整数を表し、[ ]内のオキシエチレン基およびオキシプロピレン基はブロック付加またはランダム付加のいずれであってもよい。)で表されるモノマーA2、および
    式(IV):
    Figure 2006045379
    (式中、R、Rおよびoは、式(II)で定義したものと同じ意味を表す。)
    で表されるモノマーA3から選ばれる、少なくとも一種のモノマーと、
    B)塩生成基を有するモノマーと、
    C)数平均分子量500〜500,000のマクロモノマーと、
    D)前記モノマーA)、B)、およびC)と共重合可能なモノマーと
    を重合させてなるビニルポリマーである、インク組成物。
  2. 前記ビニルポリマーが、
    前記モノマーA)を5〜45重量%と、
    前記モノマーB)を3〜40重量%と、
    前記モノマーC)を0.1〜40重量%と、
    前記モノマーD)を0〜87重量%と
    を重合させてなるものである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記式(I)の化合物におけるnおよびmが、n/m≧1.5を満足する、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記式(I)の化合物の数平均分子量が、2000以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記式(I)化合物が、インク組成物全量に対して0.5〜5.0重量%含まれてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. pHが、8.0〜11.0の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. アルカリ金属の水酸化物、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるpH調整剤をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 水溶性有機溶媒および/または界面活性剤をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記水溶性有機溶媒が、多価アルコール、グリコール系ブチルエーテル、ピロリドン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものであり、
    前記界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤である、請求項8に記載のインク組成物。
  10. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  11. 請求項10に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014133836A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Kyocera Document Solutions Inc インクジェット記録装置用インク、及び画像形成方法

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