JP2006045278A - 感光性組成物及び該感光性組成物を用いてなる積層体 - Google Patents

感光性組成物及び該感光性組成物を用いてなる積層体 Download PDF

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Yoshiyuki Sakai
禎之 酒井
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Abstract

【課題】本発明は、光硬化性を有する感光性組成物に関し、詳しくは、ポリエステルフィルム、詳しくはポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着性に優れ、表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものを提供する。
【解決手段】テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸二無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などの多価カルボン酸無水物類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルペンタヒドロ無水フタル酸、メチルトリヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸など酸無水物基を有する特定化合物(A)と、酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、を反応させてなる化合物(C)を含んでなり、塗膜にして光硬化させたときの表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものである感光性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性を有する感光性組成物に関し、表面抵抗値が1011Ω/□よりも低い感光性組成物および当該感光性組成物を用いた積層体に関する。当該組成物は、レンズ、導波路、光ファイバー、あるいは、低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、ホログラムなどの光学素子などに用いることができる。
従来、レンズ、あるいは、高屈折率の層と低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、などの光学素子の表面には、表面保護及び、機能性付与の目的で基材フィルムの上に表面コーティング層が積層される。
これら表面コーティング層は、静電気が発生して周囲のゴミを巻き込むという問題を抱えている。
そこで、表面コーティング層に帯電防止性を付与する手段として、以下に示すような種々の方策が提案されている。
例えば、
(1) 表面コーティング層を構成する基材フィルム自体に帯電防止性を付与する、
(2) 表面コーティング層を構成する基材フィルム以外に、帯電防止性能を有する層を設ける、
(1)の方法は、基材フィルムの原料たるポリエステルやポリエチレン等の熱可塑性樹脂に有機スルホン酸塩基等のアニオン性化合物、金属粉、カーボンブラック等の導電性フィラーを練り混んで導電性基材フィルムを得る方法であり、この場合基材フィルムの透明性が低下したり、フィルムが着色したりする。
ところで、レンズ、あるいは、高屈折率の層と低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルターなどの光学素子は透明性に優れ、かつ光学的にも欠陥を有していないことが必要とされる。
従って、帯電防止剤含有基材フィルムを用いてなる表面コーティング層を使用した場合、透明性が悪くなるという問題がある。また、基材フィルムが高価格になるという問題もある。
(2)の方法は、以下に示すようにさらに様々なバリエーションがある(特開平7−26223号公報、特開平11−256116号公報、特開平2001−219520号公報、特開2002−060707号公報、特開2002−275296号公報等参照)。
(2-1) 基材フィルムの少なくとも一方の面に金属化合物を蒸着する、
(2-2) 基材フィルムの少なくとも一方の面に、4級アンモニウム塩、スルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物等のようなアニオン型界面活性剤、チオフェン誘導体、主鎖にイオン化された窒素元素を有するポリマーや、スルホン酸塩基変性ポリスチレン等の種々の帯電防止剤を含有する層を設ける、等。
しかし、例えばスルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物等のようなアニオン型界面活性剤は比較的低分子量であるので、帯電防止剤の一部が帯電防止塗膜中を移動して基材フィルムとの界面に集積し基材フィルムの反対面等に移行する問題や、帯電防止性が経時的に低下するという問題がある。
また、主鎖にイオン化された窒素元素を有するポリマーや、スルホン酸塩基変性ポリスチレン等は比較的高分子量であるので、上記のような問題は生じない。しかし、良好な帯電防止性能を得るためには多量の帯電防止剤の配合が必要であり、帯電防止層の膜厚を厚くする必要があるため経済的でない。さらに、製品にならなかった屑フィルム(例えば、製造工程で切断除去したフィルム端部等)を回収し、フィルム製造用の再生材料として使用すると、溶融製膜の際に該再生材料中に含まれる帯電防止剤成分が熱劣化し、再生されるフィルムが著しく着色し実用性に欠ける(回収性が劣る)ものとなる等の問題が生じる。そのうえ、フィルム同士が剥離し難い(ブロッキングする)、塗膜が削れ易い等の欠点が生じ、その解決が望まれている。
透明性に優れ着色の問題がほとんど生じない帯電防止剤の利用が、特許文献2:特許第2718519号に開示されている。
しかし、特許文献2記載の発明は、導電性粘着剤に関するものであり、レンズ、あるいは、高屈折率の層と低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、などの光学素子の表面にコーティングした場合にはタックが残るという問題があり、レンズ、あるいは、高屈折率の層と低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、などの光学素子の表面コーティング層には到底使用し得るものではなかった。
一方,ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは,安価で大量生産が可能であり,成型性が容易,軽量である,着色が容易,錆びない,耐衝撃性が高い,電気絶縁性を有する,耐水・耐薬品などの化学的抵抗性を有する,透明形成が容易である,などの特性から幅広く使用されているが,その表面には、表面保護及び、機能性付与の目的でポリエステルフィルムの上に表面コーティング層が積層される。この表面コーティング層が積層されるときに,熱硬化型の塗工剤を用いると硬化の際の加熱処理によりポリエチレンテレフタレートフィルムが熱変形するおそれがある。そこで,感光性を有する樹脂組成物を塗工し,光硬化反応によってポリエチレンテレフタレートフィルム表面に表面保護及び、機能性を付与している。
しかしながら,従来から感光性樹脂組成物は、一般に硬化時の硬化歪みが熱硬化型樹脂組成物に比して大きく、硬化塗膜の基材に対する密着性が劣る。特に、ポリエチレンテレフタレート基材に対する密着性が極めて悪い。そこで、硬化塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとの密着性向上の為に,ポリエチレンテレフタレートフィルムにポリエステル樹脂やアクリル樹脂などを使用して予めプライマー加工を行ったり,ポリエチレンテレフタレートにポリエステル樹脂やアクリル樹脂などを練り込んだ樹脂組成物をフィルム化したりした、易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられることが多い。しかし、このような易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルムは,価格が高いという欠点があった。
そこで、基材たるポリエチレンテレフタレートフィルムに、上記したような特別の易接着処理を施さなくとも、密着性の良い感光性樹脂組成物が求められている。
また、さらに好ましくは、高屈折率である透明な樹脂が光学用物品で求められている。光硬化性を示す組成物は,硬化に要する時間がきわめて短く,硬化の際に基材にあまり熱がかからない特徴を有しており,このような感光性樹脂は、レンズ、導波路、光ファイバー、あるいは、高屈折率の層と低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、ホログラムなどの光学素子などへの検討が盛んに行われている。(特許文献3−7参照)特に熱による損傷を受け易い基材に対して好適に用いられる。
ところで、(メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物と、第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び反応基を分子中に有する反応型帯電防止剤に関する発明が特許文献6:特開平6−136354号広報に開示されている。
しかし、特許文献8に開示される感光性樹脂を含有する樹脂組成物から形成される硬化塗膜は、屈折率が低くポリエチレンテレフタレートフィルムに積層すると干渉縞が出てしまうなどの問題があった。
特開平1−253482号公報 特許第2718519号 特開平7−13472号公報 特開平8−217825号公報 特開平9−208529号公報 特開平11−240864号公報 特開平10−73718号公報 特開平6−136354号広報
本発明は、光硬化性を有する感光性組成物に関し、詳しくは、ポリエステルフィルム、詳しくはポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着性に優れ、表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものを提供することを目的とする。さらに、フェニル基の導入量を増やせば、屈折率が1.50よりも高い硬化物を形成し得る感光性組成物となり高屈折率の物性が必要である用途に使用することができる。
すなわち、本発明は下記一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)と、
酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、
を反応させてなる化合物(C)を含んでなり、
塗膜にして光硬化させたときの表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものである感光性組成物に関する。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子もしくは1価の有機残基を表し、R3は、2価の有機残基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機残基を表す。R1,R2は、それぞれが一体となって環を形成しても良い。R3,R4,R5は、一体となって環を形成してもよい。)
また、本発明は、下記一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)と、
酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、
を反応させてなる化合物(C)をさらに、
カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(D)と反応させてなり、
塗膜にして光硬化させたときの表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものである化合物(E)含んでなる感光性組成物に関する。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子もしくは1価の有機残基を表し、R3は、2価の有機残基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機残基を表す。R1,R2は、それぞれが一体となって環を形成しても良い。R3,R4,R5は、一体となって環を形成してもよい。)
また、本発明は、さらに、光重合性開始剤を含む上記感光性組成物に関する。
また、本発明は、さらに、顔料を含む上記感光性組成物に関する。
また、本発明は、さらに、導電性無機物質を含む上記感光性組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、上記感光性組成物を積層してなる積層体に関する。
また、本発明は、基材上に、上記感光性組成物を積層する工程と、
前記感光性組成物に光を照射する工程とを含む積層体の製造方法に関する。
光硬化性と導電性とを有する本発明の感光性組成物を用いることにより、表面抵抗値が1011Ω/□よりも低い塗膜を容易に得ることができるようになった。
不飽和二重結合の量を調整すれば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着性に優れ、フェニル基の導入量を調整すれば屈折率が1.50よりも高い硬化物を形成し得る感光性組成物を提供することができた。
さらに本発明により、該感光性組成物をポリエステルフィルム上に塗布し、硬化塗膜を形成してなるポリエステルフィルム積層体、レンズ、導波路、光ファイバー、あるいは、低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、ホログラムなどの光学素子などに用いることができる感光性組成物を提供することができた。
<一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)と、酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、を反応させてなる化合物(C)>
化合物(C)は、化合物(A)の酸無水物基と、化合物(B)の酸無水物基と反応しうる官能基とを反応させたものである。
<一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)>
化合物(A)は、以下に示すようにフェニル骨格を主鎖に含み、かつ酸無水物基を有する。これらは、2種以上の混合物であってもよい。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子もしくは1価の有機残基を表し、R3は、2価の有機残基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機残基を表す。R1,R2は、それぞれが一体となって環を形成しても良い。R3,R4,R5は、一体となって環を形成してもよい。)
ここで、1価の有機残基とは、脂肪族、芳香族、ヘテロ原子を含む原子団を単独もしくは組み合わせてなる原子団であり、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルオキシ基などの脂肪族、アリール基などの芳香族の有機残基が挙げられ、これらは、さらに、置換基を有していても良い。
本発明で言う置換基とは、特に、断らない限り、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基などをいう。
2価の有機残基とは、脂肪族、芳香族、ヘテロ原子を含む原子団を単独もしくは組み合わせてなる原子団であり、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルキレンオキシ基などの脂肪族、アリーレン基などの芳香族の有機残基が挙げられ、これらは、さらに、置換基を有していても良い。
厳密には、一般式(2)は、一般式(1)に含まれるが、特に好ましい形態として、あえて表記したものである。
具体的に、一般式(2)の化合物としては、
1分子内に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物であれば何でも良く、例えば、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸ニ無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などの多価カルボン酸無水物類等が挙げられる。本発明において、これらの化合物を単独使用または併用で使用できる。また、反応中に脱水反応を経由して無水物と成りうるポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸ハーフエステルなどは、本発明で言う2つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物に含まれる。
さらに詳しく例示すると、テトラカルボン酸二無水物としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、新日本理化株式会社製「リカシッドTMTA-C」、「リカシッドMTA-10」、「リカシッドMTA-15」、「リカシッドTMEGシリーズ」、「リカシッドTDA」などが挙げられる。
無水マレイン酸共重合樹脂としては、サートマー社製SMAレジンシリーズ、株式会社岐阜セラック製造所製GSMシリーズなどのスチレン-無水マレイン酸共重合樹脂、p-フェニルスチレン-無水マレイン酸共重合樹脂、ポリエチレン-無水マレイン酸などのα-オレフィン-無水マレイン酸共重合樹脂、ダイセル化学工業株式会社製「VEMA」(メチルビニルエ−テルと無水マレイン酸の共重合体)、無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィン(「アウローレンシリーズ」:日本製紙ケミカル株式会社製)、無水マレイン酸共重合アクリル樹脂などが挙げられる。
なかでも、ビフェニル骨格を有するビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p-フェニルスチレン-無水マレイン酸共重合樹脂などは、本発明において、ビフェニル骨格を分子内に効率よく導入できる化合物であり、特に好ましい。
具体的に、一般式(1)の化合物としては、
例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルペンタヒドロ無水フタル酸、メチルトリヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロへキセンジカルボン酸無水物、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などの脂環構造または芳香環構造を有する酸無水物を含む酸無水物が挙げられる。その他酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ブチルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物、デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン酸無水物、ブチルグルタミン酸無水物、ヘキシルグルタミン酸無水物、ヘプチルグルタミン酸無水物、オクチルグルタミン酸無水物、デシルグルタミン酸無水物、ドデシルグルタミン酸無水物などが挙げられる。この中から、1種類もしくは2種類以上の酸無水物を組み合わせて使用することができる。
<酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)>
酸無水物基に反応しうる官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基などが挙げられる。
酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)としては、アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。
アルキレンオキシ基を有するアクリルモノマーとしては、エチレンオキサイド鎖を有するモノマー、プロピレンオキシ基を有するモノマー、およびその両者を有するモノマーが挙げられる。
エチレンオキシ基を有するモノマーとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
プロピレンオキシ基を有するモノマーとしては、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明では、後述のイオン化合物との相溶性を考慮して、エチレンオキサシ基を有するモノマーが好ましく、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明にアルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーを使用する目的は、導電性を発現させるためである。さらに、イオン化合物(B)とアルキレンオキシ基との間で錯体を形成させ、導電性を発現させるためである。よって、アルキレンオキシ基の役割は非常に大きく、単に錯体形成の場を与えるだけでなく、イオン化合物の移動媒体としての働きも同時に担っている。言い換えると、本発明における導電性は、イオン化合物の量とアルキレンオキシ基を有するモノマーの含有量によって大きく変動する。好ましいアルキレンオキシ基の含有量は、オリゴマー全体の20wt%以上、85wt%以下である。アルキレンオキシ基の含有量が、オリゴマー全体の20wt%より少ないと表面抵抗値が1011Ω/□より大きくなり、アルキレンオキシ基の含有量が、オリゴマー全体の85wt%より多いと、十分硬化しなくなってしまう。
<化合物(C)をさらに、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(D)と反応させてなる化合物(E)>
化合物(E)は、前記化合物(C)のカルボキシル基と、化合物(D)のカルボキシル基と反応しうる官能基とを反応させたものである。
<カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(D)>
カルボキシル基と反応しうる官能基としてはエポキシ基、オキサゾリン基、またはアミノ基、またはカルボジイミド基、またはイソシアネート基、またはイソチオシアネート基が挙げられる。
化合物(C)の硬度を上げるためには、カルボキシル基と反応しうる官能基と重合性二重結合とを有する化合物が有用である。カルボキシル基と反応しうる官能基と重合性二重結合とを有する化合物としては、カルボキシル基と反応しうる官能基と重合性二重結合とを共に有する化合物として、公知のものを使用することができる。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジルアリルエーテル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2エポキシドなどが挙げられる。
化合物(C)の屈折率を上げるためには、カルボキシル基と反応しうる官能基とビフェニル骨格を有する化合物が使用できる。
このような化合物としては、
o-フェニルフェノールグリシジルエーテル、p-フェニルフェノールグリシジルエーテル、モノスチレン化フェノールグリシジルエーテル、4−シアノ−4−ヒドロキシビフェニルグリシジルエーテル、4,4‘−ビフェノールモノグリシジルエーテル、4,4‘−ビフェノールジグリシジルエーテル、o-フェニルフェノールビニルエーテル、p-フェニルフェノールビニルエーテル、モノスチレン化フェノールビニルエーテル、4−シアノ−4−ヒドロキシビフェニルビニルエーテル、4,4‘−ビフェノールモノビニルエーテル、4,4‘−ビフェノールジビニルエーテル、およびこれらの誘導体、またはこれらの臭素化物などが挙げられ、またビフェニル骨格とオキサゾリン、またはアミノ基、またはカルボジイミド基、またはイソシアネート基、またはイソチオシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
<高屈折率化合物とするために>
本発明で用いられる化合物(C)または化合物(E)は、さらに、フェニル基の導入量を増やせば、屈折率が1.50よりも高い硬化物を形成し得る感光性組成物となり高屈折率の物性が必要である用途に使用することができる。具体的には、化合物(A)、化合物(B)、化合物(D)が、フェニル基を有していることにより達成できる。屈折率が1.50より高いものを目指すときのフェニル基の導入量は、オリゴマー全体の5wt%以上、50wt%以下である。フェニル基の含有量が、オリゴマー全体の5wt%より少ないと屈折率が1.50を越えなくなり、フェニル基の含有量が、オリゴマー全体の50wt%より多いと、接着性が発現しなくなってしまう。
<触媒>
カルボキシル基とエポキシ基との反応を進行させるときには、必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行っても良い。使用される触媒としたは公知の触媒を使用することができる。触媒は、以下の化合物が挙げられる。触媒の好ましい具体例を以下に示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
(1)3級アミン類及び/又はその塩類トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルピペラジン等
(2)イミダゾール類及び/又はその塩類2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン等
(3)ジアザビシクロ化合物類
1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアビシクロ[2.2.2]オクタン等
(4)ホスフィン類
トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等
(5)ホスホニウム塩類
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等
本発明で用いられるエポキシ化合物と触媒の配合割合は、エポキシ化合物100重量部に対し、触媒が0.01〜10重量部である。触媒が0.01重量部未満であると反応が遅くなり、10重量部を越えると硬化物の耐水性が低下するため好ましくない。
カルボキシル基とエポキシ基との反応を進行させるときには、用いるエポキシ化合物の軟化温度が反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤にて行うことができる。また、用いるエポキシ化合物の軟化温度に関わらず適当な溶剤を用いて行うこともできる。この時用いる溶剤としては、エポキシ基、水酸基、有機酸と反応しないものであれば特に制限なく、用いることができる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、アセトン、ベンゼン等の公知の溶剤を使用できる。
本発明の感光性材料には、必要に応じて、バインダー樹脂、不飽和化合物、光重合開始剤などを添加できる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などに重合性不飽和二重結合を導入したものが挙げられる。重合性不飽和二重結合の導入方法はどのようなものであっても構わない。これらの樹脂を単独で添加しても良いし、他の樹脂を含む、複数の樹脂を混合して添加しても良い。
<光重合開始剤>
光重合開始剤は、紫外線により感光性組成物を硬化させる場合に添加される。なお、電子線により硬化させる場合には開始剤は特に必要ではない。
光重合開始剤としては、光励起によってビニル重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4-(4-メチルフェニルチオ)フェニル-エネタノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3'4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N-トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイル-フェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシエチル)メタアンモニウム臭酸塩、2-/4-iso-プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9Hチオキサントン-2-イロキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン-3-メチルナフト(1,2-d)チアゾリン等が挙げられる。
ジカルボニル化合物としては、1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.1.1]ヘプタン-2,3-ジオン、ベンザイル、2-エチルアントラキノン、9,10-フェナントレンキノン、メチル-α-オキソベンゼンアセテート、4-フェニルベンザイル等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-ジ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-スチリルプロパン-1-オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,2-ジエトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ-フェニル)ブタン-1-オン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノ-プロパノニル)-9-ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-n-プロピルフェニル-ジ(2,6-ジクロロベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
アミノカルボニル化合物としては、メチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-nブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、4,4'-ビス-4-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'-ビス-4-ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5'-ビス-(4-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン等が挙げられる。
これらは上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があればどのようなものでも構わない。これらは単独使用または併用することができ、使用量に制限はないが、被硬化物の乾燥重量の合計100重量部に対して1〜20重量部の範囲で添加されるのが好ましい。また、増感剤として公知の有機アミンを加えることもできる。
<有機溶剤>
本発明の硬化性組成物は、有機溶剤を含まない硬化性組成物としても、有機溶剤を含む硬化性組成物としても用いることができる。
有機溶剤を含む場合には、各種基材に塗布し、前記有機溶剤を揮発させた後に硬化に必要な紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射すればよい。
本発明の被覆剤に用いられる有機溶剤としては、公知のものを使用することができる。具体的には、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、トルエン、メチルプロピレングリコールアセテート等が挙げられる。
<顔料>
本発明の感光性組成物に用いられる顔料としては、有機顔料、無機顔料の両方が挙げられる。顔料は硬化物を着色する目的で用いることができる。本発明において、無機顔料のうち、着色を目的とはしない、いわゆる体質顔料は後述する無機粒子に含めるものとする。
顔料としては、カーボンブラック、アイアンオキサイドブラック、アニリンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、ペリレン系、イソインドリノン系、キナクリドン系等の顔料、通常ペイントやインキに使用される材料が挙げられるが、特に褪色性の良好な転写物を得るには顔料が好ましい。中でも、カーボンブラック、ファストイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、アイアンオキサイドブラック、クロモフタルイエロー、アンスラピリミジンイエロー、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ベンゾイミダゾロンイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルジオキシンイエロー、フラバンスロンイエロー、黄鉛、チタンイエロー、ジスアゾイエロー、ベンゾイミダゾロンオレンジ、ピランスロンオレンジ、ペリノンオレンジ、パラレッド、レーキレッド、ナフトールレッド、ピラゾロンレッド、パーマネントレッド、マダーレーキ、チオインジゴボルドー、ベンガラ、鉛丹、カドミウムレッド、キナクリドンマゼンタ、ペリレンバーミリオン、ペリレンレッド、クロモフタルスカーレット、アンスアンスロンレッド、ジアンントラキノリルレッド、ペリレンマルーン、ベンゾイミダゾロンカーミン、ペリレンスカーレット、キナクリドンレッド、ピランスロンレッド、マンガンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、フタロシアンニンブルー、紺青、コバルトブルー、群青、インダンスロンブルー、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーン、酸化クロム、ビリジアン、ベンゾイミダゾロンブラウン、ブロンズパウダー、鉛白、亜鉛華、リトポン、酸化チタン、パール顔料が好ましい。
<無機粒子>
本発明の感光性組成物は、種々の目的のためにさまざまな無機粒子を含むことができる。
感光性組成物は、一般に熱硬化性被覆剤に比して硬化歪みが大きく、基材に対する密着性を確保することが難しい。本発明の被覆剤は、無機粒子を含まなくても基材に対する密着性に優れるものではあるが、硬化塗膜の硬度を高め、硬化塗膜表面の傷付きを防止する観点から無機粒子を含有することが好ましい。
また、導電性の求められる用途に用いられる場合には、導電性付与の観点から導電性を有する無機粒子を含有することもできる。
本発明の感光性組成物に用いられる無機粒子としては、珪素酸化物,マグネシウム酸化物,珪素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸化物,カルシウム酸化物,バリウム酸化物,硼素酸化物,アルミニウム酸化物,インジウム酸化物,ゲルマニウム酸化物,錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,ジルコウム酸化物,セシウム酸化物、インジウム錫酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。
これらの無機粒子は、本発明の被覆剤の用いられる用途に応じて、適宜単独で、あるいは、適宜複数を併用することができる。
尚、本発明の感光性物を紫外線で硬化する場合、感光性組成物が不透明になると無機粒子は硬化性の観点から好ましくないので、着色はしても透明性に優れる無機粒子が好ましい。
<イオン化合物>
イオン化合物は、導電性向上のために、必要に応じて添加される。本発明に用いるイオン化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、塩化アンモニウム、塩素酸カリウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム等の無機塩類、
酢酸ナトリウム、アルギン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、トルエンスルホン酸ソーダ等の有機塩類が挙げられる。
これらは単独もしくは混合して使用することができる。導電性及び安全性等の観点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、過塩素酸リチウム等が好ましい。
また、その含有量は、化合物(C)100重量部に対して、0.1〜50重量部であることが好ましい。さらに好ましくは1〜30重量部である。0.1重量部未満では十分なイオン導電性が得られず、50重量部よりも多くイオン化合物を含有しても導電性向上の効果がほとんど期待できなくなり、さらにオリゴマーとの相溶性の低下により塗膜の白化が起こりやすくなるので好ましくない。
<その他>
この他、本発明の感光性組成物には目的を損なわない範囲で任意成分として、さらに溶剤、染料、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、電磁波シールド剤、球状フィラー等を添加することができる。
本発明の感光性組成物は、公知のラジエーション硬化方法により硬化させ硬化物とすることができ、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光を使用することができる。
照射する電子線の線源には熱電子放射銃、電界放射銃等が使用できる。また、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度の安定性から、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプが用いられることが多い。照射する活性エネルギー線量は、5〜2000mJの範囲で適時設定できるが、工程上管理しやすい50〜1000mJの範囲であることが好ましい。
また、これら紫外線または電子線と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、基材に塗工後、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行っても良いし、塗工に続いてラジエーション硬化させた後に自然または強制乾燥しても構わないが、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化した方が好ましい。電子線で硬化させる場合は、水による硬化阻害又は有機溶剤の残留による塗膜の強度低下を防ぐため、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行うのが好ましい。ラジエーション硬化のタイミングは塗工と同時でも構わないし、塗工後でも構わない。
本発明の感光性組成物は、ポリエチレンテレフタレート基材に塗布することが好適であるが、ポリエチレンテレフタレート以外の各種基材に適用することも可能である。
[ポリエチレンテレフタレート積層体]
本発明のポリエチレンテレフタレート積層体は、上記の感光性組成物をポリエチレンテレフタレート上に塗布し、これを硬化し、硬化塗膜をポリエチレンテレフタレート上に形成してなるものである。
本発明のポリエチレンテレフタレート積層体におけるポリエチレンテレフタレート基材としては、全く何も表面処理を施さないポリエチレンテレフタレートはもちろん、表面をコロナ処理してなるポリエチレンテレフタレートを用いることもできる。基材たるポリエチレンテレフタレートは、フィルム状(シート状ともいう)であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みは、用途によっても様々であるが、約12〜250μm程度であることが好ましい。
また、硬化塗膜の厚みも用途によっても様々であるが、約0.1〜10μm程度であることが好ましい。
[表面抵抗値]
本発明でいう表面抵抗値とは、23℃湿度50%での表面抵抗率であり、例えば、ADVANTEST製のR8340A、R12704Aで測定できる。本発明の感光組成物は、10cm×10cm以上の大きさの塗膜をR12704Aの測定部位に設置し測定した。その表面抵抗値は、1011Ω/□よりも低いものである。
以下に製造例、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、重量平均分子量はGPCにより測定された標準ポリスチレン換算分子量を示す。
また、特に断らない限り、数字は重量基準で記載した。
合成例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)27.9g、上記「ビフェニルテトラカルボン酸二無水物」中のカルボン酸無水物基100モル%に対して水酸基として100モル%に当たるポリエチレングリコールモノアクリレート(ブレンマーAE−350、日本油脂株式会社製)72.1g、ヒドロキノン0.1g(和光純薬工業株式会社製)、シクロヘキサノン100.0gを仕込み90℃まで昇温した。次いで触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え、90℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのち反応を終了した。この反応溶液は黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN1,180、重量平均分子量MW1,810であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)20.9g、上記「ビフェニルテトラカルボン酸二無水物」中のカルボン酸無水物基100モル%に対して水酸基として100モル%に当たるポリエチレングリコールモノアクリレート(ブレンマーAE−400、日本油脂株式会社製)79.1g、ヒドロキノン0.1g(和光純薬工業株式会社製)、シクロヘキサノン100.0gを仕込み90℃まで昇温した。次いで触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え、90℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのち反応を終了した。この反応溶液は黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN1,650、重量平均分子量MW2,660であった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに無水フタル酸(和光純薬株式会社製)22.1g、上記「無水フタル酸」中のカルボン酸無水物基100モル%に対して水酸基として100モル%に当たるポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPE−200、日本油脂株式会社製)77.9g、ヒドロキノン0.1g(和光純薬工業株式会社製)、シクロヘキサノン100.0gを仕込み90℃まで昇温した。次いで触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え、90℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのち反応を終了した。この反応溶液は黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN810、重量平均分子量MW1,010であった。
合成例4
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)25.2g、上記「ビフェニルテトラカルボン酸二無水物」中のカルボン酸無水物基100モル%に対して水酸基として100モル%に当たるポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPE−350、日本油脂株式会社製)74.8g、ヒドロキノン0.1g(和光純薬工業株式会社製)、シクロヘキサノン100.0gを仕込み90℃まで昇温した。次いで触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え、90℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのち、グリシジルメタクリレート(日本触媒株式会社製)24.3g、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(商品名OPP−G、三光株式会社製)39.0g、N,N−ジメチルベンジルアミン(和光純薬株式会社製)1.31g、シクロヘキサノン5.0gを仕込み90℃で6時間攪拌し、反応を終了した。この反応溶液は黄色透明で固形分60%、数平均分子量MN1,600、重量平均分子量MW2,630であった。
合成例5
合成例1で合成したオリゴマー100gに過塩素酸リチウム(日本カーリット株式会社製)2.0gを加えて完全に溶解するまで攪拌して混合を終了した。
比較例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)50.6g、上記「ビフェニルテトラカルボン酸二無水物」中のカルボン酸無水物基100モル%に対して水酸基として100モル%に当たる4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA、日本化成株式会社製)49.4g、ヒドロキノン0.05g(和光純薬工業株式会社製)、シクロヘキサノン100.0gを仕込み90℃まで昇温した。次いで触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え、90℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのち反応を終了した。この反応溶液は黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN570、重量平均分子量MW630であった。
比較例2
比較例1で合成したオリゴマー20.0gにポリエチレングリコールモノアクリレート(ブレンマーAE−350、日本油脂株式会社製)80.0gを加えて完全に溶解するまで攪拌して混合を終了した。
各合成例で得られた各オリゴマー溶液に、メチルイソブチルケトンを加えて粘度が10〜100mPa・Sになるように調整する。この樹脂溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤イルカギュア184を5重量部加え、ポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコーダーで乾燥塗膜が5μmになるように塗工し、80℃−2分乾燥し、メタルハライドランプで400mJの紫外線を照射し、試験用積層体を作製した。室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
<PETへの密着性>
密着性試験は上記塗工物でゴバン目セロハンテープ剥離試験を行い
硬化塗膜が90%以上残存するものを○
硬化塗膜の残存率が90%より低いものを×
として評価した。
<屈折率>
上記塗工物をアッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて屈折率を測定した。
屈折率が
1.50以上のものを○
1.50未満のものを×
と判定した。
<表面抵抗値>
デジタル超高抵抗/微少電流計R8340(株式会社アドバンテスト製)を用いて塗工物の表面抵抗値を測定した。尚、6×1010(Ω/□)を「6E+10」と表現する。
表面抵抗値が
1011Ω/□以下のものを○
1011Ω/□より高いものを×
と判定した。
<硬化性>
上記塗工物を指で触ったときに、
タックがないものを ○
タックがあるものを ×
と判定した。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)と、
    酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、
    を反応させてなる化合物(C)を含んでなり、
    塗膜にして光硬化させたときの表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものである感光性組成物。
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子もしくは1価の有機残基を表し、R3は、2価の有機残基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機残基を表す。R1,R2は、それぞれが一体となって環を形成しても良い。R3,R4,R5は、一体となって環を形成してもよい。)
  2. 下記一般式(1)または一般式(2)で表される酸無水物基を有する化合物(A)と、
    酸無水物基に反応しうる官能基とポリアルキレンオキシ基と不飽和二重結合とを有する化合物(B)と、
    を反応させてなる化合物(C)をさらに、
    カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(D)と反応させてなり、
    塗膜にして光硬化させたときの表面抵抗値が1011Ω/□よりも低いものである化合物(E)含んでなる感光性組成物。
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子もしくは1価の有機残基を表し、R3は、2価の有機残基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機残基を表す。R1,R2は、それぞれが一体となって環を形成しても良い。R3,R4,R5は、一体となって環を形成してもよい。)
  3. さらに、光重合性開始剤を含む請求項1または2記載の感光性組成物。
  4. さらに、顔料を含む請求項1〜3いずれか記載の感光性組成物。
  5. さらに、イオン化合物を含む請求項1〜4いずれか記載の感光性組成物。
  6. 基材上に、請求項1〜5いずれか記載の感光性組成物を積層してなる積層体。
  7. 基材上に、請求項1〜5いずれか記載の感光性組成物を積層する工程と、
    前記感光性組成物に光を照射する工程とを含む積層体の製造方法。
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