JP2006044952A - ガラスレンズ成型用プレス型およびそれを用いたガラスレンズ製造方法 - Google Patents

ガラスレンズ成型用プレス型およびそれを用いたガラスレンズ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、上型と下型のみで形状付与し、しかも成型終了までプレス圧が充分かかり、転写精度に優れたガラスレンズを製造できるプレス型およびそれを使用した成型法の提供を目的とする。
【解決手段】ガラスレンズの一光学面が形成された上型と、ガラスレンズの他の光学面が形成された下型と、上型と下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むプレス型であり、上型か下型の少なくともいずれかに、一光学面と肉厚部の一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で上型と下型とが当接せず、上型と下型の上下の位置関係が胴型で規定されないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスレンズ成型用プレス型およびそれを用いたガラスレンズ製造方法に関する。
近年、短時間に、生産性よく、しかも原価の低い精密ガラスレンズ製造法が求められている。このような製造法の一つとして精密プレス成型法が注目を集めている。精密プレス成型法のポイントは、金型に形成された光学面形状をいかに精度よく被プレス物であるガラスレンズに転写するかという点にある。光学面の転写精度を確保するためには、ガラスレンズに充分加圧した状態で成型を終了することが重要である。
そのためには、プレス方向(通常は、上下方向)と直交する方向でガラスレンズを拘束しないと、ガラスレンズに圧力がかからず、結果として充分な転写精度が得られない。そのため、一般には、このような精密プレス型は、プレス圧が直接かかる上型、下型以外に、ガラスレンズのプレス方向と直交する方向への移動を拘束する目的と、上型と、下型との芯ずれを防止する目的とをあわせもつ、胴型を有する(特許文献1参照)。すなわち、製品であるガラスレンズは、上型と、下型と、胴型とで形状が付与される。
しかし、上記のような構成を採用した場合、ガラスレンズ形状が変更になるたびに上型、下型、胴型を全て作り直す必要がある。胴型は、内周面を上型、下型が摺動するために、表面粗度や精度の要求が厳しく、しかも内周では加工しにくいことから、製作に時間と費用がかかる。
また、このような構成を有する型を使用すると、胴型の内面と、上型や下型の摺動面との間にバリとよばれる余剰なガラス体が形成される。上型や下型の摺動をスムーズにし成型不良を発生させないためには、バリを完全に除去しなければならず、非常に手間がかかり生産性が著しく低下する。また、バリの除去が不充分であると上型、下型、胴型にキズが発生して高価で製作時間のかかるこれら型部材の耐久性を著しく低下させる。
バリの除去を容易にするため、ガラスの剥離性に優れた被膜を上型、下型、胴型のそれぞれの摺動面に形成することも考えられるが、被膜自身が剥離してそれが不純物として製品である光学ガラスに混入して不良品となるおそれがあるほか、バリの発生自身を防止するものではないのでいずれにせよ、摺動面の清掃を充分にしなければならない点では変わりがない。
一方、上型と下型と胴型とを有するプレス成型用型であって、上型と下型とで光学ガラス体に形状付与し、胴型は上型と下型との芯だし機能だけで製品形状を形成しないプレス成型用型が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2では、光学有効面の傾きを最小に抑え、レンズ厚を一定にできる型の提供を目的として、2つの型構造が提案されている。
すなわち、一つは上型と下型とを直接当接させる型構造が提案されているが、この場合には、上型と下型とが直接当接するため光学ガラス体が収縮し始めるとプレス圧が充分かからず転写精度が不充分となるおそれがある。
また、別の一つは、上型と下型とは直接当接しないものの上型の鍔部と、胴型の上端部とを直接当接させるため、この場合もガラスレンズの収縮が始まると、ガラスレンズにはプレス圧が充分かからず転写精度が不充分となるおそれがある。この場合、壁で拘束されたガラスは前記壁を乗り越えるように成型され、本発明者の経験によれば、通常壁のコーナー部は直角であるためガラスは大きく方向転換し、その方向転換点で応力集中が発生しやすく、ガラスレンズを離型する際などに当該箇所にクラックが発生しやすい。
いずれにしても、ガラスレンズを胴型では形状付与せず上型と下型で形状付与し、成型終了までガラスレンズに圧力が充分かかり、転写精度に優れたガラスレンズを製造でき、しかも応力集中によるクラックを発生させない、ガラスレンズ成型用プレス型およびそれを使用したガラスレンズ製造方法は提案されていない。
特開平2−34526号公報(1〜3頁、図1) 特開2001−270724号公報(1〜4頁、図2、図4)
本発明は、ガラスレンズを上型と下型で形状付与し胴型では形状付与しない。しかも成型終了までガラスレンズに圧力が充分かかり、光学面の転写精度に優れたガラスレンズを製造できるプレス成型用型およびそれを使用したガラスレンズ成型法の提供を目的とする。
本発明は、2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で前記上型と前記下型とが当接せず、さらに、加圧状態で前記上型と前記下型の上下の位置関係が胴型で規定されないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型を提供する。
また、別の本発明は、2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された、鍔部のない上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で前記上型と前記下型とが当接しないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型を提供する。
さらに、別の本発明は、2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された、鍔部のある上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で、前記上型と前記下型とが当接せず、前記上型の鍔部と前記胴型の上端部とも当接しないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型を提供する。
本発明の型では、胴型はあくまでも上型と下型との軸芯を精密に合せるためだけでガラスレンズの形状を付与しないため、胴型と上型、下型との間にバリ(以下、上下方向に発生するバリなので縦バリという)は発生せず、掃除の大変な胴型内周面を実質的に掃除しなくてよくなるため、掃除時間が著しく短縮され、生産性が大きく向上する。
前記縦バリが発生しないことから、縦バリによる胴型の内周面の損傷を防止できるため胴型の耐久性が飛躍的に向上する。製作に費用と時間がかかる、胴型の耐久性が向上することにより原価低減にも大きく寄与する。
また、特許文献2で提案されている型とは違い、成型時に、上型と下型と、または上型と胴型の上端部と、が直接当接することもないことから、成型終了までガラスレンズに充分プレス圧がかかり、光学面の転写精度に優れたガラスレンズを製造できる。
上型または下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部に対応する側壁面のコーナー部を面取りしてあるため、ガラスが当該コーナー部を乗り越えて成型される場合、当該コーナー部に応力集中せずにクラックの発生を防止できる。さらに、前記側壁面の高さをh、面取りが形成されている側壁面の高さをhとし、hを0.5h未満とすると、プレス時に被プレス成型体であるガラスプリフォームをしっかりと拘束できるため光学面の転写精度がよくなる。
さらに、本発明において、胴型は上型と下型との軸芯を精密に合せるためだけでガラスレンズの形状を付与しないため、胴型自身を加熱する必要はない、よって、胴型をガラスとする場合には、熱エネルギーを上型と下型とに集中させて加熱することにより、投入エネルギーを効率よく使用でき、加熱冷却するのが上型と下型だけでいいのでサイクル時間の短縮が可能で生産性も向上する。
本発明のガラスレンズ成型用プレス型(以下、本型という)は、2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズをプレス成型するための型である。本型は、前記ガラスレンズの一光学面が形成された上型と、前記ガラスレンズの他の光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型である。本型において、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りすることを特徴とする。
なお、本明細書において、ガラスレンズの肉厚部とは、ガラスレンズの2つの光学面以外の部分であって、2つの光学面の距離を規定する部分をいう。説明のためガラスレンズの一例を図9に示す。図中、1はガラスレンズを、2a、2bは2つの光学面を、7は肉厚部を、8は光軸を、それぞれ示す。図9において、肉厚部7は光軸8と略平行な面として図示してあるが、これに限定されるものではなく、光軸8に対して面が傾いていてもよく、また図1等に図示するように段付の面形状であってもよい。肉厚部7はガラスレンズ材料をプレスした際にガラスレンズ材料に対して拘束力が働く面であれば形状等に特に制限はない。
本型は、加圧状態で前記上型と前記下型とが当接せず、さらに、加圧状態で前記上型と前記下型の上下の位置関係が胴型で規定されないことを特徴とする。加圧状態で上型と下型の上下の位置関係が胴型で規定されるとは、加圧状態で胴型の両端面が上型と下型の両方に当接することをいう。したがって、本型では加圧状態で胴型の両端面が上型と下型の両方に当接することはない。例えば、上型、下型が鍔(フランジ)を有する場合には、加圧状態で、胴型の下端面と下型の鍔が当接してもよいが、胴型の上端面と上型の鍔とは当接しないことを意味する。本型は加圧状態で前記のような位置関係となるため、成型されるガラスレンズの光学面にはプレス圧力が充分かかる。
以下、図1等を用いて本発明を説明する。ただし、図1は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明は図1に限定して解釈されるものではない。図2〜図8においても同様である。本型の具体的な態様は、上型に鍔があるかないかで2つのタイプに分けられる。説明の便宜上、鍔のない上型を用いるものをタイプAと、鍔のある上型を用いるものをタイプBと、それぞれ称する。本明細書において、鍔(フランジ)とは、上型または下型のいずれかを摺動面同士が接するように胴型内部に入れて押した場合に引っ掛かる部分をいう。
図1は、本型のタイプAの一実施態様を示す図である。図中、本型50は、光学面12を形成した鍔のない上型10と、他の光学面22が形成された下型20と、上型10と下型20とが相対して摺動可能とする筒状の胴型30とを含む。
本型50においては、下型20に、光学面22とガラスレンズの肉厚部の一部を形成する側壁面23とを有する凹部21を設け、該凹部21の前記肉厚部を形成する側壁面23のコーナー部にテーパー状の面取り24を形成することを特徴とする。15は上型10の分割面を、25は下型20の分割面を、40は成型されたガラスプリフォームを、それぞれ示す。
本型50において、側壁面23のコーナー部に面取りを形成することの意味は、プレス成型時にガラスが大きく方向転換するところで応力集中が発生しやすく、当該箇所にクラックが発生したり、光学的な欠陥ができるのを防止することにある。これを概念的に説明したものが図2、図3である。
図2は側壁面23のコーナー部に面取りを形成しない場合の概念図で26がクラックを示す。図3は図2の側壁面23のコーナー部にテーパ状の面取り24を形成した場合の概念図でコーナー部に面取りを形成してあるため、プレス成型時にガラスの移動方向がスムーズに転換されるため、クラック26の発生を防止できる。
前記コーナー部の面取りとしては、ガラスの方向転換が円滑になされる限りにおいて制限されるものではないが、テーパ状面取り、断面形状が約四分円であるR面取りなどが加工性などの点から好ましい面取りとして挙げられる。なお、図2、図3中、図1と同一番号は同一のものを示す。以下、同様とする。
テーパ状面取りを下型に形成した図1の分割面25付近の部分拡大図を図4に示す。テーパー状面取り24のテーパ角θとしては、10°未満であると最初の曲がりは小さく方向転換は円滑であるが分割面25と交わる部分での方向転換が急であるので面取りを形成した効果が得られないおそれがある。また、逆に、前記テーパ角θが80°を超えると最初の曲がりが大きすぎて面取りの効果が得られないおそれがある。したがって、テーパ状面取りの場合のテーパ角θとしては、10〜80°が好ましく、30〜60°がより好ましく、40〜50°であるとさらに好ましい。
また、側壁面の高さをhとし、面取りが形成されている側壁面の高さhとするとき、hは0.5×h未満であるとプレス成型時にガラスプリフォームが充分拘束されるため好ましい。hが0.4×h未満であるとより好ましく、hが0.3×h未満であると特に好ましい。hがあまり小さすぎると上述したようなクラック防止効果が得られにくいのでhが5μm以上であると好ましい。hが30μm以上であるとさらに好ましい。
本型50において、面取り24としては図1〜図4のようなテーパ状の面取りの他に、前述したR面取りしてもよい。その場合の下型の分割面25付近の部分拡大図を図5に示す。この場合の面取り24の半径Rとしては、3μm以上であるとクラック防止のために好ましく、30μm以上であるとさらに好ましい。図5において、側壁面の高さをhとし、R面取りが形成されている側壁面の高さhとするとき、hとhの関係は図4のテーパ状面取りと同様であると好ましい。
本型において、ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部を形成するための凹部は、図1〜図5に示すように下型だけに形成されるものではない。図6は、ガラスレンズの一光学面112と肉厚部の一部113を形成するための凹部111を上型110に形成した場合の本型150の一実施態様の概念図を示したものである。肉厚部の一部113のコーナー部にはテーパ状の面取り114が形成されている。
図6において、本型150は前記凹部111を形成した鍔のない上型110と、他の光学面122を形成した下型120と、上型110と下型120とを相対して摺動可能とする筒状の胴型130とを含む。図中、115は上型110の分割面を、125は下型120の分割面を、140はプレス成型されるガラスプリフォームを、それぞれ示す。
また、本型において、ガラスレンズの一光学面と肉厚部の一部を形成するための凹部は、図1〜図5のような下型だけに形成しても、また、図6のように上型だけに形成してもよく、さらには、上型と下型の両方に形成してもよい。図7は、上型と下型の両方に前記凹部を形成した場合の一実施態様を示したものである。
図7において、本型250は、ガラスレンズの一光学面212と肉厚部の一部213を形成するための凹部211を鍔のない上型210に形成し、ガラスレンズの他の光学面222と肉厚部の一部223を形成するための凹部221を下型220に形成し、上型210と下型220とを相対して摺動可能とする筒状の胴型230とを含む。図中、215は上型210の分割面を、225は下型220の分割面を、240はプレス成型されるガラスプリフォームを、それぞれ示す。
図1〜図7について、上型は鍔のないタイプAである。タイプAの本型の場合、加圧状態では上型と下型とは当接しないことを特徴とする。上型と下型とが加圧状態で当接する場合には、被プレス成型体であるガラスプリフォームが当接した型内で冷却し始めると体積収縮が始まり、もはや前記ガラスプリフォームにプレス圧力がかからなくなりガラスレンズの光学面の転写精度が不充分となるおそれがある。
それに対して、上型と下型とが加圧状態で当接しない本型の場合には、冷却し始めて体積収縮が始まっても鍔のない上型がそれに追従して下降できるため前記ガラスプリフォームに充分プレス圧力がかかるためガラスレンズの光学面等の形状精度を充分確保できる。
なお、上型が鍔のあるタイプBの場合、加圧状態では上型と下型とは当接せず、しかも上型の鍔部と胴型の上端部とも当接しないことを特徴とする。加圧状態では上型と下型とが当接しなくても上型の鍔部と胴型の上端部が当接してしまうと、ガラスプリフォームが体積収縮が始まり、もはや前記ガラスプリフォームにプレス圧力がかからなくなりガラスレンズの光学面や肉厚部の形状精度が不充分となるおそれがあるからである。
タイプBの場合について、一実施態様である図8を用いて説明する。図8の本型350は、鍔部316を有し光学面312が形成された上型310と、他の光学面322と肉厚部の一部となる側壁面323を形成した凹部321を下型320に形成し、上型310と下型320とを相対して摺動可能とする筒状の胴型330とを含む。図中、315は上型310の分割面を、325は下型320の分割面を、340はプレス成型されるガラスプリフォームを、それぞれ示す。なお、前記側壁面323のコーナー部にはテーパ状の面取り324が形成されている。
図8において、加圧状態で上型310と下型320とが当接しないとは、上型310の分割面315と下型320の分割面325とが加圧状態で当接しないことをいい、一方、加圧状態で上型310の鍔部316と胴型330の上端部330Tとが当接しないと、加圧状態で前記鍔部316の下面316Bと前記上端部330Tとが直接当接しないことをいう。
本型において、加圧状態で上型と下型とを当接させないためには、本型をセットするプレス成型機に、上型の下降位置または下型の上昇位置、を精密に制御するための手段が必要となる。このようなガラスレンズの肉厚を規制する手段としては10μm以下の分解能をもつ位置センサーとの組合せなどが好適な手段として挙げられる。
なお、タイプBにおいても上述したタイプAと同様に、一つの光学面と肉厚部の一部を形成した凹部を図8のような下型だけに形成する以外に、上型だけに形成してもよく、また、上型と下型の両方に形成してもよい。さらに、図1〜図8においては下型を鍔部のあるものとして図示してあるが、本型の下型はこのような鍔部のあるものだけに限定されず、鍔部のないものでもよい。
本型において、上型、下型の材質としては、炭化ケイ素などのセラミックス、超硬などが、耐熱性、機械的強度、耐食性、耐久性などの点で好ましい。胴型の材質としては、炭化ケイ素などのセラミックス、超硬などのほかにガラスとしてもよい。胴型をガラス製とし、プレス型の加熱手段として光加熱方式を採用すると、加熱の必要な上型、下型にエネルギーを集中して投入することができ、成型サイクル時間の短縮化と使用エネルギーの効率化ができるため好ましい。胴型としては熱膨張係数の小さい材料を用いると、成型温度の温度幅が広がることとなり、最適な成型温度でのプレス成型が可能となる。
本型を用いたプレス成型法としては、ガラスプリフォームを使用するリヒートプレス法または直接溶融ガラスを型に入れるダイレクトプレス法などがある。リヒートプレス法の一例としては、以下のプレス成型法が例示されるがこれに限定されるものではない。
すなわち、所定の質量、形状を有するガラスプリフォームを室温または所定の温度に予熱してある下型にセットして上型をガラスプリフォームに接触させて上型、下型、ガラスプリフォームをガラス組成に応じた所定温度まで一緒に加熱し、所定温度に到達した時点で上側を所定速度、例えば、1mm/分で下降させながら加圧していく。所定の圧力、例えば2MPaで加圧・保持後、所定温度まで冷却してガラスレンズを型から取出し、その後必要に応じて徐冷を行う。
図1に相当する型として、光学面が非球面である直径4mm、厚さ1.5mmの両凸ガラスレンズを成型するため、h=0.4mm、h=0.03mm、テーパ角θ=45°とした超硬製の下型と、それと同材質の上型を準備した。胴型としては、超硬製と石英ガラスの二つを準備した。加熱方式には赤外線ランプによる光加熱方式を採用した。
プレス成型としてはリヒートプレス成型を採用した。ガラスプリフォームとしては、所定質量に制御された球形のシリカ系ガラスを使用した。同ガラスプリフォームを型内にセットし、型全体を50℃から加熱を開始して580℃まで昇温した。580℃になった時点で加圧を開始し100Nの圧力でプレスした。なお、ガラスレンズを所定の肉厚とするため成型装置に具備されたプレスロッド位置センサーで上型の位置をモニターし位置制御した。所定位置に上型がきたところで型の昇温を停止して降温を開始し、200℃で成型完了とした。
これを超硬製胴型、石英製胴型について各々50回繰り返して、個光学面の形状(転写)精度と、プレス型の加熱開始から加圧を経て冷却が完了するまでの時間(以下、タクト時間という)を測定した。その結果、胴型を超硬製とした場合には、光学面の転写精度のばらつきは0.2μm以下と目標の形状精度が得られたことを確認した。なお、タクト時間は平均で600秒であった。一方、胴型を石英ガラス製とした場合には、光学面の転写精度のばらつきは上と同様に0.2μm以下と目標の形状精度が得られたことを確認した。また、胴型を石英ガラス製としたため加熱が上型と下型だけに限定された分だけタクト時間が短縮され、半分の平均300秒であった。比較のため、面取りを形成しない超硬製の下型を準備して上と同様な方法で成型したところ、得られたガラスレンズの一部に図2の26のようなクラックが観察された。
本発明は、光学ガラス体を胴型では形状付与せず上型と下型で形状付与し、しかも成型終了まで光学ガラス体に圧力が充分かかり、転写精度に優れた光学ガラス体を製造可能なプレス成型用型およびそれを使用した光学ガラスプレス成型法の提供できる。本型を使用することにより光学面を研磨等の後加工せずにプレスしたままで使用できるため、デジタルカメラ用ガラスレンズなど各種光学用途に対して、原価を低減した精密ガラスレンズを提供できる。
本発明の型は、胴型はあくまでも上型と下型との軸芯を精密に合せるためだけでガラスレンズの形状を付与しないため、掃除の大変な胴型内周面を実質的に掃除しなくてよいため、生産性が大きく向上する。また、胴型自身の耐久性も向上する。
本型の一実施態様。 図1の成型時の概念図。 図2の面取りがない場合の成型時の概念図。 図1の部分拡大図。 図2のテーパ面取りをR面取りに変更した場合。 本型の別の一実施態様。 本型の別の一実施態様。 図1の鍔なし上型を鍔つき上型に変更した場合。 本型で製造されるガラスレンズの一例。
符号の説明
1:ガラスレンズ
2a:光学面
2b:光学面
7:肉厚部
8:光軸
10、110、210、310:上型
12、112、212、312:上側に形成された光学面
15、115、215、315:上型の分割面
20、120、220、320:下型
21、221、321:下型に形成された凹部
22、122、222、322:下型に形成された光学面
23、223、323:下型に形成された凹部の側壁面
24、224、324:下型に形成された凹部の側壁面のコーナー部面取り
25、225、325:下型の分割面
26:クラック
30、130、230、330:胴型
40、140、240、340:ガラスプリフォーム
50、150、250、350:本型
111、211:上型に形成された凹部
113、213:上型に形成された凹部の側壁面
114、214:上型に形成された凹部の側壁面のコーナー部面取り
316:上型310の鍔部
316B:鍔部316の下面
330T:胴型330の上端面
:側壁面の高さ
:面取りが形成されている側壁面の高さ

Claims (8)

  1. 2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で前記上型と前記下型とが当接せず、さらに、加圧状態で前記上型と前記下型の上下の位置関係が胴型で規定されないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型。
  2. 2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された、鍔部のない上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で前記上型と前記下型とが当接しないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型。
  3. 2つの光学面と肉厚部とを有するガラスレンズの一光学面が形成された、鍔部のある上型と、前記ガラスレンズの他の一光学面が形成された下型と、前記上型と前記下型とが相対して摺動可能とする筒状の胴型とを含むガラスレンズ成型用プレス型であり、前記上型か前記下型の少なくともいずれかに、前記ガラスレンズの一光学面と肉厚部の少なくとも一部とを形成するための凹部を設け、該凹部の前記肉厚部を形成する側壁面のコーナー部を面取りし、かつ、加圧状態で、前記上型と前記下型とが当接せず、前記上型の鍔部と前記胴型の上端部とも当接しないことを特徴とするガラスレンズ成型用プレス型。
  4. 前記側壁面の高さをhとし、面取りが形成されている側壁面の高さをhとするとき、hは0.5×h未満である請求項1、2または3記載のガラスレンズ成型用プレス型。
  5. 前記コーナー部の面取りがR面取りであり、R0.005〜R0.1mmである請求項1、2、3または4記載のガラスレンズ成型用プレス型。
  6. 前記コーナー部の面取りがテーパ面取りで、側壁面からテーパ面までの角度が10〜80°である請求項1、2、3または4記載のガラスレンズ成型用プレス型。
  7. 前記胴型がガラスからなる請求項1〜6のいずれか記載のガラスレンズ成型用プレス
    型。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載のガラスレンズ成型用プレス型と、ガラスレンズの肉厚を規制する手段を有するガラスプレス成型装置とを使用してプレス成型することを特徴とするガラスレンズ製造方法。
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JP2010256922A (ja) * 2006-05-17 2010-11-11 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 非球面プラスチックレンズ及びそれを製造するための金型

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