JP2006044141A - 流水用コンクリート製品および流水用コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は流水用コンクリート製品および流水用コンクリート製品の製造方法に関し、側溝ブロック、集水桝、水路ブロック等の水路構成部材をワーカビリッチが良く容易に成形して成形性に優れ、洗い出しにより骨材を露出させて凹凸面を形成したことにより生態系への棲息に適し、自然環境の保全に適うようにする。
【解決手段】骨材入りの高流動コンクリート2を成形型3に打設する水路構成部材であって、該水路構成部材は少なくとも水路4の内側面5に骨材6が所望深さP洗い出された凹凸面7が形成された。また、骨材入りの高流動コンクリート2をスランプ値が低値の状態にて成形型3内に打設して水路構成部材を成形する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を洗い出すことにより骨材6を所望深さPに露出させる工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】骨材入りの高流動コンクリート2を成形型3に打設する水路構成部材であって、該水路構成部材は少なくとも水路4の内側面5に骨材6が所望深さP洗い出された凹凸面7が形成された。また、骨材入りの高流動コンクリート2をスランプ値が低値の状態にて成形型3内に打設して水路構成部材を成形する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を洗い出すことにより骨材6を所望深さPに露出させる工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は流水用コンクリート製品および流水用コンクリート製品の製造方法に関し、例えば、側溝ブロック、集水桝、水路ブロック等の水路構成部材をワーカビリッチが良く容易に成形して成形性に優れ、また水路構成部材の少なくとも内面に洗い出しにより骨材を露出させて凹凸面を簡単かつ確実に形成したことにより生態系への棲息に適し、自然環境の保全に適うようにするものである。
土木設備としての流水用コンクリート製品として、例えば側溝ブロック、集水桝、水路ブロック、貯水ブロック、溜桝等の各種水路構成部材がある。
昨今では、例えば農業用水の供給に用いる水路ブロックや貯水ブロックなどでは、公害問題に対処して人畜に無害な何らかの工夫を配慮する設備製品が望まれている。しかも、水路ブロック、側溝ブロック、集水桝等では、魚貝類、蛙のような水中小動物等の棲息や藻の発生に適し、植物性プランクトンが付着し易く、生態系への棲息に適し、自然環境の保全に適うものの開発が望まれている。
ところで、従来、例えば道路の表面、橋梁や擁壁、法面の表面、ビル等の建物の壁面、柱や壁、床面等のコンクリート構築物の表面を処理するために、骨材を洗い出しにより表面に露出させる洗い出し仕上げという景観を目的とした表面処理方法があった(例えば非特許文献1参照)。
株式会社彰国社編、建築大辞典、日本国、株式会社彰国社発行、1993年、第2版、p49
株式会社彰国社編、建築大辞典、日本国、株式会社彰国社発行、1993年、第2版、p49
しかしながら、上記非特許文献1に記載のコンクリート構築物の表面の洗い出し仕上げ法は、型枠内に打設したコンクリートにおけるセメントモルタルがある程度、固まった段階で、ワイヤブラシ等を用いて表面を掻き落とすことにより骨材(粗骨材)を露出してから、水洗いする等して骨材の洗い出し作業を行うものなので、当初作業に着手してから骨材の洗い出し作業を終えるまでには多くの時間および手間がかかり、作業性が低く、効率が悪いものであった。しかも、骨材の洗い出しには、施工現場に水洗い設備が必要になるので、給水設備および水洗設備を揃えなければならず、高額な設備費が必要になっていた。
また、上記非特許文献1に記載の洗い出し仕上げ法は、セメント、砂等の細骨材と、砂利、採石等の粗骨材とよりなる骨材、水等を混練したコンクリートを型枠内に打設する場合に、加振機により振動を加えてコンクリートを締め固めたり、または突き固めることによりコンクリートを型枠内に打設するので、型枠内部に固化遅延剤を塗布した場合には、固化遅延剤が振動で分散し、塗布量が薄くなるため、洗い出し仕上げを行っても、骨材が均一に表面に露出することなく、表面の仕上がりも悪かった。また、同時にセメントモルタルよりも比重が大きな粗骨材が、コンクリート中に全体的に均一に散在するのではなく、コンクリートの下方に沈み、偏在することになる。従って、固化されるコンクリートは、圧縮、引っ張り等に対してひび割れ、亀裂を生じ易く、構造的に脆弱であった。また、洗い出し仕上げを行っても骨材が均一に表面に露出することなく、表面の仕上りも悪かった。
しかも、非特許文献1に記載の上記従来の洗い出し仕上げ法は、施工現場で行われるものであり、成形設備、給水設備、水洗設備等の各種設備が用意された工場において成形型によりコンクリート二次製品を成形し、表面の洗い出しを行うものではないので、上記したような現場設備等を要する。
上記のように、従来は、流水用コンクリート製品として、例えば側溝ブロック、集水桝、水路ブロック、貯水ブロック、溜桝等の各種水路構成部材について、工場において成形型によりコンクリート二次製品を成形し、表面の洗い出しを行うものはなかった。
本発明は上記従来の欠点を解決し、成形型を用いて多くの時間と手間がかからず、作業効率良く、成形が行えるとともに骨材の洗い出しが迅速かつ確実に行え、また、圧縮、引っ張り等の強度が高く、構造的に堅牢であり、さらには、設備費、製作コストが安価な流水用コンクリート製品および流水用コンクリート製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、請求項1に記載の発明は、骨材入りの高流動コンクリートを成形型に打設して成形される水路構成部材であって、該水路構成部材は少なくとも水路の内側面に骨材が所望深さ洗い出されていることにより凹凸面が形成されたことを特徴とした。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記水路構成部材の内側面には前記凹凸面と共に、発泡剤の発泡による発泡跡としての凹部が高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により形成されることを特徴とした。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記水路構成部材は、側溝ブロック、集水桝、溜桝、水路ブロック、貯水ブロックの何れかであることを特徴とした。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、骨材入りの高流動コンクリートをスランプ値が低値の状態にて成形型内に打設して水路構成部材を成形する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により洗い出すことにより骨材を所望深さ露出させる工程とを含む。
また、本発明の請求項5に記載の発明は、骨材入りの高流動コンクリートをスランプ値が低値の状態にて成形型内に打設して水路構成部材を成形するとともに固化遅延剤を前記水路構成部材の少なくとも内面に付着する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により洗い出すことにより骨材を所望深さ露出させる工程とを含む。
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4または5において、前記高流動コンクリートは、スランプ値が略0に調整されることを特徴とした。
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項4,5,6の何れかにおいて、前記固化遅延剤は、グルコン酸塩を主成分とし、前記成形型の鉛直面と水平面とに濃度を異にして塗布されることを特徴とした。
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項4,5,6,7の何れかにおいて、前記高流動コンクリートには、少量の発泡剤を、セメント、細骨材、粗骨材、水、高流度調整剤等と共に配合して混練されることを特徴とした。
本発明は、成形型を用いて多くの時間と手間がかからず、作業効率良く、成形が行えるとともに骨材の洗い出しが迅速かつ確実に行え、また、圧縮、引っ張り等の強度が高く、構造的に堅牢であり、さらには、設備費、製作コストが安価になる。
以下図面に従い、本発明を実施するための最良の形態につき詳細を説明する。
本実施形態1は、流水用コンクリート製品を側溝ブロックに適用したものであり、使用する設備等とともに順次説明する。
図1は本発明の流水用コンクリート製品を側溝ブロックに適用した本発明の実施形態1を示す断面図、図2は同じく本実施形態1の側溝ブロックを成形する成形型を示す断面図、図3は同じく側溝ブロックの表面を洗い出した拡大正面図である。
本実施形態1は、流水用コンクリート製品としての側溝ブロック1は骨材入りの高流動コンクリート2を成形型3に打設して形成される。
そして、この流水用コンクリート製品としての水路構成部材である側溝ブロック1は、少なくとも水路4の内側面5に骨材6が所望深さPに洗い出されることにより凹凸面7が形成されたことを特徴とする。
前記高流動コンクリート2は、セメントC、水W、骨材として細骨材S1,S2と、粗骨材Gと、混和材としての高流度調整剤Lpと、混和剤としての減水剤ADと、後記凹部8を水路構成部材としての側溝ブロック1の内側面5に形成するための少量、例えば1重量%程度の発泡剤αとを配合し、混練することにより、スランプ値が低値の状態、本実施形態1ではスランプ値が略0に調整された後に成形型3内に打設されることにより側溝ブロック1は成形される。
この際、高流動コンクリート2を成形型3内に打設する時に、固化遅延剤Kを洗い出しを行うべき水路構成部材の少なくとも内面に付着する。このように、固化遅延剤Kを水路構成部材としての側溝ブロック1の少なくとも内面に付着するには、水路構成部材としての側溝ブロック1の図2に示すように、少なくとも内側面5の骨材6の洗い出しを容易かつ確実に行うためである。この固化遅延剤Kとしては、例えばグルコン酸塩を主成分としたものが最適に使用され、雌状成形型3Aと、雄状成形型3Bとよりなる前記成形型3の雄状成形型3Bの鉛直面3aと、水平面3bとにそれぞれ濃度を異にして塗布される。このうち、鉛直面3aに塗布する固化遅延剤Kの方が、水平面3bに塗布する固化遅延剤Kよりも濃度が高く、粘性を高くして付着力を増加した状態で使用することにより洗い出しを効果的に発揮させるためである。
この固化遅延剤Kを側溝ブロック1の少なくとも内面に付着するのには、具体的には前記成形型3を形成する雌状成形型3A内に高流動コンクリート2を打設する事前に、雄状成形型3Bの外面に、例えばローラ、刷毛等を用いて固化遅延剤Kを塗布しておく。そして、その後に、高流動コンクリート2を雌状成形型3A内に打設することにより、雄状成形型3Bの外面に塗布した固化遅延剤Kを間接的に側溝ブロック1の内面に付着するほか、成形型3の雌状成形型3A内にて、雄状成形型3Bとの間に打設した高流動コンクリート2がある程度、固まってから、側溝ブロック1を剥型し、その後に、側溝ブロック1の内面に例えばローラ、刷毛等を用いて固化遅延剤Kを直接、側溝ブロック1の内面に塗布しても良いし、スプレーを用いて散布する等して付着させてもよい。
また、高流動コンクリート2に用いられるセメントCとしては、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント等の何れを用いてもよい。
また、細骨材S1,S2は、山砂、川砂、海砂等の何れを用いてもよい。また、粗骨材Gは、自然の砂利、砕石、鉱石であっても良いし、人工骨材の何れでもよく、その粒径は20mm程度のものが使用される。
また、発泡剤αとしては、例えばアルミニウム粉末が使用され、このアルミニウム粉末が高流動コンクリート2中のセメントC(アルカリ成分)と反応して水素ガスを発生することにより、この水素ガスが高流動コンクリート2内において発泡されるようになる。
この高流動コンクリート2の、セメントC、水W、骨材として細骨材S1,S2と、粗骨材Gと、混和材としての高粒度調整剤Lpと、混和剤としての減水剤ADと、発泡剤αとの示方配合例を表[1]に示す。
上記表[1]に示すような組成、配合のスランプ値が略0の低値に調整された高流動コンクリート2を成形型3に打設することにより、水路構成部材としての側溝ブロック1は成形されるので、成形型3内に高流動コンクリート2を打設して側溝ブロック1を成形する時に流動性に富み、ワーカビリッチは良く、作業性は向上される。しかも、成形型3内に低スランプ値の高流動コンクリート2を打設することにより側溝ブロック1は成形されるものであり、従来の洗い出し仕上げのように、コンクリートを成形型へ打設するコンクリートの打設時に、加振機(図には示さない)を用いて振動を加えたり、突き固め等の余計な作業を行う必要がないため、高流動コンクリート2内において骨材6、特に比重が大きな粗骨材Gが、荷重により高流動コンクリート2中を沈降したり、偏りがなく、均一に高流動コンクリート2内に分散されて骨材6は配合されるから、成形によって出来上がった側溝ブロック1は、引っ張りや圧縮等に対して優れた強度を発揮するようになり、構造堅牢な側溝ブロック1を成形することができる。従って、側溝ブロック1にはひび割れや亀裂が生じにくくなり、しかも、成形後の骨材6の洗い出しも迅速かつ容易に行える。そして、側溝ブロック1の内側面5に骨材6が所望深さPにて露出した綺麗な洗い出しが行われた仕上がりになる。
そして、高流動コンクリート2を成形型3内に打設してから、約70℃にて一夜蒸気養生を行う。
その後、成形型3から側溝ブロック1を脱型してから、高圧ジェット洗浄機にて側溝ブロック1の内面側5を水洗いし、側溝ブロック1の内面における骨材6の表面の洗い出しを行う。
この時使用される高圧ジェット洗浄機としては、例えば、KYOWA社製のKY−C 300EHがあり、高圧ジェット水流を噴出する。
8は前記水路構成部材としての側溝ブロック1の内側面に形成される発泡剤の発泡による発泡跡としての凹部であり、この凹部8は前記凹凸面7と共に、側溝ブロック1の内側面5に形成される。そして、この凹部8の大きさは、例えば50mm2当たりに直径φが10mm程度、深さP1が3mm程度のものが2〜3個が形成される。この凹部8の大きさ、深さP1、設置個数の増減変更は、用いるセメントCの種類、セメントCの配合量に応じて発泡剤αの配合量を加減したり、水セメント比W/Cを変化させたり、高流動コンクリート2のスランプ値を選定することにより任意に調整することができる。
本発明の流水用コンクリート製品としての側溝ブロック1は以上の構成からなり、以下成形方法を作用とともに説明する。
先ず、高流動コンクリート2をスランプ値が低値の状態、例えば略0値にて成形型3内に打設して水路構成部材としての側溝ブロック1を成形する。
この時、本実施形態1の側溝ブロック1の外容積は、縦が約300mm、横が約300mm、長さが約2000mmである。
この際、高流動コンクリート2を成形型3に打設する事前に、成形型3の雄状成形型3Bの外面に、流水用コンクリート製品としての側溝ブロック1の骨材6の洗い出しに備えて例えばローラ、刷毛等を用いて固化遅延剤Kを塗布しておく。その後に、成形のために、高流動コンクリート2を成形型3内に打設し、高流動コンクリート2がある程度、固まると、雄状成形型3Bの外面に塗布した固化遅延剤Kが成形すべき側溝ブロック1の内面に付着される。
そして、本実施形態1に用いる高流動コンクリート2は、セメントC、水W、骨材として細骨材S1,S2と、粗骨材Gと、混和材としての高粒度調整剤Lpと、混和剤としての減水剤ADと、発泡剤αとを配合し、混練されたものを用いる。
そして、この高流動コンクリート2の組成、配合割合は、上記表[1]に示すような組成、配合であり、スランプ値が略0の低値の高流動コンクリート2であるので、成形型3内に高流動コンクリート2を打設することにより側溝ブロック1を成形する時に、流動性に富み、ワーカビリッチは良く、作業性は向上される。しかも、成形型3内に低スランプ値、例えば略0の上記高流動コンクリート2を打設して側溝ブロック1は成形されるものであり、従来のコンクリート二次製品の成形法のように、コンクリートを成形型へ打設時に加振機(図には示さない)を用いて振動を加えたり、突き固め等の余計な作業を行う必要がなくなるため、高流動コンクリート2内において骨材6、特に比重が大きな粗骨材Gは荷重により沈降したり、偏りがなく、均一に分散されて高流動コンクリート2内に骨材6は配合される。
こうして、高流動コンクリート2を成形型3内に打設してから、約70℃にて一夜蒸気養生を行い、その後、成形型3から側溝ブロック1を脱型する。
それから、側溝ブロック1の内面側5を高圧ジェット洗浄機から噴出される高圧ジェット水流にて水洗いすることにより骨材6の表面の洗い出しを行う。
この際、用いる高圧ジェット洗浄機としては、例えばKYOWA社製のKY−C 300EHがあり、ノズルから噴出される150Kgf/cm2の高圧ジェット水流で約10分間、側溝ブロック1の内側面5の洗浄を行うことにより、骨材6の洗い出しを行った。
このようにして洗い出された流水用コンクリート製品としての側溝ブロック1の内面には、骨材6が表面に露出された。この時、洗い出された骨材6の深さPは、2〜5mmになり、骨材6の洗い出しにより側溝ブロック1の内面には凹凸面7が形成された。
しかも、側溝ブロック1の内面には、前述のような洗い出しにより形成された凹凸面7とともに、発泡剤の発泡による発泡跡としての凹部8が形成された(図3参照)。
この凹部8の大きさは、50mm2当たりに直径φが10mm程度、深さP1が3mm程度のものが2〜3個が形成された。
このようにして、流水用コンクリート製品として水路4を有する側溝ブロック1の内面には、洗い出しにより全体的に均一に散在された骨材6が表面に露出されて深さPが2〜5mmの凹凸面7が形成されたと共に、発泡剤αの発泡による発泡跡としての凹部8が形成されたので、この本実施形態1の側溝ブロック1を敷設した場合に、凹凸面7や凹部8が形成されることにより、摩擦係数が平滑面により水路の内面が形成された従来の一般的な側溝ブロックでは0.013程度であるのに対して本実施形態1の側溝ブロックでは、摩擦係数が0.017〜0.018程度になり、大きい。
このため、側溝ブロック1内の水路4を流れる水流は緩やかな流れとなる。しかも、側溝ブロック1の内面には、洗い出しにより骨材6が全体的に平均に露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とにより、水路4を流れる水流は、乱流を活発に生じて気泡の発生を促し、水中に酸素を供給し易くなる。このため、水中での酸素溶存濃度が高くなり、魚類、貝類、水棲動物、水棲昆虫、藻や植物プランクトン等の生態系の棲息に適する。
しかも、凹凸面7と凹部8が側溝ブロック1の内面に形成されることにより表面積が増大され、放熱が大きくなって冷却が大きくなるのと、水路4を流れる流水に対する接触面積が増大するので、側溝ブロック1の凹凸面7と凹部8とによる洗い出し個所は、他部とは2〜3°Cほど表面が低くなり、生態系の棲息に適する。
また、側溝ブロック1の内面には、前述のように洗い出しにより骨材6が露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とが形成されることにより、藻や植物性プランクトンが付着し場所になる。従って、生物の棲息と、水の浄化につながり、自然環境の保全に適う。
また、この凹部8の大きさ、深さP1、設置個数の増減変更は、用いるセメントCの種類、セメントCの配合量に応じて発泡剤αの配合量を加減したり、水セメント比W/Cを変化させたり、高流動コンクリート2のスランプ値を選定することにより任意に調整することができる。
また、本実施形態1の側溝ブロック1は、成形型3内に低スランプ値、例えば略0の高流動コンクリート2を打設して側溝ブロック1は成形されるものであり、従来のコンクリート二次製品の成形法のように、コンクリートを成形型へ打設する時に、加振機(図には示さない)を用いて振動を加えたり、突き固めを行う等の余計な作業を行う必要がなくなるため、高流動コンクリート2内において骨材6、特に比重が大きな粗骨材Gは荷重により沈降したり、偏りがなく、均一に分散されて高流動コンクリート2内に骨材6は配合されるので、引っ張りや圧縮等に対して強度を発揮するようになり、構造堅牢な側溝ブロック1を成形することができる。因みに、本実施形態1の側溝ブロック1の引っ張り強度は、高くなり、圧縮強度は23N/mm2になり、高強度を発揮する。
このため、ひび割れや亀裂が生じにくくなり、しかも、成形後の骨材の洗い出しも迅速かつ容易に行え、表面に骨材が全体的に平均に露出する綺麗な洗い出しの仕上がりになる。
図4は本発明の実施形態2を示し、この実施形態2では水路構成部材としての水路ブロック20の内側面5に前記実施形態1と同様の成形材料を用い、同様の成形方法、手順に従い、洗い出しにより骨材6が露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とにより、摩擦係数が0.017〜0.018と高くなり、水路4を流れる水流を緩やかな流れとなすとともに、水流に乱流を生じさせて気泡の発生を促し、水中に酸素を供給し易くして水中での酸素溶存濃度を高くすることができる。
また、水路ブロック20の内面には、洗い出しにより骨材6が露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とを形成することにより、藻や植物性プランクトンを付着し易い場所とし、めだか等の魚類、貝類、水棲昆虫の棲息や産卵に適した場所になし、そのうえ、蛙のような両生類ややごのような水棲昆虫が、変態する時に水中から陸上へと移動する場合の良い道筋を提供する等、生物の棲息と、水の浄化を行い自然環境の保全に適うようになる。
さらに、図5は本発明の実施形態3を示し、この実施形態3では、水路構成部材としての溜桝30に適用したものであり、この溜桝30の内側面30a,30b,30c,30dの周囲と、内底面30eとに前記実施形態1と同様の成形材料を用い、同様の成形方法、手順に従い、洗い出しにより骨材6が露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とを形成したことにより、摩擦係数を0.017〜0.018と高くして水流を緩やかな流れとなすとともに、水流に乱流を生じさせて気泡の発生を促し、水中に酸素を供給し易くして水中での酸素溶存濃度を高くすることができる。なお、図5では、内底面30eに形成される凹凸面7と凹部8とは実際よりも省略された状態で描かれている。
また、溜桝30の内面には、洗い出しにより骨材6が露出されて深さPが2〜5mmに形成される凹凸面7と、発泡剤αの発泡による発泡跡として形成される凹部8とを形成することにより、藻や植物性プランクトンを付着し易い場所として水の浄化に役立て、自然環境の保全に適うようにすることができる。
上記説明において、実施形態1では水路構成部材として側溝ブロック1を、また、実施形態2として水路ブロック20を、さらに、実施形態3として溜桝30について説明したが、水路構成部材はこれに限定されるものではなく、このほかに集水桝、貯水ブロック等広範に及ぶ。
また、上記説明は代表例であり、固化遅延剤Kの成形型3の塗布個所、およびこの塗布遅延剤Kが付着されて洗い出しが行われる水路構成部材の洗い出し個所は自由に変更が行え、水路構成部材の一部であっても良いし、全体であってもよい。
本発明は成形型を用いて多くの時間と手間がかからず、作業効率良く、成形が行えるとともに骨材の洗い出しが迅速かつ確実に行え、また、圧縮、引っ張り等の強度が高く、構造的に堅牢であり、さらには、設備費、製作コストが安価になる分野・用途に適する。
1 側溝ブロック
2 高流動コンクリート
3 成形型
3A 雌状成形型
3B 雄状成形型
4 水路
5 内面側
6 骨材
7 凹凸面
8 凹部
20 水路ブロック
30 溜桝
K 固化遅延剤
P 深さ
P1 深さ
2 高流動コンクリート
3 成形型
3A 雌状成形型
3B 雄状成形型
4 水路
5 内面側
6 骨材
7 凹凸面
8 凹部
20 水路ブロック
30 溜桝
K 固化遅延剤
P 深さ
P1 深さ
Claims (8)
- 骨材入りの高流動コンクリートを成形型に打設して成形される水路構成部材であって、該水路構成部材は少なくとも水路の内側面に骨材が所望深さ洗い出されていることにより凹凸面が形成されたことを特徴とした流水用コンクリート製品。
- 前記水路構成部材の内側面には前記凹凸面と共に、発泡剤の発泡による発泡跡としての凹部が高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により形成されたことを特徴とした請求項1に記載の流水用コンクリート製品。
- 前記水路構成部材は、側溝ブロック、集水桝、溜桝、水路ブロック、貯水ブロックの何れかであることを特徴とした請求項1又は2に記載の流水用コンクリート製品。
- 骨材入りの高流動コンクリートをスランプ値が低値の状態にて成形型内に打設して水路構成部材を成形する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により洗い出すことにより骨材を所望深さ露出させる工程とを含む流水用コンクリート製品の成形方法。
- 骨材入りの高流動コンクリートをスランプ値が低値の状態にて成形型内に打設して水路構成部材を成形するとともに固化遅延剤を前記水路構成部材の少なくとも内面に付着する工程と、該水路構成部材を剥型後所望時間養生、固化される工程と、その後、水路構成部材の表面を高圧ジェット洗浄機による高圧ジェット水流により洗い出すことにより骨材を所望深さ露出させる工程とを含む流水用コンクリート製品の成形方法。
- 前記高流動コンクリートは、スランプ値が略0に調整されることを特徴とした請求項4または5に記載の流水用コンクリート製品の成形方法。
- 前記固化遅延剤は、グルコン酸塩を主成分とし、前記成形型の鉛直面と水平面とに濃度を異にして塗布されることを特徴とした請求項4,5,6に記載の流水用コンクリート製品の成形方法。
- 前記高流動コンクリートには、少量の発泡剤を、セメント、細骨材、粗骨材、水、高流度調整剤等と共に配合して混練されることを特徴とした請求項4,5,6,7の何れかに記載の流水用コンクリート製品の成形方法。
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