JP2006041252A - Cmp研磨剤、その製造方法及び基板の研磨方法 - Google Patents

Cmp研磨剤、その製造方法及び基板の研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜の研磨を研磨傷なく、高速かつ平坦に行うことができるCMP研磨剤および研磨方法を提供する。
【解決手段】金属酸化物粒子によって表面が被覆された有機高分子粒子及び水を含有するCMP研磨剤であって、好ましくは、前記金属酸化物粒子は、酸化セリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウムから選ばれ、平均粒径が1nm以上400nm以下であり、さらに好ましくは、前記有機高分子粒子の平均粒径が前記金属酸化物粒子の平均粒径より大きくかつ50μm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子製造技術に好適に使用されるCMP研磨剤及びこれを使用した研磨方法に係り、特に、基板表面の平坦化工程、特に層間絶縁膜の平坦化工程、シャロートレンチ素子分離の形成工程等において好適に使用されるCMP研磨剤、その製造方法及びこれらのCMP研磨剤を使用した基板の研磨方法に関する。
現在のULSI半導体素子製造工程では、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されている。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術は、半導体素子の製造工程において、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ素子分離形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等を行う際に必須の技術となってきている。
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤(CMP研磨剤)としてフュームドシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。フュームドシリカ系のCMP研磨剤は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。しかしながら、この様な研磨剤は、研磨速度が低いという技術課題がある。
また、デザインルール0.25μm以降の世代では、集積回路内の素子分離にシャロートレンチ分離が用いられている。シャロートレンチ分離では、基板上に成膜した余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、研磨を停止させるために、酸化珪素膜の下に研磨速度の遅いストッパ膜が形成される。ストッパ膜には窒化珪素などが使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましい。従来のコロイダルシリカ系のCMP研磨剤は、上記の酸化珪素膜とストッパ膜の研磨速度比が3程度と小さく、シャロートレンチ分離用としては実用に耐える特性を有していなかった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面CMP研磨剤として、酸化セリウムCMP研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって、研磨表面に傷が入りにくいことから、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、シリカCMP研磨剤に比べ、研磨速度が早い利点がある。近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた半導体用CMP研磨剤が使用されている。例えば、その技術は特許文献1に開示されている。
また、酸化セリウム研磨液の研磨速度を制御し、グローバルな平坦性を向上させるために添加剤を加えることが知られている。例えば、この技術は特許文献2に開示されている。
また、酸化セリウムは強い酸化剤として知られるように、化学的活性な性質を有している。この利点を活かして、半導体絶縁膜用CMP研磨剤への適用が有用である。
特開平10−106994号公報 特開平8−22970号公報
しかしながら、フォトマスクガラス表面研磨用酸化セリウムCMP研磨剤をそのまま半導体絶縁膜研磨に適用すると、1次粒子径が大きく、そのため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。1次粒子径を小さくすると、研磨傷は入りにくくなるが、研磨速度が低下してしまう。酸化セリウム研磨剤による研磨は、酸化セリウムの化学的作用と粒子による機械的除去作用で加工が進行するとされている。粒子による機械的除去作用があると研磨傷が入る。そこで、所望の研磨速度と研磨傷等の表面状態になる酸化セリウム1次粒子径を選択しているが、酸化セリウム粒子を用いる限り研磨傷フリーの表面を作り出すことは出来ない。今後、半導体素子の多層化・高精細化が進むにつれ、半導体素子の歩留り向上には研磨傷フリーなCMP研磨剤が必須となる。
本発明は、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜の研磨を研磨傷なく、高速に、かつプロセス管理も容易に行うことができるCMP研磨剤、その製造方法およびその研磨剤を用いた研磨方法を提供するものである。
(1)本発明は、金属酸化物粒子によって表面が被覆された有機高分子粒子及び水を含有し、前記金属酸化物粒子の平均粒径が1nm以上400nm以下であることを特徴とするCMP研磨剤に関する。
(2)本発明は、前記金属酸化物粒子が酸化セリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウムから選ばれる前記(1)記載のCMP研磨剤に関する。
(3)本発明は、前記金属酸化物粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して、0.05重量部以上5重量部以下の範囲である前記(1)または(2)記載のCMP研磨剤に関する。
(4)本発明は、CMP研磨剤のpHが3以上9以下である前記(1)〜(3)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(5)本発明は、前記有機高分子粒子の平均粒径が前記金属酸化物粒子の平均粒径より大きくかつ50μm以下である前記(1)〜(4)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(6)本発明は、前記有機高分子粒子のガラス転移温度が30℃以上である前記(1)〜(5)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(7)本発明は、前記有機高分子粒子が、表面に、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基のうち少なくとも1種を有する前記(1)〜(6)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(8)本発明は、前記有機高分子粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下の範囲である前記(1)〜(7)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(9)本発明は、さらに水溶性有機高分子を含有する前記(1)〜(8)のいずれか記載のCMP研磨剤に関する。
(10)本発明は、前記水溶性有機高分子がポリカルボン酸、ポリスルホン酸、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種以上である前記(9)記載のCMP研磨剤に関する。
(11)本発明は、前記(1)〜(10)のいずれか記載のCMP研磨剤を製造する方法であって、前記有機高分子粒子と前記金属酸化物粒子をヘテロ凝集させることによって、有機高分子粒子表面を金属酸化物で被覆させることを特徴とするCMP研磨剤の製造方法に関する。
(12)本発明は、前記(1)〜(10)のいずれか記載のCMP研磨剤で基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法に関する。
(13)基板としては、例えば酸化珪素絶縁膜が形成された半導体ウエハ等の基板が好適に研磨される。
本発明によれば、酸化珪素絶縁膜等の被研磨面を傷なく、高速かつ平坦に研磨することが可能である。
一般にCMP研磨剤の研磨粒子として、金属酸化物が使用されている。本発明で好ましく使用される金属酸化物として、酸化セリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウムが挙げられる。特に化学的な研磨作用が強い三酸化二マンガン、酸化セリウムが好適に用いられる。
たとえば、酸化セリウムは、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩のセリウム化合物を酸化することによって得られる。TEOS−CVD法等で形成される酸化珪素膜の研磨に使用する金属酸化物粒子CMP研磨剤は、結晶子径が大きく、かつ結晶ひずみが少ないほど、すなわち結晶性が良いほど高速研磨が可能であるが、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこで、本発明で用いる金属酸化物粒子は、その製造方法を限定するものではないが、金属酸化物結晶子径は1nm以上300nm以下であることが好ましい。また、半導体ウエハ研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は金属酸化物粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明において、金属酸化物粉末を作製する方法として特に制限はないが、焼成または過酸化水素等による酸化法が使用できる。焼成温度は350℃以上900℃以下が好ましい。
上記の方法により製造された金属酸化物粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば化学工業論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
また、ゾルゲル法に代表される液相合成法や、CVD法に代表される気相合成法を用いると微小な金属酸化物粒子を得ることができる。
これらの金属酸化物粒子を水に代表される分散媒中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。
上記の方法により分散された酸化セリウムをさらに微粒子化する方法として、酸化セリウム分散液を長時間静置させて大粒子を沈降させ、上澄みをポンプで汲み取ることによる沈降分級法が用いられる。他に、分散媒中の酸化セリウム粒子同士を高圧力で衝突させる高圧ホモジナイザを使用する方法も使用される。
こうして作製されたCMP研磨剤中の金属酸化物粒子の平均粒径は、1〜400nmであることが好ましい。より好ましくは1〜300nmであり、さらに好ましくは1〜200nmである。金属酸化物粒子の平均粒径が1nm未満であると研磨速度が低くなり、400nmを超えると研磨する膜に傷がつきやすくなる場合があるからである。本発明で、粒子の平均粒径とは、レーザ回折式または光子相関法による粒度分布計で測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)をいう。一般に、サブミクロンまでの平均粒径の測定には光子相関法が、サブミクロン以上にはレーザ回折法が適している。
本発明における金属酸化物粒子は、有機高分子との複合化に先立って、金属酸化物粒子と分散剤と水とからなる組成物の中で予め分散させてもよい。
分散剤として、例えば、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤等が挙げられ、また共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤が好ましい。また、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤の少なくとも1種類と、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類とを含む2種類以上の分散剤を併用してもよい。半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属及びハロゲン、イオウの含有率は10ppm以下に抑えることが好ましい。
水溶性陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられる。水溶性非イオン性分散剤としては例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。水溶性陽イオン性分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられ、水溶性両性分散剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
これらの分散剤添加量は、研磨剤中の粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から金属酸化物粒子100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下の範囲が好ましい。分散剤の分子量は、100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。分散剤の分子量が100未満の場合は、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度が得られず、分散剤の分子量が50,000を超えた場合は、粘度が高くなり、CMP研磨剤の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明で用いられる有機高分子粒子の製法に特に制限はないが、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法、シード重合法、液中乾燥法、ノズル振動法、粉砕法等が挙げられる。有機高分子粒子としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンが好ましい。さらにメタクリル酸メチル、スチレン、C〜C18のアクリル酸エステル、C〜C18のメタクリル酸エステル、メトキシ(ポリオキシエチレン)モノメタクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクロレイン、アクリロニトリル、アリルアミン、ビニルアミン、ビニルホルマール、ビニルブチラール、ブタジエン、パラビニルフェノール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、ビニルイミダゾール等から選ばれる少なくとも1種類のラジカル重合可能なモノマを重合した重合体が好ましく用いられる。
また上記重合体は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチル−3−ジメチルアミノアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、ネオペンチルアルコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を用いて架橋してもよい。
また、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ナイロン等を使用することができる。
本発明に使用される有機高分子粒子の平均粒径の範囲は、前記金属酸化物粒子の平均粒径より大きくかつ50μm以下の範囲が好ましい。より好ましくは前記金属酸化物の平均粒径の2倍以上以上20μm以下の範囲であり、前記金属酸化物平均粒径の3倍以上10μm以下の範囲が最適である。有機高分子粒子の平均粒径が金属酸化物粒子の平均粒径より小さいと凝集沈降しやすく、平均粒径が大きすぎると研磨布と基板の間に有機高分子粒子が入り込まなくなる場合がある。
本発明で使用される有機高分子粒子のゼータ電位の範囲は、前記金属酸化物粒子のゼータ電位の反対符号であるか、同符号であれば20mV以上の電位差があることが好ましい。金属酸化物粒子と有機高分子粒子が異なる電荷を有することによって、静電的に結合しやすくなるためである。
本発明における有機高分子粒子のガラス転移温度は20℃以上のものが好ましく使用される。さらに好ましくは40℃以上であり、60℃以上のものが最も好ましい。ガラス転移温度が低すぎるとウエハ表面に接触したとき、粒子が変形してしまい、研磨が進行しにくくなる。
本発明における有機高分子粒子の表面には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基のうち少なくとも1種を有することが好ましい。これらの親水基を有することで、金属酸化物粒子と強固な結合を形成し、高研磨速度を得やすくなるためである。
本発明のCMP研磨剤は、上記金属酸化物粒子によって有機高分子粒子を被覆した複合粒子を研磨粒子として含有する。化学的な研磨力を有する金属酸化物粒子が有機高分子粒子と複合化し、大粒子化することによって、段差を有する半導体基板の研磨を高速化することが可能である。また、コア粒子である有機高分子粒子に機械研磨能力がないことから、研磨傷が入りにくいという特長を有する。
本発明のCMP研磨剤の製造方法に特に制限はなく、該製造方法における金属酸化物粒子による有機高分子粒子の被覆方法として、ヘテロ凝集法が好適に用いられる。本発明で用いられるヘテロ凝集法として、湿式法および乾式法が好ましく使用される。湿式法では金属酸化物粒子懸濁液と適切なゼータ電位と粒径を持つ有機高分子粒子懸濁液を混合することで、金属酸化物粒子と有機高分子粒子がヘテロ凝集することによって、有機高分子を金属酸化物で被覆することができる。一方、乾式法では、まず予め乾燥した金属酸化物粒子の粉体と有機高分子粒子の粉体を調製する。その際必要に応じてジェットミル等で粉砕、およびサイクロン分級をしてもよい。乾燥した金属酸化物粒子と有機高分子粒子を混合することで、有機高分子粒子を金属酸化物粒子によって被覆できる。得られた複合粒子はさらにハイブリダイザによって有機高分子粒子表面に金属酸化物粒子を強固に付着させることができる。本発明において使用可能なハイブリダイザに制限はないが、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所、NHS−0型)が挙げられる。
有機高分子粒子と金属酸化物粒子の結合形態に特に制限はないが、共有結合、ファンデルワールス力、静電引力、双極子−双極子相互作用、疎水結合、水素結合等が挙げられる。
本発明の研磨剤において、金属酸化物粒子の含有量は、CMP研磨剤100重量部に対して、0.05重量部以上5重量部以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは0.2重量部以上2重量部以下の範囲である。金属酸化物粒子含有量が低すぎると研磨速度が低くなり、高すぎると凝集する傾向がある。
一方、有機高分子粒子の含有量は、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは0.02重量部以上2重量部以下の範囲である。有機高分子粒子含有量が少なすぎると所望の研磨速度が得られず、多すぎると分散安定性が悪くなる場合がある。
本発明のCMP研磨剤のpHは3以上9以下が好ましい。pHが3より小さいと化学的作用力が小さくなり、研磨速度が低下する傾向がある。pHが9より大きいと研磨粒子の粒径が大きくなり、研磨速度が低下する場合がある。
本発明のCMP研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製の型番PH81)で測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定した。
CMP研磨剤には、pH安定剤としてカルボン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、アミン塩等を添加することができる。
本発明のCMP研磨剤は、水溶性高分子を添加することで研磨特性をさらに改善できる。例えば、浅素子間分離(STI)CMPにおけるストッパ膜である窒化珪素膜に優先的に吸着する水溶性高分子を添加することで、ストッパ膜が露出した際の研磨速度が低下するため、高平坦化及びプロセスの管理が容易となる。
本発明のCMP研磨剤における水溶性高分子としては、ビニル硫酸、ビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、ビニルアミン、ビニルピリジン、アリルアミン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルメチルエーテル、ビニルメチルオキサゾリジノン、ビニルホルマール、ビニルアセタール、ビニルアミン、ビニルイソブチルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジプルピルアクリルアミド等から選ばれる1種以上のモノマのラジカル重合等によって得られる水溶性高分子が挙げられる。
また、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、キサンタンガム、キトサン、メチルグリコールキトサン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カードラン、プルラン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリグリオキシル酸、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール-プロピレングリコールブロック共重合体等の水溶性高分子も好適に使用できる。
ストッパ膜の研磨速度を低下させるより好適な水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸等のポリカルボン酸類、及びポリ(p−スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸)等のポリスルホン酸類、ポリビニルピロリドン、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)等が挙げられる。
上記水溶性高分子の添加量は、CMP研磨剤100重量部に対して、0.001重量部以上10重量部以下の範囲が好ましい。0.005重量部以上5重量部以下の範囲がさらに好ましく、0.01重量部以上2重量部以下の範囲が最も好ましい。添加量が少なすぎると酸化珪素膜/窒化珪素膜の研磨速度比が得られず高平坦化及びプロセス管理が困難となり、多すぎると酸化珪素膜の研磨速度が低下する場合がある。
また上記水溶性高分子の重量平均分子量は、100以上5,000,000以下が好ましく、1,000以上100,000以下がより好ましい。水溶性高分子の分子量が100未満の場合は、適切な酸化珪素膜/窒化珪素膜の研磨速度比が得られにくく高平坦化及びプロセス管理が困難となり、水溶性高分子の分子量が5,000,000を超えた場合は、粘度が高くなり、CMP研磨剤の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明のCMP研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化珪素絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスと、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。酸化珪素絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素絶縁膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiHCl、窒素源としてアンモニア:NHを用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより得られる。プラズマCVD法は、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
本発明の研磨方法は、上記本発明のCMP研磨剤で基板を研磨することを特徴とする。
基板としては、半導体装置製造に係る基板、例えば、回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体ウエハ、回路素子が形成された段階の半導体ウエハ等の半導体基板上に、無機絶縁層が形成された基板等が挙げられる。そして被研磨膜は、前記銃器絶縁層、例えば酸化珪素膜或いは酸化珪素絶縁膜及び窒化珪素膜等が挙げられる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素絶縁膜層を上記CMP研磨剤で研磨することによって、酸化珪素絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。シャロートレンチ分離の場合には、酸化珪素膜層の凹凸を解消しながら下層の窒化珪素層まで研磨することによって、素子分離部に埋め込んだ酸化珪素膜のみを残す。この際、酸化珪素と、ストッパとなる窒化珪素との研磨速度比が大きければ、研磨のプロセスマージンが大きくなる。また、シャロートレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷発生が少ないことも望ましい。
以下、酸化珪素膜が形成された半導体基板の研磨の場合について本発明の研磨方法を説明するが、これに特定されるものではない。
まず、少なくとも酸化珪素膜が形成された基板を用意する。その基板の被研磨面を研磨パッド(研磨布)に押し当て加圧し、本発明のCMP研磨剤を研磨パッドと被研磨面との間に供給しながら被研磨面と研磨パッドとを相対運動させて基板を研磨することができる。
研磨する装置としては、研磨パッド(研磨布)を貼り付けることができ、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。例えば、株式会社荏原製作所製研磨装置型番EPO-111が挙げられる。
研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布にはCMP研磨剤が溜まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さない様に100rpm以下の低回転が好ましい。被研磨膜を有する半導体基板の研磨布への押しつけ圧力(加工荷重)が10〜100kPaであることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、20〜50kPaであることがより好ましい。研磨している間、研磨布にはCMP研磨剤をポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にCMP研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように被研磨膜である無機絶縁層を上記研磨剤で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面が得られる。このようにして、シリコン基板上にシャロートレンチ分離を形成したあと、酸化珪素絶縁膜層及びその上にアルミニウム配線を形成し、その上に形成した酸化珪素絶縁膜を上記酸化セリウムCMP研磨剤で同様に研磨して酸化珪素絶縁膜表面の凹凸を解消し、平坦化する。平坦化された酸化珪素絶縁膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により酸化珪素絶縁膜を形成後、同様に研磨して、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体基板を製造することができる。
本発明のCMP研磨剤及び研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素絶縁膜や窒化珪素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素絶縁膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨するために使用される。
実施例1
(金属酸化物粒子の調製)
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の粉末を約20kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。この酸化セリウム粒子粉末15kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行なった。乾式粉砕後の酸化セリウム粉末の比表面積をBET法により測定した結果、9m2/gであった。
酸化セリウム粉末10kgと脱イオン水39.875kgを混合し、市販のポリアクリル酸アンモニウム水溶液(重量平均分子量8000)(40重量%)125gを添加し、攪拌しながら超音波分散を行なった。超音波周波数は、400kHzで、分散時間20分で行なった。その後、10L容器に5kgの酸化セリウム分散液を入れて静置し、沈降分級を行なった。分級時間200時間後、容器底からの高さ110mm以上の上澄みをポンプでくみ上げた。得られた上澄みの酸化セリウム分散液を、次いで固形分濃度が5重量%になるように、脱イオン水で希釈して酸化セリウムスラリを得た。酸化セリウムスラリ中の平均粒径を測定するため適当な濃度に希釈し、Malvern社製粒度分布計商品名Zetasizer 3000HSを用い、光子相関法によって測定したところ、150nmであった。また、原子吸光光度計 (株式会社島津製作所製型番AA−670G)を用い不純物イオン(Na、K、Fe、Al、Zr、Cu、Si、Ti)を測定した結果、それぞれ1ppm以下であった。
(有機高分子粒子の調製)
メタクリル酸メチル50g、2,2´−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二硫酸塩二水和物230mg、純水450gを3Lセパラブルフラスコに投入し、窒素雰囲気下、80℃、攪拌回転数300rpmの条件で、ソープフリー乳化重合を行い、ポリメタクリル酸メチル粒子懸濁液を得た。その固形分濃度は10重量%であった。得られたポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径を測定するため、上記懸濁液を適当な濃度に希釈してMalvern社製Zetasizer 3000HSを用い、光子相関法によって測定したところ、500nmであった。上記ポリメタクリル酸メチル粒子のゼータ電位を測定するため、上記懸濁液を適当な濃度に希釈してMalvern社製Zetasizer 3000HSを用い、レーザドップラー電気泳動法によって測定したところ、51mVであった。減圧乾燥して得られたポリメタクリル酸メチル粒子のガラス転移温度を、Perkin Elmer社製、示差走査熱量計DSC7を用い、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで測定したところ、102℃であった。
(ポリアクリル酸の合成)
脱イオン水960gを3リットルの合成用フラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら90℃に昇温後、アクリル酸547gと過硫酸アンモニウム54gを脱イオン水500gに溶解させたものを2時間かけてフラスコ中に注入した。その後90℃で5時間保温後、冷却して取り出しポリアクリル酸水溶液を得た。不揮発分を測定したところ、25重量%であった。さらに、示差屈折計(株式会社日立製作所製L−3300)を備えたHPLCポンプ(株式会社日立製作所製 L−7100)にGPCカラム (日立化成工業株式会社製W550)を接続し、0.3M NaClを移動相として用い、得られたポリアクリル酸の分子量測定を行ったところ、その重量平均分子量は5,000(ポリエチレングリコール換算値)であった。
(CMP研磨剤の作製)
上記の酸化セリウムスラリ(固形分:5重量%)600gと脱イオン水750gを混合し、さらに上記ポリメタクリル酸メチル粒子懸濁液150gを添加し、ヘテロ凝集法にて酸化セリウムとポリメタクリル酸メチルの複合粒子懸濁液を調製した。一方、上記ポリアクリル酸水溶液(25重量%)36gと脱イオン水1464gを混合し、アンモニア水(25重量%)にてpH4.8に調整後、上記の酸化セリウム・ポリメタクリル酸メチル複合粒子懸濁液(固形分:3.0重量%)1500gを添加し、酸化セリウムCMP研磨剤(固形分:1.5重量%)を作製した。そのCMP研磨剤pHは5.0であった。また、CMP研磨剤中の平均粒径を光子相関法で、ゼータ電位をレーザドップラー電気泳動法で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、平均粒径の値は500nm、ゼータ電位は35mVであった。
(絶縁膜層の研磨)
図1に本発明の実施例に使用した評価用ウエハの概略図を示す。すなわち、図1の(a)の平面図及び(b)の縦断面図に示すように、φ200mmのシリコン(Si)基板1上に100nmの窒化珪素膜2を成膜し、さらにトレンチ3を形成した。次いで、図1の(c)に縦断面図で示すように、そのトレンチ3を酸化珪素(SiO)の絶縁膜4で埋め込んだ浅素子分離(STI)絶縁膜CMP評価用試験ウエハを作製した。絶縁膜4の初期膜厚量は凸部で610nm、凹部で650nmであった。またトレンチ3の深さは、460nmであった。また、100μm角の窒化珪素膜の部分と隣の部分との間隔は59μmとした。
株式会社荏原製作所製研磨装置EPO−111の、保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、一方、φ600mmの研磨定盤にロデール社製多孔質ウレタン樹脂製の研磨布IC−1000(溝形状、パーフォレート)を貼り付けた。該研磨布上に絶縁膜4面を下にして前記ホルダーを載せ、さらに加工荷重30kPaに設定した。定盤上に上記実施例1で記載のCMP研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ50rpmで作動させて1、2、3、4、5分間それぞれSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハを研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
その後、ナノメトリクス社製光干渉式膜厚装置Nanospec AFT−5100を用いて、凹部の絶縁膜4の残膜厚、凸部の絶縁膜の残膜厚、あるいは窒化珪素膜2の残膜厚を測定した。研磨時間によるこれらの残膜厚の測定結果を図2及び図3にグラフで示す。また図1(c)を一部拡大し、研磨前の各膜厚を前記グラフと対応させるために並べて示す。さらにVeeco社製、段差計Dektak V200−Siを用いて、研磨後の凸部と凹部の残段差を測定した。
実施例2
(CMP研磨剤の作製)
金属酸化物粒子として気相法によって合成された、市販の三酸化二マンガン微粒子(平均粒径50nm)30gと、有機高分子粒子として分散重合法で調製された市販の架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(平均粒径5μm)60gをよく混合し、その後ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所、NHS−0型)にて処理を行い、三酸化二マンガンとポリメタクリル酸メチルの複合粒子を得た。なお、実施例1と同様の方法で、混合前のポリメタクリル酸メチル粒子のガラス転移温度を測定した結果121℃であった。
前記複合粒子45g、実施例1で用いたポリアクリル酸アンモニウム水溶液1g、脱イオン水2954.0gを混合後、超音波分散を施し、その後1N 硝酸にてpHを6.0に調整し、三酸化二マンガンとポリメタクリル酸メチル複合粒子のCMP研磨剤を得た。このCMP研磨剤を適当な濃度に希釈し、Malvern社製 Mastersizer Microplusを用い、吸収0、オブスキュレーション10%、粒子屈折率を1.49としてレーザ回折法で測定された平均粒径D50は、5.3μmであった。実施例1と同様の方法でゼータ電位を測定した結果、−25mVであった。
(絶縁膜層の研磨)
研磨時間を1、2、3、4分とした以外は、実施例1と同様の研磨条件にてSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハの研磨を行った。その後実施例1と同様の方法にて評価を行い、図2、図3に示す結果を得た。
図2に示すように、実施例1のCMP研磨剤でSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハの研磨を行った結果、凹部は、4分で目標膜厚に到達することが分かった。また、図3に示すように、凸部は4分で絶縁膜を削りきり、窒化珪素膜が露出し、実施例1のCMP研磨剤を用いることでSTI−CMPプロセスが達成可能であることが分かった。また、さらに1分過剰研磨した場合、凹凸部の研磨はほとんど進行せず、実施例1のCMP研磨剤を用いると、プロセス管理が容易であることが分かった。
さらに、実施例1のCMP研磨剤を用いて研磨した際の、研磨時間4分の残段差は、4.0nmであり、高平坦化が達成されていることがわかった。
図2に示すように、実施例2のCMP研磨剤でSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハの研磨を行った結果、凹部は、3分で目標膜厚に到達することが分かった。また、図3に示すように、凸部は3分で絶縁膜を削りきり、窒化珪素膜が露出し、実施例2のCMP研磨剤を用いることでSTI−CMPプロセスが達成可能であることが分かった。また、さらに1分過剰研磨した場合、凹凸部の研磨は進行したが、目標残膜厚の範囲内であった。
さらに、実施例2のCMP研磨剤を用いて研磨した際の、研磨時間3分の残段差は、5.0nmであり、高平坦化が達成されていることがわかった。
また、光学顕微鏡(400倍)を用いて、実施例1及び2のCMP研磨剤にて研磨された後のSTI絶縁膜CMP評価用試験ウエハの絶縁膜表面を観察したところ、明確な研磨傷は観察されなかった。
比較例
炭酸セリウム水和物2kgを400℃で焼成して酸化セリウムを得た。酸化セリウム100gと純水9900gを混合し、ビーズミルによって粉砕・分散を施した。その後、1μmのメンブレンフィルタでろ過を行い、固形分濃度1重量%のCMP研磨剤を得た。実施例1と同様の方法にて測定された酸化セリウム平均粒径は200nmであった。
上記で作製したCMP研磨剤を用いた以外は実施例1と同様に浅素子分離(STI)絶縁膜CMP評価用試験ウエハの研磨を行った。その結果、3分間以上研磨すると凹部の絶縁膜及び凸部の窒化珪素膜をすべて削ってしまった。また光学顕微鏡(400倍)を用いて絶縁膜表面を観察したところ、研磨傷が観察された。
本発明の実施例における浅素子分離(STI)絶縁膜用CMP試験ウエハ評価部の概略図であり、(a)はトレンチ形成後の平面図、(b)は(a)のAA´面による縦断面図、(c)は絶縁層埋め込み後の縦断面図である。 本発明の実施例における凹部絶縁膜残膜量と研磨時間の関係を示すグラフと、研磨前の各膜厚を示す図1(c)の一部拡大図である。 本発明の実施例における凸部絶縁膜残膜量と研磨時間の関係を示すグラフと、研磨前の各膜厚を示す図1(c)の一部拡大図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 窒化珪素膜
3 トレンチ
4 酸化珪素絶縁膜(SiO

Claims (13)

  1. 金属酸化物粒子によって表面が被覆された有機高分子粒子及び水を含有し、前記金属酸化物粒子の平均粒径が1nm以上400nm以下であることを特徴とするCMP研磨剤。
  2. 前記金属酸化物粒子が酸化セリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウムから選ばれる請求項1に記載のCMP研磨剤。
  3. 前記金属酸化物粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して、0.05重量部以上5重量部以下の範囲である請求項1または2記載のCMP研磨剤。
  4. CMP研磨剤のpHが3以上9以下である請求項1〜3いずれかに記載のCMP研磨剤。
  5. 前記有機高分子粒子の平均粒径が前記金属酸化物粒子の平均粒径より大きく50μm以下である請求項1〜4いずれか記載のCMP研磨剤。
  6. 前記有機高分子粒子のガラス転移温度が30℃以上である請求項1〜5いずれか記載のCMP研磨剤。
  7. 前記有機高分子粒子は、表面に、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基のうち少なくとも1種を有する請求項1〜6いずれか記載のCMP研磨剤。
  8. 前記有機高分子粒子の含有量が、CMP研磨剤100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下の範囲である請求項1〜7いずれか記載のCMP研磨剤。
  9. さらに水溶性高分子を含有する請求項1〜8のいずれか記載のCMP研磨剤。
  10. 前記水溶性高分子がポリカルボン酸、ポリスルホン酸、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項9記載のCMP研磨剤。
  11. 請求項1〜10いずれか記載のCMP研磨剤を製造する方法であって、前記有機高分子粒子と前記金属酸化物粒子をヘテロ凝集させることによって、有機高分子粒子表面を金属酸化物で被覆させることを特徴とするCMP研磨剤の製造方法。
  12. 請求項1〜10いずれか記載のCMP研磨剤で基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  13. 基板は、酸化珪素絶縁膜が形成された半導体ウエハである請求項12記載の基板の研磨方法。
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