JP2006040648A - レドックスフロー電池システムの運転方法 - Google Patents

レドックスフロー電池システムの運転方法 Download PDF

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Naohiro Inui
直浩 乾
Nobuyuki Tokuda
信幸 徳田
Masamori Nohayashi
正盛 野林
Yasumitsu Tsutsui
康充 筒井
Toshio Shigematsu
敏夫 重松
Katsuya Yamanishi
克也 山西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】 セルの電圧を制御して、電池容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池システムの運転方法を提供する。
【解決手段】 コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御する。
1 電圧測定手段にてセルの電圧を測定し、設定電圧との差を演算する
2 前記電圧差が設定範囲内か否かを判定し、設定範囲外で測定電圧が設定電圧よりも高い場合、温度測定手段にて電解液の温度を測定する
3 演算した電圧差に基づいて正極電解液と負極電解液との混合予定量を求めると共に、正極電解液と負極電解液とを混合した際に電解液が設定温度範囲内となるように、測定温度に基づいて正極電解液と負極電解液との混合可能量を求めるる
4 混合可能量と混合予定量とから混合量を決定し、この混合量に基づき正極電解液と負極電解液とを混合させる
【選択図】 図3

Description

本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法に関するものである。特に、セルの電圧を制御して、電池容量の低減を抑制することができるレドックスフロー電池システムの運転方法に関するものである。
レドックスフロー電池は、従来、負荷平準化や瞬低対策などとして利用されている。図14はレドックスフロー電池の動作原理を示す説明図である。この電池は、イオン交換膜からなる隔膜101で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離されたセル100を具える。正極セル100A、負極セル100Bにはそれぞれ、正極電極102、負極電極103を内蔵している。正極セル100Aには、正極電極102に供給されると共に、正極電極102から排出される正極電解液を貯留する正極電解液タンク104Aが電解液の輸送路となる導管106Aを介して接続されている。負極セル100Bには、負極電極103に供給されると共に、負極電極103から排出される負極電解液を貯留する負極電解液タンク104Bが電解液の輸送路となる導管106Bを介して接続されている。各極電解液にはバナジウムイオンなど原子価が変化するイオンの水溶液を用い、ポンプ105A、105Bで循環させ、正極電極102、負極電極103におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。例えば、バナジウムイオンを含む電解液を用いた場合、セル内で充放電時に生じる反応は次の通りである。
正極:V4+→V5++e-(充電) V4+←V5++e-(放電)
負極:V3++e-→V2+(充電) V3++e-←V2+(放電)
このようなレドックスフロー電池では、充放電に伴って隔膜を通ってH+イオンが移動したり、正極電解液を圧送するポンプと負極電解液を圧送するポンプの圧力差や正負極電解液間の浸透圧などにより、隔膜を介して電解液が片極側に移動する液移りが生じる。液移りが顕著に生じると、両極間の電解液量のバランスが崩れる。そこで、特許文献1に記載されるレドックスフロー電池では、セルから排出された正負極の電解液を一旦混合してから、タンクに戻すことで、電解液量がアンバランスとなることを抑制している。
特開2002-252020号公報
上記のように液移りにより正極電解液量と負極電解液量との差が大きくなると、セルの電圧が所定の電圧を満たさないようになって、電池容量が低下するという問題がある。また、両極の電解液量のバランスが崩れると、抵抗が増加したり、電解液の析出などが生じる。
更に、複数の電池モジュールを具えるレドックスフロー電池の場合、両極間の電解液量のバランスが崩れることで、モジュール間に電圧差が生じることがある。この電圧差が大きくなると、電解液の析出やバナジウムの価数にアンバランスが生じてモジュール間の電池容量が異なってしまい、レドックスフロー電池システム全体で見た場合、システム全体を有効に利用できなくなる、即ち、更なる電池容量の低下をきたす恐れがある。また、各モジュールの性能のばらつき、経時劣化などによりモジュール間で電流効率に差異が生じ、この状態で充放電を繰り返すとモジュール間の充電状態が異なり、システム全体として有効に電池容量が取り出せなくなることがある。加えて、充電末期時の電圧が高いモジュールの方が過充電となり、正極に酸素が、負極に水素が発生する恐れがある。
ここで、正極電解液と負極電解液とを混合すると、反応熱により電解液の温度が上昇する。また、電解液は、温度が高いほど電池容量を大きくできる。そのため、特許文献1に記載されるように正極電解液と負極電解液とを混合することで、電解液の温度の上昇により、電池容量の増大を図ることができる。しかし、特許文献1では、両極の電解液の混合量を厳密に管理するための具体的な構成を開示しておらず、混合量の管理を容易に行うための構成の開発が望まれている。また、混合量により電解液の温度が異なるが、従来のように混合量を正確に把握していないと、温度管理を厳重に行うことができない。
従って、本発明の主目的は、電池容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池システムの運転方法を提供することにある。
本発明は、セルの電圧と電解液の温度とに基づいて電解液の混合量を決定して正極電解液と負極電解液とを混合することで上記目的を達成する。
(混合パターン)
即ち、本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とする。
1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、以下のステップを行い、設定範囲の下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行う。
4a.温度測定手段にて正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の温度を測定するステップ
4b.前記演算した電圧差に基づいて正極電解液と負極電解液との混合予定量を求めるステップ
4c.正極電解液と負極電解液とを混合した際に電解液の温度が設定温度範囲内となるように、前記測定した温度に基づいて正極電解液と負極電解液との混合可能量を求めるステップ
4d.前記混合予定量と混合可能量とを比較して、混合予定量が混合可能量以下の場合、混合予定量を混合量とし、混合予定量が混合可能量を超える場合、混合可能量を混合量と判定するステップ
4e.前記混合量に基づき正極電解液と負極電解液とを混合させるステップ
特許文献1では、セルから排出された正極電解液と負極電解液とを一旦混合させることで、液移りによる電池容量の低下を抑制させている。しかし、特許文献1では、混合量を特に規定しておらず、混合量を厳密に管理すること、また、電解液の温度管理を厳重に行えることが望まれていた。そこで、本発明では、測定電圧が設定電圧よりも大きいとき、正極電解液及び負極電解液を混合するにあたり、セルの電圧と電解液の温度との双方を考慮して、正極電解液と負極電解液との混合量を決定して混合し、セルの電圧を制御することを規定する。また、測定電圧が設定電圧よりも小さいとき、セルの電圧を設定電圧に近づけるべく、充電を行うことを規定する。
更に、本発明は、両極の電解液を混合させる以外の手法で電池容量の低下を抑制することができる構成を提案する。具体的には、セルの電圧に基づいて外部への放電を行うこと、或いは自己放電を行うことを規定する。
(外部放電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とする。
1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、前記電圧差が設定範囲に含まれるように外部抵抗に放電させ、電圧差が設定範囲の下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行うステップ
(自己放電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とする。
1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、前記電圧差が設定範囲に含まれるようにセルに正極電解液及び負極電解液を供給して電池反応を行わせ、電圧差が下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行うステップ
上記外部抵抗への放電や電池反応による自己放電を行う手法では、上記混合パターンと異なり、電解液を混合しないため反応熱による電解液の温度上昇がない。従って、セルの電圧制御にあたり、電解液の温度管理を厳密に行う必要がない。
以下、本発明をより詳しく説明する。
レドックスフロー電池システムは、レドックスフロー電池用セルと、セルに供給/排出される電解液を貯留するタンクと、セルとタンクとを連結する電解液の輸送路とを具える構成が挙げられる。その他、タンクから電解液をセルに供給し易いようにポンプを具えていてもよい。また、公知のレドックスフロー電池システムを利用してもよい。レドックスフロー電池用セルは、隔膜を介して正極セルと負極セルとを具える。電解液としては、1.起電力が高く、2.エネルギー密度が大きく、3.電解液が単一元素系であるため正極電解液と負極電解液とが混合しても充電によって再生することができるといった多くの利点を有しているバナジウムイオン溶液が好適である。電解液の輸送路としては、電解液が接触しても短絡などの事故が生じないように絶縁材料にて形成されたパイプなどを利用するとよい。
そして、本発明では、上記1.〜4.のステップを具える制御プログラムを入力したコンピュータを具えておき、コンピュータの命令に従い、セルの電圧の制御を行って、電池容量の低下を抑制することを実現する。
上記第一ステップを行うにあたり、セルの電圧を測定する電圧計などの電圧測定手段をセルに配置しておく。この電圧測定手段とコンピュータとは、測定手段からの測定結果(電気信号)を伝送する配線により連結しておき、この電気信号がコンピュータの信号受信部に入力されるようにしておく。負荷に接続されて充放電を行う上記セルとは別にモニタセルを具えておき、このモニタセルに電圧測定手段を配置してもよい。モニタセルは、負荷に接続されて充放電を行う上記セルと同様の構成のものを利用してもよい。また、測定する電圧は、充電末電圧(充電末における端子電圧や開路電圧)が挙げられる。
第二ステップを行うにあたり、所望の電圧を設定しておき、コンピュータの記憶手段に予め設定電圧を入力しておく。設定電圧としては、例えば、電池として機能するのに必要な電池容量を維持できる電圧が挙げられる。また、コンピュータは、上記測定電圧と設定電圧との差を演算手段により演算するようにしておく。
第三ステップを行うにあたり、所望の電圧差の範囲(下限値、上限値)を設定しておき、コンピュータの記憶手段に予め設定範囲を入力しておく。設定範囲の上限値、下限値は、電圧差として許容できる値が挙げられる。そして、コンピュータは、記憶手段から設定範囲を呼び出して演算した電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するようにしておく。具体的には、演算した電圧差が設定範囲内の場合、電圧差は小さい或いはない(即ち、測定電圧が設定電圧に等しい)ため、判定手段が混合不要、或いは放電不要と判定するようにしておく。このとき、制御動作を終了するようにしてもよい。
一方、演算した電圧差が設定範囲外の場合、電圧差が大きいため、判定手段は、電圧差を小さくするための操作が必要と判定し、セルの電圧を設定電圧に近づけるように上記第四ステップを行わせるようにする。具体的には、電圧差を(測定電圧−設定電圧)とするとき、演算した電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、即ち、測定電圧が設定電圧よりも大きい場合、混合パターンでは、電解液の混合を行い、セルの電圧を制御する。このとき、第四ステップを行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲に含まれるのに必要な電解液の混合量を求める。ここで、正極電解液と負極電解液とを混合することで電解液量のアンバランスを抑制して、電池容量の低下を低減することができる反面、反応熱により電解液の温度が上昇する。電解液は、30〜60℃程度のとき、充放電反応が活発になり易く、この温度に保持することが望まれる。そこで、本発明では、電解液の温度も考慮して、演算した電圧差が設定範囲内となるような混合液量を求め、この液量だけ混合することを提案する。
本発明では、電解液の混合量を以下のように求める。まず、演算した電圧差から、同電圧差が設定範囲内となるようにするために必要な混合予定量を求める。具体的には、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる電解液の混合液量(電圧差が設定範囲内となるようにするために必要な混合液量)との関係を求めておき、コンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておく。コンピュータは、演算した電圧差と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて、混合予定量を求めるようにしておく。
上記関係値データは、所望の電池容量を複数設定しておき、電池容量ごとにその電池容量を満たすような電圧差と混合量との関係を求めて、電池容量ごとに作成し、コンピュータに入力しておいてもよい。また、コンピュータは、電池容量ごとの関係値データのうち、所望の電池容量の関係値データを選択し、演算した電圧差とそのデータと照らし合わせるようにしておくとよい。
次に、電解液の温度を考慮して、混合可能量を求める。そこで、まず、電解液の温度を測定するべく、電解液が流通或いは貯留される箇所に温度センサなどの温度測定手段を配置しておく。温度測定手段を配置する箇所としては、正極電解液タンクや負極電解液タンク、セルとタンク間を連結する導管などが挙げられ、これらの少なくとも一箇所に温度測定手段を配置するとよい。そして、温度測定手段とコンピュータとは、測定結果(電気信号)を伝送する配線にて連結させておく。また、コンピュータは、信号受信部に温度測定手段からの電気信号が入力されるようにしておく。
上記のように電解液は、特定範囲の温度、具体的には30〜60℃程度にあることが好ましい。従って、正極電解液と負極電解液との混合液量は、混合した際、上記特定範囲内の温度となる量とすることが好ましい。そこで、電解液の温度範囲を設定しておき、電解液の温度と、正極電解液と負極電解液とを混合した際に設定温度範囲内を満たすことができる電解液の混合液量との関係を求めておき、コンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておく。そして、コンピュータは、測定温度と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて、混合可能量を求めるようにしておく。ここで、電解液の温度は、セルの電圧(電解液の充電深度)により異なる。即ち、セルの電圧によって、両極の電解液を混合した際の反応熱量が異なる。そこで、電解液の温度と、特定範囲内の温度を満たすことができる混合液量との関係値データは、セルの電圧ごとに作成してもよい。そして、コンピュータの記憶手段にこれら関係値データを予め入力しておき、コンピュータは、測定電圧に対応する関係値データを記憶手段から呼び出して、測定温度と呼び出したデータとを照らし合わせて、混合可能量を求めるようにしておいてもよい。なお、セルの電圧が大きいほど、電解液の充電深度が高い傾向にあり、混合可能量が大きくなる。
更に、コンピュータは、求めた混合予定量と混合可能量とを比較して、混合予定量が混合可能量以下の場合、混合予定量を混合量とし、混合予定量が混合可能量を超える場合、混合可能量を混合量と判定して、混合量を決定するようにしておく。なお、上記混合予定量を求める手順、混合可能量を求める手順は、いずれを先に行ってもよい。
上記混合パターンにおいてレドックスフロー電池システムは、正極電解液と負極電解液とを混合可能な構成としておく。具体的には、例えば、正極電解液タンクと負極電解液タンクとを連結管により連結したり、タンクとセル間に配置される正極側の導管と負極側の導管とを連結管により連結すると共に、上記連結管に開閉可能な開閉部を設ける構成が挙げられる。この構成は、開閉部を開くことで、正極電解液と負極電解液とが連結管内で混合され、開閉部を閉じることで、両極の電解液の混合を停止する。開閉部としては、電気信号によって開閉動作を制御可能な構成を具えるもの、例えば、電動バルブが挙げられる。この開閉部とコンピュータとは、開閉部との間で電気信号を伝送する配線にて連結させておく。そして、コンピュータは、信号受信部に開閉部からの電気信号が入力される/信号送信部から開閉部に電気信号を出力されるようにしておくと共に、上記混合量に基づき、開閉部の制御を行うようにしておく。
正極電解液と負極電解液とを混合するにあたり、ポンプを駆動させる場合、ポンプもコンピュータにより運転を制御する構成とすることが好ましい。具体的には、混合量ごとに、ポンプの運転時間、流通速度などのポンプの運転条件を設定しておき、コンピュータの記憶手段に予めこの運転条件を入力しておく。そして、コンピュータは、決定した混合量に対応する運転条件を記憶手段から呼び出し、この条件に基づいてポンプに制御信号を送るようにしておく。
なお、開閉部を開かせて電解液の混合を行い、決定した混合量を混合し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
一方、演算した電圧差が設定範囲の下限値未満の場合、即ち、測定電圧が設定電圧よりも小さい場合、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲に含まれるのに必要な充電量を求める。充電量は、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる充電量との関係を求めておき、コンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておき、記憶手段から呼び出した関係値データに演算した電圧差を照らし合わせて求めるようにしておくとよい。このとき、関係値データは、所望の電池容量を複数設定しておき、電池容量ごとにその電池容量を満たすような電圧差と充電量との関係を求めて、電池容量ごとに作成し、コンピュータに入力しておいてもよい。また、コンピュータは、電池容量ごとの関係値データのうち、所望の電池容量の関係値データを選択し、演算した電圧差とそのデータと照らし合わせるようにしておくとよい。その他、関係値データとして、電圧差が0となる、即ち、セルの電圧が設定電圧となるように、セルの電圧と、電圧差を0にするために必要な充電量との関係を求めたものを利用してもよい。充電は、直交変換器や電解液の流通速度などの運転条件を設定してコンピュータの記憶手段に予め入力しておき、コンピュータは、充電量に適した条件を選択するようにしておくとよい。そして、選択した運転条件に基づき、系統から充電を行うようにするとよい。決定した充電量を充電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
外部放電パターンにおいて演算した電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、第四ステップを行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な外部抵抗への放電量を求める。具体的には、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる放電量との関係を求めてコンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておき、コンピュータは、演算した電圧差と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて、放電量を求めるようにしておいてもよい。このとき、関係値データは、所望の電池容量を複数設定しておき、電池容量ごとにその電池容量を満たすような電圧差と放電量との関係を求めて、電池容量ごとに作成し、コンピュータに入力しておいてもよい。また、コンピュータは、電池容量ごとの関係値データのうち、所望の電池容量の関係値データを選択し、演算した電圧差とそのデータと照らし合わせるようにしておくとよい。その他、関係値データとして、電圧差が0となる、即ち、セルの電圧が設定電圧となるように、セルの電圧と、電圧差を0にするために必要な放電量との関係を求めたものを利用してもよい。
そして、レドックスフロー電池システムは、コンピュータの命令により、求めた放電量に基づいて、外部抵抗への放電を行う。このとき、レドックスフロー電池システムには、外部抵抗を配置しておく。外部抵抗は、一般的な抵抗部材でもよいし、電解液を充填した外部配管などでもよい。また、放電量を決定するのに利用する上記関係値データは、外部抵抗の抵抗の大きさによって適宜変更するとよい。なお、決定した放電量を放電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。また、外部放電パターンにおいて演算した電圧差が設定範囲の下限値未満の場合、上記混合パターンと同様にして、充電を行うにするとよい。
自己放電パターンにおいて演算した電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、第四ステップを行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な自己放電量を求める。具体的には、上記外部放電パターンと同様であり、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる自己放電量との関係を求めてコンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておき、コンピュータは、演算した電圧差と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて、自己放電量を求めるようにしておいてもよい。このとき、関係値データは、所望の電池容量を複数設定しておき、電池容量ごとにその電池容量を満たすような電圧差と自己放電量との関係を求めて、電池容量ごとに作成し、コンピュータに入力しておいてもよい。また、コンピュータは、電池容量ごとの関係値データのうち、所望の電池容量の関係値データを選択し、演算した電圧差とそのデータと照らし合わせるようにしておくとよい。その他、関係値データとして、電圧差が0となる、即ち、セルの電圧が設定電圧となるように、セルの電圧と、電圧差を0にするために必要な自己放電量との関係を求めたものを利用してもよい。
そして、レドックスフロー電池システムは、コンピュータの命令により、求めた自己放電量に基づいて、自己放電、具体的には、セルに正極電解液及び負極電解液を循環させて、電池反応を行う。なお、決定した放電量を放電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。また、自己放電パターンにおいて演算した電圧差が設定範囲の下限値未満の場合、上記混合パターンと同様にして、充電を行うにするとよい。
上記一連の制御プログラムは、所望のタイミングで動作させるようにしてもよいし、タイマ手段などを具えておき、一定の時間ごとに自動的に行うようにしておいてもよい。上記いずれにしても、電圧制御のための電解液の混合動作及び充電動作は、レドックスフロー電池システムが負荷平準化や瞬低対策のための充放電運転を行っていないときに行うことが好ましい。従って、一定時間ごとに制御プログラムを動作させる場合、レドックスフロー電池システムが運転中か否かを判断させるステップを具えてもよい。また、このような制御プログラムは、レドックスフロー電池用セルと、正極電解液タンクを含む正極電解液の循環路と、負極電解液タンクを含む負極電解液の循環路とを具える電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムについて適用するとよい。なお、本発明において単一モジュールは、セルに対し、正極電解液タンク及び負極電解液タンクをそれぞれ一つずつ具えるものでもよいし、各タンクを複数具えるものでもよい。また、セルは、複数のセルを積層したセルスタックと呼ばれる積層体構造のものでもよいし、このセルスタックを複数直列に具えるものでもよいし、このセルスタックを複数並列に具えるものでもよい。
レドックスフロー電池システムとして、単一の電池モジュールでなく、複数の電池モジュールを直列に具える構成のものがある。この構成では、各電池モジュールにおいて、液移りによる電解液量のアンバランスから電池容量が低下することに加えて、モジュール間において電圧のばらつきが生じて更なる電池容量の低下を招く恐れがある。また、各モジュールの性能のばらつき、経時劣化などによりモジュール間で充電状態が異なり、システム全体として電池容量の低下を招くことがある。そこで、本発明は、電池モジュール間における電圧のばらつきをなくすべく、以下の運転方法を提案する。
(混合パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とする。
1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、以下のステップを行う。
5a.第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて温度測定手段にて正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の温度を測定するステップ
5b.前記演算した電圧差に基づいて正極電解液と負極電解液との混合予定量を求めるステップ
5c.前記測定電圧が大きいモジュールにおいて、正極電解液と負極電解液とを混合した際に電解液の温度が設定温度範囲内となるように、前記測定した温度に基づいて正極電解液と負極電解液との混合可能量を求めるステップ
5d.前記混合予定量と混合可能量とを比較して、混合予定量が混合可能量以下の場合、混合予定量を混合量とし、混合予定量が混合可能量を超える場合、混合可能量を混合量と判定するステップ
5e.前記混合量に基づき、前記測定電圧が大きいモジュールにおいて正極電解液と負極電解液とを混合させるステップ
(外部放電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とする。
1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで外部抵抗に放電させるステップ
(自己放電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とする。
1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して電池反応を行わせるステップ
(充電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とする。
1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が小さいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで充電を行うステップ
(充放電パターン)
本発明は、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とする。
1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、前記電圧差が設定範囲内となるまで、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて放電を行い、かつ測定電圧が小さいモジュールにおいて充電を行うステップ
上記運転方法を行うレドックスフロー電池システムの基本的構成は、上述した単一の電池モジュールを具えるシステムと同様にするとよい。そして、上記1.〜5.のステップを具える制御プログラムを入力したコンピュータを具えておき、コンピュータの命令に従い、各モジュールの電圧の制御を行って、電池容量の低下を抑制することを実現する。
具体的には、第一ステップ、第二ステップを行うにあたり、上記単一の電池モジュールを具えるシステムと同様に、セルの電圧を測定する電圧計などの電圧測定手段を各電池モジュールのセルやモニタセルにそれぞれ配置しておく。そして、コンピュータと各電圧測定手段とをそれぞれ配線により連結し、各測定手段からの測定結果(電気信号)がそれぞれコンピュータの信号受信部に入力されるようにしておく。
第三ステップを行うにあたり、コンピュータは、第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算手段により演算するようにしておく。演算する電圧差を(第一モジュールにおける測定電圧−第二モジュールにおける測定電圧)とする場合、電圧差が正の数のとき、第一モジュールの方が電圧が高く、電圧差が負の数のとき、第二モジュールの方が電圧が高いことになる。(第二モジュールにおける測定電圧−第一モジュールにおける測定電圧)とする場合、上記と逆になる。
第四ステップを行うにあたり、所望の電圧差の範囲を設定しておき、コンピュータの記憶手段に予め設定範囲を入力しておく。設定範囲としては、例えば、モジュール間における電圧差(ばらつき)として許容できる範囲が挙げられる。そして、コンピュータは、記憶手段から設定範囲を呼び出して演算した電圧差が設定範囲内に含まれるかどうかを判定するようにしておく。具体的には、演算した電圧差が設定範囲内の場合、モジュール間の電圧のばらつきが小さい或いはない(即ち、第一モジュールの電圧と第二モジュールの電圧とが等しい)ため、判定手段が混合不要、或いは放電不要と判定するようにしておく。このとき、制御動作を終了するようにしてもよい。
演算した電圧差が設定範囲外の場合、モジュール間の電圧のばらつきが大きいため、混合パターン、外部放電パターン、自己放電パターンでは、測定電圧の大きなモジュールにおいて、正極電解液と負極電解液との混合、外部抵抗への放電、自己放電のいずれかを行う(第五ステップ)。即ち、電圧の小さいモジュールに合わせて、電圧が大きいモジュールの電圧を小さくするための動作を行う。混合パターンの場合、混合を行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な電解液の混合量を求める。複数のモジュールを具える場合も上記単一モジュールの場合と同様に、電解液の温度も考慮して、演算した電圧差に基づき混合液量を求める。具体的には、演算した電圧差に基づく混合予定量と、測定した電解液温度に基づく混合可能量とを求めて、これら二つの量から実際に混合を行う混合量を決める。混合予定量は、電圧差と、電圧差が所定の範囲内となるのに必要な混合液量との関係を求めて、コンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておき、コンピュータにより、演算した電圧差と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて求めるようにしておく。この関係値データは、上記単一モジュールの場合と同様に、電池容量ごとに作成しておいてもよい。また、測定電圧は、充電末電圧としてもよい。
混合可能量を以下のように求めるとよい。第一モジュール及び第二モジュールのそれぞれについて、電解液の温度測定が行えるように、電解液が流通或いは貯留される箇所に温度センサなどの温度測定手段をそれぞれ配置しておく。温度測定手段の配置箇所は、上記単一モジュールの場合と同様に、各極電解液タンクや、セルとタンク間の連結導管などが挙げられる。これら温度測定手段とコンピュータとはそれぞれ、測定結果(電気信号)を伝送する配線にて連結させておく。また、コンピュータは、信号受信部に各温度測定手段からの電気信号がそれぞれ入力されるようにしておく。更に、電解液の温度と、正極電解液と負極電解液とを混合した際に設定範囲内(例えば、30〜60℃程度)の温度を満たすことができる電解液の混合液量との関係を求めておき、コンピュータの記憶手段にこの関係値データを予め入力しておく。この関係値データも、上記単一モジュールの場合と同様にセルの電圧ごとに作成しておき、コンピュータは、測定電圧に対応したデータを適宜選択するようにしておいてもよい。そして、測定電圧の大きかったモジュールについて、電解液の温度の測定を行い、コンピュータは、測定温度と、記憶手段から呼び出した関係値データとを照らし合わせて、混合可能量を求めるようにしておく。上述した混合予定量を求める手順、混合可能量を求める手順は、いずれを先に行ってもよい。決定した混合量を混合し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
また、上記単一の電池モジュールを具えるシステムと同様にコンピュータは、得られた混合予定量と混合可能量とから混合量を決定し、電解液を混合させるようにしておく。なお、各電池モジュールは、上記単一モジュールと同様に、正極電解液と負極電解液とを混合可能な構成としておく。
外部放電パターンの場合、外部への放電を行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な放電量を求める。複数のモジュールを具える場合も上記単一のモジュールの場合と同様に、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる放電量との関係値データを予めコンピュータの記憶手段に入力しておき、呼び出したデータと演算した電圧差とを照らし合わせて求めるようにしておく。この関係値データも、電池容量ごとに作成してもよいし、電圧差を0にするのに必要な放電量と電圧差との関係を求めたものを利用してもよい。そして、レドックスフロー電池システムは、外部への放電を行うことができるように外部抵抗を配置しておく。なお、決定した放電量を放電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
自己放電パターンの場合、自己放電を行うにあたり、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な自己放電量を求める。具体的には、上記外部放電パターンの場合と同様に、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる放電量との関係値データを予めコンピュータの記憶手段に入力しておき、呼び出したデータと演算した電圧差とを照らし合わせるようにしておく。この関係値データは、電池容量ごとに作成してもよいし、電圧差を0にするのに必要な自己放電量と電圧差との関係を求めたものとしてもよい。そして、レドックスフロー電池システムは、自己放電量に基づいて、セルに正極電解液及び負極電解液を循環させて電池反応を行う。なお、決定した放電量を放電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
上記混合パターン、外部放電パターン、自己放電パターンでは、測定電圧の大きなモジュールに対して、その電圧を測定電圧の小さいモジュールの電圧に近づけるように電圧制御の操作を行う構成である。しかし、測定電圧の小さなモジュールに対して、その電圧を測定電圧の大きなモジュールの電圧に近づけるように電圧制御の操作を行ってもよい。具体的には、測定電圧の小さなモジュールにおいて、充電を行うことを提案する(充電パターンの第五ステップ)。このとき、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な充電量を求めるようにしておく。充電量は、上記単一のモジュールの場合と同様に、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる充電量との関係値データをコンピュータの記憶手段に入力しておき、呼び出したデータと演算した電圧差とを照らし合わせて求めるようにしておくことが挙げられる。この関係値データも、電池容量ごとに作成してもよいし、電圧差を0にするのに必要な充電量と電圧差との関係を求めたものを利用してもよい。また、上記単一のモジュールの場合と同様に、運転条件を設定してコンピュータの記憶手段に予め入力し、コンピュータは、充電量に適した条件を選択できるようにしておき、選択した運転条件に基づき、系統から充電を行うようにするとよい。或いは、電圧の高いモジュールから充電を行うようにしてもよい。決定した充電量を充電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
その他、測定電圧の大きなモジュールに対して、その電圧を測定電圧の小さなモジュールに近づけるように放電を行うと共に、測定電圧の小さなモジュールに対して、その電圧を測定電圧の大きなモジュールの電圧に近づけるように充電を行ってもよい(充放電パターンの第五ステップ)。このとき、コンピュータは、演算した電圧差が設定範囲内となるのに必要な放電量及び充電量を求めるようにしておく。放電量及び充電量はそれぞれ、上記単一のモジュールの場合と同様に、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる放電量(又は充電量)との関係値データをコンピュータの記憶手段に入力しておき、呼び出したデータと演算した電圧差とを照らし合わせて求めるようにしておくことが挙げられる。この関係値データも、電池容量ごとに作成してもよいし、電圧差を0にするのに必要な放電量(又は充電量)と電圧差との関係を求めたものを利用してもよい。また、上記単一のモジュールの場合と同様に、運転条件を設定してコンピュータの記憶手段に予め入力し、コンピュータは、放電量(又は充電量)に適した条件を選択できるようにしておき、選択した運転条件に基づき、系統への放電及び系統から充電を行うようにするとよい。決定した放電量、充電量を充電し終わったら、コンピュータは、制御プログラムを終了するようにしてもよい。
上記電池モジュールを複数具える場合も単一の電池モジュールを具えるシステムと同様に、上記一連の制御プログラムを所望のタイミングで動作させるようにしてもよいし、タイマ手段などを具えておき、一定の時間ごとに自動的に行うようにしておいてもよい。また、各電池モジュールにおいて電圧の制御をそれぞれ行うと共に、モジュール間の電圧差の制御を行ってもよい。このとき、モジュール全体を適切な電圧とすることができ、電池容量をより向上させることができる。いずれにしても電圧制御のための電解液の混合動作や充放電動作は、レドックスフロー電池システムが負荷平準化や瞬低対策のための充放電を行っていないときに行うことが好ましい。
また、上記第一モジュール、第二モジュールは、同一のバンク内に配置される二つのモジュールでもよいし、異なる二つのバンクにそれぞれ配置されるモジュールとしてもよい。なお、第一モジュール、第二モジュールが同一のバンク内に配置されるとは、同一の直交変換器(直流/交流変換器)を介して負荷(発電所、需要家など)に接続されることをいい、第一モジュール、第二モジュールにおいて異なるバンクに配置されるとは、各モジュールが異なる直交流変換器を介して負荷に接続されることをいう。
レドックスフロー電池システムが複数のバンクを具える場合、上記モジュール間に生じる電池容量のアンバランスがバンク間でも生じることが考えられる。そこで、複数のバンクを具える場合、上記複数のモジュールにおける電圧制御の手法を適用してもよい。具体的には、各バンクに電圧測定手段を具えておき、バンク全体の電圧(バンク内の具えるモジュールの平均電圧)を測定し、第一バンクの測定電圧と第二バンクの測定電圧との差を演算して、この電圧差が設定範囲外の場合、測定電圧が大きいバンクにおいて、電解液の混合、外部(系統)への放電を行ったり、測定電圧が小さいバンクにおいて、外部や測定電圧が大きいバンクなどからの充電を行ったりして、電圧差が設定範囲内となるように制御することが挙げられる。このとき、各バンクがモジュールを一つだけ具える場合、上記複数のモジュールについての電圧制御の手法と同様の手順で電解液の混合動作、放電動作を行うとよい。
一方、バンクが複数のモジュールを具える場合、バンク全体の電圧は、全モジュールの平均となる。そこで、バンクが複数のモジュールを具える場合、測定電圧が大きいバンク内に具える各モジュールの電圧を測定して、電圧が最も高いモジュールについて混合動作、外部放電を行ってもよいし、電圧が高い複数のモジュールについて混合動作、外部放電を行ってもよい。或いは、電圧が最も低いモジュールについて充電を行ったり、電圧が低い複数のモジュールについて充電を行ってもよい。その他、電圧が最も高いモジュールについて放電を行うと共に、電圧が最も低いモジュールについて充電を行ってもよいし、電圧が高い複数のモジュールについて放電を行うと共に、電圧が低い複数のモジュールについて充電を行ってもよい。複数のモジュールについて混合動作、外部放電を行う場合は、各モジュールについて、上記単一モジュールの電圧制御の手法を適用して、各モジュールの電圧を設定範囲内に制御することが挙げられる。このとき、電圧が高い複数のモジュールの電圧を設定範囲内に制御することで、バンク全体の電圧も小さくなり、他方のバンクの電圧との差を小さくすることができる。また、複数のモジュールについて充電を行う場合は、各モジュールについて、上記単一モジュールの電圧制御の手法を適用して、電圧を設定範囲内に制御することが挙げられる。このとき、電圧が低い複数のモジュールの電圧を設定範囲内に制御することで、バンク全体の電圧も大きくなり、他方のバンクの電圧との差を小さくすることができる。
その他、演算した第一バンクの測定電圧と第二バンクの測定電圧との電圧差が設定範囲外の場合、測定電圧が大きいバンクは、外部への放電を行い、測定電圧が小さいバンクは、充電を行って、各バンクの充電状態を平均化して、電圧を制御してもよい。このとき、バンクが異なることで、充放電の操作を同時に行うことができる。
上記構成を具える本発明は、電池として機能するのに必要な電池容量を確実に維持しながら、セルの電圧を簡単に制御することができ、電池容量の向上を図ることができる。特に、複数の電池モジュールを具える電池システムの場合、モジュール間(バンク間)における電圧のばらつきをも低減して、電池容量の更なる向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、混合パターンについて説明する。
図1は、電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。以下、図において同一符号は同一物を示す。このレドックスフロー電池システム1は、セルスタック10と、セルスタック10に供給/排出される正極電解液を貯留する正極電解液タンク11と、セルスタック10に供給/排出される負極電解液を貯留する負極電解液タンク12と、セルスタック10と各タンク11、12とをそれぞれ連結する電解液の輸送路となる導管13a、13b、14a、14bとを具える。また、セルスタック10に電解液を容易に供給できるように供給用の導管13a、14aには、それぞれポンプ15a、15bを具える。
セルスタック10は、レドックスフロー電池用セルを複数積層させた積層体構造である。本例では、二つのセルスタック10を直列に配置している。これらセルスタック10と、正極電解液タンク11及び導管13a、13bで構成される正極電解液循環路と、負極電解液タンク12及び導管14a、14bで構成される負極電解液循環路とから電池モジュールを構成する。
レドックスフロー電池用セルの基本的構成は、図14に示すセル100と同様であり、イオン交換膜(隔膜)により正極セルと負極セルとに分離され、正極セルに正極電極、負極セルに負極電極を内蔵し、各電極にそれぞれ正極電解液、負極電解液が供給される。本例では、正極電解液にV5+を含む溶液、負極電解液にV2+を含む溶液を用いた。
そして、本例では、正極電解液と負極電解液との混合を行えるように、正極電解液の供給用導管13aと、負極電解液の排出用導管14bとを連結する連結管16aを具える。と共に、導管13a、14b、連結管16aには、それぞれ開閉可能な電動バルブv1、v4、v5を具える。また、負極電解液の供給用導管14aと、正極電解液の排出用導管13bとを連結する連結管16bを具え、導管13b、14a、連結管16bにそれぞれ開閉可能な電動バルブv2、v3、v6を具える。この構成により、通常運転時は、バルブv1〜v4を開き、バルブv5、v6を閉じることで、セルスタック10に電解液の供給/セルスタック10から電解液の排出を行うことができる。また、電解液の混合時は、バルブv1〜v4を閉じ、バルブv5及びv6の少なくとも一方を開けることで、電解液の混合を行うことができる。このようなバルブv1〜v6は、コンピュータ17に配線(図示せず)にて接続され、コンピュータ17からの電気信号により開閉動作が制御される。なお、図1では、連結管16a、16bを正極側の導管と負極側の導管との間に配置したが、正極電解液タンク11と負極電解液タンク12との間を連結するように配置してもよい。後述する実施例2についても同様である。
本例では、電解液の混合を行う際、連結管16a、16bに電解液を供給するべく、ポンプ15a、15bを駆動する。そこで、本例では、ポンプ15a、15bもコンピュータ17に配線を介して接続させており、コンピュータ17からの電気信号により駆動が制御される構成である。
本発明では、セルの電圧に基づいて両極の電解液の混合を行う。そこで、電圧計(電圧測定手段)18を導管14bに配置している。この電圧計18も、コンピュータ17に配線にて接続され、電圧計18からの測定結果(電気信号)がコンピュータ17の信号受信部に入力される構成である。なお、本例では、導管14bに電圧計18を配置したが、セルスタック10とは別にモニタセルを具え、このモニタセルに電圧計18を配置して、電圧の測定を行ってもよい。後述する実施例についても同様である。
そして、本発明は、正極電解液と負極電解液とを混合した際の電解液の温度が変化することに着目して、電解液の温度を考慮して、電解液の混合量を決定する。そこで、電解液の温度を測定するべく、温度センサ(温度測定手段)19を配置している。この温度センサ19は、コンピュータに配線にて接続され、温度センサ19からの測定結果(電気信号)がコンピュータ17の信号受信部に入力される構成である。なお、図1では、負極側の導管14bに温度センサを配置しているが、正極側の導管に配置してもよいし、待機中などで導管内の電解液が排出されることがある場合などではタンク11、12に配置してもよい。導管及びタンクの双方に配置してもよい。
上記構成を具えるレドックスフロー電池システムにおいて、セルの電圧の制御手順を具体的に説明する。図2は、本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。電圧計にてセルの電圧A(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、予めコンピュータの記憶手段に入力されている測定電圧A(V)と設定電圧X(V)との電圧差C=A-Xを演算する。この電圧差Cがコンピュータの記憶手段に入力されている設定範囲(Y1(V)以上Y2(V)以下)に含まれるか否かを判定し、演算した電圧差C(V)が設定範囲の上限値Y2(V)を超える場合、正負極間で電解液の混合を行う。電圧差C(V)が設定範囲内の場合、電解液を混合しない。電圧差C(V)が設定範囲の下限値Y1(V)未満の場合、充電を行う。なお、電圧差をX-Aとした場合、上記判定を逆にするとよい。後述する実施例についても同様である。電解液を混合する場合、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と、電圧差が所定の範囲内(ここではY1(V)以上Y2(V)以下)となるのに必要な電解液の混合量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差Cにおける混合予定量mを求める。と共に、温度センサにて電解液の温度a(℃)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、コンピュータに予め記憶させておいたセルの電圧ごとの電解液温度と混合液量との関係値データから、測定電圧A(V)に対応する関係値データを選択して、測定温度a(℃)における混合可能量nを求める。そして、混合予定量mと混合可能量nから混合量を決定し、混合量に基づき電解液の混合を行う。本例では、連結管を介して電解液の混合を行うべく、ポンプの駆動及びバルブの開閉を行う。そこで、コンピュータに予め記憶させておいた混合量ごとのポンプの運転条件から、ポンプの運転時間を算出すると共に、運転時間に合わせて、バルブの開閉を制御することで、電解液の混合を行う。
図3は、本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。本例に示す制御手順は、レドックスフロー電池システムが充放電を行っていない所望のタイミングで電解液の混合を行う場合である。具体的には、まず、電圧計によりセルの電圧を測定し、電圧計が測定した結果(電気信号)がコンピュータの信号受信部に入力されるようにする(ステップS1)。このとき、コンピュータは、入力された電気信号を電圧A(V)に読み替え、記憶手段に一時的に保存しておく。本例において測定電圧は、充電末電圧とした。
次に、コンピュータは、記憶手段に保存されている設定電圧X(V)を呼び出し(ステップS2)、演算手段により電圧差C=A-Xを演算する(ステップS3)。コンピュータは、演算した電圧差C(V)を記憶手段に一時的に保存しておく。ステップS3を行うにあたり、所望のセル電圧を設定し、コンピュータに入力しておく。設定電圧X(V)は、任意に設定するとよく、例えば、非常時に要求される電池容量を維持できる電圧としてもよいし、放電末電圧としてもよい。
次に、コンピュータは、記憶手段に保存されている設定範囲Y1(V)、Y2(V)(但し、Y1<Y2)を呼び出し(ステップS4)、演算した電圧差Cが設定範囲に含まれるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS4を行うにあたり、所望の電圧差の下限値、上限値を設定し、コンピュータに入力しておく。電圧差C(V)が設定範囲内の場合、コンピュータの判定手段は、電解液の混合を不要と判定し(ステップS6)、制御を終える。一方、電圧差C(V)が設定範囲外の場合、測定電圧Aが設定電圧Xよりも大きすぎる、或いは小さすぎることになり、コンピュータの判定手段は、電圧制御の動作が必要と判定する。具体的には、電圧差Cが設定範囲の上限値Y2(V)よりも大きい場合、測定電圧Aが設定電圧Xよりも大きすぎることになる。そこで、判定手段は、電解液の混合を必要と判定し、混合動作を開始する。具体的には、まず、コンピュータは、記憶手段に保存されている電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる電解液の混合液量との関係値データを呼び出し(ステップS7)、演算した電圧差C(V)に照らし合わせて、混合予定量mを決定する(ステップS8)。本例において上記関係値データは、電池容量ごとに作成しており、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしている。
次に、温度センサにより電解液の温度を測定し、温度センサが測定した結果(電気信号)がコンピュータの信号受信部に入力されるようにする(ステップS9)。このとき、コンピュータは、入力された電気信号を温度a(℃)に読み替え、記憶手段に一時的に保存しておく。
次に、コンピュータは、記憶手段から測定電圧A(V)を呼び出すと共に(ステップS10)、記憶手段に保存されている電圧ごとに作成された電解液温度と混合できる液量との関係値データから、測定電圧A(V)に対応した関係値データを呼び出す(ステップS11)。そして、コンピュータは、呼び出した関係値データを測定温度a(℃)に照らし合わせて、混合可能量nを決定する(ステップS12)。セルの電圧によって、電解液の充電深度が異なるため、混合した際の反応熱が異なる。そこで、本例では、ステップS11を行うにあたり、電圧ごとに、電解液の温度と混合できる液量との関係値データを求めておき、コンピュータに入力している。なお、セルの電圧から電解液の充電深度が予想できるため、本発明では、充電深度の把握にセルの電圧を利用する。
次に、コンピュータは、得られた混合予定量mと混合可能量nとを比較し、大小関係を判定し(ステップS13)、実際に電解液を混合させる混合量を決定する。具体的には、混合予定量mが混合可能量n未満の場合、コンピュータの判定手段は、混合量として混合予定量mを選択する(ステップS14)。混合予定量mが混合可能量n以上の場合、コンピュータの判定手段は、混合量として混合可能量nを選択する(ステップS15)。
次に、コンピュータは、決定した混合量に基づき、混合させるのに必要なポンプの運転時間を算出する(ステップS16)。ステップS16を行うにあたり、混合量ごとにポンプの運転条件を設定しておき、コンピュータに予め入力し、コンピュータは、この運転条件データから適切な運転時間を選択するようにしておく。
そして、コンピュータは、ポンプの運転時間に基づきバルブの開閉動作を制御する制御信号をバルブに出力する(ステップS17)。この制御信号により、図1に示すバルブv1〜v4が閉じられ、バルブv5、v6が開かれることで、電解液の混合が行われ、バルブv5、v6が閉じられることで混合動作が終了する。このとき、コンピュータは、制御動作を終了する。本例では、正極側から負極側、及び負極側から正極側の双方から電解液を供給し合って電解液の混合を行うべく、バルブv5、v6の双方を開く構成としたが、いずれか一方としてもよい。
他方、電圧差C(V)が設定範囲の上限値Y2(V)よりも大きくない場合、即ち、電圧差C(V)が設定範囲の下限値Y1(V)よりも小さい場合となり、測定電圧Aが設定電圧Xよりも小さすぎることになる。そこで、判定手段は、充電を必要と判定し、充電動作を開始する。具体的には、コンピュータは、記憶手段に保存されている電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる充電量との関係値データを呼び出し(ステップS18)、演算した電圧差C(V)に照らし合わせて、充電量を決定する。本例において上記関係値データは、電池容量ごとに作成しており、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしている。コンピュータの記憶手段に保存されている運転条件のうち、決定した充電量に適した運転条件を選択して、系統から充電を行う(ステップS19)。充電し終わったら、コンピュータは、制御動作を終了する。
上記構成を具える本発明は、セルの電圧に加え電解液の温度を考慮しながら実際に電解液を混合する量を規定すると共に、電池として機能するのに十分な容量を維持した状態でセルの電圧の制御を行うことで、電池容量の低下を効果的に抑制することができる。
上記実施例1では、電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムについて説明したが、この例では、電池モジュールを二つ具えるシステムについて説明する。図4は、電池モジュールを複数具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。図1と同一符号は同一物を示す。このレドックスフロー電池システム2は、基本的構成は図1に示すレドックスフロー電池システム1と同様であり、電池モジュールを二つ直列に具える点が異なるだけである。本例では、図1に示す電池モジュールと同様の構成の電池モジュールA及び電池モジュールBを用いており、各モジュールにはそれぞれ、セルスタック10と、正極電解液タンクを含む正極電解液循環路(モジュールAは図1と同様、モジュールBはタンク21及び導管23a、23bで構成される)と、負極電解液タンクを含む負極電解液循環路(モジュールAは図1と同様、モジュールBはタンク22及び導管24a、24bで構成される)とを具える。また、モジュールBも、モジュールAと同様に正極電解液と負極電解液との混合を行えるように、導管23aと導管24bとを連結管26aで、導管23a、24bを連結管26bで連結し、各管には、それぞれ開閉可能な電動バルブv7〜v12を具える。これらバルブv1〜v12は、コンピュータ27に配線(図示せず)にて接続され、コンピュータ27からの電気信号により開閉動作が制御される。
更に、モジュールBも、モジュールAと同様にポンプ25a、25bを駆動させて連結管26a、26bに電解液を供給して混合を行う。従って、ポンプ15a、15b、25a、25bもコンピュータ27に配線を介して接続させており、コンピュータ27からの電気信号により駆動が制御される構成である。その他、モジュールBには、モジュールAと同様に、電圧計28、温度センサ29を配置しており、これら電圧計18、28、温度センサ19、29も、コンピュータ27に配線を介して接続させており、電圧計やセンサからの測定結果(電気信号)がコンピュータ27の信号受信部に入力される構成である。
上記構成を具えるレドックスフロー電池システムにおいて、モジュール間の電圧のばらつきを制御する手順を具体的に説明する。図5は、本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。各モジュールにおいてそれぞれ、電圧計にてセルの電圧A(V)、B(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、モジュール間の電圧差D=A-Bを演算する。この電圧差Dが、予めコンピュータの記憶手段に入力されている設定電圧範囲(M(V)以上N(V)以下)を満たすか否かを判定し、電圧差D(V)が範囲外の場合、モジュールA又はモジュールBにおいて電解液の混合を行う。電圧差D(V)が範囲内の場合、モジュールA、B間の電圧差は少ない、或いはないので電解液を混合しない。電解液の混合を行う場合、該当するモジュール(本例では測定したセルの電圧が大きい方のモジュール)に以下の手順で電解液の混合を行わせる。まず、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と混合する液量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差|D|(V)における混合予定量mを求める。と共に、温度センサにて電解液の温度b(℃)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、コンピュータに予め記憶させておいたセルの電圧ごとの電解液の温度と混合できる液量との関係値データから、測定電圧に該当する関係値データを選択して、電解液の温度b(℃)における混合可能量nを求める。そして、混合予定量mと混合可能量nから混合量を決定し、混合量に基づき電解液の混合を行う。本例では、連結管を介して電解液の混合を行うべく、ポンプの駆動及びバルブの開閉を行う。そこで、コンピュータに予め記憶させておいた混合量ごとのポンプの運転条件から、ポンプの運転時間を算出すると共に、運転時間に合わせて、バルブの開閉を制御することで、電解液の混合を行う。
図6は、電池モジュールを複数具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。本例に示す制御手順は、レドックスフロー電池システムが充放電を行っていない所望のタイミングで、モジュール間の電圧のばらつきを制御する場合である。具体的には、まず、各モジュールに配置される電圧計にてそれぞれセルの電圧を測定し、測定した結果(電気信号)がコンピュータの信号受信部に入力されるようにする(ステップS20)。このとき、コンピュータは、入力された各電気信号をそれぞれ電圧A(V)、B(V)に読み替え、記憶手段に一時的に保存しておく。本例において測定電圧は、充電末電圧とした。
次に、コンピュータは、演算手段により電圧差D=A-Bを演算する(ステップS21)。このとき、コンピュータは、演算した電圧差Dを記憶手段に一時的に保存しておく。なお、本例では、電圧差DをA-Bとしているが、もちろんB-Aとしてもよい。
次に、コンピュータは、記憶手段に保存されている設定電圧M(V)、N(V)(M<N)を呼び出し(ステップS22)、電圧差D(V)が設定電圧M(V)以上N(V)以下の範囲に含まれるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23を行うにあたり、所望の電圧範囲を設定し、コンピュータに入力しておく。
電圧差D(V)が設定範囲(M(V)以上N(V)以下)に含まれる場合、コンピュータの判定手段は、いずれのモジュールについても電解液の混合を不要と判定し(ステップS24)、制御を終える。一方、電圧差D(V)が設定範囲外の場合、コンピュータの判定手段は、いずれかのモジュールにおいて電解液の混合を必要と判定し、いずれのモジュールかを判定する。具体的には、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きい場合、モジュールAの電圧A(V)がモジュールBの電圧B(V)よりも高いことがわかる。そこで、コンピュータは、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きい場合、モジュールAについて混合動作を開始する(ステップS26)。一方、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きくない場合、電圧差D(V)が下限値M(V)よりも小さい場合となる。このとき、モジュールBの電圧B(V)がモジュールAの電圧A(V)よりも高いと考えられる。そこで、コンピュータは、温度差D(V)が上限値N(V)よりも大きくない場合、モジュールBについて混合動作を開始する(ステップS27)。
図7は、混合動作の手順を示すフローチャートである。混合動作を行う場合、まず、コンピュータは、記憶手段から電圧差Dを呼び出し(ステップS30)、演算手段によりその絶対値|D|を演算する(ステップS31)。このとき、コンピュータは、演算した電圧差の絶対値|D|を記憶手段に一時的に保存しておく。
次に、記憶手段に保存されている電圧差と電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる電解液の混合液量との関係値データを呼び出し(ステップS32)、演算した電圧差|D|に照らし合わせて、混合予定量mを決定する(ステップS33)。本例において上記関係値データは、電池容量ごとに作成しており、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしている。
次に、コンピュータは、混合を行うモジュールについて、温度センサにて電解液の温度を測定し、測定した結果(電気信号)がコンピュータの信号受信部に入力されるようにする(ステップS34)。このとき、コンピュータは、入力された電気信号を温度b(℃)に読み替え、記憶手段に一時的に保存しておく。
次に、コンピュータは、混合を行うモジュールについて、記憶手段から測定電圧A(V)(又はB(V))を呼び出すと共に(ステップS35)、記憶手段に保存されている電圧ごとに作成された電解液温度と混合する液量との関係値データから、測定電圧A(V)(又はB(V))に対応した関係値データを呼び出す(ステップS36)。そして、コンピュータは、呼び出した関係値データを測定温度b(℃)に照らし合わせて、混合可能量nを決定する(ステップS37)。ステップS36を行うにあたり、ステップS11と同様に、電圧ごとに、電解液の温度と混合できる液量との関係値データを求めておき、コンピュータに入力しておく。
以下の手順は、ステップS13からS17と同様に行う。即ち、コンピュータは、得られた混合予定量mと混合可能量nとを比較し(ステップS38)、混合予定量mが混合可能量n未満の場合、混合量として混合予定量mを選択し(ステップS39)、混合予定量mが混合可能量n以上の場合、混合量として混合可能量nを選択する(ステップS40)。そして、コンピュータは、上記混合量に基づきポンプの運転時間を算出し(ステップS41)、ポンプの運転時間に基づきバルブの開閉動作を制御する制御信号をバルブに出力する(ステップS42)。この制御信号により、モジュールAについて電解液の混合を行う場合、図4に示すバルブv1〜v4が閉じられ、バルブv5、v6が開かれることで、電解液の混合が行われ、バルブv5、v6が閉じられることで混合動作が終了する。このとき、コンピュータは、制御動作を終了する。一方、モジュールBについて電解液の混合を行う場合、図4に示すバルブv7〜v10が閉じられ、バルブv11、v12が開かれることで、電解液の混合が行われ、バルブv11、v12が閉じられることで混合動作が終了する。このとき、コンピュータは、制御動作を終了する。
上記構成を具える本発明は、電池機能に必要な電池容量を維持しながらモジュール間の電圧のばらつきを抑制することができる。従って、複数の電池モジュールを具えるレドックスフロー電池システムにおいて、電池容量の低下をより効果的に抑制することができる。
なお、上記モジュール間の電圧のばらつきを抑制するための動作に加えて、各モジュールにおいて、実施例1で示した電圧制御動作を合わせて行ってもよい。このとき、システム全体でみると、所定の電圧とすることができるため、電池容量をより向上させることができる。具体的には、まず、各モジュールについて、実施例1で示したセルの電圧制御動作を行って、その後、実施例2で示したばらつき制御動作を行うことが挙げられる。後述する実施例4、6についても同様である。
次に、外部放電パターンについて説明する。
図8は、外部抵抗が接続された電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。このレドックスフロー電池システム3は、基本的構成は図1に示すレドックスフロー電池システム1と同様であり、セルに抵抗部材が配置される点、両極の電解液を混合するための連結管を具えていない点が異なるだけである。この例に示すレドックスフロー電池システム3は、セルの電圧に基づいて外部抵抗への放電を行うことで、セルの電圧の制御を行う。そのため、セルスタックに抵抗部材を配置している。
上記構成を具えるレドックスフロー電池システムにおいて、セルの電圧の制御手順を具体的に説明する。図9は、外部放電パターンにおける本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。電圧計にてセルの電圧A(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、予めコンピュータの記憶手段に入力されている測定電圧A(V)と設定電圧X(V)との電圧差C=A-Xを演算する。この電圧差Cと、コンピュータの記憶手段に入力されている設定範囲(Y3(V)以上Y4(V)以下)に含まれるか否かを判定し、演算した電圧差C(V)が設定の上限値Y4(V)を超える場合、外部抵抗に対して放電を行う。電圧差C(V)が設定範囲内の場合、外部抵抗に放電しない。電圧差C(V)が設定範囲の下限値Y3(V)未満の場合、充電を行う。外部抵抗に放電する場合、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と、電圧差が所定の範囲内(ここではY3(V)以上Y4(V)以下)となるのに必要な放電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差Cにおける放電量を求め、この放電量に基づき外部抵抗への放電を行う。充電を行う場合、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と、電圧差が所定の範囲内となるのに必要な充電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差Cにおける充電量を求め、この充電量に基づき系統から充電を行う。
図10は、外部放電パターンにおける本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。本例に示す制御手順は、レドックスフロー電池システムが充放電を行っていない所望のタイミングで外部抵抗に放電して、セルの電圧の制御を行う場合である。制御手順のうち、ステップS1〜ステップS5までの手順は実施例1と同様であり、ここでは省略する。なお、本例では電圧差の範囲をY3(V)以上Y4(V)以下と設定した(ステップS4)。
ステップS5の判定において電圧差C(V)が設定範囲内の場合、コンピュータの判定手段は、外部放電不要と判定し(ステップS50)、制御を終える。一方、電圧差C(V)が設定範囲外の場合、測定電圧Aが設定電圧Xよりも大きすぎる、或いは小さすぎることになり、コンピュータの判定手段は、電圧制御の動作が必要と判定する。具体的には、電圧差Cが設定範囲の上限値Y4(V)よりも大きい場合、測定電圧Aが設定電圧Xよりも大きすぎることになる。そこで、判定手段は、外部放電必要と判定し、放電動作を開始する。具体的には、まず、コンピュータは、記憶手段に保存されている電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる外部への放電量との関係値データを呼び出し(ステップS51)、演算した電圧差C(V)に照らし合わせて、放電量を決定する(ステップS52)。本例において上記関係値データは、電池容量ごとに作成しており、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしている。そして、コンピュータは、決定した放電量に基づき、外部抵抗への放電を行う(ステップS53)。放電し終わったら、コンピュータは、制御動作を終了する。
一方、電圧差C(V)が設定範囲の上限値Y4(V)よりも大きくない場合、即ち、電圧差C(V)が設定範囲の下限値Y3(V)よりも小さい場合となり、測定電圧Aが設定電圧Xよりも小さすぎることになる。そこで、判定手段は、充電を必要と判定し、実施例1と同様にして充電動作を行い(ステップS18、S19)、充電し終わったら、コンピュータは、制御動作を終了する。
上記構成を具える本発明は、セルの電圧に基づいて外部抵抗に放電してセルの電圧の制御を行うことで、電池容量の低下を効果的に抑制することができる。また、本例では、正負極の電解液の混合を行わないので、反応熱による電解液の上昇がなく、電圧制御にあたり電解液の温度管理を行わなくてもよい。
上記実施例3では、電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムについて説明したが、この例では、外部抵抗が接続された電池モジュールを二つ具えるシステムについて説明する。図11は、外部抵抗が接続された電池モジュールを複数具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。このレドックスフロー電池システム4は、基本的構成は図8に示すレドックスフロー電池システム3と同様であり、外部抵抗を接続した電池モジュールを二つ直列に具える点が異なるだけである。本例では、図4に示す電池モジュールと同様の構成の電池モジュールA及び電池モジュールBを用いており、ここでは説明を省略する。
上記構成を具えるレドックスフロー電池システムにおいて、モジュール間の電圧のばらつきを制御する手順を具体的に説明する。図12は、外部抵抗が接続された電池モジュールを二つ具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。各モジュールにおいてそれぞれ、電圧計にてセルの電圧A(V)、B(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、モジュール間の電圧差D=A-Bを演算する。この電圧差Dが、予めコンピュータの記憶手段に入力されている設定電圧範囲(M(V)以上N(V)以下)を満たすか否かを判定し、電圧差D(V)が範囲外の場合、モジュールA又はモジュールBにおいて外部抵抗に放電する。電圧差D(V)が範囲内の場合、モジュールA、B間の電圧差は少ない、或いはないので外部抵抗に放電しない。外部抵抗への放電を行う場合、該当するモジュール(本例では測定したセルの電圧が大きい方のモジュール)において、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と放電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差|D|(V)における放電量を求め、この放電量に基づき外部抵抗への放電を行う。
図13は、外部抵抗が接続された電池モジュールを複数具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。本例に示す制御手順は、レドックスフロー電池システムが充放電を行っていない所望のタイミングで、モジュール間の電圧のばらつきを制御する場合である。制御手順のうち、ステップS20〜ステップS23までの手順は実施例2と同様であり、ここでは省略する。ステップS23の判定において電圧差D(V)が設定範囲(M(V)以上N(V)以下)に含まれる場合、コンピュータの判定手段は、いずれのモジュールについても外部への放電を不要と判定し(ステップS60)、制御を終える。一方、電圧差D(V)が設定範囲外の場合、コンピュータの判定手段は、いずれかのモジュールにおいて外部抵抗への放電を必要と判定し、いずれのモジュールかを判定する。具体的には、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きいか否かを判定する(ステップS61)。電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きい場合、モジュールAの電圧A(V)がモジュールBの電圧B(V)よりも高いことがわかる。そこで、コンピュータは、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きい場合、モジュールAについて外部への放電動作を開始する(ステップS62)。一方、電圧差D(V)が上限値N(V)よりも大きくない場合、電圧差D(V)が下限値M(V)よりも小さい場合となる。このとき、モジュールBの電圧B(V)がモジュールAの電圧A(V)よりも高いと考えられる。そこで、コンピュータは、温度差D(V)が上限値N(V)よりも大きくない場合、モジュールBについて放電動作を開始する(ステップS63)。
各モジュールにおける外部への放電動作は、以下のように行う。即ち、コンピュータは、記憶手段から電圧差Dを呼び出し、演算手段によりその絶対値|D|を演算し、記憶手段に保存されている電圧差と電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる電解液の混合液量との関係値データを呼び出し、演算した電圧差|D|に照らし合わせて、放電量を決定する。本例において上記関係値データは、電池容量ごとに作成しており、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしている。そして、コンピュータは、決定した放電量に基づき、外部抵抗への放電を行わせる。
上記構成を具える本発明は、電池機能に必要な電池容量を維持しながらモジュール間の電圧のばらつきを抑制することができる。従って、複数の電池モジュールを具えるレドックスフロー電池システムにおいて、電池容量の低下をより効果的に抑制することができる。また、本例は、実施例3と同様に正負極の電解液の混合を行わないので、反応熱による電解液の上昇がなく、電圧制御にあたり、電解液の温度管理を行わなくてもよい。
なお、上記モジュール間の電圧のばらつきを抑制するための動作に加えて、各モジュールにおいて、実施例3で示した電圧制御動作を合わせて行ってもよい。このとき、システム全体でみると、所定の電圧とすることができるため、電池容量をより向上させることができる。具体的には、まず、各モジュールについて、実施例3で示したセルの電圧制御動作を行って、その後、実施例4で示したばらつき制御動作を行うことが挙げられる。
次に、自己放電パターンについて説明する。上記実施例3及び4では、セルに外部抵抗を接続して、外部抵抗に放電を行うことで、セルの電圧を制御する手法を説明した。この例では、外部への放電を行わず、セル内で電池反応を行わせることで生じる自己放電により、セルの電圧を制御する手法を説明する。このパターンは、外部への放電を行わずに、セル内に正極電解液及び負極電解液を循環させて電池反応をさせる点が実施例3及び4に示したパターンと異なるだけであり、基本的には同様にするとよい。従って、この例では、図8、11においてセルに外部抵抗を接続していないレドックスフロー電池システムを利用するとよい。
まず、電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムにおいて、セルの電圧の制御手順を説明する。電圧計にてセルの電圧A(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、予めコンピュータの記憶手段に入力されている測定電圧A(V)と設定電圧X(V)との電圧差C=A-Xを演算する。この電圧差Cと、コンピュータの記憶手段に入力されている設定範囲(Y3(V)以上Y4(V)以下)に含まれるか否かを判定し、演算した電圧差C(V)が設定の上限値Y4(V)を超える場合、自己放電を行う。電圧差C(V)が設定範囲内の場合、自己放電しない。電圧差C(V)が設定範囲の下限値Y3(V)未満の場合、充電を行う。自己放電を行う場合、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と、電圧差が所定の範囲内(ここではY3(V)以上Y4(V)以下)となるのに必要な自己放電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差Cにおける自己放電量を求め、この自己放電量に基づきセルへの電解液の循環を行う。このとき、自己放電量に応じて、運転条件を予め設定しておき、コンピュータは、適切な運転条件を選択できるようにしておくとよい。後述する実施例6についても同様である。充電を行う場合は、実施例3と同様にするとよい。
具体的な制御手順については、実施例3(図10に示す手順)と同様とするとよい。なお、自己放電量を求めるにあたり、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる自己放電量との関係値データを電池容量ごとに作成して、コンピュータの記憶手段に予め入力しておき、所望の電池容量の関係値データを選択するようにしておいてもよい。そして、この関係値データにより自己放電量を求めて、セルに電解液の循環を行い、セルの電圧を制御する。後述する実施例6についても同様である。
次に、電池モジュールを二つ具えるレドックスフロー電池システムにおいて、モジュール間の電圧のばらつきを制御する手順を具体的に説明する。各モジュールにおいてそれぞれ、電圧計にてセルの電圧A(V)、B(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、モジュール間の電圧差D=A-Bを演算する。この電圧差Dが、予めコンピュータの記憶手段に入力されている設定電圧範囲(M(V)以上N(V)以下)を満たすか否かを判定し、電圧差D(V)が範囲外の場合、モジュールA又はモジュールBにおいて自己放電を行う。電圧差D(V)が範囲内の場合、モジュールA、B間の電圧差は少ない、或いはないので自己放電を行わない。自己放電を行う場合、該当するモジュール(本例では測定したセルの電圧が大きい方のモジュール)において、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と自己放電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差|D|(V)における自己放電量を求め、この自己放電量に基づき、セルに正負極の電解液を循環して、電池反応を行わせることで、自己放電を生じさせる。具体的な制御手順については、実施例4と同様にするとよい(図13参照)。
実施例5及び6に示す構成も、セルの電圧に基づいて自己放電してセルの電圧の制御を行うことで、電池容量の低下を効果的に抑制することができる。また、これらの構成も、実施例3及び4と同様に正負極の電解液の混合を行わないので、反応熱による電解液の上昇がなく、電圧制御にあたり電解液の温度管理を行わなくてもよい。
上記実施例2、4、6では、電圧の高いモジュールにおいて電圧制御を行うことで、電圧の低いモジュールの電圧レベルに近づけ、モジュール間の電圧のばらつきを改善する手法を説明した。これらの手法とは逆に、電圧の低いモジュールにおいて電圧制御を行い、電圧の高いモジュールの電圧レベルに近づけてもよい。具体的な手法は、各モジュールにおいてそれぞれ、電圧計にてセルの電圧A(V)、B(V)を測定して、コンピュータに測定結果を伝送し、モジュール間の電圧差E=A-Bを演算する。この電圧差Eが、予めコンピュータの記憶手段に入力されている設定電圧範囲(M1(V)以上N1(V)以下)を満たすか否かを判定し、電圧差E(V)が範囲外の場合、モジュールA又はモジュールBにおいて充電を行う。電圧差E(V)が範囲内の場合、モジュールA、B間の電圧差は少ない、或いはないので充電を行わない。充電を行う場合、該当するモジュール(本例では測定したセルの電圧が小さい方のモジュール)において、コンピュータに予め記憶させておいた電池容量ごとの電圧差と充電量との関係値データから、所望の電池容量の関係値データを選択して、電圧差|E|(V)における充電量を求め、この充電量に基づき、充電を行う。具体的な充電制御手順については、実施例3と同様にするとよい(図10参照)。
なお、上記実施例2、4、6、7においてモジュールA及びBは、同一バンク内に具えるモジュールとしてもよいし、異なる二つのバンク内にそれぞれ具えるモジュールとしてもよい。
また、複数のモジュールを具えるバンクが複数存在するレドックスフロー電池システムでは、バンク間で電圧差が生じることがある。このとき、上記実施例に示した電圧制御の手法を適用して、バンク間における電圧のばらつきを制御することができる。例えば、バンクAとバンクBとを具えるレドックスフロー電池システムの場合、各バンクA、Bに電圧測定手段をそれぞれ配置し、各バンクの電圧を測定する。各バンクが複数のモジュールを具える場合、測定電圧は、全モジュールの平均となる。得られた電圧により電圧差を求めて、電圧差が所定範囲内の場合、バンク間に電圧のばらつきが少ない(或いはない)ため、混合動作、放電動作を行わない。所定範囲外の場合、バンク間に電圧のばらつきがあるため、電圧の高いバンクについて混合動作、放電動作を行い、電圧の低いバンクに電圧程度を合わせる。このとき、混合動作、放電動作は、バンク内の複数のモジュールにおいて、それぞれ電圧を測定して、最も電圧の高いモジュールのみについて行ってもよいし、電圧の高い複数のモジュールについて行ってもよい。或いは、電圧の低いバンクについて、充電動作を行い、電圧の高いバンクに電圧程度を合わせてもよい。このとき、充電動作は、バンク内の複数のモジュールにおいて、それぞれ電圧を測定して、最も電圧の低いモジュールのみについて行ってもよいし、電圧の低い複数のモジュールについて行ってもよい。充電は、系統から行ってもよいし、電圧の高いバンクから行うようにしてもよい。その他、電圧の高いバンクにおいて系統へ放電すると共に、電圧の低いバンクにおいて系統から充電するように構成してもよい。このとき、コンピュータの記憶手段には、電圧差と、電圧差を低減する(或いはなくす)ために必要とされる放電量(又は充電量)との関係値データをそれぞれ入力しておき、呼び出したデータと演算した電圧差とを照らし合わせて放電量及び充電量を求めるようにしておく。
本発明は、負荷平準化や瞬低対策などとして利用されているレドックスフロー電池システムの運転に利用することが好適である。
電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。 本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。 本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。 電池モジュールを複数具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。 電池モジュールを複数具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。 電池モジュールを複数具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。 混合動作の手順を示すフローチャートである。 外部抵抗が接続された電池モジュールを一つ具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。 外部放電パターンにおける本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。 外部放電パターンにおける本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。 外部抵抗が接続された電池モジュールを複数具えるレドックスフロー電池システムの概略構成図である。 外部抵抗が接続された電池モジュールを二つ具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の機能ブロック図である。 外部抵抗が接続された電池モジュールを複数具える本発明レドックスフロー電池システムの運転方法の制御手順を示すフローチャートである。 レドックスフロー電池の動作原理の説明図である。
符号の説明
1〜4 レドックスフロー電池システム
10 セルスタック 11,21 正極電解液タンク 12,22 負極電解液タンク
13a,13b,14a,14b,23a,23b,24a,24b 導管 15a,15b,25a,25b ポンプ
16a,16b,26a,26b 連結管 17,27 コンピュータ 19,29 温度センサ
18,28 電圧計
100 セル 100A 正極セル 100B 負極セル 101 隔膜 102 正極電極
103 負極電極 104A 正極電解液タンク 104B 負極電解液タンク
105A,105B ポンプ 106A,106B 導管

Claims (10)

  1. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
    3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、以下のステップを行い、設定範囲の下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行う。
    4a.温度測定手段にて正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の温度を測定するステップ
    4b.前記演算した電圧差に基づいて正極電解液と負極電解液との混合予定量を求めるステップ
    4c.正極電解液と負極電解液とを混合した際に電解液の温度が設定温度範囲内となるように、前記測定した温度に基づいて正極電解液と負極電解液との混合可能量を求めるステップ
    4d.前記混合予定量と混合可能量とを比較して、混合予定量が混合可能量以下の場合、混合予定量を混合量とし、混合予定量が混合可能量を超える場合、混合可能量を混合量と判定するステップ
    4e.前記混合量に基づき正極電解液と負極電解液とを混合させるステップ
  2. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
    3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、前記電圧差が設定範囲に含まれるように外部抵抗に放電させ、電圧差が設定範囲の下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行うステップ
  3. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、セルの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 前記測定電圧と設定電圧との差を演算するステップ
    3. 前記電圧差が設定範囲に含まれるか否かを判定するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲の上限値を超える場合、前記電圧差が設定範囲に含まれるようにセルに正極電解液及び負極電解液を供給して電池反応を行わせ、電圧差が下限値未満の場合、電圧差が設定範囲に含まれるように充電を行うステップ
  4. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
    5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、以下のステップを行う。
    5a.第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて温度測定手段にて正極電解液及び負極電解液の少なくとも一方の温度を測定するステップ
    5b.前記演算した電圧差に基づいて正極電解液と負極電解液との混合予定量を求めるステップ
    5c.前記測定電圧が大きいモジュールにおいて、正極電解液と負極電解液とを混合した際に電解液の温度が設定温度範囲内となるように、前記測定した温度に基づいて正極電解液と負極電解液との混合可能量を求めるステップ
    5d.前記混合予定量と混合可能量とを比較して、混合予定量が混合可能量以下の場合、混合予定量を混合量とし、混合予定量が混合可能量を超える場合、混合可能量を混合量と判定するステップ
    5e.前記混合量に基づき、前記測定電圧が大きいモジュールにおいて正極電解液と負極電解液とを混合させるステップ
  5. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
    5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで外部抵抗に放電させるステップ
  6. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
    5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで、セルに正極電解液及び負極電解液を供給して電池反応を行わせるステップ
  7. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
    5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が小さいモジュールにおいて、前記電圧差が設定範囲内となるまで充電を行うステップ
  8. セルに正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行う複数の電池モジュールを直列に具えるレドックスフロー電池システムの運転方法であって、
    コンピュータに以下のステップを行わせて、各モジュールの電圧を制御することを特徴とするレドックスフロー電池システムの運転方法。
    1. 第一モジュールにおいて、第一電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    2. 第二モジュールにおいて、第二電圧測定手段にてセルの電圧を測定するステップ
    3. 第一モジュールにおける測定電圧と、第二モジュールにおける測定電圧との差を演算するステップ
    4. 前記電圧差が設定範囲内に含まれるか否かを判定するステップ
    5. 前記電圧差が設定範囲外の場合、前記電圧差が設定範囲内となるまで、第一モジュール及び第二モジュールのうち、測定電圧が大きいモジュールにおいて放電を行い、かつ測定電圧が小さいモジュールにおいて充電を行うステップ
  9. 測定するセルの電圧は、充電末電圧であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレドックスフロー電池システムの運転方法。
  10. 電解液の混合動作、外部への放電動作、電池反応動作は、レドックスフロー電池システムが充放電を行っていないときに行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のレドックスフロー電池システムの運転方法。
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