JP2006040618A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックに水を供給する水配管内の圧力を正確に計測して、車両に加わる振動や各種Gによる圧力変動を圧力過大と誤判定することのない燃料電池システムを提供する。
【解決手段】冷却水配管5の中心点をn等分(例えば2等分)したときの一つの軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線とし、他の軸線A2を中心として±360/2n度の範囲に他方の圧力センサ12を設ける。コントローラ6では、圧力センサ11、12で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、冷却水配管5内における水の圧力異常の有無を判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】冷却水配管5の中心点をn等分(例えば2等分)したときの一つの軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線とし、他の軸線A2を中心として±360/2n度の範囲に他方の圧力センサ12を設ける。コントローラ6では、圧力センサ11、12で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、冷却水配管5内における水の圧力異常の有無を判断する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水素ガス及び酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池システムに関し、とくに燃料電池車両等に搭載可能な燃料電池システムに関する。
燃料電池車両等(以下、車両)に搭載可能な燃料電池システムは、燃料電池の水素極に燃料ガスとなる水素を、また空気極には酸化剤ガスとして空気を供給してこれらを反応させることにより発電電力を得ている。このような燃料電池システムでは、燃料電池スタックへ供給される冷却水や加湿水の圧力を圧力センサで検出して、その検出値が許容値を超えた場合には圧力の異常と判断して、燃料電池スタックの破損を防ぐために、ガスや水の供給を停止するというような制御が行われている。
なお、このような配管内での圧力変動に関連する従来技術として、排水管内圧力の標準偏差の差分値を求め、この差分値及び予測した標準型配管の排水管設備での標準偏差から、下部変形配管の排水管設備での排水管内圧力の標準偏差を予測するようにしたものが知られている(特許文献1)。
特開2002−183113号公報
ところで、車両が高速で急旋回、急制動したり、あるいは悪路走行すると、振動や左右G、前後G、上下G等(以下、各種G)が発生するため、配管内を流通する水の圧力にも変動を生じることになる。とくに、大気圧近傍の低圧運転を行う燃料電池スタックでは耐圧を低くしているため圧力制御範囲が狭く、また冷却水や加湿水等の水系では密度が高いので、車両に振動や各種Gが発生すると、水の慣性力によるセンサ位置での圧力変動により、圧力センサの検出値が簡単に許容値を超えてしまうことがある。このような車両の走行状況による圧力変動に対しても、従来は圧力過大と誤判定され、燃料電池スタックへのガスや水の供給を停止するという制御が行われていたため、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に、実質的な圧力異常がないにも係わらず燃料電池スタックが停止してしまうということがあった。
請求項1の発明は、燃料電池スタックに管部を介して水を供給する水供給サイクルを備え、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を前記管部にn個(nは2以上の偶数)設けた燃料電池システムであって、前記管部の中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段を設け、前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、燃料電池スタックに管部を介して水を供給する水供給サイクルを備え、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を前記管部に3個設けた燃料電池システムであって、前記管部の中心点を3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の2つの圧力検出手段をそれぞれ設け、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えるこを特徴とする。
請求項8の発明は、燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルの水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を2個設けた燃料電池システムであって、前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±90度の範囲に他方の圧力検出手段を設け、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項12の発明は、燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルを構成する水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段をn個(nは3以上の奇数)設けた燃料電池システムであって、前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設け、前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項16の発明は、燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルの水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を2個設けた燃料電池システムであって、前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点を中心点とし、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±90度の範囲に他方の圧力検出手段を設け、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項20の発明は、燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルを構成する水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段をn個(nは3以上の奇数)設けた燃料電池システムであって、
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設け、前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設け、前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、n個の圧力センサを所定の角度範囲内に略対向して配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の振動や各種Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
請求項5の発明によれば、3個の圧力センサを所定の角度範囲内に略対向して配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較するようにした場合は、1方向Gにより1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の振動や各種Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
請求項8の発明によれば、水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点に設定した中心点を基点として略対向する位置に1対の圧力センサを配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の前後左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。すなわち、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の前後Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
請求項12の発明によれば、水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点に設定した中心点を基点としてそれぞれ略対向する位置に3つの圧力センサを配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の前後Gや左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。すなわち、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の前後Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
請求項16の発明によれば、水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した中心点を基点として略対向する位置に1対の圧力センサを配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の上下Gや前後Gもしくは上下Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
請求項20発明によれば、水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した中心点を基点としてそれぞれ略対向する位置に3つの圧力センサを配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の上下Gや前後Gもしくは上下Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態となる実施例について説明する。なお、以下の実施例においては、本発明の燃料電池システムに関連する部分のみを示すものとし、それ以外の部分、例えばガスや純水の供給系などについては図示及び説明を省略する。
図1は、実施例1に係わる燃料電池システムの冷却水供給サイクルと圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図である。この冷却水供給サイクルは、冷却水を貯留するリザーバタンク2と、冷却水と冷却風とを熱交換するラジエータ3と、冷却水を燃料電池スタック(以下、スタック)1に供給する冷却水ポンプ4とを備えて構成され、これら各部が管部となる冷却水配管5により接続されている。また、冷却水配管5には、配管内の圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ11、12(以下、適宜に符号を省略)が取り付けられている。
コントローラ6は、冷却水が適切な流量、水温となるように冷却水ポンプ4の駆動量や、ラジエータ3への送風量(図示しない送風ファンの回転量)などを制御する。また、外部から入力される制御情報として、アクセル開度を運転負荷として読み込むとともに、圧力センサ11、12で検出された圧力値を読み込み、後述するフローチャートの処理手順に従って冷却水の圧力異常の判断を行っている。
上記のように構成された冷却水供給サイクルでは、スタック1の通常運転時において、リザーバタンク2に貯留された冷却水が冷却水ポンプ4によりスタック1に供給され、スタック1内を冷却して温度上昇した冷却水がラジエータ3で冷却風と熱交換されてリザーバタンク2へ戻される。この間、コントローラ6からの制御信号により、冷却水ポンプ4の駆動量やラジエータ3への送風量などが調整されて、スタック1に供給される冷却水の温度は適正な値に調整される。
次に、冷却水配管5における圧力センサの取り付け位置について説明する。
図2(a)〜(d)、および図3は、圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図である。図2は圧力センサの個数n=2とした場合の例を、また図3は圧力センサの個数n=4とした場合の例をそれぞれ示している。
本実施例では、冷却水配管5の中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の軸線を中心として各々±360/2n度の範囲にもう一方のセンサを配置している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。また本実施例において、圧力センサの個数nは2以上の偶数とする。
圧力センサの個数n=2とした場合の配置を図2(a)で説明すると、冷却水配管5の中心点を2等分したときの軸線A1、A2のうち(この例で軸線A1、A2は同一線となる)、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±90度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。図2(a)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部に配置した例を示し、破線で描いた圧力センサ12は±90度の範囲に配置され得ることを示している。ちなみに、図2(b)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の水平方向左側に配置した例を示している。また図2(c)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部から右方向に45度ずらして配置した例を示し、図2(d)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部から左方向に45度ずらして配置した例を示している。図2(b)〜(d)についても、基準となる圧力センサ11の軸線A1に対して、もう一方の圧力センサ12を軸線A2を中心として±90度の範囲に配置している。ただし、基準となる圧力センサ11の配置は図2(a)〜(d)の例に限らず、他の角度で配置されたものであってもよい。
なお、図2(a)のように、基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部に配置した場合は、車両の上下Gに対して正確な圧力計測が可能となる。また図2(b)のように配置した場合は、車両の左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。
次に、圧力センサの個数n=4とした場合の配置を図3で説明する。ここでは、図1には示していない圧力センサ13、14を含めた4個の圧力センサを取り付けるものとする。図3に示すように、冷却水配管5の中心点を4等分したときの軸線A1〜A4のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2、A3、A4を中心として各々±45度の範囲に圧力センサ12、13、14を配置している。なお、図3では、破線で描いた圧力センサ12についてのみ±45度の範囲に配置され得ることを示し、圧力センサ13、14は軸線A3、C4と一致する位置に配置した例を示している。この圧力センサ13、14についても、圧力センサ12と同様に、各軸線を中心として±45度の範囲に配置されていればよい。
次に、圧力センサ11、12で検出された圧力値を用いて、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順を図4のフローチャートとともに説明する。このフローチャートに示す処理は、スタック1の起動とともにスタートし、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。また、図5は運転負荷に対して適切な冷却水流量を示す特性図、図6は冷却水流量とスタック入口における冷却水圧力との関係を示す特性図である。
まずステップS1において、コントローラ6は圧力センサ11、12で検出された圧力値を読み込む。続いてステップS2において、アクセル開度を運転負荷として読み込み、ステップS3では、図5に示す特性図から運転負荷に対して適切な冷却水流量を求める。そして、コントローラ6は求めた冷却水流量となるように冷却水ポンプ4の駆動量を制御して、図6に示すようなスタック入口での冷却水圧力を得る。このステップS2、S3の処理は、運転負荷に応じた冷却水流量を維持するための通常の制御ルーチンの一部を示している。
次に、ステップS4において、コントローラ6はステップS1で読み込んだ圧力センサ11、12の圧力値を用いて圧力計算値を算出する。ここでは、読み込んだ2つの圧力値の加算値(合計値)又は平均値を算出する。例えば、圧力センサ11〜14で検出された圧力値をそれぞれP1〜P4とすると、加算値では圧力センサが1対の場合はP1+P2、圧力センサが2対の場合はP1+P2+P3+P4となる。また平均値では圧力センサが1対の場合は(P1+P2)/2、圧力センサが2対の場合は(P1+P2+P3+P4)/4となる。
続いて、ステップS5において、コントローラ6はステップS4で算出した圧力計算値が、予め設定された異常判定値(しきい値)以上かどうかを判断する。ここで、圧力計算値が異常判定値以上である場合は、異常判定値以上となった時間を積算するため、ステップS6へ進んでカウンタ値をインクリメントする。また、ステップS5において、圧力計算値が異常判定値未満である場合は、カウント値をリセットする。
次に、ステップS8において、コントローラ6は積算されたカウンタ値がカウンタ判断値以上かどうかを判断する。カウンタ判断値とは、圧力計算値が異常判定値以上である時間が所定時間以上続いたかどうかを判断するための値である。ここで、カウンタ値がカウンタ判断値以上である場合は、ステップS9において冷却水の圧力異常と判断し、さらにステップS10で燃料電池システムの停止処理を実行する。また、ステップS8でカウンタ値がカウンタ判断値未満である場合は、リターンへ進んで次の処理開始まで待機する。
以上説明したように、本実施例においては、n個の圧力センサを所定の角度範囲内に略対向して配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、本実施例においては、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、もう一方の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の振動や各種Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにしたので、車両に生じた1方向Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
次に実施例2として、実施例1に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例ついて説明する。この実施例2における水供給サイクルの構成、及びコントローラ6が圧力異常を判断する際の処理手順は実施例1と同じであるため説明を省略する。また、実施例1と同等部分は同一符号を付して説明する。
図7(a)〜(d)、および図8は、実施例2における圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図であり、図7は圧力センサの個数n=2とした場合の例を、図8は圧力センサの個数n=4とした場合の例をそれぞれ示している。
本実施例では、冷却水配管5の中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の軸線を中心として各々±360/4n度の範囲に他の3つのセンサをそれぞれ配置した例を示している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。また本実施例において、圧力センサの個数nは2以上の偶数とする。
圧力センサの個数n=2とした場合の配置を図7(a)で説明すると、冷却水配管5の中心点を2等分したときの軸線A1、A2のうち(この例で軸線A1、A2は同一線となる)、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±45度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。図2(a)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部に配置した例を示し、破線で描いた圧力センサ12は±45度の範囲に配置され得ることを示している。ちなみに、図2(b)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の水平方向左側に配置した例を示している。また図2(c)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部から右方向に45度ずらして配置した例を示し、図2(d)は基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部から左方向に45度ずらして配置した例を示している。図7(b)〜(d)についても、基準となる圧力センサ11の軸線A1に対して、他の軸線A2を中心として±45度の範囲に圧力センサ12を配置している。ただし、基準となる圧力センサ11の配置は図7(a)〜(d)の例に限らず、他の角度で配置されたものであってもよい。
本実施例においても、図7(a)のように、基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最下部に配置した場合は、車両の上下Gに対して正確な圧力計測が可能となる(請求項3の効果)。また図7(b)のように配置した場合は、車両の左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。
次に、圧力センサの個数n=4とした場合の配置を図8で説明する。ここでは、図7には示していない圧力センサ13、14を含めた4個の圧力センサを取り付けるものとする。図8に示すように、冷却水配管5の中心点を4等分したときの軸線A1〜A4のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2、A3、A4を中心として各々±22.5度の範囲に圧力センサ12、13、14を、配置している。なお、図8では、破線で描いた圧力センサ12についてのみ±22.5度の範囲に配置され得ることを示し、圧力センサ13、14は軸線A3、C4と一致する位置に配置した例を示している。この圧力センサ13、14についても、圧力センサ12と同様に、各軸線を中心として±22.5度の範囲に配置されていればよい。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の圧力センサがより適正な位置に配置されるため、実施例1よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
なお、図2〜図8において、基準となる圧力センサと他のセンサは、冷却水配管5の同一円周上に配置することが好ましいが、両者の間に圧力損失を生じるような構成要素(例えばラジエータなど)がなければ、平面的に離れた位置に配置することもできる。
次に実施例3として、実施例1における圧力センサの個数nを3とした場合について説明する。この実施例3における水供給サイクルの構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。また、実施例1と同等部分は同一符号を付して説明する。
図9は、実施例3における圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図であり、圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管5の中心点を3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として各々±360/2n度の範囲に他の2つの圧力センサを配置した例を示している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
圧力センサの個数n=3とした場合の配置を説明すると、図9に示すように、冷却水配管5の中心点を3等分したときの軸線A1〜A3のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±60度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±60度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図9では、基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最上部に配置した例を示し、破線で描いた圧力センサ12、13は±60度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。
上記のように配置された圧力センサ11、12、13の圧力値を読み取り、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順は、先に説明した図4のフローチャートと同じである。本実施例では圧力センサを3つ配置しているため、図4のステップS4において、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値を用いて加算値(合計値)又は平均値を算出する。
以上説明したように、本実施例においては、3個の圧力センサを所定の角度範囲内に略対向して配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較するようにした場合は、1方向Gにより1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の振動や各種Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがない。
また、3つすべての圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較するようにした場合は、2方向Gにより2つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の振動や各種Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがない。したがって、車両が高速で急制動や急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、図4に示すフローチャートのステップS4において、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値を用いて加算値又は平均値を算出し、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにした場合は、車両に生じた1方向又は2方向Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
次に実施例4として、実施例3に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例ついて説明する。
図10は、実施例4における圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図であり、実施例3と同じく圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管5の中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の軸線を中心として各々±360/4n度の範囲に他の2つのセンサを配置した例を示している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
本実施例では、冷却水配管5の中心点を3等分したときの軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±30度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±30度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図10では、基準となる圧力センサ11を冷却水配管5の重力方向最上部に配置した例を示し、破線で描いた圧力センサ12、13は±30度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。なお、基準となる圧力センサ11の配置は図9の例に限らず、他の角度で配置されたものであってもよい。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の2つの圧力センサがより適正な位置に配置されるため、実施例3よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
なお、図9、図10において、基準となる圧力センサと他の2つの圧力センサは、冷却水配管5の同一円周上に配置することが好ましいが、両者の間に圧力損失を生じるような構成要素がなければ、平面的に離れた位置に配置することもできる。
図11(a)、(b)は、実施例5に係わる燃料電池システムの冷却水供給サイクルと圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図であり、冷却水の循環経路を模式的に表した冷却水配管経路を上方から見たときの構成を示している。図11(a)、(b)では、図1と同等部分には同一符号を付している(各部の説明を省略する)。また、図1に示すコントローラ6及び周辺部分の図示を省略している。
本実施例では、1対の圧力センサ11、12のうち、基準となる圧力センサ11から中心点Cを通る軸線A1を設定したときに、図中の中心点Cを挟んで対向する側であって、軸線A1を中心として±90度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。ここで、中心点Cは、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を水平面上に投影した点であり、圧力センサ11と12は中心点Cを基点として略対向する位置に設けられている。また、基準となる圧力センサ11は、各圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。図11(a)、(b)において、破線で描いた圧力センサ12は、軸線A1を中心として±90度の範囲に配置され得ることを示している。
図11(a)では、冷却水がラジエータ3をバイパスして流通する場合の位置関係を示している。この場合、中心点Cはスタック1側に位置しているが、図11(b)のように、冷却水がラジエータ3を流通する場合において、中心点Cはラジエータ3側に位置することになる。このように、冷却水の流通する経路により中心点Cの位置が異なるため、基準となる圧力センサ11に対して圧力センサ12を配置する範囲にも違いが生じることになる。したがって、基準となる圧力センサ11と対向するもう一方の圧力センサ12をどの範囲に配置するかは、冷却水が主に流通する経路に応じて設定されることになる。
次に、圧力センサ11、12で検出された圧力値を用いて、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順を図12のフローチャートとともに説明する。このフローチャートに示す処理は、スタック1の起動とともにスタートし、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。また、圧力センサ11、12で検出された圧力値をそれぞれP1、P2とする。
まずステップS11において、コントローラ6は圧力センサ11、12で検出された圧力値を読み込む。続いてステップS12において、アクセル開度を運転負荷として読み込み、ステップS13では、図5に示す特性図から運転負荷に対して適切な冷却水流量を求める。そして、コントローラ6は求めた冷却水流量となるように冷却水ポンプ4の駆動量を制御して、図6に示すようなスタック入口での冷却水圧力を得る。このステップS12、S13の処理は、運転負荷に応じた冷却水流量を維持するための通常の制御ルーチンの一部を示している。
次に、ステップS14において、コントローラ6はステップS11で読み込んだ圧力センサ11の圧力値P1が予め設定された仮異常判定値A以上か、もしくは圧力センサ12の圧力値P2が予め設定された仮異常判定値B以上かを判断する。ここで、どちらかが判定値以上であれば、ステップS15において冷却水の圧力異常と判断し、さらにステップS16で燃料電池システムの停止処理を実行する。また、ステップS14において、どちらも異常判定値未満であれば、ステップS17へ進む。
ステップS17において、コントローラ6は圧力センサ11の圧力値P1が予め設定された仮異常判定値C(<仮異常判定値A)以上か、もしくは圧力センサ12の圧力値P2が予め設定された仮異常判定値D(<仮異常判定値B)以上かどうかを判断する。ここで、どちらかが判定値以上であれば、ステップS18へ進み、読み込んだ2つの圧力値の加算値P1+P2、又は平均値(P1+P2)/2を圧力計算値として算出する。
続いて、ステップS19において、コントローラ6はステップS18で算出した圧力計算値が、予め設定された異常判定値以上かどうかを判断する。ここで、圧力計算値が異常判定値以上である場合は、異常判定値以上となった時間を積算するため、ステップS20へ進んでカウンタ値をインクリメントする。また、ステップS19において、圧力計算値が異常判定値未満である場合は、ステップS21へ進んでカウント値をリセットした後、リターンへ進んで次の処理開始まで待機する。
次に、ステップS22において、コントローラ6は積算されたカウンタ値がカウンタ判断値以上かどうかを判断する。ここで、カウンタ値がカウンタ判断値以上である場合、すなわち算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えている場合は、ステップS15で冷却水の圧力異常と判断し、さらにステップS16で燃料電池システムの停止処理を実行する。また、ステップS22でカウンタ値がカウンタ判断値未満である場合は、リターンへ進んで次の処理開始まで待機する。
以上説明したように、本実施例においては、冷却水配管経路に設定した中心点Cを基点として略対向する位置に1対の圧力センサを配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の前後Gや左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。すなわち、本実施例においては、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の前後Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにしたので、車両の前後Gや左右Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
さらに、本実施例では、2つの圧力センサで検出した圧力値のいずれかが仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断するようにしたので、短時間に過大な圧力上昇が発生した場合でも速やかに圧力異常と判断することができる。
次に実施例6として、実施例5に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例について説明する。この実施例6における冷却水供給サイクルの構成、及びコントローラ6が圧力異常を判断する際の処理手順は実施例5と同じであるため説明を省略する。
図13(a)、(b)は、実施例6における圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図である。本実施例では、1対の圧力センサ11、12のうち、基準となる圧力センサ11から中心点Cを通る軸線A1を設定したときに、この軸線A1を中心として±45度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。図13(a)、(b)において、破線で描いた圧力センサ12は、軸線A1を中心として±45度の範囲に配置され得ることを示している。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の圧力センサがよ適正な位置に配置されるため、実施例5よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
次に実施例7として、実施例5における圧力センサの個数nを3とした場合について説明する。この実施例7における水供給サイクルの構成は実施例5と同じであるため説明を省略する。
図14は、実施例7における圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図であり、圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を水平面上に投影した点である中心点Cを3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として各々±360/2n度の範囲に他の圧力センサを配置している。ここで、基準となる圧力センサは、各圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
圧力センサの個数n=3とした場合の配置を説明すると、図14に示すように、中心点Cを3等分したときの軸線A1、A2、A3のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±60度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±60度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図14において、破線で描いた圧力センサ12、13は、軸線A1、A2、A3を中心として、各々±60度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。
上記のように配置された圧力センサ11、12、13の圧力値を読み取り、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順は、先に説明した図12のフローチャートと同じである。本実施例では圧力センサを3つ配置しているため、図12のステップS14において、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値が、それぞれ予め設定された仮異常判定値以上かどうかを判断し、いずれか1つが判定値以上であれば、ステップS15において冷却水の圧力異常と判断し、さらにステップS16で燃料電池システムの停止処理を実行する。また、ステップS14において、どちらも異常判定値未満であれば、ステップS17へ進む。そして、ステップS17では、同じく少なくとも2つの圧力センサで読み取った圧力値が、それぞれ予め設定された仮異常判定(<ステップS14の仮異常判定値)以上かどうかを判断する。ここで、いずれか1つが判定値以上であれば、ステップS18へ進み、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値を用いて加算値又は平均値を圧力計算値として算出する。
以上説明したように、本実施例においては、冷却水配管経路の中心点Cを基点としてそれぞれ略対向する位置に3つの圧力センサを配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の前後Gや左右Gに対して正確な圧力計測が可能となる。すなわち、本実施例においては、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の前後Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにしたので、車両の前後Gや左右Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
さらに、本実施例では、2つの圧力センサで検出した圧力値のいずれかが仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断するようにしたので、短時間に過大な圧力上昇が発生した場合でも速やかに圧力異常と判断することができる。
次に実施例8として、実施例7に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例ついて説明する。
図15は、実施例8における圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図であり、実施例7と同じく圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を水平面上に投影した点である中心点Cを3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として各々±360/4n度の範囲に他の圧力センサを配置した例を示している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
圧力センサの個数n=3とした場合の配置を説明すると、図15に示すように、中心点Cを3等分したときの軸線A1、A2、A3のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±30度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±30度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図15において、破線で描いた圧力センサ12、13は、軸線A1、A2、A3を中心として各々±30度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の2つの圧力センサがより適正な位置に配置されるため、実施例7よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
図16は、実施例9に係わる燃料電池システムの冷却水供給サイクルと圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図であり、冷却水の循環経路を模式的に表した冷却水配管経路を側方から見たときの構成を示している。図16では、図1と同等部分には同一符号を付している(各部の説明を省略する)。また、図1に示すコントローラ6及び周辺部分の図示を省略している。
本実施例では、1対の圧力センサ11、12のうち、基準となる圧力センサ11から中心点Cを通る軸線A1を設定したときに、図中の中心点Cを挟んで対向する側であって、軸線A1を中心として±90度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。ここで、中心点Cは、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点であり、圧力センサ11と12は中心点Cを基点として略対向する位置に設けられている。また、基準となる圧力センサ11は、各圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
なお、図16において、並行して描かれた2本線の矢印は冷却水の供給経路と戻り経路を示している。本実施例に示す冷却水配管経路5Aは車両上方には配設されていないため、圧力センサ12は軸線A1から車両上方に90度の範囲には配置されることはなく、図中に破線で描いたように、軸線A1から車両下方に90度の範囲に配置することになる。
本実施例において、1対の圧力センサ11、12で検出された圧力値を用いて、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順は図12に示すフローチャート(実施例5)と同じであるため説明を省略する。
したがって、本実施例においては、冷却水配管経路に設定した中心点Cを基点として略対向する位置に1対の圧力センサを配置し、各圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、本実施例においては、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他方の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の上下Gや前後Gもしくは上下Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにしたので、車両に生じた1方向Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
さらに、本実施例では、2つの圧力センサで検出した圧力値のいずれかが仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断するようにしたので、短時間に過大な圧力上昇が発生した場合でも速やかに圧力異常と判断することができる。
次に実施例10として、実施例9に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例について説明する。この実施例10における冷却水供給サイクルの構成、及びコントローラ6が圧力異常を判断する際の処理手順は実施例9と同じであるため説明を省略する。
図17は、実施例10における圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図である。本実施例では、1対の圧力センサ11、12のうち、基準となる圧力センサ11から中心点Cを通る軸線A1を設定したときに、図中の中心点Cを挟んで対向する側であって、軸線A1を中心として±45度の範囲にもう一方の圧力センサ12を配置している。図17において、破線で描いた圧力センサ12は、軸線A1を中心として±45度の範囲に配置され得ることを示している。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の圧力センサがよ適正な位置に配置されるため、実施例9よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
次に実施例11として、実施例9における圧力センサの個数nを3とした場合について説明する。この実施例11における水供給サイクルの構成は実施例9と同じであるため説明を省略する。
図18は、実施例11における圧力センサの取り付け位置を示す概略構成図であり、圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点である中心点Cを3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として各々±360/2n度の範囲に他の圧力センサを配置している。ここで、基準となる圧力センサは、各圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
圧力センサの個数n=3とした場合の配置を説明すると、図18に示すように、中心点Cを3等分したときの軸線A1、A2、A3のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±60度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±60度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図18において、破線で描いた圧力センサ12、13は、軸線A1、A2、A3を中心として、各々±60度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。
なお、本実施例に示す冷却水配管経路5Aは、図18に示すように、車両上方且つ前方に配設されているが、車両上方から後方には配設されていない。このため、圧力センサ13は軸線A3から車両上方から後方にかけての範囲には配置されることはなく、図中に破線で描いたように、軸線A3から車両前方60度の範囲に配置することになる。
上記のように配置された圧力センサ11、12、13の圧力値を読み取り、コントローラ6が冷却水の圧力異常を判断する場合の処理手順は、図12に示すフローチャート(実施例5)と同じである。本実施例では圧力センサを3つ配置しているため、図12のステップS14において、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値が、それぞれ予め設定された仮異常判定値以上かどうかを判断し、いずれか1つが判定値以上であれば、ステップS15において冷却水の圧力異常と判断し、さらにステップS16で燃料電池システムの停止処理を実行する。また、ステップS14において、どちらも異常判定値未満であれば、ステップS17へ進む。そして、ステップS17では、同じく少なくとも2つの圧力センサで読み取った圧力値が、それぞれ予め設定された仮異常判定(<ステップS14の仮異常判定値)以上かどうかを判断する。ここで、いずれか1つが判定値以上であれば、ステップS18へ進み、少なくとも2つの圧力センサで読み込んだ圧力値を用いて加算値又は平均値を圧力計算値として算出する。
以上説明したように、本実施例においては、冷却水配管経路に設定した中心点Cを基点としてそれぞれ略対向する位置に3つの圧力センサを配置し、このうちの少なくとも2つの圧力センサで検出した圧力値の加算値又は平均値と異常判定値とを比較することにより圧力異常の有無を判断するようにしたので、1つの圧力センサで圧力値を検出する場合に比べて、車両の走行状況に影響されることなく正確な圧力計測が可能となる。すなわち、本実施例においては、1方向Gにより、1つの圧力センサでの圧力値が大きな数値を示したとしても、他の圧力センサで検出した圧力との加算値又は平均値が異常判定値未満であれば圧力異常とは判断しないため、車両の上下Gや前後Gもしくは上下Gや左右Gにより生じた圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、車両が高速で急旋回したり悪路走行した際に実質的な圧力異常がないにも係わらずスタックを停止させてしまうという不具合を未然に防ぐことができる。
また、本実施例では、各圧力センサの圧力値をもとに算出した圧力計算値が所定時間以上、異常判定値を超えるときに圧力異常と判断するようにしたので、車両の前後Gや左右Gによる短時間の圧力変動を圧力過大として誤判定することがなく、何らかの異常により発生した圧力変動についてのみ圧力異常と判断することができるため、スタックを破損させることなく、また使用可能な最大の圧力までスタックを運転することが可能となる。
さらに、本実施例では、2つの圧力センサで検出した圧力値のいずれかが仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断するようにしたので、短時間に過大な圧力上昇が発生した場合でも速やかに圧力異常と判断することができる。
次に実施例12として、実施例11に示した圧力センサの取り付け位置をさらに限定した例ついて説明する。
図19は、実施例11における圧力センサの取り付け位置を示す概略断面図であり、実施例11と同じく圧力センサの個数n=3とした場合の例を示している。
本実施例では、冷却水配管経路5Aを流通する冷却水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点である中心点Cを3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力センサの軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として各々±360/4n度の範囲に他の圧力センサを配置した例を示している。ここで、基準となる圧力センサは、圧力センサの配置を決める際の基準となるもので、任意に定められるものである。
圧力センサの個数n=3とした場合の配置を説明すると、図19に示すように、中心点Cを3等分したときの軸線A1、A2、A3のうち、軸線A1を基準となる圧力センサ11の軸線としたときに、他の軸線A2を中心として±30度の範囲に他の1つの圧力センサ12を配置し、また他のもう一つの軸線A3を中心として±30度の範囲に他のもう1つの圧力センサ13を配置している。図15において、破線で描いた圧力センサ12、13は、軸線A1、A2、A3を中心として各々±30度の範囲に配置され得ることをそれぞれ示している。ただし、本実施例の構成では冷却水配管経路5Aが車両上方から後方には配設されていないため、圧力センサ13は軸線A3から車両上方から後方にかけての範囲には配置されることはなく、図中に破線で描いたように、軸線A3から車両前方30度の範囲に配置することになる。
本実施例の構成によれば、基準となる圧力センサに対して他の2つの圧力センサがより適正な位置に配置されるため、実施例11よりも、さらに正確な圧力計測が可能となる。
上記各実施例では、本発明を冷却水の供給サイクルに適用した例について示したが、本発明はスタックへ加湿水を供給する水供給サイクルにも適用することができる。
1…スタック
2…リザーバタンク
3…ラジエータ
4…冷却水ポンプ
5…冷却水配管
5A…冷却水配管経路
6…コントローラ
11〜14…圧力センサ
2…リザーバタンク
3…ラジエータ
4…冷却水ポンプ
5…冷却水配管
5A…冷却水配管経路
6…コントローラ
11〜14…圧力センサ
Claims (23)
- 燃料電池スタックに管部を介して水を供給する水供給サイクルを備え、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を前記管部にn個(nは2以上の偶数)設けた燃料電池システムであって、
前記管部の中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段を設け、
前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記管部の中心点をn等分したときの一つの軸線を、基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/4n度の範囲に他の圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記基準となる圧力検出手段を、前記管部の重力方向下部に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、前記異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池スタックに管部を介して水を供給する水供給サイクルを備え、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を前記管部に3個設けた燃料電池システムであって、
前記管部の中心点を3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の2つの圧力検出手段をそれぞれ設け、
少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記管部の中心点を3等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の2つの軸線を中心として±360/4n度の範囲に他の2つの圧力検出手段をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、前記異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルの水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を2個設けた燃料電池システムであって、
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±90度の範囲に他方の圧力検出手段を設け、
前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記1対の圧力検出手段のうち、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±45度の範囲に他方の圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、予め設定された異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項8又は9に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値のいずれかが予め設定された仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項4又は10に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルを構成する水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段をn個(nは3以上の奇数)設けた燃料電池システムであって、
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設け、
前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、前記軸線を中心として±360/4n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、予め設定された異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項12又は13に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値のいずれかが予め設定された仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項8又は14に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルの水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段を2個設けた燃料電池システムであって、
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点を中心点とし、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±90度の範囲に他方の圧力検出手段を設け、
前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記1対の圧力検出手段のうち、一方の基準となる圧力検出手段から前記中心点を通る軸線を設定したときに、前記軸線を中心として±45度の範囲に他方の圧力検出手段を設けたことを特徴とする請求項16に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、予め設定された異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項16又は17に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記2つの圧力検出手段で検出された圧力値のいずれかが予め設定された仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項18に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池スタックに水を供給する水供給サイクルを備え、この水供給サイクルを構成する水配管経路上に、前記水の圧力を検出する圧力検出手段をn個(nは3以上の奇数)設けた燃料電池システムであって、
前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を垂直面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、他の軸線を中心として±360/2n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設け、
前記n個の圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値と予め設定された異常判定値とを比較することにより、前記管部内における水の圧力異常を判断する制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記水配管経路を流通する水の総量の重心位置を水平面上に投影した点を中心点とし、この中心点をn等分したときの一つの軸線を基準となる圧力検出手段の軸線としたときに、前記軸線を中心として±360/4n度の範囲に他の圧力検出手段をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項20に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値を用いて少なくとも加算を含む演算により算出した圧力計算値が所定時間以上、予め設定された異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項20又は21に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、少なくとも2つの前記圧力検出手段で検出された圧力値のいずれかが予め設定された仮異常判定値を超えるときは圧力異常と判断することを特徴とする請求項22に記載の燃料電池システム。
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