JP2006039271A - 画像表示装置、その反射鏡及び画像表示方法 - Google Patents

画像表示装置、その反射鏡及び画像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 観察者の眼の位置が変わっても画像光を当該観察者の眼の瞳孔に適正に入射させるようにした画像表示装置、その反射鏡及び画像表示方法を提供する。
【解決手段】 光源ユニットBaから出射される2次元画像に対応する画像光は光走査ユニットCによって2次元状に走査されながら走査光として反射鏡20に入射される。この反射鏡20はその反射面により当該入射走査光を観察者の眼Iの瞳孔Iaに向けて反射する。ここで、制御ユニットBbは、上記走査光の上記反射面への入射位置及び瞳孔の位置に応じて、上記反射面が上記反射走査光を瞳孔に入射させる形状に部分的に順次変形するように反射鏡20を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像表示装置、その反射鏡及び画像表示方法に関するものである。
従来、この種の画像表示装置においては、下記特許文献1に開示された眼鏡型表示装置がある。この表示装置は、眼鏡のフレームのつるに設けた投影ユニット及び反射ミラーと、眼鏡のレンズに設けた集積型ミラーとを備えている。
ここで、反射ミラーにより反射される投影ユニットからの画像光が集積型ミラーにより反射されて眼に入射する。また、投影ユニットは、画像光を水平方向に走査しながら反射ミラーに入射するとともに、反射ミラーはその入射画像光を垂直方向に走査しながら反射して集積型ミラーに入射させる。このため、画像光がその走査に伴い眼の網膜に結像されて2次元画像として表示される。
特開2000−111829号公報
ところで、上述のような表示装置では、集積型ミラーの反射面形状は一定の形状を常に維持しているため、画像光が集積型ミラーの反射面に入射しても、その反射方向は、当該集積型ミラーの画像光の入射部毎に一義的に固定されている。
しかし、当該眼鏡を装着した観察者の眼の位置が観察者毎に異なっていると、集積型ミラーの反射画像光が、観察者によっては、その眼の瞳孔に適正には入射せず、画像光による画像を正しく網膜上に結像することができないという不具合を招く。
そこで、本発明は、このようなことに対処するため、観察者の眼の位置が変わっても画像光を当該観察者の眼の瞳孔に適正に入射させるようにした画像表示装置、その反射鏡及び画像表示方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る画像表示装置は、請求項1の記載によれば、
2次元画像に対応する画像光を出射する画像光出射手段(Ba)と、
この画像光出射手段から出射される上記画像光を観察者の眼(I)の瞳孔(Ia)に向けて反射する反射面(25a)を有してなる反射手段(20、20A、20B、Bb)とを備えて、
上記反射面にて反射した画像光が瞳孔に入射して眼の網膜に結像することで上記2次元画像を表示する。
当該画像表示装置において、反射手段は、瞳孔の位置及び上記画像光の上記反射面への入射位置に応じて上記画像光を瞳孔に入射させるように上記反射面を変形させる変形部材(22、22a、23、24、24a)を具備するようにしたことを特徴とする。
このように、瞳孔の位置及び上記画像光の上記反射面への入射位置に応じて上記反射画像光を瞳孔に入射させるように当該反射面を変形部材でもって変形させるようにした。
従って、観察者の眼の位置が観察者により変わっても、上記画像光は、上述のように変形する反射面により反射されて眼の瞳孔に適正に入射する。その結果、上記2次元画像が観察者の眼の網膜に適正に結像表示され得る。
また、本発明にかかる画像表示装置は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の画像表示装置において、
瞳孔の位置を検出する瞳孔位置検出手段(150)と、
上記画像光の反射面への入射位置及び瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置に応じて変形部材の変形を制御する制御手段(160b、170、176、178)とを備えて、
反射手段は、
上記反射面を有する反射層(25)を備えて、
変形部材でもって、反射層に対し上記反射面とは反対側に設けられていることを特徴とする。
このように、変形部材が反射層に対し上記反射面とは反対側に設けられている。従って、当該変形部材が上記画像光の反射面への入射位置及び上記検出瞳孔位置に応じて制御手段により変形制御されて反射層をその反射面側へ変形させる。これにより、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の画像表示装置において、
反射手段は、変形部材に対し反射層とは反対側に設けた基板(21)を備えており、
変形部材は、基板を基準として圧電変形する板状圧電体(23)と、この圧電体を挟んで互いに対向するように基板と反射層との間に介装される両電極(22、22a、24、24a)とを有し、当該両電極の一方を、圧電体の圧電変形に伴い反射層を変形させる形状に構成して、
制御手段は、
電圧発生手段(160b)と、瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置及び上記画像光を構成する各光線の反射層への入射位置に応じて、上記反射面を、この反射面で反射した画像光を瞳孔に入射させる形状に変形させるように電圧発生手段から生ずる電圧を調整する電圧調整手段(170、176、178)とを備えて、
この電圧調整手段で調整した電圧を、両電極を介し圧電体に印加して当該圧電体を圧電変形させることで、上記制御を行うことを特徴とする。
このように、反射層が上記反射画像光を瞳孔に入射させる形状に変形するように、電圧発生手段からの電圧が上記検出瞳孔位置及び上記画像光の上記反射面への入射位置に応じて調整される。そして、このように調整した電圧でもって圧電体が上記基板を基準として圧電変形されることによって、上述した制御手段の制御がなされる。その結果、このような制御でもって、請求項2に記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の画像表示装置において、
電圧調整手段は、
上記反射面を標準形状とする標準電圧を電圧発生手段に設定する標準電圧設定手段(170)と、
瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置と、上記反射面によりその標準形状にて反射された画像光が入射される瞳孔の標準位置とのずれに基づき、上記反射面を、上記標準形状から上記画像光を瞳孔に入射させる目標形状に変形するように、上記標準電圧を補正する標準電圧補正手段(174、175、176)とを備えることを特徴とする。
このように、上記検出瞳孔位置が瞳孔の標準位置からずれている場合には、上記画像光の反射層への入射位置に応じて、反射層が上記検出瞳孔位置と瞳孔の標準位置との間のずれに基づき上記標準形状から上記目標形状に変形するように上記標準電圧が補正される。ついで、このように補正された標準電圧が、両電極を介し圧電体に印加されて当該圧電体が圧電変形されることで、反射層が上記標準形状から上記目標形状に制御される。その結果、請求項3に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項3或いは4に記載の画像表示装置において、
画像光出射手段は、上記画像光に基づき波長を互いに異にする光束を出射する複数の光源(70a、70b、70c)と、この複数の光源から出射された複数の光束を合成する合成手段(90a、90b、90c)と、この合成手段により合成された光束を2次元に走査する走査手段(C)とを備えて、
反射層は、複数の光源から出射される波長の光束を反射し、他の波長の光束を透過するダイクロイックミラーでもって構成され、
両電極は、可視光に対し透光性の高い導電性物質でもって形成され、
圧電体は、可視光に対し透光性の高い圧電体でもって構成され、
基板は可視光に対し透光性の高い基板でもって構成されることを特徴とする。
これにより、反射層を通してその前方の景色を見ながら、請求項3或いは4に記載の発明の作用効果と同様の作用効果を達成し得る。さらに、反射層が、上述のように、複数の光源から出射される波長の光束を反射し、他の波長の光束を透過するダイクロイックミラーで構成されているため、この反射層で特定波長の光束を反射することで、当該作用効果の達成に併せ、眼の網膜に結像する2次元画像を良好に表示し得る。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置において、
両電極の一方は、複数のスポット電極(22、22a)でもって構成されており、
他方の電極は、圧電体を介し複数のスポット電極に対向し、複数のスポット電極に共通する共通電極でもって構成されており、
制御手段は、複数のスポット電極へ上記電圧を印加することで、圧電体の各スポット電極に対する各電極対応部の圧電変形を制御するようにした特徴とする。
これによれば、複数のスポット電極に上記電圧を印加することで、圧電体の各スポット電極に対する各電極対応部の圧電変形が制御される。従って、圧電体の各スポット電極に対する各電極対応部の圧電変形がより一層適正になされる。その結果、上述した反射層の形状制御がより一層良好になされて、請求項3〜5のいずれか1つに記載の発明の作用効果をより一層向上し得る。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置において、
画像光出射手段は、上記画像光を2次元状に走査する走査手段(C)を備えて、
両電極の一方は、圧電体に沿い互いに平行に配設される複数の直線状電極(22a)でもって構成され、
他方の電極は、圧電体を介し上記複数の直線状電極に対向し、かつ、当該複数の直線状電極に対し交差して位置するように配設される複数の直線状電極(24a)でもって構成されており、
制御手段は、両複数の直線状電極を介し圧電体へ上記電圧を印加することで、圧電体の両複数の直線状電極の各交差部に対する各電極対応部の圧電変形を制御することを特徴とする。
これにより、請求項3〜5のいずれか1つに記載の発明と実質的に同様の作用効果が達成され得るのは勿論のこと、直線状電極を増やすことで、より一層精密に反射面の形状を変えることができる。ここで、上述のごとく前記画像光は走査手段により走査される走査光であることから、上記各電極対応部の圧電変形は、走査される走査光近傍に位置する電極対応部の圧電変形で済む。
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項2〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置において、
計時手段(140)を備えて、
瞳孔位置検出手段は、計時手段による所定時間の計時毎に瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする。
このように、計時手段が上記所定計時時間の計時を終了する毎に、瞳孔の位置検出が、計時手段による所定時間の計時毎になされる。従って、上記所定計時時間の経過毎に、反射面の形状が適正にかつ自動的に制御され、その結果、請求項2〜7のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項2〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置において、
操作手段(130)を備えて、
瞳孔位置検出手段は、操作手段の操作に基づき瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする。
このように、操作手段の操作毎に瞳孔の位置検出がなされることで、反射面の形状が適正にかつ自動的に制御され、その結果、請求項2〜7のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項2〜9のいずれか1つに記載の画像表示装置において、
画像光出射手段は、上記2次元画像に対応する一連のフレームからなる映像信号に基づいて、上記画像光を上記映像信号のフレーム毎に形成して出射するようになっており、
瞳孔位置検出手段は、上記映像信号の各フレームに同期して瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする。
このように、瞳孔の位置検出が上記映像信号の各フレームにそれぞれ同期してなされることで、反射面の形状が、上記映像信号の各フレーム毎に、適正にかつ自動的に制御され、その結果、請求項2〜9のいずれか1つに記載の発明の作用効果をより一層向上できる。
また、本発明に係る画像表示装置は、請求項11の記載によれば、請求項1に記載の画像表示装置において、
反射手段は、
眼の瞳孔を配置する第1焦点(F2)及び画像光出射手段を配置する第2焦点(F1)を有する回転楕円面の一部でもって、上記反射面を形成してなり、
変形部材でもって、瞳孔の位置の上記第1焦点からのずれに応じて上記画像光を瞳孔に入射させるように上記反射面を変形させることを特徴とする。
このように回転楕円面の一部で反射面を構成することで、観察者の眼の瞳孔の位置が瞳孔側の焦点からずれても、変形部材でもって、瞳孔の位置の上記第1焦点からのずれに応じて画像光を瞳孔に入射させるように上記反射面を変形させる。
これにより、観察者の眼の位置が観察者により変わっても、上記画像光は、上述のように変形する反射面により反射されて眼の瞳孔に適正に入射する。その結果、上記2次元画像が観察者の眼の網膜に適正に結像表示され得る。
なお、上記回転楕円面の一部は、上記第1及び第2の焦点を有する楕円をその回転軸周りに回転させて得られる。
また、本発明は、請求項12の記載によれば、請求項7に記載の画像表示装置において、反射手段は、上記反射面にて、フレネル面形状に形成されていることを特徴とする。
これによっても、請求項11に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。
また、本発明に係る画像表示装置は、請求項13の記載によれば、請求項11或いは12に記載の画像表示装置において、
変形部材は、圧電変形する板状圧電体(23)と、この圧電体を挟んで互いに対向するように介装される両電極(22、24)とを有し、
当該両電極のうち圧電体に対し上記反射面とは反対側に位置する電極は、複数のスポット電極(22)でもって構成されていることを特徴とする。
これにより、変形部材が、複数のスポット電極に対する電圧の印加でもって圧電体を圧電変形させて上記反射面を変形させれば、請求項11或いは12に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。ここで、スポット電極の数が多い程、上記反射面の回転楕円面の一部としての形状がより一層正確に形成され得る。
また、本発明は、請求項14の記載によれば、
2次元に走査される状画像光を観察者の眼の瞳孔に向けて反射する画像表示装置用反射鏡において、
上記画像光を瞳孔に向けて反射する反射面(25a)を設けてなる反射層(25)と、
この反射層に対して上記画像光の入射側とは反対側に設けられて当該反射層を変形させる変形部材(22、22a、23、24、24a)とを備えることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果を達成し得る画像表示装置に採用するに適した反射鏡の提供が可能となる。
また、本発明に係る画像表示方法では、請求項15の記載によれば、
2次元画像に対応する画像光を出射し、
上記画像光を反射面(25a)にて観察者の眼(I)の瞳孔(Ia)に向けて反射して、
上記反射した画像光が眼の網膜に結像することで上記2次元画像として表示する。
当該画像表示方法において、
瞳孔の位置及び上記画像光の上記反射面への入射位置に応じて反射された画像光を瞳孔に入射させるように上記画像光の反射方向を制御するようにしたことを特徴とする。
これにより、観察者の眼の位置が観察者により変わっても、上記反射画像光は眼の瞳孔に適正に入射する。その結果、上記2次元画像が眼の網膜に適正に結像表示され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る眼鏡型画像表示装置の第1実施形態を示している。当該画像表示装置は、画像結像用眼鏡Aと、左右両側装置本体Bと、左右両側光走査ユニットCでもって構成されている。
眼鏡Aは、図1にて示すごとく、枠体10と、左右両側反射鏡20とを備えている。枠体10は、観察者の顔に装着される通常の眼鏡の枠体と同様の形状を有するもので、この枠体10は、枠10aと、左右両側のツル10bとでもって構成されている。ここで、枠10aは、左右両側反射鏡20をはめ込むための左右両側環状部11を備えている。また、左右両側ツル10bは、枠10aの左右両側端部から長手状に延出しており、当該各ツル10bは、互いに枠10aの裏面に向けて折りたたみ可能となっている。
左右両側反射鏡20は、それぞれ、左右両側光走査ユニットCでもって後述のように2次元状に走査される画像光を、観察者の左右両眼に入射させる反射光学素子である。当該左右両側反射鏡20は、人の顔に装着される眼鏡のレンズと同様の外形形状でもって形成されており、これら各反射鏡20は、図1及び図2にて示すごとく、枠10aの各環状部11内にそれぞれはめ込まれている。これにより、枠体10を通常の眼鏡の枠体と同様に観察者の顔に装着したとき、左右両側反射鏡20は、観察者の顔の左右両側の眼に対向して位置するように、枠体10により支持される。
本第1実施形態において、左右両側反射鏡20は、共に、同一の構成を有するから、左側反射鏡20を例にとりその構成について詳細に説明する。当該左側反射鏡20は、図3〜図5から分かるように、ガラス等の可視光に対し透光性の高い透明の電気絶縁材料からなる基板21、複数の円板状一側電極22、板状圧電体23、板状他側電極24及び反射層25でもって構成されている。
複数の一側電極22は、可視光に対し透光性の高い透明の導電材料(例えば、ITO)でもって形成されており、これら各一側電極22は、基板21の表面にマトリックス状に配列して設けられている。本第1実施形態において、一側電極22は、1(mm)程度の小さな外径を有するように形成されていることから、当該一側電極22は、以下、スポット電極22ともいう。
圧電体23は、可視光に対し透光性の高い透明の圧電材料(例えば、PLZT)を用いて形成されており、この圧電体23は、複数のスポット電極22を介し基板21の表面上に積層されている。このことは、複数のスポット電極22は、その板厚方向において、基板21と圧電体23との間に挟持されることを意味する。なお、当該圧電体23は、電圧の印加を受けて圧電作用を発揮する。
他側電極24は、可視光に対し透光性の高い透明の導電材料(例えば、ITO)でもって形成されており、この他側電極24は、圧電体23を介し複数の一側電極22に対向するように、当該圧電体23の表面に積層されている。これにより、圧電体23への電圧の印加にあたり、他側電極24は、複数の一側電極22に対し共通な電極としての役割を果たす。従って、以下、本第1実施形態において、他側電極24は共通電極24ともいう。
また、反射層25は、ダイクロイックミラーでもって形成されており、この反射層25は、共通電極24の表面に設けられている。このように、反射層が、ダイクロイックミラーで形成されることで、走査光のうち特定波長の光を反射して左眼の瞳孔に導き、他の光、即ち、外界からの光を透過させる役割を果たす。このことは、反射層が、いわゆるシースルーを実現することを意味する。また、反射層25の表面25aは、反射面、即ち、左側反射鏡20の反射面としての役割を果たす。以下、反射層25の表面25aを反射面25aともいう。
このように構成した左側反射鏡20において、圧電体23のうち複数のスポット電極22の各板厚方向端面付近に対応する部位を、図3及び図4にて示すごとく、それぞれ、圧電部位23aとすれば、これら各圧電部位23aの板厚は、それぞれ、当該各圧電部位23aに対応する各スポット電極22及び共通電極24を介する当該各圧電部位23aへの各印加電圧に基づき変化する。
ここで、圧電体23が複数のスポット電極22を介し積層されている基板21は剛体であるガラスで形成されている。このため、各圧電部位23aの板厚は、当該各圧電部位23aの裏面(スポット電極22側の面)を基準に、上記各印加電圧の値に比例して共通電極24側へ変化する。換言すれば、各圧電部位23aは、その表面(共通電極24側の面)を、上記各印加電圧の値に比例して共通電極24側へ変位させる。
また、反射層25の反射面25aを、図4にて示すごとく、複数の二点鎖線Lにより格子状に区画して、これら各区画領域を、複数のスポット電極22の各板厚方向端面に対応する各正方形領域25bとして規定する。そして、各両二点鎖線Lが十字状に交差する点をそれぞれP(以下、交差点Pともいう)とすれば、交差点P毎に、交差点Pを中心として4つの正方形領域25bが、図4にて例示するごとく、反射面25aにおいて隣り合って位置する。
また、上述のように隣り合う4つの正方形領域25b毎に、4つの正方形領域25bの間にて交差点Pを中心として形成される領域(以下、領域Qという)は、当該4つの正方形領域25bに対応する4つの圧電部位23aの各板厚の変化の相違によって、共通電極24の各対応部位と共に傾斜する。なお、図4では、領域Qは、上述のように便宜的に円で示されているのであって、実際には円形ではなく、4つの正方形領域25bの間にて交差点Pを中心として形成される領域を意味するにすぎない。
本第1実施形態では、このような反射面25aにおける複数の領域Qのうち走査光(後述する)が入射する各領域Qは各画素Qともいう。そして、当該各画素Qの傾斜の相違を利用して、当該各画素Qへの入射走査光に対する当該各画素Qによる反射方向が後述のように制御される。
左右両側装置本体Bは、図1にて示すごとく、それぞれ、眼鏡Aとは分離しているもので、左側装置本体Bは、左側光走査ユニットCに対し光ファイバーと配線により接続されている。一方、右側装置本体Bは、右側走査ユニットCに対し光ファイバーと配線により接続されている。なお、左右両側装置本体Bは、当該眼鏡Aをかける観察者の身体の適所に保持される。
以下、当該左右両側装置本体Bは共に同一の構成を有するから、左側装置本体Bを例にとりその構成につき説明する。
当該左側装置本体Bは、図2にて示すごとく、左側光源ユニットBa及び左側制御ユニットBbを備えている。左側光源ユニットBaは、光センサ30a及びビーム検出信号処理回路30bを備えており、光センサ30aは、後述する水平走査機構220の反射板201から反射されるビーム状の光を検出してビーム検出信号を発生する。ビーム検出信号処理回路30bは、光センサ30aからのビーム検出信号を信号処理して信号処理信号を発生し映像信号処理回路40に出力する。なお、光センサ30aは、水平走査機構200の近傍に設けられている。
また、当該左側光源ユニットBaは映像信号処理回路40を有しており、この映像信号処理回路40は、ビーム検出信号処理回路30bからの信号処理信号、クロック計数器40aからのクロック計数出力及び外部からの2次元画像に対応する映像信号に基づき、当該2次元画像の各フレームを構成する複数の水平ラインに対応して、1フレームの水平ライン毎に、当該1フレームの形成のための青色、緑色及び赤色の各駆動信号の出力タイミングを決定する。そして、当該映像信号処理回路40は、上記出力タイミング毎に、上記青色、緑色及び赤色の各駆動信号を青色レーザ駆動回路50a(以下、Bレーザ駆動回路50aともいう)、緑色レーザ駆動回路50b(以下、Gレーザ駆動回路50bともいう)及び赤色レーザ駆動回路50c(以下、Rレーザ駆動回路50cともいう)に出力する。
なお、クロック計数器40aは、映像信号処理回路40に設けられているもので、このクロック計数器40aは、その作動に伴い、映像信号処理回路40に設けたクロック発振器(図示しない)から順次発生するクロックを計数する。また、上記2次元画像は、一連のフレームでもって構成されており、各フレーム毎に上記複数の水平ラインが対応する。
また、映像信号処理回路40は、上記出力タイミング毎に水平同期信号を発生し水平走査駆動回路60aに出力するとともに、上記各フレームの複数の水平ラインのうちの最初の水平ライン毎に垂直同期信号を発生し垂直走査駆動回路60bに出力する。また、映像信号処理回路40は、上記映像信号の2次元画像に対応するフレーム毎に映像同期信号を発生し左側制御ユニットBbに出力する。
Bレーザ駆動回路50aは、映像信号処理回路40からの青色駆動信号に基づき、青色レーザ70a(以下、Bレーザ70aともいう)から出射される青色レーザ光の強度を変調するための変調駆動信号を生成してBレーザ70aに出力する。Gレーザ駆動回路50bは、映像信号処理回路40からの緑色駆動信号に基づき、緑色レーザ70b(以下、Gレーザ70bともいう)から出射される緑色レーザ光の強度を変調するための変調駆動信号を生成してGレーザ70bに出力する。また、Rレーザ駆動回路50cは、映像信号処理回路40からの赤色駆動信号に基づき、赤色レーザ70c(以下、Rレーザ70cともいう)から出射される赤色レーザ光の強度を変調するための変調駆動信号を生成してRレーザ70cに出力する。
水平走査駆動回路60aは、映像信号処理回路40からの各水平同期信号に基づき水平走査機構200を水平走査駆動する。垂直走査駆動回路60bは、映像信号処理回路40からの各垂直同期信号に基づき、垂直走査機構220を垂直走査駆動する。
Bレーザ70aは、Bレーザ駆動回路50aからの変調駆動信号に基づき青色レーザ光を強度変調し青色レーザ強度変調光としてコリメートレンズ80aに出射する。Gレーザ70bは、Gレーザ駆動回路50bからの変調駆動信号に基づき緑色レーザ光を強度変調し緑色レーザ変調光としてコリメートレンズ80bに出射する。また、Rレーザ70cは、Rレーザ駆動回路50cからの変調駆動信号に基づき赤色レーザ光を強度変調し赤色レーザ強度変調光としてコリメートレンズ80cに出射する。
コリメートレンズ80aは、Bレーザ70aからの青色レーザ強度変調光を青色平行光に変換しダイクロイックミラー90aに出射する。コリメートレンズ80bは、Gレーザ70bからの緑色レーザ強度変調光を緑色平行光に変換しダイクロイックミラー90bに出射する。コリメートレンズ80cは、Rレーザ70cからの赤色レーザ変調光を赤色平行光に変換しダイクロイックミラー90cに出射する。
ダイクロイックミラー90cは、コリメートレンズ80cからの赤色平行光をダイクロイックミラー90bに向けて反射する。ダイクロイックミラー80bは、コリメートレンズ70bからの緑色平行光及びダイクロイックミラー90cからの赤色平行光を合波して合波平行光をダイクロイックミラー90aに向けて出射する。ダイクロイックミラー90aは、コリメートレンズ80aからの青色平行光及びダイクロイックミラー90bからの合波平行光を合波して合波平行光を結合光学系100に向けて出射する。
結合光学系100は、ダイクロイックミラー90aからの合波平行光を集光して光ファイバー110にその入射端部から入射させる。光ファイバー110は、ダイクロイックミラー90aからの入射光を導光するもので、この光ファイバー110は、導光した光を、その出射端部からコリメートレンズ120に向けて出射する。なお、本第1実施形態では、結合光学系100は、凸レンズでもって構成されている。
当該コリメートレンズ120は、光ファイバー110からの出射光を平行光に変換して水平走査機構200に向けて出射する。なお、コリメートレンズ120は、水平走査機構200の近傍に配設されている。
制御ユニットBbは、図2にて示すごとく、操作スイッチ130、タイマー140、視線センサ150及び制御回路160を備えている。操作スイッチ130は、そのオン操作により、操作信号を発生する。タイマー140は、その作動に伴い、所定計時時間(例えば、30(分)或いは60(分))を繰り返し計時し、当該所定計時時間の計時終了毎に、トリガー信号を発生する。
視線センサ150は、図2及び図6にて示すごとく、発光素子150a及び受光素子150bを備えている。発光素子150aは、その発光面にて、左眼Iの瞳孔Iaに対向するように、枠体10の枠10aの左側環状部11の上側外縁中央部に支持されている。このため、発光素子150aは、その発光により、赤外光を左眼Iの瞳孔Iaに向けて出射する。なお、本第1実施形態では、発光素子150aとしては、近赤外発光ダイオードが採用されている。
受光素子150bは、2次元素子からなるもので、当該受光素子150bは、その受光面にて左眼Iの瞳孔Iaに対向するように、枠体10の枠10aの左側環状部11の下側外縁中央部に支持されている。このため、受光素子150bは、その受光面にて、左眼Iの瞳孔Iaから反射される赤外光を受光して、瞳孔Iaの2次元像を表す受光信号を発生する。
制御回路160は、マイクロコンピュータ160a及び定電圧電源160bを備えている。マイクロコンピュータ160aは、図7にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、操作スイッチ130の操作出力、タイマー140からの計時出力、映像信号処理回路40からの映像同期信号や定電圧電源160bからの定電圧に基づき、発光素子150aの発光駆動処理、左眼Iの瞳孔Iaの中心位置決定処理や左側反射鏡20のスポット電極22と共通電極24との間への電圧印加処理等を行う。定電圧電源160bは、直流の定電圧をマイクロコンピュータ160aに出力する。なお、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ160aのROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。
また、右側装置本体Bは、上述のように左側装置本体Bと同様の構成を有するが、この右側装置本体Bの視線センサ150の支持位置が左側装置本体Bの視線センサ150とは異なる。即ち、右側装置本体Bの視線センサ150において、発光素子150aは、その発光面にて、右眼Iの瞳孔Iaに対向するように、枠体10の枠10aの右側環状部11の上側外縁中央部に支持されている。このため、発光素子150aは、その発光により、赤外光を右眼Iの瞳孔Iaに向けて出射する。また、受光素子150bは、その受光面にて右眼Iの瞳孔Iaに対向するように、枠体10の枠10aの右側環状部11の下側外縁中央部に支持されている。このため、受光素子150bは、その受光面にて、右眼Iの瞳孔Iaから反射される赤外光を受光して、瞳孔Iaの2次元像を表す受光信号を発生する。
左右両側光走査ユニットCは、図1にて示すごとく、それぞれ、光センサ30a及びコリメートレンズ120と共に、適宜な各ケーシングに収容されて、枠体10の左右両側のツル10bの枠10aからの各延出基端部に支持されている。以下、当該左右両側光走査ユニットCは共に同一の構成を有するから、左側光走査ユニットCを例にとりその構成につき説明する。
当該左側光走査ユニットCは、図2にて示すごとく、水平走査機構200、リレー光学系210、垂直走査機構220及びリレー光学系230を備えている。水平走査機構200は、水平走査用反射板201を備えており、この反射板201は、適宜な静止部材により同軸的に支持された両対向支持軸202の間にて当該両支持軸202により図2にて図示矢印X方向に揺動可能に支持されている。
しかして、当該水平走査機構200は、映像信号処理回路40からの各水平同期信号に基づき水平走査駆動回路60aにより駆動されて、反射板201を矢印X方向に揺動させる。このような揺動のもと、反射板201は、その揺動角度に応じて、コリメートレンズ120から入射される平行光を水平方向に走査しながら反射する。このことは、コリメートレンズ120からの平行光は、水平走査機構200によりその反射板201でもってX方向に水平走査されつつリレー光学系210に向けて水平走査光として出射されることを意味する。
リレー光学系210は、反射板201からの水平走査光を、当該リレー光学系210の光軸に対し平行となるように変換した後集光して垂直走査機構220の反射板221に向け出射する。
垂直走査機構220は、垂直走査用反射板221を備えており、この反射板221は、適宜な静止部材により支持された支持軸222でもって、図2にて図示矢印Y方向に揺動可能に支持されている。しかして、当該垂直走査機構220は、映像信号処理回路40からの各垂直同期信号に基づき垂直走査駆動回路60bにより駆動されて、反射板221を矢印Y方向に揺動させる。このような揺動のもと、反射板221は、その揺動角度に応じて、リレー光学系210からの平行走査光を垂直方向に走査しながら反射する。このことは、リレー光学系210からの平行走査光は、垂直走査機構220によりその反射板221でもってY方向に垂直走査されつつリレー光学系230に向けて垂直走査光として反射されることを意味する。
リレー光学系230は、垂直走査機構220の反射板221からの垂直走査光を、当該リレー光学系230の光軸に対し平行となるように変換した後集光して左側反射鏡20の反射面25aに向け出射する。
以上のように構成した左側光走査ユニットCによれば、装置本体Bによりそのコリメートレンズ120から出射される光は、水平走査機構200によりX方向に水平走査されるとともに垂直走査機構220により垂直走査されることで、左側反射鏡20の反射面25aに2次元状の走査光として入射する。このことは、左側反射鏡20により反射される走査光は、上記映像信号の1フレーム毎に、左眼Iの瞳孔Iaを通りその網膜Ibに2次元画像として結像されることを意味する。
また、右側光走査ユニットCは、左側光走査ユニットCと同様の構成を有することから、当該右側光走査ユニットCによれば、その装置本体Bのコリメートレンズ120から出射される光は、上述と同様の水平走査及び垂直走査により、右側反射鏡20の反射面25aに2次元状の走査光として入射する。このことは、右側反射鏡20により反射される走査光は、上記映像信号の1フレーム毎に、右眼Iの瞳孔Iaを通りその網膜Ibに2次元画像として結像されることを意味する。
以上のように構成した本第1実施形態において、眼鏡Aが上述した観察者の顔に装着されるとともに当該画像表示装置が作動状態におかれるものとする。なお、以下、左右両側反射鏡20、左右両側装置本体B及び左右両側光走査ユニットCのうち、左側反射鏡20、左側装置本体B及び左側光走査ユニットCの各作動を例にとり説明する。
左側装置本体Bの制御ユニットBbにおいて、マイクロコンピュータ160aが、図7のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。また、タイマー140が上記所定計時時間の計時を繰り返し開始し、当該所定計時時間の計時の終了毎にトリガー信号を発生する。
しかして、ステップ170において、左側反射鏡20の標準形状設定処理が所定の標準テーブルを用いてなされる。この標準形状設定処理にあたり、上記標準テーブルを導入する根拠について説明する。
左眼の瞳孔の中心位置が当該瞳孔の標準中心位置にある場合において上記映像信号の2次元画像を左眼の網膜に適正に結像表示させるためには、左側反射鏡20の反射層25に入射するリレー光学系230からの走査光が当該反射面25aにより反射されて左眼の瞳孔に適正に入射される必要がある。換言すれば、このような入射を可能とするように、反射面25aにおいてリレー光学系230からの走査光が順次入射する各画素Qの傾斜が制御される必要がある。
従って、具体的には、次のような条件を満たすような所定の標準的光学条件の成立が必要とされる。
(1)左眼の瞳孔の中心位置が反射面25aの位置との間の関係において上記標準中心位置にあること。
(2)各画素Q、左眼の瞳孔の上記標準中心位置及び光学リレー230からの各画素Qへの走査光の入射方向(平面状態にある反射面25aに対する走査光の入射角度)の間の幾何学的関係が、リレー光学系230から各画素Qへの入射走査光を当該各画素Qにより順次反射して左眼Iの網膜に2次元画像として適正に結像表示させるような関係にあること。
換言すれば、反射面25aにおいて、画素Q毎に、一画素Qと中心とする4つの正方形領域25bに対応する4つの圧電部位23a(以下、4つの画素対応圧電部位23aともいう)の各々に印加する標準電圧と当該各画素対応圧電部位23aの標準板厚との関係(以下、標準電圧−標準板厚関係ともいう)が、上記幾何学的関係を満たすような関係であること。
以上のような上記標準テーブルの導入根拠のもと、本第1実施形態では、当該標準テーブルは、上記標準的光学条件を満たすように、上記標準電圧−標準板厚関係を表すデータでもって設定されて、マイクロコンピュータ60aのROMに読み出し可能に予め記憶されている。
しかして、上記標準形状設定処理においては、左側反射鏡20の複数のスポット電極22のうち上記各画素対応圧電部位23aに対応する各スポット電極22(以下、各画素対応スポット電極22ともいう)と共通電極24との間に印加すべき各標準電圧は、定電圧電源160bからの定電圧に基づき、上記標準テーブルを用いて決定される。
このように決定される各標準電圧は、マイクロコンピュータ160aにより、左側反射鏡20に出力されて、各画素対応スポット電極22と共通電極24との間を介し各画素対応圧電部位23aに印加される。これにより、各画素対応圧電部位23aの板厚が各標準板厚に制御される。その結果、共通電極24の形状が各画素対応圧電部位23aの標準板厚への制御にあわせて制御され、反射層25の各画素Qが上記標準的光学条件を満たすようにそれぞれ傾斜制御される。このことは、左側反射鏡20の形状が標準形状に設定されることを意味する。
従って、上述のように眼鏡Aを装着した観察者の顔において、左眼Iの瞳孔Iaの中心位置が上記標準中心位置にある場合には、リレー光学系230から順次出射される走査光は、左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて当該瞳孔Iaに適正に入射する。例えば、図8にて実線で示すリレー光学系230からの各走査光L1、L2及びL3は、左側反射鏡20の各対応画素Qで順次反射されて反射走査光R1、R2及びR3として瞳孔Iaに適正に入射する。
このような走査光の入射によって当該左眼Iの網膜には、2次元画像が適正に表示され得る。その結果、上述のように眼鏡Aを装着した観察者は、左眼Iにて、上記映像信号の2次元画像を適正に視認することができる。
ステップ170の処理後、タイマー140がトリガー信号を発生しておらず、かつ、操作スイッチ130が操作信号を発生していなければ、両ステップ171、172において順次NOと判定される。
その後、タイマー140がトリガー信号を発生するか、或いは操作スイッチ130が操作信号を発生すれば、ステップ171にてYESと判定されるか、或いはステップ171でのNOとの判定後ステップ172においてYESと判定される。すると、ステップ173において、発光素子駆動処理がなされる。これに伴い、左側視線センサ150の発光素子150aが発光駆動されて赤外線を左眼Iに向けて出射する。このため、左眼Iは、その入射赤外光を反射して受光素子150bに入射する。これに伴い、当該受光素子150bは、その入射光を検出し、瞳孔Iaの2次元像を表す受光信号をマイクロコンピュータ160aに出力する。
ステップ173における処理後、ステップ174において、瞳孔中心位置決定処理がなされる。この瞳孔位置決定処理では、左眼Iの瞳孔Iaの輪郭が受光素子150bからの受光信号に基づき抽出されるとともに、この抽出輪郭に基づき左眼Iの瞳孔Iaの中心位置が決定される。
このようにしてステップ174における処理が終了すると、次のステップ175において、ステップ174における瞳孔の決定中心位置が上記標準中心位置からずれているか否かが判定される。なお、上記標準中心位置は、マイクロコンピュータ160aのROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能にデータとして予め記憶されている。
しかして、現段階では、上述のように左眼Iの瞳孔Iaの決定中心位置が上記標準中心位置にあることから、上記決定中心位置のずれがない。従って、ステップ175においてNOと判定される。ついで、左眼Iの網膜に表示される2次元画像が上述のように適正であることから、ステップ177においてYESと判定される。
ところで、上述のように眼鏡Aを装着した観察者の左眼Iの瞳孔Iaが、図9にて示すように、図8にて示す左眼Iの瞳孔Iaの直後方向(図8にて図示矢印Ara方向)に位置する場合には、ステップ174における瞳孔Iaの決定中心位置が上記標準中心位置よりも矢印Ara方向にずれる。このため、瞳孔位置のずれありとして、ステップ175においてYESと判定される。
これに伴い、次のステップ176において、映像信号処理回路40からの映像同期信号に同期して、左側反射鏡20の形状補正処理が次のようになされる。上述のように瞳孔Iaの決定中心位置が上記標準中心位置よりも矢印Ara方向にずれている場合において、リレー光学系230から順次出射される走査光が左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて瞳孔Iaに適正に入射するための条件を図9を例にとって説明する。
左側反射鏡20による各入射走査光L1、L2及びL3に対する反射方向は、各反射走査光R1、R2及びR3の進行方向から、図9にて破線で示す各反射走査光R11、R22及びR33の進行方向に補正される必要がある。
つまり、反射走査光R11の進行方向は、反射走査光R1の進行方向よりも時計方向へ角度αだけ補正される必要がある。また、反射走査光R22の進行方向は、反射走査光R2の進行方向よりも時計方向へ角度βだけ補正され、反射走査光R33の進行方向は、反射走査光R3の進行方向よりも反時計方向へ角度γだけ補正される必要がある。ここで、上述した各角度α、β及びγは、図9における瞳孔Iaと左側反射鏡20の各対応画素Qとの間の幾何学的位置関係を前提とした上記標準中心位置からの瞳孔Iaの決定中心位置の矢印Ara方向への各ずれ長さに対応する。
従って、左側反射鏡20の各対応画素Qの傾斜角度が、上記各角度α、β及びγに対応して補正される必要がある。例えば、走査光L1が入射する画素Qの傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図9にて図示時計方向へ角度δだけ小さくなるように補正される必要がある。また、走査光L2が入射する画素Qの傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図9にて図示時計方向へ角度εだけ大きくなるように補正され、走査光L3が入射する画素Qの傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図9にて図示反時計方向へ角度ζだけ小さくなるように補正される必要がある。
このため、走査光L1が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L1が入射する画素Qの傾斜角度を角度δだけ小さくするように補正される必要がある。また、走査光L2が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L2が入射する画素Qの傾斜角度を角度εだけ大きくするように補正され、走査光L3が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L3が入射する画素Qの傾斜角度を角度ζだけ小さくするように補正される必要がある。
上述のような各補正電圧が各対応スポット電極22と共通電極24を介し各対応圧電部位23aに印加されると、当該各対応圧電部位23aの板厚が制御される。このため、共通電極24の形状が各画素対応圧電部位23aの板厚制御にあわせて制御され、反射層25の各画素Qの傾斜が各反射走査光R1、R2及びR3の反射方向を各反射走査光R11、R22及びR33の反射方向に一致させるように制御される。このことは、左側反射鏡20の形状が標準形状から目標形状に補正されることを意味する。
従って、左眼Iの瞳孔Iaの決定中心位置が上述のように上記標準中心位置から矢印Ara方向にずれていても、リレー光学系230から順次出射される走査光は、左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて当該瞳孔Iaに適正に入射する。このような走査光の入射によって当該左眼Iの網膜には、2次元画像が適正に表示され得る。その結果、上述のように眼鏡Aを装着した観察者は、その瞳孔の中心位置の上記標準通信位置の直後方向方へのずれにもかかわらず、左眼Iにて、上記映像信号の2次元画像を適正に視認することができる。
また、上述のように眼鏡Aを装着した観察者の左眼Iの瞳孔Iaが、図10にて示すように、図8にて示す左眼Iの瞳孔Iaの右方向(図10にて図示矢印Arb方向)にずれて位置する場合には、ステップ174における瞳孔Iaの決定中心位置が上記標準中心位置よりも矢印Arb方向にずれる。このため、瞳孔の位置のずれありとして、ステップ175においてYESと判定される。
これに伴い、ステップ176において、左側反射鏡20の形状補正処理が次のようになされる。上述のように瞳孔Iaの決定中心位置が上記標準中心位置よりも矢印Arb方向にずれている場合において、リレー光学系230から順次出射される走査光が左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて瞳孔Iaに適正に入射するための条件を図10を例にとって説明する。
左側反射鏡20による各入射走査光L1、L2及びL3に対する反射方向は、各反射走査光R1、R2及びR3の進行方向から、図10にて破線で示す各反射走査光R111、R222及びR333の進行方向に補正される必要がある。
つまり、反射走査光R111の進行方向は、反射走査光R1の進行方向よりも時計方向へ角度αaだけ補正される必要がある。また、反射走査光R222の進行方向は、反射走査光R2の進行方向よりも時計方向へ角度βaだけ補正され、反射走査光R333の進行方向は、反射走査光R3の進行方向よりも時計方向へ角度γaだけ補正される必要がある。ここで、各角度αa、βa及びγaは、瞳孔Iaと左側反射鏡20の各対応画素Qとの間の幾何学的位置関係を前提とした瞳孔Iaの決定中心位置の上記標準中心位置からの各右方へのずれ長さに対応する。
従って、左側反射鏡20の各対応画素Qの傾斜角度が、上記各角度αa、βa及びγaに対応して補正される必要がある。例えば、走査光L1が入射する画素Qの傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図10にて図示時計方向へ角度δaだけ小さくなるように補正される必要がある。また、走査光L2が入射する画素Qの傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図10にて図示時計方向へ角度εaだけ大きくなるように補正され、走査光L3が入射する画素の傾斜角度は、図8にて示す傾斜角度よりも図10にて図示反時計方向へ角度ζaだけ大きくなるように補正される必要がある。
このため、走査光L1が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L1が入射する画素Qの傾斜角度を角度δaだけ小さくするように補正される必要がある。また、走査光L2が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L2が入射する画素Qの傾斜角度を角度εaだけ大きくするように補正され、また、走査光L3が入射する画素Qを中心とする4つの正方形領域25aに対応する各圧電部位23aへの印加電圧が、走査光L3が入射する画素Qの傾斜角度を角度ζaだけ大きくするように補正される必要がある。
上述のような各補正電圧が各対応スポット電極22と共通電極24を介し各対応圧電部位23aに印加されると、当該各対応圧電部位23aの板厚が制御される。このため、共通電極24の形状が各画素対応圧電部位23aの板厚制御にあわせて制御され、反射層25の各画素Qの傾斜が各反射走査光R1、R2及びR3の反射方向を各反射走査光R111、R222及びR333の反射方向に一致させるように制御される。このことは、左側反射鏡20の形状が上記標準形状から目標形状に補正されることを意味する。
従って、左眼Iの瞳孔Iaの決定中心位置が上述のように上記標準中心位置から右方へずれていても、リレー光学系230から順次出射される走査光は、左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて当該瞳孔Iaに適正に入射する。このような走査光の入射によって当該左眼Iの網膜には、2次元画像が適正に表示され得る。その結果、上述のように眼鏡Aを装着した観察者は、その瞳孔の中心位置の上記標準通信位置の右方へのずれにもかかわらず、左眼Iにて、上記映像信号の2次元画像を適正に視認することができる。
また、左眼Iの瞳孔Iaの決定中心位置が、上述した当該標準中心位置の右方へのずれとは図10にて図示左方にずれている場合においても、各画素Qの傾斜を、上述した瞳孔Iaの上記標準中心位置の右方へのずれの場合の各画素Qの傾斜補正方向とは逆方向に補正することで、瞳孔Iaへの走査光の入射方向を適正に制御し得る。
また、上述したように、反射鏡20において基板21、複数のスポット電極22、圧電体23、共通電極24及び反射層25は共に透明であることから、当該反射鏡20を通してその前方の景色を視認しつつ、上記映像信号の2次元画像を適正に視認することができる。
また、上述したように、映像信号処理回路40からの映像同期信号に同期して、反射鏡20の形状補正処理がなされるので、反射層25の標準形状から目標形状への形状補正が上記映像信号の各フレームにそれぞれ同期してなされる。従って、瞳孔Iaへの走査光の入射方向をより一層精度よく制御し得る。
また、上述したように、タイマー140が上記所定計時時間の計時を終了する毎に、瞳孔中心位置の標準中心位置からのずれに基づき反射鏡20がその標準形状から目標形状に形状補正される。従って、瞳孔中心位置の標準中心位置からのずれがあっても、上記所定計時時間の経過毎に、反射鏡20の形状が適正にかつ自動的に補正され、上述した映像信号の2次元画像の結像表示が常に確保され得る。
また、上述したように、操作スイッチ130がオン操作される毎に、瞳孔中心位置の標準中心位置からのずれに基づき反射鏡20がその標準形状から目標形状に補正される。従って、瞳孔中心位置の標準中心位置からのずれがあっても、操作スイッチ130をオン操作することで、反射鏡20の形状が適正にかつ自動的に補正され、上述した映像信号の2次元画像の結像表示が常に確保され得る。
(第2実施形態)
図11は、本発明に係る眼鏡型画像表示装置の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた制御回路160のマイクロコンピュータ160aは、図7のフローチャートに代えて、図11にて示すフローチャートに従い上記コンピュータプログラムを実行するように変更されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、眼鏡Aが上述した観察者の顔に装着されるとともに当該画像表示装置が作動状態におかれるものとする。なお、以下、上記第1実施形態に述べたと同様に、左側反射鏡20、左側装置本体B及び左側光走査ユニットCの各作動を例にとり説明する。
左側装置本体Bの制御ユニットBbにおいて、マイクロコンピュータ160aが、図111のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。また、タイマー140が上記所定計時時間の計時を繰り返し開始し、当該所定計時時間の計時の終了毎にトリガー信号を発生する。
現段階にて、タイマー140がトリガー信号を発生しておらず、かつ、操作スイッチ130が操作信号を発生していなければ、両ステップ171、172において順次NOと判定される。
然る後、タイマー140がトリガー信号を発生するか、或いは操作スイッチ130が操作信号を発生すると、ステップ171にてYESと判定されるか、或いはステップ171におけるNOとの判定後ステップ172においてYESと判定される。これに伴い、上記第1実施形態と同様にステップ173での発光素子駆動処理において、左側視線センサ150の発光素子150aが発光駆動されて赤外線を左眼Iに向けて出射する。このため、左眼Iは、その入射赤外光を反射して受光素子150bに入射する。これに伴い、当該受光素子150bは、その入射光を検出し、瞳孔Iaの2次元画像を表す受光信号としてマイクロコンピュータ160aに出力する。
ステップ173における処理後、ステップ174において、上記第1実施形態と同様に瞳孔Iaの中心位置が受光素子150bからの受光信号に基づき決定される。このような決定に伴い、次のステップ178において、左側反射鏡20の形状制御処理が所定の制御テーブルに基づきなされる。この形状制御処理にあたり、上記制御テーブルを導入する根拠について説明する。
当該制御テーブルは、上記第1実施形態にて述べた標準テーブルのように瞳孔の標準中心位置を対象とするのではなく、左眼の瞳孔の任意の中心位置(以下、任意中心位置ともいう)を対象とする。
左眼の瞳孔が上記任意中心位置にある場合において上記映像信号の2次元画像を左眼の網膜に適正に結像表示させるためには、左側反射鏡20の反射層25に入射するリレー光学系230からの走査光が当該反射層25により反射されて左眼の瞳孔に適正に入射されるように、反射層25においてリレー光学系230からの走査光が順次入射する各画素Qの傾斜が制御される必要がある。
従って、具体的には、次のような条件を満たす所定の一般的光学条件の成立が必要とされる。
(1)左眼の瞳孔の中心位置が反射面25aの位置との間の関係において上記任意中心位置にあること。
(2)各画素Q、左眼の瞳孔の上記任意中心位置及び光学リレー230からの各画素Qへの走査光の入射方向(平面状態にある反射面25aに対する走査光の入射角度)の間の幾何学的関係が、リレー光学系230から各画素Qへの入射走査光を当該各画素Qにより順次反射して左眼Iの網膜に2次元画像として適正に結像表示させるような関係にあること。
換言すれば、上記第1実施形態にて述べた標準電圧−標準板厚関係(以下、第1標準電圧−標準板厚関係ともいう)が、左眼の瞳孔の上記任意中心位置を前提とする上記幾何学的関係を満たすように変更された関係(以下、第2標準電圧−標準板厚関係ともいう)であること。
以上のような上記制御テーブルの導入根拠のもと、本第2実施形態では、当該制御テーブルは、上記一般的光学条件を満たすように、上記第2標準電圧−標準板厚関係を表すデータでもって設定されて、上記標準テーブルに代えて、マイクロコンピュータ60aのROMに読み出し可能に予め記憶されている。
しかして、上記形状制御処理においては、左側反射鏡20の複数のスポット電極22のうちの各画素対応スポット電極22と共通電極24との間に印加すべき各標準電圧は、定電圧電源160bからの定電圧に基づき、上記制御テーブルを用いて決定される。
このように決定される各標準電圧は、マイクロコンピュータ160aにより、上記第1実施形態と同様に、左側反射層25の各画素対応スポット電極22と共通電極24との間を介し各画素対応圧電部位23aに印加される。これにより、各画素対応圧電部位23aの板厚が各標準板厚に制御される。その結果、共通電極24の形状が各画素対応圧電部位23aの標準板厚への制御にあわせて制御され、反射層25の各画素Qが上記一般的光学条件を満たすようにそれぞれ傾斜制御される。このことは、左側反射鏡20の形状が、上記第1実施形態とは異なり、直接、目標形状に制御されることを意味する。
従って、上述のように眼鏡Aを装着した観察者の顔において、左眼Iの瞳孔Iaの中心位置が上記任意中心位置にある場合にも、リレー光学系230から順次出射される走査光は、左側反射鏡20の各画素Qにより順次反射されて当該瞳孔Iaに適正に入射する。このような走査光の入射によって当該左眼Iの網膜には、2次元画像が適正に表示され得る。その結果、左眼Iの瞳孔の中心位置が上記任意中心位置にあっても、上述のように眼鏡Aを装着した観察者は、左眼Iにて、上記映像信号の2次元画像を適正に視認することができる。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態のように左側反射鏡20の標準形状設定処理を行った後に当該反射鏡の形状補正処理を行うのではなく、上述のように左眼の瞳孔の任意中心位置を前提とする当該反射鏡の形状制御処理を直接行う。従って、当該反射鏡の形状制御処理が、上記第1実施形態に比べて、より一層簡単になされ得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と実質的に同様である。
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態の要部を示している。この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた左右両側反射鏡20に代えて、左右両側反射鏡20Aが、図12にて例示するごとく、採用されている。
ここで、左右両側反射鏡20Aは、共に、同一の構成を有するから、左側反射鏡20Aを例にとりその構成を図12を参照して説明する。左側反射鏡20Aは、上記第1実施形態にて述べた左側反射鏡20において、複数のスポット電極22に代えて、複数のスポット電極26を採用した構成となっている。
当該複数のスポット電極26は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた左側反射鏡20のスポット電極22よりも小さな外径を有する円板状電極でもって構成されている。
しかして、本第3実施形態では、複数のスポット電極26は、その各板厚方向端面にて、図12にて例示するごとく、反射層25の反射面25aの各正方形領域25b(上記第1実施形態において複数の二点鎖線Lにより格子状に区画された各領域)内並びに複数の二点鎖線L及びその各交差点P(各格子点P)に対応するように圧電体23と基板21との間に挟持されている。
ここで、複数のスポット電極26のうち所定数(本第2実施形態では4つ)毎のスポット電極26が、その各板厚方向端面にて、反射層25の反射面25aの各正方形領域25b内に対応している。また、複数のスポット電極26のうちすべての所定数のスポット電極26を除く残りのスポット電極26が、上記所定数のスポット電極26毎に、当該所定数のスポット電極26を囲うように、8個ずつ、上記各正方形領域25bの4辺(上記複数の二点鎖線Lで区画される各領域の4辺)に対応して配設され、4個ずつ、上記各正方形領域25bの4隅(上記各交差点P)に対応して配設されている。
このような複数のスポット電極26の配設によれば、上記第1実施形態にて述べた画素Q毎に、一画素Qは、交差点Pに対応するスポット電極26及びこのスポット電極26を中心とする複数(例えば4つ)のスポット電極26に対応する位置にある。また、上記各所定数のスポット電極26は、上記第1実施形態にて述べた各スポット電極22に対応する位置にある。本第3実施形態のその他の構成は、上記第1或いは第2の実施形態と同様である。
このように構成した本第3実施形態においては、各画素電圧が、画素Q毎に一画素Qに対応する各スポット電極26と共通電極24との間に印加されるとともに、各標準電圧が、上記所定数のスポット電極26毎に一所定数のスポット電極26に対応する各スポット電極26と共通電極24との間にそれぞれ印加される。ここで、本第3実施形態では、上記各画素電圧及び各標準電圧は、上記標準的光学条件或いは上記一般的光学条件を満たし、かつ、各画素Qへの入射走査光に対する当該各画素Qの反射走査光の波面をきれいにするように決定されている。ここで、上述の「反射走査光の波面をきれいにする」とは、例えば、反射走査光の波面を球面或いは平面にすることをいう。
従って、本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた反射鏡の標準形状設定処理で設定される反射鏡20に上記第1実施形態にて述べた反射鏡の標準形状への設定に伴う作用効果を達成しつつ、各画素Qの反射走査光の波面を上述と同様にきれいにして、光収差を効果的に低減し得る。また、上記第1実施形態にて述べた反射鏡の標準形状設定処理後の形状補正処理において、上記各画素電圧及び各標準電圧が、各画素Qの反射走査光の波面を上述と同様にきれいにするように、瞳孔Iaの中心位置の上記標準中心位置からのずれにあわせて上記第1実施形態と同様に補正される。このように補正された反射鏡20によれば、当該補正後においても、上記第1実施形態にて述べた補正後の作用効果を達成しつつ、各画素Qの反射走査光の波面を上述と同様にきれいにして、光収差を効果的に低減し得る。
また、本第3実施形態では、上記第2実施形態にて述べた反射鏡の形状制御処理のもとに形状制御される反射鏡20によれば、上記第2実施形態にて述べた作用効果を達成しつつ、各画素Qの反射走査光の波面を上述と同様にきれいにして、光収差を効果的に低減し得る。
(第4実施形態)
図13は、本発明の第4実施形態の要部を示している。この第4実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた左右両側反射鏡20に代えて、左右両側反射鏡20Bが、図13にて例示するごとく、採用されている。
ここで、左右両側反射鏡20Bは、共に、同一の構成を有するから、左側反射鏡20Bを例にとりその構成を図13を参照して説明する。左側反射鏡20Bは、上記第1実施形態にて述べた左側反射鏡20において、複数のスポット電極22及び共通電極24に代えて、複数の直線状電極22a及び複数の直線状電極24aを採用した構成となっている。
複数の直線状電極22aは、上記第1実施形態にて述べたX方向に沿い、基板21の表面に沿い互いに間隔をおいて平行に配設されて、当該基板21と圧電体23との間に挟持されている。
また、複数の直線状電極24aは、上記第1実施形態にて述べたY方向に沿い、圧電体23の表面に互いに間隔をおいて平行に配設されて、当該圧電体23と反射層25の間に挟持されている。換言すれば、当該複数の直線状電極24aは、圧電体23を介し、複数の直線状電極22aとの間においてX方向及びY方向に直交して対向するように配設されている。
ここで、複数の直線状電極22aの複数の直線状電極24aとの間にて形成される複数の直交部の各々が、上記第1実施形態にて述べた反射層25の各正方形領域25bに対応する。本第4実施形態のその他の構成は、上記第1或いは第2の実施形態と同様である。
このように構成した本第4実施形態においては、上記第1或いは第2の実施形態にて述べた標準電圧毎に、リレー光学系230から反射面25aへの走査光の入射部位(即ち、走査光の入射画素Q)に対応する両電極22a、24a間に印加される。これに伴い、上記標準電圧毎に、上記両電極22a、24aの直交部を介しこれに対応する圧電体23の圧電部位23aに印加されることとなる。
これにより、上記入射画素Qが上記第1或いは第2の実施形態と同様に傾斜制御され、その結果、当該第1或いは第2の実施形態と実質的に同様の作用効果が達成され得る。ここで、複数の電極24aのうち各両電極24aの間は空間部であって上述のような標準電圧の印加でもって形状変化することはない。従って、上記作用効果は、電極24aの上記直交部に対する対応部の変位のみでもって達成され得る。
なお、本第4実施形態において、直線状電極22a、24aの各数が多い程、反射面25aの形状をより一層精密に変えることができる。
(第5実施形態)
図14は、本発明の第5実施形態の要部を示している。この第5実施形態では、左右両側反射鏡20C(図14では左側反射鏡20Cのみを示す)が、上記第1実施形態にて述べた左右両側反射鏡20に代えて、採用されるとともに、上記第1実施形態にて述べた左右両側走査ユニットCの各リレー光学系230は、廃止されている。
上述した左右両側反射鏡20Cは、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた眼鏡Aの枠体10aの左右両側環状部11に、上記第1実施形態にて述べた左右両側反射鏡20と同様に、はめ込まれている。ここで、左右両側反射鏡20Cは、共に同一の構成を有するから、左側反射鏡20Cを例にとりその構成につき説明する。
左側反射鏡20Cは、上記第1実施形態にて述べた左側反射鏡20(図3参照)において、反射層25に代えて、反射層27を採用した構成となっている。当該反射層27は、上記第1実施形態にて述べた左側反射鏡20の反射面25aに対応する反射面27aを有するように、上記第1実施形態にて述べた反射層25と同様の形成材料でもって、形成されている。なお、図14において、符号28は、左側反射鏡20Cにおける複数の一側電極22、圧電体23及び他側電極24(上記第1実施形態参照)を示す。
ここで、反射面27aは、回転楕円面の一部で構成されている。一般に、上記回転楕円面は、両焦点F1、F2を有する楕円を回転軸Ld(図14参照)のまわりに回転させて得られる。ここで、両焦点F1、F2は、図14にて示すごとく、回転軸Ld上に間隔をおいて位置する。これにより、当該回転楕円面は焦点F1から出射する光を反射して焦点F2に入射させるという性質を有する。
そこで、本第5実施形態では、上記第1実施形態にて述べた左側光走査ユニットCにおける垂直走査機構220が、その反射板221の中央部にて、上記回転楕円面の回転軸Ld上において、焦点F1に位置するように配置されている。また、観察者が眼鏡Aをかけたとき、左眼Iがその瞳孔Iaの中央部にて焦点F2に位置するように、左側反射鏡20Cは、枠体10aの左側環状部11にはめ込まれている。ここで、左側反射鏡20Cの各圧電体23に対し電圧印加されていないときの左側反射鏡20Cの形状が、上記第1実施形態にて述べた標準形状(圧電体23に電圧を印加しない場合の形状であってもよい)に相当する。従って、このときの反射面27aの面形状が標準楕円面形状に相当する。
また、観察者の左眼Iの瞳孔の位置が焦点F2からずれたとき、反射層27は、その反射面27aにて、上記第1実施形態にて述べたと同様に、圧電体23の各圧電部位23aの板厚の変化に伴い、部分的に傾斜するように制御されて、反射面27aへの入射走査光を、焦点F2からずれて位置する左眼Iの瞳孔に入射させるように形状変形する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第5実施形態では、上述のように、上記回転楕円面の性質を有効に利用した左右両側反射鏡20Cを採用した。このため、観察者の左右両眼がその瞳孔の中央部にて各焦点F2にあるとき、左右両側反射鏡20Cへの電圧印加なしで、当該左右両側反射鏡20Cにおいて両反射層27は共に標準形状に維持される。
従って、例えば、左側反射鏡20Cを例にとれば、左側垂直走査ユニットCの垂直走査機構220がその反射板221にて反射する垂直走査光は、左側反射鏡20Cの反射面27aに入射した後この反射面27aにより反射されて焦点F2に位置する左眼Iの瞳孔に入射する。
また、当該左眼Iの瞳孔が、その中央部にて、焦点F2よりもずれて位置する場合には、反射層27は、その反射面27aにて、上記第1実施形態にて述べたと同様に、圧電体23の各圧電部位23aの板厚の変化に伴い、部分的に傾斜するように制御されて形状変形する。このことは、上述した回転楕円面が、左眼Iの瞳孔の新たな位置(焦点F2からずれた位置)と反射板221の中央部の位置(焦点F1の位置)をそれぞれ新たな焦点とする楕円を回転軸Ldのまわりに回転させて得られる回転楕円面に再構成されることを意味する。
従って、反射面27aにより反射される垂直走査光は、上述のように形状変形した反射層27の反射面27aにより反射されて、焦点F2からずれて位置する左眼Iの瞳孔に入射する。
これにより、本第5実施形態のように、左右両側反射鏡20Cが、それぞれ、上記回転楕円面を反射面27aとして利用する反射層27を有することで、上述のように、反射面27aへの垂直走査光の入射位置とはかかわりなく、反射層27の形状、即ち、反射面27aの形状が瞳孔の位置のずれに応じて、決まる。
その結果、上記第1実施形態にて述べた複数のスポット電極22のうち反射面27aのうち垂直走査光が入射しない部位に対応するスポット電極を廃止しつつ、リレー光学系230に依存することなく、上記第1実施形態にて述べたと実質的に同様の作用効果が達成され得る。
また、本第5実施形態において、スポット電極22の数が多い程、反射面27aの回転楕円面の一部としての形状がより一層正確に形成され得る。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次の種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態にて述べた眼鏡型画像表示装置に限らず、双眼鏡型或いは顕微鏡型画像表示装置に本発明を適用してもよい。例えば、双眼鏡型或いは顕微鏡型の画像表示装置において、双眼鏡或いは顕微鏡の接眼レンズの外側直後に上記反射鏡を配設して、当該接眼レンズからの2次元画像を眼の瞳孔に適正に入射させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態にて述べた眼鏡型画像表示装置に限らず、プロジェクター型画像表示装置に本発明を適用してもよい。例えば、プロジェクターの最終段の反射ミラーとして上記各実施形態にて述べた反射ミラーを適用し、当該プロジェクターからの投影像を歪みのない像にするようにしてもよい。
(2)また、上記各実施形態にて述べた反射鏡の反射層として、特定波長(例えば、赤色、青色及び緑色の光の波長)のみを反射するダイクロイックミラーを採用してもよい。これによれば、上記各実施形態において映像信号の2次元画像を形成する光の波長のみが観察者の眼の瞳孔に向けて反射されるので、上記2次元画像のカラー表示がより一層良好になされる。
(3)上記第1実施形態にて述べた左右両側反射鏡20の構成を次のように変更してもよい。左側反射鏡20を例にとれば、複数のスポット電極22が、それぞれ、上記第1実施形態とは異なり、その中心にて、反射層25の反射面25a上の各両二点鎖線Lの交差点に位置するように圧電体23と基板21との間に挟持されるように変更してもよい。
(4)上記各実施形態に述べた左右両側反射鏡の各構成部材は、不透明材料で形成されていてもよい。
(5)反射層25をアルミニウム等の導電性反射材料でもって形成し、圧電体23を介し複数のスポット電極22に対向するように圧電体23に沿い設けてもよい。これによれば、アルミニウム層からなる反射層が共通電極24としての役割を果たすこととなり、共通電極24が廃止され得る。
(6)反射層25を透明のダイクロイックミラーで構成すれば、この反射層で走査光のうち特定波長の光部分を反射することで、当該反射層を通してその前方の景色を視認しつつ、眼の網膜に結像する2次元画像を良好に表示し得る。
(7)上記第5実施形態にて述べた左右両側反射鏡20Cにおいて、各反射鏡部20Dの反射層27が、上記反射面27aに代えて、上記回転楕円面を形成するフレネル反射面を有するように構成されてもよい。
この場合、上記第5実施形態に述べたと同様に瞳孔が焦点F2から位置ずれしていても、フレネル反射面が、その複数のフレネル反射面部にて、上記第1実施形態にて述べたと同様に、圧電体23の各圧電部位23aの板厚の変化に伴い、傾斜するように制御されて形状変形する。従って、垂直走査光は、上述のように形状変形したフレネル反射面により反射されて、焦点F2からずれて位置する瞳孔に入射する。
このように、フレネル反射面が、上記第5実施形態にて述べた反射面27aと同様の役割を果たすため、上記第5実施形態にて述べたと同様の作用効果が達成され得る。
(8)上述した標準電圧及び標準板厚は、圧電体23に電圧を印加しない状態における電圧(=0(V))及び圧電体23の圧電部位の板厚をも含むようにしてもよい。
(9)上記第1〜第4の各実施形態にて述べた画像光は、走査することなく、非走査光として左右両側の反射鏡に入射させるようにしてもよい。これに伴い、左右両側光走査ユニットCは不要となる。
本発明に係る眼鏡型画像表示装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1の左側装置ユニット及び左側光走査ユニットを眼鏡の左側反射鏡及び左眼との関係において示す詳細ブロック図である。 図1の左側反射鏡の部分拡大断面図である。 図1の左側反射鏡をその反射層側からみた部分破断図である。 図1の左側反射鏡の拡大分解斜視図である。 図2の左側視線センサの眼鏡の枠体との間の配設関係を示す拡大部分断面図である。 図2のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。 左眼の瞳孔の中心位置が左側反射鏡との間の関係において標準中心位置にある場合の左側反射鏡及び左眼の瞳孔との間の走査光の光学的経路を例示する左側反射鏡の部分拡大断面図である。 左眼の瞳孔の中心位置が図8の標準中心位置の直ぐ後方にずれている場合の左側反射鏡及び左眼の瞳孔との間の走査光の光学的経路を例示する左側反射鏡の部分拡大断面図である。 左眼の瞳孔の中心位置が図8の標準中心位置の右方にずれている場合の左側反射鏡及び左眼の瞳孔との間の走査光の光学的経路を例示する左側反射鏡の部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の要部を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態において左側反射鏡をその反射層側からみた部分破断図である。 本発明の第4実施形態における左側反射鏡の分解拡大斜視図である。 本発明の第5実施形態における左側反射鏡の側面図である。
符号の説明
B…装置本体、Ba…光源ユニット、Bb…制御ユニット、C…光走査ユニット、
F1、F2…焦点、I…眼、Ia…瞳孔、Ld…回転軸、Q…画素、
20、20A、20B、20C…反射鏡、21…基板、22、26…スポット電極、
22a、24a…直線状電極、23…圧電体、24…共通電極、25、27…反射層、
25a…反射面、28…複数の一側電極、圧電体、他側電極、130…操作スイッチ、
140…タイマー、150…視線センサ、160a…マイクロコンピュータ、
160b…定電圧電源。

Claims (15)

  1. 2次元画像に対応する画像光を出射する画像光出射手段と、
    この画像光出射手段から出射される前記画像光を観察者の眼の瞳孔に向けて反射する反射面を有してなる反射手段とを備えて、
    前記反射面にて反射した画像光が前記瞳孔に入射して前記眼の網膜に結像することで前記2次元画像を表示するようにした画像表示装置において、
    前記反射手段は、前記瞳孔の位置及び前記画像光の前記反射面への入射位置に応じて前記画像光を前記瞳孔に入射させるように前記反射面を変形させる変形部材を具備するようにしたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記瞳孔の位置を検出する瞳孔位置検出手段と、
    前記画像光の前記反射面への入射位置及び前記瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置に応じて前記変形部材の変形を制御する制御手段とを備え、
    前記反射手段は、
    前記反射面を有する反射層を備えて、
    前記変形部材でもって、前記反射層に対し前記反射面とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記反射手段は、前記変形部材に対し前記反射層とは反対側に設けた基板を備えており、
    前記変形部材は、前記基板を基準として圧電変形する板状圧電体と、この圧電体を挟んで互いに対向するように前記基板と前記反射層との間に介装される両電極とを有し、当該両電極の一方を、前記圧電体の圧電変形に伴い前記反射層を変形させる形状に構成して、
    前記制御手段は、
    電圧発生手段と、前記瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置及び前記画像光を構成する各光線の前記反射層への入射位置に応じて、前記反射面を、この反射面で反射した画像光を前記瞳孔に入射させる形状に変形させるように前記電圧発生手段から生ずる電圧を調整する電圧調整手段とを備えて、
    この電圧調整手段で調整した電圧を、前記両電極を介し前記圧電体に印加して当該圧電体を圧電変形させることで、前記制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記電圧調整手段は、
    前記反射面を標準形状とする標準電圧を前記電圧発生手段に設定する標準電圧設定手段と、
    前記瞳孔位置検出手段で検出した瞳孔位置と、前記反射面によりその標準形状にて反射された画像光が入射される前記瞳孔の標準位置とのずれに基づき、前記反射面を、前記標準形状から前記画像光を前記瞳孔に入射させる目標形状に変形するように、前記標準電圧を補正する標準電圧補正手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記画像光出射手段は、前記画像光に基づき波長を互いに異にする光束を出射する複数の光源と、この複数の光源から出射された複数の光束を合成する合成手段と、この合成手段により合成された光束を2次元に走査する走査手段とを備えて、
    前記反射層は、前記複数の光源から出射される波長の光束を反射し、他の波長の光束を透過するダイクロイックミラーでもって構成され、
    前記両電極は、可視光に対し透光性の高い導電性物質でもって形成され、
    前記圧電体は、可視光に対し透光性の高い圧電体でもって構成され、
    前記基板は可視光に対し透光性の高い基板でもって構成されることを特徴とする請求項3或いは4に記載の画像表示装置。
  6. 前記両電極の一方は、複数のスポット電極でもって構成されており、
    他方の電極は、前記圧電体を介し前記複数のスポット電極に対向し、前記複数のスポット電極に共通する共通電極でもって構成されており、
    前記制御手段は、前記複数のスポット電極へ前記電圧を印加することで、前記圧電体の前記各スポット電極に対する各電極対応部の圧電変形を制御するようにしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  7. 前記画像光出射手段は、前記画像光を2次元状に走査する走査手段を備えて、
    前記両電極の一方は、前記圧電体に沿い互いに平行に配設される複数の直線状電極でもって構成され、
    他方の電極は、前記圧電体を介し前記複数の直線状電極に対向し、かつ、当該複数の直線状電極に対し交差して位置するように配設される複数の直線状電極でもって構成されており、
    前記制御手段は、前記両複数の直線状電極を介し前記圧電体へ前記電圧を印加することで、前記圧電体の前記両複数の直線状電極の各交差部に対する各電極対応部の圧電変形を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  8. 計時手段を備えて、
    前記瞳孔位置検出手段は、前記計時手段による所定時間の計時毎に前記瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  9. 操作手段を備えて、
    前記瞳孔位置検出手段は、前記操作手段の操作に基づき前記瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  10. 前記画像光出射手段は、前記2次元画像に対応する一連のフレームからなる映像信号に基づいて、前記画像光を前記映像信号のフレーム毎に形成して出射するようになっており、
    前記瞳孔位置検出手段は、前記映像信号の各フレームに同期して前記瞳孔の位置検出を行うことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  11. 前記反射手段は、
    前記眼の瞳孔を配置する第1焦点及び前記画像光出射手段を配置する第2焦点を有する回転楕円面の一部でもって、前記反射面を形成してなり、
    前記変形部材でもって、前記瞳孔の位置の前記第1焦点からのずれに応じて前記画像光を前記瞳孔に入射させるように前記反射面を変形させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  12. 前記反射手段は、前記反射面にて、フレネル面形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
  13. 前記変形部材は、圧電変形する板状圧電体と、この圧電体を挟んで互いに対向するように介装される両電極とを有し、
    当該両電極のうち前記圧電体に対し前記反射面とは反対側に位置する電極は、複数のスポット電極でもって構成されていることを特徴とする請求項11或いは12に記載の画像表示装置。
  14. 2次元に走査される画像光を観察者の眼の瞳孔に向けて反射する画像表示装置用反射鏡において、
    前記画像光を前記瞳孔に向けて反射する反射面を設けてなる反射層と、
    この反射層に対して前記画像光の入射側とは反対側に設けられて前記反射層を変形させる変形部材とを備えることを特徴とする画像表示装置用反射鏡。
  15. 2次元画像に対応する画像光を出射し、
    前記画像光を反射面にて観察者の眼の瞳孔に向けて反射して、
    前記反射した画像光が前記眼の網膜に結像することで前記2次元画像として表示するようにした画像表示方法において、
    前記瞳孔の位置及び前記画像光の前記反射面への入射位置に応じて反射された画像光を前記瞳孔に入射させるように前記画像光の反射方向を制御するようにしたことを特徴とする画像表示方法。
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