JP2006036655A - Dfa含有刺激緩和剤 - Google Patents
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Abstract
皮膚、毛髪、粘膜、眼粘膜等への刺激を緩和するのに有効な刺激緩和剤および低刺激組成物を提供する。
【解決手段】
ダイフラクトース アンハイドライドを刺激緩和有効成分とする刺激緩和剤、皮膚外用剤、洗浄料、毛髪化粧料、眼科用液剤。
Description
この他にもアルコール類、増粘剤、色素、香料、油脂、植物抽出物等、刺激性を有する成分が化粧品等の皮膚外用剤には多く含まれる。そのための皮膚粘膜刺激緩和剤として、トレハロースモノ脂肪酸エステル(特許文献3:特開平10−45560号公報)等、アルコール刺激緩和剤として、フェニルエチル−α−グルコシド、フェニルエチル−β−グルコシドのようなグルコース誘導体(特許文献4:特開平8−283121号公報)等が知られている。
近年、環境の変化に伴い、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患者や、いわゆる敏感肌と感じる人が増加し、これらの人は皮膚が過敏になっているため、化粧品などにより発赤、かゆみといった刺激を感じることが多く、より低刺激な化粧品が求められる。したがって、そのような刺激を緩和する優れた成分を新たに提供することが求められている。
また、眼粘膜に対する安全性の高い眼科用液剤として特定のカチオンポリマーを含有する眼科用液剤(特許文献5:特開2001−163709号公報)、トロメタモール、ホウ酸等を含有し、水素イオン濃度を調整した眼科用組成物(特許文献6:特開2004−2364号公報)が開示されている。
(1)ダイフラクトース アンハイドライドを刺激緩和有効成分とする刺激緩和剤。
(2)(1)に記載の刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤。
(3)(1)に記載の刺激緩和剤を含有する洗浄料。
(4)(1)に記載の刺激緩和剤を含有する毛髪化粧料。
(5)(1)に記載の刺激緩和剤を含有する眼科用液剤。
ダイフラクトース アンハイドライドにより、優れた刺激緩和組成物が提供され、それを含む、低刺激の皮膚外用剤、洗浄料、毛髪化粧料、眼科用液剤、コンタクトレンズ用液剤を提供することができる。
本発明でいうダイフラクトース アンハイドライド(DFA)とは、2個のフラクトースの還元末端が、互いに一方の還元末端以外の水酸基に結合した環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAVと称される。本発明でいうDFAとは、それら全てをいうが、本発明では、もっぱら、工業的生産の効率、精製してからの安定性などが優れているDFAIII(di-D-fructofuranose-1,2’: 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di-D-fructofuranose-2,6’:6,2’dianhydride)が好ましく使用される。
グリセリン、フルクトース、DFAIIIについて、界面活性剤による刺激緩和作用を、以下の方法により評価した。培養ヒト表皮角化細胞に0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液もしくは各濃度のグリセリン、フルクトース、DFAIIIを添加した0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を作用させ、細胞生存量をMTT還元法により測定した。0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液単独を刺激の基準例とするものである。この0.005%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液にDFAIIIなどの剤を併用することにより、併用剤の刺激緩和作用を数値化して比較しようとするものである。
刺激緩和率(%)=(A−A0)/(A1−A0)×100
ただし、A1は処理前の細胞生存量である。A0はラウリル硫酸ナトリウム水溶液作用時の細胞生存量、Aはグリセリン、フルクトース、DFAIIIのいずれかを添加したラウリル硫酸ナトリウム水溶液作用時の細胞生存量で、作用時間は1時間である。グリセリン、フルクトース、DFAIIIの添加濃度(%)と刺激緩和率(%)の関係を表1に示す。
(ヒト表皮角化細胞)
グリセリン、DFAIIIについて、界面活性剤による刺激緩和作用を、以下の方法により評価した。
培養ウサギ角膜由来細胞(SIRC細胞)に0.03%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液単独を基準刺激とした。各濃度のグリセリン、DFAIIIを添加した0.03%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を作用させて刺激緩和作用を比較し、数値化使用とするものである。細胞生存量を実施例1と同様にMTT還元法により測定し、同様の式によって刺激緩和率を算出した。
(ウサギ角膜由来細胞)
下記の処方により、ローションを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)グリセリン 9.5
(2)1,3-ブチレングリコール 4.5
(3)DFAIII 1.5
(4)エタノール 5.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.02
(6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(8)クエン酸 0.05
(9)クエン酸ナトリウム 0.1
(10)水酸化カリウム 0.01
(11)イオン交換水 残余
[製法]室温下で、上記成分(11)に(1)〜(10)の成分を加え攪拌溶解し、均一に溶解してローションを得た。
[使用感] しっとり感が高く、肌への刺激がない。
下記の処方により、乳液を製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)スクワラン 6.0
(2)ホホバ油 3.0
(3)POE(20)セチルエーテル 0.5
(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0
(5)ステアリン酸 2.0
(6)ベヘニルアルコール 3.0
(7)パラオキシ安息香酸エチル 0.15
(8)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
(9)1,3−ブチレングリコール 7.0
(10)濃グリセリン 2.5
(11)DFAIII 3.0
(12)カルボキシメチルデキストランナトリウム 1.0
(13)カルボキシビニルポリマー 0.07
(14)L−アスパラギン酸 0.1
(15)水酸化カリウム 0.04
(16)精製水 残余
[製法]油相成分(1)〜(8)と水相成分(9)〜(16)をそれぞれ78〜85℃に加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、乳液とした。
[使用感] しっとり感が高く、肌への刺激がない。
下記の処方により、洗顔クリームを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)N−ラウロイルグルタミン酸カリウム 30.0
(2)1,3−ブチレングリコール 25.0
(3)ジグリセリン 5.0
(4)ポリエチレングリコール4000 15.0
(5)高重合ポリエチレングリコール 0.5
(平均分子量約70万)
(6)DFAIII 5.0
(7)イソステアリン酸デカグリセリル 3.0
(8)モノラウリン酸ジグリセリル 0.5
(9)精製水 残余
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
[製法]成分(1)〜(10)を混合、80℃以上で加熱溶解し、透明に溶解確認後、50℃まで撹拌冷却する。その後、成分(11)を加え、30℃まで撹拌冷却し、30℃下で10分間撹拌して均一化し、洗顔クリームを得た。
[使用感] しっとり感が高く、肌、眼粘膜への刺激が少ない。
下記の処方により、ヘアシャンプーを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)ラウロイル−L−グルタミン酸 40.0
トリエタノールアミン
(2)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 4.0
(3)ラウリルアミノジプロピオン酸 6.0
ナトリウム液
(4)ポリオキシエチレンセトステアリル 3.0
ヒドロキシミリスチレンエーテル
(5)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
(6)デキストラン塩化ヒドロキシプロピル 0.3
トリメチルアンモニウムエーテル
(7)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・ 0.3
アクリルアミド共重合体
(8)DFAIII 2.0
(9)1,3−ブチレングリコール 4.0
(10)1,2−ペンタンジオール 1.0
(11)水酸化カリウム 0.6
(12)精製水 残余
[製法] 成分(12)に成分(1)〜(11)を逐次投入混合し、ヘアシャンプーを得た。
[使用感] しっとり感が高く、頭皮、眼粘膜への刺激が少ない。
下記の処方により、ヘアトリートメントを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)セタノール 8.0
(2)吸着精製ラノリン 3.0
(3)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.0
(4)ジメチルステアリルアミン 2.0
(5)DFAIII 2.0
(6)リン酸 0.6
(7)精製水 残余
[製法]成分(1)〜(4)を85〜90℃まで加熱し溶解させたあと、80℃〜85℃に加熱した成分(5)〜(7)を加えて攪拌し、乳化した後冷却してヘアトリートメントを得た。
[使用感] しっとり感が高く、頭皮への刺激がない。
下記の処方により、サンスクリーンを製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)微粒子酸化チタン 5.0
(2)シリカ・酸化セリウム複合粒子 5.0
(3)微粒子酸化亜鉛 3.0
(4)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプン 5.0
エステルアルミニウム
(5)無水ケイ酸 3.0
(6)ポリグリセリン脂肪酸エステル 3.0
(7)ジメチルポリシロキサン(50cs) 10.0
(8)塩化ナトリウム 1.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)DFAIII 2.0
(11)精製水 残量
[製法]成分(6)、(7)を均一に混合し、さらに成分(1)〜(5)を添加して均一に混合する。これに、成分(8)〜(11)を均一に混合したものを添加し、乳化混合してサンスクリーンを得た。
[使用感] しっとり感が高く、皮膚への刺激がない。
下記の処方により、眼科用液剤を製造した。
成分名 配合量(質量%)
(1)DFAIII 0.5
(2)グリセリン 2.0
(3)ホウ酸 0.11
(4)ホウ砂 0.085
(5)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 0.05
(6)ポリビニルピロリドン 0.1
(7)精製滅菌水 残余
[製法]室温下で、上記成分(7)に(1)〜(6)の成分を加え攪拌溶解し、均一に溶解して眼科用液剤を得た。
[使用感] 眼粘膜への刺激がない。
Claims (5)
- ダイフラクトース アンハイドライドを刺激緩和有効成分とする刺激緩和剤。
- 請求項1に記載の刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤。
- 請求項1に記載の刺激緩和剤を含有する洗浄料。
- 請求項1に記載の刺激緩和剤を含有する毛髪化粧料。
- 請求項1に記載の刺激緩和剤を含有する眼科用液剤。
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JP2004215189A JP2006036655A (ja) | 2004-07-23 | 2004-07-23 | Dfa含有刺激緩和剤 |
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JP2010077079A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Sanei Kagaku Kk | 毛髪用トリートメント組成物 |
JP2012240961A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Milbon Co Ltd | 頭皮用化粧料組成物 |
JPWO2013141118A1 (ja) * | 2012-03-19 | 2015-08-03 | ライオン株式会社 | 液体洗浄剤組成物 |
CN108158983A (zh) * | 2018-01-17 | 2018-06-15 | 中山万汉制药有限公司 | 一种玻璃酸钠滴眼液及其制备方法 |
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2004
- 2004-07-23 JP JP2004215189A patent/JP2006036655A/ja not_active Withdrawn
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