JP2006036605A - 高純度水性シリカゾルの製造方法 - Google Patents

高純度水性シリカゾルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルカリ金属等の不純物が極めて少なく安定性に優れた水性シリカゾルを製造する。
【解決手段】 この高純度水性シリカゾルの製造方法は、珪酸アルカリを原料として調製された水性シリカゾルに酸を加えることにより、そのpHを0〜3.0の範囲に調整し、40〜300℃で加熱する工程(1)と、前記加熱後の水性シリカゾルに、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、更に強酸性陽イオン交換体を接触させる工程(2)とを含んでいる。
【選択図】 なし

Description

本発明は高純度の水性シリカゾルの製造方法に関するものであり、得られる水性シリカゾルの不純物含有量が低いため、特に、半導体基板、シリコンウェーハ表面の研磨粒子などの用途に好適である。
従来、例えば半導体の集積回路付基板の製造においては、シリコンウェーハ上に銅などの金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるので、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の金属部分を優先的に除去することが行われている。また、シリコンウェーハ上にアルミ配線を形成し、この上に絶縁膜としてシリカ等の酸化膜を設けると配線による凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化することが行われている。このような基板の研磨においては、研磨後の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等もなく平滑であることが求められており、また研磨速度が速いことも必要である。
さらに、半導体材料は電気・電子製品の小型化や高性能化に伴い高集積化が進展しているが、例えばトランジスタ分離層に不純物等が残存した場合、性能が発揮されなかったり、不具合の原因となることがある。特に研磨した半導体基板や酸化膜表面にアルカリ金属、中でもNaが付着すると、Naは拡散性が高く、酸化膜中の欠陥などに捕獲され、半導体基板に回路を形成しても絶縁不良を起こしたり、回路が短絡することがあり、また誘電率が低下することがあった。このため使用条件によって、或いは使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じることがあり、金属、アルカリ金属などの不純物を殆ど含まない研磨用粒子が求められている。
研磨用粒子としては、従来、シリカゾルやヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナなどが用いられている。
高純度の水性シリカゾルの製造方法として、不純物の少ないアルコキシシランを出発原料とする方法が知られており、特開平6−316407号公報(特許文献1)にはアルキルシリケートをアルカリ存在下で加水分解しながら、生成した珪酸を重合させて水性シリカゾルを得る方法が開示されている。また、特開2001−2411号公報(特許文献2)等には、アルコキシシランを酸性溶媒中で加水分解し、これによって生成した珪酸モノマーを塩基性溶媒中で重合させて水性シリカゾルを得る方法が開示されている。これらの方法では、得られる水性シリカゾルの安定性が不充分であったり、また、アルコキシ基(OR基)が残存して得られる粒子の密度が低く、研磨材に用いた場合に充分な研磨速度が得られないという問題がある。
他方、珪砂をアルカリ溶融したカレットを水に溶解させて得られる水硝子を出発原料とする方法においては、例えば、水ガラスを脱アルカリし、得られた珪酸液(珪酸モノマーを多く含む)を塩基性溶媒中で重合させることにより水性シリカゾルを得ることができる。
しかしながら、珪砂中には不純分としてAl、Ti、Fe、Mg、Caなどの金属が多く含まれるため、得られる水性シリカゾルにはこれらの金属イオン量と連動してアルカリ金属(通常Na)が多く残存し、半導体基板の研磨材として用いるには不向きな場合があった。
この様な水性シリカゾルは酸やキレート剤等で処理することによって、ある程度はAlやNaを低減することができるものの、半導体基板の研磨材としては純度が不十分であった。また、珪砂の代わりに高純度シリカ粉を用いることも行われているが、高純度シリカは高価であり、更にアルカリ溶融に時間がかかるなどの問題があった。
特開昭61−158810号公報(特許文献3)には、所定濃度のアルカリ珪酸塩水溶液を強酸型陽イオン交換体に接触させ、次に酸を加え、限外濾過を行い、更に陰イオン交換体および陽イオン交換体に接触させ、アンモニアを加え、続いて粒子成長させてなる方法が開示されている。
特開平5−85718号公報(特許文献4)には、(1)水ガラスの希釈水溶液を脱カチオンして活性珪酸の水溶液を得る工程、(2)該活性珪酸水溶液を強酸で処理する工程、(3)強酸処理後の活性珪酸水溶液を脱イオンして高純度の活性珪酸の水溶液を得る工程、(4)この水溶液にアルカリを加えて安定化活性珪酸水溶液を得る工程、(5)この水溶液を蒸発濃縮下、粒子成長させて平均粒子径が10〜30mμのシリカゾルを生成させる工程、(6)このシリカゾルをイオン交換樹脂に接触させる工程からなる高純度の水性シリカゾルの製造方法が開示されている。この方法では、活性珪酸の段階で、強酸を加えて、不純物の除去(リーチング)を行っているが、リーチング後、活性珪酸の安定性に問題があり、ゲル化を招き易かった。
特開平6−16414号公報(特許文献5)には、アルカリ金属ケイ酸塩や活性ケイ酸の水溶液に強酸又は強酸の塩を添加した溶液を調製する工程と、次にその溶液をイオン交換樹脂で処理する工程と、次に当該イオン交換によって得られた溶液に同様な工程から得られた当該溶液を添加することによってシリカゾルを調製する工程と、次に得られたシリカゾルをイオン交換樹脂で処理する工程と、更に得られたシリカゾルにアンモニアを添加する工程からなる高純度のシリカゾルの製造方法が開示されている。この製造方法においても前記特開平5−85718号公報と同様な問題がある。
特開2003−89786号公報(特許文献6)には、珪酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂とを接触させて、活性珪酸水溶液を調製した後、この活性珪酸水溶液とキレート樹脂とを接触させて金属不純物を除去し、更に必要に応じてキレート化剤や酸化剤を添加するなどし、続いて有機アルカリを使用してコロイド粒子を成長させ、限外濾過によりシリカを濃縮することにより提供されるシリカ当たりのアルカリ金属含有量が50ppm以下であって、且つシリカ当たりのCuまたはZnの含有量が、それぞれ100ppb又は1000ppb以下のコロイダルシリカについての記載がある。
特開2003−89786号公報記載の発明ではキレート型イオン交換樹脂及びキレート剤を金属イオンの捕捉剤として使用しているが、珪酸アルカリ水溶液から活性珪酸水溶液を調製するために、先ず強酸性型イオン交換樹脂に接触させ珪酸アルカリ中のアルカリ金属を除去し、その後にキレート樹脂と接触させることにより多価金属イオンを除去させねばならず、多段階のイオン交換となり製造効率が悪かった。また、キレート型イオン交換樹脂は3価のイオンに対する選択性が強く完全には再生し難く、再生する場合も多量の再生剤を必要とするという問題点があった。
さらに、キレート剤を添加して金属イオンを捕捉する場合は、残存するキレート剤及び金属イオンを捕捉したキレート剤を除去するために、限外濾過膜で繰り返し洗浄する必要があり、生産効率が悪いという問題点がある上に、繰り返し洗浄を行っても完全にはキレート剤を除去できず、残存したキレート剤が研磨特性に影響を及ぼす可能性があった。
特開平6−316407号公報 特開2001−2411号公報 特開昭61−158810号公報 特開平5−85718号公報 特開平6−16414号公報 特開2003−89786号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、アルカリ金属等の不純物が極めて少なく、また、安定性にも優れた水性シリカゾルの製造方法を提供するものである。
本発明は次の工程(1)と工程(2)を含んでなる高純度水性シリカゾルの製造方法に関するものである。
(1)珪酸アルカリを原料として調製された水性シリカゾルに酸を加えることにより、そのpHを0〜3.0の範囲に調整し、40〜300℃で加熱する工程。
(2)前記加熱後の水性シリカゾルに、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、更に強酸性陽イオン交換体を接触させる工程。
本発明製造方法の工程(1)の水性シリカゾルは、珪酸アルカリを原料として調製されたものであれば限定されるものではないが、次の(A)および(B)の工程を含む製造方法により調製された水性シリカゾルを使用した前記高純度水性シリカゾルの製造方法が好適である。
(A)固形分濃度1〜10重量%の珪酸アルカリ水溶液に強酸性陽イオン交換体を接触させ、酸性珪酸液を得る工程。
(B)該酸性珪酸液の一部にアルカリを添加し20〜98℃に加熱した後、該酸性珪酸液の残りを徐々に加えて、水性シリカゾルを得る工程。
また、前記製造方法においては、前記珪酸アルカリが珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムまたは第4級アンモニウムシリケートのいずれかである高純度水性シリカゾルの製造方法が好適である。
また、前記製造方法においては、前記酸が塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸または蟻酸のいずれかである高純度水性シリカゾルの製造方法が好適である。
本発明の高純度水性シリカゾル製造方法により、一旦生成させたシリカゾルから効率的にアルカリ金属等を除去することができる。
本発明は、珪酸アルカリを原料として調製された水性シリカゾルに酸を加え、pHを0〜3.0の範囲に調整し、40〜300℃で加熱した後、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、更に強酸性陽イオン交換体と接触させてなる高純度水性シリカゾルの製造方法に関するものである。以下、工程順に説明する。
工程(1)
本発明において、使用する水性シリカゾルは、珪酸アルカリを原料として調製されたものであれば格別限定されるものではない。水性シリカゾルの原料となる珪酸アルカリの種類としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、第4級アンモニウムシリケートなどが何れも使用可能であり、好適には1号水ガラス、2号水ガラス、3号水ガラス等の名称で市販されている珪酸ナトリウムが選ばれる。
珪酸アルカリの製造方法は、格別に限定されるものではなく、公知の製造方法を適用できる。このような製造方法として、例えば、特開平9−110416号公報に開示されるような珪酸アルカリガラスカレットを珪酸カルシウムアルカリよりなる種結晶の存在下に水に溶解して珪酸アルカリ水溶液を得た後、該珪酸アルカリ水溶液を濾過してなる珪酸アルカリ水溶液の製造方法、特開平6−171924号公報に開示されるような軟質珪石に水酸化アルカリ(AOH;A:アルカリ金属)水溶液を加えて、該珪石中のケイ酸分を溶解させることでA2O・nSiO2の組成を有するケイ酸アルカリ水溶液を製造するに際し、水溶液中に過酸化水素を添加して軟質珪石に由来する還元物質を酸化させることを特徴とするケイ酸アルカリ水溶液の製造方法などが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる高純度水性シリカゾルの純度を高める目的で、原料の珪酸アルカリを精製しても構わない。このような精製方法の例としては、特開2001−294420号公報に開示されているような珪酸アルカリ水溶液の粘度を予め1〜50mPa・sに調節し、これを分画分子量15000以下の限外濾過膜を通過させることにより、シリカ当たりのCuの含有率が200ppb以下であり、かつ1nm以上の大きさの粒子が実質的に存在しない珪酸アルカリ水溶液を得る精製方法などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、最初に前記水性シリカゾルに酸を加える。水性シリカゾルについては、通常は、限外濾過膜等を使用して、シリカ濃度を30重量%以下、好適には25重量%以下としたものを使用する。30重量%を超える場合にはシリカゾルの増粘やゲル化を生じる場合がある。シリカ濃度が著しく希薄な場合は、製造効率が低下する。酸の種類については、シリカ微粒子から陽イオンを溶出させる効果を考慮すると所謂強酸が用いられる。具体的には無機酸または有機酸が挙げられ、通常は、塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸、蟻酸等が選ばれる。なお、酸を水性シリカゾルに添加する際には、通常、酸の濃度が1〜20%の水溶液にして添加する。
酸の添加量については、水性シリカゾルのpHが0〜3.0の範囲になるように添加される。この範囲を外れた場合、シリカ微粒子から陽イオンを溶出させる効果が不十分となる。酸の添加により水性シリカゾルのpHが0〜3.0の範囲になった後に、40℃〜300℃で30分から2時間の加熱を行う。加熱温度がこの範囲を下回ると、シリカ微粒子からの陽イオン溶出効果が不十分になる。また、加熱温度がこの範囲を上回る場合も高純度水性シリカゾルの生産効率が低下する。
工程(2)
加熱が終了した水性シリカゾルに、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、更に強酸性陽イオン交換体を接触させて、溶出した不純物イオンを除去する。接触方法としては、例えば、陰イオン交換体または陽イオン交換体が充填されたカラム中に水性シリカゾルを通液させることにより行うことができ、水性シリカゾルについては、強塩基性陰イオン交換体および強酸性陽イオン交換体に接触させる前に純水を加えて固形分濃度を調整しても構わない。
前記強塩基性陰イオン交換体としては公知のものが使用でき、水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂、Cl型陰イオン交換樹脂などが挙げられる。
前記陰イオン交換体が充填されたカラムを通過した液は、通常、SiO2濃度0.5〜15重量%、好ましくは3〜10重量%で、pH8〜11のシリカゾルとして回収される。使用される強塩基性陰イオン交換体の量は、水性シリカゾルのpHを8〜11とするのに充分な量とすればよく、カラムを通過させる速度は1時間当たり1〜30程度の空間速度が好ましい。
前記強酸性陽イオン交換体も公知のものが使用され、例えば、水素型強酸性陽イオン交換樹脂、ジビニルベンゼンで架橋したスチレン系スルホン酸樹脂、ホルムアルデヒドで架橋したフェノールスルホン酸樹脂等が挙げられる。また、マクロポーラス型の樹脂を使用することも可能である。
前記陽イオン交換体が充填されたカラムを通過した液は、通常、SiO2濃度0.5〜15重量%、好ましくは3〜10重量%で、pH4〜9のシリカゾルとして回収される。使用される強酸性陽イオン交換体の量は、水性シリカゾルのpHを4〜9とするのに充分な量とすれば良く、カラムを通過させる速度は1時間当り1〜30程度の空間速度が好ましい。
本発明の製造方法で使用される水性シリカゾルは、前記の通り珪酸アルカリを原料として調製されるものであれば、格別限定されるものではない。好ましい製造方法としては、珪酸アルカリ水溶液を希釈して固形分濃度を1〜10重量%としたものに、強酸性陽イオン交換体を接触させて酸性珪酸液を調製し、該酸性珪酸液の一部、通常0.1〜90重量%にアルカリを添加し、20℃〜98℃で10分から2時間加熱し、更に酸性珪酸液の残りを徐々に添加することにより水性シリカゾルを得る方法を挙げることができる。ここで、酸性珪酸液を調製するのは、例えば水硝子はSiO2/Na2O比が1〜3であって水酸化ナトリウムを多量に含んでおり、シリカがナトリウムによって溶解された状態にあるので、ナトリウムを除去して重合を進めるために酸性珪酸液を経由させるためである。
また、この他の水性シリカゾルの製造方法としては、例えば、アルカリ金属水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に有機ケイ素化合物を加えてアルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液を得、該アルカリ金属珪酸塩水溶液および/または有機塩基珪酸水溶液からアルカリ金属カチオンおよび/または有機カチオンを除去して酸性珪酸液を調製し、該珪酸液を塩基性の水性溶媒または塩基性の核粒子分散液に加えて珪酸を重合させてなる製造方法(特開2003−128413号公報に記載)、珪酸アルカリ水溶液を限外濾過して、該溶液中に存在するコロイド状粒子を除去し、次いで、珪酸アルカリ水溶液をイオン交換樹脂で処理して精製されたシリカゾルを得る方法(特開昭60−42218号公報に記載)、珪酸アルカリ水溶液に電解質の存在下、珪酸アルカリ水溶液を添加して核粒子を成長させ、シリカゾルを製造する方法、および珪酸アルカリ水溶液(固形分濃度1〜10重量%)に強酸性陽イオン交換体を接触させ、酸性珪酸液を得て、次に該酸性珪酸液の一部にアルカリを添加し20〜98℃で加熱し、更に、該酸性珪酸液の残りを徐々に加えて、水性シリカゾルを得る方法(特開2003−26417号公報に記載)、陽極と陰極の間に、耐アルカリ性の陰イオン交換膜を有するバイポーラ膜と陽イオン交換膜を交互に並べて構成される電気透析槽を用い、該バイポーラ膜と陽イオン交換膜で構成される室(バイポーラ膜の陰極側室、酸室)にケイ酸アルカリ を、陽イオン交換膜と該バイポーラ膜で構成される室(バイポーラ膜の陽極側室、アルカリ室)に苛性アルカリ水溶液を、各々供給し、電気透析を行うことを特徴とするシリカゾル の製造方法(特開平7−803号公報に記載)などを挙げることができる。
本発明の製造方法によって得られる水性シリカゾルは、減圧蒸留、限外濾過法などの公知の方法により、分散媒としての水を有機溶媒に置換してオルガノゾルとすることも可能である。このような有機溶媒としては、アルコール類、グリコール類、エステル類、ケトン類、窒素化合物類、芳香族類などの溶媒を使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、などの有機溶媒を例示することができる。また、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどの高分子化合物を分散媒として用いることもできる。
また、コロイド粒子の表面を公知の方法により表面処理することにより、キシレン、トルエン、ジメチルエタンなどの低極性有機溶媒を分散媒とするゾルとすることもできる。このような表面処理剤としては、例えば、エトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムなどのアルコキシド化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、低分子または高分子界面活性剤、高級脂肪酸の金属塩、または、ナフテン酸の金属塩などの金属石鹸などが挙げられる。
更に、コロイド粒子の表面をシリカ、アルミナなどの無機化合物を用いて修飾することにより分散性、耐光性等に優れたゾルとすることも可能であり、このような処理方法としては公知の方法を採用することができる。また、本願出願人による特開平7−315832号公報に記載された方法、即ち、結晶性アルミナ微粒子が水に分散したアルカリ性アルミナゾルに重合性珪素化合物を添加して熟成する方法などを適用することができる。
珪酸ナトリウム水溶液(2号水ガラス、固形分7重量%)7,000gを限外モジュール(旭化成株式会社製、SIP−1013)に通液し濾水を回収して精製水ガラスを得た。得られた精製水ガラスに純水を添加し5%濃度に調整した。この希釈水ガラス6,500gを、2.2Lの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度3.1h-1で通液させ、酸性珪酸液6,650gを得た。得られた酸性珪酸液の固形分濃度は3.1%だった。この酸性珪酸液を純水で希釈して、固形分濃度3.0%に調製した。
上記3%濃度の酸性珪酸液221.3gに純水219.6gを混合した後、28%濃度のアンモニア水(関東化学株式会社製)158gを添加した。
この混合液を83℃で30分間加熱し、引き続き固形分濃度3%の酸性珪酸液5911gを18時間かけて添加した。添加終了後、加熱を1時間継続した。得られたゾル中のシリカ微粒子の平均粒子径は26nmであった。
得られたゾルを限外濾過膜でシリカ濃度が21%になるまで濃縮し、この濃縮したゾルに10%濃度の塩酸を攪拌しながら添加してpH=1.0に調整した。次いで、90℃で1時間加熱した後、純水を添加して固形分濃度5%に調整した。
上記ゾルを、500mlの強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SANUPC)に空間速度6.0h-1で通液し、陰イオンを除去した。シリカゾルの濃度は4.5重量%、pHは10.0だった。続いて、300mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度12h-1で通液させ、陽イオンを除去した。このときのシリカゾルの濃度は4.2重量%、pHは4.3だった。イオン交換したゾルをロータリーエバポレーターで20%濃度まで濃縮した。
得られたシリカ粒子の平均粒子径は26nm、不純物についてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、塩素、ニッケル、銅はいずれも1ppm以下であり、アルミニウムは43ppm、チタンは21ppmであった。
珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス、固形分7重量%)7,000gを限外モジュール(旭化成株式会社製、SIP−1013)に通液し濾水を回収して精製水ガラスを得た。得られた精製水ガラスに純水を添加し5%濃度に調整した。この希釈水ガラス6,500gを、2.2Lの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度3.1h-1で通液させ、酸性珪酸液6,650gを得た。得られた酸性珪酸液の固形分濃度は3.6%だった。この酸性珪酸液を純水で希釈して、固形分濃度3.0%に調製した。
上記3%濃度の酸性珪酸液221.3gに純水219.6gを混合した後、28%濃度のアンモニア水(関東化学株式会社製)158gを添加した。
この混合液を83℃で30分間加熱し、引き続き固形分濃度3%の酸性珪酸液5,911gを18時間かけて添加した。添加終了後、加熱を1時間継続した。得られたゾル中のシリカ微粒子の平均粒子径は27nmであった。
得られたゾルを限外濾過膜でシリカ濃度が21%になるまで濃縮し、この濃縮したゾルに10%濃度の塩酸を攪拌しながら添加してpH=1.0に調整した。次いで、90℃で1時間加熱した後、純水を添加して固形分濃度5%に調整した。
上記ゾルを、500mlの強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SANUPC)に空間速度6.0h-1で通液し、陰イオンを除去した。シリカゾルの濃度は4.6重量%、pHは10.0だった。続いて、300mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度12h-1で通液させ、陽イオンを除去した。このときのシリカゾルの濃度は4.3重量%、pHは5.1だった。イオン交換したゾルをロータリーエバポレーターで20%濃度まで濃縮した。
得られたシリカ粒子の平均粒子径は27nm、不純物についてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素、ニッケル、銅はいずれも1ppm以下であり、アルミニウムは28ppm、鉄は2ppm、チタンは17ppm存在した。
珪酸ナトリウム水溶液(1号水ガラス、固形分10重量%)7,000gを限外モジュール(旭化成株式会社製、SIP−1013)に通液し濾水を回収して精製水ガラスを得た。得られた精製水ガラスに純水を添加し8%濃度に調整した。この希釈水ガラス6,500gを、2.2Lの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度3.1h-1で通液させ、酸性珪酸液6,650gを得た。得られた酸性珪酸液の固形分濃度は3.1%だった。この酸性珪酸液を純水で希釈して、固形分濃度3.0%に調製した。
上記3%濃度の酸性珪酸液221.3gに純水219.6gを混合した後、28%濃度のアンモニア水(関東化学株式会社製)158gを添加した。
この混合液を83℃で30分間加熱し、引き続き固形分濃度3%の酸性珪酸液5,911gを18時間かけて添加した。添加終了後、加熱を1時間継続した。得られたゾル中のシリカ微粒子の平均粒子径は26nmであった。
得られたゾルを限外濾過膜でシリカ濃度が21%になるまで濃縮し、この濃縮したゾルに10%濃度の塩酸を攪拌しながら添加してpH=1.0に調整した。次いで、90℃で1時間加熱した後、純水を添加して固形分濃度5%に調整した。
上記ゾルを、500mlの強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SANUPC)に空間速度6.0h-1で通液し、陰イオンを除去した。シリカゾルの濃度は4.6重量%、pHは9.9だった。続いて、300mlの強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製、SK1BH)に空間速度12h-1で通液させ、陽イオンを除去した。このときのシリカゾルの濃度は4.2重量%、pHは4.8だった。イオン交換したゾルをロータリーエバポレーターで20%濃度まで濃縮した。
得られたシリカ粒子の平均粒子径は26nm、不純物についてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、塩素、ニッケル、銅はいずれも1ppm以下であり、アルミニウムは22ppm、チタンは15ppm存在した。
比較例1
実施例1において、限外濾過膜でシリカ濃度21%に濃縮したゾルについて酸添加、加熱とその後のイオン交換をおこなわず、そのまま20%濃度に調整したものを分析した。得られたシリカ粒子の平均粒子径は26nmであり、不純物量はナトリウムが13ppm、カリウムが2ppm、鉄が3ppmで、マグネシウム、カルシウム、塩素、ニッケル、銅は何れも1ppm以下であり、アルミニウムは30ppm、チタンは20ppm存在した。

Claims (4)

  1. 次の工程(1)と工程(2)を含んでなる高純度水性シリカゾルの製造方法。
    (1)珪酸アルカリを原料として調製された水性シリカゾルに酸を加えることにより、そのpHを0〜3.0の範囲に調整し、40〜300℃で加熱する工程
    (2)前記加熱後の水性シリカゾルに、強塩基性陰イオン交換体を接触させ、更に強酸性陽イオン交換体を接触させる工程
  2. 工程(1)の水性シリカゾルが次の工程(A)と工程(B)を含む製造方法により調製されたものである請求項1記載の高純度水性シリカゾルの製造方法。
    (A)固形分濃度1〜10重量%の珪酸アルカリ水溶液に強酸性陽イオン交換体を接触させ、酸性珪酸液を得る工程
    (B)該酸性珪酸液の一部にアルカリを添加して20〜98℃に加熱した後、該酸性珪酸液の残りを徐々に加えて、水性シリカゾルを得る工程
  3. 前記珪酸アルカリが珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムまたは第4級アンモニウムシリケートのいずれかである請求項1記載の高純度水性シリカゾルの製造方法。
  4. 前記酸が塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸または蟻酸のいずれかである請求項1記載の高純度水性シリカゾルの製造方法。
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