JP2006035446A - 印刷版材料および印刷版材料の製造方法 - Google Patents

印刷版材料および印刷版材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 機上現像可能で、取り扱い性が良好であり、かつ、高感度でスクラッチに対する汚れ耐性を改良した印刷版材料および印刷版材料の製造方法の提供。
【解決手段】 親水性表面を有する基材上に、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて現像することが可能な画像形成層を有する印刷版材料において、印刷版材料表面に、pH7の水に実質的に不溶で、かつ、pH4〜11の水溶液中で膨潤する樹脂を含有する水膨潤性粒子が点在していることを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷版材料(以下、単に印刷版ともいう)および印刷版材料の製造方法に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料および印刷版材料の製造方法に関する。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。
特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機にも適用可能な、いわゆるプロセスレスプレートへの期待が高まっている。
プロセスレスプレートの構成としては、PS版と同じアルミ砂目を用いる方式、および、塗布形成された親水性層を用いた方式の種々のプロセスレスプレートが提案されている。ここでいう「プロセスレス」とは露光等による画像形成プロセスと印刷プロセスとの間に現像処理といったプロセスを必要としないという意味であり、印刷プロセスの初期段階で画像形成がなされる後述する機上現像プレートもプロセスレスプレートに含まれるものである。
プロセスレスプレートの画像形成方式のひとつとして有力であるのが赤外線レーザー記録であり、大きく分けて、後述するアブレーションタイプと非アブレーション機上現像タイプの二種の記録方法が存在する。
アブレーションタイプのプロセスレスプレートとしては、例えば、特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号に記載されているものである。
これらは、例えば、基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層したものである。表層が親水性層であれば、画像様に露光し、親水性層をアブレートさせて画像様に除去して親油性層を露出することで画像部を形成することができる。ただし、アブレートした表層の飛散物による露光装置内部の汚染が問題となるため、親水性層上にさらに水溶性の保護層を設けてアブレートした表層の飛散を防止し、印刷機上で保護層とともにアブレートした表層を除去する方式も提案されている。が、保護層を設けた場合でも、飛散物は完全になくならないことから、露光装置に特別な吸引装置を付けることが必要となる場合がある。
また、一般的に感度が低く、露光時間を長く設定する必要があり、生産性に劣る。さらには、画像のエッジ部分にがさつきを生じる場合もあり、画質や解像度も不十分である。
これに対して、非アブレーション機上現像タイプのプロセスレスプレートとしては、特許2938397号や特許2938397号に開示されているような、親水性層もしくはアルミ砂目上に画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性の結合剤とを含有する熱融着性画像形成層を用いたものが挙げられる。このタイプは、アブレーションタイプよりも高感度で、かつ、画質や解像度も良好である。が、熱可塑性微粒子が外力に対して変形や圧着を生じやすく、スクラッチ跡が機上現像されずに汚れとなって残りやすいという欠点を有している。
このタイプのプレートのスクラッチ耐性を向上させる方法としては、画像形成層上に水溶性ポリマーを主体とする均一な厚さを有する保護層を設けるということが検討されているが、水溶性素材を含む画像形成層上に水系塗布で保護層を設ける場合には、画像形成層が溶出する懸念がある。また、画像形成層を溶出させずに保護層を設けることができたとしても、十分なスクラッチ耐性が得られる厚さの保護層を設けてしまうと、露光により発生した熱が保護層に奪われてしまうことになり感度が大きく低下する。
また、保護層の機上現像が終了するまで画像部にインク着肉しないため刷り出し性も劣化する。
保護層を設けた際の感度低下を補償する方法として、特開2001−162960には保護層中に光熱変換素材を含有させることが提示されているが、この構成では主に保護層が露光エネルギーを吸収して発熱することになり、画像形成層や画像形成層と親水性表面基材(アルミ砂目や親水性層)との界面部の発熱が不十分となって、結果として耐刷性が十分な画像を形成する感度はほとんど向上しない。(例えば、特許文献1を参照)
これに対して、本発明者は、球状のフィラーを用いて特定の表面形状を形成した親水性層を用いることで、熱可塑性微粒子を含有する感熱画像形成層と組み合わせた際の耐刷性と取り扱い性とを向上させることができることを見いだしている。(例えば、特許文献2を参照)
しかし、従来使用されているPS版と同様の取り扱いをされた場合に受ける種々の外力によるスクラッチに対する汚れ耐性は十分とは言えず、さらなる改良が求められていた。
特開2001−162960号公報 特開2003−231374号公報
本発明は機上現像可能で、取り扱い性が良好であり、かつ、高感度でスクラッチに対する汚れ耐性を改良した印刷版材料および印刷版材料の製造方法を提供することにある。
本発明の上記の目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
親水性表面を有する基材上に、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて現像することが可能な画像形成層を有する印刷版材料において、印刷版材料表面に、pH7の水に実質的に不溶で、かつ、pH4〜11の水溶液中で膨潤する樹脂を含有する水膨潤性粒子が点在していることを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
前記水膨潤性粒子が画像形成層上に固着していることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
前記水膨潤性粒子の粒径個数分布のピーク値が1〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
(請求項4)
前記水膨潤性粒子の乾燥状態での粒子形状が不定形であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷版材料。
(請求項5)
請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層を形成した後、該画像形成層上に水膨潤性樹脂を溶解した酸性もしくはアルカリ性水溶液を微小液滴として付与し、乾燥させて、固着させることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
(請求項6)
請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層を水系塗布液から塗布乾燥して形成する工程を有し、該水系塗布液中に水膨潤性粒子が水膨潤状態で存在することを特徴とする印刷版材料の製造方法。
(請求項7)
請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層が実質的に水溶性素材を含有しない層であり、該画像形成層を塗布形成した後に、該画像形成層上に水膨潤性粒子を水膨潤状態で含有する塗布液を塗布し、乾燥させることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
本発明による印刷版材料および印刷版材料の製造方法は機上現像可能で、取り扱い性が良好であり、かつ、高感度でスクラッチに対する汚れ耐性を改良し優れた効果を有する。
請求項1の発明は、親水性表面を有する基材上に、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて現像することが可能な画像形成層を有する印刷版材料において、印刷版材料表面に、pH7の水に実質的に不溶で、かつ、pH4〜11の水溶液中で膨潤する樹脂を主体とする水膨潤性粒子が点在していることを特徴とする印刷版材料である。
ここで、実質的に水に不溶とは、25℃の水100gへの溶解量が0.1g未満であることを意味する。
本発明の水膨潤性粒子は、印刷版材料表面に突出する形態、つまりは突起として存在し、スクラッチ等の外力から機上現像可能な画像形成層を保護する機能を有する。
このような機能を有する突起としては、例えばシリカのような親水性無機粒子を添加したり、ポリメチルメタアクリル酸(PMMA)のような疎水性有機粒子を添加したりすることが試みられている。
無機粒子ではクッション性がないために外力を緩和することができず、スクラッチにより無機粒子が印刷版表面上を引きずられるような形で鋭い傷を形成し、その部分が印刷汚れとなる場合がある。また、無機粒子を印刷版表面に比較的強固に固定した場合は、非接触物を無機粒子が削り取って粒子頂点部に付着してしまう場合があり、例えば非接触物が爪である場合などは爪成分が突起頂点に付着して印刷汚れとなる場合がある。
有機粒子ではクッション性はあるものの、外力によって変形し、印刷版材料表面に押し付けられるような形で固着し、その部分が機上現像不能となって印刷汚れとなる。
これに対して、本発明の水膨潤性粒子は親水性樹脂からなる粒子であり、クッション性を有しているためスクラッチ等の外力を緩和しつつ、かつ、画像形成層に直接外力が加わるのを防止する。
また、水膨潤性粒子自体が外力によって印刷版材料表面に押し付けられて機上現像されにくい状態となったとしても、親水性であるために印刷汚れとならない。
機上現像可能な画像形成層は、一般に水分散性の素材や水溶性の素材から形成されており、例えば水溶性素材の含有量は現像性と耐刷性とを両立させるために微妙なバランスで調整されている。このような画像形成層を有する印刷版材料の表面に後述するような、水性液を用いた種々の方法で、本発明の水膨潤性粒子を点在させる際に、水膨潤性粒子から樹脂成分が多量に溶出して画像形成層中に混入したり、浸透したりした場合には、現像性あるいは耐刷性を劣化させる懸念が出てくる。
このことから、水膨潤性粒子は親水性でありながら実質的に水、少なくともpH7の水には実質的に溶解しないことが必要である。
さらに、本発明の水膨潤性粒子は印刷版材料表面に乾燥状態では比較的強固に固着し、多少の外力では容易に脱落しないことが必要である。これは、同様に印刷版材料の表面に後述するような、水性液を用いた種々の方法で、本発明の水膨潤性粒子を点在させる際に、粒子が膨潤状態となって印刷版表面との接触面を増大させることができるようにし、次いで、乾燥させることで達成することができる。このためには、水膨潤性粒子が少なくともpH4〜11の水溶液中で膨潤する樹脂からなることが必要である。
このような樹脂としては、上記を満足することができればどのような樹脂であっても使用可能であるが、本発明においては親水性が良好であるという点で多糖類や多糖類の塩であることが好ましい。具体的には、セルロース類、デンプン類、アルギン酸の多価金属塩(アルギン酸Ca等)、キトサン類(酸に可溶)、カードラン(アルカリに可溶)等を挙げることができる。これらの樹脂を公知の方法で破砕して分級して粒子としたり、これらの樹脂を溶媒に溶解した後、公知の方法で粒子状に析出させ、溶媒を除去して粒子としたりして得られたものを好ましく使用することができる。
本発明の水膨潤性粒子の印刷版材料表面での点在密度としては、50〜5000個/mm2であることが好ましく、100個〜3000個/mm2であることがより好ましい。
請求項2の発明は、前記印刷版材料の好ましい態様のひとつとして、前記水膨潤性粒子が画像形成層に含有されている態様をあげることができる。この態様は、水膨潤性粒子による突起と画像形成層とを同時に形成できるというメリットがある。
また、本発明においては、後述するように、画像形成層上に前記水膨潤性粒子が点在した保護層有する態様であっても良いし、画像形成層上に水膨潤性粒子のみが点在する態様であっても良い。
請求項3の発明は前記印刷版材料に用いる前記水膨潤性粒子の粒径個数分布のピーク値が1〜20μmであることを特徴としており、本発明の効果をより奏する点で好ましい。より好ましくは5〜15μmである。1μm未満では、耐スクラッチ汚れ性が十分ではない場合があり、また、20μmを超えると画像形成の解像度を劣化させる懸念がある。
上記粒径個数分布のピーク値とは、粒径を横軸として粒径個数分布をヒストグラム表示した際に、最大頻度を示す粒径データ区間の中心値を意味する。
例えば、データ区間を0.5μm間隔として、粒径個数分布ヒストグラムを作成し、最大頻度を示すデータ区間が5〜5.5μmの範囲であった場合、ピーク値は5.25μmである。
また、請求項4の発明は前記印刷版材料に用いる前記水膨潤性粒子の粒子形状が乾燥状態で不定形であることを特徴としており、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
ここで言う不定形とは、粒子の長径/短径の比率が1.1以上であり、好ましくは1.3以上の形状を意味し、概略形状が針状や平板状の粒子も含まれる。
このような不定形の粒子を用いた場合は、球状の粒子よりも印刷版材料表面との接触面積が大きくなり、粒子の固着安定性が向上して耐スクラッチ汚れ性がより向上する。
請求項5の発明は前記請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層を形成した後、該画像形成層上に水膨潤性樹脂を溶解した酸性もしくはアルカリ性水溶液を微小液滴として付与し、乾燥させ、固着させることを特徴とする印刷版材料の製造方法である。
この製造方法において、画像形成層上に水膨潤性樹脂を溶解した酸性もしくはアルカリ性水溶液を微小液滴として付与し、乾燥させて水膨潤性粒子とする方法は、例えば、特開昭51−111102号公報に記載されているような方法を用いることができる。
前記水膨潤性樹脂としては特に限定はされないが、上述のように親水性であることが好ましいため、本発明においては多糖類またはその塩を用いることが好ましく、具体的には酸に溶解するキトサンや、アルカリに溶解するカードラン等を用いることが好ましい。
また、請求項6の発明は前記請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、該画像形成層を水系塗布液から塗布乾燥して形成する際、該水系塗布液中に水膨潤性粒子が水膨潤状態で存在することを特徴とする印刷版材料の製造方法である。この方法においては、上述のように水膨潤性粒子による突起形成が画像形成層の塗布形成と同時に行なえるというメリットがある。
請求項7の発明は、さらに、前記請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、該画像形成層が実質的に水溶性素材を含有しない層であり、該画像形成層を塗布形成した後に、該画像形成層上に水膨潤性粒子を水膨潤状態で含有する塗布液を塗布し、乾燥させることを特徴とする印刷版材料の製造方法である。
画像形成層を実質的に水溶性素材を含有しない層とすることで、画像形成層上に水性塗布液を塗布しても画像層成分が溶出しない状態とすることができる。
上記実質的に水溶性素材を含有しないとは,画像形成層中の水溶性素材の含有量が0.5質量%未満であることを意味する。
画像層上に塗布する塗布液には水膨潤性粒子が含有されるが、さらに、水溶性樹脂やコロイダルシリカ、層状粘土鉱物微粒子といった無機微粒子を含有させてもよい。
ただし、水溶性樹脂は画像形成層に浸透する可能性があるため、画像形成層の画像形成性を阻害しない樹脂(例えばオリゴ糖等)や、機上現像性を劣化させない親水性の高い樹脂(例えば多糖類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩)を用いることが好ましい。
[基材]
本発明に用いる親水性表面を有する基材としては、印刷版の基材として一般的に使用される公知の材料、例えば、金属板、プラスチックフィルム、ポリオレフィン等で処理された紙、上記材料を適宜貼り合わせた複合基材等に後述するような親水性層を形成したものが挙げられる。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
金属板としては、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム等が挙げられるが、比重と剛性との関係から特にアルミニウムが好ましい。アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。
また、塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下塗り層塗布を行なうことが好ましい。
例えば、ケイ酸塩やシランカップリング剤等のカップリング剤を含有する液に浸漬するか、液を塗布した後、十分な乾燥を行なう方法が挙げられる。
陽極酸化処理も易接着処理の一種と考えられ、使用することができる。
また、陽極酸化処理と上記浸漬または塗布処理を組み合わせて使用することもでき、また、公知の方法で粗面化されたアルミニウム基材、いわゆるアルミ砂目を、親水性表面を有する基材として使用することもできる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。
本発明に用いる基材としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。これらプラスチックフィルムは塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下塗り層塗布を行なうことが好ましい。易接着処理としては、コロナ放電処理や火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。また、下塗り層としては、ゼラチンやラテックスを含む層等が挙げられる。下塗り層に、有機または無機の公知の導電性素材を含有させることもできる。
また、裏面のすべり性を制御するために粗面を有する裏面コート層を設けた基材や公知の導電性素材を含有する裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
[親水性層]
本発明の印刷版材料の親水性層に用いられる素材は下記のようなものが挙げられる。
[親水性層マトリクスを形成する素材]
親水性層マトリクスを形成する素材としては、金属酸化物が好ましい。
金属酸化物としては、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
上記金属酸化物微粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、良好な強度を得ることができる。
上記コロイダルシリカとしては、後述するネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径がnmのオーダーである球状シリカの水分散系の総称である。本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒粒子径が10〜50nmの球状コロイダルシリカが50〜400nmの長さに結合した「パールネックレス状」のコロイダルシリカを意味する。
パールネックレス状(即ち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシリカのシリカ粒子が連なって結合した状態のイメージが真珠ネックレスの様な形状をしていることを意味している。ネックレス状コロイダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結合は、シリカ粒子表面に存在する−SiOH基が脱水結合した−Si−O−Si−と推定される。ネックレス状のコロイダルシリカとしては、具体的には日産化学工業(株)製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。
製品名としては「スノーテックス−PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス−PS−M(連結した状態の平均粒子径は120nm程度)」及び「スノーテックス−PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス−PS−S−O」、「スノーテックス−PS−M−O」及び「スノーテックス−PS−L−O」である。
ネックレス状コロイダルシリカを添加することにより、層の多孔性を確保しつつ、強度を維持することが可能となり、親水性層マトリクスの多孔質化材として好ましく使用できる。
これらの中でも、アルカリ性である「スノーテックスPS−S」、「スノーテックスPS−M」、「スノーテックスPS−L」を用いると、親水性層の強度が向上し、また、印刷枚数が多い場合でも地汚れの発生が抑制され、特に好ましい。
また、コロイダルシリカは粒子径が小さいほど結合力が強くなることが知られており、本発明には平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカを用いることが好ましく、3〜15nmであることが更に好ましい。又、前述のようにコロイダルシリカの中ではアルカリ性のものが地汚れ発生を抑制する効果が高いため、アルカリ性のコロイダルシリカを使用することが特に好ましい。
平均粒径がこの範囲にあるアルカリ性のコロイダルシリカとしては日産化学社製の「スノーテックス−20(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−30(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−40(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−N(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−S(粒子径8〜11nm)」、「スノーテックス−XS(粒子径4〜6nm)」が挙げられる。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカは前述のネックレス状コロイダルシリカと併用することで、層の多孔質性を維持しながら、強度をさらに向上させることが可能となり、特に好ましい。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
本発明の親水性層マトリクスの多孔質化材として粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することができる。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
・多孔質シリカ多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は例えば特開平10−71764号に記載されている方法により製造される。即ち、アルミニウムアルコキシドと珪素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。又、製造時にその他の金属のアルコキシドを添加して3成分以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては、細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、印刷性能がやや不十分となる場合がある。
・ゼオライト粒子
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、M21/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152 +、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率が1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率が0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
Al/Si比率が0.4〜1.0である親水性の高い多孔質粒子を含有することで親水性層自体の親水性も大きく向上し、印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなる。又、指紋跡の汚れも大きく改善される。Al/Si比率が0.4未満では親水性が不充分であり、上記性能の改善効果が小さくなる。
また、本発明の印刷版材料の親水性層マトリクスは層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。
また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。
又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり、増粘性が不充分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。
層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作製した後、塗布液に添加することが好ましい。
本発明の親水性層マトリクスにはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。
ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また、水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。が、本発明に用いられる水溶性樹脂としては、多糖類を用いることが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
このような凹凸構造は、親水性層マトリクスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ、好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
本発明で親水性マトリクスに添加される水溶性樹脂は、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが好ましい。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷適性を劣化させる懸念があるためである。
又、さらにカチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
また、本発明の親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明の親水性層はリン酸塩を含むことができる。
本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
また、後述する光熱変換素材を含有することもできる。光熱変換素材としては、粒子状素材の場合は粒径が1μm未満であることが好ましい。
[粒径が1μm以上の無機もしくは無機素材で被覆された粒子]
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができ、塗布液中での沈降を抑制するために、多孔質な金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
多孔質の金属酸化物粒子としては、前述の多孔質シリカ粒子や多孔質アルミノシリケート粒子を好ましく用いることができる。
無機素材で被覆された粒子としては、例えばPMMAやポリスチレンといった有機粒子の芯材を芯材粒子よりも粒径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。
被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
また、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
粒径は1μm以上でかつ、親水性マトリクスの平均膜厚に対して本発明の式1を満足することが必要であるが、1〜10μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2μm〜6μmがさらに好ましい。
粒径が10μmを超えると、画像形成の解像度の低下や、ブランケット汚れの劣化が生じる懸念がある。
粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、本発明の表面形態パラメータを満足するように適宜調整されるが、親水性層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
親水性層全体としては、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
[光熱変換素材]
本発明の印刷版材料は、最終的な画像形成を機上現像により行なうため、明室での安定性が必要である。
したがって、赤外線レーザーを用いた露光により発生する熱で画像形成する態様とすることが好ましい。このためには印刷版材料の構成層のいずれかに光熱変換素材を含有する必要がある。本発明においては、光熱変換素材を親水性層に含有する態様が特に好ましい。
光熱変換素材としては、例えば公知の赤外線吸収色素を挙げることができる。
具体的には、一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
本発明においては、上記赤外線吸収色素よりは、カーボンブラック、グラファイト、金属粒子、金属化合物粒子といった光熱変換素材を用いることが好ましく、特に親水性の高い金属酸化物粒子を用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄(Fe34)や、前述の二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。
後者としては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。又、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち、黒色酸化鉄および二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
黒色酸化鉄粒子としては、針状比(長軸径/短軸径)が1〜1.5の範囲の粒子であることが好ましく、実質的に球状(針状比1)であるか、もしくは、八面体形状(針状比約1.4)を有していることが好ましい。
このような黒色酸化鉄粒子としては、例えば、チタン工業社製のTAROXシリーズが挙げられる。球状粒子としては、BL−100(粒子径0.2〜0.6μm)、BL−500(粒子径0.3〜1.0μm)等を好ましく用いることができる。また、八面体形状粒子としては、ABL−203(粒子径0.4〜0.5μm)、ABL−204(粒子径0.3〜0.4μm)、ABL−205(粒子径0.2〜0.3μm)、ABL−207(粒子径0.2μm)等を好ましく用いることができる。
さらに、これらの粒子表面をSiO2等の無機物でコーティングした粒子も好ましく用いることができ、そのような粒子としては、SiO2でコーティングされた球状粒子:BL−200(粒子径0.2〜0.3μm)、八面体形状粒子:ABL−207A(粒子径0.2μm)が挙げられる。
二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物は、具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb及びBaから選ばれる少なくとも二種以上の金属を有する複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
これらの光熱変換素材の添加量としては、親水性層に対して0.1〜80質量%であり、1〜60質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましい。
[画像形成層]
画像形成は、露光部の画像形成層が熱によって親水性表面を有する基材上から除去されやすくなる方向へと変化する、いわゆるポジ版であってもよいし、あるいは、露光部の画像形成層が熱によって除去されにくくなる方向へと変化する、いわゆるネガ版であってもよい。
本発明の印刷版材料の好ましい態様としては、露光部の画像形成層が熱によって親水性表面を有する基材上から除去されにくくなる方向へと変化する、ネガ版タイプの印刷版材料である。
このような、露光部が熱によって親水性層上から除去されにくくなる方向へと変化する画像形成層としては、例えば、後述する疎水化前駆体と水溶性もしくは水分散性素材とを含有する画像形成層を挙げることができる。
疎水化前駆体としては、熱によって親水性(水溶性または水膨潤性)から疎水性へと変化するポリマーを用いることができる。具体的には、例えば、特開2000−56449に開示されている、アリールジアゾスルホネート単位を含有するポリマーを挙げることができる。
本発明においては、疎水化前駆体としては、熱可塑性疎水性粒子、もしくは、疎水性物質を内包するマイクロカプセル、特定のブロック化イソシアネート化合物を用いることが好ましい。
熱可塑性微粒子としては、後述する熱溶融性微粒子および熱融着性微粒子を挙げることができる。
本発明に用いられる熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、例えば、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。
これらは分子量800から10000程度のものである。
また、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。
更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行なうことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
また、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒子径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
また、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
また、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
平均粒子径が0.01μm未満であると、熱融着性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱融着性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱融着性微粒子の平均粒子径が10μmを超えると解像度が低下する。
また、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
[マイクロカプセル]
本発明の印刷版材料に用いられるマイクロカプセルとしては、例えば特開2002−2135号や特開2002−19317号に記載されている疎水性素材を内包するマイクロカプセルを挙げることができる。
マイクロカプセルは平均径で0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましく、0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
マイクロカプセルの壁の厚さは径の1/100〜1/5であることが好ましく、1/50〜1/10であることがより好ましい。
マイクロカプセルの含有量は画像形成層全体の5〜100質量%であり、20〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがさらに好ましい。
マイクロカプセルの壁材となる素材、およびマイクロカプセルの製造方法は公知の素材および方法を用いることができる。
たとえば、「新版マイクロカプセルその製法・性質・応用」(近藤保、小石真純著/三共出版株式会社発行)に記載されているか、引用されている文献に記載されている公知の素材および方法を用いることができる。
[ブロック化イソシアネート化合物]
本発明の画像形成層に用いられるブロック化イソシアネート化合物は後述するような化合物の水分散物であることが好ましい。水分散物から塗布形成することで、良好な機上現像性を得ることができる。
[イソシアネート化合物]
イソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート[ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)など];脂肪族ポリイソシアネート[1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)など];脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネートなど];芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)など];これらの変性物(ビューレット基、イソシアヌレート基、カルボジイミド基、オキサゾリジン基含有変性物など);およびこれらのポリイソシアネートと分子量50〜5、000の活性水素含有化合物からなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
また、特開平10−72520に記載のポリイソシアネート化合物も好ましく用いることができる。
上記の中では特にトリレンジイソシアネートが、反応性が速く好ましい。
[ブロック化剤]
イソシアネート基のブロック剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール系ブロック剤、フェノール、クレゾールなどのフェノール系ブロック剤、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトキシム、メチルイソブチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムなどのオキシム系ブロック剤、アセトアニリド、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどの酸アミド系ブロック剤、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチルなどの活性メチレン系ブロック剤、ブチルメルカプタンなどのメルカプタン系ブロック剤、コハン酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素などの尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸系ブロック剤、ジフェニルアミン、アニリン等のアミン系ブロック剤、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどのイミン系ブロック剤などが挙げられる。これらの中では特にオキシム系ブロック剤を用いることが好ましい。
ブロック化剤の含有量としては、ブロック剤中の活性水素基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましいが、後述するポリオール等の活性水素基を有する添加剤と併用する場合は、ブロック剤と活性水素基を有するその他の添加剤とを合計した活性水素基が、イソシアネート基に対して1.0〜1.1当量となるように含有させることが好ましい。1.0未満では未反応のイソシアネート基が残存し、また、1.1を超えるとブロック剤等が過剰となるため好ましくない。
ブロック剤の解離温度としては、80〜200℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましく、80〜130℃であることがより好ましい。
[ポリオール]
本発明の印刷版材料においては、イソシアネート化合物はイソシアネート化合物のポリオール付加物であることが好ましい。ポリオールを付加することにより、ブロック化イソシアネート化合物の保存安定性を向上させることができる。
また、加熱して画像を形成した際の画像強度が向上し、耐刷性が向上する。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコール、これらの多価アルコールあるいはポリアミンにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを、あるいは両者を付加重合して得られるポリエーテルポリオール類、ポリテトラメチレンエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、さらに上記多価アルコールとたとえばアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸などの多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、アクリルポリオール類、ヒマシ油、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールにビニルモノマーをグラフトして得られるポリマーポリオール類、エポキシ変性ポリオール類などが挙げられる。
これらの中では、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、ソルビトールなど分子量50〜5000のポリオールを好ましく使用することができ、特に分子量50〜500程度の低分子量ポリオールをより好ましく使用できる。
ポリオールの好ましい含有量としては、ポリオール中の水酸基がイソシアネート化合物のイソシアネート基に対して0.1〜0.9当量となるような範囲であり、この範囲において特にブロック化イソシアネート化合物の保存安定性が向上する。
[ブロック化方法]
イソシアネート化合物のブロック化方法としては、例えば、イソシアネート化合物を無水の条件下、不活性ガス雰囲気下で40〜120℃程度に加温し、攪拌しながらブロック剤を所定量滴下して混合し、攪拌を続けながら数時間かけて反応させるという方法が挙げられる。この際、何らかの溶媒を用いることもできる。また、公知の触媒、例えば、有機金属化合物、第3級アミン、金属塩等を用いることもできる。
有機金属触媒としては、たとえば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレートなどのスズ系触媒、2−エチルヘキサン酸鉛などの鉛系触媒などが、第3級アミンとしては、たとえばトリエチルアミン、N、N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N、N′−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロ(2、2、2)−オクタンなどが、金属塩触媒としては、たとえば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸鉛酸化リチウムなどが挙げられる。これらの触媒の使用量は、ポリイソシアネート組成物100質量部に対し、通常0.001〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
本発明に好ましく用いられるブロック化イソシアネート化合物において、ポリオールとの化合物でもある場合は、ブロック剤およびポリオールをイソシアネート化合物と反応させるが、先にイソシアネート化合物とポリオールとを反応させた後に、残ったイソシアネート基とブロック剤とを反応させてもよく、また、先にイソシアネート化合物とブロック剤とを反応させた後に、残ったイソシアネート基とポリオールとを反応させてもよい。
本発明のブロック化イソシアネート化合物の好ましい平均分子量としては、重量平均分子量で500〜2000であることが好ましく、600〜1000であることがより好ましい。この範囲で反応性と保存安定性とのバランスが良好となる。
[水分散物の製造]
上述のようにして得られたブロック化イソシアネート化合物は、例えば、界面活性剤と水とを加えて、ホモジナイザ等を用いて強力に混合攪拌することで水分散物とすることができる。
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系界面活性剤、あるいはラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩などのアルキルベタイン型の塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸型の両界面活性剤などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中ではノニオン界面活性剤が好ましい。
ブロック化イソシアネート化合物水分散物の固形分としては、10〜80質量%であることが好ましい。界面活性剤の添加量としては、水分散物の固形分中の0.01〜20質量%であることが好ましい。
イソシアネート化合物のブロック化反応等に有機溶媒を用いた場合には、水分散物としてから有機溶媒を除去することもできる。
画像形成層に含有することのできる水溶性素材としては下記のような素材を挙げることができる。
[水溶性高分子化合物]
画像形成層に含有される水溶性素材としては、pH:4〜pH:10の水溶液に溶解する公知の高分子化合物が挙げられる。
具体的には、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
これらのなかでは、多糖類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルラン、キトサン、またはこれらの誘導体などが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミドとしては、分子量3000〜100万であることが好ましく、5000〜50万であることがより好ましい。
これらの中では、ポリアクリル酸Naといったポリアクリル酸塩が最も好ましい。ポリアクリル酸塩は親水性層の親水化処理剤としての効果が高く、画像形成層が機上現像されて現れる親水性層の表面の親水性を向上させることができる。
[オリゴ糖]
水溶性素材としては、上述の水溶性高分子化合物以外にオリゴ糖を含有させることができる。
オリゴ糖としては、ラフィノース、トレハロース、マルトース、ガラクトース、スクロース、ラクトースといったものが挙げられるが、特にトレハロースが好ましい。
[画像形成層に含有可能なその他の素材]
また、画像形成層には光熱変換素材として、赤外線吸収色素を含有させることができる。赤外線吸収色素の含有量としては、色素の可視光での着色の程度によって、機上現像時の印刷機汚染との兼ね合いを考慮する必要があるが、一般的に印刷版材料の単位面積あたりとして、0.001g/m2〜0.2g/m2未満であることが好ましく、0.05g/m2未満であることがより好ましい。また、可視光での着色が少ない色素を用いることが好ましいことは言うまでもない。
赤外線吸収色素の具体例としては上述のものが挙げられる。
また、画像形成層には、界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
[機上現像方法]
本発明の印刷版材料の画像形成層は、非画像部を印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて除去する、いわゆる機上現像することが可能である。
印刷機上での画像形成層の非画像部部の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行なうことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行なうことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
基材1(親水性表面を有する基材および親水性層塗布用基材)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行ない水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行った。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は10回に分割して行ない、一回の処理電気量(陽極時)を60C/dm2とし、合計で600C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に4秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行ない、さらに水洗した。
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、90℃に保たれた0.1質量%の酢酸アンモニウム水溶液(水酸化ナトリウムでpH:9に調整)に30秒間浸漬し、水洗を行った後に、さらに、90℃に保たれた0.1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材1を得た。基材1の表面粗さはRaで0.7μmであった。
[表面粗さの測定方法]
試料表面に白金ロジウムを1.5nmの厚さで蒸着した後、WYKO社製の非接触三次元粗さ測定装置:RST plusを用いて、20倍の条件(222.4μm、x299.4μmの測定範囲)で測定し、傾き補正およびMedian Smoothingのフィルターをかけて測定データを処理してRa値を求めた。測定は一試料について測定箇所を変えて5回行ない、その平均を求めてRa値とした。
実施例1
親水性層形成基材の作製
下表の組成の素材を、ホモジナイザを用いて、回転数5000回転で5分間混合分散した後、ろ過して固形分30質量%の親水性層用塗布液を得た。この塗布液のpHは9.5であった。
親水性層用塗布液組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2006035446
基材1の砂目面上に、親水性層用塗布液を乾燥付量が4.5g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、170℃に設定した乾燥炉に入れて、5分間乾燥して、親水性層形成基材を得た。
水膨潤性粒子の水分散物の作製。
[セルロース粒子の水分散物]
水膨潤性粒子として、日本製紙ケミカル社製のセルロール粒子、NPファイバーW−10MG2を用いた(pH7の水には実質的に溶解しない)。粒子径分布のピークは約10μmであった。
純水70質量部にセルロース粒子30質量部を添加し、ホモジナイザを用いて10000rpmで10分間分散した。分散後は高粘度のペースト状となったセルロース粒子の水分散物(固形分30質量%)が得られた。
[キトサン粒子の水分散物]
水膨潤性粒子として、破砕して分級したキトサン粒子(pH7の水には実質的に溶解しない)を用いた以外はセルロース粒子と同様にしてキトサン粒子の水分散物を得た。キトサン粒子の粒子径分布のピークは約8μmであった。
画像形成層用塗布液(1)〜(4)の作製
下表の各組成の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、表に示した固形分の画像形成層用塗布液(1)〜(4)を作製した。
画像形成層用塗布液(1)〜(4)組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2006035446
保護層用塗布液(5)〜(7)の作製
下表の各組成の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、表に示した固形分の保護層用塗布液(1)〜(4)を作製した。
保護層用塗布液(5)〜(7)組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2006035446
印刷版材料の作製
作製した親水性層形成基材の親水性層上に、画像形成層用塗布液(1)〜(4)を、表1に示す乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、70℃に設定した乾燥炉に入れて、3分間乾燥した。次いで、表1に保護層を設ける記載のあるものについては、画像形成層上に保護層用塗布液を表1に示す乾燥付量となるようにワイヤーバーを用いて塗布し、70℃に設定した乾燥炉に入れて、3分間乾燥した。さらに、恒温炉で60℃24時間のエイジング処理を行って、表1に示す印刷版材料No.1〜8を得た。
赤外線レーザー方式による画像形成
各印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、2400dpi、175線で画像を形成した。露光エネルギーは150mJ/cm2から50mJ/cm2刻みで400mJ/cm2まで変化させた。各露光エネルギーにおいて、露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像と2400dpi(dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)のラインアンドスペース細線画像とを含むものである。
印刷方法
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製) 2質量%、インク(東洋インク社製トーヨーキングハイユニティM紅)を使用して印刷を行なった。
露光後の印刷版材料をそのまま版胴に取り付け、PS版と同様の印刷条件および刷り出しシークエンスを用いて500枚の印刷を行なった。
印刷評価
[感度評価]
500枚目の印刷物上で、3%網点画像が明確に確認できる最低露光エネルギーを感度の指標とした。400mJ/cm2でも3%網点画像が確認できない場合には感度不良とした。結果を表4示す。
[刷り出し性評価]
刷り出しから何枚目の印刷物で良好な画像が得られるかを求めた。良好な画像とは、地汚れがなく、90%網点画像の目が開いており、かつ、ベタ画像部の濃度が1.5以上であることとした。この際、また、画像部のインク着肉性不良により、500枚目の印刷物でもベタ画像部の濃度が1.5未満であった場合にはインク着肉性不良、500枚目の印刷物で画像が残っていなかった場合は画像形成不良とした。
結果を表4に示す。
[スクラッチ跡汚れ評価1]
露光後、印刷前の各印刷版材料の非画像部部分に、HEIDONスクラッチ試験機を用いてスクラッチ跡をつけた。触針としては、0.3mmφのサファイア触針を用いた。荷重は25gから25gごとに増加させて350gまでの各荷重のスクラッチ跡をつけた。
スクラッチ跡汚れ評価は刷り出しから100枚目の印刷物で行なった。スクラッチ跡が汚れとして確認できない最大荷重をスクラッチ跡汚れの指標とした(荷重が大きいほど良好である)。結果を表4に示す。
[スクラッチ跡汚れ評価2]
露光後、印刷前の各印刷版材料の非画像部部分に、爪でスクラッチ跡をつけた。
爪スクラッチ跡汚れ評価は刷り出しから100枚目の印刷物で行なった。評価の指標は下記のようなものである。結果を表4に示す。
○:汚れが確認できない
△:わずかに汚れが確認できる
×:汚れが明瞭に確認できる
Figure 2006035446
表4から明らかなように、本発明の印刷版材料(本発明の製造方法により製造された印刷版材料)は、耐スクラッチ汚れ性が良好であり、かつ、高感度であることがわかる。
実施例2
画像形成層塗布液(8)の作製
下表の素材を十分に混合攪拌し、ろ過して、固形分5質量%の画像形成層用塗布液(8)を作製した。表中の非水溶性色素のエタノール溶液は、その他の素材を十分に混合攪拌した後、混合液を攪拌しながら色素溶液を滴下して混合した。画像形成層用塗布液(8)組成(表中の単位指定のない数字は質量部を表す)
Figure 2006035446
Figure 2006035446
刷版材料No.9(比較例)の作製
基材1(アルミ砂目)上に画像形成層用塗布液(8)を、ワイヤーバーを用いて乾燥付量が0.3g/m2となるように塗布し、70℃で3分間乾燥した。さらに、恒温炉で60℃24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料No.9を得た。
印刷版材料No.10(実施例)の作製
印刷版材料9と同様にして、画像形成層を塗布乾燥した。
リン酸三ナトリウムを一質量部溶解した純水94質量部中に、水膨潤性樹脂カードラン(pH7の水に実質的に溶解しない)5質量部を加えて攪拌し、溶解して、水膨潤性樹脂のアルカリ水溶液を作製した。
水膨潤性樹脂のアルカリ水溶液を、公知の静電スプレー塗布装置を用いて、画像形成層まで塗布形成した印刷版材料上にスプレー塗布して、水膨潤性樹脂粒子からなる突起を点在するように形成した。スプレー条件を調整することで、水膨潤性樹脂の乾燥付量を0.4g/m2となるようにし、また、水膨潤性樹脂粒子の平均直径を12μmとなるようにした(水膨潤性樹脂粒子の平均直径はSEM観察により求めた)。
その後、さらに、恒温炉で60℃、24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料10を得た。
印刷版材料No.11(比較例)の作製
印刷版材料No.9と同様にして、画像形成層を塗布乾燥した。次いで、画像形成層上に、実施例1で用いた保護層用塗布液(4)をワイヤーバーを用いて乾燥付量で0.4g/m2となるように塗布し、70℃で3分間乾燥した。さらに、恒温炉で60℃24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料No.11を得た。
画像形成および印刷評価
実施例1と同様にして赤外線レーザーによる画像形成および印刷評価を行なった。結果を表6に示す。
Figure 2006035446
表6から明らかなように、本発明の印刷版材料(本発明の製造方法により製造された印刷版材料)は、耐スクラッチ汚れ性が良好であり、かつ、高感度であることがわかる。

Claims (7)

  1. 親水性表面を有する基材上に、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて現像することが可能な画像形成層を有する印刷版材料において、印刷版材料表面に、pH7の水に実質的に不溶で、かつ、pH4〜11の水溶液中で膨潤する樹脂を含有する水膨潤性粒子が点在していることを特徴とする印刷版材料。
  2. 前記水膨潤性粒子が画像形成層上に固着していることを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 前記水膨潤性粒子の粒径個数分布のピーク値が1〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
  4. 前記水膨潤性粒子の乾燥状態での粒子形状が不定形であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷版材料。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層を形成した後、該画像形成層上に水膨潤性樹脂を溶解した酸性もしくはアルカリ性水溶液を微小液滴として付与し、乾燥させて、固着させることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層を水系塗布液から塗布乾燥して形成する工程を有し、該水系塗布液中に水膨潤性粒子が水膨潤状態で存在することを特徴とする印刷版材料の製造方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷版材料を製造する印刷版材料の製造方法において、画像形成層が実質的に水溶性素材を含有しない層であり、該画像形成層を塗布形成した後に、該画像形成層上に水膨潤性粒子を水膨潤状態で含有する塗布液を塗布し、乾燥させることを特徴とする印刷版材料の製造方法。
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