JP2006035248A - 連続鋳造設備及び連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造する連続鋳造において、鋳型直下の鋳片支持にクーリングプレートを用いたときに発生する内部割れを防止するとともに、高速鋳造時においてもブレークアウトの発生しない鋳型直下鋳片支持方式を提供する。
【解決手段】 鋳型の下部において、平板状支持手段5によって鋳片1の4面をコーナー部12およびその周辺部を除く部分でそれぞれ支持し、平板状支持手段5の幅端部と鋳片のコーナー部12との間の距離は、左右ともに、凝固シェル厚t以上かつ凝固シェル厚の2倍以下とし、隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片1のコーナー部12およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射する噴射手段6を有することを特徴とする連続鋳造方法及び連続鋳造設備。
【選択図】 図1

Description

本発明は、断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造する連続鋳造設備及び連続鋳造方法に関するものである。
溶融金属の連続鋳造、例えば溶鋼の連続鋳造においては、溶鋼が鋳型内に注入され、鋳型に接する部分で溶鋼が凝固して凝固シェルが形成され、凝固シェルが溶鋼とともに鋳型の下方に引き抜かれ、凝固が完了して鋳片が形成される。鋳片の断面形状は、長方形や正方形を含む方形の形状が一般的である。
鋳型を出た鋳片は、鋼の熱伝導率の低さや鋳型内での滞留時間の短さなどで凝固シェルが薄く、高温のため静圧によるバルジング現象が発生しやすく、特別な鋳片支持装置が必要である。
鋳型直下における鋳片の支持方法としては、非特許文献1に記載のように、図6(a)に示すフートロール方式、図6(b)に示すクーリングプレート方式、図6(c)に示すクーリンググリッド方式などが採用されている。フートロール方式においては、フートロール20を用いて鋳片1を支持しつつ、スプレーノズル24によって冷却水や気水を鋳片1に噴射して冷却する。クーリングプレート方式においては、例えば特許文献1に記載されているように、鋳型直下の鋳片1がクーリングプレート21で支持されると同時に、クーリングプレート表面に設けた開口部23内のスプレーノズル24から噴射される冷却水によって鋳片の凝固が促進される。また特許文献2はクーリンググリッド方式に関するものであり、ブレークアウト防止には鋳型内における1次冷却と共に、鋳型直下における鋳片の安定保持が重要であり、2次冷却として最近では従来のロールに代わってクーリンググリッド装置が多く採用されていると記載されている。即ち、鋳型から連続的に引き抜かれる鋳片が鋳型直下に配置されたクーリンググリッド22に支持され、このときに鋳片はクーリンググリッド間の開口部23に配置した冷却水噴射スプレー24から噴射される冷却水により冷却される。
連続鋳造、特にブルーム連続鋳造などのように鋳片厚みが厚くなる連続鋳造においては、鋳型直下の鋳片支持を鋳片の4面について行うことが必要になってくる。フートロール方式、クーリングプレート方式、クーリンググリッド方式のいずれにおいても、鋳片厚みが厚い場合には鋳片の4面すべてについて鋳片支持を行うこととなる。
実開昭55−116760号公報 特開昭60−87961号公報 日本鉄鋼協会編「第3版鉄鋼便覧II製銑・製鋼」第646ページ
断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造する連続鋳造において、鋳型直下の鋳片支持について鋳片の4面をクーリングプレートで支持する方法を採用した場合、特に鋳造速度を高速化した際に、図5(a)に示すように鋳造を完了した鋳片1の内部のコーナー部付近に内部割れ14が発生することがある。内部割れ14は、固液界面付近において発生した凝固シェルの割れ部に不純物濃化溶鋼が入り込んで形成されるものであり、この部分は不純物が濃化しているために製造した鋳片の品質を低下させる原因となる。
連続鋳造において鋳造速度が速い高速鋳造を行うと、鋳型直下においてブレークアウトが発生する頻度が増大する。特にフートロール方式においては高速鋳造時のブレークアウト発生頻度が高い。また、クーリングプレート21やクーリンググリッド22は、いずれも冷却水スプレーノズル24を配置するための開口部23を鋳片支持面の中に有している。鋳型内あるいは鋳型直下で発生した凝固シェルの湯漏れ部が鋳型下方を通過する際において、これらスプレーノズル開口部に湯漏れ部のかさぶた状凹凸が引っかかり、鋳型直下の鋳片支持部においてブレークアウトを防止することができないという状況が発生している。
本発明は、鋳型直下の鋳片支持にクーリングプレートを用いたときに発生する内部割れを防止することを第1の目的とする。また、高速鋳造時においてもブレークアウトの発生しない鋳型直下鋳片支持方式を提供することを第2の目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部に、鋳片1のコーナー部12およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射する噴射手段7と、鋳片1のコーナー部12およびその周辺部を除く部分において鋳片の4面をそれぞれ支持するための平板状支持手段5であってその背面に冷却手段7を有するものとを具備したことを特徴とする連続鋳造設備。
(2)平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xは、左右ともに、平板状支持手段5の上端においては、該上端位置での凝固シェル厚tU以上かつ凝固シェル厚tUの2倍以下であり、上端以外の部分においては、上端における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離XU以上かつ平板状支持手段の下端位置での凝固シェル厚tLの2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造設備。
(3)断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部において、平板状支持手段5によって鋳片の4面をコーナー部12およびその周辺部を除く部分でそれぞれ支持し、平板状支持手段5はその背面に冷却手段7を有し、平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xは、左右ともに、平板状支持手段5の上端においては、該上端位置での凝固シェル厚tU以上かつ凝固シェル厚tUの2倍以下とし、上端以外の部分においては、上端における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離XU以上かつ平板状支持手段の下端位置での凝固シェル厚tLの2倍以下とし、隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片1のコーナー部12およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射することを特徴とする連続鋳造方法。
本発明は、断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部において、平板状支持手段によって鋳片の4面をコーナー部およびその周辺部を除く部分でそれぞれ支持し、隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片のコーナー部およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射することにより、鋳片内部のコーナー部付近の内部割れ発生を防止することができる。また、平板状支持手段はその背面に冷却手段を有し、鋳片冷却用スプレーノズルのための開口部が存在しないので、高速鋳造において発生するブレークアウトの発生頻度を低減させることができる。
断面方形、即ち長方形あるいは正方形断面の鋳片を鋳造する鋼のブルーム連続鋳造を例にとって、図1〜3に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
本発明において、鋳型直下に導かれた鋳片1はその4面を平板状支持手段5によって支持される。平板状支持手段5とは、鋳片1に接する面が開口部のない平板状であり、鋳片1は平板状支持手段5に接することによって支持されつつ抜熱される。平板状支持手段5はその背面に冷却手段7を有する。具体的には図4に示すように、平板状支持手段5の鋳片に面する側を、銅などの熱伝導率の高い金属板8で形成し、その金属板8の背面(鋳片に接する面の反対側)に冷却水通路10を形成し、背面から冷却水9を循環させることによって金属板8を冷却する。金属板8は背面支持板11によって支持される。金属板8の材料として銅を用いる場合、鋳片と接する面についてはNiめっきなどのコーティングを行い、表面の耐摩耗特性を向上させることができる。銅の材質や表面コーティングの方法については、水冷銅鋳型において用いられる技術を適用すると好ましい。
従来のクーリングプレート方式においては、鋳型直下の鋳片を4面から支持するに際し、鋳片各面の幅方向全幅についてクーリングプレートによる支持が行われていた。従って、図5(b)に示すように、鋳片1はコーナー部12を含めて表面全体がクーリングプレート21によって支持されていた。
一方、このような鋳片の表面全面を支持するクーリングプレート方式を用いて鋳造した鋳片において、特に鋳造速度を高速化した際に、図5(a)に示すように鋳片コーナー部12付近の表層直下に内部割れ14が発生する現象が見られた。内部割れは、前述のとおり、固液界面付近において発生した凝固シェルの割れ部に不純物濃化溶鋼が入り込んで形成されるものであり、この部分は不純物が濃化しているために製造した鋳片の品質を低下させる原因となる。
内部割れの発生原因について究明したところ、鋳型直下のクーリングプレートで冷却される凝固部位において、図5(b)に示すように鋳片コーナー部12付近の冷却が不足し、凝固シェル2の成長がコーナー部12において遅れている現象が見られた。このような現象が見られる場合において、特に高速鋳造を行った際に、鋳片コーナー部12の凝固界面に割れが発生し、この割れに不純物濃化溶鋼が入り込み、そのまま凝固して内部割れ14が形成されることが判明した。
本発明は、鋳型直下の鋳片支持を幅方向全面で行うのではなく、図1に示すように平板状支持手段5は鋳片1のコーナー部12およびその周辺部を除く部分において鋳片1の4面をそれぞれ支持する、即ち、鋳片1のコーナー部12およびその周辺部は平板状支持手段5による支持を行わない方法を採用した。そして、隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片のコーナー部12およびその周辺部へ噴射手段6によって直接冷却水を噴射して鋳片の冷却を行った。その結果、鋳片コーナー部12の冷却が強化され、コーナー部付近における鋳片の冷却遅れが解消され、内部割れの発生を防止できることがわかった。
即ち本発明の連続鋳造設備は、断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部に、鋳片1のコーナー部12およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射する噴射手段6と、鋳片1のコーナー部12およびその周辺部を除く部分において鋳片の4面をそれぞれ支持するための平板状支持手段5であってその背面に冷却手段7を有するものとを具備したことを特徴とする連続鋳造設備である。このような連続鋳造設備を用いて連続鋳造を行うことにより、鋳片コーナー部付近表皮下の内部割れ発生を防止することができる。
隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片のコーナー部およびその周辺部への直接冷却については、スプレーノズルを用いて冷却水を鋳片に直接噴射する方法、あるいは気水噴霧ノズルを用いて冷却水を噴霧化し、この気水を鋳片に直接噴射する方法を採用することができる。このように冷却水や気水を噴射するノズルをここでは総称して噴射手段6と称する。
噴射手段6による鋳片コーナー部および周辺部の直接冷却は、鋳片中央部の平板状支持手段5による冷却能と同程度になるように冷却水量等を決定すると好ましい。
本発明の平板状支持手段5で鋳片のコーナー部およびその周辺部を除く部分において鋳片を支持する際において、鋳片のコーナー部およびその周辺部の平板状支持手段5による支持を行わない領域の広さについて好適範囲が存在する。
鋳片のコーナー部付近の平板状支持手段5による支持を行わない領域の広さが狭すぎると、冷却水又は気水を噴射することによる直接冷却効果が十分に得られないこととなる。その結果、図3(a)に示すように、鋳片コーナー部12の凝固遅れが生じて内部割れ14が発生することとなる。逆に図3(b)に示すように鋳片のコーナー部付近の平板状支持手段5による支持を行わない領域の広さが広すぎると、鋳片コーナー部においてバルジングを防止するための鋳片支持が十分ではなくなり、鋳片コーナー部が外方にバルジングすることによってかえって内部割れ14が増大することになりかねない。
本発明の好適な範囲について、図2(a)に基づいて説明を行う。平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xは、凝固シェル厚t以上とすることにより、冷却水又は気水による直接冷却の範囲を十分に確保し、直接冷却の効果を十分に得ることができるので、鋳片コーナー部の冷却遅れを防止することができる。また、平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xを凝固シェル厚tの2倍以下とすることにより、鋳片コーナー部が外方に膨れるバルジングを防止して良好な鋳造を行うことが可能である。平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xを凝固シェル厚tの1.5倍以下とするとより好ましい。
鋳造方向には図2(b)に示すように、平板状支持手段5の上端16において、平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xを該上端位置での凝固シェル厚tU以上かつ凝固シェル厚tUの2倍以下とする。平板状支持手段上端16における平板状支持手段の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離をXUとおく。
凝固シェルの成長に伴い、平板状支持手段5の範囲内においても鋳造方向において凝固シェル厚tは次第に厚くなる。そのため、平板状支持手段5の上端以外の部分における平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xについては、平板状支持手段上端16における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離XU以上かつ平板状支持手段の下端17位置での凝固シェル厚tLの2倍以下となるように調整すると良い。
本発明の平板状支持手段5の鋳造方向長さは、従来のクーリングプレート方式等におけるバルジング抑制と同様な考え方で決定され、何ら制約が生じるものではない。
鋳型下端から下方に引き出される鋳片の表面にはパウダーが固着している。鋳片が本発明の平板状支持手段に導入される際に、この鋳片固着パウダーは平板状支持手段の上端部で剥離・破砕され、鋳片表面から除去される。この鋳片表面から剥離したパウダーが鋳型と平板状支持手段との間の空間に堆積すると、鋳片の冷却が阻害されるので好ましくない。
本発明において、鋳型の下端と平板状支持手段の上端との間の間隔は、鋳片表面から剥離したパウダーを平板状支持手段の背面側に排出するに十分な間隔を確保するとともに、この空間で鋳片がバルジングすることのない範囲に抑える必要がある。間隔が10mm程度であれば、鋳片表面から剥離したパウダーを平板状支持手段の背面側に排出できるとともに、バルジングの発生を抑えられるので好ましい。
なお、破砕したパウダーを排出するため、あるいは鋳片の冷却を促進するため、鋳型と平板状支持手段との間の空間にスプレーノズルを配置し、スプレーノズルから鋳片に向けて冷却水や気水を噴射することとしても良い。
鋳型を抜けた鋳片は、下方に行くに従って凝固収縮によって鋳片が収縮する。凝固収縮の度合いは、約0.5%/m程度である。また、本発明では平板状支持手段によって鋳片を支持するので、バルジングによる鋳片の膨張も抑えられる。従って、鋳片の凝固収縮に沿って鋳片を的確に支持して接触性を確保するためには、対面する2枚の平板状支持手段の間隔が下に行くほど狭まる、いわゆる鋳造方向テーパーを設けると好ましい。一方、鋳造方向テーパーが大きすぎると、平板状支持手段の下方において鋳片が圧縮を受け、矯正割れが発生することとなる。本発明においては、平板状支持手段の鋳造方向テーパーを1.0%/m以下とすることにより、矯正割れの発生しない良好な鋳造を行うことが可能になる。
平板状支持手段の上端において、対面する2枚の平板状支持手段の間隔は、鋳型下端における対面する鋳型表面間の間隔と同一、乃至はそれより凝固収縮量を引いた値の範囲内の間隔とすると好ましい。凝固収縮量とは、鋳型下端と平板状支持手段の上端との間の距離において鋳片が凝固収縮する量を意味する。このような間隔にすることにより、平板状支持手段に導入される鋳片はバルジングを起こすことなく、平板状支持手段によって良好に支持されることとなる。同時に、鋳片が平板状支持手段に導入されるときに過度に圧縮されることがなく、矯正内部割れの発生しない鋳造を行うことができる。
さらに、対面する2枚の平板状支持手段の間隔が上記の値に一定となるように固設すると好ましい。固設した方が、設備強度を高くして間隔を常に一定とすることができ、設備費を安価にすることができるからである。間隔が鋳片押し付け力によって変化する弾性押しつけを採用すると、鋳片押し付け力によって間隔が変化してしまうので好ましくない。
高速鋳造を行うと、鋳型内で成長するシェル厚みが薄くなるので、鋳型内バルジング変形により鋳型と鋳片の隙間が小さくなることによるパウダーの不均一流入または流入不足が発生しやすくなり、結果としてシェル厚みの不均一による割れ性ブレークアウトや、拘束性ブレークアウトの発生起点(湯漏れ部)が生じやすくなる。
鋳型下の鋳片支持がフートロール方式(図6(a))の場合は、鋳型下端部に露出した湯漏れ部が全く修復されることなく、直ちにブレークアウトが発生することとなる。また、フートロール方式ではロール間の間隔が広いので、高速鋳造でシェル厚が薄くなるとこの部分で溶鋼静圧に起因してシェルが破断し、ブレークアウトに至ることとなりやすい。特にシェル厚みの不均一が生じているときには、シェル厚が薄い部分においてフートロール部でブレークアウトに至ることとなる。
鋳型下の鋳片支持方式として従来のクーリングプレート方式(図6(b))やクーリンググリッド方式(図6(c))を採用した場合においては、いずれもスプレーノズル24を配置して鋳片をスプレーで直接冷却するための開口部23を有している。上記湯漏れ部がクーリングプレート21やクーリンググリッド21を通過する過程で上記開口部23に到達したとき、湯漏れ部のかさぶた状の凹凸が開口部に引っかかり、かえって湯漏れ部が拡大して結局ブレークアウトに至ることとなる。
本発明の平板状支持手段5は、フートロール方式と異なり鋳型下端と鋳片支持開始点との間の距離が短いので、フートロール方式と比較してブレークアウトの発生を抑えることができる。さらに、本発明の平板状支持手段5は、従来のクーリングプレート方式やクーリンググリッド方式と異なり、鋳片と接する面にはスプレーノズルを配置するための開口部が存在しないので、鋳型内で発生した湯漏れ部のかさぶた状の凹凸が引っかかることがなく、湯漏れ部が平板状支持手段内を通過中に修復されてふさがるので、ブレークアウトの発生を防止することができる。
鋳型サイズ240mm角の湾曲型ブルーム連続鋳造装置において、本発明を適用した。鋳型下端での鋳型サイズが240mm角、鋳造対象品種はS45C、鋳造速度は1.7m/分である。
本発明の平板状支持手段5として、図4に示すように、平板状支持手段5の鋳片に面する側を銅製の金属板8で形成し、金属板8の背面(鋳片に接する面の反対側)に冷却水通路10を形成し、背面から冷却水9を循環させることによって金属板8を冷却する構造としている。金属板8は背面支持板11によって支持される。金属板8の鋳片と接する面についてはNiめっきコーティングを行っている。平板状支持手段5の鋳造方向長さは340mmである。平板状支持手段5上端の対面間隔は鋳型下端における鋳型対面間隔と同一とし、平板状支持手段5のテーパーを0.5%/mとした。鋳型下端と平板状支持手段上端との間の距離を10mmとした。
鋳片コーナー部の噴射手段6として、各コーナー毎に平板状支持手段5の鋳造方向の中央部に広角の1個の気水噴射ノズルを配置して、コーナー部および周辺部の全面を直接冷却することとした。
凝固シェル厚tは、平板状支持手段5の上端における凝固シェル厚tUが14mm、下端における凝固シェル厚tLが17mmであった。
ひとつの平板状支持手段5においては、平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xは、いずれのコーナー部についてもすべて同一とし、また鋳造方向いずれの部位についてもXの値を同一とした。Xの値を平板状支持手段5の上端における凝固シェル厚tUで割った値をαとする。6種類の平板状支持手段5を製作し、表1に示すようにαを0から2.5まで変化させた。これらの平板状支持手段5を用いて連続鋳造を行ったときの内部割れ発生率(%)の挙動について調査した。表1に結果を示す。
Figure 2006035248
表1から明らかなように、α=1.0〜2.0の範囲において内部割れ発生率が低いことがわかる。即ち、平板状支持手段5の幅端部15と鋳片のコーナー部12との間の距離Xを平板状支持手段5上端位置での凝固シェル厚tU以上かつ凝固シェル厚tUの2倍以下とすると内部割れ発生率が低いことがわかる。α=1.0〜1.5の範囲とするとより好ましい。
上記の平板状支持手段を用いた本発明例おいては、鋳型直下でのブレークアウト発生率が0.03%であった。フートロール方式を採用した従来法では、鋳型直下でのブレークアウト発生率が0.09%であったので、本発明法の採用によってブレークアウト発生率が低減していることが明らかである。
本発明の連続鋳造設備を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面断面図、(c)は鋳型を含めた断面図である。 平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離Xと凝固シェル厚tの関係を示す図であり、(a)は平面断面図、(b)は立面図である。 鋳型直下での鋳片冷却状況を示す平面断面図であり、(a)は平板状支持手段がコーナー部に過度に近接した場合、(b)は平板状支持手段がコーナー部から過度に離れた場合を示す図である。 本発明の平板状支持手段の冷却構造を示す図であり、(a)は立面断面図、(b)はB−B矢視断面図である。 (a)は鋳片断面における内部割れ発生状況を示す鋳片断面図であり、(b)はクーリングプレート方式で鋳片コーナー部に発生する凝固遅れを説明する部分断面図である。 従来の鋳型直下鋳片支持方式を示す図であり、(a)はフートロール方式についての正面図と側面断面図、(b)はクーリングプレート方式についての正面図と部分断面図、(c)はクーリンググリッド方式についての正面図である。
符号の説明
1 鋳片
2 凝固シェル
3 未凝固溶鋼部
4 鋳型
5 平板状支持手段
6 噴射手段
7 冷却手段
8 金属板
9 冷却水
10 冷却水通路
11 背面支持板
12 コーナー部
13 鋳片表面
14 内部割れ
15 平板状支持手段の幅端部
16 上端
17 下端
20 フートロール
21 クーリングプレート
22 クーリンググリッド
23 開口部
24 スプレーノズル
X 平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離
U 平板状支持手段の上端における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離
t 鋳片の凝固シェル厚
U 平板状支持手段の上端における鋳片の凝固シェル厚
L 平板状支持手段の下端における鋳片の凝固シェル厚

Claims (3)

  1. 断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部に、鋳片のコーナー部およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射する噴射手段と、鋳片のコーナー部およびその周辺部を除く部分において鋳片の4面をそれぞれ支持するための平板状支持手段であってその背面に冷却手段を有するものとを具備したことを特徴とする連続鋳造設備。
  2. 前記平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離は、左右ともに、平板状支持手段の上端においては、該上端位置での凝固シェル厚以上かつ該凝固シェル厚の2倍以下であり、上端以外の部分においては、前記上端における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離以上かつ平板状支持手段の下端位置での凝固シェル厚の2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造設備。
  3. 断面方形の連続鋳造鋳片を鋳造するための鋳型の下部において、平板状支持手段によって鋳片の4面をコーナー部およびその周辺部を除く部分でそれぞれ支持し、該平板状支持手段はその背面に冷却手段を有し、
    前記平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離は、左右ともに、平板状支持手段の上端においては、該上端位置での凝固シェル厚以上かつ該凝固シェル厚の2倍以下とし、上端以外の部分においては、前記上端における平板状支持手段の幅端部と鋳片のコーナー部との間の距離以上かつ平板状支持手段の下端位置での凝固シェル厚の2倍以下とし、
    隣り合う平板状支持手段間に露出した鋳片のコーナー部およびその周辺部へ直接冷却水又は気水を噴射することを特徴とする連続鋳造方法。
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