JP2006032768A - Ld励起固体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸収係数の異なる2以上の領域を有するレーザ結晶に対して、励起用LD光の入射方向や偏光方向の自由度を高くすることにより、レーザ光の高出力化を図る。
【解決手段】 レーザ結晶は、2枚のレーザ結晶1,2を接合した構成としており、それぞれの結晶のC軸方向を直交させ、かつ、それぞれのC軸方向がレーザ光の射出方向と直交するような構成とする。すなわち、LD光に対する吸収係数が異なる領域を形成している。レーザ結晶に対して、x方向、y方向よりLD光を入射させ、レーザ結晶を励起することによりレーザ発振動作が行われる。ここで、レーザ結晶に対しては、それぞれ吸収係数の大きいC軸と平行な偏光方向のLD光を入射させ、レーザ結晶を励起している。これにより、レーザ結晶の励起効率が高くなる。また、4方向からのLD光による励起を実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、LD励起(半導体レーザ励起)固体レーザ装置に関し、特に、マイクロチップレベルの共振器を用いたLD励起固体レーザ装置に関する。
レーザ光を利用した技術は、その指向性(直進性)、高輝度性、単色性、コヒーレンス(可干渉性)といった特徴を生かすことによって、様々な産業分野で応用されている。特に、近年では、フラッシュランプ励起から半導体レーザ励起(LD励起)に置き換わり、装置への熱負荷が軽減され、長寿命化が図られたことにより、産業分野への応用範囲は更に広くなっている。
(1)レーザの指向性(直進性)は、中〜長距離において正確な測量(距離測定)を必要とする分野、例えば、建築工学や土木工学、航空工学や宇宙工学の分野に、あるいはごく一般的な測量の分野等に応用されている。
(2)レーザの高輝度性は、レーザの指向性を併用することにより、強力な熱源として用いて、鉄鋼、金属や自動車産業における材料の切断や溶接等を行う加工技術に応用されている。また、レーザメスといった医療機器の分野においても応用されている。
(3)レーザの単色性は、光と物質の相互作用が重要となる分野で応用されている。例えば、原子や分子の量子状態の励起等に用いられている。この応用として、核燃料の処理、ダイオキシンの分解などがある。
(4)レーザのコヒーレンスは、光ファイバー通信の情報産業分野や、ホログラフィ技術を利用した三次元形状計測などの測定分野に応用されている。レーザ走査顕微鏡は、レーザの可干渉性を用いた一例である。
また、レーザ技術は、レーザディスプレイの分野にも応用されている。
レーザディスプレイは、可視光域の波長のレーザを使用しており、主に、エンターテイメントに分野で用いられている。レーザ光を用いた演出の方法には2つの方法がある。1つは、従来からある、空間を飛び交うレーザビームなどを見せる空間演出である。もう1つは、レーザビームの到達点(壁面など)を高速にスキャニングさせ、到達点においてアニメーションを描くグラフィクス演出である。
これらのレーザ技術の応用に対する要求として、レーザ光源の短波長化の要求や、三原色(赤、青、緑)レーザ光源の要求などがある。そして、これらの要求に対しては、半導体レーザ素子の開発や、波長変換レーザの開発が進められている。特に、高出力(〜10W程度)のレーザ光源を必要とする応用に対しては、固体レーザを用いた波長変換光源が適しており、様々な研究機関が開発に取り組んでいる。
そして、幅広い産業分野に対してレーザ技術を応用するためには、レーザ光源の小型化は不可欠である。そして、その出力は高出力であるほどより好ましく、幅広い応用が考えられる。また、小型で高出力のレーザ光源としては、レーザ結晶に薄いディスクを使用したマイクロチップレーザが有効である。
第1の従来技術として、特許文献1には、グリーン光の出力を一定にし、光ディスク用として有効に応用すべく、小型化、低ノイズ化を図った半導体レーザ励起固体レーザ装置に関する技術が開示されている。これによれば、低ノイズで出力の安定した固体レーザ光を出力するために、シングルモード半導体レーザチップ(シングルモードLD)を用いている。
また、第2の従来技術として、特許文献2にも、小型半導体レーザ励起固体レーザ装置に関する技術が開示されていて、これによれば、マイクロチップSHG(Second Harmonic Generation)レーザ構成に、マイクロレンズを採用することにより、高効率化を達成することで高出力が可能となっている。
また、第3の従来技術として、非特許文献1に開示された技術によれば、励起用のLD光のパワーを増加させるために、マイクロチップ構成のレーザ結晶の側面よりLD光を入射させる方式を採用している。
特開平5−183220号公報 特開平11−177167号公報 JJAP Vol.41(2002)pp.L606〜L608
しかしながら、従来の技術では、高出力化に対して以下の課題があった。
(イ)前記第1の従来技術では、高出力のシングルモードLDが存在しないため、高出力の励起ができない。そのため、高出力のレーザ光を必要とする分野の技術に応用させることができなかった。
(ロ)前記第2の従来技術では、励起のシングルストライプLDは、最大でも2W程度の出力でしかなく、10W程度の出力を得ることは難しい。
すなわち、前記第1、第2の従来技術では、レーザ光の射出方向と同一の方向からLDによる励起を行う端面励起構成では、LD光のパワーの限界及び放熱の観点から、レーザ光の高出力化を図るのは困難である。
(ハ)前記第3の従来技術では、レーザ結晶はYAGであり、結晶軸に吸収係数の差がないため、レーザ結晶に対してどの方向から励起用のLD光を入射させても問題はない。ただし、一軸性結晶であるYVO4結晶などを利用する場合には、結晶軸による吸収係数の差があるため、高効率にレーザ発振を実現するためには、レーザ結晶に対するLD光の入射方向や偏光方向が限定される。そのため、励起用LD光の配置や偏光方向の自由度を高くする必要がある。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、吸収係数の異なる2以上の領域を有するレーザ結晶に対して、励起用LD光の入射方向や偏光方向の自由度を高くすることにより、レーザ光の高出力化を図るLD励起固体レーザ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、LD光により固体レーザ結晶を励起し、レーザ光を射出させる手段を有するLD励起固体レーザ装置であって、前記固体レーザ結晶は、任意の方向より単一偏光のLD光を入射させた場合に、レーザ光射出方向に対して、LD光に対する吸収係数が異なる2以上の領域を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記レーザ光を射出させる手段は、前記固体レーザ結晶の端面をレーザ共振器のミラーとすることにより、レーザ光を射出することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記レーザ結晶は、レーザ光射出方向に対して結晶軸の方向が異なる複数個の結晶を配列することにより構成され、前記複数個の結晶における各々の結晶軸の構成により、LD光に対する吸収係数が異なる領域を構成することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記複数個の結晶は、接合されている構成であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記複数個の結晶のC軸は、互いに直交していることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記複数個の結晶のC軸の方向は、レーザ光射出方向に対して垂直であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記複数個の結晶のC軸の方向は、少なくとも1つはレーザ光射出方向に対して垂直であり、さらに、少なくとも1つはレーザ光射出方向に対して平行であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記固体レーザ結晶の内部もしくは外部に非線形光学結晶を配置し、前記非線形光学結晶により射出レーザ光の波長変換を行うことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記非線形光学結晶は、擬似位相整合型の非線形光学結晶であることを特徴とする。
本発明によれば、以下の説明から明らかなように、吸収係数の異なる2以上の領域を有するレーザ結晶に対して、励起用LD光の入射方向や偏光方向の自由度を高くすることにより、レーザ光の高出力化を図ることが可能となる。
実施例1〜2に示したLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の構成は、高出力(高輝度)のレーザ光を得るための構成である。また、実施例3は、さらに、第2高調波を得るための構成を付加したものである。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。
本実施例のレーザ装置は、レーザ結晶(Nd:GdVO4、ネオジウムを数原子パーセント以下で添加したガドリニウム・バナデイト。特に、本実施例では、ネオジウムが1原子パーセント添加されたガドリニウム・バナデイトを用いている。)とLDとを有する。レーザ結晶は、2枚のレーザ結晶1,2を接合した構成としており、それぞれの結晶のC軸方向を直交させ、かつ、それぞれのC軸方向がレーザ光の射出方向と直交するような構成としている。すなわち、レーザ光の射出方向であるz方向に対して、レーザ結晶1のC軸はy方向に設定され、レーザ結晶2のC軸はx方向に設定されている。
本実施例では、レーザ結晶の寸法を、1mm×1mm(アパーチャサイズ)×0.5mm(厚さ)として構成しており、接合された2枚のレーザ結晶の厚さを、レーザ結晶1は0.3mmに、レーザ結晶2は0.2mmとしている。
レーザ結晶の接合面と平行な両端面には、レーザ共振器用のコーティングが施してあり、レーザ光射出面は、波長1062nmに対して透過率を3%とし、対向する面は波長1062nmに対して99.9%以上の反射率を実現している。
レーザ結晶の側面は、LD光が入射可能になるように研磨とコーティングが施されていて、各面で波長808nmに対して99%以上の透過率を実現している。
次に、第1の実施例についての動作を説明する。
図1に示すように、レーザ結晶に対して、側面(x方向、y方向)よりLD光を入射させ、レーザ結晶を励起することによりレーザ発振動作が行われる。
ここで、レーザ結晶に対しては、それぞれ吸収係数の大きいC軸と平行な偏光方向のLD光を入射させ、レーザ結晶を励起している。すなわち、レーザ結晶1に対するx方向からのLD光は、y方向に偏光している。また、レーザ結晶2に対するy方向からのLD光は、x方向に偏光している。これにより、レーザ結晶の励起効率が高くなる。
また、4方向からのLD光による励起を実現することができる。
ここで、本実施例では、レーザ結晶の構成を、2枚の結晶に対して結晶軸を直交させて配列・接合した構成とし、これにより、LD光に対する吸収係数が異なる領域を形成している。これによって、励起用LD光の入射方向の自由度が増え、吸収効率の高い方向からのLD光入射光量を増加することができ、これによって、LD励起マイクロチップ固体レーザの高出力化が可能となる。
また、C軸方向を直交させることで、LD光入射方向を直交方向からの基底とすることにより、レーザ装置構成の簡素化を実現できる。
また、それぞれのレーザ結晶のC軸は、レーザ発振方向と直交していることにより、励起光の偏光方向を統一できるため、LD素子の配置も一定方向となり、簡素化される。
また、レーザ構成としてレーザ結晶の端面を共振器ミラーとして使用することにより、LD励起マイクロチップ固体レーザ装置の小型化を実現することが可能である。
また、レーザ結晶を2枚用い、光軸方向(レーザ射出方向)に対して垂直に配置・接合することにより、レーザ結晶が1枚構成として取り扱うことが可能になり、レーザ構成を簡素化することが可能である。
次に、第2の実施例について説明する。
図2は、本発明の第2の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。
本実施例のレーザ装置は、レーザ結晶(Nd:GdVO4、ネオジウムを数原子パーセント以下で添加したガドリニウム・バナデイト。特に、本実施例では、ネオジウムが1原子パーセント添加されたガドリニウム・バナデイトを用いている。)とLDとを有する。レーザ結晶は、2枚のレーザ結晶3,4を接合した構成としており、それぞれの結晶のC軸方向を直交させ、かつ、レーザ結晶3のC軸方向はレーザ光の射出方向と直交し、レーザ結晶4のC軸方向はレーザ光の射出方向と平行である。
本実施例では、レーザ結晶の寸法を、1mm×1mm(アパーチャサイズ)×0.5mm(厚さ)として構成しており、接合された2枚のレーザ結晶の厚さを、レーザ結晶3は0.3mmに、レーザ結晶4は0.2mmとしている。また、レーザ結晶の接合面と平行な両端面にはレーザ共振器用のコーティングが施してあり、レーザ光射出面は、波長1062nmに対して透過率を3%とし、対向する面は波長1062nmに対して99.9%以上の反射率を実現している。また、レーザ結晶の側面はLD光が入射可能になるように研磨とコーティングが施してあり、各面で波長808nmに対して、99%以上の透過率を実現している。
次に、第2の実施例についての動作を説明する。
図2に示すように、レーザ結晶に対して、側面(x方向、y方向)よりLD光を入射させ、レーザ結晶を励起することによりレーザ発振動作が行われる。
ここで、レーザ結晶に対しては、それぞれ吸収係数の大きいC軸と平行な偏光方向のLD光を入射させ、レーザ結晶を励起している。すなわち、レーザ結晶3に対するx方向からのLD光は、y方向に偏光している。また、レーザ結晶4に対するy方向からのLD光は、z方向に偏光している。これにより、レーザ結晶の励起効率が高くなる。
また、4方向からのLD光による励起を実現することができる。
また、ここで使用しているNd:GdVO4結晶は、C軸方向の誘導放出断面積が大きいため、レーザ結晶3に対するC軸方向に沿った直線偏光で発振する。
ここで、第2の実施例では、レーザ結晶の構成を、2枚の結晶に対して結晶軸を直交させて配列・接合した構成とし、これにより、LD光に対する吸収係数が異なる領域を形成している。これによって、励起用LD光の入射方向の自由度が増え、吸収効率の高い方向からのLD光入射光量を増加することができ、これによって、LD励起マイクロチップ固体レーザの高出力化が可能となる。
また、C軸方向を直交させることで、LD光入射方向を直交方向からの基底とすることにより、レーザ装置構成の簡素化を実現できる。
また、それぞれのレーザ結晶のC軸は、レーザ結晶3のC軸はレーザ射出方向と直交しており、レーザ結晶4のC軸はレーザ射出方向と平行である構成としており、レーザ結晶3のC軸方向の直線偏光で効率良く発振することが可能となる。ここで、レーザ結晶4はC軸方向の偏光では発振することは出来ないので、レーザ結晶3の偏光方向へ引き込みが行われ、レーザ結晶4においても吸収したLD光を効率よくレーザ発振に使うことができる。これにより、高出力のLD励起マイクロチップ固体レーザを直線偏光で実現できる。
また、レーザ装置の構成として、レーザ結晶の端面を共振器ミラーとして使用することにより、LD励起マイクロチップ固体レーザ装置の小型化が実現できる。
また、レーザ結晶を2枚用い、光軸方向(レーザ射出方向)に対して垂直に配置・接合することにより、レーザ結晶が1枚構成として取り扱うことが可能になり、レーザ構成を簡素化することが可能である。
次に、第3の実施例について説明する。
図3は、本発明の第3の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。
本実施例のレーザ装置は、レーザ結晶(Nd:GdVO4、ネオジウムを数原子パーセント以下で添加したガドリニウム・バナデイト。特に、本実施例では、ネオジウムが1原子パーセント添加されたガドリニウム・バナデイトを用いている。)と非線形光学結晶(QPM(Quasi-Phase-Matching:擬似位相整合)構造のLiNbO3結晶素子)とLDとを有する。レーザ結晶は2枚のレーザ結晶5,6を接合した構成としており、それぞれの結晶のC軸方向を直交させ、かつ、レーザ結晶5のC軸方向はレーザ光の射出方向と直交し、レーザ結晶6のC軸方向はレーザ光の射出方向と平行である。
本実施例では、レーザ結晶の寸法を、1mm×1mm(アパーチャサイズ)×0.5mm(厚さ)として構成しており、接合された2枚のレーザ結晶の厚さを、レーザ結晶5は0.3mmに、レーザ結晶6は0.2mmとしている。また、レーザ結晶の接合面と平行な両端面にはレーザ共振器用のコーティングが施してあり、レーザ光射出面は、波長1062nmに対して透過率を3%とし、対向する面は波長1062nmに対して99.9%以上の反射率を実現している。また、レーザ結晶の側面はLD光が入射可能になるように研磨とコーティングが施してあり、各面で波長808nmに対して99%以上の透過率を実現している。
また、非線形光学結晶はQPM7のピッチが6.9μmのMgOを添加したLiNbO3結晶を使用し、そのサイズは、0.7mm×0.7mm(アパーチャサイズ)×10mm(厚さ)として構成しており、波長1062nmに対するSHG(Second Harmonic Generation)が可能な構成としている。ここで、非線形光学結晶は光軸を調整し、レーザ結晶のレーザ射出面に接合している。
次に、第3の実施例についての動作を説明する。
図3に示すように、レーザ結晶に対して、側面(x方向、y方向)よりLD光を入射させ、レーザ結晶を励起することによりレーザ発振動作が行われる。
ここで、レーザ結晶に対しては、それぞれ吸収係数の大きいC軸と平行な偏光方向のLD光を入射させ、レーザ結晶を励起している。すなわち、レーザ結晶5に対するx方向からのLD光は、y方向に偏光している。また、レーザ結晶6に対するy方向からのLD光は、z方向に偏光している。これにより、レーザ結晶の励起効率が高くなる。
また、4方向からのLD光による励起を実現することができる。
また、ここで使用しているNd:GdVO4結晶は、C軸方向の誘導放出断面積が大きいため、レーザ結晶5に対するC軸方向に沿った直線偏光で発振する。レーザ結晶から射出されたレーザ光は、レーザ結晶に接合されている非線形光学素子(QPM構造のLiNbO3結晶素子)にダイレクトに入射し、第2高調波に変換されて、射出される。
ここで、第3の実施例では、レーザ結晶の構成を、2枚の結晶に対して結晶軸を直交させて配列・接合した構成とし、これによりLD光に対する吸収係数が異なる領域を形成している。これによって、励起用LD光の入射方向自由度が増え、吸収効率の高い方向からのLD光入射光量を増加することができ、これによってLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の高出力化が可能となる。
また、C軸方向を直交させることで、LD光入射方向を直交方向からの基底とすることにより、レーザ装置構成の簡素化を実現できる。
また、それぞれのレーザ結晶のC軸は、レーザ結晶5のC軸はレーザ射出方向と直交しており、レーザ結晶6のC軸はレーザ射出方向と平行である構成としており、レーザ結晶5のC軸方向の直線偏光で効率良く発振することが可能となる。ここで、レーザ結晶6はC軸方向の偏光では発振することは出来ないので、レーザ結晶5の偏光方向へ引き込みが行われ、レーザ結晶6においても吸収したLD光を効率よくレーザ発振に使うことができる。これにより、高出力のLD励起マイクロチップ固体レーザを直線偏光で実現できる。
また、レーザ装置の構成として、レーザ結晶の端面を共振器ミラーとして使用することにより、LD励起マイクロチップ固体レーザ装置の小型化が実現できる。
また、レーザ結晶を2枚用い、光軸方向(レーザ射出方向)に対して垂直に配置・接合することにより、レーザ結晶が1枚構成として取り扱うことが可能になり、レーザ構成を簡素化することが可能である。
また、レーザ共振器の外部に非線形光学結晶を配置し、第2高調波を発生・出力可能とすることで、LD励起マイクロチップ固体レーザ装置の波長領域の拡大が図れ、かつ非線形光学素子に擬似位相整合型の素子を採用することにより、安定に作製でき、特性も安定している非線形光学結晶を使用することが可能になるので、波長変換特性の安定化が可能となる。
本発明に係るLD励起固体レーザ装置、特に、マイクロチップレベルの共振器を用いたLD励起マイクロチップ固体レーザ装置は、小型かつ高出力(高輝度)であり、レーザスキャンディスプレイやプロジェクター等に応用することが可能である。
しかしながら、これらの技術分野への応用に限らず、高輝度なレーザ光を必要とする産業分野、例えば、レーザ光による熱加工技術などにも応用が可能である。
また、レーザ装置の波長領域の拡大を図ったことから、短波長レーザ光を必要とする分野、例えば、高密にデータを記憶することが可能な記憶媒体の読み取り装置などに応用することが可能である。
本発明の第1の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。 本発明の第2の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。 本発明の第3の実施例であるLD励起マイクロチップ固体レーザ装置の概要を示した図である。
符号の説明
1〜6 レーザ結晶
7 QPM素子

Claims (9)

  1. LD光により固体レーザ結晶を励起し、レーザ光を射出させる手段を有するLD励起固体レーザ装置であって、
    前記固体レーザ結晶は、任意の方向より単一偏光のLD光を入射させた場合に、レーザ光射出方向に対して、LD光に対する吸収係数が異なる2以上の領域を有することを特徴とするLD励起固体レーザ装置。
  2. 前記レーザ光を射出させる手段は、前記固体レーザ結晶の端面をレーザ共振器のミラーとすることにより、レーザ光を射出することを特徴とする請求項1記載のLD励起固体レーザ装置。
  3. 前記レーザ結晶は、レーザ光射出方向に対して結晶軸の方向が異なる複数個の結晶を配列することにより構成され、
    前記複数個の結晶における各々の結晶軸の構成により、LD光に対する吸収係数が異なる領域を構成することを特徴とする請求項1または2に記載のLD励起固体レーザ装置。
  4. 前記複数個の結晶は、接合されている構成であることを特徴とする請求項3記載のLD励起固体レーザ装置。
  5. 前記複数個の結晶のC軸は、互いに直交していることを特徴とする請求項3または4に記載のLD励起固体レーザ装置。
  6. 前記複数個の結晶のC軸の方向は、レーザ光射出方向に対して垂直であることを特徴とする請求項5記載のLD励起固体レーザ装置。
  7. 前記複数個の結晶のC軸の方向は、少なくとも1つはレーザ光射出方向に対して垂直であり、
    さらに、少なくとも1つはレーザ光射出方向に対して平行であることを特徴とする請求項5記載のLD励起固体レーザ装置。
  8. 前記固体レーザ結晶の内部もしくは外部に非線形光学結晶を配置し、前記非線形光学結晶により射出レーザ光の波長変換を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のLD励起固体レーザ装置。
  9. 前記非線形光学結晶は、擬似位相整合型の非線形光学結晶であることを特徴とする請求項8記載のLD励起固体レーザ装置。
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