JP2006030280A - 顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 照明光の明るさ調整が可能で、しかも撮像手段により良質な画像が撮像できる顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 照明光を蛍光試料S上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の微小ミラー201を有するDMD8の各微小ミラー201をN×N個単位(Nは整数)に構成し、N×N個単位を構成する微小ミラー201について所定の個数単位でオフ(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 照明光を蛍光試料S上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の微小ミラー201を有するDMD8の各微小ミラー201をN×N個単位(Nは整数)に構成し、N×N個単位を構成する微小ミラー201について所定の個数単位でオフ(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、医学、生物学などの研究分野において生物組織からの蛍光を観察する蛍光顕微鏡などに用いられる顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラムに関するものである。
従来、医学および生物学などの分野において生物組織細胞上で蛍光標識を施した蛋白や遺伝子などを観察するのに用いられものに蛍光顕微鏡が知られている。
このような蛍光顕微鏡は、蛍光標識を施された生物細胞に対し、ある特定幅の波長のみを含む照明光(励起光)を照射すると、生物細胞は励起光よりも長い波長の光(蛍光)を発することから、この蛍光を観察するようになっている。
ところで、蛍光顕微鏡を用いて蛍光観察を行なうにあたって視野内の一部分を観察対象とするような場合、標本の他の部分が劣化して蛍光が退色するのを防ぐために、観察視野内の必要な部分のみを照明する方法が採られている。
従来、視野の一部を照明する方法として、顕微鏡の照明装置としてケーラー照明を採用し、観察範囲と同じ範囲を照明するため視野絞り機能を設けたものでは、視野絞りを調整して観察視野内の必要な部分のみを照明する方法が用いられている。
ところが、このような方法では、視野絞りを調整するものであるため、標本上の任意の部分のみを任意の大きさや形状で照明するようなことは難しい。
一方、最近になって、蛍光観察時に視野内を部分的に退色させ、その復帰状態を観察することで、細胞内の物質移動を観察するFRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)、FLIP(Fluorescence Los In Photobleaching)や、科学的に特性を封じ込めたCaged試薬で染色しておき、部分的に照射光を当てることで、その部分のみ特性を回復させ、その拡散を観察する方法などの実用化にともない、蛍光観察時の視野内の一部分を、任意の大きさや形状で照明するような要求が高まっている。
そこで、例えば、特許文献1に開示されるように光源の前面の絞り位置と共役の面に透明/不透明パターンを形成した透過照明素子(LCD)を配置して部分照明を実現した方法や、特許文献2に開示されるように光源からの照明光路上の標本と共役位置に複数の微小ミラーで構成されるマイクロミラーデバイス(以下、DMD(Digital Micromirror Device)と称する。)を配置して部分照明を実現した方法などが提案されている。
このうちのDMDを用いたものは、応答速度が速く、照射光の色特性を確保した上で高精度な調整制御が可能であり、観察精度の向上が図れるなどの利点を有している。
一方、顕微鏡の照明装置に用いられている光源は、明るさの調整ができないものや、単純に電圧を変化させると照明光の色も変化してしまうものがある。蛍光観察では照明光の色(波長)が重要であため、明るさを変化させるには、照明光の色を変えずに明るさだけを減らすND(Neutral Density)フィルタを用いるなどしている。しかし、NDフィルタは、透過率が固定(例えば、ND6は、透過率6%、ND25は、透過率25%)であるため極め細かに明るさを調整をするのが困難である。さらに、NDフィルタは、光路に対して機械的に挿脱させるようにしているので操作速度が遅くなってしまう。
これに対し、上述した光源からの照明光路上にDMDを用いたものは、標本上の部分照明だけではなく、DMDの制御方法によっては、標本上での照明光の明るさを濃淡をつけて調整することもできる
図2は、このようなDMDの概略構成を示すもので、微小ミラー201が多数配置されている。そして、これら微小ミラー201の角度位置を個別に制御して反射方向を変化させ、照明光として用いる角度位置をオン、その他の角度位置をオフとしたとき、これらのオン/オフ状態を制御することにより、オン時の反射光202のみを照明光として用いるようにしている。また、照明光の明るさに濃淡をつけるには、図3に示すようなパルス幅変調PWM(Pulse Width Modulation)を用い、1周期T内のオン期間(t1)とオフ期間(t2)の割合(デューティー比)を変化させることで、明るさを変化させる方法が一般的に用いられている。
図2は、このようなDMDの概略構成を示すもので、微小ミラー201が多数配置されている。そして、これら微小ミラー201の角度位置を個別に制御して反射方向を変化させ、照明光として用いる角度位置をオン、その他の角度位置をオフとしたとき、これらのオン/オフ状態を制御することにより、オン時の反射光202のみを照明光として用いるようにしている。また、照明光の明るさに濃淡をつけるには、図3に示すようなパルス幅変調PWM(Pulse Width Modulation)を用い、1周期T内のオン期間(t1)とオフ期間(t2)の割合(デューティー比)を変化させることで、明るさを変化させる方法が一般的に用いられている。
ところで、このような蛍光観察では、肉眼では認識できない程度の微弱な蛍光を高感度のCCDカメラなどの撮像手段により画像取得し、この取得画像について解析することが行われている。
特表2000−502472号公報
特開2003−107361号公報
しかし、CCDカメラを用いて蛍光画像を取得するようにしたものでは、DMDのPWMによる明るさ制御を人間の目で観察する場合、明るさが変化したように見えるが、CCDカメラで撮像する場合、シャッター速度が高速になると、シャッターが開いてCCDカメラで撮影するタイミングとDMDのオフ期間が一致することがあり、このタイミングで撮像される画像は、光量不足により解析に使用できないほど劣悪なものになってしまう。
そこで、このような事態を回避するために、CCDカメラとDMDのPWM制御の動作タイミングの同期をとるための制御手段が別に必要となるが、システム全体が複雑になってしまう。つまり、CCDカメラを用いて蛍光画像を撮像するような蛍光顕微鏡において、照明装置にDMDを用い、照明光の明るさを変化させるのにDMDのPWM制御を行なうようにしたものは、シャッター速度の設定によっては、DMDのオフ期間と一致することがあり良好な静止画像を撮影するのが難しくなることがあり、この事態を回避するにも、それぞれの動作タイミングを同期させる制御手段が別途必要となり、システムが複雑で高価になるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、照明光の明るさ調整が可能で、しかも撮像手段により良質な画像が撮像できる顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段と、前記照明手段からの照明光を試料上に導く照明光学系と、前記複数の光発生要素をN×N個単位(Nは整数)でオン/オフ制御する制御手段とを具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記N×N個単位を構成する光発生要素について所定の個数単位でオン(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記照明手段は、光源と、該光源からの光を反射する複数の光発生素子としての微小ミラーを有するマイクロミラーデバイスを有し、前記微小ミラーを前記制御手段によりオン/オフ制御可能にしたことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記照明手段は、2次元的に配列された複数の固体照明素子を有するアレー照明装置を有し、前記固体照明素子を前記制御手段によりオン/オフ制御可能にしたことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、照明光を試料上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段の前記複数の光発生要素をN×N個単位(Nは整数)に構成し、該N×N個単位を構成する光発生要素について所定の個数単位でオン(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御することを特徴としている。
請求項6記載の発明は、照明光を試料上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段を制御するコンピュータプログラムであって、明るさ入力を待つ第1のステップと、前記第1のステップで入力される明るさ入力値からN×N個単位(Nは整数)に構成される光発生要素について所定の個数単位のオン(またはオフ)状態を決定してディザパターンを設定する第2のステップと、前記第2のステップで設定されたディザパターンに基づいて前記光発生要素のオン/オフを制御する第3のステップとを有することを特徴としている。
本発明によれば、照明光の明るさ調整が可能で、しかも撮像手段により良質な画像が撮像できる顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラムを提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる顕微鏡用照明装置を使用した顕微鏡システムの概略構成を示している。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる顕微鏡用照明装置を使用した顕微鏡システムの概略構成を示している。
図において、1はステージで、このステージ1には、試料として蛍光試料Sが載置されている。ステージ1は、光軸方向に上下動可能になっていて、この上下方向の移動により蛍光試料Sのピントを合わせが可能になっている。
ステージ1の上方には、蛍光試料Sに近接して対物レンズ3が配置されている。対物レンズ3は、倍率の異なる複数本(図示例では2本)がレボルバ2に保持され、レボルバ2の回転操作により選択的に対物レンズ3を光軸上に位置され、蛍光試料Sを観察できるようになっている。
一方、4は、照明用光源として、水銀ランプやキセノンランプなどの光源で、この光源4から発せられる光の光路には、照明光学系を構成するコレクタレンズ5、NDフィルタ6、反射ミラー7が配置されている。また、反射ミラー7の反射光路には、光源4とともに照明手段を構成するDMD8が配置されている。
コレクタレンズ5は、光源4からの光を平行光に変換するものである。NDフィルタ6は、光源4からの照明光の明るさを調整するためのもので、照明光が明る過ぎるような場合に光路中に機械的に挿入されるようになっている。
DMD8は、上述した図2に示すように角度位置が個別に制御される光発生要素としての複数の微小ミラー201を2次元的に配列し、各微小ミラー201に対する印加電圧をオン/オフ制御(印加電圧の制御)することで、各微小ミラー201を独立して制御できるようになっている。具体的には、1024×768個(約80万個)(図2では、2個の微小ミラー201のみを示している。)の微小ミラー201が2次元空間的に配置され、それぞれの微小ミラー201が、垂線SAに対して予め決められた傾斜角度±α(例えば10°)のいずれかに個別に設定されるようになっている(図2参照)。そして、傾斜角度+αの位置をオン、傾斜角度−αの位置をオフとしたとき、微小ミラー201をオン制御した状態で光源4の光の反射光202を照明光として蛍光試料S側に案内し、オフ制御された状態の反射光203を外部方向に放出することにより、所望の面積と形状の反射面を形成できるようにしている。なお、これら微小ミラー201は、制御部18により独立して10マイクロ秒オーダーの応答速度でオン/オフの切換え制御が可能である。
また、このようなDMD8は、照明光軸A(図1参照)に対して垂直で、対物レンズ3の光軸に対して垂直に投影されるように蛍光試料Sの共役位置に配置されている。
図1に戻って、DMD8の反射光路には、視野絞り投影レンズ9、励起フィルタ10を介してダイクロイックミラー11が配置されている。視野絞り投影レンズ9は、DMD8の微小ミラー201を最適な大きさで標本Sに投影させるためのものである。励起フィルタ10は、蛍光試料Sを励起するに必要な帯域の波長の光のみを透過する。ダイクロイックミラー11は、励起フィルタ10を透過された励起光を反射し、蛍光試料Sから発せられる蛍光を透過させるような特性のものが用いられる。
ダイクロイックミラー11の励起光の反射光路には、上述した対物レンズ3を介してステージ1上の蛍光試料Sが配置され、蛍光試料S上方から励起光を照射するようになっている。蛍光試料Sから発せられる蛍光は、励起光の波長より長波長側にシフトした光となって対物レンズ3よりダイクロイックミラー11を透過する。
ダイクロイックミラー11を透過した光路には、観察光学系を構成するバリアフィルタ12、光路切換え部13が配置されている。バリアフィルタ12は、蛍光の帯域以外の光をカットしてS/Nの良い観察像を取得するためのものである。光路切換え部13は、バリアフィルタ12より入射した光を2方向に分岐するもので、一方の光路に接眼レンズ14が配置されて目視観察を可能とし、また、他方の光路に、外部機器である撮像手段としてのCCDカメラ15が配置され、蛍光の撮像を可能としている。CCDカメラ15で撮像した蛍光像は、不図示のモニターで表示することが可能である。
CCDカメラ15には、制御手段としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する。)16が接続されている。PC16は、CCDカメラ15で撮像した画像をデジタル画像として取り込み、CRT17上に蛍光画像として表示させることができる。また、PC16は、不図示のキーボードから明るさ値を入力することで、蛍光試料Sの照明光の明るさを決定するパターンを生成するようにしている(詳細は後述する。)。このパターン情報は、制御部18に出力される。制御部18は、PC16からのパターン情報に基づいてDMD8の複数の微小ミラー201をN×N単位(Nは整数)でオン/オフ制御し、光源4からの照明光を蛍光試料S上に照射可能にしている。また、PC16で生成されたパターンは、CRT17上にも表示することが可能で、オペレータがパターンを確認することができるようになっている。
次に、このように構成した実施の形態の作用を説明する。
いま、光源4より光が発せられると、この光源4からの光は、コレクタレンズ5により平行光に変換され、NDフィルタ6(光路に挿入されている場合のみ)を介して反射ミラー7で反射し、さらにDMD8で反射し、視野絞り投影レンズ9を透過して励起フィルタ10に入射し、蛍光標本Sの励起に必要な帯域の波長光が透過し、ダイクロイックミラー11で反射し、対物レンズ3を介して蛍光標本S面に照射される。
そして、励起光により蛍光標本Sより発生した光は、ダイクロイックミラー11を透過し、バリアフィルタ12に入射し、蛍光の帯域以外の光がカットされ、光路切替部13を介して接眼レンズ14により観察像の目視観察またはCCDカメラ15による蛍光像の撮像が行われる。
このような状態において、DMD8を用いた照明光の明るさ調整について説明する。
ところで、DMD8を用いて照明光の明るさを調整をする場合、一般的には従来技術で述べたように微小ミラー201をPWM制御によりオン/オフさせ、このときのオン期間とオフ期間の割合(デューティー比)を変化させることで、明るさを変化させる方法が用いられている。しかし、この方法だと、微小ミラー201のオン期間にCCDカメラ15により撮像した画像と、微小ミラー201のオフ期間にCCDカメラ15により撮像した画像とで像の明るさが異なってしまい、特に、微小ミラー201のオン期間に撮像された画像は、極端な光量不足により解析に使用できないような劣悪なものになってしまう。
そこで、この第1の実施の形態では、DMD8のPWM制御を用いず、微小ミラー201をオン(又はオフ)に設定した状態のみで照明光の明るさ調整を行なうようにしている。
図4は、DMD8の微小ミラー201を3×3単位のマトリックスで制御する場合を示したものである。ここでは、図示の白抜きで示す状態をオン、黒塗りで示す状態をオフで示している。そして、3×3の微小ミラー201のうち、同図(a)に示すように全てオンした状態を0階調、同図(j)に示すように全てオフした状態を9階調とし、その間で同図(b)〜(i)に示すように微小ミラー201を1個ずつオフして1〜8階調を得られるようにすると、合計で10種類の階調を生成することができる。この場合、3×3の微小ミラー201の中でどの微小ミラー201からオフにしていくかは、任意でも、時計回りの順番でもかまわない。また、オフしていく微小ミラー201は、1個ずつに限らず複数個ずつであってもよい。さらに、同図(j)に示すように全てオフした状態から所定の個数単位でオンするようにしてもよい。
このようなディザパターンを用いると、微小ミラー201を全てオン状態にすると、光源4からの照明光の100%を光軸A方向に案内することができ、また、微小ミラー201を1個ずつオフ状態にしていくと、照明光の光量を約11.1%ずつ減らしていくことができ、全ての微小ミラー201をオフ状態にすることで光源4からの照明光を遮光することができる。
図5は、PC16により実行されるDMD8を用いて照明光の明るさを設定するためのプログラムのフロチャートを示したものである。
まず、ステップS1で、DMD8の微小ミラー201を全てオフにする。このステップS1は、必要がなければ省略してもよいが、蛍光観察では不要な光を照射すると蛍光が退色してしまうことから明るさの調整前は光を遮断しておくのが望ましい。
次に、ステップS2で、DMD8に設定する明るさの値の入力を待つ。オペレータは、PC16のキーボードなどの入力手段から明るさを指示する値を入力する。ここでの明るさ値は、例えば、3×3単位の微小ミラー201を全てオンにした状態を100%、全てオフにした状態を0%として、0〜100%までの値を入力する。
明るさ値が入力されると、次のステップS3に進む。ステップS3では、入力された明るさ値から対応するディザパターンを求める。例えば、3×3単位の場合、微小ミラー201を1個変化させると約11.1%の明るさが変化するので、入力された明るさ値から11.1%の倍数の最も近い値を求め、対応するディザパターンを求める。この場合、PC16は、予め図4(a)〜(j)で示すような各階調ごとのディザパターンと、これらディザパターンに対応する明るさ値を記憶しておき、明るさ値が入力されると、この入力された明るさ値に近い階調のディザパターンを求めるようにしてもよい。
ステップS4に進み、入力された明るさ値から求めたディザパターンをCRT17上に表示させる。この場合、図6に示すように3×3単位のディザパターンPTは、DMD8全体について並べて表示される。
このようにして生成されたバターン情報は、PC16から制御部18に出力される。制御部18は、PC16のパターン情報に基づいてDMD8の各微小ミラー201をディザパターン単位でオン/オフ制御し、これにより蛍光試料S上の照明光の明るさが制御される。
従って、このようにすれば、DMD8の微小ミラー201を3×3単位で制御することで、これら3×3単位のディザパターンを形成する微小ミラー201により照射される照明光の光量を制御することができるので、照明光の明るさ調整を簡単に行なうことができる。また、これら3×3単位のディザパターンPTをDMD8全体について並べて表示することで、蛍光標本S上の観察視野全体の明るさ調整を行なうことができる。
また、DMD8の微小ミラー201は、常にオンまたはオフに設定され、従来のようにPWM制御を用いた周期的な制御が行われることがないので、微小ミラー201のオン期間にCCDカメラ15により撮像した画像像と、オフ期間にCCDカメラ15により撮像した画像とで蛍光像の明るさが異なってしまうようなことがなくなり、CCDカメラ15より常に良質な画像を撮像することができる。
さらに、NDフィルターのように機械的にフィルタを挿入して明るさを調整するものと比べても、DMD8は、高速にディザパターンを表示することができるので、高速に明るさ調整ができ、さらに明るさの階調もNDフィルターを用いたものと比べ、細かく制御することもできる。
(第1の実施の形態の変形例1)
上述した実施の形態では、ディザパターンのマトリックスを3×3単位としたが、微小ミラー201が十分小さければ、N×Nとして、2×2、5×5、6×6など数を増減することができる。例えば、5×5の場合は、26種類の階調をつけることができるので、より細かい明るさ調整が可能となる。
上述した実施の形態では、ディザパターンのマトリックスを3×3単位としたが、微小ミラー201が十分小さければ、N×Nとして、2×2、5×5、6×6など数を増減することができる。例えば、5×5の場合は、26種類の階調をつけることができるので、より細かい明るさ調整が可能となる。
(第1の実施の形態の変形例2)
上述した実施の形態において、さらに蛍光試料Sの照明を部分的に行うような場合は、図7に示すように必要な部分のみ照射するような照射パターンPTAをDMD8の微小ミラー201で形成する。そして、さらに、この照射パターンPTAの範囲で明るさ調整したい場合は、上述したディザパターンを照射パターンPTAの範囲内で生成するようにすればよい。
上述した実施の形態において、さらに蛍光試料Sの照明を部分的に行うような場合は、図7に示すように必要な部分のみ照射するような照射パターンPTAをDMD8の微小ミラー201で形成する。そして、さらに、この照射パターンPTAの範囲で明るさ調整したい場合は、上述したディザパターンを照射パターンPTAの範囲内で生成するようにすればよい。
(第1の実施の形態の変形例3)
上述した実施の形態では、DMD8を蛍光試料Sと共役な位置に配置するようにしている。この場合、DMD8の微小ミラー201の面積が大きかったり、対物レンズ3の倍率を高くすると、DMD8上のディザパターンそのものが蛍光試料S上に投影されてしまい、明るさの調整にならないことがある。このような場合は、DMD8そのものを照明光軸A方向に前後移動し、蛍光試料S上に投影されるディザパターンをぼかすことで試料全体を均一に照明することができる。
上述した実施の形態では、DMD8を蛍光試料Sと共役な位置に配置するようにしている。この場合、DMD8の微小ミラー201の面積が大きかったり、対物レンズ3の倍率を高くすると、DMD8上のディザパターンそのものが蛍光試料S上に投影されてしまい、明るさの調整にならないことがある。このような場合は、DMD8そのものを照明光軸A方向に前後移動し、蛍光試料S上に投影されるディザパターンをぼかすことで試料全体を均一に照明することができる。
(第1の実施の形態の変形例4)
図5で述べたフローチャートのステップS2では、DMD8に設定する明るさの入力を待つ状態から、オペレータがPC16のキーボードなどの入力手段から明るさを指示する値を入力するようにしているが、この明るさ値の設定を自動的に行なうこともできる。
図5で述べたフローチャートのステップS2では、DMD8に設定する明るさの入力を待つ状態から、オペレータがPC16のキーボードなどの入力手段から明るさを指示する値を入力するようにしているが、この明るさ値の設定を自動的に行なうこともできる。
この場合、図1において、CCDカメラ15で撮像した画像がデジタル画像としてPC16に取り込まれる。このデジタル画像は、例えば1画素当たり256階調(0階調を黒、255階調を白として、その間をグレーの中間色で表現する)の明るさとしてPC16の不図示のメモリ上に記憶される。PC16は、デジタル画像の明るさを解析し、仮に、明る過ぎるような場合、例えば、200階調以上の明るさの場合は、最適な明るさとして、例えば128階調(目標値)に合わせる。この場合、DMD8のディザパターンを現在のパターンから暗い階調に変更する。すなわち、DMD8の微小ミラー201を、例えば、図4(a)に示す0階調から同図(b)に示す1階調へというように1段階ずつ暗くして行き、デジタル画像の最適な明るさ128階調(目標値)になるまで照明光を暗くしていく。逆に、デジタル画像の明るさが暗す過ぎるような場合は、微小ミラー201を調整して、デジタル画像の最適な明るさ128階調(目標値)になるまで照明光を明るくしていく。
このような処理をデジタル画像の明るさが目標値になるまで繰り返すことで、照明光の明るさを最適なものに調整すことができる。これらの制御は、PC16で実行するが、観察する試料(蛍光試料S)や顕微鏡システムに応じてディザパターンの変化量を変更できるようにしておく。
このようにすれば、その都度、オペレータが明るさ値を入力することなく、照明光の最適な明るさを設定することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる顕微鏡用照明装置を使用した顕微鏡システムの概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。
この場合、照明手段として、水銀ランプやキセノンランプなどの光源4に代えてアレー照明装置20を設け、このアレー照明装置20から発せられる光の光路に視野絞り投影レンズ9、励起フィルタ10を介してダイクロイックミラー11が配置されている。
アレー照明装置20は、固体照明素子として不図示の複数の発光ダイオード(LED)が2次元に配列され、それぞれ1つ1つの発光ダイオード(LED)を別々に点灯/消灯(オン/オフ)できるようになっている。つまり、この場合も、PC16からのパターン情報に基づいて発光ダイオード(LED)をN×N単位のマトリックスで制御し、ディザパターンを表示させることにより、蛍光試料S上での擬似的な明るさを調整することができる。
このようにすれば、第1の実施の形態で述べたDMD8をアレー照明装置20に置き換え、DMD8の微小ミラー201の代わりに用いられた発光ダイオード(LED)によりディザパターンを表示させることにより、蛍光試料Sの照明光の明るさを適宜調整することができる。
一方、発光ダイオード(LED)は、電圧を調整して明るさ制御をすると、発光波長にずれを生じることが知られている。このため、蛍光観察のように照明光の波長を重視するものでは、波長ずれにより蛍光観察そのものができなくなる。このため、従来では、発光ダイオード(LED)の明るさ制御にPWM制御を用いるのが一般的であった。しかし、PWM制御を採用すると、上述したようにCCDカメラのシャッター速度の設定によって、良好な画像を撮影するのが難しくなることがあった。このような場合でも、アレー照明装置20の発光ダイオード(LED)にディザパターンを表示させることにより、個々の発光ダイオード(LED)の点灯にPWM制御を用いず、常に一定の電圧値で点灯させて、波長ずれを回避した状態で明るさ調整を行なうことができる。
なお、このような第2の実施の形態についても、上述した変形例1、変形例2および変形例4を適用することができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
1…ステージ、2…レボルバ
3…対物レンズ、4…光源
5…コレクタレンズ、6…NDフィルタ
7…反射ミラー、8…DMD
9…視野絞り投影レンズ、10…励起フィルタ
11…ダイクロイックミラー、12…バリアフィルタ
13…光路切替部、14…接眼レンズ
15…CCDカメラ、16…PC
17…CRT、18…制御部
20…アレー照明装置
3…対物レンズ、4…光源
5…コレクタレンズ、6…NDフィルタ
7…反射ミラー、8…DMD
9…視野絞り投影レンズ、10…励起フィルタ
11…ダイクロイックミラー、12…バリアフィルタ
13…光路切替部、14…接眼レンズ
15…CCDカメラ、16…PC
17…CRT、18…制御部
20…アレー照明装置
Claims (6)
- 2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段と、
前記照明手段からの照明光を試料上に導く照明光学系と、
前記複数の光発生要素をN×N個単位(Nは整数)でオン/オフ制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする顕微鏡用照明装置。 - 前記制御手段は、前記N×N個単位を構成する光発生要素について所定の個数単位でオン(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用照明装置。
- 前記照明手段は、光源と、該光源からの光を反射する複数の光発生素子としての微小ミラーを有するマイクロミラーデバイスを有し、前記微小ミラーを前記制御手段によりオン/オフ制御可能にしたことを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用照明装置。
- 前記照明手段は、2次元的に配列された複数の固体照明素子を有するアレー照明装置を有し、前記固体照明素子を前記制御手段によりオン/オフ制御可能にしたことを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用照明装置。
- 照明光を試料上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段の前記複数の光発生要素をN×N個単位(Nは整数)に構成し、該N×N個単位を構成する光発生要素について所定の個数単位でオン(またはオフ)状態を増減させて複数階調の明るさを得られるように制御することを特徴とする顕微鏡用照明方法。
- 照明光を試料上に導く照明光学系に配置される2次元的に配列された複数の光発生要素を有する照明手段を制御するコンピュータプログラムであって、
明るさ入力を待つ第1のステップと、
前記第1のステップで入力される明るさ入力値からN×N個単位(Nは整数)に構成される光発生要素について所定の個数単位のオン(またはオフ)状態を決定してディザパターンを設定する第2のステップと、
前記第2のステップで設定されたディザパターンに基づいて前記光発生要素のオン/オフを制御する第3のステップと
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004204781A JP2006030280A (ja) | 2004-07-12 | 2004-07-12 | 顕微鏡用照明装置、方法およびコンピュータプログラム |
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- 2004-07-12 JP JP2004204781A patent/JP2006030280A/ja not_active Withdrawn
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