JP2006022402A - チタン合金部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れたチタン合金部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によるチタン合金部材は、表面から深さ約100μm以内において270MPa以上の圧縮応力を有する。大きな圧縮応力が表面近傍に生じているため、本発明によるチタン合金部材は、高い疲労強度を示す。
【選択図】図3

Description

本発明は、チタン合金ばねなどのチタン合金部材およびその製造方法に関する。
チタンは、鉄に比べ、構造部材あるいは機能部材として必要な物性に優れている。具体的には、チタンは、その密度が鉄よりも低く、比重に対する引っ張り強度などの強度が高い。また、チタンは、ヤング率も鉄の半分程度であり、優れた弾性特性を示す。このため、チタンを用いることにより、軽くて強度が高く、弾性に富む構造部材や機能部材を形成することができる。また、チタンに種々の元素を添加し、チタン合金を形成することにより、これらの特性をさらに改善することが可能である。
こうした利点にもかかわらず、チタンあるいはチタン合金を用いる構造部材や機能部材は、航空機やゴルフクラブのシャフトなど特殊な用途でしか用いられることはなかった。従来チタンやチタン合金を得るコストは鉄に比べて高かったからである。
しかし、近年、低コストでチタン合金を製造する方法が開発され、チタン合金を構造部材や機能部材として用いる場合のコスト上の制約は解消しつつある。このため、上述したチタンの利点を生かし、さまざまな分野の製品にチタン合金を用いることが検討されている。
特に、チタン合金を用いてばね(以下、「チタン合金ばね」と呼ぶ)を形成した場合、密度が低いため、ばねを構成する線材の単位長さあたりの重量を小さくできる。また、ヤング率が小さいためばねの巻き数を減らすことができ、同じ伸縮量を得るために必要なバネの高さおよびばねを構成する線材の全長を短くすることができる。このため、チタン合金ばねは、同等の機能を有し、鋼からなるばね(以下、「鋼ばね」と呼ぶ)に比べて60%程度重量を削減することができる。こうした軽量のばねを車両のサスペンションに用いることによって、車両全体の重量を低減し、振動の減衰を早め、車両の走行性能を向上させることが可能となる。
従来、鋼ばねを製造する場合、鋼からなるカットワイヤや鋳鋼玉などの投射材をばねの表面に投射し、表面を塑性変形させることによって、ばね表面近傍の内部に圧縮応力を生じさせ、ばねの耐久性を向上させる処理が行われる。この処理をショットピーニングという。ばねの表面近傍に圧縮応力が生じている場合、表面に傷が生じても、圧縮応力はその傷が拡大しない方向に働く。このため、傷が拡大し破壊に至るのを抑制することができる。
チタン合金からなるばねを製造する場合にも、たとえば特許文献1および2に開示されているように、ショットピーニングを施すことによって耐久性を向上させることが知られている。
特開平5−195175号公報 特開平5−112857号公報
しかしながら、本願発明者の研究によれば、上記文献に開示されるようなショットピーニングの条件では、十分な耐久性、特に十分な疲労強度を有するばねを得ることができないことが分かった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性に優れたチタン合金部材およびその製造方法を提供することにある。
本発明のチタン合金部材は、表面から深さ約100μm以内において270MPa以上の圧縮応力を有する。この圧縮応力は、V管球を用いたX線法による残留応力の測定結果によるものである。
ある好ましい実施形態において、チタン合金部材は、表面から深さ約100μmまでの表面領域および前記表面領域の内部に位置する内部領域を含み、前記表面領域は、前記内部領域よりもα相が多い変質層を含み、前記表面領域における前記変質層の割合は10vol%以下である。
ある好ましい実施形態において、前記表面は、最大表面粗さRtが20μm以下である。
ある好ましい実施形態において、前記チタン合金部材は、常温において50vol%以上のβ相を含む。
ある好ましい実施形態において、前記チタン合金部材は、ばねである。
ある好ましい実施形態において、前記チタン合金部材は、車両用サスペンションばねである。
ある好ましい実施形態において、前記チタン合金部材は、エンジン用バルブスプリング、エンジン用コネクティングロッド、および航空機用構造部品から選ばれるいずれかである。
本発明によるエンジンは、上記構成を有するチタン合金部材を備えている。
本発明による車両は、上記構成を有するチタン合金部材を備えている。
本発明のチタン合金部材の製造方法は、成形チタン合金部材を用意する工程(A)と、第1の投射材を用いて前記成形チタン合金部材にショットピーニングを施す工程(B)と、前記工程(B)によって前記成形チタン合金部材の表面領域に生じた変質層の少なくとも一部を、機械的または物理的に除去する工程(C)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記工程(C)は、前記第1の投射材より高い硬度を有する第2の投射材を前記成形チタン合金部材の表面に投射することによって行われる。
ある好ましい実施形態において、前記第2の投射材は、1000以上のビッカース硬度を有する。
ある好ましい実施形態において、前記第2の投射材はSiO2を含む。
ある好ましい実施形態において、本発明のチタン合金部材の製造方法は、前記工程(C)により、表面から深さ約20μmないし約40μmまで前記チタン合金部材を除去する。
ある好ましい実施形態において、前記成形チタン合金部材は370から470のビッカース硬度を有する。
ある好ましい実施形態において、前記工程(A)は、チタン合金からなる線材を巻回し、コイル形状を有する成形チタン合金部材を得る工程(A1)と、前記成形チタン合金部材に時効処理を施す工程(A2)とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記工程(B)は、遠心力、圧縮空気および水圧のいずれかによって前記第1の投射材を前記成形チタン合金部材に投射することによって行われる。
本発明のチタン合金部材は、破壊の起点となる欠陥が生じた変質層をほとんど含んでおらず、圧縮応力がチタン合金部材の表面近傍に生じている。このため、本発明のチタン合金部材は、高い疲労強度を示す。
本願発明者は、従来技術のショットピーニングをチタン合金ばねに施しても十分な疲労強度が得られない原因を調べるため、チタン合金ばねの断面を調べた。図1(a)は鋼ばねの断面を示す写真であり、図1(b)はチタン合金ばねの断面を示す写真である。いずれのばねにも、疲労強度を向上させるために用いる従来のショットピーニングの処理を施している。
図1(a)および(b)を比較すれば明らかなように、鋼ばねには見られない欠陥の生じた領域がチタン合金ばねの表面近傍に見られる。チタン合金ばねの断面を詳細に検討した結果、以下のような知見が得られた。
図2(a)は図1(b)に示すチタン合金ばねの断面を模式的に示している。断面を詳細に分析および検討した結果、ショットピーニングを行ったチタン合金ばねの表面近傍には、欠陥3が生じた変質層2が形成されていることが分かった。
チタン合金は常温では六方稠密充填(HCP)構造をとっているが、885℃以上の温度にある場合、または、合金元素としてMo、V、Nb、Taなどを含む場合、体心立方(BCC)構造をとる。HCP構造およびBCC構造をそれぞれα相およびβ相と呼び、常温においてBCC構造をとる合金をβ合金という。一般にβ相のほうが加工性に優れるため、チタン合金ばねはβ合金を用いて作られる。
投射材をチタン合金ばねの表面に投射した場合、投射材の運動エネルギーは表面のくぼみ形成、表面の発熱という形で消費される。分析の結果、変質層2ではショットピーニングにより発生したエネルギー(変形と熱)によってβ相がα相に変態しており、変質層2の大部分がHCP構造のα相により構成されていることが分かった。この変質層2の厚さは約20μmから約40μmであった。変質層2よりも内部に存在する領域1は熱の影響を受けず、β相あるいはβ相を多く含む合金により構成されている。つまり、変質層2は領域1よりもα相を多く含んでいる。
図2(b)は、図2(a)に示す断面における内部残留応力の深さ方向のプロファイルを模式的に示している。図2(b)に示すように、表面に変質層2が形成されており、圧縮残留応力は深くなるにしたがって増大している。圧縮応力は変質層の内部の領域1(約200μm)において最大となっている。
図1(b)に示すチタン合金ばねに対して疲労試験を行ったところ、疲労強度が低下していることが分かった。これは、変質層2に生じた欠陥3が領域1との界面4にまで達しているために、変質層2と変態の生じていない領域1との界面4に応力が集中し、界面4を起点として破断が領域1の内部へ広がることが原因であると推察される。
これらのことから、変質層2を除去することにより、破断の起点となる欠陥3を取り除き、かつ、比較的大きな圧縮応力が残留している領域1を表面近傍に設けることができると考えられる。これにより、ばねの表面近傍の圧縮応力を利用して、チタン合金ばねの疲労強度を向上させることができる。
以下、本発明のチタン合金部材およびその製造方法を具体的に説明する。
図3(a)は、本発明によるチタン合金部材の表面近傍の構造を模式的に示している。また、図3(b)は、図3(a)に示す構造における残留応力の深さ方向のプロファイルを示している。チタン合金部材10は、表面領域11bおよびその内部に位置する内部領域11aを含む。表面領域11bは、チタン合金部材10の表面11sから深さ約100μm以内の領域であり、270MPa以上の圧縮応力を有している。この圧縮応力は、以下において詳細に説明するように、ショットピーニング処理によって生じている。ショットピーニングにより表面に生じる変質層はチタン合金部材10から除去されている。
本願発明者が詳細な検討を行ったところ、チタン合金部材10の表面11sから100μmより浅い領域すなわち表面領域11bにおいて、270MPa以上の圧縮応力が生じていることにより、チタン合金部材10の疲労強度が向上することが実験的に確認された。ただし、チタン合金部材10の降伏点を考慮すると、圧縮応力は1100MPa以下であることが好ましい。ここでいう応力は、V管球を用いたX線法によりチタン合金部材10のβ相の残留応力を計測したものである。ただし、X線法による応力の値は一般的な応力計測方法である歪みゲージ法による値とは一致しない。このため、X線法による応力を歪みゲージ法を用いて検定を行い、検定に基づいて、X線法による応力の値を補正している。
図3(b)に図2(b)のプロファイルを破線で示している。図3(b)から明らかなように、従来のショットピーニングにより得られる応力のピークに比べて表面近傍に応力のピークが移動しており、深さ約100μmにおいて圧縮応力は最大となる。ショットピーニングによる圧縮応力のプロファイルは、投射材の質量および投射速度に依存する。一般に、大きな圧縮応力を発生させるためには重い投射材を用いる必要があり、投射材が対象物へ衝突する際のエネルギーも大きくなる。このため、対象物の内部深くまで投射材によるエネルギーが伝播し、応力のピークも深くなってしまう。つまり、大きな圧縮応力を形成する条件を用いてショットピーニングを一回施す場合、応力の最大値は表面から深いところに位置してしまい、本発明のように、大きな応力を表面から比較的浅い領域において形成することは難しい。
なお、表面近傍の圧縮応力を規定するために、チタン合金部材10の表面から100μmより浅い領域を表面領域11bと呼んでいるが、表面領域11bと内部領域11aとを分ける組成や物性の差異は実際には生じていない。図3(b)に示す例では、圧縮応力は表面領域11bと内部領域11aとの境界近傍において最も大きくなり、境界よりも内部領域11aの内部では応力は急激に小さくなり、その後ほぼ一定値をとる。
表面領域11bおよび内部領域11aを含むチタン合金部材10の全体11は、β相を50vol%以上含んでいることが好ましく、チタン合金部材10の全体11がβ相により構成されていてもよい。つまり、β相を50vol%以上含むα+β合金またはβ合金であればよい。このような合金は、Al、Fe、Mo、Sn、V、Zr、Si、Cr、Nb、Oなどの元素の一種以上を含んでいる。代表的な組成としては、Ti−1.5Al−4.5Fe−6.8Mo−0.15O、Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al、Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−15Mo−5Zr、Ti−15Mo−5Zr−3Alなどが挙げられる。
上述したようにショットピーニング処理の際に生じる変質層は除去され、表面領域11bに変質層が含まれていないことが好ましい。しかし、変質層が10vol%を超える割合で表面領域11aに残っていなければ、応力集中の原因となる欠陥3はチタン合金部材10からほとんど除去され、チタン合金部材10は高い疲労強度を備える。
チタン合金部材10の表面11sは、20μm以下の最大表面粗さRtを有していることが好ましい。表面11sを平滑にすることによって、表面11sにおける応力の集中を緩和し、疲労によるチタン合金部材10の破断を抑制することができる。特に、表面11sに一箇所でも粗い部分が存在すると、その部分に応力が集中するので、最大表面粗さを上述の値にすることにより、変質層を除去した効果に加えて、応力集中の緩和を図ることができる。
次に図4および図5を参照しながら、本発明によるチタン合金部材の製造方法の一例を説明する。以下の説明では、チタン合金ばねを製造する方法を説明する。
まず、ばねを構成する線材を用意する(ステップ21)。線材が所望の直径を有するように、あらかじめ冷間伸線加工などを施しておく。線材には上述したチタン合金材料のうち、加工性に優れるβ合金またはα相が少ないα+β合金を用いることが好ましい。用意した線材をコイリング成形などの成形方法により所望の形状に成形し(つまり巻回し)、成形したチタン合金部材である成形ばねを得る(ステップ22)。その後、成形ばねに時効処理を施す(ステップ23)。
次に、成形ばねの表面近傍に圧縮応力を発生させるためショットピーニング処理を行う(ステップ24)。図5(a)に示すように、ばね30の表面30sに投射材31を投射し、表面30sにくぼみを形成する。投射材31としては、鋳鋼ショット玉またはカットワイヤを用いることがコストの観点から好ましい。投射材31の大きさ、投射速度および投射密度は製造するチタン合金部材の大きさや用途、チタン合金部材を構成する合金の組成に応じて適宜選択する。投射材は、遠心力、圧縮空気および水圧など公知の方法を用いて投射することができる。図5(a)に示すように、ショットピーニング処理によりばね30の表面30s近傍に内部領域30aよりもα相が多く含まれ、欠陥が生じた変質層30bが形成される。また、ショットピーニング処理により、変質層30bおよび内部領域30aに圧縮応力が生じる。用途に応じてチタン合金部材が最適な圧縮応力のプロファイルを深さ方向に有するよう、上述の条件を変更してショットピーニング処理を複数回行ってもよい。一般に大きな投射材31を用いてショットピーニング処理を行うことにより、チタン合金部材の内部深くに圧縮応力を発生させることができる。
次に変質層30bの除去を行う(図4のステップ25)。変質層30bを除去する際、内部領域30aに対してさらに圧縮応力を付加しながら変質層30bを除去することが好ましい。また、変質層30bを除去後、ばね30の表面の面粗度が小さくなっていることが好ましい。このような条件を満たす限り、どのような方法により変質層30bを除去してもよい。しかし、圧縮応力を付加しながら変質層30bを除去するために、機械的あるいは物理的に変質層30bを除去することが好ましい。
機械的に変質層30bを除去する場合には、粒子径の小さい投射材を用いてショットピーニングにより変質層30bを除去することがより好ましい。一般にチタン合金は370〜470程度のビッカース硬度を備えているので、この値よりも高い硬度を有し、研磨性に優れる投射材を用いることが好ましい。たとえば2.5程度の比重および1000程度のビッカース硬度を有し、平均粒径が約50μm以下のSiO2からなる投射材を用いることが好ましい。このような投射材は、粒径および比重が小さいため、衝突によるエネルギーが小さく、投射によってばね30の表面に凹凸を新たに形成することはないが、衝突によってある程度応力を内部領域30aに付加できる。また、SiO2からなる投射材は、球状であるものの硬度が高いため、研磨能が高いと考えられる。これに対して、1回目のショットピーニングで用いた例えば鋳鋼からなる投射材は、SiO2からなる投射材よりも硬度が低い。このため、ショットピーニングにおいては、チタン合金部材が塑性変形するだけで、変質層30bや内部領域30aの研磨はほとんど生じない。
図5(b)に示すように、SiO2からなる投射材32をばね30に投射することによって、変質層30bを除去する。この際、変質層30bを完全に除去し、さらに内部領域30aの一部も除去しても良い。また、変質層30bが一部残っていても、表面から所定の深さの表面領域に占める変質層30bの割合が前述した値以下であればよい。ばね30の表面30sの大きな凸部は選択的に投射材32が衝突し、研磨される。これにより、表面30sの面粗度が小さくなる。その結果、図5(c)に示すように、変質層30bが除去され、内部領域30aが表面30s’に露出したばね30’が得られる(図4のステップ26)。
このようにして製造されたチタン合金ばねは、破壊の起点となる欠陥が生じた変質層が除去されており、圧縮応力がばねの表面近傍に生じている。また、表面の面粗度が小さいため、応力集中が緩和される。このため、高い疲労強度を示す。
上記実施形態ではばねを例にとり、本発明のチタン合金部材を説明した。この本発明のチタン合金ばねは、二輪車や四輪車などの車両用サスペンションばねに好適に用いることができる。また、本発明のチタン合金ばねは、エンジン用バルブスプリングにも適している。また、本発明のチタン合金部材は、疲労強度に優れるため、繰り返し応力を受けるばね以外の弾性部材や構造部材にも好適に用いることができる。たとえばエンジンのピストンとクランクシャフトとを結合するコネクティングロッドや、エンジンバルブなどをはじめ、航空機用構造部品としても好適に用いることができる。
以下、本発明によるチタン合金部材を作成し、特性等を評価した結果の一部を示す。以下に示す例では、チタン合金としてTi−1.5Al−4.5Fe−6.8Mo−0.15Oの組成を有し、直径12mmのワイヤを用いて、コイル径100mm、高さ150mmの二輪車用サスペンションばねを作製した。
このばねに対して520℃で3時間時効処理を行った後、以下の条件でショットピーニング処理および変質層の除去を行った。また、比較例として、同様の手順によりばねを作製し、ショットピーニング処理のみを行った。なお、本実施例では、投射材を換えてショットピーニング処理を2回行っている。これは、より均等に内部応力を付与するためである。
図6(a)および(b)は本発明のばね、および、比較例のばねの断面を示す写真である。図6(a)から明らかなように本発明のばねは、表面から内部まで均一な構造を有している。一方、図6(b)から、比較例のばねでは欠陥が多数発生した変質層が表面近傍に形成されているのが分かる。また、比較例のばねに比べて本発明のばねの表面では面粗度が小さくなっている。
図7は、本発明のばねおよび比較例のばねの深さ方向の応力を計測した結果を示すグラフである。応力は、V管球を用いたX線法によりβ相の残留応力を測定することによって計測した。測定装置としては、理学電機製X線応力測定装置PSPC−MSF型を用いた。前述したように、歪みゲージ法による補正を行っている。
図7に示すように、本発明のばねでは、表面から急激に圧縮応力が内部に発生しており、表面から約100μmの深さにおいて、約290MPaの圧縮応力が生じている。さらに深い部分では圧縮応力は徐々に緩和され、約400μmより深い領域では、220MPaの一定値をとっている。これはα相の析出応力ではないかと考えられる。
これに対して比較例では表面から徐々に圧縮応力が発生し、約200μmの深さにおいて約310MPaの圧縮応力が生じている。さらに深い部分では圧縮応力は徐々に緩和され、約400μmより深い領域では、260MPaの一定値をとっている。
図7から明らかなように、本発明のばねのほうがより表面近傍において大きな圧縮応力が発生している。
図8は、本発明のばねおよび比較例のばねに対し、回転曲げ疲労試験を行った結果を示している。図8から明らかなように本発明のばねのほうが破断するまでの繰り返し回数が比較例に比べて10倍ほど多く、疲労強度が向上していることが分かる。
このように、本発明のばねは比較例のばねに比べて、変質層が完全に除去されており表面に欠陥がない、表面の面粗度が小さい、表面から急激に大きな圧縮応力が生じているという特徴を備えている。このような特徴が疲労強度の向上に寄与しているものと考えられる。
下記表2に、表面から深さ約100μm以内における最大圧縮応力を変化させて耐久性評価試験を行った結果を示す。表2からもわかるように、表面から深さ約100μm以内において270MPa以上の圧縮応力を生じさせることにより、優れた耐久性が得られる。
図9に、本発明によるチタン合金ばねをサスペンションばねとして備えた自動二輪車100を示す。
自動二輪車100では、本体フレーム101の前端にヘッドパイプ102が設けられている。ヘッドパイプ102には、フロントフォーク103が車両の左右方向に揺動し得るように取り付けられている。フロントフォーク103の下端には、前輪104が回転可能なように支持されている。
本体フレーム101の後端上部から後方に延びるようにシートレール106が取り付けられている。シートレール106上にはシート107が設けられている。
本体フレーム101の中央部には、エンジン(内燃機関)109が保持されている。エンジン109の排気ポートには排気管110が接続されており、排気管110の後端にマフラー111が取り付けられている。
また、本体フレーム101の後端に、後方へ延びる一対のリアアーム113が取り付けられている。リアアーム113は、シートピラー114に枢支されている。リアアーム113の後端には後輪115が回転可能なように支持されている。
自動二輪車100の左側に配置されたリアアーム113と右側に配置されたリアアーム(ここでは不図示)とは、車両の幅方向に延びる接続部材116によって互いに接続されている。
接続部材116とシートレール106とは、緩衝器120によって連結されており、リアアーム113および後輪115が緩衝器120によって車体に懸架されている。
緩衝器120を拡大して図10に示す。緩衝器120は、油圧式のシリンダ121と、このシリンダ121に外嵌されたばね122とを有している。ばね122を含む緩衝器120によって、後輪115から伝わる衝撃や振動が減衰される。
自動二輪車100は、緩衝器120のばね122として、疲労強度に優れた本発明によるチタン合金ばねを備えているので、好適な性能が得られる。
なお、ここでは、本発明によるチタン合金ばねをサスペンションばねとして備えた自動二輪車100を例示したが、本発明によるチタン合金ばねをエンジン用バルブスプリングとして用いても好適な性能が得られる。また、本発明によるチタン合金部材をエンジン用コネクティングロッドとして用いても好適な性能が得られる。これらのサスペンションばね、エンジン用バルブスプリング、コネクティングロッドなどは、内燃機関用部品とも総称される。
本発明のチタン合金部材およびその製造方法は、ばねなどの弾性部材や構造部材として種々の分野に適用することができる。特に、軽量で強度が高く、耐久性にも優れるので、車両、航空機などの輸送機器、建築などの分野において好適に用いられる。
(a)および(b)は、それぞれ鋼ばねの断面組織および従来のチタン合金ばねの断面組織を示す写真である。 (a)は従来のチタン合金ばねの断面組織を説明する模式図であり、(b)は深さ方向の応力分布を示している。 (a)は本発明のチタン合金ばねの断面組織を説明する模式図であり、(b)は深さ方向の応力分布を示している。 チタン合金ばねの製造方法を示すフローチャートである。 (a)から(c)は、チタン合金ばねの製造方法を示す工程断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明のチタン合金ばねおよび比較例の断面組織を示す写真である。 本発明のチタン合金ばねおよび比較例の深さ方向の応力分布を示すグラフである。 本発明のチタン合金ばねおよび比較例の回転曲げ疲労試験の結果を示すグラフである。 本発明のチタン合金ばねを備えた自動二輪車を模式的に示す側面図である。 図9に示す自動二輪車が備える緩衝器を拡大して示す図である。
符号の説明
10 チタン合金部材
11a 内部領域
11b 表面領域
11s チタン合金部材の表面
30、30’ ばね
30a 内部領域
30b 変質層
30s、30s’ ばねの表面
31、32 投射材
100 自動二輪車
120 緩衝器

Claims (17)

  1. 表面から深さ約100μm以内において270MPa以上の圧縮応力を有するチタン合金部材。
  2. 表面から深さ約100μmまでの表面領域および前記表面領域の内部に位置する内部領域を含み、前記表面領域は、前記内部領域よりもα相が多い変質層を含み、前記表面領域における前記変質層の割合は10vol%以下である請求項1に記載のチタン合金部材。
  3. 前記表面は、最大表面粗さRtが20μm以下である請求項1または2に記載のチタン合金部材。
  4. 前記チタン合金部材は、常温において50vol%以上のβ相を含む請求項1から3のいずれかに記載のチタン合金部材。
  5. 前記チタン合金部材は、ばねである請求項1から4のいずれかに記載のチタン合金部材。
  6. 前記チタン合金部材は、車両用サスペンションばねである請求項1から4のいずれかに記載のチタン合金部材。
  7. 前記チタン合金部材は、エンジン用バルブスプリング、エンジン用コネクティングロッド、および航空機用構造部品から選ばれるいずれかである請求項1から4のいずれかに記載のチタン合金部材。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載のチタン合金部材を備えたエンジン。
  9. 請求項1から4のいずれかに記載のチタン合金部材を備えた車両。
  10. 成形チタン合金部材を用意する工程(A)と、
    第1の投射材を用いて前記成形チタン合金部材にショットピーニングを施す工程(B)と、
    前記工程(B)によって前記成形チタン合金部材の表面領域に生じた変質層の少なくとも一部を、機械的または物理的に除去する工程(C)と、
    を包含するチタン合金部材の製造方法。
  11. 前記工程(C)は、前記第1の投射材より高い硬度を有する第2の投射材を前記成形チタン合金部材の表面に投射することによって行われる請求項10に記載のチタン合金部材の製造方法。
  12. 前記第2の投射材は、1000以上のビッカース硬度を有する請求項11に記載のチタン合金部材の製造方法。
  13. 前記第2の投射材は、SiO2を含む請求項11または12に記載のチタン合金部材の製造方法。
  14. 前記工程(C)により、表面から深さ約20μmないし約40μmまで前記成形チタン合金部材を除去する請求項10から13のいずれかに記載のチタン合金部材の製造方法。
  15. 前記成形チタン合金部材は370から470のビッカース硬度を有する請求項10から14のいずれかに記載のチタン合金部材の製造方法。
  16. 前記工程(A)は、
    チタン合金からなる線材を巻回し、コイル形状を有する成形チタン合金部材を得る工程(A1)と、
    前記成形チタン合金部材に時効処理を施す工程(A2)と、
    を含む請求項10から15のいずれかに記載のチタン合金部材の製造方法。
  17. 前記工程(B)は、遠心力、圧縮空気および水圧のいずれかによって前記第1の投射材を前記成形チタン合金部材に投射することによって行われる請求項10から16のいずれかに記載のチタン合金部材の製造方法。
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